【オリジナル・安価&コンマ】宇宙を駆ける者たちの物語Part3

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66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/08(月) 01:21:27.79 ID:qccCt/A6O
割り切れよ、じゃないと死ぬぞ
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/08(月) 01:46:11.27 ID:+jPEz36rO
>>66
それ言った人が死んだんですが
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/08(月) 01:49:14.40 ID:NYFdXzHZ0
>>61、一番ヤバい相手だとクロエ死亡確定の上、死亡率が更に倍でしたので、まだマシな方です。
99変換権が4に増えました。やったねたえちゃん。


「何なんだよ!この子供たちはぁ!?」

「パパの仇だ…!全員肉塊になりやがれ蛆虫どもが!!!」

開放されたハンガーの中で銃撃戦をする『ノア』乗員とテロリスト。

警備員も当初は『ノア』側にいたのだが、あえなく全滅してしまった。

「づっ…!?」

「リーネ!?クソッ!」

銃弾を肩に受け、衝撃で投げ出されるリーネ。それを庇いに行くボァブだが、彼も無数の銃弾に穿たれる。

「ボァブさん!にゃろー!」

アンカーを飛ばし、服を引っ掛けて二人を救出するカイン。ニートだってやる時はやるのだ。

「二人の治療は私がやるよ。これ以上踏み込ませないでくれ」

「了解」

「ゲームみたいにやれればなぁ…。全員キル取れるのに」

「馬鹿言わないで、カインさん」

ARMの陰から迎撃をするリーゼとカイン。的確な射撃が、戦力を漸減させる。

「…おい!これじゃあ、例のブツは奪えねえ!」

『みたいだなぁ。お前らは一回下がれ』

『…後は、全部灰にしちまえばいいんだよぉ!!!』

「…分かった!ちゃんと拾えよ!」

『アームは射出してる。勝手に乗りな』

「…逃げた?」

「…ううん、違う」

後退していくテロリストたち。カインらも手を止めるが、リーゼはすぐさま『バルキリア』の元に向かった。

「リーゼくん?君は行くべきじゃあないよ」

「でも、行かなきゃ。お兄ちゃんが戻ってくるまで、戦えるのは私だけ」

言葉を返しながらも、コックピットに乗り込むリーゼ。当然、部外者の操縦をAIが制止する。

『ちょっと!?資格が無い人が動かしたら駄目よ!』

「『ハルヴレーヴァ』」

『…はぁ!?』

「聞こえなかった?なら、もう一度言う」

『き、聞こえてるわよ!ええ分かったわ!コントロールシステム起動!後は勝手にやってよね!!』

「分かってる」

キュオン。

そんな音を立て、ツインアイに光が灯る。薄緑色の双眸は、彼方にある軍艦を捉えている。

「『ライトニング』。リーゼ、リフトオフ」

美麗な双剣を抜刀し、一人の戦士が、籠を破り飛び立った。
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/08(月) 01:57:38.76 ID:NYFdXzHZ0
「…邪魔なんで、どいてください」

「駄目ですよ!今は入港出来ないんです!」

「もう一度だけ言います。そこをどけ」

「だから…!生身で行って、死ぬ気ですか!?」

格納庫の入り口で通せんぼを食らうリヒト。既に、怒りは沸点に達していた。

「俺のアームがあんだよ。どけって言ってんだ」

「それとも何か?来るかも知れない助けを待って、妹たちを死なせろってのか?あ!?」

「う…うぅ…!」

CA(キャビンアテンダント)の女性が、涙を浮かべながら助けを求める。機長は首を横に振り、扉を開いた。

「…自己責任でお願いします。我々は、皆様の命を守るため、最善を尽くしているだけですので」

「分かってます。さっさとハッチを開いてくださいね」

手すりを蹴り、ARMのコックピットまで一直線に移動する。外部操作で素早く開けると、流れるように中に入った。

「…誰だよ。こんな巫山戯たことをするのは」

その怒りの矛先は、モニターに映る軍艦へと向けられている。それをぶつけるために『極限』は今、目を覚ました。

「…ぶっ潰す。命乞いしても、絶対に殺すからな、あんたら」

呪詛を吐きながら、スロットルを全開にし、エクストリームは飛翔した。
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/08(月) 02:00:30.71 ID:NYFdXzHZ0
本日はこれで終了です。山場は越えたので、後は蹂躙タイムが始まるだけです。

第二部までもう少し。これからも頑張っていきたいと思います。お疲れ様でした。
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/08(月) 02:00:48.22 ID:tsDdfNvC0
おつ
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/08(月) 02:01:03.98 ID:P2u+C0D20
乙でした。
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/08(月) 02:04:13.30 ID:+jPEz36rO
新型に正規パイロットが乗れないのはお約束なのかね乙
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/08(月) 08:19:18.38 ID:8lzfu7dA0


クロエの動き歴戦すぎない?
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/08(月) 11:27:10.46 ID:Roy3hX2h0
テロリストの目的はおそらくバルキリアの奪取なんだろうけど、正体がいまいち掴めんよな
正規軍なら洗脳したチャイルドソルジャーなんか使わずに、少数精鋭の特殊部隊で短時間の内に制圧する方がはるかにリスクは少ないし
かといって反地球派テロリストが戦術的価値ありきでバルキリアを強奪したところで戦略的メリットには乏しいように思える
一番可能性ありそうだと思ったのが少年兵を育てるノウハウを持ってると思われるサーシェスマーセナルの元社員と倒産後行き場を失った少年兵達なんだけど、サーシェスが死んだ後に元社員は全滅したって明言されちゃてるしなぁ
となるとバルキリアを狙う人物や組織に雇われた宙賊や傭兵って線が妥当か
少年兵もリヒト(バルキリア)に親を殺された宙賊の子供とかで説明がつくし
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/08(月) 20:41:46.73 ID:g+ldaYU70
思ったんだが2部以降の主人公は今までのキャラ募集と同じ要領で募集式にしたらどうだろう。>>1がその中からストーリー思いつくのをチョイスする感じで、あるいは多数決挟んでもいい。
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/09(火) 23:14:49.89 ID:AKnUeyo50
>>75、木星コロニーから逃げ出した奴らが全滅しただけなんです。地球とかの遠方にいる人なら、保身のために身を隠すでしょうから。
そもそも、ライアちゃんがいる時点でその辺りの設定は…。テロリストの正体は深く考えないでいいですよ。
>>76、それもアリですね。少しどうするか考えてみます。

カイルの名前を間違えているのに、誰も気に留めない悲しさ。所詮ニートか。では、再開です。
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/09(火) 23:16:47.83 ID:bUO+hTXF0
カイ・・・カイジだっけ?
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/09(火) 23:22:25.46 ID:AKnUeyo50
「おい、出撃だ」

ブリッジ内の大人を蹴る少年。不満気ながらも、大人たちは渋々従い外に出ていく。

「リーダーに良い思いをさせてもらったが、お前には恩は無いんだよなぁ…」

「ケッ。ピンチと見るにすぐ逃げ出した奴が言うなよ。俺がいなけりゃ、全員死んでたくせに」

「…力を持った餓鬼ほど、気持ち悪いもんは無いな」

「ヴェンデッタ隊は本艦を護衛しつつ撤退しろ。足が遅いから、長居出来ねえだろうし」

「俺とナタルは奴を潰す。アレの発艦準備を急げ」

カチューシャを外し、ブカブカのコートを脱ぎ捨てる少年。刺青だらけの身体が露わになり、ぼさぼさの赤毛がふわり、と揺れる。

「行くぞ、ナタル。仇討ちの始まりだ」

「オッケー、お兄ちゃん♡」

同じく赤毛の少女が、少年の後を追う。彼女の方は、顔に刺青を入れている。

ガコン。

二機のARMが、専用のカタパルトに設置される。片方は鈍色に輝く重装備ARM。もう片方は純白で女性的な印象を持たせる、流線型のARM。

「基地からかっぱらった機体を投入させるんだ。相応の利益を出さねえとな」

「それはオマケでしょ?ナタルたちは、パパの仇を取るために戦うんだし」

「ああ。…親父を消したツケ、その命で償え。クソ野郎ども」

次々と射出されるARM。その数は、二十をを優に超えていた。
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/09(火) 23:34:15.18 ID:AKnUeyo50
「レーダーのこの点が友軍機で、赤いのが敵性存在。それで、この青色が生体反応。合ってる?」

『ええ。テロリストがARMを待ってるみたい。まぁ、ここからじゃあ間に合わないでしょうけど』

「『EXTREME』。お兄ちゃんも帰ってきたんだ」

コンソールを操作し、回線を繋ぐ。左前に設置された第三モニターに、愛しい人の顔が映された。

『リーゼッ!?なんでバルキリアに乗って…。いや、それより何があったんだ!?』

「お兄ちゃん、話は後。まずは、敵を全員墜とさないと」

『ヴェンデッタが24…。それと、アンノウンが2!?過剰戦力過ぎやしないか!?』

「大丈夫。ライトニングとお兄ちゃんがいれば、勝てるから」

操縦桿を握り、前に押し込む。メインスラスターとサブスラスターの両方から、エネルギーが放出される。

「『HELEN』、ビットの操作はお願い」

『ちょっと待ちなさい。カメラと座標データの同期…『完了』。量子通信…『良好』』

『『トラペジアソードビット』、全基射出。ターゲット…敵艦護衛ARM『ヴェンデッタMARK-2』』

「敵機射程内に侵入。回避行動を選択」

ビームの雨をすり抜けながら、ビーム・ショットガンの銃身(バレル)を収束モードに変更し、迎撃する。

多少ギミックを組み込んだとはいえ、性能は敵機のものと左程変わらない。が。

「今ので二機…!?」

たったの一射で、ビームに飲み込まれたヴェンデッタ二機が蒸発した。


01〜05:ライトニングバルキリア被弾。戦闘継続に支障無し。
06〜15:戦闘膠着。
16〜70:ヴェンデッタ戦隊壊滅。母艦撃沈。
71〜99:アンノウン一機も撃墜する。
00:理不尽というのはこういうことだ!

↓1
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/09(火) 23:34:59.14 ID:rLrRW9oY0
ほい
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/09(火) 23:53:05.54 ID:AKnUeyo50
「潰れちゃえ♡」

バズーカを彷彿させる大型ライフルから、漆黒の光が放たれる。

クルリ、とロールして難なく躱すバルキリア。光の進む先には、宇宙港の商業ベースが。

「あっ…」

ビームが外壁に触れ、黒穴が生まれ、膨れ上がり。空間の歪みの中にあらゆるものが呑み込まれ、音も無く姿を消した。

異常を検知した制御システムが隔壁を全封鎖、破損エリアを切り離す。壊れた壁から、亡骸が溢れ出す。

「…酷いこと、するのね」

「あちゃ〜。外れたかぁっ…!?」

死角からのビット急襲。それを宙返りで回避し、両腕のビーム・ソードで応戦する。

すかさず、もう一機のアンノウンが、全長50Mはくだらないバスターキャノンを構え、連射する。

人並外れた機動力を以て、射線外に出る。が、それに合わせて銃弾も曲がった。

「誘導兵器、ね。少し厄介かも」

リーゼも対抗し、拡散モードのショットガンで速射し、全てを撃ち落とす。

「…ビットを戻して。これからは、少しずつ"詰める"必要がある」

『了解。敵の攻撃に気を付けなさいよ!』

高速で戻って来たソードビットを、サブスラスター周辺に回収。翼を広げ、バルキリアは母艦の方に飛翔する。

それを妨げるように、アンノウンは進路を防いだ。
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/10(水) 00:10:12.03 ID:vpSm0mUm0
「リーゼが交戦を始めた…。けど…」

「…俺はどうすればいいんですかね」

宇宙(そら)を縫うように駆け抜ける蒼い光。それを追うように、色鮮やかな光が宙域を駆け巡る。

リヒトが駆る『エクストリーム』は、戦闘宙域からかなり外れた位置にいる。

一番近いのは、撤退する敵母艦の方だ。艦は『セイリュウ級』。目立った装備は無い。

しかし、無数の護衛機が守りを固めている。性能で勝っていても、数の差は如何ともし難い。

さらに遠くでは、バルキリアが二機のARMとじゃれ合っている。といっても、二機がかりで漸くトントン、といった具合だが。

「…映像を見る限り、白い方は冥王星で戦ったアームと同じような装備を付けてるな」

「あれより、完成度は段違いみたいだけど」

眼で見るだけでも、火力、機動力、拡張性の全てで上位互換なことは分かる。それだけに、心配だった。

いくら性能が上げられたとはいえ、二機を相手にして大丈夫なのか。

不安が胸中で蠢くリヒト。髪をガシガシ、と掻きながら、どうするべきか考える。


1:母艦を墜とす。
2:リーゼに加勢する。

01〜20:エクストリーム被弾。戦闘継続に支障アリ。
21〜45:戦闘膠着。
46〜80:良い感じで進む。
81〜99:これもう勝ちなんじゃね?(慢心)
00:俺に勝算がある!

↓1
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/10(水) 00:13:26.77 ID:bLJh22eJ0
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/10(水) 00:17:07.68 ID:jQGRpeEa0
さすリヒ
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/10(水) 00:18:11.39 ID:6uPzBCCK0
ARM乗りとして初活躍!
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/10(水) 00:36:45.36 ID:vpSm0mUm0
「…リーゼを信じよう。俺は、足を潰すことに専念する」

逃がさないと決めている。全員殺すと決めている。ならば、逃げられない状況を作る他あるまい。

ハイパー・ジャマーを起動したエクストリームは、最大加速で突っ込む。

加速を続け、慣性移動に任せる。そして、スラスターの稼働を一時的に停止させる。

レーダーの索敵範囲に入った頃には、視認することは不可能だ。

確実な一撃を以て、奴らに死を。自分でも驚くほどに、心は冷静だった。

「わ…あぁっ!?何があった!?」

「さ、左舷に被弾!この信号…これは…『エクストリーム』です!」

「何ィッ!?何故気付かなかった!?」

「ジャミングです!電子的に隠蔽工作をされたら、我々では見つけられませんよ!」

通過する二秒前にジャマーを解除し、予め溜めておいたエネルギーを放出。

ビーム・ランチャーの一撃を受け、格納庫に大穴が開くセイリュウ級。

その下を通り過ぎたエクストリームは、再度エネルギーを充填。片手にビーム・サーベルを構えて突進する。

「ふざ…けるなよぉ…」

防衛のために踊り出る『ヴェンデッタMARK-2』だが、それを嘲笑うように、光刃で斬り伏せる。

コックピットや四肢を穿ち、抉り、斬り落とし。瞬く間に鉄屑を生み出した『極限』は、光溢れる銃口を、傷付いた龍へと向ける。

「じゃあな。全員、ここで終われ」

巨大なビームで、艦尾から丁寧に焼き尽くしていく。爆炎を上げながら、艦が原型を失っていく。

「り…リーダー…。ビアッジさん!」

火の手が上がるブリッジの中で、中年が叫ぶ。炎が舞い、身体を焼く。

「どうして…どうしてあんたは…俺たちを見捨てたんだぁぁぁぁぁぁぁっっっっ!!!!」

地球に残された者からすれば、切り捨てられたようなものだった。

彼らは最期まで、狂人(ビアッジ)の心を知ることが出来なかった。
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/10(水) 00:48:20.68 ID:bLJh22eJ0
序盤で倒した悪党の因果がここまで引きずられるのも面白いな。しかしライアもこれに巻き込まれなかったと考えれば運が良かったのかもしれん。
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/10(水) 00:48:28.65 ID:vpSm0mUm0
「………ッ!?母艦が墜ちた!?使えねぇっ!」

毒を吐き捨て、計画を変更する。そもそも、敵が生きていることがおかしいのだ。

生温い環境にいた奴ら如きに、自分たちが苦戦するなど。まずそこからおかしかった。

「ナタル!いったん引くぞ!」

「どこに?」

「地球でもどこでもいい!まずは、落ち着ける場所に…!?」

後退するガーゴイルの背後に回り、メインブレードで貫こうとするバルキリア。テールスパイクで何とか往なすが、もう次は無い。

「こっちは終わったよ」

殲滅を終えたリヒトも戦線に加わる。これで、人数はイーブンになった。

「は…あぁっ…!あはぁ…ひっ…!」

汗が流れ、呼吸が早まる。自分は今、明確な死を感じている。

つまらない。蹂躙出来ないことが、ただただつまらない。

分からない。どうして、こんなことになっているのか分からない。

怖い。死ぬのが怖い。

「う…うわぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!」

「何やってるの、お兄ちゃん」

半狂乱になった少年は、呆れる妹の前で特攻した。機体特性すら頭から抜け落ち、自ら死を選んでしまった。


01:まさかの被弾。
02〜05:戦闘膠着。
06〜99:ご臨終だ。
00:黒ひげ危機一髪。

↓1
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/10(水) 00:48:55.64 ID:6uPzBCCK0
ぼん。
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/10(水) 01:05:48.22 ID:vpSm0mUm0
「バスターモード、起動」

ショットガンにソードビットを装着し、前方に向ける。ガーゴイルから、無数のビットとミサイルが放出される。

だが、相手が悪すぎた。どれだけ弾を撃ち出そうと、それを容易に処理出来る武装を、敵は持っていた。

「ぎ…いぎぃっ…!?」

光の奔流に全てが消え失せ、ARMの装甲を削り取る。熱の許容量を超えた電子機器が破損し、コックピット内で火花が散る。

不幸にも、破損時に噴き出た残骸が、少年の喉を焼いてしまった。

声帯が傷付き、言葉を紡げない。声にすらならない叫びが、小さな揺り籠を満たす。

「お兄ちゃん…。はぁ、これでおしまいかぁ」

「じゃあ、皆も連れてかなきゃね♡」

兄の苦しむ声が耳を劈く。溜め息を吐いたナタルは、自爆プログラムを起動させる。

どうせ消える命なら、終わるその瞬間まで楽しみたかった。略奪を、背徳を。

幾度身体を重ねても、満たされなかった。こんな私を作ってくれた人は、既にいなかったから。

「お兄ちゃんじゃあ、パパの代わりは無理だったか。…うん、当たり前だよね」

「だって、パパの狂い様は、誰にも真似出来ないものね!」

「パパ…待っててね…。今、ナタルも逢いに行くから…♡」

そこで、ナタルの意識は完全に途絶える。痛みを知らず逝けただけ、幸せなのかもしれない。

『極限』が振るう右腕の光刃が、的確にコックピットだけを切り裂いた。

対消滅炉も稼働を終了し、自爆プログラムによって開かれた炉心から、反物質が漏れ出す。

それは、純白のARM『エリュシオン』を食み、ゼロに還した。
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/10(水) 01:17:21.90 ID:vpSm0mUm0
瞳に映るのは、脳が生み出した虚像。偽りの父親。

ゲラゲラ、と心底愉快そうに嗤い、自分を見ていた。

「よぉ、ハワード。お前も駄目みたいだな」

「…なあ、親父。俺を褒めてくれないか?」

「俺、頑張ったんだぜ。あんたみたいになろうと、必死で戦ったんだぜ?」

親に褒められようとするのは、子供であれば何もおかしくもないだろう。だが、投げ掛けてほしい、と願っていた言葉は来なかった。

「…は?俺みたいになろうとした?あれで?」

欠伸をしながら、そんなことを言うビアッジ。その眼は嗤っていた。

「馬鹿かお前?復讐なんてくだらねぇことに固執しといて、俺になる?」

「馬鹿じゃあねえのか!!戦いを、蹂躙を、混沌を愉しむのが俺たちだろうが!!!」

「鼻で嗤ってりゃ良かったんだよ。『他人の不幸は蜜の味』…そんな素晴らしい言葉があるってのによぉ」

「あ…あぁ…」

「…お前はよ、半端なんだ。そんなくだらないことで心が揺らぎ、死すらも愉しめなかったお前は、どうしようもねえ」

「お前には、その資格は無かった。俺になる資格なんて、端から持ってなかったんだ」

「…烏滸がましいぜ、お前。俺の子供(ガキ)ってだけで、良くもそんな考えが浮かんだなぁ!あ゛ぁ!?」

「う…あ…あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」

少年(ハワード)は、空想の中ですら、尊敬した父親(ビアッジ)に否定された。
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/10(水) 01:24:34.85 ID:vpSm0mUm0
「そっちも終わったか」

「うん」

メインブレードを引き抜き、腰部ラッチにマウントするバルキリア。

胴体だけのガーゴイルはふわりふわり、と浮かんだまま。バルキリアの翼も、役目を待つために閉じた。

「…港に戻るよ。ここにいたら、俺たちも犯人と間違われかねない」

「分かった」

エクストリームのマニピュレータを、バルキリアのマニピュレータが握る。まるで、私を連れていって、とねだっているようだった。

推力はそちらの方が上だろうに、と一瞬本音が漏れるが、一度咳払いをして港に戻る。

数千人の犠牲者を出した『アリアンロッド国際宇宙港テロ事件』は、これにて終結した。
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/10(水) 01:32:27.93 ID:vpSm0mUm0
本日はこれで終了です。次回コミュ終了時に、割と重要な判定を行います。これで、地球圏の治安が決まります。

実は子沢山なサーシェスさん。まだ子供は出てくるかもしれません。↓1コンマ一桁分、リヒトの戦闘力が上昇します。

では、お疲れ様でした。
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/10(水) 01:33:02.18 ID:6uPzBCCK0
おつ
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/10(水) 01:38:15.76 ID:bLJh22eJ0
乙でした。
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/10(水) 01:39:00.83 ID:g5zXmPkgO

バルキリアが強化されて新しくなったって乙女座が知ったらめっちゃ興奮しそう
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/13(土) 22:53:44.46 ID:eOyMEh1U0
>>97、本人から「新しく生まれ変わった戦乙女も大変麗しい。が、私個人としては、本来の姿の方が好ましく思った。何故ならば、元の状態、即ち純白の装甲に金色の装飾が施された様が、あまりにも美しかったのだ。穢れを知らぬ可憐な存在でありながら、その手にある獲物は殺意を隠そうともしていない。そのアンバランスな姿が、見る者全てを圧倒する魅力を放っていたのだ!また…(以降原稿用紙五枚分の感想)」というお言葉を頂いています。

今日で終わるかなぁ。終わらせたいなぁ、と思っております。では、再開としましょう。
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/13(土) 22:56:35.23 ID:eOyMEh1U0
帰港したリヒトたちは、規制線をすり抜けてハンガーへと向かう。既にゲートは閉じられているので、宇宙服は必要無い。

待機するARMが見える位置に着くと、担架で運ばれるリーネとボァブが見えた。

「お帰り。火星旅行は楽しかったかしら?」

レオにもたれ掛かるクロエは、そんなことを言う。レオは軽く手を挙げて応対した。

「事情を説明してくれ。いったい、何があったんだ?」

「テロリストよ。それも、私たちだけを狙った、ね」

「思い当たる節が無い!」

「いや、あんだろうよ」

リヒトの否定に、普段と変わらない態度でレオの言葉が被さる。

「リヒトさ、人を殺してる自覚はあるだろ?アームに乗って、軍艦やアームを墜としてるんだからさ」

「何人死んでるか、それは分からないけど。恨みを持つ人だっているだろうさ」

「家族を殺した(奪った)アームのパイロットに、な」

むぐ、とリヒトは押し黙った。そう言われると、何も反論出来ない。

「ま、リヒトが気にすることはねぇよ。奴らは全滅…敗北したんだから。もう何も起きない」

「済んだことを気にしてもしょうがないでしょ。私は寝るわ」

お休みと言おうとしたところで、クロエが固まる。そして、レオから離れてふわり、と浮いた。

身動ぎするでもなく、受け身を取るでもなく。壁に激突する直前で、リヒトが抱き留めた。

「きゅ、救急車!救急車ーッ!」

めでたく、クロエとボァブ、リーネに、即日入院が言い渡されることになった。


ノア改装終了まで残り 三週間

↓2 自由安価。
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/13(土) 23:04:43.57 ID:aJyxlsaNO
病院へ見舞いに行く
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/13(土) 23:04:56.20 ID:iDNEH36iO
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/13(土) 23:09:21.40 ID:eOyMEh1U0
時期的に先に判定をするべきだった。これの後に決戦の判定を行います。

↓1 宙賊側の戦力 +20の補正付き

↓2 討伐軍側の戦力 +30の補正付き
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/13(土) 23:10:38.03 ID:aJyxlsaNO
ほい
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/13(土) 23:11:55.80 ID:bhQWMZGZ0
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/13(土) 23:13:12.06 ID:eOyMEh1U0
判定をするまでもなく討伐軍の勝利です。火星宙域までの間で、戦闘が一切発生しなくなりました。

少々お待ちください。
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/13(土) 23:20:10.03 ID:aJyxlsaNO
所詮賊だし火星より外に逃げたり団結できなかったりでまともに戦えなかったかね
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/13(土) 23:24:37.11 ID:eOyMEh1U0
「…思えば、クロエずっと働いてたんだよな。過労死寸前だったのかよ…休めよ…」

「ボァブさんとリーネは、テロリストに撃たれて大怪我だし…。命に別状は無いらしいけど」

「…ボァブさん、背中に相当撃たれたって聞いたんだけど。化け物じゃあないのかな…」

病院に入ったリヒトだが、張り紙に視線を移すと、想定外のことが書かれていた。

『特別警戒中!患者のお見舞いは一日十分限定!』

「…一人しか行けないじゃん。何で、よりにもよって今日なんだよ…!」

先週大規模なテロが起きているのだから、当然の措置であるのだが。そこまで、リヒトの頭は回らなかった。

「…誰のとこに行こう。行かなかったら、絶対に何か言われるよなぁ。特にクロエ」

リヒトは運命の三択を突然突き付けられた。当然悩むが、答えは出ない。

こうなったらルーレットだ、とアプリを起動する。ええい、ままよ。


誰のお見舞いに行くかを記載してください。先に二票入ったキャラの元に向かいます。
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/13(土) 23:26:38.31 ID:aJyxlsaNO
あえて子供であるリーネ
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/13(土) 23:27:04.57 ID:iDNEH36iO
ボァブ
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/13(土) 23:28:23.08 ID:bhQWMZGZ0
リーネ
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/13(土) 23:55:44.32 ID:eOyMEh1U0
ポチッ。

無心で画面をタップした結果、選ばれたのはリーネでした。

「…まぁ、まだ子供だもんね。今は13だっけ…14だっけ…。憶えてないや」

リーネのいる部屋に向かうと、何やら軍服を着た青年がうろうろしていた。

「何してんだ」

「いだだだだだだだだ!!!!」

一瞬で拘束し、腕挫十字固めを極めるリヒト。堪らず、青年は床をタップする。

「答えたら解放するんで」

「リーネのお見舞いですあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っっっ!!!!痛い痛い痛い!本当に折れる!!!」

「何でここにいるって知ってんだお前ァ!」

「知り合いがここで働いてるんですよぉぉぉぉぁぁぁぇぇぇぇぇぇ!!!!」

「プライバシー侵害じゃあねえか!!!」

「五月蝿いです…。せっかく、気持ち良く寝てたのに…」

「………」

扉を開け、床に転がっている二人を見たリーネ。青年の方に視線を向けた瞬間、パチパチと火花が散る音がした。

「あ、リーネ。これどうする?」

「捨ててください」

「かしこまりましたー」

「ちょっとぉ!!?!?!せめて話だけでもさせてくれよぉ!!」

「話すことなんて何もないです。目障りなので消えてください」

リーネのその態度を見て、リヒトも漸く納得した。コイツがあの、件の糞野郎か。

「あんたか!『リーネを置いて逃げたくせに、後になって『ずっと心配していた』とか嘯く糞野郎』ってのは!!!」

「滅茶苦茶酷い言われようだけど言い返せない!!!!!」

「…喧しいので、入ってください。そこの屑も」

「「はい」」

リーネの電撃が、二人の髪を散らした。ここは、従った方が吉だ。そう考えた二人は、赤べこのように首を振った。


↓3までに何を聞くか。
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/13(土) 23:59:10.66 ID:iDNEH36iO
それで結局この男は何者か。
改めて男の口から聞く
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/14(日) 00:26:51.62 ID:Ku3MQ5FaO
リーネがガチギレしてる理由を双方から聴取する
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/14(日) 00:51:11.32 ID:iFVfFLaAO
念のためリーネにちょっかい出したら覚悟しろと釘を刺す
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/14(日) 02:19:41.46 ID:iFVfFLaAO
寝落ちかな?
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/14(日) 02:36:14.73 ID:1Kwg5KBm0
ベッドにリーネを横たわらせたリヒトは、青年の首根っこを掴んで問う。

「で、あんたはリーネの何なんですか?あんたの口から直接聞きたい」

「僕は『シャルル・ローラン』大尉。EUAS連合月軌道艦隊所属の、第1戦闘航宙隊『パラディン』の隊長を務めております」

「随分と出世しましたねぇ。チャーリー」

「リーネ、顔怖い」

怒気をふんだんに含んだ声で、わざとらしく褒めるリーネ。顔は無表情どころか、絶対零度に到達するほどに冷たいそれをしていた。

「え、えっと、その。出身は木星コロニーの『グレナン』なんですけどね。そこに住んでた時、リーネの面倒を見てました」

なるほど。彼はリーネの所謂『近所のお兄さん』といった立ち位置の人なのか。

彼が屑だとは、リーネから既に聞いている。なら、どこが屑たらしめているのか、はっきりさせようじゃないか。

そう思ったリヒトは、双方に質問をした。

「それで、シャルルさん。どうしてリーネがこんなにブチ切れてるか、心当たりはありますか?」

「ありますよね?それすらも分からないほどに、耄碌してるはずがないですよね?大尉???」

「…リーネを『グレナン』に置いて、僕は脱走しました」

「それだけですか?」

「脱走前に、リーネに希望を抱かせるようなことを言いました…」

それは、今から十年前のこと。まだ四歳だったリーネは、青少年だったチャーリーと二人で暮らしていた。

お互い、親のいない孤児同士。仲良くなるのに、時間はそう掛からなかった。

ある日、半壊した家屋にて。

『今日の晩御飯はこれだけ…。ごめんね、僕がもっと稼げれば…』

『チャーリーはわるくありません。わたしがだめだめだからいけないのです』

『…ねえ、リーネ。今はまだ、こんな暮らししか出来ないけどさ…』

『…でも、いつかお金が貯まったら。二人で地球に住もう。僕たち人類の故郷に行こう』

『それまで、この暮らしを我慢しよう。僕も頑張るから』

『わたしは、チャーリーがいればがんばれます。だから、だいじょうぶです』

モノクロの世界に、花のように可憐な笑顔が咲いた。それがあるから、頑張れた。はずだった。

しかし、それから暫く経過して。チャーリーは『グレナン』から逃亡、EUAS連合に亡命した。
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/14(日) 02:38:15.39 ID:1Kwg5KBm0
「私、チャーリーのことを信じてたんですよ。『きっとどこかで生きてる』、『すぐに迎えに来てくれる』」

「そう思って、辛い仕事をやってきたんです。少ないご飯でも我慢したんです。でも」

キュッ。

リーネはシーツを握り締め、涙を流しながら言葉を絞り出す。

「でも…チャーリーは来てくれなかった…!攫われるその瞬間にも、あなたはいなかった…!」

「私は追われて、逃げて、助けられている間に、あなたは…。地球でのうのうと過ごしていたのですか…!?」

「だとしたら、私。馬鹿じゃあないですか…!何年もあなたみたいな大嘘吐きを信じて、頑張っていた私は…」

「うぅ…うわぁぁぁぁぁぁぁん………!」

ボロボロ、と大粒の涙を流し泣きじゃくるリーネ。もう、フォローする気すら失せた。

こんな男を、視界に入れることにすら嫌悪感を抱いてしまう。

リヒトは、リーネを慰めながら目の前の愚者へと警告をする。

「…あんた、リーネともう関わらない方が良い」

「次来た時は、容赦しないので。どうしても逢うっていうのなら、死ぬ覚悟をお願いしますね」

「………ッ。…ああ、分かって…いるよ…!」

事の重さを理解したのか、右目を押さえ、沈痛な面持ちで部屋を出ていくチャーリー。

静かになった病室で、リーネはぼそり、と呟いた。

「…私。昔は、チャーリーのことが好きだったんです」

「結婚しても良い。…いや、結婚するのはこの人じゃないと嫌っていう程に、大好きでした」

だけど、今は。現実を知ってしまった私は。あの人のことが。

大っ嫌い。
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/14(日) 03:10:11.16 ID:1Kwg5KBm0
土星の第二衛星『エンケラドス』。その地表に、一隻の軍艦が着陸する。

「美しい光景だな。目的を忘れていれば、楽しめるのだろうが」

「少将。準備が完了しました」

パイロットスーツを着用した乙女座とクリスティアン、乙女座の配下が整列し、敬礼をする。

少将と呼ばれた男はゆっくりと頷き、ノーマルスーツを着込む。

「では、行こう。我々の受け入れを赦した方々を、待たせるわけにはいかぬ」

「はっ」

少将を除いた全員が再度敬礼。その後、小型の軍用機とARMに別れ、搭乗を開始する。

「宙賊討伐の任を任せ、こちらに赴いた。これで成果が無ければ、処刑ものだな」

『そうはなりません。アグニカ少将の貢献、軍にいる者であれば、誰もが知っております』

「ふっ…。嘗ては英雄と持て囃されても所詮は人間、年老いた老い耄れに過ぎんよ」

「未来を担うのは上級大尉。君たちのような若き者たちだ。私に出来るのは、次代のために事を為すこと以外に無い」

「さあ、行こうか。『原初の罪人』の名を持つ民と、わかり合うために」

武装解除したARMが、氷から突き出したパイプに近付く。すると、シャッターが開き、歪んだ空間が映し出される。

『少将、これは…』

「ああ…。旧時代の遺物、矛盾の象徴。『オーパーツ』だ」

「…この先に、彼らが待っている。刺激しないよう、細心の注意を払うようにな」

『了解。『グレアム・ルード』…先行します』

一機のヴェンデッタが突入し、他のヴェンデッタたちも後に続いた。


ノア改装終了まで残り 二週間

↓2 自由安価。
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/14(日) 03:12:40.73 ID:1Kwg5KBm0
本日はこれで終了です。全然進んでねぇじゃねぇかよお前よ。

来週で絶対に第二部に進めます。…駄目だった時はお許しを。お疲れ様でした。
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/14(日) 03:17:20.76 ID:3PIhe0WoO
見舞いgo

おつ
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/14(日) 03:22:28.56 ID:pgskxuLrO

安価なら依頼をこなす
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/14(日) 10:47:56.39 ID:0Ef9Hb2Q0
乙でした。
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/14(日) 11:18:32.18 ID:0Ef9Hb2Q0
ああこれ1スレ目で募集にあったカインの民か。マジでまとめほしいな・・・。
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/14(日) 12:33:49.84 ID:cdPpCt6kO
乙でした
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/14(日) 12:44:50.63 ID:Ed3yOPwOO

まさに「あんなに一緒だったのに」だな
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/14(日) 23:58:42.96 ID:QUij439g0
>>123、ホントごめんなさい。まだまとめ終わってないのです…。数が多すぎて頭時間なるで。

それでは、更新を再開したいと思います。
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/14(日) 23:59:42.15 ID:QUij439g0
一週間が経過し、再度病院をリヒトは訪れる。相も変わらず、特別警戒中だった。

「今週で退院するんだっけか。いやぁ、よかったよかった」

大事に至らなくて良かった、と心の底から安堵する。誰かに死なれるのは、もう御免だ。

「さてさて、今日も運命のルーレットといきましょう」

半ばやけくそになっているリヒトは、先週と同じくルーレットを敢行する。これでは、怒られても文句は言えまい。

針が指し示すのは、この人だッ!


先に二票入ったキャラのお見舞いです。
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/15(月) 00:04:41.49 ID:YkmGSNKA0
>>126 いやあの量は仕方ないです。

ボァブ
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/15(月) 00:08:22.72 ID:sweqIrxDO
ボァブ
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/15(月) 00:21:48.53 ID:AvHoSOaq0
「ボァブさん、入っていいですか?」

コンコン。

軽いノックをし、返事を待つ。程なくして返事が来たので、リヒトは中に入る。

「大丈夫…そうですね。すげぇマッチョ」

「見てくれだけだよ。俺は、そんな腕っぷしは強くないんだ」

「…正直言って、喧嘩とか殴ったりってのは苦手だし嫌いなんだよ。俺が痛い目を見て済むなら、そうする程度にはな」

「だから、俺にとっては良かったことかもしれねえ。こうやって怪我したから、リーネも守れた。子供たちを傷付けないで済んだ…」

「…彼らは全員死にましたよ。俺が殺した」

「言わなくていいさ…。重荷を背負わせちまったな…すまん」

「謝ることはないですよ」

ボァブから視線を逸らすリヒト。逸らした先には、フルーツバスケットや花束があった。

レオらも見舞いに来てるらしいが、こういった洒落た物を差し入れる印象は薄い。失礼だが、正直な感想だ。

いったい、誰が。そんな疑問が浮かんだ。


↓3までにボァブと何をするか。または、何を話すか。
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/15(月) 00:34:36.69 ID:J1azbr9YO
そういえばボァブって身内の方とかいるのか聞いとく
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/15(月) 00:37:31.93 ID:BhPa7VNeO
普段のことも含めて、改めてお礼を言う
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/15(月) 00:51:14.86 ID:sweqIrxDO
なぜARMパイロットを志したのか
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/15(月) 01:20:28.50 ID:AvHoSOaq0
「どうして、ボァブさんはザ…じゃなかった。アームパイロットになろうとしたんですか?」

「今、ザムパイロット言おうとしただろ!?いや間違ってるわけじゃあないんだけどな!」

ゲフンゲフン。

わざとらしく咳をするリヒトを見て、ボァブははぁ、と溜め息を吐く。

「…昔、でっかい戦争があっただろ。あの…何だっけ、あれだよ」

「『天王星最終戦役』ですね」

十二年ほど前に、天王星宙域で勃発、終息した大規模な戦争。プラント艦の特攻すら行われた、凄惨な戦い。

複数のコロニーが巻き添えになり、数千万人もの民間人が犠牲となった。

当時は毎日のようにニュースが流れていたから、よく憶えている。

「それそれ。ニュースで戦闘している映像が流れてさ」

「…憧れちまったんだよ。『俺もこんなビッグな漢になれたら、大切なものを護れる』って。そう思って」

「そん時、俺は二十歳だったかな。いい年した大人が、情けないだろ」

自嘲気味に笑うボァブ。彼を嘲笑う資格も、意志も。リヒトには無かった。

立派だと、素直にそう思った。最前線で戦う都合上、死ぬ可能性が高いこと。それは、どんな人でも知っている。

彼だって、例外ではない。リスクがあることを解っていたはずなのに。

それなのに、選んだ。決断した。自身の命と護れる力。それらを秤に乗せ、力を選択したのだ。

そんな漢を批判出来る者など、誰一人いないだろう。寧ろ、讃辞を呈されるべき存在だ。

利己的ではなく、利他的に戦う漢。彼こそが、真のエースと言えるだろう。

「…何言ってんですか。あなたほど立派な人を、馬鹿にする気は無いですよ」

「やっぱり、あなたはエースです」

俺みたいな、穢れた奴とは違って。

そう、己を嘲笑いながら、リヒトは微笑みを浮かべ、言の葉を紡いだ。
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/15(月) 01:23:44.37 ID:YkmGSNKA0
過去編は現代との兼ね合いで面倒くさくなると思うんだが天王星戦役気になるんだよなー・・・
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/15(月) 01:30:28.18 ID:BhPa7VNeO
そんなヤバい規模の戦争に当時少年兵だったエノクも参戦してたのか...
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/15(月) 01:37:02.19 ID:AvHoSOaq0
「そういえば、あれ。誰が送って来た物なんですか?」

「あれ、か。俺の身内だよ」

「…てっきり、天涯孤独だと勝手に思ってました」

「言ってなかったからな。こんな仕事をしてりゃ、そう思ってもしょうがない」

「…ま、貧困層の出だ。どうなってるかは想像に任せるよ」

「と言われましても…」

自身も似たような身だが、何とも言えない。両親の残した遺産がある内に、今の仕事にありついた。

それからずっと、リーゼの治療を続けてきた。自分に充てられる資金はあまり無かったが、金で困るようなことは記憶の中には無い。

所持金が少ないという点でいえば、貧困層と言えるかもしれない。だが、総資産だけでいえば、富裕層のそれと変わらなかったのだ。

だから、イメージが出来ない。

「………」

「…そんな顔するなよ。何でそんな絶妙に気まずい表情なんだよ」

「いやぁ…」

想像に任せる、と言われ想像しても、何も思い浮かばない。気まずい表情になるに決まっている。

「…あの」

こんな空気を長引かせるわけにはいかない、と口を開くリヒト。流れを変えるついでになってしまうが、伝えておきたいことがある。

「いつも、ありがとうございます。一緒に戦ってくれて、気遣ってくれて」

「ボァブさんがいなかったら、俺が死んでいた時もありました。冥王星のあれとか特に」

何かある時、先陣を切ってくれるのは、いつもボァブだった。その献身に、どれだけ救われたことか。

「…リヒト。そういうの、もうちょい言うべきタイミングがあると思うんだよ…。俺が言うことじゃあないけど」

「ですよね…」

照れ隠しに、リヒトはそっぽを向いて頬を掻いた。

そんなリヒトを見たボァブは、温和な笑みを浮かべ、泣いた。

こんな俺でも、誰かの役には立てるんだな。
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/15(月) 01:57:53.42 ID:AvHoSOaq0
某日、イシュマエルは困惑していた。本当に、珍しく、困惑していた。

どうして、こんなことになっているのだろう。

「ふんっ…!」

「むぅ〜〜〜〜!!!」

恋人『イェレナ』の実家に連れられたイシュマエルは、チビチビ、とミルクを味わっていた。

その隣で、イェレナはお冠に、その父『ゴラン』は腕を組み、不機嫌な表情をしていた。

「いいでしょパパ!エノクと結婚しても!」

「駄目だ!こんな小さい子供に、お前をやるものか!!!」

「エノクは大人だって前から言ってるでしょうがぁぁぁぁぁあっ!!!!!!」

ギャーギャー騒ぐ親子をよそに、イシュマエルは義母と話をしている。

「このミルク、どこで買っているのですか」

「近所のスーパーよ。エノク君背が小さいから、いっぱい飲んでいいわよ〜」

「母さん!何か言ってくれ!」

「ママ!結婚しても良いよね!」

「あらあら。あなた、今になってもぷりぷりしてるのね」

「結婚式場のパンフレット、端から端まで目を通してたのに」

「ブボッ!!!」

「きったな!」

「大丈夫か?」

「…ありがと、エノク」

珈琲を顔面にぶちまけられたイェレナの顔を即座に拭くイシュマエル。イェレナは感謝を伝え、手を握った。

「…パパ。私ももう大人なの。自分のことは自分で決めるわ」

「いくつになっても、お前は俺たちの娘だ!俺が認めない限り、勝手な結婚は許さん!」

「大体、PMCなど危険にも程がある!もし、イェレナに命の危機があったらどうするつもりだ!」

「俺が戦う」

「俺が戦い、護る。それが、俺の戦う理由だ」

「………!?」

「奪うためではなく、護るために。そのために、俺は武器を取る」

「あの時から、俺の戦う理由は変わらない。大切なものを護るために、戦うんだ」

真っすぐな視線を向けられたゴランは黙り、頭を掻きむしる。そして、諦めたように頷いた。

「…娘を泣かせたら、許さんぞ」

「分かっています」

「え、あ…えっ…!?」

「言ったそばから泣かせたな貴様ァ!」

「…これは、俺が悪いのか?」

「今夜はお赤飯ね」

今宵、一組の夫婦が誕生した。


ノア改装終了まで残り 一週間

↓2 自由安価。
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/15(月) 02:01:09.25 ID:J1azbr9YO
依頼こなし
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/15(月) 02:07:19.37 ID:BhPa7VNeO
依頼をこなす
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/15(月) 02:30:16.49 ID:AvHoSOaq0
「ふんふんっふん〜♪」

鼻歌交じりで調整をするリヒト。調整は数分で終わり、コックピットを出る。

「腹減った…。ついでに飯食えば良かったよ」

「レオ、髪切ったんだ」

「おう」

ショートカットになったレオは、髪を軽く掻き上げる。身軽になって嬉しいようで、ご満悦な表情だ。

「…ヤバい。前のレオどんなだったっけ…。ビフォーアフターが劇的過ぎて、記憶が書き換わってる」

「俺もこの格好不満なんだよ。ちょっと髪伸びたからって、女物ばっかり用意しやがって店員の人」

普段は着込んでいるか、パイロットスーツを着用しているか、の二択だった。肌を露出した時など、殆ど無かった。

だが、今のレオの服装は大変よろしくない。黒のチューブトップにホットパンツ。これだけだ。

年齢に不相応な双丘が確認出来る。え、待って。大きくない?

「ぐぬぬ」

「リーネ、鷲掴みは痛いからやめろよ。痛いって!」

無言でリヒトは後ろを向き、頭を抱える。『リゾートコロニー』に行った時は普通の大きさだったのに、何故だ。何があった。

「何で見舞いに来ないのよオラァァァ!!!」

「う わ ら ば」

思考に呑まれる刹那、音速でかまされたクロエのドロップキックに、リヒトはコックピット内まで吹き飛ばされた。


1:依頼主は『チェント』。土星環内廃コロニー『ヤルレフ』の探索支援。所要期間一ヵ月。
2:依頼主は『ボリス=ジャルコフ』。バルキリア本体またはデータの取引。
3:依頼主は『ラバンレイ』。とあるコンテナの火星への輸送。備考:ラバンレイの保有する艦で移動。友軍機一機アリ。
4:やっぱり辞める。

↓2 4以外を選択時にコンマが95以上で特例α、00だと特例γに強制書き換えです。
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/15(月) 02:31:34.41 ID:AvHoSOaq0
あ、3番は無しです。無かったことにしてください。踏んでいたら安価下です。
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/15(月) 02:32:51.49 ID:mQ0oXgpL0
1
リトライ
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/15(月) 02:40:55.20 ID:AvHoSOaq0
持っていくARMを選択してください。


1:ライトニングバルキリア
2:エクストリーム
3:TA-85(ストイック)

↓2

また、今回に限り複数同行させられます(ARMも)。クルーから一レスにつき二名まで選べます。↓1から3までが範囲です。
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/15(月) 02:45:00.19 ID:J1azbr9YO
1
リーゼ
カイル
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/15(月) 02:48:05.15 ID:YkmGSNKA0
1
リーゼ
カイル
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/15(月) 03:16:18.66 ID:7Q4d0B8V0
ちょっと眠いので、これで終了とさせてくださいませ。キャラの安価は一つを下にずらします。
ダブっているのもありますので、次回開始時まで変更を受け付けます。

ではお疲れ様でした。
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/15(月) 03:20:19.11 ID:mQ0oXgpL0

ボァブ
クロエ
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/15(月) 05:12:56.19 ID:BhPa7VNeO
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/15(月) 20:03:54.92 ID:sweqIrxDO
土星だから乙女座とバッタリ会う可能性もあるんかな
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/21(日) 23:16:00.96 ID:r0N7iHX3O
ストイックはテストパイロットの報酬かな?
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/02(金) 02:22:14.45 ID:3A0tE6Bd0
うーん…
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/03(土) 23:57:26.29 ID:E6rgU89q0
ご無沙汰してます。>>1です。ちょっと色々ありまして、顔出し出来ませんでした。申し訳ございません。

火曜日に更新予定ですが、今回の依頼は少し大掛かりなものとなります。なので、判定を予め一つだけ済ませたいと思います。

01〜30:チェントさん不憫ルート
31〜70:チェントさん普通ルート
71〜99:チェントさん幸運ルート
00:チェントさん一発逆転ルート

↓1
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/04(日) 00:01:02.76 ID:ykm+6hozo
どうなる
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/04(日) 00:08:44.70 ID:+MtFmKj4O
やつたぜ
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/06(火) 22:00:55.69 ID:/XFHnI8u0
お久しぶりです。今から再開していきます。

忘れない内に、現在保有している追加武装を記載しておきます。皆さんにも知ってもらっていた方が良さそうですし。

追加武装

儀礼槍
儀礼剣
ビーム・ライフル×2
ビーム・ザンバー
ビーム・ショットガン(キュウビ(レオ機)に装備中)
対艦ライフル(キュウビ(レオ機)に装備中)

それと、試作ARM稼働試験での補正を忘れていたので、最新のリヒト戦闘力を記載します。

リヒト 戦闘力 78→86
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/06(火) 22:02:50.30 ID:/XFHnI8u0
「にーさんありがとー!声を掛けたら来てくれて、ホンマ助かるわぁ」

「リヒト、あんたまた女誑かしてるの?」

「俺をそんなパリピみたいに言うなよ。仕事繋がりだから」

駐留しているハーバーグラム級の中で、人々が交流する。

バルキリア、エクストリーム、ストライクヴァンキッシュを積み込み、白い艦は月を発つ。

他に搭載されているのは、干将が二機と指揮官用のヴェンデッタMARK-2、俗称ヴェンデッタコマンドが一機。

ヴェンデッタ自体が傑作機として有名だからか、そのバリエーションも豊富で、性能も保証されている。

だからなのか、正規軍、PMC、反政府勢力や宙賊と、あらゆる勢力で利用されている。些か多い気がするが。

干将はそれぞれ違った装備をしており、一方は『シールドショット』と『スプレーミサイルポッド』を装備。

もう一方は『二連装ビーム・ガトリング』と『ビーム・ザンバー』、それに既存の装備を組み合わせている。

コマンドは装備面に変化は見られない。チューニングだけを施しているのだろうか。

「で、ちゃんと給金貰えるんですよね?」

「当たり前や。金のやり取りには、ウチは厳しいんでな」

「今回使う艦は、店と売り物を担保にしたんやけど」

「あらら。じゃあ、今回の仕事で失敗したら一文無しですね」

「そうならんでほしいんやけどなぁ…」

遠い目をしたチェントは、バルキリアを眺めていた。


土星到着まで残り 600

↓2 自由安価。
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/06(火) 22:04:00.80 ID:90XEx5DrO
ついにエノクとエリカの腕を抜いたか
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/06(火) 22:09:59.31 ID:FCxdRZI6O
干将やコマンドのパイロットと話す
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/06(火) 22:53:44.79 ID:/XFHnI8u0
「ふっはっは…。俺はこの仕事を受けて良かった。何故なら!」

「この艦、美人がいっぱいだからだぁ!!!」

「馬鹿は放っといて、私たちは休もうか」

「…ボク、仕事間違えちゃったかな」

高笑いしている青年に冷ややかな視線を向ける、二人の女性。片方は軍服を着ていて、もう片方は迷彩柄のシャツとズボンを着用している。

軍服の方は、明らかに似合っていない。完全に軍服に着られていて、コスプレしているようにしか見えない。

「俺は射止めてみせるぜ、カワイ子ちゃんたちのハートをなぁ!」

「お前に撃ち抜ける人はいないよ…」

「わぁぁぁん…。この人ただの女好きだよぉ」

何というか、これから一緒に仕事をする相手として、不安しか感じられない面子だ。一人だけマトモそうな人がいるのは、救いなのかもしれない。

「…男、か。男!?取り分が減ってしまうじゃあないか!!!」

「娶れる前提で話するのやめません?」

「良いことを言うね、彼の意見と同じことを私も思っている」

「マトモな人いた!やったやったー!」

マトモなのは俺だけか。


↓3までにエリック(前々スレ>>660)、ネスリン(前スレ>>98)、グレイン・ファンセス(前スレ>>637)に訊きたいこととかあれば。
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/06(火) 22:59:00.25 ID:6lAZtmcWO
グレインの実力に問題はないのか確認
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/06(火) 23:00:48.47 ID:FCxdRZI6O
グレインに何故コスプレしてるのか聞く
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/06(火) 23:01:14.05 ID:RkfC3vkwO
ネスリンに質問
何故この仕事に参加したのか
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/06(火) 23:25:52.22 ID:YlNm0AVf0
「…えーっと。とりあえず、名前を教えてください」

「エリック」

「ネスリンだ」

「ボクは『グレイン・ファンセス』!歌って戦えるアイドル軍人!…元、だけど…」

「なるほど、そういう設定ですね」

うんうん、と頷き、勝手にリヒトは納得する。それを見たグレインは、ふくれっ面で詰め寄る。

「ちーがーうーーー!!!本当に軍人だったの!!」

「え、えぇ?」

「皆同じこと言うんだから…。ボクはちゃんとしてるのにぃ!」

地団駄を踏むグレイン。リヒトは『信じられない』といった表情で首を傾げる。

「俺はコスプレだろうとマジだろうとオールオッケーだぜ!!!」

「お黙り!!!ボクはいい加減な人が嫌いなんだいっ!!」

「…軍人というのが、仮に本当だとして。グレインさんは戦えるんですか?」

「仮も何も、軍属してたんだからね!?」

「ぼ、ボクはすっごい戦えるよ!?何たって『あうぇいかー』で『すーぱーえーす』なんだから!」

「へー。アウェイカーでスーパーエース。へぇぇぇぇぇぇぇ……………」

「じゃあ、俺とシミュレータでやり合いましょうか。スーパーエースなら、俺みたいな雑魚一捻りですよ」

「あ、あうぅぅぅ…」

「自分で言っておいて、悲しくならないのか…?」

「14歳の女の子に負けてますもん、俺…」

事実だからしょうがないんじゃい、とリヒトは胸中に吐露した。
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/06(火) 23:31:22.35 ID:FCxdRZI6O
めっちゃ大人気ない感出てる
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