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ペコリーヌ「ようやくキャルちゃんが帰ってきてくれました!」 キャル「う〜……」
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1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/06/23(日) 23:16:07.72 ID:A1IEyzxD0
アメス「あぁ、来てくれたんだ。ごめんね〜、急に呼び出しちゃって」
アメス「そ。用事よ、用事。どうしても伝えておかなきゃいけないの。すぐに済むからちゃんと聞いてね」
アメス「いい? これからあんたが体験するのは『メインストーリー』13章、今体験できる最新話の後の出来事よ」
アメス「もし経験してないなら、ところどころ何のことか分からなかったり、混乱しちゃうかもな〜って思って。こうして無理矢理来てもらったってわけ」
アメス「まぁ結局、なんてことないいつもの騒がしい日常なんだけどさ。それも……実際にあるかどうかも分からない、夢みたいなもの」
アメス「でもほら。体験してない未来を知っちゃうのって、あんまり気持ちのいいものじゃないじゃない? ネタバレとか、悲しくなるわよね〜」
アメス「うん。じゃあ、それだけ。……なーに? あんたの顔が見たくて呼び出したとでも思ったの?」
アメス「そうねぇ。あんたのとぼけた顔を見るのも、たまにはいいわよね〜。四六時中一緒だと疲れそうだけど」
アメス「あっはは♪ 冗談よ、じょーだん♪ そんなにガッカリしなくてもいいじゃない。あんたの周りには、かわいい女の子が何人もいるんだし」
アメス「なになに? あたしはトクベツ? ぷぷっ……! な〜によ、真面目な顔しちゃって〜♪」
アメス「はいはい、もういいから。さっさと目覚めちゃいなさい。はーい、またね〜」
アメス「……ちゃんとまた来るのよ? じゃあね、ばいば〜い♪」
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1561299367
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/06/23(日) 23:17:35.49 ID:A1IEyzxD0
キャル「……ふぇ」
ペコリーヌ「むむっ!」
キャル「ぐすっ……ふぇぇ……」
コッコロ「いけませんっ……! キャルさまがまた発作を!」
キャル「ふぇぇぇん……!」
ペコリーヌ「コッコロちゃんは頭をよしよししてあげてください! わたしは抱きしめて優しい言葉をかけますから!」
コッコロ「は、はい。では……キャルさま〜頭をなでなでいたしますよ〜……♪ よし、よし……♪」
キャル「んっ……」
ペコリーヌ「キャルちゃん、もう大丈夫ですよ〜♪ すぐにぎゅってしてあげますからね☆ ほぉら♪」
キャル「ぎゅー……」
ペコリーヌ「かわいいキャルちゃん。わたしたちの大切なキャルちゃん……心配しなくても、ずぅっとそばにいますから♪」
コッコロ「寂しいなどと思う必要はありませんよ。愛しいキャルさまを、わたくしたちが見捨てるはずありません」
キャル「う〜……でもぉ……」
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/06/23(日) 23:19:14.64 ID:A1IEyzxD0
キャル「あたしなんて、みじめなばっちぃ野良猫でしかないし……それに、すぐ裏切るし……」
ペコリーヌ「あらら……。今回はよっぽど我慢しちゃってたみたいですね?」
コッコロ「そのようでございますね。我慢せずに素直に甘えていただきたいと、何度もお伝えしているのに……」
ペコリーヌ「寂しすぎちゃうと一気に爆発しちゃうんですよね〜、キャルちゃんは」
ペコリーヌ「そのくせ素直じゃないんですから。まぁでも、そこがまたかわいいんですけどね☆ よしよし♪」
キャル「だ、だって……あたしなんかに甘えられても、みんな困っちゃうだけじゃない……!」
コッコロ「キャルさまが悲しそうにしている方が嫌ですよ。さあキャルさま。おててをつなぎましょう♪」
キャル「あたしの手なんか握ったら、あんたの手が汚れちゃうわよ……。あたしの手は……ち、血にまみれてるんだから……!」
ペコリーヌ「んもぉ、キャルちゃん? 何回も言ってますけど。わたしもコッコロちゃんも、それにこの人だって、血が出るような怪我なんてしていませんってば」
キャル「殺す気で魔法を撃ち込んだのよ……!? 本気で全員殺すつもりだったんだから……!」
コッコロ「その結果、血を吐いたのはキャルさまでございましたね。命を削ってまで魔法を使用したキャルさまのお身体は、たいへん危険な状態にまで至りました」
キャル「あぁ……あたしってほんとダメな子……。いっそ、このまま猫になりたい……。にゃーん……」
ペコリーヌ「わぁっ!? コッコロちゃん、もっとキャルちゃんの頭をよしよししてあげてください〜!」
コッコロ「あわわ……。わたくしが余計なことを言ったばかりに……。なでなでなで……」
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/06/23(日) 23:20:02.90 ID:A1IEyzxD0
キャル「あたしには猫缶がお似合いよ……。ううん、カリカリで充分なんだから……」
コッコロ「でしたら、わたくしもカリカリをいただきましょう。キャルさまと同じものを食べるのが、わたくしは大好きですから」
キャル「そ、そんな……。コロ助にそんなもの食べてほしくない……! あんたはちゃんと美味しいものを食べなさいよ……!」
ペコリーヌ「ふふ。じゃあキャルちゃんも、ちゃぁんと美味しいご飯を食べないとですね♪」
キャル「……食べさせてくれるなら食べる」
コッコロ「おぉ……キャルさまが少しだけ前向きに」
ペコリーヌ「やっぱり、気持ちが沈んだ時にはみんなで食卓を囲むのが一番です♪ キャルちゃんの根っこにも、それが染みついてるんですねっ☆」
キャル「あは、は……。あんなに幸せな日常……あたしにはもったいないくらいよ……。楽しむ資格なんて……」
コッコロ「ふむ。もうひと押し、という感じなのですが……おや? 主さま? なにやらお部屋の隅を熱心に指差して……?」
キャル「な、なに……? 何かいるの……? まさか、オバケ……!? きっとダメダメなあたしを迎えに来たんだわ……! ペペペ、ペコリーヌぅ〜……」
ペコリーヌ「わわっ、大丈夫ですよ! オバケなんかいません! もしいたとしても、わたしが追っ払っちゃいますから☆」
コッコロ「あっ……巨大な虫がカサカサと……」
コッコロ「主さまは虫嫌いなキャルさまを心配して、虫の存在をわたくしに教えてくれていたのですね。さっそく、あの虫を外へ逃がしてしまいましょう」
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/06/23(日) 23:22:07.88 ID:A1IEyzxD0
ペコリーヌ「キャルちゃ〜ん? ちょっとだけ耳を塞いでいましょうね〜♪ はぁい、ぎゅっ、ぎゅ〜♪」
キャル「ふぇぇん……何も聞こえないじゃなぁい……。寂しくて死んじゃいそうよ〜……」
ペコリーヌ「目も塞いじゃいましょうか。さあキャルちゃん、わたしの胸に飛び込んでおいで〜♪ むぎゅ〜っ☆」
キャル「うぶぶぶぶ……」
コッコロ「……キャルさまの安全が確保されたようですね。わたくしたちも、元気に這いまわるあの虫を捕獲してしまいましょう」
コッコロ「えいっ……! えいっ……! むむ、素早い……! 主さま、わたくしを強化してください!」
コッコロ「しゅばっ……! しゅばっ……! ……ふぅ。なんとか捕まえることができましたね」
ペコリーヌ「すっごいカサカサいってましたね〜。今はガサガサいってますけど……」
コッコロ「このまま外へ逃がして参りますので、ペコリーヌさまは引き続きキャルさまのことをお願いいたします」
キャル「ぐすんぐすん……」
ペコリーヌ「はーい」
ペコリーヌ「……キャルちゃん、もう安心ですよ? 怖いのはコッコロちゃんたちが追い払ってくれましたから♪」
キャル「ふぇ……」
ペコリーヌ「あらら、かわいいお顔が涙でグシャグシャです……。あぁんもう、かわいそうに……!」
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/06/23(日) 23:23:12.92 ID:A1IEyzxD0
キャル「あ……。ご、ごめんなさい……! ペコリーヌの服、汚しちゃって……! ごめんなさい……! ごめんなさい……!」
ペコリーヌ「そんなの気にしないでください。汚れたなんて思っていませんから。だから、もっと──」
キャル「わぷっ……!?」
ペコリーヌ「もっとわたしにくっついていいんです。抱きしめてあげますから。いっぱい、い〜っぱい♪」
キャル「あたし……あたしは……」
ペコリーヌ「くっつくな〜なんて言う、ツンデレなキャルちゃんも大好きです。大好きですけど……たまには素直に甘えてください」
キャル「……いいの?」
ペコリーヌ「いいんです♪」
キャル「う〜……。えーん……ペコリーヌ〜……」
キャル「すりすりすり……」
ペコリーヌ「よしよし、いい子いい子……♪ 」
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/06/23(日) 23:25:03.75 ID:A1IEyzxD0
キャル「ずび〜……」
ペコリーヌ「キャルちゃんはもう自分を責めなくていいんです。自分のことを傷つけるようなこと、もうしないでください」
キャル「あたし、悪い子なのよ……? 誰もあたしを正してくれないなら、自分で罰するしかないじゃない……」
ペコリーヌ「わたしがやります。お姉さんですから」
キャル「歳なんてっ……!」
ペコリーヌ「年齢なんて関係ありませんよね。けど、わたしはお姉さんなんです。キャルちゃんが頼ってくれる限り、歳なんて関係なくお姉さんなんです」
キャル「ペコお姉ちゃん……」
ペコリーヌ「だから……もしキャルちゃんが悪いことをしちゃった時には、心をこわぁい鬼にして、プンプンって叱っちゃいます!」
キャル「あはっ……。あんたにできんの? 底抜けに優しいあんたが?」
ペコリーヌ「それは……う〜ん……。これから一緒に成長していきましょう☆」
キャル「何よそれ。あはは……♪」
キャル「……うん。頼りにしてる」
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/06/23(日) 23:26:35.92 ID:A1IEyzxD0
コッコロ「ただいま戻りました。主さまの服の中に虫が侵入してしまったせいで、帰りが遅くなってしまいましたが……」
ペコリーヌ「おかえりなさ〜い♪ あはは。彼、お顔が真っ青になっちゃってますね☆」
キャル「おかえり。あんたたち、二人揃ってどこ行ってたの?」
コッコロ「虫を野に返しに……と、それよりもキャルさま」
コッコロ「発作は無事に治まったのですね。ペコリーヌさまにピットリとくっついてはいるようですが、ひとまず安心いたしました」
キャル「発作って言うな! 仕方ないじゃない、寂しくなっちゃうんだから!」
コッコロ「ふふ。今まで寂しい思いをしてきた分、愛情を求めてしまうのは当然というもの。決しておかしなことではないと思いますよ」
ペコリーヌ「よぉしよしよし〜♪」
キャル「んふふふふ……すりすり……」
コッコロ「主さま。わたくしたちもキャルさまをたくさん甘やかしてさしあげましょう」
コッコロ「なで、なで……♪」
キャル「ふにゃぁ〜……」
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/06/23(日) 23:28:24.48 ID:A1IEyzxD0
ペコリーヌ「キャルちゃんキャルちゃん。このあとお出かけする予定はありますか?」
キャル「ん……ないけど。あんたたちが出かけるならあたしも行く」
ペコリーヌ「着替えちゃいましょう☆」
キャル「え? ちょっと、着替えるって? ま、待ちなさい……! こらっ、脱がすなぁっ!」
コッコロ「主さまー、おめめをお隠しいたしますねー」
ペコリーヌ「……じゃじゃーん! キャルちゃんの新しい専用装備です♪ ぱちぱちぱち〜☆」
キャル「装備って……パジャマじゃない」
コッコロ「フリフリのワンピースでございますね。キチンと尻尾が出せるように、お尻のところに切れ目が入っている様子。よくお似合いです。とても可愛らしい♪」
キャル「うわぁ……黒猫の顔がウジャウジャ描いてある……」
ペコリーヌ「んふ〜♪ かんわいぃ〜☆ 押し入れに仕舞っちゃいたいくらいかわいいです♪」
キャル「し、仕舞うな! ちゃんと一緒のベッドで寝なさいよ……!」
コッコロ「う〜……抱きしめたい……。普段の厳しくて意地悪なキャルさまではない今なら……ごくり」
キャル「普段……なんですって? ねえ、コロ助〜?」
コッコロ「ひぇ……」
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/06/23(日) 23:29:38.87 ID:A1IEyzxD0
ペコリーヌ「全員パジャマに着替えましたね? いざ、パジャマパーティーの始まりです!」
コッコロ「しくしく……。キャルさまに身ぐるみを剥がされ、むりやり水玉模様の寝巻きに着替えさせられてしまいました……」
キャル「あんただってあいつの服引っぺがしてたじゃない。鈍いあいつもさすがに顔真っ赤にしちゃってたわよ?」
コッコロ「わたくしが着替えた以上、主さまにもお着替えしていただかなくてはいけません。そして、主さまをお着替えさせるのはわたくしの役目ですので」
ペコリーヌ「男の子らしい紺色のパジャマです。カッコいいですよっ♪ いぇいいぇい☆」
キャル「ペコリーヌはおにぎり柄なのね。よくそんなの見つけたもんだって関心するわよ、まったく」
コッコロ「あの、キャルさま……? そろそろ離してくださいませんか? ずっと抱っこされているというのも、その……照れてしまいます……」
キャル「イヤ」
コッコロ「そうですか……」
ペコリーヌ「キャルちゃんばっかりずるいです! わたしも混ぜてくださいよぉ〜! ぎゅぎゅぎゅ〜っ♪」
コッコロ「わぁ……!? あ、主さま〜……お助けくださいまし〜……」
キャル「くすぐってやる」
コッコロ「あっ、ふふっ。きゃ、キャルさま、おやめくだ、ふふふっ、ふふふふふ……」
ペコリーヌ「……えへへ、幸せです♪」
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/06/23(日) 23:31:28.48 ID:A1IEyzxD0
ペコリーヌ「ぎゅ〜っ☆」
キャル「ぎゅ〜」
コッコロ「キャルさまがわたくしを背後から抱きしめ、そのキャルさまをペコリーヌさまが抱きしめているこの状況……」
コッコロ「あまりにも謎の多い状況に、主さまが所在なさげにオロオロと固まってしまっています」
キャル「あんたも混ざればいいじゃない。いっつもコロ助とベタベタしてるんだしさ」
ペコリーヌ「わたしがぎゅ〜ってしてあげたいところなんですけど……キャルちゃんが寂しくなっちゃいますから」
キャル「そういうことよ! ふふん、あんたにペコリーヌはもったいないわ!」
キャル「ま、まぁ? あんたがどうしてもっていうんなら、あたしが撫でてあげないこともないわ?」
コッコロ「キャルさまにはわたくしをなでなでする責任がありますので。さあ主さま。わたくしのお膝においでくださいまし♪」
ペコリーヌ「……あれれ? 来ませんね? 遠慮してるんでしょうか? お〜い?」
コッコロ「にこやかに両手の親指を立てて……? ふむ。どうやらわたくしたち三人で楽しんでほしい、とのことかと」
キャル「なによそれ……。相変わらず変なヤツ」
ペコリーヌ「あなたも大事な仲間で、お友達なんですからね? 寂しくなっちゃったらすぐに輪に入ってきてください♪」
コッコロ「本来なら、ガイド役であるわたくしが主さまのおそばへと向かうべきなのですが……あぁ、なんとも抗いがたい幸福感が……ふぁ〜……♪」
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