西住まほ「おいら、ボコだぜ!」

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1 : ◆DLwRpsYLYI [sage]:2019/06/20(木) 01:29:42.06 ID:AXmJ8DO/0
まほ「おいらボコだぜ!」

まほ「どうだ? ボコに似てるか?」チラッ

エリカ「え、えぇ……少しは」

小梅「全然似てないです。少しもボコを感じられませんでした」ビシッ

エリカ「小梅! ちょっとは隊長に配慮しなさいよ!」

まほ「そうか、似てないか……いや、いいんだエリカ。此方もはっきり言って貰った方が助かる」ズーン

まほ「……ん、ゴホン!」

まほ「オイラ、ボコだぜ!」

まほ「今のは我ながら上手くできたな! そうだろ、二人とも?」チラッ

エリカ「……目を瞑って聞いていたので、完全にボコが目の前に現れたかと思いました! 流石隊長です!」グッ

小梅「エリカさん、耳の穴完全に塞がってるんじゃないですか? 全然似てませんでしたよ?」

エリカ「んもう! そんな事言ってたらいつまでも帰れないでしょうが! 只でさえ呼び出される時間も遅かったのに、こんな事で時間使ってられないのよ! このバカ!」

小梅「ちょっとエリカさん! いくらなんでもそれは言い過ぎですよ!」

エリカ「はっ! …………隊長?」チラッ

まほ「…………ぐすっ」グスン

エリカ「ひぇっ! すすすみません、決してそんなつもりじゃ……」アタフタ

まほ「……いや、いいんだ。二人とも、態々こんな時間に呼び出してすまなかったな」シュン

まほ「……だから、次で決める!」キリッ

エリカ(続けるんかいっ!)イラッ

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2 : ◆DLwRpsYLYI [sage]:2019/06/20(木) 01:30:44.20 ID:AXmJ8DO/0
まほ「おいら、ボコだぜ!」(迫真)

エリカ「…………」チラッ

小梅「うん、似てないです」グッ

まほ「…………駄目かぁ」ガクリ

小梅「結局隊長はどうなされたんです? こんな時間にいきなり呼び出されて、ボコの物真似を披露されても私には何が何だか……」

エリカ「もう夜中の2時ですからね、てっきり藁人形で気に入らない奴を呪いに行くのかと思いましたよ」

まほ「…………いや、それなんだが……戦車道を通じて、みほと色々あったろう?」チラッ

まほ「一時期はそれでみほとギクシャクしてしまったが、今ではすっかり元通り、いや元以上に仲良くなれたと思うんだ」

小梅「大学選抜戦とかもありましたしね。私もみほさんとまた仲良くなれて嬉しいです」ウンウン

まほ「それで、だ。私はみほにもっと遊びに来て欲しい。折角お互いの蟠りも消えたんだ、気軽にこの黒森峰に訪れて来て欲しい」

エリカ「……それと夜中の2時に後輩呼び立てて似てない物真似披露するのになんの関係があるんです? もう2時30分過ぎたんですけど」

まほ「……こうは考えられないだろうか? もし私がボコの物真似が凄く上手だったら……それが色々な人伝にみほの耳に入って……」

まほ「『お姉ちゃん、ボコの物真似凄く上手なんだ……うっひょーこりゃ黒森峰に遊びに行くしかないね!』とならないだろうか?」

小梅「無いですね」スッパリ

まほ「完全にボコの物真似を習得してもかっ!?」ビックリ

小梅「無いです」キッパリ
3 : ◆DLwRpsYLYI [sage]:2019/06/20(木) 01:31:24.34 ID:AXmJ8DO/0
エリカ「というか、なんでそんなに遠回りで噂を流そうとするんですか? みほなら素直に遊びに来いって言えば来るでしょ」

まほ「私がっ! 私がお前達なら迷いはしなかった! 友達の様に誘えれば苦労しないんだっ! 私はこれでもお姉ちゃんなんだぞ。姉が遊びに来いって言ったら嫌でも来るしかないだろう? そんなパワハラめいた事はしたくないんだっ!」

エリカ「だったら夜中に後輩を呼び出すのはパワハラじゃないんですか!? 明日……いや今日も朝練があるのに何で呼び出すんですか! どうせ朝に会うじゃないですか!」

まほ「いや、ちょっと眠れなくてな……それで、昔の事を思い出してたらボコが浮かんできて……これはイケる、と思って二人を呼び出したんだ」

エリカ「それじゃ完全に私達はとばっちりじゃないですか! みほに会いたいなら会いに行くなり何なりしてくださいよ! もう私は帰りますからね!」クルッ

まほ「……ぐずっすま、すまない……わたっ私はあまり友達が居ないから……ぐすっ……みほとも……みほとも面識が深いお前達なら相談できるかなと思ってぇ……!」グスッ グスッ

エリカ「……あーもう、わかりましたよ! 何か考えればいいんでしょ、何か考えれば!」クルッ

小梅(エリカさんチョロいなぁ……隊長、真顔で泣き真似してたのに)

エリカ「それで? 結局隊長はどうしたいんですか?」

まほ「みほに遊びに来て欲しい! 自らの意思で!」バンッ

小梅「でも、そもそも学園艦の行き来ってそんなに気軽には出来ませんからねぇ。うちみたいに自由になるヘリでもあれば別ですけどね」

エリカ「何処か大型の町に偶然一緒に寄港したりした時ぐらいしか気軽な距離にはならないわね。隊長にヘリを出せって言われればそりゃ出しますけど」

まほ「そうだな、ヘリを大洗に寄贈するか。パイロット付きで」チラッ

エリカ「そのパイロットって私の事ですよね!? 絶対に嫌ですよ!」フンッ

小梅「そもそもヘリがあっても黒森峰に来たいとは思わないんじゃ……」

まほ「お姉ちゃんが待ってても駄目か? みほに私がティーガーに乗って待ってるぞと伝えればうきうきで来るんじゃないのか?」

エリカ「それじゃ挑戦状になっちゃうでしょ!」
4 : ◆DLwRpsYLYI [sage]:2019/06/20(木) 01:32:06.70 ID:AXmJ8DO/0
小梅「そうですねぇ、隊長のボコの物真似は本当にお粗末で記憶から消したいぐらいの出来でしたけど、ボコという着眼点はとても良いと思うんです」

まほ「お、そうだろそうだろ! みほはボコが大好きだからなぁ!」ニコニコ

小梅「ですから、とりあえずボコで釣ってみては如何でしょう?」

エリカ「ボコで釣るって……?」

小梅「みほさんも、いきなり気軽な気持ちで黒森峰に来るのは難しいと思うんです。今では蟠りも解けましたが、それでも黒森峰には中々足が向かないと思います。そこで先ずは一度自らの意思で来て頂く為に、ボコ関連のイベントでみほさんの興味を引くんです!」

エリカ「良い考えだとは思うけど、ボコ関連のイベントって……そんな簡単に出来るわけないじゃない。いくらかかるか分かったもんじゃないわ!」

まほ「……どうやらやっと隊長らしいところを見せれそうだな、私に任せろ!」

エリカ「どうするんです?」

まほ「お母様にボコイベント誘致してくれなきゃあの動画を拡散すると伝える」

小梅「……あの動画とはどういう?」

まほ「みほが大洗に転校した時、お母様に私がガチ泣きで抗議した事があってな……裸で」

エリカ「裸で!? あなたは家で何やってるんですか! というかその動画でダメージ受けるの隊長だけでしょ!」

まほ「あの時、私はお母様からみほに一言でいいから何か優しく言葉を掛けてやってくださいと、西住流の家元ではなく母親としての言葉を一言でも掛けてやってくださいと申し出たんだ」

まほ「そうしたら何か服を着ろだのせめて何か羽織れだのとゴチャゴチャ言ってきたのでな、最後にガチ泣きして地団駄を踏みながらこのくちょばばあって言った瞬間にお母様に腹パンされて私は失神したんだ! 動画のタイトルはこれで行こう『西住流家元、虐待の瞬間!』」

小梅「その動画は隊長も映ってるんですよね?」

まほ「当たり前だ、一糸纏わぬわがままボディだぞ」ドヤァ

エリカ「その動画を公開するって死なばもろとも精神じゃないですか。ですけどこれでボコ関連はなんとかなりそうですね! よし、解散!」バンッ

まほ「エリカ……何か無理矢理締めようとしてないか? まぁ方向性は決まったし、後はボコのイベントを考えながら進めていくか……」
5 : ◆DLwRpsYLYI [sage]:2019/06/20(木) 01:32:33.81 ID:AXmJ8DO/0
エリカ(やっと帰れる……少しでも寝よう……)

まほ「よし! では朝練まで私は走り込みでもしてくる! 解散!」ダダダ

エリカ「…………私達はさっさと帰って寝ましょう?」トテトテ

小梅「そうですね。でも家元にそこまで食い下がるなんて……隊長は妹のみほさんをそれほど大切に思ってるんですね……」トテトテ

エリカ「……裸でね」プフッ

小梅「ふふふ……ちょっと、止めてくださいよぉ!」フフ

エリカ「泣きながら、地団駄踏んでね……」プフッ

小梅「うふ、ふふふ……も、もうエリカさんてばぁ!」フフフ

まほ「エリカ、小梅アウトォ!!」ガサッ

エリカ「げっ! 隊長、走りに行ったんじゃなかったんですか!?」

まほ「……一人でこんな真夜中に走り込んでたら只の変な人だろ。だが皆で走ればもしかして戦車道の基礎練かな? で済むと思うんだ」ウンウン

小梅(三人で真夜中に走り込んでたら変な人達になるだけだと思いますけど)

まほ「それに……暗くてちょっと怖いじゃないか……」

エリカ「だったら部屋に帰って寝ればいいじゃないですか……私達もう眠いんですけど……」

まほ「しかしなぁ……こんな時間から寝たら朝練に寝坊しそうだしな……」ウーン

エリカ「私が起こしますから……寝ましょ? ね? ね?」

まほ「そこまで言うならしょうがないな、一緒に寝ようか」

エリカ「えぇ……またですかぁ? まぁいいですけど……」

小梅「それでは、私はこれで失礼します」ペコリ

まほ「駄目だ、布団を持ってエリカの部屋に来い。隊長命令だ」

小梅「は、はい……」ガクリ
6 : ◆DLwRpsYLYI [sage]:2019/06/20(木) 01:33:21.97 ID:AXmJ8DO/0
ーーー後日 大洗学園艦ーーー

麻子「……眠い。沙織、おぶってくれ」

沙織「いーや。麻子ったらいつも眠いって言うけど、逆に眠くない時あるの?」

麻子「無い。起きている時は眠い、だからおぶってくれ」ダラー

沙織「もう、嫌だったら! もたれ掛からないでよ!」グイッ

麻子「うわぁぁー」ドテーン

華「あらあら、麻子さん大丈夫ですか?」

麻子「けつ……けつ圧にやられた……沙織のけつは……凶器……」バタッ

沙織「こらぁ! 人がちょっと気にしてる事を言うなぁ!」ギュー

麻子「いひゃい、いひゃい。しゃおり、やめへくれ」ジタバタ

優花里「皆さん、戦車道の練習が終わったばかりだというのにまだまだ元気ですね!」

みほ「あ、あはは……」

優花里「そうだ、皆さんで何か食べに行きませんか?」

沙織「あ、賛成! それならあそこのケーキ屋さんにしようよ。あのお店のケーキ、美味しいんだぁ!」ニコッ

華「良いですね、是非行きましょう!」
7 : ◆DLwRpsYLYI [sage]:2019/06/20(木) 01:33:57.32 ID:AXmJ8DO/0
麻子「これ以上沙織の尻が大きくなると、私は吹っ飛ぶどころか跡形も無く消えるんじゃ……」ガクガク

沙織「そんな訳無いでしょーが! んもー、麻子ったら早く起きなさいよ」グイッ

麻子「ぐあぁぁーー」ノビー

優花里「あはは、冷泉殿はまるで猫みたいですね」

沙織「確かに麻子は猫っぽいけど……そう言うゆかりんは犬っぽいよねー」

優花里「そうでありますか? あまり自分では分かりませんけど……」

華「優花里さんはいつも元気ですからね。それでは、私はどうでしょう?」

沙織「華は……名前ネタじゃないけど、動物より一輪の花って感じかな!」

華「まぁ、うふふ。それは動物より嬉しいかもしれません……」ニコニコ

沙織「それで私は……」

麻子「ぶ」

沙織「ーーえいっ!」グイッ

麻子「うわぁぁーー!」ドテッ

麻子「ぶ……ぶたのけつ……」ピクピク

沙織「まだそんなこと言う! もう、麻子はそのまま暫く反省しなさい! それで私は……うさぎかな? そしてそしてみぽりんはーー」チラッ
8 : ◆DLwRpsYLYI [sage]:2019/06/20(木) 01:34:56.47 ID:AXmJ8DO/0
みほ「え、えっと……がおぉーー!」サッ

優花里「西住殿、急に両手を上げてどうしたんです?」

みほ「が、がおぉぉ……」///

沙織「どうしたのみぽりん? まさかもうこれからのケーキに備えてダイエットを……?」

華「いえ、これは……生け花でいう、冥地絞りを表しているのでは? みほさんがここまで華道に精通していらしたなんて……私、感服致しました!」

みほ「違います……あの、く……くまです……くまなんです……」///

沙織「あ、あぁ……そう言うことね。でもみぽりんは熊っぽい……とは言えないよぉ……だって……」スッ

沙織「こんなに愛くるしい熊なんていないからだー! それそれそれー!」ワシャワシャ

みほ「わー! も、もう沙織さーん!」ワシャワシャ

華「あらあら、二人とも仲良しですね」ニコニコ

優花里「あ、ケーキ屋さんに着きましたよ! さぁさぁ、寄って行きましょうよ!」

麻子「やっと休める……早く入ろう……」トテトテ

カランカラーン イラッシャイマセー
9 : ◆DLwRpsYLYI [sage]:2019/06/20(木) 01:35:30.43 ID:AXmJ8DO/0
沙織「そう言えばさ、次の寄港先聞いた?」モグモグ

優花里「…………っ!」ムグッ ゴホッゴホッ

華「だ、大丈夫ですか優花里さん……!」アタフタ

優花里「す、すみませんお見苦しい所を……そ、それで次の寄港先がどうかしましたか?」

沙織「それが寄港先はいつもと一緒なんだけどさ、黒森峰の学園艦がずっと停泊してるんだってさ。何かあったのかな?」

みほ「黒森峰が……? うーん、私は何も聞いてないけど……」

華「艦全体のトラブルでしょうか……? しかしニュース等は流れていませんよね?」

麻子「…………ぐぅぐぅ」スピー

沙織「麻子はほっといて……トラブルとかでは無いみたいなんだけど、何なんだろうね。わざわざこっちまで来て停泊するなんて……」

沙織「でも、これって良い機会じゃない? 私、黒森峰学園艦って行った事無いんだぁ。だからもし寄港先にまだ黒森峰学園艦が停泊してたらさ、皆で行ってみない?」チラッ

華「うふふ、楽しそうですね! 私は勿論賛成です!」

優花里「良いですねぇ! 是非、是非是非行きましょうよぉ!」フンフン

みほ「…………っ」ウツムキ

沙織「みぽりん……どうしよ、やっぱり止めとーー」

優花里「っ!! そういえばぁ! 黒森峰で行われるボコイベントがあるみたいですよ!」バンッ

みほ「行くぅっ!」カッ

みほ「あっごめん、大声出しちゃって……」テレテレ

沙織「う、ううん。大丈夫だよ! じゃあこれで決まりね! 次の寄港日は黒森峰に皆で行こーっ!」

優花里(危ない危ない……でもこれで西住殿を黒森峰に呼び込むというミッションは無事成功であります!)

麻子「……………………ぐぅ」スースー
10 : ◆DLwRpsYLYI [sage]:2019/06/20(木) 01:36:06.17 ID:AXmJ8DO/0
ーーーイベント当日 黒森峰学園艦ーーー

みほ「わぁ……久し振りにここを歩くなぁ……」

沙織「大洗学園艦より大きいねー!」

優花里「収容人数10万人を超える超巨大学園艦ですからね! 大洗の3倍以上の人が住んでるんですよ!」

華「やはり母港が熊本にありますから、咲いている花も大洗とは少し違いますね」ニコニコ

麻子「はぁ……折角の寄港日に何で他の学園艦なんかに……というか何故黒森峰の学園艦がこんな所に……?」フム

沙織「それにしてもみぽりん、なんか荷物多くない? 少し持とうか?」

みほ「ううん大丈夫、沙織さんありがとう。今日は着替えを持ってきたんだ!」

小梅「あっ! 皆さーん、お待ちしておりました!」トテテテ

小梅「黒森峰学園艦にようこそ! 本日は私、赤星小梅が皆さんの案内人を勤めさせて頂きます! よろしくお願いします!」ペコリ

みほ「小梅さん! こちらこそ今日はよろしくお願いします!」ペコリ

沙織(小梅さん……何て呼べばいいんだろ。こうめん? こーうん? いやいや、これは言っちゃ駄目なやつ)フルフル

沙織「……今日はよろしくお願いしまーす! それにしても黒森峰の学園艦って広すぎて迷子になりそうだよー!」

小梅「演習場の森林は広すぎて迷ったら本当に危ないですから、気をつけてくださいね」

小梅「さぁ先ずはこのドラッヘでイベント会場まで行きましょう!」バラララララ

優花里「うわぁ! ドラッヘですよドラッヘ! これに乗れるとはたまらんでありますなぁ……!」

麻子「ドラッヘが来たということは……パイロットは……」チラッ

エリカ「ふん……来たのね」ツーン
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