高木さん「間接キスだね」西片「えっ?」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/19(水) 23:19:32.33 ID:ikHTZENWO
「あのさ、高木さん」
「なに?」

僕の隣の席に座る高木さんは、からかい上手。
そんなことは、わざわざ説明するまでもない。
しかし、今日の彼女は、少し様子がおかしい。

「もしかして、体調が悪いの?」

僕がそう尋ねた理由は、2つある。

ひとつは、顔色が悪いこと。
これに関しては、あまり自信がない。
女子の顔なんてジロジロ見れないからだ。
それでも、いつもより青白い気がした。

ふたつめの理由は、わりと自信がある。
それは彼女のアイデンティティに関わること。
高木さんの習性は、僕が1番が身に染みている。

高木は、からかい上手。
僕のことを、いつもからかってくる。
それなのに、今日は一度もからかわない。

それは、おかしい。
あまりにも、奇妙だ。
こっちはヒヤヒヤして身構えているのに。
今日の高木さんは、僕をからわない。

以上の理由から、体調を伺ってみたのだが。

「私は平気。大丈夫だから心配しないで?」
「でも……」
「西片って、たまに優しいよね」

そんな言葉と共に、不意に微笑まれて。
僕はそれ以上、言葉を紡げなくなる。
酸欠の魚のように、口をパクパク。

顔が熱い。

すごく恥ずかしくて、照れてしまう。
そんな僕を見て、高木さんは笑うだろう。
どうやら上手くからかわれてしまったらしい。

そう思って、抗議しようとすると。

「ぅぐっ……っ!」
「た、高木さん!?」

高木さんは、顔をしかめて、机に突っ伏した。

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2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/19(水) 23:21:10.23 ID:ikHTZENWO
「そんなに心配しなくても大丈夫だってば」
「でも……!」
「ちょっと休めば平気だから」

あの後。
僕はすぐさま、高木さんを保健室へ運んだ。
しかし、保健の先生は不在らしく。
なにも処置が出来ないまま無力感に苛まれる。

「やっぱり保健の先生を呼んでくるよ!」
「だから、大丈夫だってば」
「だけど……!」
「いいから、ここに居て?」

焦る僕に、そう諭す高木さん。
力なくベッドに横たわる彼女は。
ほんの少しだけ、不安そうな顔をした。
彼女のその表情を見て、冷静さを取り戻す。

今、僕は頼りにされている。
不安げな高木さんを1人にしてはおけない。
だから僕はベッドの傍の椅子に腰を下ろした。

「ありがとね、西片」
「へ?」
「保健室まで、おんぶしてくれて」

そう言われて、自らの振る舞いを省みる。
あの時は無我夢中で、必死だった。
だからつい、大胆な行動に出てしまった。
まさか、女の子をおんぶしてしまうなんて。

覚えているのは、甘い香りと、柔らかさ。
特に、おんぶの際に支えたおしりは、格別だ。
その代わりに、背中にはゴリゴリした感触が。

「西片」
「はいっ!?」
「今、失礼なこと考えたでしょ?」
「いえ! 全然!」
「西片のえっち」

体調が悪くても、高木さんはとても鋭かった。
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/19(水) 23:22:01.73 ID:ikHTZENWO
「高木さん、すごい汗だよ」

いつものように僕をからかって。
少しだけ、笑顔になったけれど。
彼女の、可愛らしい丸い額には。
冷や汗で前髪が張り付いている。

僕は思わず、それを取ろうと手を伸ばして。

「西片……?」
「っ……なんでもない!」

即座に手を引っ込める。
危ないところだった。
この状況で女の子に手を伸ばすなんて。
誰がどう見たって、誤解される。

慌てふためく僕を見て、彼女はくすりと笑い。

「西片、手を出して」
「えっ?」
「こうしてると、落ち着く」

きゅっと、細い指先で僕の手を握る高木さん。
あまりのことに、反応が出来ずに硬直。
そして、伝わる彼女の指先の冷たさに気づく。

「高木さん、手が冷たい」
「ごめん、嫌だった?」
「そ、そんなことはないけど……」
「じゃあ、西片があっためて」

たぶん、今、僕の手は熱いくらいだろう。
頬の熱と同じように、火照っている筈だ。
だからすぐに高木さんの指先も温まった。

「ほんとにありがとね、西片」

僕でも彼女の役に立てたことが、嬉しかった。
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/19(水) 23:22:59.90 ID:ikHTZENWO
「西片」
「なに、高木さん?」

しばらく、彼女の容態を見守っていると。
瞑っていた目を開けて、呼ばれた。
すぐに応じると、高木さんは身を起こした。

「起きても平気なの?」
「うん……それより、西片に頼みがあるの」
「僕に出来ることならなんでも言ってよ!」

弱っている高木さんからの頼み。
それがなんであれ、全力を尽くすつもりだ。
無力な僕には、そうすることしか出来ない。

「水をちょうだい」
「水だね! わかった! いま持ってくるよ!」

すぐに保健室の手洗い場へと向かい。
蛇口を捻って、水をコップに注いだ。
そして急いでベッドまで戻ってきた。

「はい、高木さん」
「ありがと」

コップを受け取った高木さん。
すると、なにやらゴソゴソして。
スカートのポケットから薬を取り出した。

それをこちらに見せて、苦笑する高木さん。

「これ、すごく苦い薬なんだ」
「なんの薬?」
「西片も飲んでみる?」
「え? 僕も?」
「一緒に飲めば、苦さも和らぐかも?」

なんだそれは。
そんなのおかしい。
だいたい、僕は健康だ。
薬なんて飲む必要はない。

しかしながら、なんとも意外だ。
高木さんが苦い薬を嫌いだなんて。
なんだか、幼い少女のようではないか。
そんな彼女を見て、僕は優越感を抱いた。

「はっはー! 高木さんは子供だなぁ!」

ドヤ顔をしつつ、彼女の手から薬を受け取る。
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/19(水) 23:24:03.07 ID:ikHTZENWO
「大丈夫、西片? その薬、すごく苦いよ?」
「へーきへーき! 僕にかかれば余裕だよ!」

優越感に浸った今の僕に怖いものなどない。
本当は、コーヒーとか、苦いのは苦手だけど。
彼女を勇気付ける為に、ひと肌脱ぐとしよう。

「それじゃあ、せーので、一緒に飲も?」
「こっちはいつでもおーけーだよ!」

包みを開けて、飲む準備は万端。

「せーのっ!」

彼女の掛け声と一緒に。
僕は薬を一気飲みした。
粉っぽさが口中に広がる。
そこでふと、気づく。
自分の分の水を汲んでないことに。
そんな僕に、すかさず。

「はい、西片。お水」

気が効く高木さんが水をくれた。

「んぐっ……ぷはっ!」

それを飲み干してから、感謝を告げる。

「ありがとう高木さん、助かったよ」
「ふふっ。どういたしまして」

ニコニコ笑う彼女を見て、違和感を覚えた。
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/19(水) 23:25:13.34 ID:ikHTZENWO
「ところで、高木さん」
「なに?」
「薬、そんなに苦くなかったよね?」
「えー? そう?」

苦いと聞いていた先程の薬。
飲んでみると、然程苦味を感じなかった。
そのことが気になって、追求しようとすると。

「ちなみにあの薬って、なんの……」
「そんなことより、西片」
「ん? どうしたの、高木さん」

高木さんは話を遮り、コップを指差した。

「間接キスだね」
「えっ?」

なんのことだかわからない。
このコップは、僕が水を汲んできたもの。
それを高木さんに渡して、あれ?
なんで今、このコップは僕の手にあるんだ?
たしか僕は、一緒に薬を飲んで。
水がないことに、焦っていたら。
高木さんが、コップを手渡してくれて。

「ええっ!?」
「あはは。ひっかかった」

冗談にも程があるよ。
というか、冗談になってないし。
コップを渡した高木さんの責任だし。

「西片」
「な、なに?」
「ちゃんと責任取ってね?」

どこまで本気なのか、さっぱりわからないし。
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/19(水) 23:26:47.08 ID:ikHTZENWO
「なにはともあれ、元気になって安心したよ」

まったく、結局いつも通り、からかわれた。
それでも、あまり悪い気はしない。
彼女が元気になってくれて、本当に良かった。

「実はそんなことないんだけどね」
「へっ?」

そんなことないとは、どういう意味だろう。
怪訝に思って、彼女の様子を伺うと。
片手でお腹を押さえて、なんだか苦しそうだ。

「た、高木さん、大丈夫?」
「あはは……大丈夫じゃないかも」

苦笑いする高木さんは、酷く辛そうで。
先程までの笑顔はカラ元気であったと気づく。
きっと、僕を心配させまいと隠していたのだ。
こんなに悪化するまで気づけなかったなんて。
自分の不甲斐なさを、痛感した。

「やっぱり、保健の先生を……!」
「西川、待って!」
「た、高木さん……うわっ!」

保健室を飛び出そうとした僕の手を引き。
高木さんが引き留めた。
勢いあまって、彼女のベッドに倒れこむ。

「ご、ごめん……平気?」
「うん、大丈夫」
「す、すぐに退けるから」
「待って!」

彼女に覆い被さったまま。
僕は高木さんに抱きしめられた。
甘い香りと、胸にゴリゴリした感触が伝わる。
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/19(水) 23:28:06.36 ID:ikHTZENWO
「西片……また失礼なこと考えてるでしょ?」

耳元でそんな囁きをされて、頭はパニック。

「そんなことは! いや、そんなことより!」
「いいから、じっとしてて?」

じっとしていろなんて、そんな無茶な。

「た、高木さん、マズイよ!」
「どうして?」
「こんなの誰かに見られたら!」
「見られたら、困るの?」
「そりゃあ困るよ!」
「なんで?」
「なんでって言われても……」
「西片は……私のこと、嫌い?」

極度の混乱状態でも最後の質問は聞き取れた。

「き、嫌いじゃ、ないよ」
「それなら、好き?」

なんだこの質問は。
一体全体、高木さんはどうしてしまったのか。
彼女らしくないと思っていると。

「ぷっ。西片、すごい顔」

おかしそうに噴き出す高木さん。
それを見て、身体中から力が抜ける。
今日のからかいは、僕にとって過激すぎた。

「か、勘弁してよ、高木さん」
「やだ」
「えっ?」
「西片の気持ちを聞くまで、離さない」

どうやら、今日の高木さんは、本気らしい。
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/19(水) 23:29:17.16 ID:ikHTZENWO
「高木さん……?」
「ねぇ、西片」

彼女がどこまで本気なのか、尋ねる前に。

「さっきの薬、なんだったと思う?」
「さっきの薬?」
「私たちが飲んだあの薬が、もしも……」

高木さんが意味深に、一拍置いた、その時。

「っ……!?」

ぎゅるるるるるるるるるるるるるるるるぅ〜!

なんだ、今の音は。
この世のものとは思えぬ音色。
まるで、地獄の底から響いてくるような。

「下剤、だったとしたら?」
「……えっ?」

そんな、馬鹿な。
嘘だ。信じたくない。
しかし、それは紛れもなく現実であり。

「ふふっ。困ったね」
「た、高木さん……?」
「西片も私も、ここで漏らしちゃうね?」

ぎゅるるるるるるるるるるるるるるるるぅ〜!

またあの音だ。
しかし、今度は地獄から響いたわけではなく。
間違いなく、高木さんのお腹から、聞こえた。
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/19(水) 23:33:34.65 ID:ikHTZENWO
「そんな……」
「あは。その顔」

愕然とする僕の頬に高木さんの指先が触れる。

「西片の……その顔が、見たかった」
「じょ、冗談はやめてよ」
「冗談なんかじゃないよ。その顔を見る為に、朝下剤を飲んでから、これまでずっと耐えてきたの」

そう語る彼女の口元はだらしなく緩み。
熱に浮かされた瞳は潤みきっていて。
思わず、僕は生唾を飲み込んだ。

「ごめんなさい」
「えっ?」
「私、西片に酷いことしちゃった」
「高木さん……」

一転してしょんぼりした高木さんが僕に問う。

「私のこと、嫌いになった……?」

弱りきった彼女の瞳が。
背に回される細腕の震えが。
その全てが、僕を打ち震えさせた。

「嫌いになんて、なるわけがない」
「でも、私は西片の優しさにつけ込んで……」
「いいんだ、高木さん」

自分を責める高木さんなんて、見たくない。

「君の悦びの為なら、僕は悦んで脱糞するよ」

君の悦びは、僕の悦び。故に謝る必要はない。
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/19(水) 23:35:31.67 ID:ikHTZENWO
「西片……」
「高木さん……」

僕らは見つめ合って、暫しの時が流れた。
とても静かで、心地良いひととき。
しかし、それも長くは続かないだろう。

刻一刻と、運命の歯車は、進み続けている。

「西片、お願い」
「なんだい、高木さん」
「西片の気持ちを聞かせて」

僕の気持ち。
僕は、彼女をどう思っているか。
それは簡単なようで、とても難しい。

高木さんは僕の隣の席の女の子で。
いつも僕をからかって。
いつも僕はからかわれて。
それでも不思議と嫌ではなくて。
どこまでが本気なのかが知りたくて。

「私はね……西片のこと、好きだよ」
「えっ?」

思わず耳を疑った、その瞬間。

ぶりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅぅ〜!

「ふふっ……ふははっ! フハハハハハッ!!」
「あ、あああ、あああ、あああああ!?!!」
「フハハハハハハハハハハハハハッ!!!!」

僕は漏らし、高木さんの哄笑が、響き渡った。
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/19(水) 23:37:36.12 ID:ikHTZENWO
「ふぅ……愉しかった」
「うぅ……酷いよ、高木さん」

しばらく悦に浸っていた高木さん。
漏らした僕はシクシク涙を流した。
そんな僕の涙を人差し指を拭って。

「ごめんね、西片。お詫びに手を貸して?」
「へっ?」
「私のお尻が気に入ったみたいだから……」

特別だよと、僕の手をベッドの中に導いて。
柔らかな感触に、手のひらが包まれた。
モチモチで、ふにゃふにゃで、びちゃびちゃ。

そして僕は悟る。
高木さんの尻に触れて。
全てを尻……いや、知った。

高木さんも、漏らしている、と。

「フハッ!」
「水っぽくて、ごめんね?」

水っぽくてごめんだって?
謝る必要なんてない。
全てを尻、全て知った僕は、全てを許そう。

良きに計らえ。

「フハハハハハハハハハハハハハッ!!!!」

今この時、この瞬間。
高木さんの愉悦は僕のものとなり。
僕の愉悦は高木さんのものとなる。

高い次元で僕らは深く、知り合い、尻合った。
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/19(水) 23:39:18.88 ID:ikHTZENWO
「愉しかった?」
「最っ高だったよ!」

全能感と充実感が、胸いっぱいに広がる。
鼻腔をくすぐる便の香りはどちらのものか。
どっちでも良かった。最高の気分だった。

「悦んで貰えて、良かった」

心底ほっとした様子の彼女に、感謝を告げる。

「ありがとう、高木さん」
「感謝よりも聞きたい言葉があるんだけど?」

まるでからかうように、こちらを伺う彼女に。

「……好きだよ」

出来る限り、小さな声で、気持ちを伝えると。

「え? なに? 聞こえなーい!」
「もう、勘弁してよ!」
「あははっ! 勘便して、あげない」

改めてからかい上手であると思い知らされた。


【脱糞上手の高木さん】


FIN
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/19(水) 23:57:31.24 ID:9qxTzVmgO
乙フハッ

ハルヒから高木さんか
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/20(木) 00:20:03.79 ID:7WRPRfAeO

まさしくクソスレ
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/20(木) 00:29:43.59 ID:lv0r+VjgO
途中西川君に寝取られてて草
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