【鬼滅ss】鬼退治の幕間

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24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/18(火) 01:34:16.10 ID:doQZq5kn0
鱗滝
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/18(火) 01:35:33.88 ID:doQZq5kn0
上げてる奴下げてな
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/18(火) 01:50:08.54 ID:yR7JbxaC0

夕餉の支度をしていると、鎹烏が文を銜えて飛んできた。

儂に届く手紙は、昨今だと専ら炭治郎からだ。

案の定、年にあった粗忽な字で

日々の修行や営み、任務先での出来事などを丁寧に綴ってくれる。

昨今は炎柱が命を賭して乗客を守った事に感銘を受けたのか

「強くなりたい」が結びの言葉になる事が多くなった。

 

27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/18(火) 01:54:11.90 ID:yR7JbxaC0

焦る事は無い、と伝えて伸び伸びと成長を本来は促したい所だが

今の彼奴は鬼殺隊の立派な一員。

何がどう足りないのか、心に問いかけるよう発破をかける文体で返事をする。

厳しさこそがこれからの命を護る最善と信じて。

しかして。まだ幼い身に、重すぎるものを背負わせた。

背中に担ぐ桐の箱に、妹をはじめとして、無辜の民、隊の仲間など。

多くの命を入れているのだろう。

優しい子どもに、酷な事をさせている。

いや、炭治郎だけではない。

未来の継子を育てる名目で送り出した、選抜で還ってこなかった子どもたち。

水飴が好きな年頃であろうあの子たちにも、艱難辛苦ばかりを舐めさせてしまった。

儂はきっと地獄に落ちるだろう。

それはそれで構わない、当然の報いというものか。

 
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/18(火) 02:00:58.14 ID:yR7JbxaC0

ふと、懐かしい声が聞こえた気がした。

男児の声か、女児の声かは定かではない。

もしくは、その双方か。

一人の声のような、沢山の声のような。なんともあやふやな幻聴だ。

ただ、どこかで必ず聞いた事のある声だった。

何か優しい言葉をかけてくれたのかすら分からないが、謎の心の温かさを感じる。


自分も耄碌してきたものだ。

聞こえぬ声に安らぎを覚えるなどとは。

ぼんやりと炭治郎からの手紙を読んでいると、

ジュっと火にかけていた鍋が噴き零れる音でハッとした。

そうだ、夕餉の準備をしていたのだった。

手紙の返事をすることに一所懸命になっていたという迂闊さが見えるあたり、

やはり元水柱はやはり引退して正解だったようだ。

今は不器用ながらに義勇が役目を果たしてくれているから、その辺りは問題ないだろう。

 
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/18(火) 02:06:45.34 ID:yR7JbxaC0

優しいあの子の事だ。

きっと、未だに判断に迷うことがあるだろう。

その時は、炭治郎。

お前の背中を押してくれる人を信じてあげてほしい。


夕餉を食べ終えたら、そうだ。

久々に作ってみよう、厄除の面を。


儂が育てたあの子たちの武運長久と、大きくなれなかったあの子たちへの鎮魂を込めて。





【大正コソコソ噂話】

鱗滝さんは後日、気まぐれに義勇さんへ手紙を届けたらしい。

内容は「みんなと上手くやれているのか」との事。

それを見た義勇さんは渋い顔をして、

たまたま近くに居たしのぶさんはその様を見て爆笑していたとか何とか。
 
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/18(火) 02:16:16.67 ID:yR7JbxaC0
書き溜め無しの即興ゆえ、投下が遅くて申し訳ありません。
こうして読んでくださる事が只々嬉しいかぎり。
今宵はそろそろ眠るので、安価は遠めに置いておきます。
あと一人か二人くらいは書きたいなと。
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/18(火) 02:16:58.93 ID:yR7JbxaC0

【キャラ名】

>>36
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/18(火) 03:23:09.51 ID:mCDO7quQo
鬼側は可能?
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/18(火) 08:14:34.24 ID:xWZ+HJgWo
kskst
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/18(火) 08:20:18.37 ID:bp/jmQaB0
あかざ
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/18(火) 08:53:40.52 ID:6kRlZk6SO
加速
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/18(火) 08:55:47.15 ID:22XGb4V40
鋼鐡塚蛍
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/18(火) 09:43:01.93 ID:yR7JbxaC0


いま、刀鍛冶の里は活気づいていた。

それもその筈。

実に久方ぶりに、鬼殺隊が上弦の鬼を撃破したのだ。


自分たちの打った刀が鬼を屠る。

戦場へ赴けない代わりとして、魂を込めて打つ日輪刀に

想いを託している里の皆々としては嬉しい限りだろう。

左腕の欠損による音柱の引退を始めとした、様々な代償を経て、

大いなる勝利をもぎ取った。

怪我人はあれど現状で死者は無し。

実に素晴らしい事のように思える。


ただ、上弦撃破の吉報を眺めている鋼鐡塚蛍の顔は険しい。

ひょっとこ面で顔は分からぬゆえ、険しい顔を覗かせているのかどうか正しくは不明だが。

それでも、その面の内側から滲み出るような気配を感じる。

その正体は恐らく、焦燥感。

彼が見ているのは、張り出された知らせ文の下部。

重軽傷者一覧の項目に書かれている一文だった。



  竈門炭治郎 重体
 
  意識不明 昏睡中



 
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/18(火) 09:54:06.27 ID:yR7JbxaC0

またしても俺の打った刀を駄目にしやがった……。

許すまじ、許すまじぃ……!!!!


そう思う気持ちは九割九分ほど持ち合わせており、

憤怒の心象で燃え滾るような心を抱いている。

この炎で刀を打てたら、どれほど立派なものが出来上がるだろうか。

そう思う傍ら、残る一分の心は澄んだ音を醸し出して自身に問いかけてくる。

本当に良い刀を打てた時に聞こえてくるような、凛と張ったたおやかな音。


俺がもっと立派に刀を打てていたのなら。

炭治郎はこんなに酷い怪我を負わずに済んだのではないか。

 
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/18(火) 10:06:22.66 ID:yR7JbxaC0

刃毀れのひどい刀を見て、当初は怒りと悲しみばかりが沸き上がった。

だが、それは同時に戦闘の激しさを物語るようで、

ほんの少し、僅かばかりだが、必死に鬼と戦うあの少年が目蓋の裏に幻視された。


今まで担当してきた剣士もみな凡骨ばかり。

こちらが一刀にどれほど心血を注いでいるのか苦労も知らず、

折れた欠けたですぐに駄目にしてくる。

それを是正する意味合いで柔らかく「殺す」と伝えたら、すぐに担当を外されてきた。

盆暗に差し出す刀はないとせいせいしていた。


だが、竈門炭治郎は違った。

これまで二度も直してきたが、変わらずに自分を指名して打ち直しを依頼してくる。

その依頼が来る度にはらわたが煮えくり返っているのだが、

それでも尚、あの少年は俺に刀を頼んでくる。

鬼の屠るための刀でもあり、

同時にその鬼と対面する鬼殺隊の命を護る刀でもあるから。

もしかすると、俺の未熟であいつは命を落としかけたのではなかろうか。

 
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/18(火) 10:16:51.47 ID:yR7JbxaC0

心に浮かんだ言葉に耳を傾けた鋼鐡塚は、すくっと立ち上がり

そのまま山へ篭る準備を始めた。

特上の刀を打つためには、健全な精神が必要とされる。

その精神を入れる器として、身体を鍛えぬくことから開始しようと思い立ったからだ。

炭治郎が昏睡から目覚めて、また自分の刀を振るうそのとき。

あの赫灼の子の身命を護れる刀を打ち損じないように。


立ち上がった動きで、ひょっとこ面が少しずれる。

端正な顔立ちを想起させる口元には、

にやりと意気込むような笑顔がこぼれている。

右手でずれた面を直し、重そうな荷物をよいしょと背負う。

背には最低限の食糧と鍛冶道具一式。

愚直な彼は、刀鍛冶の高みへとまた一歩昇り始めた。



それはそれとして、あいつには手紙を送っておこう。

今の心境を綴ったやつを三枚ほど。




【大正コソコソ噂話】

鋼鐡塚さんからの手紙を読んだ炭治郎は、その後すぐに

みたらし団子の美味しい店を探し始めたらしいとか。

 
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/18(火) 11:46:22.46 ID:yR7JbxaC0

【キャラ名】

>>45
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/18(火) 11:52:15.26 ID:2Di5kFdj0
加速
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/18(火) 13:26:00.36 ID:6kRlZk6SO
面白い 面白いんだよ >>1のSSは
全てにおいて最高のようだ
安価なら下
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/18(火) 15:14:26.23 ID:zJox3Tp50
煉獄
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/18(火) 15:15:10.07 ID:hmhzTh0aO
しのぶと義勇

1人だけならしのぶ
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/18(火) 17:13:27.12 ID:yR7JbxaC0
※今更で恐縮ですが、アニメ・コミックス派の方は念のためネタバレ注意。

身内の酒柱から柱合会議の招集があったため、
しばし出かけて参ります。

>>45把握です。一応この話を書いたら一旦〆で。
それまでスレはお好きなようにお使いください。
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/18(火) 23:30:21.47 ID:yR7JbxaC0


とある峠の茶屋にて。

天気は快晴、新緑は眩し。

幸せは日向に転がっている、と悠々と語る朗らかな陽気。

そんな気候と裏腹に、むすりとした仏頂面の青年が野点傘の下にいる。

彼の者の名は富岡義勇。

表情筋の動かし方を忘れているかの如く、眉一つぴくりともさせずに

一人静かにお茶を啜っていた。

48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/18(火) 23:37:36.19 ID:yR7JbxaC0

彼がここで茶を一服しているのには理由があった。

任務と見回りの双方を兼ねてこの地へ来たのはいいが、

どうやら自分より先に着いていた柱が一足早く解決してくれていたようだ。

自身の仕事が済んでいるのなら、もうこの地に用はないと

踵を返してさっそく次の任務先へ向かおうとしたところ、

件の人物から「お茶の一杯くらいは労いとして付き合うべきだ」と諭され、今に至る。

49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/18(火) 23:44:37.06 ID:yR7JbxaC0


ずず、と玄米茶を一啜り。深みのあって美味しいものだ。

それにしても予定の時間より半刻は経過しているのに、彼女は未だ来る気配がない。

もう半刻待ってみても来ないなら、さっさと先に行ってしまおうか。

そんな事を考えていたら、茶屋の前に人影が一つ。


「すいません、お館様への報告書をまとめあげるのに手間取っていました」


彼女の名前は、胡蝶しのぶ。

鬼殺隊を統括する“柱”の一人。

自身も水柱と謳われているが、実力不足の身にはいかんせん肩書が重すぎるので、

そう言われるとつい苦い気持ちが芽生えてしまう。

遅い、と一言告げると、笑顔を崩さぬまま彼女は

「淑女を急かすのは男(おのこ)として如何なものでしょうね」と返してくる。

言葉を戻すのも億劫だったので、そうか、と残して再び茶を啜る。

 
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/18(火) 23:49:06.60 ID:yR7JbxaC0

ふと空を見上げると、鎹烏が飛んできた。

新しい任務依頼の追記だろうか。

そう思いながらも義勇は烏から文を受け取り、

二つ折りにされていた紙をおもむろに開いてみる。

宛先を見ると、達筆ながらに見慣れた字が書かれていた。

どうやら師である鱗滝左近次からのようだ。

内容は、なんという事のない手紙。

父が息子を案じるような、優しい内容だった。

 
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/18(火) 23:56:10.89 ID:yR7JbxaC0
 
 
そのまま読み終えようとすると、追伸の一行が目に飛び込む。


<他の柱とはうまくやれているか?
 義勇、お前と仲の良い子が見つかっていたら儂は嬉しい>


義勇は思わず渋い顔をしてしまう。

この感情は羞恥に近い。未だこの年齢になっても師匠に心配をかけているのか、と。

遠目から義勇を見ていたしのぶは、

珍しい表情をする義勇が何を読んでいるのか気になり、

気配を消しつつ後ろから手紙をふと覗き込んでみた。

全文は読めないが、追記の部分だけは読みとれる。

そこだけ読めたら十分だった。

ブッフォッッッ、と思わず吹き出してしまうのを堪える事は、今の彼女には不可避だった。

 
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/18(火) 23:59:12.91 ID:yR7JbxaC0


後頭部に霧状の唾が飛び散った義勇は、不快そうに後ろにいるしのぶを振り返る。

むすっとした仏頂面に磨きがかかっていて、中々の迫力だ。

だが、そんなことを意にも介さず、しのぶは義勇から少し離れた席に座り、言葉を紡ぐ。


「勝手に覗いちゃってすみません。
 でも駄目ですよ、お師匠様に嫌われてる事を心配されちゃうのは」

「再三言うが、俺は別に嫌われていない」

「あらあらそうですか、そうですか。自覚が無いのは素敵なことです」


たった二言三言なのに、かなりの毒気を纏っている。

義勇はげんなりしながらも、しのぶの眼をじとりと見つめた。

そして告げる。


「お前とは、割とうまくやってると思っている」


しのぶは、その言葉に驚いてしまった。

本当に仲良くやれていると思っているとは正気なのか、という考えと。

何故だか分からないが言われて悪い気がしない、という感情の二つが芽生えた。

 
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/19(水) 00:03:24.65 ID:pPrQcDNK0


「富岡さん、そういう風に空気読めないから嫌われるんですよ」


だから別に嫌われていない。

そう言おうと思ったが、水掛け論になるので

義勇は首を振りつつ、茶を啜るがてらに言葉を飲み込んだ。

ふとしのぶの方を改めて見ると、少しうつむいている。

ぱさりと垂れた前髪で表情が読めないが、まぁ特に読む必要もないだろう。

よいしょっと、と言いながら、腰を浮かせてしのぶは義勇の座る席に少し近づく。

また何か言われるのだろうかと内心身構えていると、

ふと鼻腔を何某かの香りがくすぐってきた。

この香りは、藤の花。

鬼を殺す甘い毒の香。


この匂いは少しだけ好ましい。

 
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/19(水) 00:05:31.07 ID:pPrQcDNK0

 
「お前には鬼も寄り付かないな」


何とはなしにそう告げると、表情は笑顔を崩していないが

彼女の左こめかみには青筋がピクピクと蠢いている。


「鬼“も”ですか。富岡さん。急に喧嘩をふられても困るんですが」

「いや喧嘩を売ったつもりは毛頭ないのだが」

「投げ売り特価で売ってましたよ富岡さん。
 こういう機微にお気づきにならない辺り、まぁ色々とお察しできますね」

「いや、すまない。お前から少し強い藤の花の香りがするものだから……」


それを聞いたしのぶの顔が、ほんの少しだけ曇った。

 
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/19(水) 00:07:01.15 ID:pPrQcDNK0

その表情から覗かせるものは、一体何なのか。

何となく、哀愁と決意によく似ていた。

またしても言葉を間違えてしまったのか、と義勇は内心狼狽してしまう。

もう喋らないで黙って茶を飲んで、さっさとここを出てしまおうかと考えていると

けろりとした顔でしのぶは言う。


「まぁ最近は新しい毒を試したりしているから、その名残でしょうね。
 純度の高い藤の花の毒が出来上がると、必然的に私の技量向上にもなりますし」

「そんなものか」

「そんなものです」

 
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/19(水) 00:10:01.39 ID:pPrQcDNK0
 
 
そして義勇は再び茶を啜る。湯呑にはもう二割も残っていない。

これでようやく席を立てると思っているところに

お待たせしました、と店員から

しのぶの分のお茶と茶請けの団子が野点傘の席に届いた。


「あ、店員さん。この人の分のお茶もおかわりで。
 あと代金は彼と一緒にしておいてください」


店員はすかさず、畏まりましたと言葉を残して店内に戻っていく。


「おい、おい」

「いいじゃないですか。私たち、仲がいいんでしょう?
 たまにはゆっくりお話でもしてみましょう」

「……」

 
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/19(水) 00:12:35.66 ID:pPrQcDNK0


「それにですね、その……」

「なんだ、急に言いよどんで」

「花の香りがする淑やかな女子に、
 お団子代を立て替えない男はいないって知ってましたか?」

「いや知らん、初耳だ。
 それに俺は茶しか飲んでないから店員が来たら別払いにするぞ」


しのぶは笑顔を引っ込めて、大きくため息をつく。

全集中・鈍感男への苛立ち呼吸。


「富岡さん、そういうところですよ……」


色んな感情を込めて、そう告げるのが精一杯だった。




【大正コソコソ噂話】

義勇さんは、鱗滝さんへ返事をする際に

「蟲柱とは仲が良い」という言葉を少し間違えて

「蟲柱とは良い仲」と送ってしまったそうで。

鬼殺隊では一時期、水柱と蟲柱の夫婦(めおと)が誕生すると騒然になった。

しのぶさんは、「そんな事ありませんよ」と

ひきつった笑顔の額に無数の青筋を立てながら否定して回るのに奔走したとか。

 
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/19(水) 00:13:37.59 ID:pPrQcDNK0
これにて閉幕。またいつか。
鬼滅ssがもっと増えますように。
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/19(水) 00:17:15.53 ID:pPrQcDNK0
【創作用Twitter】
LL_Extreme

音楽や本、創作や日々の雑多に使っております。次作などはこちらで呟き。
更新頻度は高くないですが、お気軽にフォローよしなに。
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/19(水) 00:20:34.72 ID:FfDRx9uo0

色々ありがとうございました
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/19(水) 00:31:24.81 ID:RDAvJsPM0
乙の呼吸。
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/24(月) 15:52:00.23 ID:L79kwJuKO

雰囲気がとても好き
また書いてほしい
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/24(月) 21:56:18.86 ID:KHxnw+6N0
何これ?
エロパロssなん?
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/25(火) 09:15:44.15 ID:5rIa9+7KO
しのぶさん……
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