【ガルパン】エリカ「私達そんなに仲良かったっけ…?」みほ「…違うと思う」

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1 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/06/15(土) 23:05:09.51 ID:4pRB5zdg0



〜黒森峰〜


まほ「なぁエリカ」

エリカ「なんですか?」

まほ「私はもうすぐ留学する」

エリカ「ええ。なのに私の指導に貴重な時間を割いてくれて本当に感謝しています」

まほ「それはいいさ。むしろ半年も早くお前に隊長を押し付けてしまうのだからこのぐらいは当然だ」

エリカ「押し付けるだなんて……」

まほ「正直、今さらお前に教えられることは殆どない。あとはお前がお前の戦車道をやればいいのだから」

エリカ「……」

まほ「だが、一つだけ。心残りがある」

エリカ「……なんですか。私に、出来る事なら」

まほ「お前に……いや、お前たちにしかできない事だ」

エリカ「私たち……?っていったい……」

まほ「ついてきてくれ。ヘリの準備はしてある」テトテト

エリカ「え、あ、ちょっ、待ってください隊長」



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2 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/06/15(土) 23:13:03.31 ID:4pRB5zdg0





〜大洗〜


まほ「ついたか」

エリカ「急に大洗に行くって本当に一体なんなんですか……」

まほ「さ、早く行こう。もう待ってるはずだ」

エリカ「待ってるって……」

沙織「あ!来た来たこっちこっちー!!」

エリカ「あの人って……」

まほ「すまない、ちょっと遅くなってしまった」

沙織「良いですよ!それよりも久しぶりですね!!みぽりんのお姉さん!逸見さん!」

まほ「ああ。大学選抜以来か」

エリカ「お久しぶりね。元気そうで何よりよ」

沙織「ありがとう。それじゃあ早速……」チラッ

まほ「ああ、頼む」

沙織「了解!みんなー!!」




華「あ、来たみたいですよ」

麻子「とっとと行こう」

優花里「ほら、こっちですよ」グイグイ

みほ「あ、あの……一体何を…………あ」

エリカ「……」

みほ「そ、その……久しぶりだねお姉ちゃん。……エリカさん」

エリカ「ええ。相変わらず仲が良いようで何よりよ」

みほ「う、うん……」

エリカ「……」



沙織「うーん、やっぱりこんな感じかぁ……」

麻子「あまり回りくどいと余計に拗らせそうだ。ここは単刀直入に行くべきだと思う」

優花里「同感です」

まほ「そうだな。……みほ、エリカ」

みほ「何?」

エリカ「なんでしょうか」

3 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/06/15(土) 23:15:28.02 ID:4pRB5zdg0



まほ「今日お前たちに来てもらったのには訳がある」

エリカ「隊長の心残りって言ってましたよね……?」

まほ「ああ。その心残りとは……お前たちの関係だ」

みほ「………………え?」

エリカ「はぁ?」

まほ「私は前々から思ってたんだ。決勝での一件のせいで引き裂かれてしまった二人の仲をもう一度取り戻して欲しいと」

みほ「え、えっと……」

まほ「もちろんすぐには難しいと思っていた。みほはもちろんエリカの気持ちもわかるからな。だが全国大会、そして大学選抜戦を経てお前たちの距離はだいぶ近づいてきたと思える」

エリカ「隊長、ちょっと……」

まほ「だから、留学前に二人には元の仲の良い友達に戻ってもらいたい。それが……私が隊長として最後に出来る事だと思ったんだ」

みほ「……」

エリカ「……」

沙織「二人とも色々あったのはわかるけどさ、いつまでもケンカしてないで仲直りしよう?」

優花里「そうですよ!西住殿も戦車道の楽しさを思い出せたんですし、エリカ殿とまた友達になれますって!!」

華「友情の花は再び花開きます」

麻子「めんどくさいからとっとと仲直りしろ」

4 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/06/15(土) 23:18:07.76 ID:4pRB5zdg0


エリカ「あの……ちょ、ちょっといいですかっ!?」

まほ「どうした。まだ気まずいのか。なら、一旦時間をおいて……」

エリカ「そうじゃなくてっ!!そういう事じゃなくてですね!?そもそも……私、別にみほさんとはそんな親しくは……」

まほ「皆まで言うな。わかってるさ、お前にとってみほは一言じゃ言い表せないくらい複雑な関係なのだという事は」

エリカ「わかってない……」

まほ「だがしかし、みほは大切な妹だが、お前も私にとって大切な後輩なんだ。その二人がわだかまりを抱えたままなのは私にとっても辛い」

沙織「そうだよ。仲が良かったのに一生喧嘩したままだなんて悲しいよ!」

みほ「あの、沙織さんちょっと静かにしてもらえます?」

まほ「さぁ、お前たちを隔てる物はもう何もない。恥ずかしいのなら私たちは席を外すよ」

エリカ「あの……本当に私たち友達とかじゃなくて……」

まほ「何度も言わせるなお前たちの間に……」

みほ「そうじゃなくて!!友達で、色々あったから今疎遠だっていう事じゃなくて!!私たちは元々友達とかじゃないのっ!!」

まほ「……え?」

沙織「え?」

エリカ「喧嘩なんてこの子としたことありませんよ……そもそも碌に話したことないんですから」

まほ「い、いやー……それは嘘だろ」

エリカ「なんでこんな嘘つかないといけないんですか……」

まほ「……ちょっと待て」


5 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/06/15(土) 23:23:09.33 ID:4pRB5zdg0


prrr


小梅『はいもしもし小梅です。なんですか隊長?私今五円玉で五重塔作るのに忙しいんですけど』

まほ「お前その趣味は休日の女子高生がやるには渋すぎるだろ……って、そんな事はどうでもいい」

小梅『いきなり電話してきて失礼な人ですね……』

まほ「なぁ、エリカとみほって友達じゃないのか?」

小梅『え?違うと思いますよ』

まほ「い、いやだって……」

小梅『みほさんが黒森峰にいた時も戦車道関係以外でエリカさんと話してる姿一回も見た事ありませんし、むしろなんでそんな事思ったんですか?』

まほ「……わかった。ありがとう」

小梅『え?あ、ちょ』


pi!

6 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/06/15(土) 23:26:52.18 ID:4pRB5zdg0

まほ「……」

沙織「えっと……本当にみぽりんとは仲良くなかったの?今はともかくとして」

エリカ「別に……それこそ入学当初はなんでこんなのが副隊長なのよって思ってはいたけど」

まほ「ほら!いがみ合い!複雑な感情は確かにそこに!」

エリカ「でも、みほさんの実力が分かっていくうちに、この子が副隊長であることに不満はなくなりました」

まほ「ほら!認め合う事で生まれる絆!友情は確かにあった!」

エリカ「だからといって仲良くなったとかそういうのは……近づきにくいってわけでもないけど、積極的に仲良くなりに行くほど……みほさん、あんまり人と関わりたくなさそうだったし」

みほ「あー……まぁ、うん。そうだね……正直あの頃はそんな感じだったと思う」

沙織「で、でもみぽりん逸見さんの事名前で呼んでるでしょ?名前呼びは友達みたいだって言ってたじゃん」

みほ「それは……エリカさんが」

エリカ「昔ね、隊長とみほさんがいた時は『西住さん』って言い方だと二人とも反応しちゃって。だからみほさんって」

みほ「私だけ名字で呼んでるとそれはそれでなんかあらぬ誤解というか、避けてるって思われちゃいそうで……」

まほ「赤星は?」

みほ「……えっと、その……赤星さんとは決勝でのあれこれで色々あったけど逆に言うとそれ以外はあんまりというか。避けてるとかそういうんじゃないんだよ?でも、あれこれ話す前にこっち来ちゃったのもあってその」

まほ「あ、うん。わかった。もういい」

みほ「本当に避けてるとかそういうんじゃないんだよ?」

まほ「わかった。わかったから。逆にエリカはどうなんだ?名前で呼ぶなら私でも良かったんじゃ」

エリカ「え……そんなの、恐れ多くて……」

まほ「……私、避けられてたんだな」

エリカ「そういうわけじゃないですけど、だからといって馴れ馴れしくするのも違いますし……」

7 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/06/15(土) 23:29:19.22 ID:4pRB5zdg0


沙織「でも中等部からの付き合いなんでしょ?4年も一緒にいれば仲良くなったんじゃないの?」

エリカ「一緒にって言ったって別に同じ部屋でもなければクラスも違ったし……」

みほ「黒森峰の時は碌に人と話さなかったから……エリカさんと会話した回数は確かに他の人よりは多かったけど……」

エリカ「それでも戦車道の時にちょっと話すぐらいでプライベートの事は何も知らないわ」

麻子「だが私が前に西住さんの事が好きなのかと言った時わかりやすく狼狽してたじゃないか」

エリカ「あれは……よく知らない人に好かれてるとか気持ち悪いでしょ?ちゃんと否定しないと」

優花里「気の使い方おかしいですよ……」

みほ「正直、麻子さん何言ってるんだろ……って」

麻子「……ドライすぎる」


8 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/06/15(土) 23:31:03.07 ID:4pRB5zdg0


まほ「いやまて、中等部の時はみほは隊長、エリカは副隊長だったろ。関係が浅いとかあるか?」

優花里「そうですよ。中等部とは言え戦車道チームの隊長副隊長なら練習メニューの組み立て、試合の打ち合わせなどが結構あったはずです。結果的に一緒に過ごす時間は長かったんじゃ……」

エリカ「……えっと、言っても良いのかしらこれ」

みほ「言うしかないんじゃない……?」

まほ「なんだ?」

エリカ「えっと……たぶんその時の私たちって普段試合と練習の時ぐらいしか顔合わせてなくて……」

まほ「は?ちょ、ちょっとまて。じゃあお前たち何してたんだ?」

エリカ「練習メニューは私が、試合の作戦等はみほさんが主に考えて、それを相手にメールで送って、修正や気になった点があればまたメールで聞くって感じで、

    顔を合わせて打ち合わせってのはほとんど……」

まほ「いやいやいや嘘だろそれで何の支障も無かったのか?」

エリカ「あの頃のみほさんが立てる作戦って西住流に忠実な堅実かつ強力なものばかりで、私から口を出せるようなものじゃなかったですし」

みほ「エリカさんの練習メニューは私が見落としがちな基礎部分をしっかりと抑えた実用的なものばかりで、私から変更をお願いしたことは一回も無かったな……」

優花里「えっとつまり」

9 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/06/15(土) 23:33:04.98 ID:4pRB5zdg0



みほ『夜分遅くに失礼します。次の練習試合で使う予定の作戦です。確認お願いします』

エリカ『確認しました。これで大丈夫だと思います。来月からの練習メニューを作成したんで確認お願いします。』

みほ『確認しました、これで大丈夫なので練習メニューの印刷と配布をよろしくお願いします』

エリカ『わかりました』






優花里「こんな感じだったって事ですか?」

エリカ「だいたいあってるわね」

みほ「うん。何なら私のメール最後に返信不要って付けてるから最後のエリカさんの返信はいらないぐらい」

まほ「あっさりしすぎだ!!小学生だってもっと社交辞令なりなんなり付け加えるぞ!!?」

エリカ「そういわれましても……」

みほ「お互いやりたいことがあるだろうしあんまり時間取らせるのも……って」

エリカ「あ、でも隊長副隊長両方の記入が必要な書類なんかはいちいち回すのめんどくさいから一緒に書いてたわね」

まほ「ほら!やっぱりあった二人っきりの時間!!無言の時間が心地よくって、でもなんとなくおしゃべりもしたいからそれが終わったら二人で甘い物食べて

  『頭使った時には甘い物よねー』『そうだねエリカさん。はい、あーん♪』みたいな他愛もない女子らしい事してたんだろ?」

みほ「してないよ……もちろん書類仕事はあったけど、エリカさん書類とかの処理が凄く早くて……さっさと終わらせてさっさと帰っちゃってたよ」

まほ「そこはお前待ってって!!なんで一人で帰ってるんだ!!」


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