女友「ストーカー?」 女「うん」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/14(金) 21:13:31.31 ID:a/wdoO5h0


女友「に、あってたの?」

女「うん」

女友「うわーやっぱあるんだ〜そういうの…さすがモデル」

女「元、だけどね」

女友「今は運営してる側だもんね」

女友「ってか、もしや2年前に急に辞めちゃったのってそれが原因?」

女「あっううん、そのせいってわけじゃないよ。 関係なくもないけど」

女友「どういうこと?」

女「んと…」

女「ストーカーはストーカーでも、いいストーカーだったの」

女友「……はい?」

女「小学校のころからだったし」

女友「小学校!?」




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2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/14(金) 21:15:10.17 ID:a/wdoO5h0


女友「待って、そんな昔から? ストーカー?」

女「といっても最初は気づいてなかったんだけど」

女友(まぁ、こんだけ可愛ければいるのか…)

女友「気づいてなかったって?」

女「中学生のときに、あれももしかしたら〜って」

女友「…?」

女友「話が見えないんだけど、嫌じゃなかったら具体的に聞いても?」

女「あ、うん。 ごめんね説明ヘタで」

女友「いやいや、あたしこそ蒸し返す感じでごめん」

女「ぜんぜん」

女「最初は…3年生くらいだったかなぁ」


3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/14(金) 21:16:01.53 ID:a/wdoO5h0



女(小学生)「……」テクテク


女(うー…)

女(ここのおうちのワンちゃんすっごいほえてくるんだよね)

女(前はいなかったのに。 飼いはじめたのかなぁ)

女「……」チラ

イッヌ「……」

女(寝てる…?)

女(そ〜っと歩けば大丈夫かも)ソロ〜

イッヌ「ゥヴァアアアアウ!! バウワウ!! ワウ!!」

女「きゃあああああっ!?」

イッヌ「アヴァアアアバゥワァァァ!!」

女「うわぁぁぁんおかーさぁああああん!!」ダッ

イッヌ「ンアァァアア!! ゴァアアアア!!!」



男「……」



4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/14(金) 21:18:06.89 ID:a/wdoO5h0


翌日


女(はぁぁ…とお回りしたいな)テクテク

女(でもここ通らないとすっごくとおいし)

イッヌ「……」

女(うー、こわいよぉ)

ヒュッ

イッヌ「!」

女「へ?」

女(いま、ホネ?みたいなのがとんでったような)

イッヌ「ワンワン!」

女「あ」

イッヌ「グヘヘッイヒヒヒッハァ」

女(めっちゃ食いついてる! きもちわる!)

女(あっでも、いまがチャンスかも)タッ

イッヌ「ハァハァハァハァ」ゴロゴロ

女(やった、ほえられなかった!)





女「それから私が通ろうとするたびに、後ろからホネ的な何かが投げられるようになってね」

女友「怖いわ」


5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/14(金) 21:18:51.65 ID:a/wdoO5h0


女友「犬が気になりすぎるんだけど…」

女「あと、給食の話もあって」

女友(スルーかい)

女「私の学校には給食を残しちゃダメって決まりがあったんたけど」





女(小学生)「……」ジー

先生「女さん、ちゃんとニンジン食べなきゃダメでしょ」

女「だってー…まずいんだもん」

先生「好き嫌いはいけません。 食べきるまでお昼休みになりませんからね」

女「すくはらだぁ」



男「………」




6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/14(金) 21:20:21.41 ID:a/wdoO5h0


先生「先生が戻ってくるまでには食べなさいね」ガタ

女「うぅ」

女(もう食べてるのわたしだけ…あそびたいのに)

女「ニンジン…」

女「……」カジ

女「うっ、おえぇ」

女(こんなにいっぱい、ぜったいムリ)

女(でものこしたらおこられるし……もうやだぁ)ジワ

女「ぐすっ、えぐっ…」


先生「あら」

女「!」

女(やば、先生もどってきちゃった)

先生「女さん、すごいじゃない!」

女「……へ?」

先生「あと小さいの1個だけ。 がんばったのね」

女(あれ? ほんとだ、1コしかのこってない…?)



7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/14(金) 21:21:05.50 ID:a/wdoO5h0


先生「ここまで来たらもう一息よ、ささっと食べちゃいましょう」

女(なんで? あんなにあったのに)パク

女(うぇ…まず……でも1コだけなら)

女「……」ゴクン

先生「ちゃんと全部食べられたじゃない。 えらいわ」

女「いえ…」

先生「実は先生も昔はニンジンがすごく苦手だったのよ」

女「え? 先生も?」

先生「でも、野菜には体に必要な栄養がたっぷりあるの」

先生「今はおいしくないかもしれないけど、いつかきっと好きになれるわ」

先生「だからこれからもがんばりましょうね」

女「は、はいっ」



男「………」モグモグ オェ





女「それから嫌いな野菜で居残りするといつも勝手に残りが減ってて」

女「なんとか食べきって〜って繰り返してたら、全部慣れちゃった」

女友「そう…」

女友(でも、それが今や野菜をつまみにお酒を飲める大人になってるんだから、成長と言えば成長なのか)



8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/14(金) 21:21:49.75 ID:a/wdoO5h0


女友「っていうか、本当にそれストーカー? もはや怪談なんだけど」

女「うん。 だから人為的って気づいたのはもう少し後なんだぁ」

女友「あー、中学って言ったっけ」

女「なんとなーく登下校とかで視線を感じるようになったり」

女「それから…」





ザーー…


女(中学生)「えっ」

女(雨は夜からって言ってたのに…もう降ってる)

女(職員室で傘借りれるかな)


教師「明日、返却しに来なさい」

女「はぁい」


女(よかったぁ〜ラスト1本。 ちょっとボロいけど)バサ

女「……」テクテク

ネッコ「ンナーオ」

女「わ、捨てネコちゃん?」


9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/14(金) 21:22:43.51 ID:a/wdoO5h0


ネッコ「ホゲラホゲラ」

女「すごい鳴き声…寒いのかな、ちょっと待ってね」

ネッコ「ンゲゲゲ」

女(とりあえず拭いたはいいけどまた濡れちゃうよね。 でもうちじゃ飼えないし…)

女「……」

女(幸い、雨はそこまで強くない)

女(せめて今だけでも…ネコちゃんの雨よけに)ソッ

女「ごめんね、ばいばい」

ネッコ「ナァ〜」

女(傘は…明日、先生に謝ろう)パシャパシャ

女「つめたっ」



男「………」



10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/14(金) 21:23:36.35 ID:a/wdoO5h0


ザザーーーー


女「あわわわ」

女(急に雨強くなっちゃった。 雨宿り雨宿り)

女(ネコちゃん大丈夫かな)

女(ちょっと待ってれば弱くなるよね)


女「……」


女(全然やまない…)

女「くしゅん!」

女(うぅ、服が濡れて…いっそ家まで走ったほうがマシかも)

バサッ

女「ひゃっ」

タタタ…

女「え? あ、あのっ傘」

女(行っちゃった)

女(傘落としたまま気づかないとか…よっぽど急いでたのかな)

女(男…の子?)

女(顔は見えなかったけど、学ランだったしうちの中学かな)

女「……」

女(使わせてもらお)



11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/14(金) 21:24:26.24 ID:a/wdoO5h0


翌日


女(結局、ネコちゃんももういなくなってた)


教師「傘?」

女「すいません、なくしちゃって」

教師「変だな、今朝キミの代わりにといって別の子が返しに来たけど」

女「え?」

教師「心当たりないの?」

女「いえ……あの、誰が来たんですか?」

教師「それがまだ全員の名前を覚えてなくてね。 ただ1年生だと思うよ、あの男の子」

女(同じ学年の男子…)

女(あっ、もしかしてあの傘の人?)

女「……」

女(でもぜんぜん思い当たらないや。 名前も書いてなかったし)

女(ううーん)


12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/14(金) 21:25:22.13 ID:a/wdoO5h0



女(何人かに聞いてみたけど、やっぱりわからない)

生徒1「あ、やっべ!」

生徒1「次って鬼先生の授業じゃん、宿題忘れてた写させて!」

生徒2「えー…仕方ないな」

生徒1「恩に着る! あの人プリントやってこないと死ぬほどブチ切れるからさ〜」

女(そうだプリント出しとかないと)ゴソ

女「…あれ」


女(家に置いてきたーーーー……)ガーン


女(えっやば! どうしよ)

女(でも、持ってくるの忘れたって言えば)

生徒1「マジ厳しいよなー。 俺前やったやつなくしたことあったけど、問答無用で説教だったぜ」

生徒2「ご愁傷様…」

女「…………」ガガーン




13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/14(金) 21:26:21.26 ID:a/wdoO5h0



鬼「宿題集めるぞオラァ」

女(やっぱりどこにもない…)

鬼「後ろから回せー。 まさかやってない莫迦者はいないよな?」

女(あうあう)ガタガタ

生徒3「はい女ちゃん、…どしたの?」

女「あ……わ、忘れちゃって」

生徒3「えー!?」

生徒3「って、机に置いてあるじゃん」

女「へ?」

女(あれほんとだ)

女(いやちがう! 私の名前書いてあるけど私の字じゃない)

生徒3「ほらはーやく、回して」

女「あっご、ごめん」スッ

女(どうなってるの…?)


14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/14(金) 21:32:02.82 ID:a/wdoO5h0


鬼「なぁーにぃ〜? 持ってくるのを忘れたぁ〜?」

女(…え?)

鬼「そんな言い訳が通用するかボケェ!!!」

男「……」ガタガタ

生徒1「うっひゃあいつ死んだわ、忘れるとかマヌケー」ケラケラ

生徒2「お前もだろ…」

女(男くん、だっけ)

女(まさかあの人が? ひょっとして傘も?)

女(でも確かじゃないし…何より理由がないし)

女(むしろ接点すらない)

女「……」

女(本人に聞いてみよう…!)



15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/14(金) 21:35:44.57 ID:a/wdoO5h0


ガララ


男「……」フラフラ


女(帰ってきた!)

女(2時間も怒られてたんだ…)

女「あ、あのっ」

男「!」

女「えっと、男くん? ちょっと聞き」

男「」シュンッ

女「たいこと…ってあれ!?」

女(消えた!?)

ガララ ピシャッ

女(って思うくらいの勢いで帰っちゃった)

女(急ぎの用事かな)

女(また明日聞こ…)



16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/14(金) 21:37:23.03 ID:a/wdoO5h0


翌日


女「ね、男く」

男「!」シュンッ

女(また!)



翌々日


女(ここで待ってれば…)

男「……」スタスタ

女(来た! チャンスd)

男「!」シュンッ

女「もはや気配で!?」



女(話すどころか目も合わせられない……)ズーン

女(嫌われてる? 私何かしたっけ)

女「……」

女(でもやっぱり、接点がない)


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