綾「陽子とデート……!?」【安価】

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47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/13(木) 21:21:09.98 ID:ONwqDzt+O
マスコット広場
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/13(木) 21:32:26.37 ID:ypQ/mKAyo
陽子「観覧車っていつも遠くから見るだけだけど、いざこうして来るとスゴくダイナミックに見えるなぁ」

綾(ど、ど、どうしよう。これは背伸びしすぎたかしら……?)

綾(斜陽の差し込む少し錆びた室内、密室で隣り合う二人、ゆっくり全容を表すパーク)

綾(陽子と、その景色を思い出にしようと見ていたら、オレンジの灯りに陽子が少し溶け込んで、少し不安げに目を細める私に囁くの)

綾(私はずっと傍にいるよ。だから綾も、その瞳を大きく開けて私だけを見て。瞑っちゃ、嫌だよ)

綾(そうして陽子の瞳、或いは瞼だけしか見えなくなって、約束の口づけを……!)

綾(あぁロマンチック……。見上げたままの陽子も、もしかして同じことを考えてるのかしら……」


陽子(あれ十倍速で回ったら面白いだろうなぁ)
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/13(木) 21:39:43.37 ID:ypQ/mKAyo
陽子「綾〜、ゴンドラ来たよ」

綾「そ、そうねっ。よいしょっと……」

陽子「おぉ〜、ゆっくりだけど、いた場所から離れてってる」

綾「……ふ、二人っきりになっちゃったわね、陽子」

陽子「そうだな〜。何だか変な気分だよ」
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/13(木) 21:47:31.69 ID:ypQ/mKAyo
陽子「ジオラマでも見てるみたいだなぁ。あ、こけしハウスみっけ! 屋根にまでびっしりこけしがいる」

陽子「まだ中腹なのに、ジェットコースターのレール追い越しちゃったなぁ。どこまで登るんだろ?」

綾(……純粋に景色を楽しんでる)

陽子「私の顔チラチラ見てどうしたんだ? 何かついてる?」

綾「い、いえ、なんでもないわ」
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/13(木) 21:52:58.93 ID:ypQ/mKAyo
陽子「やー、綺麗だけどちょっと怖いなぁ」

綾「何よ、ジェットコースターは平気だったくせに」

陽子「あれよりずーっと高いもん。それに足場が少しぐらぐらして、ちょっと間違ったら墜落しそうだなぁって」

綾「や、やめてよ縁起でもない!」

陽子「あはは、ごめんごめん」

綾(……違う)
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/13(木) 21:59:01.55 ID:ypQ/mKAyo
綾(今はこういう何気ない会話が欲しいんじゃない)

綾(デートの締めくくり、大事な思い出を作るチャンス。ここを過ぎちゃったら、次のチャンスがいつ来るか分からないのに……)

陽子「…………ねぇ、綾」

綾「……なに?」
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/13(木) 22:05:32.88 ID:ypQ/mKAyo
陽子「綾は今日、楽しかった?」

綾「何よ、やぶから棒に」

陽子「いやほら、今日あったことを思い返してみたら、綾に合わないことたくさんしちゃったなって思って」

陽子「お化け屋敷とかジェットコースターとか、乗ったアトラクションも綾の苦手なものばっかりだったし」

陽子「有名なデートスポットって言ったらスゴく楽しみにしてたに違いないから、台無しにしちゃったら申し訳ないな、って……」

綾(…………)
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/13(木) 22:13:20.28 ID:ypQ/mKAyo
綾「まぁ、確かにとんでもないこと続きだったけど……」

綾「でも、そういう日があっても良いと思うわ。だって、行きたいと思えば何度も行けるじゃない」

綾「もう一回来て、今日辿った跡を通って」

綾「そこで『あんなこともあったよね』って笑いながら話せたら、そうなったら、素敵じゃないかしら?」

陽子「……」

綾「な、何よその目」

陽子「意外とポジティブでびっくりの目……」

綾「陽子が似合わずネガティブだからよっ」
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/13(木) 22:19:01.12 ID:ypQ/mKAyo
綾「それに陽子は能天気でポジティブで、や、優しいけど時々人の気持ちを汲み切れなかったりして……」

綾「そういう欠点だって魅力的だと思って、その、つ、付き合ってるんだからっ」

綾「だから悩まずに笑顔でいてちょうだい。……前も言ったでしょ。陽子の笑顔は、太陽みたいに、素敵だって!」

陽子「綾……」
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/13(木) 22:28:49.19 ID:ypQ/mKAyo
陽子「……今度はそこのメリーゴーランド乗らない?」

綾「わぁ、きれい! 電飾がつき始めてる、夜になったらスゴく輝きそう……」

綾「あ、あそこ! あれも有名な恋愛成就のスポットなのよ」

陽子「そうなの? パッと見ただのカフェっぽいけど」

綾「夜になるとバーになって、含蓄のあるマスターが悩みを解決してくれるって」

陽子「いや私たち入れないじゃん!?」
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/13(木) 22:31:34.58 ID:ypQ/mKAyo
陽子「……綾、また来ようね」

綾「えぇ、勿論!」


綾(……こういう普通のオチでも、好きな人が相手なら、すごく幸せね……)
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/13(木) 22:35:44.77 ID:ypQ/mKAyo
陽子「んー、もう真っ暗だなぁ」

綾「園を出たらあっという間に陽が落ちたわね」

陽子「これだけ暗くちゃちょっと心許ないよなぁ。帰り道送ってこうか?」

綾「べ、別に一人で帰れるわ! ……それに」

陽子「それに?」

綾「そ、その、私たちが付き合ってるってこと、まだ親には内緒にしてたいし……」

陽子「……なんのこと?」

綾「……あれ?」
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/13(木) 22:47:11.14 ID:ypQ/mKAyo
綾(本当に何も心当たりがないって顔できょとんとしてる……)

綾(…………まさか、まさかまさか……全部、私の思い過ごしだった、ってことじゃ……?)

綾「…………り」

陽子「えっ」

綾「陽子の思わせぶり!!! 酷いわ、その気もないのにそれっぽい態度で、私の純情を弄んだのね!?」

陽子「綾ぁ!? 待って、何が起きてるかさっぱり分かんない上にその言い方だと語弊が」

綾「あんまりだわ! 私は本気だったのに、あなたにとっては遊びだったなんて、あんまりよ! 猪熊陽子! あなたのことも名誉棄損で訴えナス!」

陽子「落ち着け後半意味わかんないことになってるぞ!? もう、何がどうなってるのか教えてくれよ〜!!」
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/13(木) 22:52:27.98 ID:ypQ/mKAyo
おしまいです。安価スレって難易度高いんですね……。面白く出来たかめちゃくちゃ不安ですが、楽しんでいただけたら幸いです。
ここまでお付き合い下さり、ありがとうございました!
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/16(日) 12:28:34.78 ID:OT4miJRPo

またきんもざで安価やってほしい
かなり面白かったよ
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/20(木) 01:08:52.16 ID:xOxfeOOTo
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