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少女「愛してるって言って」少年「………」
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241 :
◆YBa9bwlj/c
[saga]:2019/06/09(日) 14:07:48.93 ID:ZIjoxc+H0
少年「……」テクテク
少女「♪」テクテク
少年(……俺の前を歩く君)
少年(下校……一緒に帰ったときを思い出す)
少年(でも……)
少年「……」ジッ
少女「♪」テクテク
少年(そうじゃ、ない)
少年(その目じゃないんだ……)
少年「……」...テクテク
少女「♪」テクテク
少年(………)
少年(…S駅に行った)
少年(学校に行った)
少年(桜の木に行った)
少年(──君に記憶を戻したあの場所にも行った)
少年(君と行ったことのある場所は行き尽くした)
少年(……でも、君は……)
少年(………)
少女「♪」テクテク
少年(……分かってる)
少年(もう何をしても、君は戻ってこないんだって)
少年(けど)
少年「……」テクテク
少年(…なぜか諦められないんだ)
少年「……」
少女「♪」テクテク
少年(……ひとりにしないでくれ……)
242 :
◆YBa9bwlj/c
[saga]:2019/06/09(日) 14:09:11.31 ID:ZIjoxc+H0
ーーーーー
少女「──お出かけ?」
少年「あぁ」
少女「どこに行くんですか?」
少年「まぁ、色んなとこかな」
少女「わぁ…!楽しみです!私準備してきますね!」
タッタッタッ...
少年「ここで待ってるからな!」
ハーイ!
少年「………」
少年「………」チラリ
女「」
ーーーーー
少年(女ちゃん……)
少年(何で起きなかったんだろう……)
少年「……何もなかったのか……?」テクテク
少女「?」テクテク
少年(それとも……)
少年(少女と一緒に………)
少年(………)
243 :
◆YBa9bwlj/c
[saga]:2019/06/09(日) 14:11:55.62 ID:ZIjoxc+H0
ーーーーー
少女「──私が何とかしてやるわ!」
ーーーーー
少年(思えばいつもそうだった)
ーーーーー
女「──早く行けって言ってるの」
ーーーーー
少年(俺はいつも、誰かに言われるがまま動くだけ)
少年(あいつらが何を考えてて、この世界で何が起こってるかなんて全然知らなかった)
少年(それがすごく悔して、俺は劣ってるんだって気がしてきて……)
少年(……でも、もう俺を叱ってくれるやつはいない)
少年(……すっきりなんか、しない……)
少年(……せいせいなんて、するかよ……)
少年(……ひとりって、こんなにつらいのかよ……!)
少年「──」テクテク
少女「♪」テクテク
少年(あぁ………)
少年(………)
少年(戻りたい………)
少年(どの時でもいい………君が居る頃へ………)
少年(ただただ………それだけ………)
少年(………他に何もいらないのに………)
少年「──」ツー...
少女「♪」テクテク
少年(……はは)
少年(こんな情けない面……今君が居たなら、殴られてるな……)
少年(──残ったのは"負け犬"だけ………)
少年「──」ポロポロ
ポロポロ...
──ポタッ
244 :
◆YBa9bwlj/c
[saga]:2019/06/09(日) 14:15:29.24 ID:ZIjoxc+H0
......
......
......
少年(いつだって)
ーーーーー
少女「──いつまで見てるのよ。帰るわよ」
ーーーーー
少年(君は強くて)
ーーーーー
少女「──なによ。素直に受け取りなさいよ」
ーーーーー
ーーーーー
少女「──あたしを……ひとりにしないで……!」
ーーーーー
245 :
◆YBa9bwlj/c
[saga]:2019/06/09(日) 14:16:41.50 ID:ZIjoxc+H0
少年(いつだって)
ーーーーー
少女「──十二月の夜は♪ きっとサムいんでしょ?♪」
ーーーーー
少年(輝いてて)
ーーーーー
少女「──私と付き合ってくれませんか」
ーーーーー
ーーーーー
少女「──まぁ…ちょっとゴミを、ね」
ーーーーー
246 :
◆YBa9bwlj/c
[saga]:2019/06/09(日) 14:18:16.29 ID:ZIjoxc+H0
少年(いつまでも)
ーーーーー
少女「──少年は、ああいう子が好みなの…??」
ーーーーー
ーーーーー
少女「──さいってい。ずっとそこで寝てなさいよ」
ーーーーー
少年(俺は勝てず)
ーーーーー
少女「──さすがあたし。ほかの有象無象とは一線を画してるわ」
ーーーーー
ーーーーー
少女「──少年っ!!」
ーーーーー
247 :
◆YBa9bwlj/c
[saga]:2019/06/09(日) 14:20:00.47 ID:ZIjoxc+H0
少年(いつだって)
ーーーーー
少女「──ばーか……違うわよ……これは私の気持ち」
ーーーーー
ーーーーー
少女「──答え、聞かせてよ」
ーーーーー
少年(──特別)
ポロ...
248 :
◆YBa9bwlj/c
[saga]:2019/06/09(日) 14:21:49.02 ID:ZIjoxc+H0
少年「……っ」
少女「♪」テクテク
少年「……」
少年(………)
少年(強く、なりたいな)
少年「……」
少女「♪」テクテク
少年(……何も知らないやつさえ振り向かせるくらい)
ーーーーー
少女「──あたしの隣にいる資格があるかなんて、あたしが決めてやるわ!」
ーーーーー
少年(…君がそうしたみたいに)
249 :
◆YBa9bwlj/c
[saga]:2019/06/09(日) 14:23:52.04 ID:ZIjoxc+H0
少年「……」テクテク
少女「♪」テクテク
少年(そうさ)
少年(これからの俺が、君の理想になればいいんだ)
少年(ずっと側にいる……そう約束したんだ…!)
少年「──」スタスタ
少女「♪」テクテク
ーーーーー
少女「──ほらー!遅いと置いてっちゃうわよー♪」
ーーーーー
少年(そこに"君"はいないけれど)
250 :
◆YBa9bwlj/c
[saga]:2019/06/09(日) 14:25:04.91 ID:ZIjoxc+H0
少年「──!」スタスタッ
少女「♪」テクテク
少年(それでもいい…見えてきた……!)
少年(俺がやること──俺のしたいこと!)
少年「っ!」タッタッタッ
少女「♪」テクテク
少年「」タッタッタッ!
少女「…?」フリカエリ
251 :
◆YBa9bwlj/c
[saga]:2019/06/09(日) 14:26:09.40 ID:ZIjoxc+H0
───またあえたら───
...ギュッ
252 :
◆YBa9bwlj/c
[saga]:2019/06/09(日) 14:27:07.23 ID:ZIjoxc+H0
少年「──」ギュー
少女「え?え…?」
少年「──」ギューッ
少女「あの…?」
少年「……君は、やっぱりあたたかいよ」
少女「そ、そうですか…?」
少年「あぁ」
少女「それでその……これは……?」
少年「…ごめん、もうちょっとこうさせて……」ギュー
少女「わ、分かりました……」
少年「………」ギュー
少女「………」
少年「………」ギュー
少女「………」...ギュ
少年「!!」
少年(………あぁ、なんだ………)
253 :
◆YBa9bwlj/c
[saga]:2019/06/09(日) 14:28:14.85 ID:ZIjoxc+H0
少年「──」ギュー
少女「……」ギュ
少年(君は、最初から"君"だった)
少年「──」ギュー
少女「……」ギュ
少年(次は俺が君に"きえないひとみ"を見せる番)
少年(…きみのひとみに、ありがとう)
少年「……なぁ、少女」
少女「……うん」
254 :
saga
:2019/06/09(日) 14:29:24.24 ID:ZIjoxc+H0
少年「──愛してる」
255 :
◆YBa9bwlj/c
[saga]:2019/06/09(日) 14:31:23.89 ID:ZIjoxc+H0
エピローグーーー
ザッザッザッ
ザッザッザッ
大男「………」ザッザッ
大男「………」ザッザッ
大男(………)
大男「………」ザッザッ
大男(……届いたさ、君の言葉……)
大男「………」ザッザッ
大男「………」ザッザッ
大男「………」ザッザッ
大男「………」ザッ...
大統領「……」ザッザッ
取り巻き「「「……」」」ザッザッ
大男「………」
大男「………」
大男「………」
大男「………」チャキ
大男(………)
大男(………)
大男(………)
グ...
256 :
◆YBa9bwlj/c
[saga]:2019/06/09(日) 14:32:44.64 ID:ZIjoxc+H0
──タァン
大男「……かはっ……!」
...ドサ
「大統領、標的の始末完了致しました」
大統領「うむ。言った通りに処分しておけ」
「はっ!」
大統領「……人形に心などいらぬのだよ」
大男(……………)
大男(……これで……いいんだ………)
大男(………女………)
大男(……これが……"生きる"、ということ………)
大男(………そう………なんだな………)
257 :
◆YBa9bwlj/c
[saga]:2019/06/09(日) 14:33:48.60 ID:ZIjoxc+H0
ーーーーー
少年「──」ギュー
少女「……」ギュ
少年「──」ギュー...
少女「……」ギュ...
少女「………」
少女「…♪」アッカンベ
ー終わりー
258 :
◆YBa9bwlj/c
[saga]:2019/06/09(日) 14:38:22.02 ID:ZIjoxc+H0
これにて本編終了です。
所々トリップなど間違えてますが、ご容赦ください。
後は後日談という名のネタばらしやバカップルっぷりを投稿しようと思ってますが、こちらは書き溜めていないため少し遅くなりそうです。
ここまで読んでくれた方、ありがとうございます。
259 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/06/10(月) 19:30:35.42 ID:GwK9GFx+o
乙
260 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/06/10(月) 19:30:42.69 ID:QtcqndqYO
乙
261 :
◆YBa9bwlj/c
[saga]:2019/06/14(金) 08:16:54.96 ID:W5M1VpEIO
後日談、投下していきます。
ここからは完全に自分の妄想になります。
蛇足になると分かってますが、彼らのハッピーエンドを見届けて下さい。
262 :
◆YBa9bwlj/c
[saga]:2019/06/14(金) 08:18:52.54 ID:W5M1VpEIO
ーーーーー
少年「──」ギュー
少女「……」ギュ
少年「──」ギュー
少女「……」ギュ
少女「………」
少女「…♪」アッカンベ
少年「──」ギュー
少女「……」ギューッ
少年「──」ギュー
少女「…!」ギューッ!
少年「……少女、ごめん…ちょっと強いかも……」
少女「……」ギューッ!!
少年「いててっ…少女……?」
少女「……遅いのよ、バーカ」
263 :
◆YBa9bwlj/c
[saga]:2019/06/14(金) 08:20:12.26 ID:W5M1VpEIO
少年「え……」
少女「……」ジッ
少年「なぁ、今なんて……」
少女「どれだけ待ったと思ってんのよ。ヘタレ」
少年「少……女………お前……」
少女「待ち過ぎて──」
少女「──消えちゃおうかと思ってたところよ」ニコ
少年「──っ!!」
少年「少女!少女…!少女っ…!」
ギューッ グリグリ
少女「わっ!ちょっ!頭押し付けないでよ!服がシワになるでしょ?」
少年「うぅ……少女………」グスン
少女「…何?また泣いてるの?さっきもメソメソしてた癖に(笑)」
少年「」グスッ...
少女「………」...ギュ
少年「………」...ギュー
少女「………」ギュー
少年「………」ギュー
少女「……言ったでしょ?」
少女「君とずっと生きていたいって」
264 :
◆YBa9bwlj/c
[saga]:2019/06/14(金) 08:22:00.30 ID:W5M1VpEIO
少年「──」
少年「」ギューッ!
少女「ぁ…!」
少女「…ちょっと痛い…さっきのお返し?」
少年「………」ギューッ
「きゃーなにあれ〜」
「お熱いわね〜」
「あれが青春……」
「若いっていいなー」
少女「………」
少年「………」ギューッ
少女「……ねぇ、ちょっと……」
少年「………」ギューッ
少女「……ぅ……」
少年「………」ギューッ
少女「……っ、少年、分かったから」
少年「………」ギューッ
少女「移動、するわよ…!」
グイッ グイッ
265 :
◆YBa9bwlj/c
[saga]:2019/06/14(金) 08:26:16.60 ID:W5M1VpEIO
部室ーーー
ガチャ バタン
少女「なんか、行くときより長く感じたわ……」
少年「俺はあっという間だった気がする」
少女「……ずっとあたしにくっついてたからじゃないの」
少年「………♪」ニヘラ
少女「……だらしない顔になってるわよ」
少女(…♪)
少年「そういう少女だってちょっとにやけてないか?」
少女「うるさい」
少年「でもさ、何で部室…?寮に帰らないのか?」
少女「ふん……まぁ、やることがあるからね」チラ
女「」
少年「あ………」
少女「………」
少年「…そういえば女ちゃん、こっちに帰ってきてからずっと眠ったままなんだ…」
少年「少女の中で、売人と会ってきたらしいんだけど……」
少女「……え」
少年「え?」
266 :
◆YBa9bwlj/c
[saga]:2019/06/14(金) 08:28:28.62 ID:W5M1VpEIO
少女「……少年、あんた……本当に何も分かってないの?」
少年「何もって……いや、この世界で何が起こってたのかは分かったつもりだよ!」
少年「……女ちゃんに教えてもらって、だけど」
少女「そこじゃなくて。女が何をしたのか、よ」
少年「女ちゃんが?……売人に会って、それから……」
少女「………」
少年「……なんだろう。……んー……」
少年「……お前が居ることが嬉し過ぎて今は何も考えられないや」フッ
少女「っ…」ドキッ
少女(〜〜〜!)
少女「……なんであたしが消えてないんだと思う?」
少年「消えてないっていうか、一回消されたけど戻ってきた……んじゃないのか?」
少女「だとしたら、いつ戻ってきたの?」
少年「それは……やっぱり色々見て回ってるうちに?」
少女「残念ながらハズレ」
少女「…消えてないわよ。一度も」
少年「えっ。……でもお前ここで起きた時初めましてとか言って………あ!」
少女「ふふっ、気付いた?」
少年「……消えたフリしてたんだな?」
少女「♪」ニコ
少年「なんだよ……どれだけ俺が──………」
少女「俺が……なぁに?」ニヤニヤ
少年「っ……」
少女「……」ニヤニヤ
少年「……あーもう!」
少年「寂しかったよ!死んじまうかと思うくらいになぁ!」
少年「たった数時間……お前が消えたと思ってたあの時間で一生分の辛さを味わった気分だった!」
少年「これで満足かっ!?」
少女「──」
少年「……ったく、趣味悪いぜ……ほんと……」
少女「……『愛してる』人が消えたら、そりゃ辛いわよねぇ」ニヤニヤ
少年「っ」カアァァ
少年「………そう、だよ」ボソッ
少年「って待て!今は何でお前が消えてないのかって話じゃなかったのか!?」
少女「…ん、そうね」
267 :
◆YBa9bwlj/c
[saga]:2019/06/14(金) 08:30:48.22 ID:W5M1VpEIO
女「」
少女「……いい?少年。消えたのはあたしじゃなくて──」
少女「──この女」
少年「女ちゃんが……?」
少女「そ」
少女「簡単な話よ。こいつはね、あたしに撃ち込まれたウイルスを自分の元におびき寄せて……あたしの代わりに消滅したのよ」
少年「そんな……なんでそんなこと……」
少年(……そういえば)
ーーーーー
少年「──救えないのか?」
女「──少なくともあんた"に"救うことはできないわね」
ーーーーー
少年「……女ちゃん、最初から少女を助けるつもりだったのか……」
少女「こいつがあたしを?……まさか」
少女「違うわ。こいつは最初から最後まで自分のためにだけ行動してた」
少女「…いえ、正確にはこいつとこいつの前の持ち主のために、ね」
少年「……?」
268 :
◆YBa9bwlj/c
[saga]:2019/06/14(金) 08:35:24.63 ID:W5M1VpEIO
少女「こいつはね、自分にボーカロイドとして生まれてきた意味を教えてくれた前の持ち主のことが好きだった」
少女「……それこそ、この世界であたしたちのことを見守るくらいに」
少年「俺たちのことを見守るって?」
少女「女から聞いたでしょ?あたしたちがこの世界でウイルスから分けられ、自我を持つことが出来たのはこいつの前の持ち主がこいつに何か仕込んだからだって」
少女「だから、あたしたちのことを前の持ち主が残した忘れ形見とでも思ったんでしょ」
少女「……でも、今回の騒動でこいつは前の持ち主の現況を知った」
少女「生きる希望がなくなって、何もかもを諦めた……そんな死んだように生きている現状」
少女「この女がやろうとしたことは、そいつの目を覚まさせること。すべての元凶であるあの人……おじいちゃんに向けた小さな復讐をすることでね」
少年「復讐……」
少女「それが今よ」
少女「今こうして、あたしが存在していること。それこそ、おじいちゃんの思惑からはずれた結末」
少女「あのウイルス自体は正常に動作したことになってるから、もう彼らがこの世界に干渉してくることはないんじゃない?」
少年「そうか……」
少年「女ちゃん………」
少女「………」
少女「……辛気臭い顔しないの」
少年「だってよ……」
少女「何のためにここに戻ってきたと思ってるのよ」
少年「えぇ…?」
少女「………」スッ(目を瞑る)
少年「……」
少女「………」
少年「……何やってんだ?」
少女「………」フッ(目を開ける)
少女「……やっぱりね」
少年「??」
269 :
◆YBa9bwlj/c
[saga]:2019/06/14(金) 08:38:36.72 ID:W5M1VpEIO
少女「──システムコール」
『命令を指定してください』
少年「うわ、なんか文字が…!?」
少女『CreateThread、Operation"Rollback"、Target……"女"』
『名前解決完了』
『対象オブジェクトに関連付けられたバイナリデータを確認』
『ロールバック処理を実行します』
少年「え、え……お前、こんなこと出来んのか…?」
少女「まぁね」
少年「漫画みたいなやつだな…」
少女「あんたがそれ言う?」
少年「で、何したんだ?」
少女「……見てれば分かるわよ」
『処理が正常に完了しました』
少女「終わったみたいね」
テクテク
少女「……」
女「」
少女「……ほら、とっとと起きなさい」ゲシッ
少年「ちょ、何やってんの」
少女「こいつを起こすのよ」
少年「で、でも女ちゃんはもう……」
女「……なに、よ……騒がしい……」ノソ...
270 :
◆YBa9bwlj/c
[saga]:2019/06/14(金) 08:40:21.97 ID:W5M1VpEIO
少年「女、ちゃん……?」
少女「……随分遅いお目覚めね」
女「……」
少年「………」
女「……プログラムにもあの世があるってこと?」
少女「はいはい、そういうお約束はいいから」
少年「な、なぁ、女ちゃんて売人と一緒に消えたんじゃ…?」
少女「確かにこいつは消えてたわ。ついさっきまでね」
女「………」
少女「ま、どいつもこいつも詰めが甘いってこと」
少女「あのウイルスはあたしを消すことしか想定してなかったんでしょうね、女の消し損ねが残ってたわ」
少女「……多分、あんたの前の持ち主が施した仕掛け……その残骸」
女「……!」
少女「あと、あたしを舐め過ぎ。そんな残骸が残ってれば、直前の状態を復元することなんてわけない」
少年「少女……」ウルウル
少女「……好き勝手するだけしておいて、自分だけ消えようだなんて、許さないわ……」
女「………」
女「……散々この世界で好き勝手してきたのはあんたの方でしょ?」
少女「………」
女「……そう、じゃあ果たせたんだ……」ボソッ
少年「女ちゃん、その、大丈夫?身体痛んだりとか……」
女「……さっきぶりね」
女「もう会うことはないと思ってたけど……また情けない顔に戻ってるわよ?」
少年「え……そうかなぁ…?」
少女「それは同意」
少年「………」
271 :
◆YBa9bwlj/c
[saga]:2019/06/14(金) 08:41:26.38 ID:W5M1VpEIO
女「……余計なことしてくれたわね。私はあれで満足だったのに」
少女「ふん、どうせ未練タラタラのままだったくせに。感謝しなさい」
女「それを言うなら、私はあんたの命の恩人よ?私にこそ感謝してひれ伏しなさいよ」
少女「その減らず口は相変わらずね…」
女「あんたに言われたくないわ」
少年(……この二人は、顔を合わせたら喧嘩しないといけない決まりでもあるのか?)
少女「……まぁ、感謝くらいはしてるわよ……」
女「え?」
少女「……ありがと……」ボソッ
女「………!?」
女「あ、あんた誰!?少女は絶対そんなこと言わないのにっ!?」
少女「〜〜!」
女「うーわ、背筋ゾクってしたわ……」
少女「うるっさいわね!やっぱりなしよ!さっきのは取り消し!!」
女「残念だけど、強烈過ぎてもう忘れられそうにないのよねー……あーあやだやだ」ニヤニヤ
少女「この……」
女「そんな怖い顔しないで?さっきのかわいい少女ちゃんが台無しよ?」
少女「……やっぱもう一回消すわ」
少年「おいおい、落ち着けって…!」
女「」ニヤニヤ
少女「」ガルル...
少年(ほんと、素直じゃないとこは変わらないよなぁ……二人とも)
272 :
◆YBa9bwlj/c
[saga]:2019/06/14(金) 08:42:38.72 ID:W5M1VpEIO
少年「……ん?」
女・少女「「?」」
少年「ってことはさ、もしかして……」
少年「売人を復元することも出来たりするのか?」
女「!!」
少女「……それは無理ね」
少女「あれは機能を果たしてから完全に消滅したみたい。いくらあたしでも何の痕跡も残ってないものを復元することは出来ないわ」
女「………」
少女「……同じ理由で、以前消えたあいつもね」
女(………)
女「……いいのよ、彼は」
女「あれでいいの。例えここに戻せたとしても、そんなこと、私がさせない」
女「あの人の物語は、ハッピーエンドで終わってるんだから……」
少年「………」
女「……だから、私もあのままで良かったのよ……」ジロッ
少女「………」
少女「……嘘」
女「……なに?」
少女「あんたはずっと、過去しか見てない。違う?」
女「………」
少女「前の持ち主のことだけを考えて、この世界で生きてた。あんたが最後に起こした行動だってそう」
少女「──"女"」
女「!」
少女「あんた自身が望む未来は?」
273 :
◆YBa9bwlj/c
[saga]:2019/06/14(金) 08:55:19.64 ID:W5M1VpEIO
少女「あれだけ強く何かを想うことが出来る……そんなプログラムは普通ない」
女「………」
少女「あんたは、そうね……"特別"なのよ。何がって言われるとあたしにも分からないけど…」
女「──」
ーーーーー
売人「──やっぱり、君は特別な存在さ。この世界にとっても……僕にとっても」
ーーーーー
少女「あたしはね、そんなあんたが望む未来を見てみたいの」
少女「あたしたちみたいに不純物が混じってない、純粋なボーカロイドが夢見る世界……」
少女「きっとそれは──」
少女(──優しい音に溢れた世界)
少女(あの頃、ラジオ越しに想像を膨らませた……幸せな世界)
女「………」
少年「………」
少女「………」
女「………」
女(………)
女「……ほんっと、自分勝手」
少女「………」
女「そういうとこが、大嫌いなのよ」
少女「……フッ、自分勝手で結構。あたしはもう遠慮しないって決めてるから」
274 :
◆YBa9bwlj/c
[saga]:2019/06/14(金) 08:57:38.50 ID:W5M1VpEIO
女「……ねぇ、今のあんた、何でも出来るのよね?」
少女「何でもは出来ないわよ。……嫌いな相手に頼みごとするつもり?」
女「恩を返してもらうだけよ」
少女「ふーん……ま、いいけど」
女「それじゃ……」
スタスタッ
ガシ
少年「……へ?」
少女「……は?」
女「この子、もらってくわね♪」
少年「ええええ!?」
少女「なっ…何言ってんのこの雌豚!!」
女「えー?でもこの子も満更じゃないみたいだけど?」ギュムー
少年「ん──っ!」ジタバタ
少年(や、柔らかいけど息が……!)
少女「嫌がってるだけよ!さっさと離しなさい!」
女「へぇー……」パッ
少年「っあ……」シュン...
少女「……あ?」ピキッ
女「……目は口ほどに物を言う、て?」ニヤニヤ
少年「ち、違う!これはその……不可抗力ってやつだ!」
女「今度はもっと思いっきりしてあげよっか?」
少年「マジで!?」
少女「少年!!!」
少年「ひぃっ!?」
少女「……」ニコッ♪
キラン
少年「いや、あのさ…!毎度思ってたけど、そのナイフやめようぜ?な?こえーから…!」
275 :
◆YBa9bwlj/c
[saga]:2019/06/14(金) 08:59:46.92 ID:W5M1VpEIO
女「………ぷっ」
女「あははは!本当、からかい甲斐があるわよね〜あんたたち!」ゲラゲラ
少年「………」ポカン
少女「………」
女「──あー、笑ったわ」
女「……いいわ、やってやろうじゃない」
女「度肝を抜いてあげるから、覚悟してなさい」
女「あんたたちでも、ううん──」
女「──誰も見たことがないような世界を、魅せてあげる♪」
少年・少女「「──」」
少年(……綺麗だ)
少女(……綺麗ね)
女「そういうわけだから、よろしくね、少女」
少女「…は?なにがよ」
女「私、アイドル復帰するから」
少年「ほんとに!?」
女「えぇ♪」
女「最近人気が出てきたって勘違いしてる子がいるみたいだけど…」チラ
少女「」ピクッ
女「…誰が本物か、分からせてあげる♪」
少女「……やれるものなら、やってみなさいよ」フッ
少年(少女……楽しそうだな)
女「じゃ、私はもう帰るわ。部室の掃除よろしくね」
少年「え」
ゴチャア...
少女「別にどうってことないでしょ」
少女「…行くんならさっさと行けば?」
女「……また学校でね」
女「──"少女"」
少女(──)
ガチャ
276 :
◆YBa9bwlj/c
[saga]:2019/06/14(金) 09:01:56.83 ID:W5M1VpEIO
少年「──女ちゃん!」
女「!」
女「……」クルリ
少年「…その、うまく言い表せないんだけどさ……」
少年「ありがとう、色々と」
少年「女ちゃんが居なかったら多分俺、何も出来ないままだったから」
女「………」
女(……ありがとう、ね……)
女「……その言葉も、隣で恨めしそうに見てる子に言ってあげることね」
少年「えっ!」バッ
少女「……あのね、あたしを何だと思ってるのよ。そんなにしょっちゅう目くじら立ててないわ」
少年「え、それは」
少年(どう考えてもダウトだろ)
少女「なに?」
少年「いや何でも──って」
バタン
少女「……行ったわね」
少年「女ちゃん……」
少女「………」
ーーーーー
女「──また学校でね、"少女"」
ーーーーー
少女「………」
少女「」フッ...
少年「ん?」
277 :
◆YBa9bwlj/c
[saga]:2019/06/14(金) 09:03:18.61 ID:W5M1VpEIO
少女「……さ、あたしたちも帰ろ」
少年「あれ?片付けてかないのか?」
少女「する必要ある?大体この部屋あいつしか使ってないんだから、ほっとけばいいのよ」
少年「…でもさ、ほら、あれとか」チラッ
少女「?」
侍男「」
少女「………」
スタ..スタ..
少女「……………」ジッ...
侍男「」
少女(………)
少年「……こいつも、消えちまったのかな」
少女「いえ、消されたのは女だけのはずだからそのうち起きると思うけど……」
少女「………」スッ(手をかざす)
少年「……どうする気だ?」
少女「………」
ピカッ
キーー...
少女「………」
少年「………」
『分析完了』
少女「……うん、心配ない」
少年「…?」
278 :
◆YBa9bwlj/c
[saga]:2019/06/14(金) 09:04:25.84 ID:W5M1VpEIO
少女「今のこいつはもう、何の力も残ってないわ」
少年「そうなのか……確かに少女の中で闘ったときは、初め会ったときより弱かった気がしたけど」
少女「元々こいつは、あのウイルスを撃ち込むためだけの媒体だったからね。役目を終えて、ただの一般人になったんでしょう」
少年「ただの一般人ね……」
侍男「」
少年「……とてもそうには見えない身なりだ」
少女「こいつも、アイドルデビューするんじゃないの?」
少年「勘弁してくれ」
少女「……と、いうか、あんたもいい加減まともに活動しなさいよ」
少年「えー……俺はいいって。今の持ち主だってあんまり俺に期待してないだろうし」
少女「……あたしが見てみたいの」
少年「っ……」
少女「」ジー...
少年(……この目に、俺は弱いんだよな……)
少年「………分かったよ。やるだけやってみる…」
少女「…!」
少年「けど、あんまり期待すんな……」ポリポリ
少女(……♪)
少女「…じゃ」
スッ(手を差し出す)
少女「今度こそ、帰ろっか」
少年「………」
少年「おう」
ギュ...
279 :
◆YBa9bwlj/c
[saga]:2019/06/14(金) 12:11:37.65 ID:W5M1VpEIO
自室ーーー
ガチャ
...パタン
少女「………」
少年「………」
少女「……ひどく、懐かしい気がする……」
少年「そうだな。お前のライブから、まだ1日経ってないのにな」
少年「……少女」
少女「?」
少年「──おかえり」
少女「──」
少女(ぁ………)
...バッ
少年「うぉっ!?」
ドタン!
少女「」ギュー
少年「いてて……」
少女「」ギューッ
少年「………」
少年「……」ナデナデ
少女「」ギューッ
少女「──ただいま」
280 :
◆YBa9bwlj/c
[saga]:2019/06/14(金) 12:21:05.95 ID:W5M1VpEIO
少女「………」ギュー
少年「………」ナデナデ
少女「……もう、会えないと思ってた……」
少年「……俺もだ」
少女「…一度はね、本気で消えることを覚悟したの」
少年「……」
少女「それが、イレギュラーとして作られたあたしの運命なら……仕方ないって」
少女「この世界で、十分過ぎるほど幸せを感じた……だから満たされた気持ちで消えようと思った……」
少女「──けど、最後に想ったのは君のことだった」
少女「思えばね、あたしの幸せにはいつも少年が居たの」
少女「バカで、ヘタレで、ナメクジで、あっちにこっちにフラフラしてるやつだけど……あたしをずっと支えてくれてた」
少女「……昔も、今も」
少年「……」ナデナデ
少女「だからあたしは……」
少女「……この先も、ずっと君と幸せを感じていたい」
少年「──」
少女「これが、あたしの気持ち」
少女「……ね、君の気持ちも聞きたいな」
少年「………」
少年「……なんか、あのときを思い出すな」
少女「…?」
少年「お前に記憶を戻して、説教されたあの日だよ」
少年「あのときのお前の目はよく覚えてる」
少年「すごく……強い瞳だった」
少年「俺は、今夜それだけを頼りにお前を追いかけてきた」
少年「お前より、俺の方がずっとお前に支えられてるよ」
少女「……」
少年「……俺の気持ちはさっき伝えた通りだ」
少年「………少女」
少年「君が好きだ。俺と一緒にいてほしい」
281 :
◆YBa9bwlj/c
[saga]:2019/06/14(金) 12:22:09.45 ID:W5M1VpEIO
少女「──」
少女「………」
少女「──はいっ」ニコッ
少女「」ギュー
少年「……」...ギュ
.........
282 :
◆YBa9bwlj/c
[saga]:2019/06/14(金) 12:23:42.08 ID:W5M1VpEIO
ーーーーー
少女「……」ギュー
少年「……」ナデナデ
少年(……もうかれこれ10分はこの調子だけど……)
少女「……」ギュー
少年「……うん、いいな」ボソッ
少女「?」
少年「いや、こうやってしおらしい少女も、ありだなって」
少女「………」
少女「」フイッ
少年「………」ホッペツン
少女「!!」バッ
少女「……」ジト...
少年(……かわいい)
少年「なぁ、お前やっぱり今回のことで性格変わったよな……?」
少女「……なに、似合わないって言いたいわけ?」
少女「今すぐ殴ってあげればいい?」
少年「違う違う!……どんな少女でも、俺は好きだよ」ナデナデ
少女「っ」カアァ
少女「……ふん」ギュ
283 :
◆YBa9bwlj/c
[saga]:2019/06/14(金) 12:25:34.01 ID:W5M1VpEIO
少年「………」
少年「……なぁ、そのさ……」
少女「……なに?」
少年「………俺で良かったのか?」
少女「え?」
少年「だからその……お前が好きだったのってさ……同──」
ソッ(手で口塞ぐ)
少女「……それ以上言ったら、怒る」
少年「………」
少女「どこまでもいっても、あんたはバカなままね」
少女「……いい?あいつのことを気にかけてたのは、少女なの」
少年「っ……だよ、な」
少女「ちゃんと最後まで聞いて」
少女「あたしは、"少女"」
少女「今ここに居るあたしが選んだのは……あんただから」
少女「……分かった?」
少年「少女……」
少年「……ありがとう」
少女「………」
少女「手、止まってる」
少年「はいよ」ナデナデ
少女「………」ギュ
少年「………」ナデナデ
284 :
◆YBa9bwlj/c
[saga]:2019/06/14(金) 12:27:45.55 ID:W5M1VpEIO
少年(………そういえば)
少年「……思ったんだけどさ」
少年「俺、お前に好きって言われたことあったっけ?」
少女「!?」
少年「いや、今日まで俺から言ったこともなかったけどさ、お前に言ってもらったことあったかなって」
ーーーーー
女「──あの子はね、ずっと待ってるのよ」
女「──あんたのその言葉を」
ーーーーー
少年(女ちゃんはああ言ってたけど、少女も俺に言ったことなかったような……)
少女「……それは……」
少年「それは?」
少女「……言ったわよ?あんたが駆け付けてくれたあのとき」
少年「あぁ、あのガキが現れたときか…そうだったか…?聞こえなかったけどな……」
少女「──から逃げてるときに…」ボソッ
少年「な、おいそりゃ聞こえないわけだよ…」
少女「………」
少年「………」
少女「………」
少年「………なぁ」
少女「………」
少年「……俺が何言いたいか、分かるよな?」
少女「………」
少年「…少女」
少女「……き、聞こえない」
少年「少女ー」
少女「………」
少女「……し………きよ」
少年「え?」
少女「……あたしも!」
少女「──あんたのことが好き」
285 :
◆YBa9bwlj/c
[saga]:2019/06/14(金) 12:29:37.53 ID:W5M1VpEIO
少女「誰よりも、ね……」
少年「──」
少年(……そうか……言葉で伝えるっていうのは、こんなに、暖かいんだな……)
少女「……これで、満足?」
少年「ま、合格かな」
少女「…生意気」
少年「いいじゃんか、お前が素直になることも出来たんだし」
少年「両想いの相手に、遠慮なんかいるか?」
少女「〜〜!」
ツネリ
少年「痛い痛い……分かってるぜ、少女」
少年「照れ隠しってやつだろ?かわいいもんだよな」ニヤニヤ
少女「んもう!」
ビシッ
少年「あだっ」
少女「今一度、自分の立場を分からせる必要があるみたいね」
少年「おー、それは怖いなぁ。何されんだろうな俺は」
少女「……あんたの部屋、失くしてあげてもいいのよ?」
少年「はっ!?」
少年「……そんなことしたら、お前の部屋に住み着くだけだぞ?」
少女「え」
少年「あぁ、俺と一緒に住みたいのか!それならそうと言ってくれればいいのなー」
少女「……知らない」ギュ
少女「」カオウズメ
286 :
◆YBa9bwlj/c
[saga]:2019/06/14(金) 12:31:17.27 ID:W5M1VpEIO
少年「はは……でも、俺はしてみたいかもな」
少女「…………変態」
少年「な、何がだよ……」
少年「……少女、何想像したんだ?」
少女「……」
少年「お前、大人びてるというかませてるというか……」
少女(………ぅー………)
少女「………」
少女「……でもいいかもね、同じ部屋」
少年「…本気で?」
少女「あんたが今後変なことしないか見張れるし」
少年「……訳:俺のことが好きだから四六時中見ていたい、と」
少女「っっ!」
少女「もう許さない!」ガバッ!
ギリギリ...
少年「いててててっ!折れる折れる!」
少年「分かった、ごめんって!調子に乗り過ぎた!」
少女「──!」ギリリ
少年「あ゛──!!」
パッ
少女「………」
少年「い、逝ったかと思った……」ゼェゼェ
少年「もうちょっとよー……加減してくれてもいいと思うんだ…」ウデサスリ
少女「はいはい。考えておくわ」
少年「いつか本当に折られそうで俺は怖いぜ…」
少女「あんたが余計なこと言わなきゃいいだけじゃない」
287 :
◆YBa9bwlj/c
[saga]:2019/06/14(金) 12:43:50.35 ID:W5M1VpEIO
少年「いやな?なんかやめられないんだよ、お前いじるの。女ちゃんも言ってたけど、いじり甲斐あるんだよな」
少女「……」ジロッ
少年「ほら、クラスの奴からもいっつもいじられてんじゃん?」
少女「………確かに………」
少年「ま、そういうわけだ!」
少女「…そんなんで丸く収まるとでも?」
少年「ですよね」
少女「……………」
少女「……はぁ」
少女「いいわよ、今日はもう勘弁してあげる」
少年「え、まじ?」
少女「その代わり!……もう一回、聞かせて」
少年「……?何をだ?お前へのいじりをか?」
少女「」デコピン
少年「いてっ」
少女「………さっき、あたしに言ってくれた言葉」
少女「もう一度、あたしの目を見て言って欲しいの」
少年「お前に言った言葉って……」
少年「………」
少年「──お前のことが好きだ。一緒にいて欲しい」
少女「……」
少年「……で、いいのか……?」
少女「………ふぅ」
少女「あんたにしては、いい線ね。でも違う」
少女(君がようやく言ってくれた言葉)
少女「だからね──」
少女(あたしの一番大きな幸せ)
288 :
◆YBa9bwlj/c
[saga]:2019/06/14(金) 12:44:59.21 ID:W5M1VpEIO
少女「愛してるって、言って」
ー Happy End ー
289 :
◆YBa9bwlj/c
[saga]:2019/06/14(金) 12:51:25.58 ID:W5M1VpEIO
以上で後日談終了になります。
後日というより当日でしたが…
この後日談自体は原作にはありません。
こういう展開だったらいいなという妄想で書き綴ったものです。
また、もっと設定や背景を練って、かつカットしてしまった原作の設定を盛り込んだ小説を書こうと思ってます。台本形式ではなく、地の文ありのものです。
どこにいつ投稿するかは分かりませんが、見かけたらよろしくお願いします。
290 :
◆YBa9bwlj/c
[saga]:2019/06/14(金) 12:56:33.92 ID:W5M1VpEIO
このSSの元になった「プーチンPシリーズ」は、全部で約30曲ありますが、自分は全部好きです。
これを読んで興味の湧いた方は是非聞いてみてください!
最後に、何か質問等あれば受け付けようと思うので、
3日程残しておきます。何かあってもなくても、その後HTML化を依頼するつもりです。
読んでくれた方、ありがとうございました!
291 :
◆YBa9bwlj/c
[sage]:2019/06/17(月) 07:48:22.38 ID:0fMMMIHKO
それでは、HTML化依頼をしてきます。
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クオリティの高いサービスを貴方に
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