【ミリマス】まつり「わたしの、お姫様」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/01(土) 20:34:30.59 ID:ON/YBn7N0
※MTG14『Charlotte・Charlotte』ドラマパートのネタバレを含みます。ご注意ください。



――それは、プリンセススターズ13人が登壇するアリーナライブに向けた準備が進むある日の出来事がきっかけだった。


育「鏡よ鏡ねぇまだなの王子様〜」スタッ

まつり「フムフム。良い感じなのです」

育「ほんと?」

まつり「はいなのです。今日最初に踊ったときから確実に良くなっているのですよ」

育「やったぁ!」

プロデューサー(以下、P)「……」

P(成り行きで始まった育の個人練習だが、まつりが先生役に申し出てくれて本当に助かった)

P(何より二人とも良いコンビネーションだ。これは育にとってとても有意義な時間になりそうだな)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1559388870
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/01(土) 20:35:49.86 ID:ON/YBn7N0
――回想。一時間前


P「育、全体練習お疲れ様! この後の予定は1時間後にトゥインクルリズムのアクション演出についての打ち合わせだ。それまでゆっくり休憩しておいてくれ」

育「……ねぇPさん」

P「ん? どうかしたのか?」

育「あのね、わたし、みんなとのレッスンだけじゃなく一人だけの練習もしたい。こんどのアリーナライブに向けて、歌もダンスももっともっと上手になりたいから」

P「育、なんでまた急に……今日の全体練習でもしっかり踊れていたし、美奈子たちも褒めてたじゃないか。今回の形式になってから13人で合わせるのは初めてなのに、すごいって…」

育「うん。ユニットごとにパート分けされた『Princess Be Ambitious!!』をみんなで歌って踊るのは今日が初めてだったけど……」

P「そうだな。だから慣れてるはずの百合子や可奈が戸惑うシーンもあった。居残り練習を志願した二人には、奈緒たちが付き添ってくれてるが…」

育「Pさん……百合子さんが間違えたあの間奏のステップ、わたしもちゃんと踊れてなかったはずだよ。だってわたし昨日までずっと、百合子さんの動きを参考にしてたんだもん」

P(確かにそうだ。この曲も含めて昨日まではトゥインクルリズムの3人だけで練習していた。百合子や亜利沙に合わせていたなら、前列の閃光☆HANABI団とはどうしてもズレてしまう)

育「でも奈緒さんたちもPさんも、さっきわたしのこと注意してくれなかった。それって、子どものわたしなら少しズレてても問題ないってこと?」

P「いや、そういう意味じゃなくてだな……」

P(全体練習初日でこのくらいの進捗なら及第点だと思ったんだが……百合子たちの居残りも、あくまで本人からの申し出だし。ただ何にせよ、これは俺のミスだな)

育「確かにこの曲のダンスはむずかしいけど……わたしが子どもだからまちがえててもいいって思われてるなら、そんなのぜったいいやだよ!」

P(どうしようか。育の気持ちも汲みたいが、かといって無闇に要求水準を上げるわけにもいかない。今回育には激しいアクションも担当してもらうからな。怪我のリスクは避けないと…)
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/01(土) 20:36:49.58 ID:ON/YBn7N0
まつり「はいほー! 育ちゃん、Pさん、どうしたのです?」

育「あっ、まつりさん」

P「やあ。まつりこそどうしたんだ? 今日この後の予定はもうないから、先に帰ったものと思ってたよ」

まつり「これから雑誌インタビューのお仕事に向かうエミリーちゃんの準備を手伝っていたのです。それで育ちゃん、何かPさんにお願いがあるのです?」

育「えっとね、わたし次のライブまでに歌もダンスももっと上手になりたくて……それでもっと練習したいと思って」

まつり「なるほど。それはとても良い心がけなのです」

育「だってこんどのアリーナライブは、プリンセススターズ13人でのライブでしょ。お姫様みたいにかわいくてはなやかなステージにするんだよね?」

育「だからわたし、まつりさんみたいなすてきなお姫様になってステージに立ちたいんだ!」

まつり「まつりのようなお姫様――なのです?」

育「そのためには今のままじゃダメだって思うんだ。もちろん練習のしすぎもよくないってわかってるよ」

育「だけど練習しなきゃ上手くならないもん。大好きな『Princess Be Ambitious!!』も、前よりもお姫様らしくパフォーマンスできるようになりたい!」

まつり「それなら、姫におまかせなのです♪ 頑張りたい育ちゃんのためなら、姫が喜んで力を貸すのですよ」

P「まつり……いいのか?」

まつり「もちろんなのです。でも育ちゃん、大事なライブの前に体調を崩したら元も子もないのです。疲れたらすぐに言うのですよ?」

育「うん! まつりさん、ありがとう!」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/01(土) 20:37:31.53 ID:ON/YBn7N0
――こうして、育とまつりの個人練習が始まったのだった。


まつり「“憧れを叶えてきましょ”のところの手は、こんな感じにすると良いのですよ」

育「うん、やってみるね!」

P(おっと、もうあれから一時間か。そろそろ打ち合わせの時間だな)


百合子「あっ、いたいた。育ちゃん、今美咲さんから連絡があって、演出家さんと殺陣の先生が到着したみたいだよ」

亜利沙「早速作戦会議に向かいましょう! トゥインクルリズム出動です!」

育「百合子さん、亜利沙さん! それじゃあまつりさん、今日はありがとう。また明日ね!」

まつり「はいほー! 明日もぱわほー!に頑張りましょー!」


P「まつり、お疲れ様。自分の練習もある中で、育の先生役まで買って出てくれてとても助かったよ。ありがとう」

まつり「ほ? 姫はただ、頑張っている育ちゃんに少しだけアドバイスをしているだけなのです」

P「でも的確な指導だったと思う。手加減すれば育ならすぐ見抜くし、それを何よりも嫌がる。かといってハードルを上げすぎても良くないからな」

P「まつりが育のやりたいこと、して欲しいことを深く理解できている証拠だよ。俺も見習わないとな」
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/01(土) 20:38:08.96 ID:ON/YBn7N0
育「こんどのわたしたち、正義の魔法少女としてステージに立つんだよね?」

亜利沙「はい! ドラマの撮影で使用したあのハイクオリティな武器をステージ上で振るいながら歌う……ムフゥ、最高の演出に興奮が収まりません!」

百合子「正直アクションが上手くできるかは不安だけど……でも、こんなチャンス滅多にないもの。頑張りたいです!」

育「うん! お客さんの前で魔法少女になって戦えるなんて夢みたい……わたしもがんばるね!」


まつり「……」

P「まつり、どうかしたのか?」

まつり「いえ、なんでもないのです。それじゃあPさん、お疲れ様なのです。早くみんなを追いかけないと、打ち合わせに遅れてしまうのですよ?」

P「あ、ああ。お疲れ様」

P(打ち合わせに向かう育を見つめるまつりの顔……一見優しく見守る感じだったが、それよりも懐かしいものを眺める感じというか――)

P(頑張る育の姿に、まつりも何か感じるものがあったのかもしれないな)
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