北条加蓮「藍子と」高森藍子「2人きりのカフェで」

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33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2019/05/19(日) 19:31:21.14 ID:83iQpaqY0
加蓮「んー……」

藍子「?」

加蓮「ねーねー藍子」

藍子「はい、何ですか?」

加蓮「さっきのイタズラしてる子供みたいな笑顔、もっかい見せてー」

藍子「えっ? いたずらしている時のような、って……? えっと……こう、ですか?」ニコー

加蓮「違う違う。それただの可愛いだけの藍子ちゃん」

藍子「じゃあ、こう?」ニパー

加蓮「それも違うよー。それはこの前公演やってからひそかにハマったオモチャ屋さん巡りをしてる時の藍子ちゃん」

藍子「それでしたら――って、待ってっ。どうしてそれ知ってるんですか!?」

加蓮「私だから」

藍子「……うぅ。納得できてしまうからズルい」
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2019/05/19(日) 19:32:50.95 ID:83iQpaqY0
>>33 申し訳ございません。最後の藍子のセリフを一部修正させてください。
誤:藍子「……うぅ。納得できてしまうからズルい」
正:藍子「……うぅ。納得できてしまうから、ずるいです」



藍子「いたずらっぽい笑顔は、やっぱり分かりませんよ。加蓮ちゃん、お手本を見せてください」

加蓮「ん。んー……」

加蓮「……、」

加蓮「…………クククク……!」

藍子「い、いたずらを通り越して邪悪な何かになってますっ」

加蓮「え、そこまで?」(素に戻る)

藍子「いったい何を想像したんですか――あっ、やっぱりいいです。聞きたくないです」

加蓮「あれあれ、藍子ちゃんは加蓮ちゃんのお話なら何でも聞きたいんじゃなかったっけ?」

藍子「その時の気分ですっ!!」

加蓮「ふふっ」
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2019/05/19(日) 19:33:20.78 ID:83iQpaqY0
加蓮「さっきの話だけどさ。藍子がさっき言ったじゃん。ちょっと自分やりすぎてるなーって。そんな感じで、私もちょっと悩んでて」

藍子「はい」

加蓮「私、藍子のことが大好きなんだな、って」

藍子「はい――…………!?」

加蓮「でさ。どうしたいんだろ、って考えてた」

加蓮「そうだとして私は何がしたいの? 何がやりたいの? 藍子みたいにひっついていたいの? なんて」

加蓮「結局、答えが出ないまま藍子が来てさー。そしたら……ぷぷっ」

加蓮「藍子ちゃんが初めてオーディションの、それもメチャクチャ大きいヤツに挑むアイドル候補生みたいな顔してたから、悩みがどこかに吹っ飛んじゃった」

藍子「〜〜〜〜〜っ」

加蓮「しかも藍子の話を聞いててさ。藍子が、すごくアホみたいに見えちゃって」

藍子「〜〜〜っ。加蓮ちゃん、いきなりっ……」

加蓮「……?」
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2019/05/19(日) 19:33:50.83 ID:83iQpaqY0
加蓮「……で、そしたら悩んでる自分も、もしかしたら藍子と同じくらいに馬鹿なんじゃないかって思っちゃって。なんかもういいやー、ってなっちゃった」

加蓮「以上、今日の加蓮ちゃんの身の上話でした」

加蓮「……うん。改めて話すと、なんか自分がもっと馬鹿みたいに思えてきちゃった。どういう悩み方してんだろ、私」

藍子「……ご、ごほん。えっと、これは前にモバP(以下「P」)さんから聞いたお話ですけれど……」

藍子「悩むことや、考えることは、悪くないことだって思います」

加蓮「そう? すごい馬鹿なことなのに?」

藍子「そんなことないですっ。私だって、晩ごはんに何を食べたいかなって悩んだり、今日はどこにお出かけしようかなって、考えることもありますから」

加蓮「うんうん」

藍子「けれど、悩みすぎるのはよくないことらしいですよ。そのうち、悩むこと自体が目的になっちゃって――」

加蓮「悩むこと自体が目的……」

藍子「そうしたら、気持ちがすごく疲れちゃいますから。悩むのも、考えるのも、ほどほどってことですよねっ」
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2019/05/19(日) 19:34:22.43 ID:83iQpaqY0
藍子「……も、もし、私が思っているより加蓮ちゃんの悩み事が深刻なら――」

藍子「その時は、一緒に解決しましょ?」

藍子「ほら、どんなお話だって聞いちゃいますよ〜。私が、ここにいますよ〜」

加蓮「……、ここに来るまで緊張してどもりまくってた子の言うセリフ?」

藍子「それとこれとは別じゃないですかっ!!」

加蓮「しかも私の気持ちを計ることもしないで、勝手にどうでもいい悩み事って決めつけちゃってさー。自分勝手ー」

藍子「ばっ――変な悩み事だって繰り返し言ってたの加蓮ちゃんの方ですよ!? 本音を誤魔化してるって感じにも見えませんでしたしっ……」

加蓮「あはははっ!」

藍子「もうっ……!」
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2019/05/19(日) 19:34:51.17 ID:83iQpaqY0
加蓮「それこそ、藍子がこの前テラス席でやらかしちゃった時にもさ。私、似たことを考えてたの」

加蓮「ここで藍子とお喋りしていたい。一緒にいたい。テキトーなこと言って、笑って……」

加蓮「まー、たまには? 愚痴をぶつけちゃったり、お悩み聞いてもらったりして?」

藍子「……くすっ。そうですね。悩んでいることや困りごとを、いつも加蓮ちゃんに聞いてもらっています」

加蓮「聞いてあげています」

藍子「聞いてもらってますっ」

加蓮「……」

藍子「……」

加蓮「…………うん。私が聞いてもらってることの方が多いけどね」

藍子「あはは……。まあまあ。そういうのは、お互い様ですよ」
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2019/05/19(日) 19:35:21.19 ID:83iQpaqY0
藍子「でも、加蓮ちゃん。それって、いつもの私と加蓮ちゃんのことですよ?」

加蓮「でしょー? だから今はそれでいいの。特別何かをやりたいなんて思ってないし」

加蓮「けど、また何かやりたいなって思ったら――」

加蓮「その時は私に付き合いなさいよ? 藍子」

加蓮「私にここまで毒を回らせた罪は重いわよ。どんなことでも聞いてもらうんだからね?」

藍子「はい。じゃあ、加蓮ちゃんがどんなことを言ってくるのか、楽しみに待ってますね」

加蓮「ありがと」

藍子「どういたしまして」
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2019/05/19(日) 19:35:53.57 ID:83iQpaqY0
加蓮「……、」ズズ

藍子「……、」ズズ

加蓮「ふうっ」

藍子「ふ〜」

加蓮「ごちそうさまでした」

藍子「ごちそうさまでしたっ」

加蓮「……」

藍子「……」

加蓮「……なんか余裕しゃくしゃくなのムカつくなー。なんかとんでもないこと言ってやらせよっかなー」

藍子「加蓮ちゃんなら絶対そう言うって思いました! ……む、無理なことは無理ですからね?」

加蓮「あははっ」


【おしまい】
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