四島列島のスカイウォーカー鎮守府

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1 :1 [saga]:2019/05/12(日) 10:25:46.02 ID:rAt6C6H50
あおかなの続編が絶望的だということで心を落ち着かせるために建てました
艦これなのは1の趣味です

〜四島鎮守府、執務室〜

矢矧「…はい、この書類で終わりね。提督、本日の業務お疲れ様」

提督「ああ、お疲れ様。矢矧ももう上がっていいぞ」

提督(深海棲艦との和平も結んで、仕事が減ったおかげでだいぶ時間が余るようになったな)

提督(そうだ、深海棲艦が発生して以来海が封鎖されたせいでもう長いことアレを触ってないな…今日の業務も終わったことだし数年ぶりに楽しもうかな)

矢矧「そうさせてもらうわ。そうだ、ちょうどいい時間だしよかったら間宮に行かない?」

提督「いや、今日は遠慮しておくよ。ちょっとやりたいことがあってな、この後工廠に行くんだ」

矢矧「工廠に?開発でもするの?」

提督「ちょっと昔の趣味の道具を手入れしようと思ってな」

矢矧「仕事人間のあの提督が趣味?…ちょっと興味あるわね、ついて行ってもいいかしら?」

提督「失礼なやつだな…付いてくるのは構わんが、退屈かもしれないぞ」

矢矧「構わないわ。どうせこの後用事もないもの」

提督「わかった。俺は部屋に戻って道具を取ってから行くから15分後ぐらいに工廠で落ち合おう」

矢矧「わかったわ。それじゃ後でね」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1557624345
2 :1 [saga]:2019/05/12(日) 10:30:39.10 ID:rAt6C6H50
〜提督私室〜

提督「さて、俺のグラシュはどこにしまったんだっけか…お、あったあった俺の相棒」

提督(そういえば艦娘は深海棲艦よりも遅れて現れたからFCを知らないのか?和平が結ばれるまではまともな娯楽を楽しむ時間もなかったしな)

提督(この時間ならまだ明石も工廠にいるよな)

提督「ふむ…一応予備と昔に使ってたやつも持っていくか」
3 :1 [saga]:2019/05/12(日) 10:31:08.41 ID:rAt6C6H50
〜工廠〜

矢矧(さて、そろそろ提督も来ると思うけど…提督の趣味ってなんなのかしら?戦争中は艦娘達の相手や読書と音楽を聴いている姿ぐらいしか見たことがないけれど)

明石「あれ、矢矧さん?艤装の調整ですか?」

矢矧「こんにちは、明石さん。実は…(事情を説明)」

明石「へ〜、あの提督の趣味ですか。それは確かに気になりますね」

矢矧「でしょう?だから私も間宮よりもこっちを選んだんです」

提督「すまない、待たせたな。明石、少しスペースを借りるぞ」

明石「今日の仕事は遠征中の子達の艤装の調整だけだから好きに使ってください。それよりも提督、私もここで見ていってもいいですか?」

提督「ああ、もちろん。それじゃさっそく始めるかな」ゴソゴソ

明石(機械の靴?一体どんな機能が付いてるのかしら)

矢矧「提督、それは何?」

提督「やっぱり知らなかったか。これはアンチグラビトンシューズ、通称グラシュだ」
4 :1 [saga]:2019/05/12(日) 10:31:39.99 ID:rAt6C6H50
明石(アンチグラビトン…反重力?もしかして…いや、そんなまさか)
提督「十数年前、インドの大型ハドロン衝突型加速器による実験でとある粒子が発見された。その粒子は重力に反発する力を持っていて、このアンチグラビトンの発見によってとある画期的な靴が発明されたんだ。」カチャカチャ

矢矧「それがそのグラシュ?っていう靴のこと?」

明石「やっぱり…。提督!もしかしてそのグラシュの機能って…!」

提督「さすがに鋭いな。そう、このグラシュを履くことによって人類は空を飛ぶことが可能になったんだ」ピッピッ

矢矧「はぁ!?いやいや、いくらその粒子が重力に反発する力を持ってるからってさすがに人が空を飛べるわけないでしょう?少し浮くぐらいが限界なんじゃないの?ねえ明石さん?…明石さん?」

明石「反重力…足に発生させるだけじゃ危険すぎる…いえ、体全体をその粒子の膜で覆えば…?でもそれじゃ浮くだけが限界…そうか、重力と反重力を繰り返しで使えばもしかして…」ブツブツ

提督「論より証拠ってな、ちょうど調整も終わったし実際に見せてやるよ。工廠の裏に出よう、明石も行くぞー」
5 :1 [saga]:2019/05/12(日) 10:32:19.09 ID:rAt6C6H50
〜工廠裏)〜

提督「さてと、それじゃあ早速飛んで見せようか。矢矧、よかったら一緒に飛ぶか?」

矢矧「え、遠慮しておくわ。正直、人が空を飛ぶなんてまだ信じられないし、一緒に飛んでもし落ちたりしたらなんて考えると怖いわ」

提督「そうか、残念だな…まあ俺も久しぶりに飛ぶしまずは1人で感覚を思い出すとするかな」





そういって提督は私たちから10Mほど離れると深呼吸を行った。

提督「スゥー...ハァー...(長いこと放っておいてすまなかったな、俺の相棒、蒼燕) よし、行くぞ!」

そして、提督は戦争中には見せることのなかったおもちゃを買ってもらったばかりの少年のような笑顔で「フライ!!!」と叫んだ。

その直後、提督の装着した蒼色のグラシュから綺麗な羽が現れ、提督はまるで1羽の燕のごとく空へ飛び立った。そして、そのまま提督は時折戦闘機の回避運動のようなものも交えながら空を自由に飛び回り始めた。

矢矧「嘘…」

明石「やっぱり!すごい!本当に飛んでる!うわあ、どんなシステムなんだろう、気になるなー!」


提督(ははは、久しぶりだったけど上手く飛べたな。しばらく離れていても体は覚えてくれていたか。…それにしても、ああ、楽しい。楽しいなあ。そうだ、深海棲艦が現れるまで空はこんなにも広くて、自由で、美しかったんだ。俺達は、この空を取り戻せたんだ。今、ようやく実感が沸いた)

提督(8の字、急速上昇、急速旋回…昔のまま動けるな。しかし、もう少し飛ばしたいな)

矢矧(本当に飛んでる…いえ、まるで空を泳ぐ魚のようだわ。それに、とても楽しそう。あの靴を履けば私もあんな風に飛べるのかしら)ドキドキ

提督「矢矧―!明石―!少し辺りを飛んでくる!悪いが20分ぐらい待っててくれ!」

矢矧「え!?ちょっと提督!?…行っちゃった」

本当に人が飛んだという事実と、あまりにも楽しそうに空を飛ぶ提督の姿を見て、茫然としているうちに提督は行ってしまった。

さっきから興奮しっぱなしの明石さんと、私の胸の高揚を残して。


6 :1 [saga]:2019/05/12(日) 10:33:24.88 ID:rAt6C6H50
〜鎮守府近海〜

三日月「皆さん、もう少しで帰投です。気を抜かずに行きましょう」

睦月「三日月は平和になっても堅いにゃしい。もう和平を結んだんだからそこまで気を張らなくても大丈夫だよ」

弥生「睦月…油断して私たちが傷ついたら司令官も傷t…!」ヒュン!

望月「敵艦載機…ではないな。なんかものすごい速さで何か飛んでいったね」

文月「司令官の服っぽかったような気がするよー」

如月「でもさすがに司令官が空を飛ぶわけはないわよねえ」



〜弓道場〜

加賀「……ッ!……ふぅ」

飛龍「お見事です、加賀さん!流石ですね!」

蒼龍「次は私だね!よ−し…!?」ヒュン!

赤城「今…提督が空をものすごい速さで飛んでいたような…」

加賀・赤城・飛龍・蒼龍「…ないない」

その後、鎮守府では少しの間空を飛ぶ不審者のうわさが流れたという。
7 :1 [saga]:2019/05/12(日) 10:33:58.65 ID:rAt6C6H50
提督(楽しすぎてついうっかり近海まで出てしまったな、それにもう20分以上経ってる。もっと飛びたかったがあまり待たせるわけにもいかないし、戻るか)

矢矧「ふーん、FC(フライングサーカス)ね…」

提督が行ってから、グラシュについて調べていると、深海棲艦が現れる前、ここ四島列島ではグラシュを用いたスポーツが盛んだったらしい。動画を見ていると、競技用の衣装らしい服に身を包んだ人たちが激しい空中戦を繰り広げていた。

矢矧「…」ウズウズ

二水戦の旗艦として、仲間たち(主に神通)と戦果を競い、互いを高め合いながら深海棲艦との戦争を駆けた。そして、戦争は終わった。もう鬼や姫といった深海棲艦と争うこともなく、和平の意味さえ理解できない知能の低い個体に備えるだけの日々がやってきた。しかし、軍艦としての本能が戦いを求めている。体が戦いに飢えている。演習だけではこの欲求は満たされない。

提督が戻ってきたのは30分ほど経った頃だった。すまないと遅くなったことを詫びながら歩いてくる提督に、私は詰め寄り―――

「提督!私もグラシュ欲しい!」

と告げるのだった。


需要があれば続けます。続きは書くならリクエスト受けたりして各艦娘のグラシュを創作入れながら独断と偏見で決めてどんなスタイルのスカイウォーカーなのかとかを書いていくつもりです
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/12(日) 14:51:44.84 ID:dSbjjiwZO
乙!
此は続き期待
9 :1 [saga]:2019/05/12(日) 20:29:36.51 ID:rAt6C6H50
グラシュ(アンチグラビトンシューズ)
 重力に反発する反重力粒子の発見によって開発された夢の空飛ぶ靴。起動キー(例:「飛ぶにゃん」「いくにゃん」「我が翼に蒼の祝福を」)を呼ぶことでメンブレンと呼ばれる反重力粒子の膜で前進が覆われ、空中に浮くことができる。空中を移動する原理はメンブレンを濃くしたり薄くすることで重力と反重力の繰り返しを行って進む(リニアモーターカーに近い)。反重力粒子は物も浮かせられるが300sが限界であり、反重力粒子同士で反発しあうので多人数が同時に飛ぶのも無理。ただし、起動前に手をつないでから起動させると二人一緒にメンブレンで包まれ、浮くことが可能であり、これをペアリングという。

FC(フライングサーカス)
 深海棲艦発生前に行われていた、グラシュを用いた新興スポーツ。専用のグラシュを用いて、海上に設置された四つのブイ(一辺300m)に沿って時計回りに回りながら、ブイにタッチするか相手の背中にタッチしてポイントを稼ぎ、制限時間内に獲得したポイントが多かった方が勝ち。ブイに触らなければ次の直線にショートカットすることもできるが、その場合は相手と接触もしくは交差しないと次のブイにタッチできない。

スカイウォーカー
 FCの選手の総称。スタイルによってタイプが分かれる。
 ・スピーダー…その名の通りスピードに特化した選手で、主にブイへのタッチでポイントを稼ぐ。
 ・ファイター…短距離での小刻みな動きを得意とし、主にドッグファイト(空中での背中の取り合い)による背中へのタッチでポイントを稼ぐ。
・オールラウンダー…ファイターとスピーダーの中間。状況に応じた対応が可能。

提督「以上が大まかな説明になる、大体のことは頭に入ったか?」

矢矧「ええ、たぶん大丈夫よ。」

提督「よし、じゃあ細かいところは実戦形式で教えていこうか。まずは俺の予備を貸すから海岸で実際に体験してみよう」

矢矧「やった!早く行きましょう提督!」ピューン

提督「はは、矢矧にも意外と子供っぽいところがあったんだな。…けど、俺の趣味にあんなにも興味を持ってもらえるのは嬉しいな」

明石「提督―。私は放置ですか?」

提督「明石も飛びたいのか?グラシュならまだ予備があるが」

明石「いえ、どちらかというとそのグラシュそのものに興味がありますね。必ず元通りにするので一度バラして調べさせてもらえませんか?」

提督「少し不安だが、明石なら大丈夫か。じゃあこれを貸してやろう。気が済むまで調べていいぞ」

明石「やった!ありがとうございます!じゃあ私も早速調べてくるのでこれで失礼します!」

提督「やっぱりあいつは根っからの技術屋だったな。それに、もしかしたら明石なら…っと、そろそろ行かないと怒られるな」
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/12(日) 20:53:22.91 ID:VF71YgWn0
中途半端な知識だけど、確か女の子達が空飛んで
競い合うスポーツ作品でアニメだと群象の中の人も出てた奴だったかな?
ちょっとしか知らないけど評判メチャ良かった記憶有るのに続編出ないのか
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