他の閲覧方法【
専用ブラウザ
ガラケー版リーダー
スマホ版リーダー
BBS2ch
DAT
】
↓
VIP Service
SS速報VIP
更新
検索
全部
最新50
千歌「ポケットモンスターAqours!」 Part2
Check
Tweet
260 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/15(水) 15:35:25.60 ID:YHpk3Rh50
曜「ラプラス! “みずでっぽう”!」
「キュゥーーー」
《 “みずでっぽう” かわいさ 〔 たくさん アピール できる 〕 ♡×20
ラプラス +♡x20 ExB+♡♡ ExP-♥♥
Total [ ♡♡♡♡♡⁵♡♡♡♡♡¹⁰♡♡♡♡♡¹⁵♡♡♡♡♡²⁰♡♡♡♡♡²⁵♡♡♡♡♡³⁰♡♡♡♡♡³⁵♡♡♡♡♡⁴⁰♡♡♡♡♡⁴⁵♡♡♡♡♡⁵⁰
♡♡♡♡♡⁵⁵♡♡♡♡♡⁶⁰♡♡♡♡♡⁶⁵♡♡♡♡♡⁷⁰♡♡♡♡♡⁷⁵♡♡♡♡♡⁸⁰♡♡♡ ] 》
《 エキサイトゲージ Co【★★★★★】 Be【★★★★★】 Cu【☆☆★★★】 Ge【★★★★★】 Po【★★★★★】 》
ラプラスが口から水を噴き出す。
少量の水を一生懸命出すラプラスの姿に会場は癒やされる。
曜(ここは手堅くでいい……)
司会『かわいらしいアピールですねぇ……ラプラス堅実に点を稼ぎます。このターン最後のアピールはチルタリスです!』
ことり(タイミング……かみ合った!)
ことり「サポート! モクロー、“からげんき”!」
「ホホー」
《 Support “からげんき” かわいさ 〔 1番最後に アピールすると 会場が とても 盛り上がる 〕 ♡×10〜♡×30
モクロー +♡x30 ExB+♡ ExP-♥♥ ──[x0.5]→ ♡×15
Total [ ♡♡♡♡♡⁵♡♡♡♡♡¹⁰♡♡♡♡♡¹⁵♡♡♡♡♡²⁰♡♡♡♡♡²⁵♡♡♡♡♡³⁰♡♡♡♡♡³⁵♡♡♡♡♡⁴⁰♡♡♡♡♡⁴⁵♡♡♡♡♡⁵⁰
♡♡♡♡♡⁵⁵♡♡♡ ] 》
《 エキサイトゲージ Co【★★★★★】 Be【★★★★★】 Cu【☆☆☆★★】 Ge【★★★★★】 Po【★★★★★】 》
ことり「更にサポート! ジュナイパー、“くさむすび”!」
「ジュナ……!」
《 Support “くさむすび” かわいさ 〔 みんなの あとで アピールするほど すごい アピールに みせられる 〕 ♡×5〜♡x30
ジュナイパー +♡x30 ExB+♡ ExP-♥♥ ──[x0.5]→ ♡×15
Total [ ♡♡♡♡♡⁵♡♡♡♡♡¹⁰♡♡♡♡♡¹⁵♡♡♡♡♡²⁰♡♡♡♡♡²⁵♡♡♡♡♡³⁰♡♡♡♡♡³⁵♡♡♡♡♡⁴⁰♡♡♡♡♡⁴⁵♡♡♡♡♡⁵⁰
♡♡♡♡♡⁵⁵♡♡♡♡♡⁶⁰♡♡♡♡♡⁶⁵♡♡♡♡♡⁷⁰♡♡♡ ] 》
《 エキサイトゲージ Co【★★★★★】 Be【★★★★★】 Cu【☆☆☆☆★】 Ge【★★★★★】 Po【★★★★★】 》
ことり「チルタリス! “なきごえ”!」
「チルゥゥゥ〜〜」
《 “なきごえ” かわいさ 〔 1番最後に アピールすると 会場が とても 盛り上がる 〕 ♡×10〜♡x30
チルタリス +♡x30 ExB+♡♡ ExP-♥♥
Total [ ♡♡♡♡♡⁵♡♡♡♡♡¹⁰♡♡♡♡♡¹⁵♡♡♡♡♡²⁰♡♡♡♡♡²⁵♡♡♡♡♡³⁰♡♡♡♡♡³⁵♡♡♡♡♡⁴⁰♡♡♡♡♡⁴⁵♡♡♡♡♡⁵⁰
♡♡♡♡♡⁵⁵♡♡♡♡♡⁶⁰♡♡♡♡♡⁶⁵♡♡♡♡♡⁷⁰♡♡♡♡♡⁷⁵♡♡♡♡♡⁸⁰♡♡♡♡♡⁸⁵♡♡♡♡♡⁹⁰♡♡♡♡♡⁹⁵♡♡♡♡♡¹⁰⁰
♡♡♡ ] 》
《 エキサイトゲージ Co【★★★★★】 Be【★★★★★】 Cu【☆☆☆☆☆】 Ge【★★★★★】 Po【★★★★★】 》
261 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/15(水) 15:38:47.75 ID:YHpk3Rh50
ことりが立て続けにかわいさ技でアピールをする。
それによってかわいさエキサイトが一気のMAXまで達し──それと同時にことりのメガネックレスが光り輝く。
ことり「いくよー! “らぶりー☆ワンダリング”!」
「チルゥゥゥゥ〜〜〜」
《 “らぶりー☆ワンダリング” かわいさ 〔 かわいさ部門 フェアリータイプの ライブアピール 〕 ♡♡♡♡♡
チルタリス +♡♡♡♡♡ MEB+♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡
Total [ ♡♡♡♡♡⁵♡♡♡♡♡¹⁰♡♡♡♡♡¹⁵♡♡♡♡♡²⁰♡♡♡♡♡²⁵♡♡♡♡♡³⁰♡♡♡♡♡³⁵♡♡♡♡♡⁴⁰♡♡♡♡♡⁴⁵♡♡♡♡♡⁵⁰
♡♡♡♡♡⁵⁵♡♡♡♡♡⁶⁰♡♡♡♡♡⁶⁵♡♡♡♡♡⁷⁰♡♡♡♡♡⁷⁵♡♡♡♡♡⁸⁰♡♡♡♡♡⁸⁵♡♡♡♡♡⁹⁰♡♡♡♡♡⁹⁵♡♡♡♡♡¹⁰⁰
♡♡♡♡♡¹⁰⁵♡♡♡♡♡¹¹⁰♡♡♡♡♡¹¹⁵♡♡♡ ] 》
《 エキサイトゲージ Co【★★★★★】 Be【★★★★★】 Cu【☆☆☆☆☆】⇒【★★★★★】 Ge【★★★★★】 Po【★★★★★】 》
あふれ出るフェアリーのオーラと共に、チルタリスが一気に光に包まれ──
「チルゥゥゥ〜〜〜」
あふれ出るメルヘンなオーラと共に、大きく成長した綿雲を伸ばす。
司会『チルタリス!! ここでメガシンカです!! ライブアピールを成功させ、さらにメガシンカによるボーナスを得てトップへと躍り出ました!』
あんじゅ(タイミングが完璧ね……)
志満(一気にことりちゃんのペース……!)
曜(さ、さすがことりさん……!)
ことり(よっし……! かわいさ部門の間にアピールしないとだからね! 大成功!)
262 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/15(水) 15:39:54.46 ID:YHpk3Rh50
《 3ターン目結果 ([ ]内はこのターンまでに手に入れた♡合計)
ビビヨン ♡×32 ♥♥♥ [ ♡♡♡♡♡⁵♡♡♡♡♡¹⁰♡♡♡♡♡¹⁵♡♡♡♡♡²⁰♡♡♡♡♡²⁵♡♡♡♡♡³⁰♡♡♡♡♡³⁵♡♡♡♡♡⁴⁰♡♡♡♡♡⁴⁵♡♡♡♡♡⁵⁰
♡♡♡♡♡⁵⁵♡♡♡♡♡⁶⁰♡♡♡♡♡⁶⁵♡♡♡♡♡⁷⁰♡♡♡♡
]
ギガイアスC ♡×16 ♥♥♥ [ ♡♡♡♡♡⁵♡♡♡♡♡¹⁰♡♡♡♡♡¹⁵♡♡♡♡♡²⁰♡♡♡♡♡²⁵♡♡♡♡♡³⁰♡♡♡♡♡³⁵♡♡♡♡♡⁴⁰♡♡♡♡♡⁴⁵♡♡♡♡♡⁵⁰
♡♡♡♡♡⁵⁵♡♡♡♡♡⁶⁰♡♡♡♡♡⁶⁵♡♡♡♡♡⁷⁰♡♡♡♡♡⁷⁵♡♡♡♡♡⁸⁰♡♡♡♡♡⁸⁵♡♡♡♡♡⁹⁰♡♡♡♡♡⁹⁵♡
]
ラプラス ♡×22 ♥♥ [ ♡♡♡♡♡⁵♡♡♡♡♡¹⁰♡♡♡♡♡¹⁵♡♡♡♡♡²⁰♡♡♡♡♡²⁵♡♡♡♡♡³⁰♡♡♡♡♡³⁵♡♡♡♡♡⁴⁰♡♡♡♡♡⁴⁵♡♡♡♡♡⁵⁰
♡♡♡♡♡⁵⁵♡♡♡♡♡⁶⁰♡♡♡♡♡⁶⁵♡♡♡♡♡⁷⁰♡♡♡♡♡⁷⁵♡♡♡♡♡⁸⁰♡♡♡
]
チルタリス ♡×79 ♥♥♥♥ [ ♡♡♡♡♡⁵♡♡♡♡♡¹⁰♡♡♡♡♡¹⁵♡♡♡♡♡²⁰♡♡♡♡♡²⁵♡♡♡♡♡³⁰♡♡♡♡♡³⁵♡♡♡♡♡⁴⁰♡♡♡♡♡⁴⁵♡♡♡♡♡⁵⁰
♡♡♡♡♡⁵⁵♡♡♡♡♡⁶⁰♡♡♡♡♡⁶⁵♡♡♡♡♡⁷⁰♡♡♡♡♡⁷⁵♡♡♡♡♡⁸⁰♡♡♡♡♡⁸⁵♡♡♡♡♡⁹⁰♡♡♡♡♡⁹⁵♡♡♡♡♡¹⁰⁰
♡♡♡♡♡¹⁰⁵♡♡♡♡♡¹¹⁰♡♡♡♡♡¹¹⁵♡♡♡ ] 》
司会『さあ、4ターン目に移ります! ルーレットスタート!』
4回目のルーレットが始まる。
志満(これで4つ目の部門だから……このターンに出た部門で、残りの最後の部門も決まる)
ことり(ここで組み立てきれるかの勝負……!)
司会『さて、4ターン目は──かしこさ部門です!』
曜(かしこさ……)
あんじゅ(うつくしさは最後……いい流れじゃない)
* * *
263 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/15(水) 15:40:53.39 ID:YHpk3Rh50
4ターン目──かしこさ。
ことり(かしこさは皆、比較的苦手なはず……)
あんじゅ(一次審査は曜のラプラスだったけど……あれも、イメージ先行よね)
曜「…………」
他の参加者がこのターンはうまく流そうと考える中、一人思案顔の曜。
志満(曜ちゃん、何か策があるのかしら……? でも、どっちにしろ最後尾につけてる私が、やることは一つ)
司会『さあ、4ターン目! アピール順番はチルタリス、ビビヨン、ラプラス、ギガイアスです!!』
ことり(ならここで強引に稼ぐのも手だよね……!)
ことり「サポート! モクロー、“にほんばれ”!! ジュナイパー、“こうごうせい”!!」
「ホホーー」 「ジュナイッ」
《 Support “にほんばれ” うつくしさ 〔 会場が 盛り上がっている ほど アピールが 気に入られる 〕 ♡×5〜♡×30
モクロー +♡♡♡♡♡ ExB+♡ ExP-♥♥ ──[x0.5]→ ♡♡
Total [ ♡♡♡♡♡⁵♡♡♡♡♡¹⁰♡♡♡♡♡¹⁵♡♡♡♡♡²⁰♡♡♡♡♡²⁵♡♡♡♡♡³⁰♡♡♡♡♡³⁵♡♡♡♡♡⁴⁰♡♡♡♡♡⁴⁵♡♡♡♡♡⁵⁰
♡♡♡♡♡⁵⁵♡♡♡♡♡⁶⁰♡♡♡♡♡⁶⁵♡♡♡♡♡⁷⁰♡♡♡♡♡⁷⁵♡♡♡♡♡⁸⁰♡♡♡♡♡⁸⁵♡♡♡♡♡⁹⁰♡♡♡♡♡⁹⁵♡♡♡♡♡¹⁰⁰
♡♡♡♡♡¹⁰⁵♡♡♡♡♡¹¹⁰♡♡♡♡♡¹¹⁵♡♡♡♡♡¹²⁰ ] 》
《 エキサイトゲージ Co【★★★★★】 Be【☆★★★★】 Cu【★★★★★】 Ge【★★★★★】 Po【★★★★★】 》
《 Support “こうごうせい” かしこさ 〔 だすときに よって アピールの 出来具合が いろいろと 変わる 〕 ♡×5〜♡×40
ジュナイパー +♡×20 CB+♡×15 ExB+♡ ExP-♥♥ ──[x0.5]→ ♡×17
Total [ ♡♡♡♡♡⁵♡♡♡♡♡¹⁰♡♡♡♡♡¹⁵♡♡♡♡♡²⁰♡♡♡♡♡²⁵♡♡♡♡♡³⁰♡♡♡♡♡³⁵♡♡♡♡♡⁴⁰♡♡♡♡♡⁴⁵♡♡♡♡♡⁵⁰
♡♡♡♡♡⁵⁵♡♡♡♡♡⁶⁰♡♡♡♡♡⁶⁵♡♡♡♡♡⁷⁰♡♡♡♡♡⁷⁵♡♡♡♡♡⁸⁰♡♡♡♡♡⁸⁵♡♡♡♡♡⁹⁰♡♡♡♡♡⁹⁵♡♡♡♡♡¹⁰⁰
♡♡♡♡♡¹⁰⁵♡♡♡♡♡¹¹⁰♡♡♡♡♡¹¹⁵♡♡♡♡♡¹²⁰♡♡♡♡♡¹²⁵♡♡♡♡♡¹³⁰♡♡♡♡♡¹³⁵♡♡ ] 》
《 エキサイトゲージ Co【★★★★★】 Be【★★★★★】 Cu【★★★★★】 Ge【☆★★★★】 Po【★★★★★】 》
モクローが天気を晴れにし、その陽光を使ってジュナイパーが回復をする。
司会『サポートポケモン同士でコンボを決めての点稼ぎです! ただ、“こうごうせい”自体のキレはまずまずと言ったところでしょうか』
264 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/15(水) 15:41:34.06 ID:YHpk3Rh50
ことり「チルタリス! “コットンガード”!」
「チルッ」
《 “コットンガード” かわいさ 〔 ほかの ポケモンに 驚かされても がまんできる 〕 ♡×5 ◆
チルタリス◆ +♡♡♡♡♡ ExB+♡ ExP-♥♥
Total [ ♡♡♡♡♡⁵♡♡♡♡♡¹⁰♡♡♡♡♡¹⁵♡♡♡♡♡²⁰♡♡♡♡♡²⁵♡♡♡♡♡³⁰♡♡♡♡♡³⁵♡♡♡♡♡⁴⁰♡♡♡♡♡⁴⁵♡♡♡♡♡⁵⁰
♡♡♡♡♡⁵⁵♡♡♡♡♡⁶⁰♡♡♡♡♡⁶⁵♡♡♡♡♡⁷⁰♡♡♡♡♡⁷⁵♡♡♡♡♡⁸⁰♡♡♡♡♡⁸⁵♡♡♡♡♡⁹⁰♡♡♡♡♡⁹⁵♡♡♡♡♡¹⁰⁰
♡♡♡♡♡¹⁰⁵♡♡♡♡♡¹¹⁰♡♡♡♡♡¹¹⁵♡♡♡♡♡¹²⁰♡♡♡♡♡¹²⁵♡♡♡♡♡¹³⁰♡♡♡♡♡¹³⁵♡♡♡♡♡¹⁴⁰♡ ] 》
《 エキサイトゲージ Co【★★★★★】 Be【★★★★★】 Cu【☆★★★★】 Ge【☆★★★★】 Po【★★★★★】 》
ことり(もちろん、防御もちゃんとする……! 志満ちゃんは絶対妨害してくるもんね!)
あんじゅ「サポート。アゲハント、“あさのひざし”!」
「ハーントーー!!!!」
《 Support “あさのひざし” うつくしさ 〔 だすときに よって アピールの 出来具合が いろいろと 変わる 〕 ♡×5〜♡×40
アゲハント +♡×40 ExB+♡ ExP-♥♥ ──[x0.5]→ ♡×20
Total [ ♡♡♡♡♡⁵♡♡♡♡♡¹⁰♡♡♡♡♡¹⁵♡♡♡♡♡²⁰♡♡♡♡♡²⁵♡♡♡♡♡³⁰♡♡♡♡♡³⁵♡♡♡♡♡⁴⁰♡♡♡♡♡⁴⁵♡♡♡♡♡⁵⁰
♡♡♡♡♡⁵⁵♡♡♡♡♡⁶⁰♡♡♡♡♡⁶⁵♡♡♡♡♡⁷⁰♡♡♡♡♡⁷⁵♡♡♡♡♡⁸⁰♡♡♡♡♡⁸⁵♡♡♡♡♡⁹⁰♡♡♡♡ ] 》
《 エキサイトゲージ Co【★★★★★】 Be【☆★★★★】 Cu【☆★★★★】 Ge【★★★★★】 Po【★★★★★】 》
司会『さあ、こちらも部門を無視してのアピール! ですが、先ほどの“こうごうせい”よりも遥かにうまく行っていますね!!』
あんじゅ「さらにサポート! バタフリー“しんぴのまもり”!」
「フリーフリー」
《 Support “しんぴのまもり” うつくしさ 〔 ほかの ポケモンに 驚かされても 一回 くらいは がまんできる 〕 ♡×10 ◆
バタフリー +♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡ ExB+♡ ExP-♥♥ ──[x0.5]→ ♡♡♡♡♡
Total [ ♡♡♡♡♡⁵♡♡♡♡♡¹⁰♡♡♡♡♡¹⁵♡♡♡♡♡²⁰♡♡♡♡♡²⁵♡♡♡♡♡³⁰♡♡♡♡♡³⁵♡♡♡♡♡⁴⁰♡♡♡♡♡⁴⁵♡♡♡♡♡⁵⁰
♡♡♡♡♡⁵⁵♡♡♡♡♡⁶⁰♡♡♡♡♡⁶⁵♡♡♡♡♡⁷⁰♡♡♡♡♡⁷⁵♡♡♡♡♡⁸⁰♡♡♡♡♡⁸⁵♡♡♡♡♡⁹⁰♡♡♡♡♡⁹⁵♡♡♡♡ ] 》
《 エキサイトゲージ Co【★★★★★】 Be【☆☆★★★】 Cu【☆★★★★】 Ge【★★★★★】 Po【★★★★★】 》
あんじゅ(防御も固めて──更に、アピール)
265 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/15(水) 15:42:30.45 ID:YHpk3Rh50
あんじゅ「ビビヨン! “ふんじん”!」
「リィリィ〜」
《 “ふんじん” かしこさ 〔 盛り上がらない アピールだったとき 会場が とても しらけてしまう 〕 ♡×20
ビビヨン◆ +♡×20 ExB+♡♡ ExP-♥♥
Total [ ♡♡♡♡♡⁵♡♡♡♡♡¹⁰♡♡♡♡♡¹⁵♡♡♡♡♡²⁰♡♡♡♡♡²⁵♡♡♡♡♡³⁰♡♡♡♡♡³⁵♡♡♡♡♡⁴⁰♡♡♡♡♡⁴⁵♡♡♡♡♡⁵⁰
♡♡♡♡♡⁵⁵♡♡♡♡♡⁶⁰♡♡♡♡♡⁶⁵♡♡♡♡♡⁷⁰♡♡♡♡♡⁷⁵♡♡♡♡♡⁸⁰♡♡♡♡♡⁸⁵♡♡♡♡♡⁹⁰♡♡♡♡♡⁹⁵♡♡♡♡♡¹⁰⁰
♡♡♡♡♡¹⁰⁵♡♡♡♡♡¹¹⁰♡♡♡♡♡¹¹⁵♡♡♡♡ ] 》
《 エキサイトゲージ Co【★★★★★】 Be【☆★★★★】 Cu【☆★★★★】 Ge【☆☆★★★】 Po【★★★★★】 》
ビビヨンが“りんぷん”をばら撒き、“ふんじん”が会場を舞う。
本来はバトルで相手のほのお技を誘って、粉塵爆発によって自滅させる技だ。
司会『ビビヨン、ここでトラップ技です! トラップを仕掛けるのは頭の良い証拠ですね。手堅く得点を得ます!』
曜「…………」
司会『さあ、次はラプラスの番です! お願いします』
曜「タマンタ、“てだすけ”!」
「タマタマ〜〜」
《 Support “てだすけ” かしこさ 〔 たくさん アピール できる 〕 ♡×20
タマンタ +♡×20 ExB+♡ ExP-♥♥ ──[x0.5]→ ♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡
Total [ ♡♡♡♡♡⁵♡♡♡♡♡¹⁰♡♡♡♡♡¹⁵♡♡♡♡♡²⁰♡♡♡♡♡²⁵♡♡♡♡♡³⁰♡♡♡♡♡³⁵♡♡♡♡♡⁴⁰♡♡♡♡♡⁴⁵♡♡♡♡♡⁵⁰
♡♡♡♡♡⁵⁵♡♡♡♡♡⁶⁰♡♡♡♡♡⁶⁵♡♡♡♡♡⁷⁰♡♡♡♡♡⁷⁵♡♡♡♡♡⁸⁰♡♡♡♡♡⁸⁵♡♡♡♡♡⁹⁰♡♡♡ ] 》
《 エキサイトゲージ Co【★★★★★】 Be【★★★★★】 Cu【☆★★★★】 Ge【☆☆☆★★】 Po【★★★★★】 》
タマンタが“てだすけ”の体勢に入る。
司会『これまたバトルで役に立つ、かしこい技です!』
あんじゅ(……このタイミングで?)
ことり(わざわざ、サポート回数を消費して“てだすけ”……?)
266 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/15(水) 15:43:40.09 ID:YHpk3Rh50
曜「……カメックス、“あくび”!!」
志満「……え!? “あくび”!?」
志満が驚きの声をあげた。
「ガメェ〜〜……」
《 Support “あくび” かわいさ 〔 このあと アピールする ポケモン みんなを 緊張させる 〕 ♡×10
カメックス +♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡ ExB+♡ ExP-♥♥ ──[x0.5]→ ♡♡♡♡♡
Total [ ♡♡♡♡♡⁵♡♡♡♡♡¹⁰♡♡♡♡♡¹⁵♡♡♡♡♡²⁰♡♡♡♡♡²⁵♡♡♡♡♡³⁰♡♡♡♡♡³⁵♡♡♡♡♡⁴⁰♡♡♡♡♡⁴⁵♡♡♡♡♡⁵⁰
♡♡♡♡♡⁵⁵♡♡♡♡♡⁶⁰♡♡♡♡♡⁶⁵♡♡♡♡♡⁷⁰♡♡♡♡♡⁷⁵♡♡♡♡♡⁸⁰♡♡♡♡♡⁸⁵♡♡♡♡♡⁹⁰♡♡♡♡♡⁹⁵♡♡♡ ] 》
《 エキサイトゲージ Co【★★★★★】 Be【★★★★★】 Cu【☆☆★★★】 Ge【☆☆☆★★】 Po【★★★★★】 》
「ギガイ……」
司会『おっとぉ!? ギガイアス、“あくび”に眠気を誘われてしまいました!!』
志満(逆に妨害された……!?)
ことり(……緊張狙いで曜ちゃんは防御せずに得点を稼いだ……?)
あんじゅ(いや……それだけじゃない……“あくび”、その手があったか)
曜「ラプラス!! “ゆめくい”!!」
「キュゥゥゥ〜〜〜」
《 “ゆめくい” かしこさ 〔 1つ前の ポケモンの アピールと タイプが 同じなら 気に入られる 〕 ♡×10〜♡×30
ラプラス +♡×30 CB+♡×15 ExB+♡♡ ExP-♥♥
Total [ ♡♡♡♡♡⁵♡♡♡♡♡¹⁰♡♡♡♡♡¹⁵♡♡♡♡♡²⁰♡♡♡♡♡²⁵♡♡♡♡♡³⁰♡♡♡♡♡³⁵♡♡♡♡♡⁴⁰♡♡♡♡♡⁴⁵♡♡♡♡♡⁵⁰
♡♡♡♡♡⁵⁵♡♡♡♡♡⁶⁰♡♡♡♡♡⁶⁵♡♡♡♡♡⁷⁰♡♡♡♡♡⁷⁵♡♡♡♡♡⁸⁰♡♡♡♡♡⁸⁵♡♡♡♡♡⁹⁰♡♡♡♡♡⁹⁵♡♡♡♡♡¹⁰⁰
♡♡♡♡♡¹⁰⁵♡♡♡♡♡¹¹⁰♡♡♡♡♡¹¹⁵♡♡♡♡♡¹²⁰♡♡♡♡♡¹²⁵♡♡♡♡♡¹³⁰♡♡♡♡♡¹³⁵♡♡♡♡♡¹⁴⁰♡♡♡ ] 》
《 エキサイトゲージ Co【★★★★★】 Be【★★★★★】 Cu【☆☆★★★】 Ge【☆☆☆☆☆】 Po【★★★★★】 》
ラプラスが夢現な状態のギガイアスから夢を食べてアピールをする。
司会『“あくび”で眠気を誘ってからの“ゆめくい”!! これはかしこいコンボです!! ラプラスここでカメックスとのコンビネーションで後続を緊張させつつコンボを成立させました!!』
267 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/15(水) 15:44:19.42 ID:YHpk3Rh50
志満(し、しかも……)
あんじゅ(それだけじゃない……!)
ことり(かしこさエキサイトがMAXになった……!)
曜「“アブソリュートジニアス”!!!」
「キュゥゥゥゥゥーーーーー!!!!!!」
《 “アブソリュートジニアス” かしこさ 〔 かしこさ部門 こおりタイプの ライブアピール 〕 ♡♡♡♡♡
ラプラス +♡♡♡♡♡
Total [ ♡♡♡♡♡⁵♡♡♡♡♡¹⁰♡♡♡♡♡¹⁵♡♡♡♡♡²⁰♡♡♡♡♡²⁵♡♡♡♡♡³⁰♡♡♡♡♡³⁵♡♡♡♡♡⁴⁰♡♡♡♡♡⁴⁵♡♡♡♡♡⁵⁰
♡♡♡♡♡⁵⁵♡♡♡♡♡⁶⁰♡♡♡♡♡⁶⁵♡♡♡♡♡⁷⁰♡♡♡♡♡⁷⁵♡♡♡♡♡⁸⁰♡♡♡♡♡⁸⁵♡♡♡♡♡⁹⁰♡♡♡♡♡⁹⁵♡♡♡♡♡¹⁰⁰
♡♡♡♡♡¹⁰⁵♡♡♡♡♡¹¹⁰♡♡♡♡♡¹¹⁵♡♡♡♡♡¹²⁰♡♡♡♡♡¹²⁵♡♡♡♡♡¹³⁰♡♡♡♡♡¹³⁵♡♡♡♡♡¹⁴⁰♡♡♡ ] 》
《 エキサイトゲージ Co【★★★★★】 Be【★★★★★】 Cu【☆☆★★★】 Ge【☆☆☆☆☆】⇒【★★★★★】 Po【★★★★★】 》
ラプラスが周囲に冷気を放つ。
氷付いた周囲の空気が氷の結晶となり、会場のライトを反射して、煌いている。
司会『こおりタイプのエネルギーを利用した、光のイリュージョン!! ライブアピールを成功させ、ラプラス大量得点です!! トップを走っていたチルタリスを僅かに追い抜き、トップに躍り出ました!! 一方、ギガイアスは緊張してしまっております……!!』
志満「……っ……。サポート! ゴローニャ!! “だいばくはつ”!!」
「ゴローーーーニャッ!!!!!!!!」
《 Support “だいばくはつ” うつくしさ 〔 すごいアピールに なるが このあと 最後まで なにも できなくなる 〕 ♡×40
ゴローニャ +♡×40 ExB+♡ ExP-♥♥ ──[x0.5]→ ♡×20
Total [ ♡♡♡♡♡⁵♡♡♡♡♡¹⁰♡♡♡♡♡¹⁵♡♡♡♡♡²⁰♡♡♡♡♡²⁵♡♡♡♡♡³⁰♡♡♡♡♡³⁵♡♡♡♡♡⁴⁰♡♡♡♡♡⁴⁵♡♡♡♡♡⁵⁰
♡♡♡♡♡⁵⁵♡♡♡♡♡⁶⁰♡♡♡♡♡⁶⁵♡♡♡♡♡⁷⁰♡♡♡♡♡⁷⁵♡♡♡♡♡⁸⁰♡♡♡♡♡⁸⁵♡♡♡♡♡⁹⁰♡♡♡♡♡⁹⁵♡♡♡♡♡¹⁰⁰
♡♡♡♡♡¹⁰⁵♡♡♡♡♡¹¹⁰♡♡♡♡♡¹¹⁵♡ ] 》
《 エキサイトゲージ Co【★★★★★】 Be【☆★★★★】 Cu【☆☆★★★】 Ge【★★★★★】 Po【★★★★★】 》
268 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/15(水) 15:46:24.52 ID:YHpk3Rh50
サポート、ゴローニャは自爆技で得点を稼ぐが、
「ギガイ……ァ……」
《 ギガイアス 緊張して しまった
Total [ ♡♡♡♡♡⁵♡♡♡♡♡¹⁰♡♡♡♡♡¹⁵♡♡♡♡♡²⁰♡♡♡♡♡²⁵♡♡♡♡♡³⁰♡♡♡♡♡³⁵♡♡♡♡♡⁴⁰♡♡♡♡♡⁴⁵♡♡♡♡♡⁵⁰
♡♡♡♡♡⁵⁵♡♡♡♡♡⁶⁰♡♡♡♡♡⁶⁵♡♡♡♡♡⁷⁰♡♡♡♡♡⁷⁵♡♡♡♡♡⁸⁰♡♡♡♡♡⁸⁵♡♡♡♡♡⁹⁰♡♡♡♡♡⁹⁵♡♡♡♡♡¹⁰⁰
♡♡♡♡♡¹⁰⁵♡♡♡♡♡¹¹⁰♡♡♡♡♡¹¹⁵♡ ] 》
《 エキサイトゲージ Co【★★★★★】 Be【☆★★★★】 Cu【☆☆★★★】 Ge【★★★★★】 Po【★★★★★】 》
カメックスからの妨害で動けなくなったギガイアスはこのターンは行動できずにターンが終了する。
269 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/15(水) 15:48:48.80 ID:YHpk3Rh50
《 4ターン目結果 ([ ]内はこのターンまでに手に入れた♡合計)
チルタリス ♡×27 ♥♥♥♥ [ ♡♡♡♡♡⁵♡♡♡♡♡¹⁰♡♡♡♡♡¹⁵♡♡♡♡♡²⁰♡♡♡♡♡²⁵♡♡♡♡♡³⁰♡♡♡♡♡³⁵♡♡♡♡♡⁴⁰♡♡♡♡♡⁴⁵♡♡♡♡♡⁵⁰
♡♡♡♡♡⁵⁵♡♡♡♡♡⁶⁰♡♡♡♡♡⁶⁵♡♡♡♡♡⁷⁰♡♡♡♡♡⁷⁵♡♡♡♡♡⁸⁰♡♡♡♡♡⁸⁵♡♡♡♡♡⁹⁰♡♡♡♡♡⁹⁵♡♡♡♡♡¹⁰⁰
♡♡♡♡♡¹⁰⁵♡♡♡♡♡¹¹⁰♡♡♡♡♡¹¹⁵♡♡♡♡♡¹²⁰♡♡♡♡♡¹²⁵♡♡♡♡♡¹³⁰♡♡♡♡♡¹³⁵♡♡♡♡♡¹⁴⁰♡ ]
ビビヨン ♡×49 ♥♥♥♥ [ ♡♡♡♡♡⁵♡♡♡♡♡¹⁰♡♡♡♡♡¹⁵♡♡♡♡♡²⁰♡♡♡♡♡²⁵♡♡♡♡♡³⁰♡♡♡♡♡³⁵♡♡♡♡♡⁴⁰♡♡♡♡♡⁴⁵♡♡♡♡♡⁵⁰
♡♡♡♡♡⁵⁵♡♡♡♡♡⁶⁰♡♡♡♡♡⁶⁵♡♡♡♡♡⁷⁰♡♡♡♡♡⁷⁵♡♡♡♡♡⁸⁰♡♡♡♡♡⁸⁵♡♡♡♡♡⁹⁰♡♡♡♡♡⁹⁵♡♡♡♡♡¹⁰⁰
♡♡♡♡♡¹⁰⁵♡♡♡♡♡¹¹⁰♡♡♡♡♡¹¹⁵♡♡♡♡ ]
270 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/15(水) 15:49:31.52 ID:YHpk3Rh50
ラプラス ♡×69 ♥♥♥♥ [ ♡♡♡♡♡⁵♡♡♡♡♡¹⁰♡♡♡♡♡¹⁵♡♡♡♡♡²⁰♡♡♡♡♡²⁵♡♡♡♡♡³⁰♡♡♡♡♡³⁵♡♡♡♡♡⁴⁰♡♡♡♡♡⁴⁵♡♡♡♡♡⁵⁰
♡♡♡♡♡⁵⁵♡♡♡♡♡⁶⁰♡♡♡♡♡⁶⁵♡♡♡♡♡⁷⁰♡♡♡♡♡⁷⁵♡♡♡♡♡⁸⁰♡♡♡♡♡⁸⁵♡♡♡♡♡⁹⁰♡♡♡♡♡⁹⁵♡♡♡♡♡¹⁰⁰
♡♡♡♡♡¹⁰⁵♡♡♡♡♡¹¹⁰♡♡♡♡♡¹¹⁵♡♡♡♡♡¹²⁰♡♡♡♡♡¹²⁵♡♡♡♡♡¹³⁰♡♡♡♡♡¹³⁵♡♡♡♡♡¹⁴⁰♡♡♡ ]
ギガイアス ♡×21 ♥ [ ♡♡♡♡♡⁵♡♡♡♡♡¹⁰♡♡♡♡♡¹⁵♡♡♡♡♡²⁰♡♡♡♡♡²⁵♡♡♡♡♡³⁰♡♡♡♡♡³⁵♡♡♡♡♡⁴⁰♡♡♡♡♡⁴⁵♡♡♡♡♡⁵⁰
♡♡♡♡♡⁵⁵♡♡♡♡♡⁶⁰♡♡♡♡♡⁶⁵♡♡♡♡♡⁷⁰♡♡♡♡♡⁷⁵♡♡♡♡♡⁸⁰♡♡♡♡♡⁸⁵♡♡♡♡♡⁹⁰♡♡♡♡♡⁹⁵♡♡♡♡♡¹⁰⁰
♡♡♡♡♡¹⁰⁵♡♡♡♡♡¹¹⁰♡♡♡♡♡¹¹⁵♡ ] 》
271 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/15(水) 15:50:15.07 ID:YHpk3Rh50
司会『さあ、5ターン目は最後に残った部門! うつくしさです!!』
志満(最後尾につけてるから、まだ妨害は出来るけど……)
ことり(次のうつくしさターンは曜ちゃんから……!!)
あんじゅ(ここで、どうにかライブアピールを決めればまだチャンスはある……!! 曜の出方次第だけど)
曜「…………」
* * *
272 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/15(水) 15:51:11.67 ID:YHpk3Rh50
5ターン目──うつくしさ。
あんじゅ(このターン……)
ことり(ライブアピールを逃がしたら痛い……)
あんじゅ・ことり((ここはうつくしさ部門の技しかない……!))
曜「サポート。カメックス、“しおふき”!!」
「ガメェーーー!!!!!!」
《 Support “しおふき” うつくしさ 〔 とても アピール できるが このあと 驚きやすくなる 〕 ♡×30
カメックス +♡×30 ExB+♡ ExP-♥♥ ──[x0.5]→ ♡×15
Total [ ♡♡♡♡♡⁵♡♡♡♡♡¹⁰♡♡♡♡♡¹⁵♡♡♡♡♡²⁰♡♡♡♡♡²⁵♡♡♡♡♡³⁰♡♡♡♡♡³⁵♡♡♡♡♡⁴⁰♡♡♡♡♡⁴⁵♡♡♡♡♡⁵⁰
♡♡♡♡♡⁵⁵♡♡♡♡♡⁶⁰♡♡♡♡♡⁶⁵♡♡♡♡♡⁷⁰♡♡♡♡♡⁷⁵♡♡♡♡♡⁸⁰♡♡♡♡♡⁸⁵♡♡♡♡♡⁹⁰♡♡♡♡♡⁹⁵♡♡♡♡♡¹⁰⁰
♡♡♡♡♡¹⁰⁵♡♡♡♡♡¹¹⁰♡♡♡♡♡¹¹⁵♡♡♡♡♡¹²⁰♡♡♡♡♡¹²⁵♡♡♡♡♡¹³⁰♡♡♡♡♡¹³⁵♡♡♡♡♡¹⁴⁰♡♡♡♡♡¹⁴⁵♡♡♡♡♡¹⁵⁰
♡♡♡♡♡¹⁵⁵♡♡♡♡♡¹⁶⁰♡♡♡ ] 》
《 エキサイトゲージ Co【★★★★★】 Be【☆☆★★★】 Cu【☆☆★★★】 Ge【★★★★★】 Po【★★★★★】 》
カメックスが上空に向かって潮を噴き出す。
曜(驚きやすくなる技だけど、サポートポケモンなら、それは心配しなくていい……!)
あんじゅ(順当にうつくしさ技を使ってきた……!!)
ことり(アピール順はラプラス、ビビヨン、チルタリス、ギガイアスの順番。あんじゅちゃんは確実にうつくしさ技を選んでるはずだから、曜ちゃんとラプラスがうつくしさ技を使うかどうかで、あんじゅちゃんかわたしのどっちがライブアピール出来るかが決まる……!)
曜「ラプラス……!!」
あんじゅ・ことり「「…………!」」
あんじゅとことりは自分たちの行く末を決める曜の行動に固唾を呑む。
273 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/15(水) 15:51:57.16 ID:YHpk3Rh50
曜「“うずしお”!!」
ことり「……あ」
あんじゅ(!? しまった!?)
「キュゥーーー!!!!」
《 “うずしお” うつくしさ 〔 このアピールの後 会場が しばらく 盛り上がらなくなる 〕 ♡×15
ラプラス +♡×15 ExB+♡♡ ExP-♥♥
Total [ ♡♡♡♡♡⁵♡♡♡♡♡¹⁰♡♡♡♡♡¹⁵♡♡♡♡♡²⁰♡♡♡♡♡²⁵♡♡♡♡♡³⁰♡♡♡♡♡³⁵♡♡♡♡♡⁴⁰♡♡♡♡♡⁴⁵♡♡♡♡♡⁵⁰
♡♡♡♡♡⁵⁵♡♡♡♡♡⁶⁰♡♡♡♡♡⁶⁵♡♡♡♡♡⁷⁰♡♡♡♡♡⁷⁵♡♡♡♡♡⁸⁰♡♡♡♡♡⁸⁵♡♡♡♡♡⁹⁰♡♡♡♡♡⁹⁵♡♡♡♡♡¹⁰⁰
♡♡♡♡♡¹⁰⁵♡♡♡♡♡¹¹⁰♡♡♡♡♡¹¹⁵♡♡♡♡♡¹²⁰♡♡♡♡♡¹²⁵♡♡♡♡♡¹³⁰♡♡♡♡♡¹³⁵♡♡♡♡♡¹⁴⁰♡♡♡♡♡¹⁴⁵♡♡♡♡♡¹⁵⁰
♡♡♡♡♡¹⁵⁵♡♡♡♡♡¹⁶⁰♡♡♡♡♡¹⁶⁵♡♡♡♡♡¹⁷⁰♡♡♡♡♡¹⁷⁵♡♡♡ ] 》
《 エキサイトゲージ Co【★★★★★】 Be【☆☆☆☆★】 Cu【☆☆★★★】 Ge【★★★★★】 Po【★★★★★】 》
曜(“うずしお”はこの状態のままエキサイトを固定する技!!)
ことり(エキサイトを固定されたら……!)
あんじゅ(このターンはライブアピールは出来ない……!!)
志満(しかも、現状で曜ちゃんはトップだから……)
あんじゅ(逃げ切られる……!!)
司会『さあ、“うずしお”によって、エキサイトが固定されてしまいました!! 次のアピールはビビヨンです!』
あんじゅ「“にほんばれ”!!」
「リィリィーー」
《 “にほんばれ” うつくしさ 〔 会場が 盛り上がっている ほど アピールが 気に入られる 〕 ♡×5〜♡×30
ビビヨン +♡×12
Total [ ♡♡♡♡♡⁵♡♡♡♡♡¹⁰♡♡♡♡♡¹⁵♡♡♡♡♡²⁰♡♡♡♡♡²⁵♡♡♡♡♡³⁰♡♡♡♡♡³⁵♡♡♡♡♡⁴⁰♡♡♡♡♡⁴⁵♡♡♡♡♡⁵⁰
♡♡♡♡♡⁵⁵♡♡♡♡♡⁶⁰♡♡♡♡♡⁶⁵♡♡♡♡♡⁷⁰♡♡♡♡♡⁷⁵♡♡♡♡♡⁸⁰♡♡♡♡♡⁸⁵♡♡♡♡♡⁹⁰♡♡♡♡♡⁹⁵♡♡♡♡♡¹⁰⁰
♡♡♡♡♡¹⁰⁵♡♡♡♡♡¹¹⁰♡♡♡♡♡¹¹⁵♡♡♡♡♡¹²⁰♡♡♡♡♡¹²⁵♡♡♡♡♡¹³⁰♡ ] 》
《 エキサイトゲージ Co【★★★★★】 Be【☆☆☆☆★】 Cu【☆☆★★★】 Ge【★★★★★】 Po【★★★★★】 》
あんじゅ(この時点で曜との得点差は50近い……サポートも残ってない)
274 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/15(水) 15:52:42.81 ID:YHpk3Rh50
ことり「チルタリス! “りゅうのはどう”!!」
「チリュゥゥゥーーー!!!!!!!!」
《 “りゅうのはどう” うつくしさ 〔 たくさん アピール できる 〕 ♡×20
チルタリス +♡×20
Total [ ♡♡♡♡♡⁵♡♡♡♡♡¹⁰♡♡♡♡♡¹⁵♡♡♡♡♡²⁰♡♡♡♡♡²⁵♡♡♡♡♡³⁰♡♡♡♡♡³⁵♡♡♡♡♡⁴⁰♡♡♡♡♡⁴⁵♡♡♡♡♡⁵⁰
♡♡♡♡♡⁵⁵♡♡♡♡♡⁶⁰♡♡♡♡♡⁶⁵♡♡♡♡♡⁷⁰♡♡♡♡♡⁷⁵♡♡♡♡♡⁸⁰♡♡♡♡♡⁸⁵♡♡♡♡♡⁹⁰♡♡♡♡♡⁹⁵♡♡♡♡♡¹⁰⁰
♡♡♡♡♡¹⁰⁵♡♡♡♡♡¹¹⁰♡♡♡♡♡¹¹⁵♡♡♡♡♡¹²⁰♡♡♡♡♡¹²⁵♡♡♡♡♡¹³⁰♡♡♡♡♡¹³⁵♡♡♡♡♡¹⁴⁰♡♡♡♡♡¹⁴⁵♡♡♡♡♡¹⁵⁰
♡♡♡♡♡¹⁵⁵♡♡♡♡♡¹⁶⁰♡ ] 》
《 エキサイトゲージ Co【★★★★★】 Be【☆☆☆☆★】 Cu【☆☆★★★】 Ge【★★★★★】 Po【★★★★★】 》
ことり(曜ちゃんとの点差は17点……最後のアピール次第だけど……)
志満「ギガイアス!! “じわれ”!!」
「ギーーガイアァッ!!!!!」
《 “じわれ” たくましさ 〔 アピールが 上手くいった ポケモン みんなを かなり 驚かす 〕 ♡×10 ♥〜
ギガイアス +♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡
Total [ ♡♡♡♡♡⁵♡♡♡♡♡¹⁰♡♡♡♡♡¹⁵♡♡♡♡♡²⁰♡♡♡♡♡²⁵♡♡♡♡♡³⁰♡♡♡♡♡³⁵♡♡♡♡♡⁴⁰♡♡♡♡♡⁴⁵♡♡♡♡♡⁵⁰
♡♡♡♡♡⁵⁵♡♡♡♡♡⁶⁰♡♡♡♡♡⁶⁵♡♡♡♡♡⁷⁰♡♡♡♡♡⁷⁵♡♡♡♡♡⁸⁰♡♡♡♡♡⁸⁵♡♡♡♡♡⁹⁰♡♡♡♡♡⁹⁵♡♡♡♡♡¹⁰⁰
♡♡♡♡♡¹⁰⁵♡♡♡♡♡¹¹⁰♡♡♡♡♡¹¹⁵♡♡♡♡♡¹²⁰♡♡♡♡♡¹²⁵♡ ] 》
《 エキサイトゲージ Co【★★★★★】 Be【☆☆☆☆★】 Cu【☆☆★★★】 Ge【★★★★★】 Po【★★★★★】 》
275 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/15(水) 15:53:27.49 ID:YHpk3Rh50
「キュウッ!!!!」
《 ラプラス -♥♥♥♥♥♥♥
Total [ ♡♡♡♡♡⁵♡♡♡♡♡¹⁰♡♡♡♡♡¹⁵♡♡♡♡♡²⁰♡♡♡♡♡²⁵♡♡♡♡♡³⁰♡♡♡♡♡³⁵♡♡♡♡♡⁴⁰♡♡♡♡♡⁴⁵♡♡♡♡♡⁵⁰
♡♡♡♡♡⁵⁵♡♡♡♡♡⁶⁰♡♡♡♡♡⁶⁵♡♡♡♡♡⁷⁰♡♡♡♡♡⁷⁵♡♡♡♡♡⁸⁰♡♡♡♡♡⁸⁵♡♡♡♡♡⁹⁰♡♡♡♡♡⁹⁵♡♡♡♡♡¹⁰⁰
♡♡♡♡♡¹⁰⁵♡♡♡♡♡¹¹⁰♡♡♡♡♡¹¹⁵♡♡♡♡♡¹²⁰♡♡♡♡♡¹²⁵♡♡♡♡♡¹³⁰♡♡♡♡♡¹³⁵♡♡♡♡♡¹⁴⁰♡♡♡♡♡¹⁴⁵♡♡♡♡♡¹⁵⁰
♡♡♡♡♡¹⁵⁵♡♡♡♡♡¹⁶⁰♡♡♡♡♡¹⁶⁵♡♡♡♡♡¹⁷⁰♡ ] 》
「リリリッ!!!!!」
《 ビビヨン -♥♥♥♥♥♥♥
Total [ ♡♡♡♡♡⁵♡♡♡♡♡¹⁰♡♡♡♡♡¹⁵♡♡♡♡♡²⁰♡♡♡♡♡²⁵♡♡♡♡♡³⁰♡♡♡♡♡³⁵♡♡♡♡♡⁴⁰♡♡♡♡♡⁴⁵♡♡♡♡♡⁵⁰
♡♡♡♡♡⁵⁵♡♡♡♡♡⁶⁰♡♡♡♡♡⁶⁵♡♡♡♡♡⁷⁰♡♡♡♡♡⁷⁵♡♡♡♡♡⁸⁰♡♡♡♡♡⁸⁵♡♡♡♡♡⁹⁰♡♡♡♡♡⁹⁵♡♡♡♡♡¹⁰⁰
♡♡♡♡♡¹⁰⁵♡♡♡♡♡¹¹⁰♡♡♡♡♡¹¹⁵♡♡♡♡♡¹²⁰♡♡♡♡ ] 》
「チリュゥッ!?」
《 チルタリス -♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥
Total [ ♡♡♡♡♡⁵♡♡♡♡♡¹⁰♡♡♡♡♡¹⁵♡♡♡♡♡²⁰♡♡♡♡♡²⁵♡♡♡♡♡³⁰♡♡♡♡♡³⁵♡♡♡♡♡⁴⁰♡♡♡♡♡⁴⁵♡♡♡♡♡⁵⁰
♡♡♡♡♡⁵⁵♡♡♡♡♡⁶⁰♡♡♡♡♡⁶⁵♡♡♡♡♡⁷⁰♡♡♡♡♡⁷⁵♡♡♡♡♡⁸⁰♡♡♡♡♡⁸⁵♡♡♡♡♡⁹⁰♡♡♡♡♡⁹⁵♡♡♡♡♡¹⁰⁰
♡♡♡♡♡¹⁰⁵♡♡♡♡♡¹¹⁰♡♡♡♡♡¹¹⁵♡♡♡♡♡¹²⁰♡♡♡♡♡¹²⁵♡♡♡♡♡¹³⁰♡♡♡♡♡¹³⁵♡♡♡♡♡¹⁴⁰♡♡♡♡♡¹⁴⁵♡♡♡♡♡¹⁵⁰
♡ ] 》
志満(妨害は成功したけど……点差がありすぎる……)
276 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/15(水) 15:54:01.28 ID:YHpk3Rh50
《 5ターン目結果 ([ ]内はこのターンまでに手に入れた♡合計)
ラプラス ♡×33 ♥×10 [ ♡♡♡♡♡⁵♡♡♡♡♡¹⁰♡♡♡♡♡¹⁵♡♡♡♡♡²⁰♡♡♡♡♡²⁵♡♡♡♡♡³⁰♡♡♡♡♡³⁵♡♡♡♡♡⁴⁰♡♡♡♡♡⁴⁵♡♡♡♡♡⁵⁰
♡♡♡♡♡⁵⁵♡♡♡♡♡⁶⁰♡♡♡♡♡⁶⁵♡♡♡♡♡⁷⁰♡♡♡♡♡⁷⁵♡♡♡♡♡⁸⁰♡♡♡♡♡⁸⁵♡♡♡♡♡⁹⁰♡♡♡♡♡⁹⁵♡♡♡♡♡¹⁰⁰
♡♡♡♡♡¹⁰⁵♡♡♡♡♡¹¹⁰♡♡♡♡♡¹¹⁵♡♡♡♡♡¹²⁰♡♡♡♡♡¹²⁵♡♡♡♡♡¹³⁰♡♡♡♡♡¹³⁵♡♡♡♡♡¹⁴⁰♡♡♡♡♡¹⁴⁵♡♡♡♡♡¹⁵⁰
♡♡♡♡♡¹⁵⁵♡♡♡♡♡¹⁶⁰♡♡♡♡♡¹⁶⁵♡♡♡♡♡¹⁷⁰♡ ]
ビビヨン ♡×12 ♥×7 [ ♡♡♡♡♡⁵♡♡♡♡♡¹⁰♡♡♡♡♡¹⁵♡♡♡♡♡²⁰♡♡♡♡♡²⁵♡♡♡♡♡³⁰♡♡♡♡♡³⁵♡♡♡♡♡⁴⁰♡♡♡♡♡⁴⁵♡♡♡♡♡⁵⁰
♡♡♡♡♡⁵⁵♡♡♡♡♡⁶⁰♡♡♡♡♡⁶⁵♡♡♡♡♡⁷⁰♡♡♡♡♡⁷⁵♡♡♡♡♡⁸⁰♡♡♡♡♡⁸⁵♡♡♡♡♡⁹⁰♡♡♡♡♡⁹⁵♡♡♡♡♡¹⁰⁰
♡♡♡♡♡¹⁰⁵♡♡♡♡♡¹¹⁰♡♡♡♡♡¹¹⁵♡♡♡♡♡¹²⁰♡♡♡♡
]
277 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/15(水) 15:54:34.47 ID:YHpk3Rh50
チルタリス ♡×20 ♥×10 [ ♡♡♡♡♡⁵♡♡♡♡♡¹⁰♡♡♡♡♡¹⁵♡♡♡♡♡²⁰♡♡♡♡♡²⁵♡♡♡♡♡³⁰♡♡♡♡♡³⁵♡♡♡♡♡⁴⁰♡♡♡♡♡⁴⁵♡♡♡♡♡⁵⁰
♡♡♡♡♡⁵⁵♡♡♡♡♡⁶⁰♡♡♡♡♡⁶⁵♡♡♡♡♡⁷⁰♡♡♡♡♡⁷⁵♡♡♡♡♡⁸⁰♡♡♡♡♡⁸⁵♡♡♡♡♡⁹⁰♡♡♡♡♡⁹⁵♡♡♡♡♡¹⁰⁰
♡♡♡♡♡¹⁰⁵♡♡♡♡♡¹¹⁰♡♡♡♡♡¹¹⁵♡♡♡♡♡¹²⁰♡♡♡♡♡¹²⁵♡♡♡♡♡¹³⁰♡♡♡♡♡¹³⁵♡♡♡♡♡¹⁴⁰♡♡♡♡♡¹⁴⁵♡♡♡♡♡¹⁵⁰
♡ ]
ギガイアス ♡×10 [ ♡♡♡♡♡⁵♡♡♡♡♡¹⁰♡♡♡♡♡¹⁵♡♡♡♡♡²⁰♡♡♡♡♡²⁵♡♡♡♡♡³⁰♡♡♡♡♡³⁵♡♡♡♡♡⁴⁰♡♡♡♡♡⁴⁵♡♡♡♡♡⁵⁰
♡♡♡♡♡⁵⁵♡♡♡♡♡⁶⁰♡♡♡♡♡⁶⁵♡♡♡♡♡⁷⁰♡♡♡♡♡⁷⁵♡♡♡♡♡⁸⁰♡♡♡♡♡⁸⁵♡♡♡♡♡⁹⁰♡♡♡♡♡⁹⁵♡♡♡♡♡¹⁰⁰
♡♡♡♡♡¹⁰⁵♡♡♡♡♡¹¹⁰♡♡♡♡♡¹¹⁵♡♡♡♡♡¹²⁰♡♡♡♡♡¹²⁵♡
] 》
278 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/15(水) 15:55:24.75 ID:YHpk3Rh50
司会『さあ、これにて5ターン目終了です!! 最終ターンは部門なしのアピールです!』
あんじゅ(次の技を手堅く決められたらゲームセット……)
志満(曜ちゃんの最後のアピールは……!?)
ことり「…………」
司会『さあ、最後のターン!! アピール順はラプラス、チルタリス、ビビヨン、ギガイアスです!!』
* * *
279 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/15(水) 15:57:10.57 ID:YHpk3Rh50
──この大会当日まで、ずっと考えていた。
皆が笑顔になれる……そんなコンテストライブにするにはどうすればいいだろうって。
司会『さあ、ヨウさん! 最後のアピールをお願いします!!』
曜「あの、司会のお姉さん」
司会『はい? なんでしょうか?』
曜「最後のアピールの前に……ちょっと、話をしてもいいですか?」
志満「……曜ちゃん?」
あんじゅ「……曜?」
司会『え、話ですか!? え、えーっと……コンテスト参加者がスピーチをするのは禁止……というわけではないですが……基本的にパフォーマンスはポケモンを通して行うので……』
ことり「いいんじゃないかな」
司会『え!?』
ことり「わたしは構わないよ。何か言いたいことがあるんだよね?」
曜「ことりさん……うん、伝えたいことがある」
司会『で、ですが……』
あんじゅ「いいんじゃないかしら」
司会『あんじゅさんまで!?』
志満「参加者全員が了承してるなら、問題はないと思うわ」
司会『シマさんも……まあ、そういうことでしたら』
曜「すいません!! ありがとうございます!!」
私は参加者、皆に礼を言って、ステージ前方に躍り出る。
会場内は私の行動にザワつき、騒然としていた。
コンテストライブの本番中にトレーナーが話をしたいなんて、前代未聞だろう。
曜「皆さん、今日はグランドフェスティバルのステージにお越しいただいて、本当にありがとうございます!!!」
まず挨拶。頭を下げる。
その様子にザワついていた会場は、少しずつ静かになる。
曜「わがままを承知で──皆さんにお願いがあります!!」
「──お願い……?」「なにかしら……?」
あちこちから困惑した声が聞こえてくる。
280 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/15(水) 15:59:08.05 ID:YHpk3Rh50
曜「──私は……コンテストが大好きなんです!!」
曜「ポケモンが……コーディネーターが……一緒に手を取り合って、魅力的なステージを作るために一緒に頑張る……ポケモンコンテストが大好きなんです!!」
曜「見てるだけで……気持ちがキラキラして、わくわくして、嬉しくて、楽しくて……そんなコンテストに魅せられて、私もステージの上で輝きたくて……ここまで駆け上って来ました!!」
曜「私は……コンテストを見て、心の底から笑顔になれました!!! だから、見てる人たち皆に、その気持ちを知って欲しい。共有したい。私はコンテストライブを最後は皆で、笑顔で締めくくれるステージにしたい……!!」
ことり「……曜ちゃん」
あんじゅ「……ふふ、そう」
志満「……あらあら、若いっていいわねぇ」
曜「だから、最後は……皆で一緒に歌って、踊りませんかーー!?」
「キュゥ〜〜〜♬」
ラプラスが歌いだす。
曜「皆もーーー……!! 一緒に歌おうーーーーっ!!」
ことり「チルタリス! 歌おっか♪」
「チル〜♫」
チルタリスが綺麗なソプラノでラプラスの歌声にハモる。
あんじゅ「ビビヨン、“ちょうのまい”」
「リィリィ〜〜♪」
ビビヨンが綺麗な鳴き声を載せながら、会場を舞い踊る。
志満「ふふ……ギガイアス、“パワージェム”」
「ギガイァ」
“パワージェム”の輝きが歌に踊りにあわせるように、光り輝く。
会場はその光景に最初はざわついて、動揺していたけど……。
「トップコーディネーターとそのポケモンたちと一緒に歌えるなんて……素敵じゃない?」
「あんじゅ様とビビヨンと一緒に踊れるなんて……一生に一度の経験かも」
「ことりちゃんーー!!! チルタリスー!!!! わたしもいっしょにうたうねー!!!」
「ガッハッハ!! いいじゃないか、俺たちも一緒に歌って踊ろうじゃないか!!!」
徐々に歌声が、笑顔が広がっていく。
──私はコンテストを、笑顔が溢れる幸せな場所にしたかった。
これが、私がコンテストライブの中に見つけた、道。
司会「ふふ……長年、司会をやってきたけど……こんなコンテストライブ初めてね」
──気付いたら、
ことり「〜〜〜〜♪」
「チル〜〜〜♫」
あんじゅ「〜〜〜♩」
「リィリィ〜〜♪」
志満「〜〜〜♬」
「ガィァーーー」
281 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/15(水) 15:59:55.49 ID:YHpk3Rh50
「〜〜〜〜♩」「〜〜♬」「〜〜♫」
参加者も会場中も、みんな声をあわせて、心を一つにして、大合唱をしていた。
曜「みんな……ありがとう……」
「キュウ〜〜〜〜♪」
ラプラスが歌いながら、私に頬ずりをしてくる。
曜「……うん!! みんなーーーー!!! 最後まで、めいっぱいーーーー!! おっきな声でーーーーー!!! 歌おうーーーーーー!!!!!」
──名前も知らない人やポケモンが、集まったこの場所で、ただ歌を、踊りを通して、心を一つにする。
──噫、なんて……なんて、幸せなことなんだろう。
私は、皆と一緒に大合唱をしながら、
幸せを噛み締めながら、
ただ、笑顔で歌い続ける──
* * *
282 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/15(水) 16:01:02.48 ID:YHpk3Rh50
──カランカラン。
ドアを押し開けると、小気味の良いベルの音が自分の来店を知らせる。
「いらっしゃいませ」
わたしはそのまま、奥に歩いて──カウンター席に腰を降ろす。
ことり「──こんばんは」
マスター「ことりさん……お久しぶりです」
ことり「お久しぶりです♪ ちょっと今日は酔いたい気分なんで……強めのカクテル作ってもらっていいですか?」
マスター「珍しいですね……畏まりました」
マスターにお願いをしてから、横を見ると──
あんじゅ「……ことりがここに来るなんて珍しいわね」
あんじゅちゃんが赤ワインを嗜んでいた。
ことり「そうだねぇ……前に一緒に飲んだのって、結構前かもね。あんじゅちゃんも今日はカクテルじゃないの珍しいね?」
あんじゅ「酔いたい気分だったのよ」
ことり「ふふ……そっか。志満ちゃんは?」
あんじゅ「あー……志満なら、そこ」
ことり「……そこ?」
言われて、あんじゅちゃんの向こう側を見ると、
志満「……うー……」
机に突っ伏している、志満ちゃんの姿があった。
ことり「気付かなかった……」
あんじゅ「ま、もう潰れてテーブルと同化してるからね。しょうがないわ」
ことり「あはは……」
マスター「──どうぞ」
そんな話をしていたら、マスターが出来上がったカクテルを出してくれる。
ことり「あ。ありがとうございます〜」
カクテルグラスを持って、あんじゅちゃんの方に差し出す。
あんじゅ「……飲みかけだけど?」
ことり「まあ……細かいことは、今日はもういいかなって」
あんじゅ「……それもそうね」
ことり・あんじゅ「「乾杯」」
283 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/15(水) 16:01:54.38 ID:YHpk3Rh50
二人でグラスを──チンとぶつける。
カクテルを煽ると、アルコールは感じるのに、とにかく飲みやすい。
これは本当にすぐ酔ってしまいそうだ。
あんじゅ「……それで?」
ことり「ん?」
あんじゅ「……新生クイーン様はどうしたの?」
ことり「ああ、うん」
──新生クイーン。
今宵誕生した、この地方の頂点のコーディネーター。
ことり「結果を友達に伝えるために、飛んで行っちゃったよ」
あんじゅ「クイーンになったって言うのに呑気なものね……全く、あの子には驚かされてばっかりよ」
ことり「そうだねぇ……」
あんじゅ「お客さんも巻き込んで皆で歌うなんて……あの大舞台でとんでもないことしてくれちゃって」
ことり「ふふ……わたしもびっくりしちゃった」
──でも。
ことり「楽しかったね……」
あんじゅ「……ええ」
ことり「あれが、曜ちゃんが見たかった景色だったんだね」
あんじゅ「そうね。……ことり」
ことり「ん?」
あんじゅ「コンテストは……まだまだ、進化出来るのね」
ことり「うん。会場に居るみんなが笑顔になれる……そんな舞台が作れると思う」
あんじゅ「……まだまだ、お互いやれることがありそうね」
ことり「ふふ……そうだね。今日は朝まで、コンテストの未来について、語り合おっか♪」
あんじゅ「ええ、そうしましょうか」
志満「ぐぅ……」
* * *
284 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/15(水) 16:02:22.35 ID:YHpk3Rh50
──14番水道上空。
呼び出したキャモメたちに揺られながら空を飛んでいる。
曜「優勝……か」
グランドフェスティバルは終わった。
──私とラプラスの優勝と言う形で。
285 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/15(水) 16:02:52.12 ID:YHpk3Rh50
──最終結果
《 ポケモン 一次審査 | 二次審査
【 ビビヨン 】 〔 ♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢ ¹
♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢ | ♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡ ²
♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡ ³
♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡ ⁴
♡♡♡♡♡♡♡♡♡ ⁵
⁶〕
【チルタリス 】 〔 ♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢ ¹
♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢ | ♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡ ²
♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡ ³
♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡ ⁴
♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡ ⁵
⁶〕
286 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/15(水) 16:03:49.24 ID:YHpk3Rh50
【ギガイアス】 〔 ♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢ ¹
♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢ | ♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡ ²
♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡ ³
♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡ ⁴
♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡ ⁵
⁶〕
✿【 ラプラス 】 〔 ♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢ ¹
♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢ | ♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡ ²
♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡ ³
♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡ ⁴
♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡ ⁵
♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡ ⁶〕 》
287 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/15(水) 16:06:49.57 ID:YHpk3Rh50
しかし、今日から晴れて、コンテストクイーンと言われても……。
曜「なんか実感沸かないなぁ……」
気持ちがふわふわとしていて落ち着かなくて……。
でも、この結果を一番大切な友達に直接伝えたくて、飛び出してきてしまった。
曜「……ま、実感なんて、そのうちついてくるか!」
そんなことよりも。
私はボールを手に取る。
曜「皆……ここまで、ついてきてくれてありがとう」
そして、愛おしい気持ちで相棒たちのボールを撫でながら、
曜「皆が居たから……私、ここまで走ってこれたよ」
ホエルオー、ダダリン、カイリキー、タマンタ、カメックス……そして、ラプラス。
曜「それと……これからもよろしくね、皆」
私の言葉に応えるように、ボールたちがカタカタと揺れた。
曜「ふふ……」
その答えが幸せで、笑みが零れた。
曜「それにしても、素敵な景色だったなぁ……」
皆の笑顔が溢れるステージで──私は……ついに、コンテストの頂点に立った。
最高のステージで……。
さて、次はどんなステージにしようかな? どんな気持ちを届けようかな?
そんなことを考え、胸に抱きながら……私はこれからも羽ばたき続けるんだ──
288 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/15(水) 16:07:58.15 ID:YHpk3Rh50
>レポート
ここまでの ぼうけんを
レポートに きろくしますか?
ポケモンレポートに かこんでいます
でんげんを きらないでください...
【14番水道】
口================= 口
||. |⊂⊃ _回../||
||. |o|_____. 回 | ⊂⊃| ||
||. 回____ | | | |__|  ̄ ||
||. | | 回 __| |__/ : ||
||. ⊂⊃ | ○ |‥・ ||
||. | |. | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ ||
||. | |. | | | ||
||. | |____| |____ / ||
||. | ____ 回__o_.回‥‥‥ :o ||
||. | | | | _. / : ||
||. 回 . |_回o | | : ||
||. | |  ̄ |. : ||
||. | | .__ \ : ||
||. | ○._ __|⊂⊃|___|. ● ||
||. |___回○__.回_ _|‥‥‥: ||
||. /. 回 .| 回 ||
||. _/ o‥| | | ||
||. / | | | ||
||./ o回/ ||
口=================口
主人公 曜 ✿
手持ち カメックス♀ Lv.53 ✿ 特性:げきりゅう 性格:まじめ 個性:まけんきがつよい
ラプラス♀ Lv.47 ✿ 特性:ちょすい 性格:おだやか 個性:のんびりするのがすき
ホエルオー♀ Lv.45 特性:プレッシャー 性格:ずぶとい 個性:うたれづよい
ダダリン Lv.47 ✿ 特性:はがねつかい 性格:れいせい 個性:ちからがじまん
カイリキー♂ Lv.44 ✿ 特性:ふくつのこころ 性格:まじめ 個性:ちからがじまん
タマンタ♀ Lv.42 ✿ 特性:すいすい 性格:むじゃき 個性:こうきしんがつよい
バッジ 2個 図鑑 見つけた数:166匹 捕まえた数:23匹 コンテストポイント:120pt
曜は
レポートを しっかり かきのこした!
...To be continued.
289 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/16(木) 12:32:58.13 ID:E6ygtKl90
■Chapter084 『決戦! クロユリジム!』 【SIDE Chika】
千歌「──ふぅ、ようやく辿り着いたね!」
善子「ええ」
クリスタルレイクを東に抜けて──16番道路を途中で北上し、18番道路を行った先にある街。
千歌「クロユリシティ……!」
善子「……じゃ、私はそろそろ」
千歌「あれ? 善子ちゃんは街には入らないの?」
善子「別に私はこの街に用事とかないし……ってか、この街ジムしかないでしょ?」
言われて、街の方を見てみると、民家こそぽつぽつあるけど、確かに施設らしい施設はポケモンセンター、フレンドリィショップ……そして、ポケモンジムくらいしか見当たらない。
善子「私は千歌が途中まで一緒に行こうって言うから、図鑑埋めのついでについて来てただけよ」
千歌「そっかぁ……じゃあ、ここでお別れだね」
善子「ま……最後に一緒に過ごすのも悪くなかったわ」
千歌「……最後?」
私は首を傾げる。
善子「ここ1ヶ月くらいで地方は一通り回れたからね。私の旅はここで一旦終わりかなって」
千歌「そうなんだ……」
善子「何、暗い顔してんのよ」
千歌「いや、同じ図鑑所有者としてちょっと寂しいなって思って……」
善子「はぁ……別に地方から出ていくわけでもないし。いつでも会えるわよ」
千歌「……うん、それもそうだね。それじゃ──」
私は手を差し出す。
善子「……ん」
善子ちゃんはその手を見て、恥ずかしそうに頬を掻く。
千歌「握手」
善子「わ、わかってるわよ」
善子ちゃんは赤くなりながら、やや乱暴に私の手を握る。
千歌「ふふ……」
最後までちょっぴり恥ずかしがりやで、ぶっきらぼうな善子ちゃんに笑ってしまう。
290 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/16(木) 12:33:42.71 ID:E6ygtKl90
善子「何笑ってんのよ!」
千歌「なんでもなーい」
善子「もう……何よ……」
千歌「ごめんごめん。……チカね、善子ちゃんが同じ図鑑所有者でよかったって思う」
善子「……褒めても何も出ないわよ」
千歌「そんなんじゃないよ。ホントにそう思ってる」
善子「…………ふーん」
善子ちゃんは目を逸らしながら、
善子「……ありがと。……私も……同じようなこと、思ってるわよ」
そう言ってくれた。
千歌「えへへ、うん!」
私ははにかんで頷いた。
善子「……千歌」
千歌「ん?」
善子「ここまで来たら……ジム制覇、ちゃんとしなさいよね。あんたはこの堕天使ヨハネを倒したトレーナーなんだから」
千歌「……うん!」
291 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/16(木) 12:39:55.49 ID:E6ygtKl90
* * *
──善子ちゃんからの激励を受け、その後私は……。
辿り着きました。
千歌「……ここが」
最後のジム──クロユリジムに。
私はドアの扉に手を掛けて、
千歌「たのもぉーーー!!!!」
声を張り上げながら、押し開ける。
ジムの奥には、赤紫のロングヘアーに、泣きボクロの印象的な女性が一人。目を瞑って、立っていた。
「……ようこそ」
彼女は私が来たことに気付いたのか、目を開いて、そう言う。
千歌「ジム戦に来ました!! ウラノホシタウンの千歌です!!」
英玲奈「私は英玲奈。クロユリジムのジムリーダーだ。……とは言っても、ここまで来てバトルする以外に特に喋ることもないだろう」
そう言って英玲奈さんは、バトルスペースに歩いてくる。
英玲奈「バトルスペースに付くといい」
千歌「は、はい!!」
今までのジム戦の中で最もスムーズかもしれない。
すごく助かるけど……。
英玲奈「使用ポケモン5体。シンプルに相手のポケモンを全て戦闘不能にした方が勝ちだ。構わないかい?」
千歌「はい! よろしくお願いします!」
英玲奈「クロユリジム・ジムリーダー『壮烈たるキラーホーネット』 英玲奈。さあ、楽しい戦いにしようじゃないか」
二つのボールがフィールドに放られる。最後のジム戦、開始だ──
* * *
292 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/16(木) 12:41:06.10 ID:E6ygtKl90
千歌「行くよ、バクフーン!!」
「バクフーー!!!!!」
こっちの一番手は、いつもの先発バクフーン。
英玲奈「行くぞ、ペンドラー!!」
「ペンドォォォォ!!!!!!」
英玲奈さんの一匹目は毒々しい色の虫ポケモン、ペンドラー。
『ペンドラー メガムカデポケモン 高さ:2.5m 重さ:200.5kg
素早い 動きで 敵を 追い詰め 首のツメで 挟み込み
身動きを とれなくしてから 猛毒を 与え 攻撃する。
とても 攻撃的な 性格で とどめを 刺すまで 容赦しない。』
英玲奈「ペンドラー、“ハードローラー”!」
「ペンドラァァ!!!!!」
バトル開幕と同時にペンドラーは身体を丸め、猛スピードで転がってくる。
直線的な攻撃──受けて立つ!!
千歌「“かえんぐるま”!!」
「バクフーンッ!!!!!!」
こちらも回転しながら飛び出す。
二匹の回転突進が正面からぶつかって、お互いが弾かれる。
威力は同等……!!
英玲奈「“どくばり”!!」
「ドラァーー!!!!!!」
弾かれた先で、体勢を立て直したペンドラーが即座に“どくばり”を飛ばしてくる。
千歌「“やきつくす”!!」
「バクフーーンッ!!!!!」
すかさず、それを迎撃。
「ドラァーーー!!!!!!」
千歌「!?」
だが、ペンドラーは迎撃の隙を突いて、火炎を迂回しながら猛スピードで距離を詰めてくる。
千歌「は、速い!?」
英玲奈「“ポイズンテール”!!」
「ペンドラァァーーー!!!!!!」
「バクフッ!!!!」
巨大な尻尾を横薙ぎに叩き付けられ、バクフーンが吹っ飛ばされた。
千歌「バクフーン!! 大丈夫!?」
「バクフー!!!」
バクフーンはどうにか受身を取りながら、体勢を整える──が、
293 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/16(木) 12:42:53.07 ID:E6ygtKl90
「ドラァァ!!!!!」
千歌「っ!!」
ペンドラーは既に次の攻撃の為に距離を詰め終えていた。
英玲奈「“メガホーン”!!」
「ドラァァァァ!!!!!!」
「バクフゥッ!!!!!」
そのまま、頭の角で突き飛ばされ、バクフーンは地面を転がる。
千歌「バ、バクフーン!! 一旦距離を──」
英玲奈「“メガホーン”!!」
「ペンドラァァァ!!!!!!!」
千歌「!!」
体勢を立て直す暇もなく、
「バクフーーッ!!!?」
バクフーンに再び“メガホーン”が炸裂する。
──相手が速すぎる……!!
いや、というより……。
千歌「“かそく”してる!?」
英玲奈「……気付いたか、だが気付いても、もうこの速さには追いつけないだろう」
猛スピードでペンドラーが更なる追撃を迫ってくる。
どんどん“かそく”しているせいでもう手が付けられない。
……でも、
千歌「動きは読める!! バクフーン!!」
「バクフッ!!!!」
逆に速すぎて曲がれないはずだ、
千歌「“ほのおのちかい”!!」
「バクフーー!!!!!!」
バクフーンが地面を叩くと、目の前に火柱が発生する。
真正面から猛スピード突っ込んでくるなら、壁を作ってしまえばいい、
英玲奈「良い判断だ……だが」
「ペンドラァァァァ!!!!!!」
千歌「……!!」
ペンドラーは雄叫びをあげながら、火柱の直前で直角に曲がって進路を逸らす。
英玲奈「速くなっても、回避くらい出来る」
千歌「……っ!!」
294 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/16(木) 12:46:23.19 ID:E6ygtKl90
“ほのおのちかい”を避けて、コの字を描きながら、バクフーンの側面に迫るペンドラー。
英玲奈「終わりだ!! “すてみタックル”!!」
「ペンドラァァァァァァ!!!!!!!!」
更にスピードを上げ、最後の一撃を叩き込みに来る、ペンドラー。
千歌「──足元!!」
「バクフッ!!!!!」
英玲奈「!?」
私の指示で、バクフーンが前傾姿勢になる、
──最初から、炎の壁で倒すつもりだったわけじゃない。
一瞬、判断の時間を稼ぎたかっただけだ。
「ドラァァァァ!!!!!!!」
迫るペンドラーに対して、掬い上げるように、前足を刺し込み、
千歌「“カウンター”!!!」
「バクフッ!!!!!!」
ペンドラーを背後に向かって放り投げた。
英玲奈「何……!? ペンドラー!」
「ドラァァァ!!!?」
とてつもないスピードのまま、背後に放り投げられたペンドラーは、
──ズドォン!! と大きな音を上げて、ジムの壁に激突した。
「ド、ラァァ……」
ペンドラー、戦闘不能だ。
千歌「よしっ! ナイス、バクフーン!!」
「フーンッ!!!」
英玲奈「……ふむ。ここまで勝ち抜いてきたトレーナーと言うだけはあるようだな。戻れ、ペンドラー」
英玲奈さんはペンドラーをボールに戻す。
英玲奈「次だ、行くぞ! オニシズクモ!」
「シズ、ク」
二匹目はオニシズクモ。
『オニシズクモ すいほうポケモン 高さ:1.8m 重さ:82.0kg
普段は 水の中で 過ごす。 見かけに よらず 面倒見が
良く 弱く 小さな 仲間を 見つけると 水泡の 中に 入れて
守る。 水の 中でしか 呼吸できないので 水泡を 被っている。』
頭に大きな水の塊を被っているクモのようなポケモンだ。
英玲奈「オニシズクモ! “かみつく”だ!」
「シズ、クモ」
295 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/16(木) 12:48:09.23 ID:E6ygtKl90
指示を受けたオニシズクモが口を開けて、バクフーンに向かって前進してくるが、
さっきのペンドラーとは打って変わって、動きが遅い。
千歌「バクフーン!! “かえんほうしゃ”!!」
「バクフーーッ!!!!!!!」
そこにすかさず攻撃を叩き込む。
動きの鈍いオニシズクモは一瞬で“かえんほうしゃ”に飲み込まれる。
千歌「……」
いや、いくらなんでもあっけなさすぎる。
警戒してよく見てみると──
「シズ、クモ」
千歌「!?」
オニシズクモは“かえんほうしゃ”の中を全く怯まずに前進し続けている。
千歌「バクフーン!! 一旦後退!!」
「バクッ!!!」
攻撃の手を止め、バクフーンは立ち上がり後ろに向かってステップを踏む。
英玲奈「“とびかかる”!!」
「シズ…」
が、オニシズクモは今度は地面を踏み切って、跳び込んできた。
千歌「わ!? と、跳ぶの!? “だいもんじ”!!」
「バックフーーーン!!!!!!!」
背中から爆炎を立てながら、バクフーンが最大級の火炎攻撃で迎撃する。
──が、
「シズ、」
オニシズクモはまるで意に介さず、炎の中を一直線に突っ込んでくる。
千歌「炎が効いてない……!?」
「バックフーーーーンッ!!!!!!」
バクフーンは雄叫びをあげながら、火力を増すが、
オニシズクモはその火力に押し負けることなく、どんどんこちらに接近してくる。
千歌「ま、まずい……!?」
もう離脱出来る距離感じゃない。
英玲奈「オニシズクモ!!」
「シズ…」
炎を掻き分けながら、跳び込んで来たオニシズクモが至近距離で頭を振るう。
英玲奈「“アクアブレイク”!!」
「クモ、」
296 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/16(木) 12:50:05.16 ID:E6ygtKl90
攻撃はバクフーンに直撃すると共に、一気に水のエネルギーを膨らませ──
千歌「だわぁっ!!?」
とてつもない衝撃波になって、爆発する。
「バクフッ!!!?」
バクフーンはその攻撃力で、バトルスペースから吹き飛ばされ、トレーナースペースにいた私のすぐ脇をすり抜け、ジムの背後まで吹っ飛ばされてしまった。
千歌「!! バクフーン!!」
「バ、バクフー……」
千歌「……! 戻って、バクフーン」
戦闘不能だ。バクフーンをボールに戻す。
どう見ても、ただの頭突きだったのに……なんて威力だろう。
英玲奈「……オニシズクモの特性は“すいほう”。炎から受けるダメージを減らし、水の威力を倍増させる」
千歌「……っく……」
私の手持ちにはみずタイプに有利なポケモンが居ない。
……なら、
千歌「目には目をだよね! 水には水で! フローゼル!!」
「ゼルルルッ!!!!!!」
フローゼルを繰り出す。
千歌「“ハイドロポンプ”!!!」
「ゼーーールゥゥゥゥゥ!!!!!!!!」
バクフーンを倒したばかりで、まだ距離の取れていないオニシズクモに向かって、フローゼルから強力な水流が放たれる。
英玲奈「“アクアブレイク”!!」
「シズ、クモ」
だが、オニシズクモが再び水泡を被った頭を振るうと、
千歌「う、うそ!?」
大きな衝撃と共に、“ハイドロポンプ”を頭突きで消し飛ばす。
英玲奈「“とびかかる”!!」
「シズ、ク」
千歌「……っ! “こうそくいどう”!!」
「ゼルゥーー!!!!!」
跳びかかって来るオニシズクモの下をすり抜けるように、フローゼルがダッシュする。
さっきのペンドラーとは打って変わって、動きは遅いのに、こちらの攻撃がうまく通らない。
「シズ、ク」
オニシズクモはフィールド中央に躍り出たフローゼルの方向へ、のそのそと振り返り、
297 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/16(木) 12:51:46.14 ID:E6ygtKl90
英玲奈「“アクアブレイク”!!」
千歌「!?」
「シズ、クモ」
その場で水泡を被った頭を地面に叩き付ける。
水泡から一気にエネルギーがあふれ出し、見た目からは想像の出来ないようなとてつもない衝撃波が放射状に広がり、ジム内の床ごと、巻き込んで──
「ゼルゥッ!!!」
フローゼルを吹き飛ばした。
千歌「む、むちゃくちゃすぎる!?」
本当に冗談みたいな破壊力だ。
あんな破壊力の技、至近距離で食らったら、みずタイプのフローゼルでもひとたまりもない。
「ゼ、ゼルゥッ!!!!!」
吹っ飛ばされながらも、どうにか体勢を立て直すフローゼルに向かって。
「シズ、クモ」
オニシズクモが前進していく。
──どうする……?
動きは遅いが、火力が大きすぎて、避けることもままならない。
かといって、近接戦闘なんてもってのほかだ。
千歌「あの“すいほう”……厄介すぎる」
オニシズクモは頭に被った“すいほう”を自在に操って、攻防をこなしている。
あれがある限り、こちらは手も足も出ない。
……いや、
千歌「なら……“すいほう”を壊せばいいんじゃ」
フィールド中央で迫ってくるオニシズクモと対峙したままのフローゼルと目が逢う。
「ゼルッ」
フローゼルは私の目を見ただけで、意を汲んでくれたのか、尻尾のスクリューを高速回転させ始める。
千歌「! わかった、やろう!!」
「ゼルッ!!!!」
フローゼルは私の手持ちの中では、付き合いが一番短い。
海未師匠との修行にも参加してない分、必殺の一撃が使えるかの不安はあったが──
「ゼルルルルッ!!!!!」
フローゼルの周囲で空気が渦巻く。
298 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/16(木) 12:54:02.41 ID:E6ygtKl90
千歌「フローゼル!! キミのやる気を尊重するよ!」
「ゼルルッ!!!!!」
千歌「……ふぅー……」
集中、位置関係を把握しろ。
オニシズクモは私とフローゼルに挟まれた立ち位置のまま、私に背を向けて、フローゼルにゆっくり迫っている。
英玲奈「……何かしようとしているな」
英玲奈さんが私たちの様子に何かを感づいたようだ。
英玲奈「だが、させんぞ……! オニシズクモ!! “アクアブレイク”!!」
「シズク、モ」
オニシズクモが水泡を地面に向かって振り下ろす。
その瞬間、攻撃に移行しようとして、水泡内の水が一瞬だけ外に向かって溢れ出す──
千歌「──そこ!!! “かまいたち”!!」
「ゼーールゥッ!!!!!!」
フローゼルの周囲の空気が刃となって飛び出した。
英玲奈「……!」
その刃はオニシズクモの“すいほう”の中に飛び込み、
「シズ…」
水泡で守られていたオニシズクモの頭部を直接切り裂く。
「シズ、ズ」
千歌「効いてる……!!」
やっぱり読みは外れてなかった。
攻撃の瞬間、あの水泡は外に向かってエネルギーを放出する。
その一瞬だけは、水泡の膜を通りぬけやすくなるんだ……!
英玲奈「なるほど、考えたな。だが」
「シズ、クモ……」
英玲奈「威力不足だ」
「クモ」
オニシズクモはそのまま、頭を振るって、
「ゼルッ!!!」
“アクアブレイク”を地面に打ち付け、先ほど同様フィールドごと、フローゼルを吹き飛ばす。
千歌「……!!」
「ゼルッ!!!!」
299 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/16(木) 12:55:04.49 ID:E6ygtKl90
吹き飛ばされたフローゼルは地面に叩き付けられ、
「ゼ、ゼル……!!!!」
もはや満身創痍だ。
英玲奈「……さあ、トドメだ、オニシズクモ!!」
「ク、モ」
オニシズクモが再び、頭を揺らす──が、
「ク、モモ」
オニシズクモの動きが止まった。
英玲奈「……!? どうした、オニシズクモ!?」
千歌「……ふっふっふ、さっきの“かまいたち”、ただ攻撃するためだけの技じゃないんですよ!」
英玲奈「なに……?」
気付けば、オニシズクモの“すいほう”の中に──
英玲奈「……気泡……まさか!?」
千歌「そう!! フローゼルがオニシズクモの“すいほう”の中に飛び込ませたのは──空気の渦です!!」
渦巻いた空気をそのまま、オニシズクモの“すいほう”に飛び込ませ、その暴れる空気は──
「シズ、クゥゥモ」
オニシズクモの“すいほう”を内側から、破く……!!
英玲奈「!! オニシズクモ!!」
「シズ、ク……」
内側から無理矢理“すいほう”の膜を破いた結果、針を刺された風船のように形を維持できず割れてしまう。
“すいほう”を失ったオニシズクモは、
「シ、ズ……ク」
“すいほう”がなくなって呼吸が出来なくなったのが、その場に引っくり返ってしまった。
英玲奈「……戻れ」
千歌「……よし!!」
「ゼルゥ……!!!」
二匹目、オニシズクモを突破。
英玲奈「……クワガノン!!」
「クワガーーー」
英玲奈さんが次のボールを放る。
千歌「フローゼル!! 一旦戻っておいで!!」
「ゼルッ」
300 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/16(木) 12:56:08.28 ID:E6ygtKl90
息を切らしたフローゼルが、私の方へと走り出す。
だが、英玲奈さんはそれを許さない。
英玲奈「“エレキネット”!!」
「クワガーーー」
クワガノンから、電撃を帯びたネットが発射され──
「ゼ、ゼルゥッ!!!?」
上空で広がって、逃げるフローゼルを捉える。
千歌「フローゼル!! 尻尾のスクリューで吹っ飛ばして!!」
「ゼ、ゼルゥゥゥゥ!!!!!」
電撃を食らいながらも、どうにか気合いで尻尾を振り回すが──
英玲奈「逃がすか……! クワガノン!」
「クワガーーー」
クワガノンの突き出された顎の間にバチバチと火花が爆ぜ、エネルギーがチャージされていく。
英玲奈「“でんじほう”!!」
「クワガーーー!!!!!!」
チャージされたエネルギーは電撃弾となって、ネットの中でもがく、フローゼルに向かって発射された。
「ゼルゥゥゥゥゥ!!!!!?」
千歌「!! フローゼル!!」
強力な“でんじほう”を食らった、フローゼルは──
「ゼ、ル……」
健闘虚しく戦闘不能だ。
千歌「……よく頑張ったね、フローゼル。ボールに戻って、休んで」
私はフローゼルをボールに戻した。
次のポケモンを繰り出す前に図鑑を開く。
『クワガノン くわがたポケモン 高さ:1.5m 重さ:45.0kg
腹部に 発電器官を 持ち 大アゴに エネルギーを 集め
凄まじい 電気を 放つ。 アクロバティックな 飛行で 敵を
撹乱しながら 放つ 電撃ビームは とりポケモンも 圧倒する。』
千歌「クワガノン……でんきタイプのポケモン」
英玲奈さんはここまでの手持ちを見る限り、どうやらむしタイプのジムリーダーのようだ。
だけど、むしタイプでありながらも、バクフーンにはみずタイプ、フローゼルにはでんきタイプと、もう一個のタイプで確実に弱点を突いてきている。
一匹一匹が純粋に強いだけじゃなく、手堅い指示と戦略で戦うトレーナーのようだ。
……さて、でんきタイプを無効化出来るじめんタイプの手持ちは持っていない。
なら、
301 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/16(木) 12:57:06.10 ID:E6ygtKl90
千歌「ここからは切り札で圧倒する……!! ルカリオ!!」
「グゥォッ!!!!!」
ルカリオを繰り出す。そして、頭の右側で自分の髪を留めている“メガバレッタ”に触れる。
千歌「メガシンカ!!」
「──グゥォ……!!!」
メガバレッタと共にルカリオが光り輝き、メガルカリオに姿を変える。
英玲奈「メガシンカ……!! いいだろう、クワガノン!! “かみなり”だ!!」
「クワガーーー……」
クワガノンのアゴがバチバチとスパークすると、それに反応するかのようにジムの天井に稲光が走る。
──雷の予兆。
千歌「ルカリオ!」
「グゥァッ!!!!!」
ルカリオは“ボーンラッシュ”の要領で作り出した、骨状に固めた波導を、
床に突き刺す、
次の瞬間──落ちてきた、雷は、
英玲奈「! なるほど……よく考えている」
──その骨に向かって落ちてくる。
英玲奈「即席の避雷針というわけか! クワガノン、“アクロバット”!!」
「クワガーーー!!!!!」
今度はクワガノンが高速で飛び周り撹乱するような動きで近付いてくる。
千歌「ルカリオ、落ち着いて」
「グゥォ」
千歌「落ち着いて……狙いを定めて──」
「グゥァ」
千歌「“はどうだん”!!」
「グゥォッ!!!!」
「クワガッ」
“はどうだん”は飛び回るクワガノンをしっかり捉え、迎撃する。
英玲奈「っく……“でんじほう”!!」
「クワガーーー!!!!!」
再び撃ち出される強力な“でんじほう”
「グゥァッ!!!!」
ルカリオは先ほど突きたて、避雷針にした骨を引き抜いて、そのまま上に振り抜く形で──
──バチン! “でんじほう”を上に向かって弾き飛ばす。
英玲奈「“ハサミギロチン”!!」
「クワガーーーー!!!!!!」
302 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/16(木) 12:58:25.75 ID:E6ygtKl90
一撃必殺のアゴを構え、飛び出してくる。
──落ち着いて。
攻撃の軌道を読め──
「クワガーーー!!!!!」
千歌「ルカリオ!! そこ!!」
「グゥォッ!!!!!」
開かれたハサミの丁度真ん中──
千歌「“はっけい”!!」
「グゥォッ」
ルカリオの突き出した腕にぶつかると同時に、クワガノンはハサミを閉じ──る暇もなく、
「ガーーーーッ!!!!!!」
波導のパワーによって、後ろの方に吹っ飛ばされたのだった。
英玲奈「クワガノン!」
「クワ、ガーー……」
吹っ飛ばされ、ジムの壁に激突したクワガノン。戦闘不能だ。
英玲奈「……強力だな、メガシンカのパワーは」
千歌「私の自慢の手持ちです!」
英玲奈「……そうか、なら止むを得ない。だが、負けるつもりはない、行くぞシュバルゴ!!」
「シュバーールゴッ!!!!!」
英玲奈さんの4匹目はシュバルゴ。
『シュバルゴ きへいポケモン 高さ:1.0m 重さ:33.0kg
高速で 飛び周り 鋭い 槍で 相手を 突く。 不利な
相手にも 勇敢に 立ち向かう。 チョボマキから 奪った
殻で 出来た 鋼鉄の よろいが 全身を ガードする。』
「シュバルッ!!!!」
シュバルゴは図鑑通り、高速で飛びながら、ルカリオに迫ってくる。
英玲奈「“ダブルニードル”!!」
「シュバルッ!!!!!」
シュバルゴは両手の槍を突き出しての刺突攻撃。
千歌「ルカリオ! 受け止めて!」
「グゥォッ!!!!!」
それを真正面から、両の手で受け止める。
二本の槍はルカリオを刺すか刺されるかの競り合いになる。
「シュバァァルッ!!!!!」
シュバルゴが気合いとパワーで一気に槍を前に突き出すが──
千歌「“アイアンヘッド”!!」
「グゥォッ!!!!」
303 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/16(木) 12:59:32.85 ID:E6ygtKl90
ルカリオは組み合った状態のまま、頭を使って、シュバルゴに頭突きをかます。
「シュバッ……!!!」
相手が一瞬怯んだところに、
千歌「“ブレイズキック”!!」
「グゥォッ!!!!!」
炎の蹴撃を踵落としの要領で振り下ろす。
英玲奈「“てっぺき”!!」
「シュバルッ!!!!」
シュバルゴは咄嗟に身体をちぢこませ、鎧で攻撃をガードする。
──ガインッ!! と硬いガードで弾かれ、ルカリオの脚が浮く。
その隙にすかさず、
英玲奈「“ドリルライナー”!!」
「シュバッ!!!!!」
回転させた一槍がルカリオを襲う。
体勢を崩したルカリオは回避が出来ない。
千歌「ルカリオ!! 掴め!!」
「グゥォッ!!!!!」
英玲奈「なに!?」
回転しながら、突き出される槍を──無理矢理グリップする。
その勢いでルカリオの身体が回転槍に合わせて、振り回されるが──
「グゥォッ!!!!!!!!!」
丁度一回転して、自分の足が地面を向くタイミングで無理矢理着地し、震脚しながら、地面を踏みしめる。
無理矢理槍を握力で止めたことによって回転したままの槍を持ったシュバルゴは──
「シュ、シュバアアア」
今度は彼自身がその回転によって、槍以外の部分が振り回されることになる。
千歌「上に向かって、投げ飛ばせ!!」
「グゥォッ!!!!!」
“かいりき”を使って、シュバルゴを無理矢理中空に放り投げる。
「シュ、シュバァァァ」
英玲奈「シュバルゴ!! 落ち着け!!」
回転によって目を回し、更に空中に放り投げられ、体勢を整える余裕がないシュバルゴに向かって──
千歌「“スカイアッパー”!!」
「グゥォッ!!!!!」
ルカリオが狙いを定めて飛び出し──鎧と鎧の間にアッパーを叩き込んだ。
304 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/16(木) 13:01:11.55 ID:E6ygtKl90
「シュ、バアアッ!!!!!」
攻撃がクリーンヒットしたシュバルゴは、回転しながら吹っ飛び、
──ズシン、と重鈍な音を立てながら、地面に墜落した。
英玲奈「……戻れ、シュバルゴ」
千歌「よっし!! ルカリオ!! 二匹抜き!!」
「グゥォッ!!!!!」
ルカリオがクワガノンとシュバルゴを続けて倒したことによって、英玲奈さんの手持ちは残り一匹。
英玲奈「ふふ……君は強いトレーナーだな」
英玲奈さんは負けているのに何故だか楽しそうに笑う。
千歌「え? い、いやそれほどでも……」
英玲奈「なら……私も切り札を使わせてもらおう」
千歌「! 切り札……!」
英玲奈さんがボールを放る。
英玲奈「行くぞ、スピアー!!」
「ブブブーン」
千歌「スピアー!?」
出てきた、英玲奈さん最後のポケモンはスピアー。
スピアーなら知っている。1番道路でもビードルの巣の近くだと稀に見るポケモンだ。
英玲奈「メガシンカだ!!」
「ブブブーンッ」
千歌「!!」
英玲奈さんの腕にあるメガブレスレットが光り輝く。
そして、それに呼応するようにスピアーが光に包まれる。
光が晴れると──
「ブブブーーンッ」
スピアーがメガシンカした姿。
丸っこい身体がスマートになり、硬く鋭いフォルムへと変貌し、
3本だった毒針は5本になる。
『メガスピアー どくばちポケモン 高さ:1.4m 重さ:40.5kg
メガシンカに よって 両手と お尻にあった 3本の 毒針が
5本に なり さらに 強力な 毒素を 出すように なった。
凶暴性が 更に 増し 相手が 動かなくなるまで 刺しまくる。』
千歌「メガシンカ……!!」
英玲奈「スピアー!! “ミサイルばり”!!」
「ブブブーンッ」
スピアーがお尻と、真ん中の2本の腕──計3つの針先を撃ち出して飛ばしてくる。
305 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/16(木) 13:02:25.15 ID:E6ygtKl90
千歌「ルカリオ!! 迎撃!!」
「グゥォ!!!」
再び骨型波導の得物を手に持って、迎え撃つ。
千歌「“ボーンラッシュ”!!」
「グォッ!!!!」
武器をブンブンと回転させ、飛んで来る針を撃ち落と──
「グォァッ!!?」
千歌「!?」
──そうと思い、“ミサイルばり”を得物で弾いた瞬間、
思い描いていたような反射にならず、逆にその攻撃の威力に押され、得物を弾かれる。
千歌「ま、まずっ──!?」
そこに向かって、後続の針がルカリオに襲い掛かってくる。
「グゥォッ!!!?」
千歌「ル、ルカリオ!!」
避けきれずに“ミサイルばり”が直撃し、吹っ飛ばされるルカリオに向かって、
「ブブブーンッ」
スピアーが猛スピードで迫る。
「グゥォッ!!!」
床を転がりながらも咄嗟に受身を取って、体勢を整える。
「ブブーーーーンッ」
迫るスピアー。
逃げ場はない。
千歌「迎え撃て!! “はっけい”!!」
「グゥォッ!!!!!」
英玲奈「“とどめばり”!!」
「ブーーーーンッ」
スピアーがお尻の針を突き出してくる。
ルカリオは波導を腕に集中させ、構える。
──二匹の攻撃が交差した。
二匹がすれ違い、スピアーはルカリオの背後に飛び立ちながら、サマーソルトして英玲奈さんの前方辺りに戻って行く。
一方──
「グゥ…ォ…」
ルカリオは膝から崩れ落ちた。
千歌「……ルカリオ!!」
306 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/16(木) 13:04:05.31 ID:E6ygtKl90
咄嗟の指示でうまく相手の急所が見抜けなかった。
結果、逆に急所を晒し、スピアーに一方的に撃ち負けてしまったようだった。
千歌「……ごめんね、ルカリオ……私の判断ミスだ。戻って休んで」
ルカリオをボールに戻す。
英玲奈「……ルカリオが切り札だと言っていたな。切り札不在で私のスピアーを倒せるかな?」
千歌「……行くよ!! ムクホーク!!」
「ピィィィィ!!!!!!」
ムクホークが私の元から飛び出す。
千歌「“すてみタックル”!!」
「ピィィィ!!!!!!」
いつも通りムクホークが猛スピードで飛び出す。
英玲奈「スピアー!! “どくづき”!!」
「ブブーーーンッ!!!!」
前方に突き出されるスピアーの毒針。
一直線に、ムクホークのクチバシとスピアーの毒針がぶつかり合い。
直後──ヒュン、と私のすぐ横を猛スピードで何かが通り過ぎた。
千歌「……え?」
目を見開く。
驚いたまま、振り返ると、
「ピ、ピィィィ……」
ムクホークが倒れていた。
千歌「……え……え……?」
パワーが自慢のムクホークが、吹っ飛ばされていた。
千歌「完全に力負けした……? しかも、一撃で……?」
一瞬にして数の有利を詰められてしまった。
英玲奈「先ほどルカリオを倒した“とどめばり”という技を覚えているか?」
千歌「“とどめばり”……」
英玲奈「あの技は、相手にトドメをさせたとき、使ったポケモンの攻撃力を爆発的に上昇させる技だ」
千歌「……!」
ただでさえ、想像の何倍も上を行く攻撃力だったのに、それが更に上昇してしまったということだ。
だから、ムクホークのパワーでも歯が立たなかった。
英玲奈「……さあ、次が最後のポケモンだな」
千歌「……」
307 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/16(木) 13:05:18.10 ID:E6ygtKl90
最後の最後で絶望的なパワーの差を見せ付けられる。
どうする……?
そのとき、
──カタカタと、腰のボールが震える。
千歌「……ルガルガン」
ルガルガンのボールだった。
戦いに出せと言っているのかもしれない。
千歌「……わかった、ルガルガン!! お願い!!」
私はルガルガンを繰り出す。
ボールから飛び出した、ルガルガンは──
「……」
落ち着いていた。
千歌「ルガルガン……?」
戦闘に出ることを自ら望んでいたことから、勝手に戦意が高揚しているものだと思い込んでいたけど、
「ワォン」
千歌「……」
ルガルガンは小さく鳴き声をあげながら、こちらに流し目を配らせてくる。
まるで、私に向かって「落ち着け」とでも言わんばかりに、
千歌「……そうだね。焦っても仕方ないもんね」
私は呼吸を落ち着けるために、
千歌「……すぅー…………はぁー…………」
いつものように深呼吸をする。
酸素が全身に巡ってきて、なんだか視界も思考も少しだけ、すっきりしてくる。
──相手の攻撃は猛スピードから繰り出される針による刺突攻撃。
避けるのは実際問題難しい。
なら受け止めるしかない。
英玲奈「……落ち着いているところ、悪いが、攻撃させて貰うぞ……!! “ミサイルばり”!!」
「ブブブブーンッ!!!!!」
再び、“ミサイルばり”が飛んで来る。
私は目をしっかり開き、
真っ直ぐ指を指す。
千歌「……一発たりとも針を通さない」
飛んで来る針の先端に向かって──
308 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/16(木) 13:06:10.56 ID:E6ygtKl90
千歌「“ストーンエッジ”!!」
「ワゥッ!!!!」
ルガルガンが脚を踏み鳴らすと、フィールド上に鋭い岩が飛び出す。
その鋭い岩の頂点は──
英玲奈「……な!?」
“ミサイルばり”の頂点と完璧に頂点同士をぶつけ合い、威力を完璧に殺してみせる。
更に続け様に飛んで来る“ミサイルばり”に対しても、
同様に頂点を完璧にあわせて──
千歌「……これなら、いける!!」
英玲奈「完璧に見切ったということか……!! 面白い……!!」
“ミサイルばり”が通用しないとわかった瞬間、スピアーが突っ込んでくる。
英玲奈「“ダブルニードル”!!」
「ブブブーンッ!!!!!」
スピアーは今度は両の腕の針で攻撃をしてくる。
……が、
千歌「ルガルガン……」
「ワォンッ」
ルガルガンは自分の頭頂にある、長く鋭い岩のタテガミを構えて、
──コーンッ!!
英玲奈「……!!」
先ほど同様、完璧に真正面から頂点同士をぶつけると、小気味の良い音がフィールド上に響き渡る。
この音が、無駄なく刺突の威力を相殺できた証拠だ。
英玲奈「まだだ!!」
“ダブルニードル”の二撃目──
──コーンッ!!
千歌「……ふぅー……」
もっとだ──もっと集中しろ。
ルガルガンと息を合わせて、
相手の攻撃の軌道を見切れ、
一発でも食らったらダメなら、一発も食らわなければいいだけだ。
英玲奈「……そんなピンポイントな技が何度も続くわけないだろう……!! “みだれづき”!!」
「ブブブブーンッ!!!!!」
309 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/16(木) 13:07:42.50 ID:E6ygtKl90
スピアーが4本の腕を使って連続で突いてくる。
──そのとき、何故だか。
クリアな思考の中で、これからスピアーが攻撃してくる軌道が『わかる気がした』。
──コンッ、コンッ、コンッ、コーンッ!!!
英玲奈「な……!!」
──あぁ、この感じ、思い出した。
パルキアの攻撃を切り裂いたときと同じ感覚だ。
自分の集中が最大限まで高められて、
ポケモンと意識が同調している感じがする。
今なら──
千歌「……失敗する気がしない」
英玲奈「“ダブルニードル”!!」
「ブーーーンッ!!!!!」
──コーンッ!! コーンッ!!
次の攻撃も綺麗に相殺し、
英玲奈「“とどめばり”!!!」
「ブーーンッ!!!!!」
咄嗟に飛び出てきた、お尻の針に──
「ワォン」
ルガルガンが綺麗に、一直線に、岩のタテガミをぶつけると、
──ピシリ、
スピアーのお尻の針にヒビが入る。
そして、そのまま──
「ブゥ……ンッ……」
針の先から、身体の芯まで一直線に伝わる衝撃を全身に受けたスピアーは……静かに崩れ落ちた。
千歌「…………」
英玲奈「……なん……だと……」
千歌「……勝った」
勝利したという達成感か、安心したのか、急に足腰から力が抜けて、その場にへたり込む。
「ワォン」
そんな私の元にルガルガンが駆け寄ってくる。
千歌「あはは、大丈夫だよ、ルガルガン。ちょっと安心したら、力が抜けちゃっただけだから……」
「ワォン」
ルガルガンが身を寄せてくる。私は労うようにルガルガンを撫でてあげる。
英玲奈「……一つ聞きたい」
310 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/16(木) 13:09:13.85 ID:E6ygtKl90
バトルフィールドを挟んで向かい側から、英玲奈さんがスピアーをボールに戻しながら訊ねて来る。
千歌「?」
英玲奈「どうして、キミは……あんなリスクのある技を何度も決められると思ったんだ? 本当に一発でも攻撃が通れば、こちらの勝ちは揺るぎなかった……」
千歌「どうして……か」
英玲奈「普通だったら……いかに選択肢を拡げて、どう対抗するかを考えるものだと思うのだが……」
千歌「……うーん」
そう言われて悩む。
千歌「……なんか、出来る気がしたから……?」
悩んだ末、私の中で出た結論はそれだった。
私の回答を聞いた英玲奈さんが、
英玲奈「……ふ──ふははははっ!! そうか、出来る気がしたのなら仕方ないな!」
頭に手を当てながら、可笑しそうに笑う。
英玲奈「キミは私が思った以上に強いトレーナーだったようだ」
英玲奈さんはそう言って、私の方に歩いてくる。
そして、上着のポケットから──ソレを取り出して、
英玲奈「千歌。キミをクロユリジム公認トレーナーとして、この──」
へたり込んだままの私の前で膝を折って、手渡してくれる。
英玲奈「──“スティングバッジ”を進呈しよう」
千歌「……はい!」
ハチの針を象ったような意匠のバッジを手渡される。
千歌「……これで、8つ目……!」
ついに、8つ目のバッジを手に入れた。
英玲奈「バッジを全てそろえたトレーナーとしての実力を認め、今後全てのポケモンがキミの言うことを聴くだろう。更に、その実力を認め、ここから東にあるウテナシティ、ポケモンリーグへの挑戦権が与えられる」
千歌「ポケモンリーグ……!」
英玲奈「ウテナシティは18番道路を戻り、16番道路を東に、そこから繋がる17番水道を北上した先、チャンピオンロードを言われる山道を抜けた先だ」
千歌「はい……!!」
ついに師匠が待つ、ポケモンリーグへと行くことが出来る……!
英玲奈「ポケモンリーグで四天王たちと……存分に覇を競うと良い」
千歌「はい!」
こうして、私はついに──オトノキ地方全てのポケモンジムを制覇し、全てのジムバッジを揃え……次の目的地、チャンピオンロードへと赴くのでした。
311 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/16(木) 13:10:13.67 ID:E6ygtKl90
>レポート
ここまでの ぼうけんを
レポートに きろくしますか?
ポケモンレポートに かこんでいます
でんげんを きらないでください...
【クロユリシティ】
口================= 口
||. |⊂⊃ _回../||
||. |o|_____. ● | ⊂⊃| ||
||. 回____ | | | |__|  ̄ ||
||. | | 回 __| |__/ : ||
||. ⊂⊃ | ○ |‥・ ||
||. | |. | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ ||
||. | |. | | | ||
||. | |____| |____ / ||
||. | ____ 回__o_.回‥‥‥ :o ||
||. | | | | _. / : ||
||. 回 . |_回o | | : ||
||. | |  ̄ |. : ||
||. | | .__ \ : ||
||. | ○._ __|⊂⊃|___|. : ||
||. |___回○__.回_ _|‥‥‥: ||
||. /. 回 .| 回 ||
||. _/ o‥| | | ||
||. / | | | ||
||./ o回/ ||
口=================口
主人公 千歌
手持ち バクフーン♂ Lv.58 特性:もうか 性格:おくびょう 個性:のんびりするのがすき
トリミアン♀ Lv.52 特性:ファーコート 性格:のうてんき 個性:ひるねをよくする
ムクホーク♂ Lv.57 特性:すてみ 性格:いじっぱり 個性:あばれることがすき
ルガルガン♂ Lv.56 特性:かたいツメ 性格:わんぱく 個性:こうきしんがつよい
ルカリオ♂ Lv.61 特性:せいぎのこころ 性格:ようき 個性:ものおとにびんかん
フローゼル♀ Lv.54 特性:すいすい 性格:ゆうかん 個性:ものおとにびんかん
バッジ 8個 図鑑 見つけた数:169匹 捕まえた数:15匹
千歌は
レポートを しっかり かきのこした!
...To be continued.
312 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/17(金) 00:28:30.78 ID:dd6+2abs0
■Chapter085 『決戦! ライバル!』 【SIDE Chika】
──17番水道を北上していると……その先に見えてくる。
千歌「山……あれが、チャンピオンロード……!」
「ゼル」
フローゼルの“なみのり”で移動しながら、やっと次なる目的地に辿り着く。
岸に着いた私はフローゼルをボールに戻しながら、思わず見上げてしまう。
千歌「おっきな山……!」
チャンピオンロードはポケモンリーグに挑むトレーナーたちの最後の壁として立ちはだかる険しい山だと聞いた。
確かに最後の壁と言うのに相応しい迫力がある。
千歌「……よし」
私は一人意気込んで、その山に向かって歩き出した。
* * *
しばらく歩くと、大きな山の麓にぽっかりと大きな口が開けているのが見えてきた。
あの洞窟から入って、山道を抜けていくようだ。
山道らしく砂利の増えてきた道を踏みしめていると──
──pipipipipipipipi!!!!!
千歌「わ!? な、なに!?」
聞き覚えのある大きな音がポケットから聞こえてくる。
これって、確か……。
千歌「図鑑の共鳴音……?」
言いながら図鑑を取り出すと、確かにけたたましい音をあげて鳴っている。
千歌「……図鑑が共鳴音を鳴らしてる……ってことは……!」
私は自然と駆け足になる。
だんだんと近付いてくる洞窟の入口の前には──人影が二つ。
梨子「……やっときたね」
曜「千歌ちゃん、久しぶり!」
千歌「梨子ちゃん! 曜ちゃん!」
313 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/17(金) 00:30:06.75 ID:dd6+2abs0
他の誰でもない。
私と一緒に図鑑と最初のポケモンを貰った、梨子ちゃんと曜ちゃんの姿だった。
千歌「二人ともどうしてここに!?」
梨子「ふふ、千歌ちゃんが来るのを待ってたんだよね」
曜「うん!」
千歌「私を……?」
首を傾げていてると、
曜「千歌ちゃん……これ見て!」
曜ちゃんがバッグの中から──荘厳な雰囲気のあるリボンを取り出した。
千歌「なんか……すごいリボン……」
梨子「そのリボン、コンテストで優勝してもらえるリボンなんだって」
千歌「コンテスト……優勝……ものすごいリボン……まさか……!」
曜「うん!」
曜ちゃんが嬉しそうに頷く。
曜「私……グランドフェスティバルで優勝したんだよ!」
グランドフェスティバル……確か、一番優れたコーディネーターを決める大会のことだ。前に志満姉がそんなことを言っていた気がする。
つまり──
千歌「曜ちゃん……この地方で一番になっちゃったってこと!?」
曜「えへへ……そうであります! オトノキ地方のコンテストクイーンです!」
千歌「すごい!! ホントにすごいよ、曜ちゃん!!!」
驚きの声をあげながら、思わずぴょんぴょん跳ねてしまう。
曜「うん!! えへへ、千歌ちゃんに早く報告がしたくて……チャンピオンロードの入口で待ってたら来ると思ってたから。……そしたら、梨子ちゃんも居てね」
梨子「──私と同じこと考えてたみたいで、曜ちゃんと二人で千歌ちゃんのこと待ってたの」
千歌「そっかぁ……ここまで来たってことは、梨子ちゃんも……」
梨子「……うん!」
梨子ちゃんはバッグから、バッジケースを取り出し、開いて見せてくれる。
──そこには、輝く8つのバッジ。
梨子「ポケモンジム。全部制覇してきたよ」
千歌「そっか……!!」
……あれ、でも……。
314 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/17(金) 00:33:00.86 ID:dd6+2abs0
千歌「……? じゃあ、どうしてここで待ってたの? チャンピオンロードを越えないといけないのに……」
梨子「んっとね……それなんだけど」
千歌「?」
梨子「このチャンピオンロードを越えた先には、最後の街ウテナシティがあるって言うのは知ってるよね」
千歌「うん。そこにポケモンリーグがあるんだよね」
梨子「そうだね。そこで四天王と戦って……勝ち抜いたらチャンピオンになれる。……でも、私思ったの」
千歌「?」
梨子「チャンピオンになれるのって……一人だよね」
千歌「……まあ……そうなのかな……?」
チャンピオンってくらいだし……一人しかいない気がする。
梨子「それってつまり……私が先に四天王に挑戦して、仮に勝ち抜けたとしても、すぐに千歌ちゃんも挑戦に来るってことでしょ?」
千歌「……確かに」
お互い四天王に勝てるかはともかく、確かに最終的に行き着くのはチャンピオンの椅子だ。
梨子「だからさ……どうせなら、先にやっちゃってもいいかなって」
千歌「先に……?」
梨子「千歌ちゃんと私……どっちが強いかを」
千歌「……!」
……つまり……。
梨子「勝った方が四天王に挑戦する。……どうかな?」
千歌「……ふふ」
梨子「千歌ちゃん?」
千歌「チャンピオンってことは、この地方で一番強いトレーナーってことだもんね! ここで梨子ちゃんに負けるようじゃ、チャンピオンは名乗れないもん! いいよ! その話乗った!!」
梨子「ふふ、千歌ちゃんならそう言ってくれると思った」
千歌「でも、私。強いよ?」
梨子「あら? 1番道路で私にコテンパンにされたのは誰だったかしら?」
千歌「ふふ……あのときがもう随分昔な気がするね」
梨子「……そうだね」
千歌「……自分で言うのもなんだけど、あのときからは考えられないくらい強くなったよ」
梨子「うん。私も強くなった」
二人で自然とボールを腰から外して、お互いに突きつけるようなポーズを取る。
千歌「今回は負けないよ」
梨子「今回も負けないわ」
ここまで、一緒に旅に出て、ときに競い合い、ときに手を取り合い、一緒に戦った梨子ちゃん──ライバルとの最終戦。
曜「それじゃ、二人の最終戦はこの曜ちゃんが立会人になるよ!」
千歌「うん!」
梨子「お願いね」
曜「ルールはお互い手持ち6匹を自由に使って戦うフリーバトル! そして、バトルフィールドは──」
315 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/17(金) 00:34:34.11 ID:dd6+2abs0
曜ちゃんが目の前に拡がる、大きな山を示すように、バッと両手を広げる。
曜「このチャンピオンロード全域!」
戦いのステージはこの険しい山道と洞窟、全てだ。
曜「なんでもありのフリーバトル!! 最後に立っていた方が勝ち!! それでいい?」
梨子「ええ、問題ないわ」
千歌「それが一番シンプルだもんね!」
曜「何かあっても私が介抱してあげるから、二人とも全力で戦って大丈夫だからね!」
立会人がいるお陰で本気でぶつかり合える。
曜「ふふ♪ こうして千歌ちゃんと梨子ちゃんが戦って、私が立会人して……なんか、本当に1番道路のときみたいだね」
千歌「あはは、そうかも」
梨子「ふふ、そうだね」
なんだか、なつかしくて三人で顔を見合わせて笑ってしまう。
千歌「梨子ちゃん」
梨子「ん?」
千歌「ホンキで行くよ」
梨子「ええ、もちろん!」
曜「二人とも準備はいい!?」
千歌「うん!」
梨子「ええ!」
改めて、二人でボールを構える。
曜「それじゃ行くよーーー!!! レディーーーーGO!!!!」
曜ちゃんの掛け声と共に──二つのボールが放られた。
* * *
316 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/17(金) 00:35:52.77 ID:dd6+2abs0
千歌「しいたけ!!」
「ワォンッ!!!!」
梨子「メブキジカ!!」
「ブルルッ!!!!!」
お互い最初の一匹目はしいたけとメブキジカ。
梨子「メブキジカ!! “メガホーン”!!」
「ブルルッ!!!!!」
先手はメブキジカ。ツノを前に突き出して突進してくる。
千歌「しいたけ!! “ずつき”!!!」
「ワォンッ!!!!!」
真っ向から打ち合う……!!
しいたけも頭を下げて、前傾で突進する。
──ガスン!!
しいたけの頭と、メブキジカのツノが衝突し、競り合う。
「ブルル……ッ!!!!!」
「ワォンッ……!!!!」
梨子「メブキジカ! “タネばくだん”!!」
千歌「!」
「ブルルッ!!!!!」
組み合った状態のまま、メブキジカが強引に頭を振るうと、ツノからタネが飛び散る。
──ボンボンボンッ!!! と周囲に飛び散ったタネが爆発を起こす。
「ワゥッ!!!!」
爆発に怯むしいたけに、
「ブルルッ」
メブキジカはステップを踏むように、背を向ける。
梨子「“とびげり”!!」
千歌「“コットンガード”!!」
「ワッフッ!!!!!」
後方を強靭な脚力で蹴り上げてくるキック攻撃を、
──ボフンッ
体毛を膨張させて受け止める。
千歌「“かみつく”!!」
「ワゥッ!!!!」
「ブルルッ!!!?」
むしろ、そのまま受け止めた脚に噛み付いて反撃する。
317 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/17(金) 00:38:54.23 ID:dd6+2abs0
梨子「焦らないで! “ふみつけ”!」
「ブルルッ!!!!!」
メブキジカは噛み付かれたのとは逆の脚で、しいたけを足蹴にする。
「ワゥッ」
それに怯み、しいたけが後方に押しのけられる。
次の瞬間、メブキジカが再び後ろ足で蹴り上げようとしてきて、
千歌「! しいたけ! また来るよ!」
「ワッフッ!!!!」
すかさず“かみつく”の体勢。
だが、
「ブルル」
メブキジカはあげようとしていた脚を下ろし、
千歌「!?」
そのまま、身を翻しながら、ツノを使ってしいたけの横っ面を引っぱたく。
「ワッフッ!!!?」
千歌「くっ!? “だましうち”!?」
軽くノックバックをしつつ、地面を踏ん張るしいたけに、
「ブルルッ!!!!」
再び、ツノを突き立ててメブキジカが突進してくる。
梨子「“ウッドホーン”!!」
「ブルルッ!!!」
──ガスンッ と音を立て、再びメブキジカのツノが突き刺さる。
そのまま体勢を崩した、しいたけにツノを突きたてながら押さえつけてくる。
「ワゥッ……!!!!!」
千歌「しいたけ!! 頑張って!!」
「ワゥゥゥ……!!!」
どうにか根性で足腰にパワーを込めながら、少しずつ立ち上がるが、
「ワッフッ……ッ」
しいたけの脚がガクリと落ちる。
千歌「しいたけ!!」
梨子「ふふ……“ウッドホーン”が効いてるね」
千歌「……っ HPを吸収されてる……っ!」
梨子「まるで、最初のバトルの再現ね……でも、今はこれだけじゃ終わらないわ!! “ギガドレイン”!!」
「ブルルッ!!!!!」
318 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/17(金) 00:40:50.44 ID:dd6+2abs0
更に身動きが取れない状態から畳み掛けるように、メブキジカはしいたけからエネルギーを吸収する。
「ワ、ワゥ……」
千歌「しいたけ……!!」
梨子「さぁ、どうする、千歌ちゃん!?」
千歌「く、くそぉ……打つ手が……」
押さえつけられている上にHPを吸われ続けているせいで反撃が出来ない──
千歌「──なーんちゃって!」
「……ブルルッ……」
梨子「!?」
メブキジカの膝が急にガクリと落ちる。
梨子「メブキジカ!?」
千歌「しいたけ!! “アイアンテール”!!」
「ワゥッ……!!!!!」
「ブルルッ……!!!」
しいたけは思いっきり全身を使って身体を回転させ、尻尾を振るい、今度こそメブキジカを追い払う。
梨子「い、いったい何を……!!」
「ブルル……ッ」
苦しげな表情をするメブキジカを見て、
梨子「……これは……どく状態……?……まさか、“どくどく”……!!」
千歌「ふふん、正解っ!」
一瞬で見抜いてくるのはさすがだけど、こっちも組み合う形での吸収技に対してなら、とっくに対策が出来てるもんね!
ただ──
「ワ、ッフ……!!!」
もう随分ダメージを負ってしまった。
そしてそれは、
「ブルル……!!」
メブキジカも同様。
梨子「“もうどく”のダメージが大きい……」
お互いだらだら戦える状態じゃなくなってきたようだ、
なら……!!
千歌「しいたけ!!」
「ワゥッ……!!!!」
梨子「メブキジカ!!」
「ブルル……ッ!!!!!」
どうやら梨子ちゃんも同じ考えのようだ、
319 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/17(金) 00:43:09.69 ID:dd6+2abs0
千歌・梨子「「“とっしん”!!!」」
「ワゥッ!!!!!」 「ブルルッ!!!!!」
二匹が同時に走り出す。
小細工なしのただの“とっしん”だ。
──ドズン!!!
と鈍い音を立て、
「ワゥッ……!!!」
「ブルルッ……!!!!」
二匹がお互いの攻撃によって、同時に吹っ飛ぶ。
千歌「しいたけ!!」
梨子「メブキジカ!!」
梨子ちゃんともども、吹っ飛んだ自分の手持ちに駆け寄ると、
「ワゥ……」
「ブルル……」
二匹は今度こそ体力を使い果たし、気絶してしまった。
曜「しいたけ、メブキジカ戦闘不能!」
すかさず曜ちゃんがジャッジをする。
梨子「最初は相討ち……!」
千歌「……次!! 行くよ、ルガルガン!!」
「ワォーーーンッ!!!!!!」
梨子「!!」
私はしいたけをボールに戻し、すかさずルガルガンを繰り出す。
千歌「“ドリルライナー”!!!」
「ワォォンッ!!!!!!」
ルガルガンが身を捩りながら回転し、突撃する。
梨子「ムーランド!! “かたきうち”!!」
「ヴォッフッ!!!!!」
飛んで来るルガルガンを、繰り出されたムーランドが前足で弾き飛ばす。
「ワォンッ!!!!!」
弾き飛ばされ、進路をずらされたルガルガンは地面に爪を立てて勢いを殺しながら、ムーランドの向こう側で体勢を整える。
千歌「! そのムーランド、もしかして!」
梨子「ふふ、うん。ドッグランで千歌ちゃんと出会ったときに私を守ってくれてたムーランドよ」
千歌「じゃあ、梨子ちゃん……犬を克服出来たんだね……!」
梨子「うん、お陰様で。だから、ルガルガンも遠慮しなくて大丈夫だからね!」
「ワォーンッ」
320 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/17(金) 00:44:24.31 ID:dd6+2abs0
さて、二匹目はどうやらドッグラン出身の同郷対決のようだ。
ルガルガンVSムーランド。
「ヴォッフ……」
ムーランドは毅然とした態度でどっしりと構えている。
千歌「…………」
「ワォン」
ルガルガンも戦意は十分だが……。
梨子「……来ないなら、こっちから行くよ!! ムーランド!! “こおりのキバ”!!」
「ヴォッフッ!!!!!」
ムーランドが飛び出してくる。
キバに冷気を帯びさせ、
「ヴォッフッ!!!!!」
そのままルガルガンに噛み付こうと大きく口を開く。
勢いを載せて突っ込んでくるムーランドに向かって──
梨子「──“カウンター”するつもりだよね」
千歌「!?」
──バレてる!?
梨子「ムーランド!! 地面!!」
「ヴォッフッ!!!!」
ムーランドはルガルガンに攻撃せず、地面にキバを立てる。
キバを立てた地面に冷気が伝播し、
──バキバキバキ!! と音を立てながら、氷柱が地面から飛び出しながらルガルガンに迫る。
「ワ、ワォンッ!!!?」
完全に“カウンター”の体勢を取っていたルガルガンは予想外の攻撃に完全に面食らっていた。
「ワゥッ!!!?」
避ける余裕もなく、突き出る氷柱に突き飛ばされ、宙を浮いたところにすかさず、
梨子「“アイアンヘッド”!!!」
「ヴォッフッ!!!!!!」
ムーランドの鋼鉄の頭突きが炸裂する。
「ギャウッ!!!」
千歌「!! ルガルガン!!」
完璧に攻撃が直撃したルガルガンは一直線に洞窟の入口の方に吹っ飛んでいく。
千歌「っく……!!」
321 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/17(金) 00:45:33.20 ID:dd6+2abs0
私は慌てて、ルガルガンを追いかけるために、洞窟の方へと走り出す。
梨子「ムーランド! 追うよ!」
「ヴォッフッ!!!!」
曜「バトルフィールドは洞窟の中に……! カイリキー、サポートして!」
「リキーッ!!!!」
* * *
──洞窟内。
吹っ飛ばされたとは言え、あくまで一直線だ。
すぐにルガルガンを見つけた私は──
千歌「ルガルガン! 奥まで走るよ!」
「ワォンッ!!!」
ルガルガンと一緒に洞窟内部へと走り出す。
梨子「千歌ちゃん!!? どこまでいくつもり!!?」
洞窟の入口の方から、梨子ちゃんの声が反響して届いてくる。
千歌「バトルフィールドはチャンピオンロード全体だよっ!!」
後方に向かってそう言葉を返す。
梨子「……ルガルガンの得意な岩場に誘い込もうとしても、乗らないわよ!! “ハイパーボイス”!!」
「ヴォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!!!!!」
千歌「だわっ!!!?」
「ワォッ!!!!!?」
雄叫びのような、爆音が洞窟内を反響しながら、強力な衝撃波となって飛んで来る。
それはまるで後ろから吹く強烈な追い風のように、私たちを更に奥へと吹っ飛ばす。
千歌「……つつっ」
洞窟内の岩肌の上でどうにか受身を取りながら体勢を整え、
入口の方に向かって、
千歌「反撃!! “ストーンエッジ”!!」
「ワォンッ!!!!!!」
反撃の岩を飛ばす。
梨子「っく……!!」
洞窟内、視界の悪い場所からの攻撃だからか、命中精度が悪い。
梨子ちゃんやムーランドの足元辺りに鋭い岩は落ちてしまうが、
322 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/17(金) 00:48:22.24 ID:dd6+2abs0
梨子「“ハイパーボイス”!!」
「ヴォォォォォォォォ!!!!!!!!!」
千歌「ルガルガン!」
「ワォンッ!!!!」
ルガルガンが足を打ち鳴らすと、地面から岩が迫り出してきて、ルガルガンの前方に壁を作る。
梨子「! 岩の盾ってわけね……」
岩場はさっき梨子ちゃんが言ったとおりルガルガンの主戦場だ。
ここなら防御に使える岩が大量にある。
更に……!
千歌「“ストーンエッジ”!!」
「ワォンッ!!!!!!」
梨子「っ!!」
「ヴォッフッ!!!」
今度の岩はムーランドを掠める。
いくら命中率が悪くても、何度も打てば攻撃は当たる。
梨子「っく……地の利を取られてる」
千歌「さあ、梨子ちゃん!! 奥まで来ないと、そのうち直撃するよ!!」
梨子「……仕方ない。……その挑発、乗ってあげるわ!! ムーランド!!」
「ヴォッフッ!!!!!」
ムーランドと一緒に洞窟内部へと走りこんでくる。
梨子「タダで、有利な場所に飛び込むつもりはないけどね!! “ギガインパクト”!!」
「ヴォッフッ!!!!!!!!!」
ムーランドは最上級のパワーで周囲の岩を割り砕きながら、迫ってくる。
梨子「早く出てこないと、そこらへんの岩ごと粉砕しちゃうわよ!?」
千歌「言われなくても、出てくるよ!!」
「ワォンッ!!!!!」
千歌「“アクセルロック”!!」
「ワォンッ!!!!!!」
私の指示でルガルガンが飛び出す。
ただし、ムーランドの方ではない。
梨子「!? な、何!?」
ルガルガンは猛スピードで洞窟内の天井付近を跳ね回る。
その際に鋭い岩のタテガミで周囲の岩壁を割り砕きながら──
千歌「曜ちゃん!! 巻き込むかもしれないから、注意してね!!」
曜「ヨーソロー!!! 心配ご無用!!」
「リキーーー!!!!!」
砕かれた大量の岩は、次なる攻撃となって爆走するムーランドに向かって降り注ぐ。
323 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/17(金) 00:50:45.33 ID:dd6+2abs0
千歌「“いわなだれ”!!」
梨子「!!」
──ガラガラガラッと音を立てながら、大量の岩が降り注いでくる。
「ヴォォォッフ!!!!!!」
ムーランドは依然、爆走を続けているが、
落ちてくる岩がぶつかる度に速度が落ちている。
でも──
千歌「今更止まれないよね!!」
梨子「……っ」
“ギガインパクト”で突っ込むしかなかったとは言え、技を引っ込めれば反動で動けなくなる。
なら、この瞬間はまたとない好機だ。
「ワォンッ!!!!!」
天井から地上を走るムーランドに向かって、“アクセルロック”の勢いでルガルガンが飛び掛かる。
「ヴォッフッ!!!!!!」
背中から、降って来る高速の一撃。
もちろん、避けることが出来るはずもなく、ムーランドの背中に直撃する。
千歌「よっし、そのまま──」
梨子「ムーランドッ!!!!」
「ヴォッフッ!!!!!!」
梨子ちゃんが叫んだ瞬間。
ムーランドは身を捩り、勢いを殺さぬまま、強引にルガルガンに前足を引っ掛け、
千歌「なっ!!?」
「ワォンッ!!!!?」
ルガルガンを無理矢理地面に引き摺り落とす。
二匹は猛スピードで移動したまま、組み合いになったため、もつれ合ったまま、洞窟内を転がっていく。
それと同時に、洞窟内の奥の方でやや視界が開けた広場のような場所が見えてくる。二匹が転がって行くその空間の先に見えるのは……。
千歌「水……!?」
巨大な水溜り。
梨子「! 湖!!」
そこに広がっているのは、巨大な洞窟湖。
洞窟湖の奥の方では、この巨大な水溜りに上流から水を供給している源である滝まで見える。
324 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/17(金) 00:51:45.35 ID:dd6+2abs0
千歌「って、やば!?」
梨子「ムーランド!! そのまま、湖までもつれ込んで!!」
「ヴォッフッ!!!!!!」
千歌「ルガルガンは水は苦手なんだって!!! ブレーキ!! ブレーーキ!!!!!」
「ワォーーーーーンッ!!!!!!!」
ルガルガンは“かたいツメ”を地面に立てながら、ブレーキを掛ける。
──が、間に合わない。
二匹はそのまま、湖へと投げ出される。
千歌「くっそぉっ!!!」
私は二匹を追って、そのまま湖へと身を投げる。
梨子「千歌ちゃん!?」
梨子ちゃんはそんな私の姿を見て、驚いた顔をしていたが──
──ザブンッ!! と音を立てて、湖に潜る。
水中で目を開けると……。
「ワ、ワォゥ……ッ」
「ヴォッフッ!!!!」
水中でもなお組み合ったままの二匹。
ただ、ムーランドはやや余裕がある。
一方ルガルガンはジタバタともがきながら、今にも水底に引きずり込まれそうだった。
私は次なるボールを放る──
「ゼルルル!!!!!!」
飛び出した、フローゼルにハンドシグナルでムーランドを指差して指示を出す。
「ゼルッ!!!!!」
簡易的な指示を受けてフローゼルが飛び出す──“アクアジェット”!
「ゼルルルッ!!!!!!!」
「ヴォフッ!!!?」
水の中でルガルガンを引きずり込もうとしている、ムーランドに突進し引き剥がす。
その隙に、私は溺れかけのルガルガンをボールに戻してから、水上に顔を出す。
千歌「──ぷはっ!!」
水面に顔を出すと──
梨子「──ピジョット!! “エアスラッシュ”!!」
「ピジョットォォォォォ!!!!!!!!!」
千歌「!?」
325 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/17(金) 00:52:57.61 ID:dd6+2abs0
背面上方から声が飛んで来る。
反射で咄嗟に後ろに向かってボールを放る。
千歌「ムクホーク!! “オウムがえし”!!」
「ピィィィィ!!!!!!!」
飛び出したムクホークは即“エアスラッシュ”を真似て使用し、二匹の攻撃が空中でぶつかり合う。
千歌「……っ!!」
その隙に梨子ちゃんの声がした方に振り向くと──
ピジョットの脚に掴まって、湖の上を飛んでいる。
戦いの舞台は水中・空中戦に突入する。
── 一方で、
「ゼルルルッ!!!!!!」
「ヴォッフッ!!!!!!」
フローゼルがムーランドに噛み付きながら、滝つぼに向かってムーランドを引っ張っているところだった。
梨子「ムーランド!!? 今行くよ!!」
「ピジョッ!!!!!」
梨子ちゃんが、ピジョットと一緒に滝つぼの方へ飛び出し──
梨子「フローゼルをどうにかしないと……!! ネオラント、お願い!!」
「ネォ〜〜」
滝の方向に向かって、ネオラントを繰り出す。
千歌「ムクホーク! 私たちも追うよ!」
「ピィィッ!!!!!」
水面近くまで寄ってきてくれたムクホークの脚を掴んで飛び出す。
曜「ラプラス! 滝の方まで距離を取りながら進むよ!」
「キュゥ〜〜〜」
背後では審判の曜ちゃんが追ってきている。
その周囲には、
「タマ〜〜」
タマンタも従えて、もし私たちが溺れたりしたらいつでも助けてくれる準備が整っているようだった。
お陰で全力で戦える……!
梨子「ネオラント! “シグナルビーム”!!」
「ネォォ〜〜〜」
ネオラントがムーランドを引っ張って移動するフローゼルに向かって、ビームを放ってくる。
「ゼルッ!!!?」
迫る極彩色のビームに気付いたフローゼルが声をあげる。
326 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/17(金) 00:54:25.75 ID:dd6+2abs0
千歌「フローゼル!! ムーランドは無理して追い詰めなくていい!! 迎撃優先!! “スピードスター”!!」
「ゼルッ!!!!!」
フローゼルは指示を受け、ムーランドを放し、後方に迫る“シグナルビーム”に向かって“スピードスター”を放つ。
両者の攻撃が相殺する中、
「ヴォッフッ!!!!!」
フローゼルから解放されて、自由になったムーランドが犬掻きで泳ぎながら、フローゼルへと攻撃を仕掛けてくる。
千歌「フローゼル! 後ろ! “スイープビンタ”!!」
「ゼルルッ!!!!!」
「ヴォッフッ!!!?」
フローゼルは背後から跳びかかって来るムーランドの方は振り向かず、尻尾を高速回転させて、迎撃する。
──よし、どうにか前後から迫る相手をうまくいなせてる。
あとは上空のピジョット……!
視線をフローゼルから外し、辺りを見回すが、
千歌「あ、あれ!? 梨子ちゃんは!?」
梨子ちゃんの姿が見当たらない。
「ピィィィィ!!!!!!!!」
そんな私を見かねてか、ムクホークが鳴き声をあげる。
釣られて、ムクホークの方を見ると──ムクホークの真上から影が迫ってきていた。
千歌「!! 上っ!!?」
梨子「“つばめがえし”!!」
「ピジョットォォォォ!!!!!!!!」
梨子ちゃんとピジョットは私がフローゼルの指示に集中してる間にサマーソルトして、直上からの攻撃態勢に移っていた。
そのまま、ムクホークの背中に向かって翼を垂直に立て、
「ピィィィィッ!!!!!!」
翼で攻撃を仕掛けてくる。
真上からの攻撃にムクホークは一瞬体勢を崩すが──
ムクホークはすぐさま、背面飛びに移行し、猛禽の爪を伸ばす。
梨子「!?」
梨子ちゃんが驚いた表情をする。何故なら、
──ムクホークが伸ばしてきた脚には今さっきまで私が捕まっていたはずだからだ。
梨子「まさか、飛び降りたの!?」
千歌「ムクホーク!!!! “インファイト”!!!」
空中を落下しながら、ムクホークに指示を出す。
327 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/17(金) 00:55:43.76 ID:dd6+2abs0
「ピィィィィィ!!!!!!!!!!」
「ピ、ピジョォォォォ!!!!!!」
そのまま、猛禽の脚でピジョットの首に掴みかかる。
そして、私は──ザブン!! と再び水中に落下し、
「──ゼルッ!!!!」
すぐさま、下からフローゼルが私の身体を持ち上げる。
梨子「く……!!」
千歌「ムクホーク!! そのまま、湖まで引き摺り落としちゃえ!!」
「ピィィィィ!!!!!!!!」
空中戦は梨子ちゃんを運んでいる分、空中制御が利かないピジョットが不利な状態のまま、湖面に向かって墜落してくる。
千歌「行ける……!!」
そう思った矢先、
「ネォォッ!!!!」
千歌「!?」
突然、目の前に飛び出してきた、ネオラントが激しく閃光した。
千歌「い゛っ!!!」
至近距離で強烈な発光に目を焼かれ、変な声が漏れる。
千歌「フ、“フラッシュ”……っ」
完全に予想外の方向から攻撃に全く対応が出来なかった。
無理矢理、目を開けるが──
視界がぼやけて、うまく見えない。
「ピィィィィ!!!!?」
千歌「!? ム、ムクホーク!? どうしたの!?」
上空からムクホークの鳴き声。声がする方に顔を向けはするものの、目を潰されてしまって、何が起こってるのかがわからない。
──いや……ぼやける視界の中で、僅かに七色に光る眩い輝きが見て取れた。
千歌「……!! メガシンカ……!!」
あの輝きは、梨子ちゃんのメガブレスレットと反応して、姿を変えたメガピジョットのものだ……!!
梨子「ピジョット!! “ぼうふう”!!」
「ピジョットォォォォォ!!!!!!!」
「ピィィィィィィィ!!!!?」
千歌「……っ!!」
328 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/17(金) 00:57:37.58 ID:dd6+2abs0
激しく空気が渦巻き、強風が吹き荒ぶ音。
そして、その音に飲み込まれるように微かにムクホークの悲鳴のような鳴き声が聞こえてくる。
せっかく、ムクホークを身軽にして有利を取ろうと思ったのに、逆に私の視界を潰され、その隙にメガシンカのパワーで圧倒されてしまった。
──だが、迷ってる暇はない。
「ヴォッフッ!!!!!」
水音と共に、背後からムーランドの鳴き声。
千歌「フローゼル!!」
「ゼルッ!!!!!」
フローゼルに合図を送って、一旦水中に潜る。
……まずは相手の数を減らすのが優先だ。
フローゼルは全身にみずタイプのエネルギーを集束させて──水面に顔を出すムーランドに向かって、水中から一直線に飛び出す。
「ゼルゥッ!!!!!!」
「ヴォッフッ!!!!?」
強力な突進攻撃を食らった、ムーランドは水上に打ち上げられる。
千歌「決まった!! “アクアブレイク”!!」
「ゼルルッ!!!!」
うまく見えては居ないけど、手応えがあった。
数テンポおいて、──ザブン! ザブン! と二回着水音がする。
……2回?
曜「ムーランド、ムクホーク、戦闘不能!」
千歌「……!」
さっき“ぼうふう”に巻き込まれたムクホークは健闘虚しくココでリタイアと言うことのようだ。
梨子「ムーランド!」
曜「二匹は私が回収しておくから、二人はバトルを続行して!」
「キュゥ〜〜〜」
ラプラスの鳴き声がする。曜ちゃんがしっかり救出をしてくれるらしいので、悪い視界のままムクホークを探してボールに戻さなくていいのは正直助かる。
──が、
「ゼルルッ!!!!」
千歌「え、何!? フローゼ──わぷっ!?」
329 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/17(金) 00:59:24.03 ID:dd6+2abs0
フローゼルが急に水中に潜る。フローゼルに掴まったままの私も当然水中に潜ることになる。
ただ、ここまで急な行動。
恐らく、上空からメガピジョットの攻撃が飛んできたと考えて間違いないだろう。
その証拠に音が聞こえ辛い水の中だと言うのに、
──ズドン。ズドン。と何かが強く水面を叩くような音が聞こえてくる。
恐らく、ピジョットの“エアカッター”や“エアスラッシュ”をこっちに向かって飛ばしてきているんだろう。
水中ならどうにか攻撃は届かないが──
でも、ここにはネオラントが居る。
このまま、立ち往生してるのは危険だ。
──なら、
千歌「……!!」
私は滝の音が聞こえる方向を指差す。
「ゼルッ!!!!」
フローゼルは意図を汲んでくれたのか、そのまま高速で泳ぎだす。
全速前進をしながら、少しずつ水面に近付き。
千歌「──……ぷはっ!!」
私は再び水上に顔を出す。
千歌「滝まで一直線!!! 進めーーー!!!」
「ゼルルルッ!!!!!」
梨子「逃がさない!! ピジョット!! “たつまき”!!!」
「ピジョットォォォォォ!!!!!!!」
ピジョットが羽ばたくと、周囲の風は渦を撒き、水を巻き上げる“たつまき”に成長する。
「ゼルッ!!!!」
体感でわかる。巻き上げられる水の流れのせいで、滝壺に向かって一直線に泳ぐフローゼルのスピードが殺されている。
そして、徐々に戻ってきた視界に飛び込んでくるのは──
巨大な“たつまき”。
梨子「これで私の勝ちだよ!! 千歌ちゃん!!」
「ピジョットォォォォ!!!!!!!!」
上空から飛んで来る、梨子ちゃんの勝利宣言。
絶体絶命。……でも!!
千歌「まだまだぁ!! フローゼル!! “うずしお”!!」
「ゼルゥッ!!!!!」
フローゼルが尻尾のスクリューを高速回転させ、水を巻き上げながら“うずしお”を発生させる。
梨子「相殺する気!? でも、それじゃ威力が足りないよ!!」
そう言う梨子ちゃん。
確かに真っ向からぶつけるだけじゃ、威力は足りないかもしれない、でも、
330 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/17(金) 01:02:45.75 ID:dd6+2abs0
千歌「“たつまき”と逆回転だったら!?」
梨子「……!?」
二つの渦はぶつかり合う寸でのところで、お互い急激に進路を逸れて直進し、壁にぶつかって消滅した。
千歌「よし……!!」
「ゼルッ!!!!!」
再び、フローゼルが全速力で、滝壺に向かって飛び出す。
そして、そのまま滝にぶつかる様に直進し──
そこから、直角に上昇する……!
千歌「“たきのぼり”!!!」
「ゼルゥッ!!!!!」
フローゼルに掴まったまま、滝を上昇する。
そんな私の視界に再び飛び込んでくるのは、
「ネォ〜〜〜〜」
水面から“とびはねる”で上昇中の私たちに迫ってくるネオラントの姿。
梨子「ネオラント!! “フラッシュ”!!」
「ネォォ〜〜〜〜」
中空に居るまま、再び激しく閃光するネオラント。
私は──
千歌「──二度も同じ技は通用しないよ!!」
梨子「……っく」
もちろん、目を瞑って、閃光に目を潰されるのを防ぐ。
梨子「ピジョット!! “エアスラッシュ”!!」
「ピジョォォォォ!!!!!!」
飛んで来る、ピジョットの攻撃に、私は腰からボールを放つ。
フローゼルに掴まったまま──
「グゥォッ!!!!!」
ルカリオを繰り出し、メガバレッタに触れる。
千歌「ルカリオ!! 行くよ!!」
「グゥォッ!!!!!」
私は目を瞑ったままだったけど、ルカリオを通して、周囲の波導エネルギーが伝わってくる。
鋭敏になった全身の神経によって、迫る空気の刃が感じ取れる。
331 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/17(金) 01:04:51.73 ID:dd6+2abs0
千歌「“いあいぎり”!!」
「グゥォッ!!!!!」
梨子「!!」
千歌「パルキアの攻撃に比べたら、これくらいの攻撃、打ち消すのは簡単だよ!!」
梨子「く……!!」
目を瞑っているお陰で神経が研ぎ澄まされているのも、技の精度にいい影響を及ぼしている。
このまま、一気に上まで──
そう思って、再び目を開く、
「ネォォ!!!!」
すると、すぐ下方から、ネオラントが急激に迫ってくる。
千歌「!?」
ネオラントの“たきのぼり”は、私とルカリオを運んでいるせいで、速度が低下しているフローゼルに追いついてきている。
梨子「“アクアテール”!!」
「ネォォォ!!!!!」
ネオラントは滝を登りながら、無理矢理身を捻って、下から尻尾をたたきつけてきた。
荷物を大量に運びながらの“たきのぼり”で余裕のないフローゼルは回避なんて出来るはずもなく。
「ゼ、ゼルッ!!!?」
下からの強烈な尻尾による殴打が直撃し、
千歌「だわぁっ!!!?」
「グゥォッ!!!!?」
掴まったままの私とルカリオ共々、滝の外に吹っ飛ばされる。
そして、すぐに浮遊感に襲われる。
──落ちる……!!
そこからは反射だった。
フローゼルをすぐさまボールに戻し、
千歌「ルカリオ!! 跳べぇっ!!!」
私はルカリオにしがみ付いたまま、そう叫んだ。
「グゥォッ!!!!」
ルカリオは──
「ネォォッ!!!!!?」
滝を登っている、ネオラントを無理矢理踏みつけて、
梨子「う、嘘!?」
その反動で一気に跳躍した。
332 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/17(金) 01:05:52.76 ID:dd6+2abs0
──ダン!!!
着地の音が洞窟内に響き渡る。
千歌「はぁ……はぁ……た、助かった……」
「グゥォッ」
私は逆さまの視界のまま、下方を飛んでいる梨子ちゃんたちを見つめる。
──そう、一気に跳躍したルカリオは、波導の力により上昇させたパワーで、無理矢理爪を立て、天井に着地したのだ。
梨子「ネオラントは!!?」
一方梨子ちゃんはこっちではなく、滝の方に視線を向けている。
曜「大丈夫だよー!! 戦闘不能だけど、カメックスが救出したからー!!」
「ガーーメッ!!!!」
眼下ではカメックスとラプラスが私たちのポケモンを運びながら、“たきのぼり”をしているところだった。
千歌「……ふぅ」
とりあえず、一息。
千歌「……とりあえず、フローゼルもムクホークも戦闘不能……水上戦はもう出来ない……! 一旦水のない場所まで距離を取るよ!」
「グゥォッ!!!」
千歌「“しんそく”!!」
ルカリオに掴まったまま、洞窟を出口に向かって先行する。
* * *
千歌「よし……ここまで来れば大丈夫! ありがと、ルカリオ」
「グゥォッ」
私はしがみ付いていた、ルカリオから離れ、洞窟内を走りだす。
戦闘しながらかなり進んできたせいか、視界の先の方に僅かに光が見えている。
千歌「出口が近い……」
ルカリオと併走しながら、呟いていると、
──背後から風を切る音が聞こえてくる。
千歌「! ……来たよ!」
「グゥォッ!!!!」
もう周囲に湖はない。
安定した地形で迎え撃つ……!!
「ピジョットォォォォォォォ!!!!!」
梨子「“ブレイブバード”!!」
333 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/17(金) 01:08:06.32 ID:dd6+2abs0
空を切りながら飛んでいるピジョットが一気に加速する。
その際、梨子ちゃんはピジョットの脚から手を放して、
梨子「……やぁ!!」
声をあげながら、受身を取って地面に着地する。
ここからはメガシンカポケモン同士の真っ向勝負だ。
千歌「受けて立つ!! ルカリオ!!」
「グゥォッ!!!!!」
「ピジョットォォォォォ!!!!!!!」
突撃してくる、ピジョットの嘴を──
「グゥォォォォォッ!!!!!!」
梨子「!? 受け止めた!?」
真剣白刃取りでもするかのように、両手で挟み込み、受け止める。
ただ、勢いを完全に殺しきることは出来ず、ピジョットと共に後方に後ずさっていく。
千歌「ルカリオ!! “ともえなげ”!!」
「グゥォッ!!!!」
「ピジョッ!!!?」
その勢いを利用したまま、後方に投げ飛ばす。
梨子「“オウムがえし”っ!!!」
「ピジョォォォッ!!!!!!」
だが、ピジョットは投げ飛ばされる瞬間に、無理矢理嘴でルカリオの手に噛み付き、
「グォッ!!!?」
千歌「!!?」
こちらも勢いを利用して、逆にルカリオを天井に向かって投げ飛ばす。
──ダン!! と再び天井に着地したルカリオは、
間髪いれずにピジョットに向かって飛び出す。
だが、梨子ちゃんとピジョットの判断も早かった。
梨子「“ぼうふう”!!!!」
「ピジョォォォォォ!!!!!!!」
すぐさま地上で体勢を立て直し、“ぼうふう”を起こす。
「グゥォッ!!!!?」
ルカリオは“ぼうふう”に飲み込まれ、地上に辿り着くことなく吹き飛ばされる。
梨子「はぁ……!! はぁ……!!」
334 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/17(金) 01:09:52.36 ID:dd6+2abs0
度重なる、激しい攻防に梨子ちゃんが息を切らせる。
ピジョットの“ぼうふう”は渦を巻き、再び大きな“たつまき”となって、天井に向かって巻き上がる。
梨子「ここまで、やれば……ルカリオ……でも……!!」
千歌「まだだぁ!!」
梨子「!!」
土煙を巻き上げる薄茶色の“たつまき”の中から青白い光が漏れ出てくる。
千歌「ルカリオ!! “たつまき”に逆らわなくていい!! その動きに波導を合わせるんだ!!」
「グゥゥゥゥゥオッ!!!!!!!!!」
私の言葉と共に、“ぼうふう”から生み出された“たつまき”は──波導の嵐となって、一気に膨張する。
梨子「!? きゃ、きゃああああああああ!!!!?」
千歌「だわあああああああぁぁっ!!!?」
辺りを巻き込み、膨れ上がった波導の嵐に巻き込まれ、梨子ちゃん共々吹っ飛ばされる。
千歌「……いたた」
あまりの衝撃に地面を転がるハメになった。
だが、すぐにハッとなって顔をあげる。
千歌「ルカリオは!?」
あげた視線の先では、
「グゥ……ォ」
「ピ、ピジョ……」
巨大な波導の嵐に巻き込まれ戦闘不能になったピジョットと、
直撃した“ぼうふう”の威力を殺しきれず、戦闘不能になったルカリオの姿があった。
梨子「ピ、ピジョット……!」
千歌「相討ち……!」
数テンポ遅れて──
曜「ル、ルカリオ……!! ピジョット……!! せ、戦闘不能……!! ふ、二人とも……は、はやすぎ……」
曜ちゃんが息を切らせながら追いついてくる。
千歌「戻れ、ルカリオ」
梨子「戻って、ピジョット」
二人して、メガシンカできるエースをボールに戻す。
さて……私の残る手持ちは一体のみ、
335 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/17(金) 01:10:46.37 ID:dd6+2abs0
千歌「……行くよ!! バクフーン!!」
「バクフーーーーンッ!!!!!!」
一方、梨子ちゃんは、
梨子「メガニウム! チェリム! 行くよ!!」
「ガニュゥーーー」「チェリリッ」
メガニウムとチェリムの二匹。
梨子「チェリム! “グラスフィールド”!!」
「チェリ」
周囲に草が生い茂る。
チェリムはサポート重視のポケモンだ、放っておくのは不味い。
千歌「バクフーン! “かえんほうしゃ”!!」
「バクフーーーー!!!!!!」
吐き出される火炎。相手が二匹残ってるのは痛手だが、幸い相性はいい。
──だが、
梨子「チェリム!! “ころがる”!!」
「チェリ」
千歌「うぇ!?」
チェリムは予想の反して突っ込んできた。
炎に全身を炙られながらも、猛スピードの“ころがる”によって強引に炎を突っ切ってくる。
完全に意表を突かれた私は完全に動揺してしまい、
「バクフッ!!!?」
指示が間に合わず、バクフーンに“ころがる”が直撃してしまう。
猛スピードの突撃に、派手に後ろに吹っ飛ばされ地面を転がる。
千歌「バ、バクフーン!!」
梨子「メガニウム!!!」
千歌「!!」
そこに更に追撃を仕掛けようと、走りこんでくるメガニウム。
全身を使って、シンプルな突撃。
梨子「“おんがえし”!!!」
「ガッニュゥゥゥ!!!!!!!」
「バクフーーーッ!!!!!?」
シンプルだけど、とてつもない威力の突進攻撃。
千歌「バ、バクフーンッ!!?」
苛烈な突進により、一気に洞窟の外まで吹っ飛ばされる。
千歌「く、くそぉ……!!」
336 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/17(金) 01:13:30.38 ID:dd6+2abs0
急いでそれを追いかけ、私も外へ向かって走り出す。
視界が開け、晴天の空の下に飛び出した。
そして、背後からも足音。
梨子ちゃんたちも外に出てくる。
すかさず、
梨子「チェリム!! “にほんばれ”!!」
「チェリリーーーー!!!!!!!」
チェリムが天候を快晴にする。
それと共にチェリムの“フラワーギフト”が花開き、花びらが舞い狂う。
梨子「メガニウム!!! “はなふぶき”!!!」
「ガニュゥゥゥゥゥーーー!!!!!!!」
迫る、花びらたち。
千歌「……バクフーン!!!」
「バクフーーーー!!!!!!!」
私がバクフーンの元に辿り着いたと同時に発した呼びかけに反応するように、バクフーンが起き上がりながら、一気に熱波を発する。
梨子「……!?」
背中の炎をメラメラと滾らせ、飛んで来る花びらたちを近付く傍から、焼き尽くしていく。
千歌「天候が晴れになって有利になるのは梨子ちゃんだけじゃないよ!!」
「バクフーーーーンッ!!!!!!!!」
快晴の日差しはバクフーンの炎の威力も向上させる。
バクフーンはそのまま、口に火炎を溢れさせ──
千歌「“やきつくす”!!!」
「バクフーーーーーッ!!!!!!!!」
苛烈な勢いの炎を吐き出す。
梨子「チェリム!! “フラワーガード”!!」
「チェリリッ!!!!!」
舞い踊る花びらたちがチェリムたちを守ろうと寄って来るが──
「チェ、チェリーーー」
その花びらたちを意にも介せず、火炎の勢いは止まらない。
梨子「……っ!!」
「……チェリーーー!!!!」
梨子「!? チェリム!?」
そのとき、突然チェリムが炎に向かって飛び出した。梨子ちゃんの驚き様からして、恐らく独断。
大量の花びらを舞い狂わせながらの死に物狂いの突撃──“はなびらのまい”だ……!!
その甲斐あってか、バクフーンの火炎は、大量の花びらと──チェリムを焼き尽くすだけに至り。
337 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/17(金) 01:14:59.56 ID:dd6+2abs0
「チェ、チェリ……」
「ガ、ガニュゥ!!」
メガニウムは巻き込まれずに済む。
梨子「チェリム……」
曜「チェリム! 戦闘不能!!」
梨子「……ありがとう、戻って」
梨子ちゃんは身を賭して仲間を守ったチェリムを労いながらボールに戻す。
千歌「これでお互い残ってるのは……!!」
梨子「一匹ずつ……!」
「バクフーーーーッ──!!!!!!!」
再びバクフーンが背中の炎を滾らせながら、攻撃態勢に移る。
晴れが後押ししてくれる中、全てを焼き尽くす業炎──“れんごく”を撃つ体勢だ。
梨子「……千歌ちゃん」
千歌「?」
梨子「グレイブ団騒動のあと、私は千歌ちゃんより早く旅に戻ったでしょ」
千歌「うん」
梨子「先に旅に戻った私は……今日、この日のために……技を覚えてきた」
千歌「……技……?」
梨子「千歌ちゃんの“いあいぎり”みたいなのとは違うけど……! 私なりに、メガニウムと一緒に習得した、最強の技、見せるね──」
「ガニュゥッ……!!!!」
梨子ちゃんが言うと、メガニウムから気迫があふれ出てくる。
千歌「……!」
何か仕掛けてくる。
でも……。
千歌「全部炎で吹き飛ばす!! バクフーン!!」
「バクフーーーーンッ!!!!!!」
千歌「“れんごく”!!!」
「バクフーーーーーンッ!!!!!!!」
灼熱の業炎がバクフーンから、噴き出す。
周囲の生い茂る草木を軽く撫でるだけで消し炭にする、最大級の火力。
──対するメガニウム。
梨子「行くよ、メガニウム!! 究極技!!」
「ガニュゥッ!!!!!!!!」
梨子「“ハードプラント”!!!」
「ガッニュゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!!!!!!」
メガニウムが雄叫びをあげると──
千歌「なっ!?」
338 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/17(金) 01:16:45.90 ID:dd6+2abs0
巨大な樹木やとてつもない太さの蔦やら、巨大な花やらが、とてつもない勢いで地面から飛び出してくる。
その植物たちは、全てを焼き尽くすはずの業炎もものともせず迫ってくる。
千歌「“れんごく”が押し負けてる!?」
梨子「これが、私たちがこの旅で習得した、最強の技!! 千歌ちゃん……勝負よ!!!」
炎すらも飲み込みながら急激に成長し、襲い掛かってくる巨大な植物たちは、
「バクフッ……!!!!!」
一瞬でバクフーンと私の周囲を取り囲む。
千歌「っく!? “だいもんじ”!!」
「バクフーーーーンッ!!!!!!」
大の字に広がる業火の炎を至近距離でぶつけるが……。
千歌「う、うそ!? 全く、焼ききれない!?」
今も尚どんどんとその幹を太く大きく成長させていく目の前の植物は、相性なんておかまいなしにどんどん迫ってくる。
太い幹の所為で、炎はぶつかった傍から分散して掻き消されてしまう。
梨子「くさタイプの究極奥義だよ!! 簡単に焼き尽くされたりしない!!」
千歌「く……!!」
──どうする!?
炎で攻撃しても、植物が壁のようになって、防がれてしまう。
千歌「……いや!! 幹の外だからだ!! “ほのおのパンチ”!!」
「バクフーーーーンッ!!!!!!!!」
迫ってくる、樹木にバクフーンが炎拳を突き立てる。拳はすぐに成長する植物たちに飲み込まれるが──
千歌「爆ぜろーーーー!!!!!!」
「バクフーーーーッ!!!!!!!!!!」
突き立てた拳の爆炎を植物の内部で一気に膨張させる。
すると──
大きな幹は内側から膨張し、爆炎を噴き出しながら粉砕される。
梨子「!!?」
それによって、出来た穴の向こうで梨子ちゃんが驚いている顔が見える。
そんな穴も、次から次へと地面から飛び出してくる、大自然の力によって塞がされて行くが──
千歌「ぶっといのを吹っ飛ばせたなら……OK!!」
「バクフーーーーーッ!!!!!!!!」
バクフーンの口元に火炎がメラメラと漏れ出す。
炎はただ吹きつけるだけじゃ、簡単に広がって、掻き消される。
……なら、
千歌「一点を貫くように……炎熱でぶち抜く……!!!」
339 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/17(金) 01:17:52.12 ID:dd6+2abs0
もう大量の蔦や草で埋まり、向こう側が見えなくなってしまったが……植物の壁の中では、確実に弱くなっているその部位に向かって──
千歌「“かえんほうしゃ”!!!!!!」
「バクフーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!」
バクフーンの雄叫びとともに──直進する爆熱が飛び出した。
爆熱は目の前の植物の壁を一気になぎ払い──
梨子「……!! まだ!!!」
「ガニュゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!!!」
その進路を防ぐように、伸びてくる草木を蔦を樹木を焼ききりながら──
千歌「いっけぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!」
梨子「……!!」
「──ガニュゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!?」
“ハードプラント”の先、大技の反動で動くことの出来ない、メガニウムに、
──直撃した。
千歌「……はぁ……!! ……はぁ……!!」
焼け焦げる、植物の壁の向こう側で、
「ガ…ニュゥ…」
メガニウムがゆっくりと崩れ落ちる姿が見えた。
* * *
340 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/17(金) 01:19:00.71 ID:dd6+2abs0
曜「……メガニウム戦闘不能。これによって、梨子ちゃんの手持ちは全員戦闘不能。よって──」
ジャッジが下される。
曜「千歌ちゃんの勝利!!」
千歌「……勝ったぁ……!!!」
「バクフーーーーーンッ!!!!!!!!」
思わず拳を握り締める。
梨子「あはは……負けちゃった」
梨子ちゃんはそう言ってヘタリ込む。
梨子「自慢の技だったんだけどなぁ」
千歌「……正直、ヤバイと思ったよ」
梨子「土壇場で攻略法を思いついたの?」
千歌「うん。いくら外側が丈夫で炎すら通さなかったとしても、根本的には植物だから……内側からの爆炎には耐えられないかなって」
梨子「……あはは、やっぱり千歌ちゃんには敵わないなぁ」
梨子ちゃんは苦笑する。
梨子「……でも、千歌ちゃんとのバトル……楽しかったよ」
千歌「えへへ……私も、梨子ちゃんとのバトル。最高に楽しかった」
梨子「なんか……負けたけど、すっきりしちゃった……」
曜「二人とも全力で戦ったからかな」
梨子「ふふ、そうかも」
地面にペタンと座ったまま笑う梨子ちゃんに近付いて。
千歌「梨子ちゃん」
手を差し伸べる。
梨子「……うん」
梨子ちゃんがその手を取る。
私が引っ張りあげるようにして、梨子ちゃんが立ち上がる。
そして──ぎゅっと、硬い握手。
341 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/17(金) 01:19:42.89 ID:dd6+2abs0
梨子「千歌ちゃん……」
千歌「ん?」
梨子「あなたがライバルで、友達で……本当によかった」
千歌「……えへへ! 私も! 梨子ちゃんがライバルで、友達で、本当によかった!」
曜「え、ずるい! 私は!?」
梨子「もちろん、曜ちゃんもだよ!」
千歌「うん!」
笑い合いながら、三人で抱き合う。
梨子「……千歌ちゃん、ポケモンリーグ、頑張ってね」
曜「ここまで来たら、チャンピオンだよ!」
千歌「……うん! 任せて!! 私、絶対四天王を全員突破して、チャンピオンになってくるから!!」
梨子・曜「「うん!」」
照りつける快晴の下で、抱き合いながら笑う、三人のトレーナー。
一緒の研究所から、一緒に始まった私たちの戦いはこれにて決着。
最高のライバルで有り、最高の友と言える関係になった梨子ちゃんとの戦いに制した私は──いよいよ、ポケモンリーグへと進んでいきます。
342 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/17(金) 01:21:40.51 ID:dd6+2abs0
>レポート
ここまでの ぼうけんを
レポートに きろくしますか?
ポケモンレポートに かこんでいます
でんげんを きらないでください...
【チャンピオンロード】
口================= 口
||. |⊂⊃ _回../||
||. |o|_____. 回 | ⊂●| ||
||. 回____ | | | |__|  ̄ ||
||. | | 回 __| |__/ : ||
||. ⊂⊃ | ○ |‥・ ||
||. | |. | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ ||
||. | |. | | | ||
||. | |____| |____ / ||
||. | ____ 回__o_.回‥‥‥ :o ||
||. | | | | _. / : ||
||. 回 . |_回o | | : ||
||. | |  ̄ |. : ||
||. | | .__ \ : ||
||. | ○._ __|⊂⊃|___|. : ||
||. |___回○__.回_ _|‥‥‥: ||
||. /. 回 .| 回 ||
||. _/ o‥| | | ||
||. / | | | ||
||./ o回/ ||
口=================口
主人公 千歌
手持ち バクフーン♂ Lv.61 特性:もうか 性格:おくびょう 個性:のんびりするのがすき
トリミアン♀ Lv.55 特性:ファーコート 性格:のうてんき 個性:ひるねをよくする
ムクホーク♂ Lv.58 特性:すてみ 性格:いじっぱり 個性:あばれることがすき
ルガルガン♂ Lv.57 特性:かたいツメ 性格:わんぱく 個性:こうきしんがつよい
ルカリオ♂ Lv.62 特性:せいぎのこころ 性格:ようき 個性:ものおとにびんかん
フローゼル♀ Lv.57 特性:すいすい 性格:ゆうかん 個性:ものおとにびんかん
バッジ 8個 図鑑 見つけた数:169匹 捕まえた数:15匹
主人公 梨子
手持ち メガニウム♀ Lv.61 特性:しんりょく 性格:いじっぱり 個性:ちょっぴりみえっぱり
チェリム♀ Lv.54 特性:フラワーギフト 性格:むじゃき 個性:おっちょこちょい
ピジョット♀ Lv.58 特性:するどいめ 性格:ひかえめ 個性:ものおとにびんかん
ネオラント♀ Lv.51 特性:すいすい 性格:わんぱく 個性:ちょっとおこりっぽい
メブキジカ♂ Lv.56 特性:てんのめぐみ 性格:ゆうかん 個性:ちからがじまん
ムーランド♂ Lv.53 特性:きもったま 性格:ゆうかん 個性:しんぼうづよい
バッジ 8個 図鑑 見つけた数:146匹 捕まえた数:14匹
主人公 曜 ✿
手持ち カメックス♀ Lv.53 ✿ 特性:げきりゅう 性格:まじめ 個性:まけんきがつよい
ラプラス♀ Lv.47 ✿ 特性:ちょすい 性格:おだやか 個性:のんびりするのがすき
ホエルオー♀ Lv.45 特性:プレッシャー 性格:ずぶとい 個性:うたれづよい
ダダリン Lv.47 ✿ 特性:はがねつかい 性格:れいせい 個性:ちからがじまん
カイリキー♂ Lv.44 ✿ 特性:ふくつのこころ 性格:まじめ 個性:ちからがじまん
タマンタ♀ Lv.42 ✿ 特性:すいすい 性格:むじゃき 個性:こうきしんがつよい
バッジ 2個 図鑑 見つけた数:166匹 捕まえた数:23匹 コンテストポイント:120pt
千歌と 梨子と 曜は
レポートを しっかり かきのこした!
...To be continued.
343 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/17(金) 13:52:38.97 ID:dd6+2abs0
■Chapter086 『決戦! 四天王! @』
千歌「──……さて」
「バクフ」
チャンピオンロードを抜け、梨子ちゃん、曜ちゃんと別れて、歩くこと数十分。
千歌「ついに……辿り着いたね」
「バクフー」
旅の終着点。
千歌「ウテナシティ、ポケモンリーグ……!」
ウテナシティ自体は正直、街と言えるのか怪しいほど、建物が少なく、ここまでにあったのはポケモンセンターだけだった。
ポケモンセンターで回復を済ませ、その先にある大きな建物──ポケモンリーグまで一直線に歩いてきた。
ポケモンリーグの建物は建物と言うよりは、山の中にくりぬかれて出来ているような形をしていた。
大きなモンスターボールを模した意匠の入口以外は岩石に覆われ、その先には山肌が続いている。
更にその山のずーっと先に、高い塔のようなものが見える。
その様相をぼけーっと眺めているわけだけど……。
千歌「……って、ここで立ち往生してても仕方ないよね」
「バクフ」
千歌「行こう……!」
「バク」
バクフーンを一旦ボールに戻し、建物に入ろうとすると……。
その入口に黒い衣装に身を包んだ、ショートボブのベージュの髪の女性が立っていた。恐らくポケモンリーグの門番だろう。
彼女は私の姿を認めると、
門番「ここはポケモンリーグです。これより先はオトノキ地方の全てのジムバッジを揃えた人しか通る資格がありません」
そう告げてくる。
私はごそごそとバッグの中からバッジケースを取り出して、開いてみせる。
門番「……“コメットバッジ”、“ファームバッジ”、“スマイルバッジ”、“ハミングバッジ”、“クラウンバッジ”、“ジュエリーバッジ”、“フォーチュンバッジ”、“スティングバッジ”……。確かに。オトノキ地方のジムバッジ全てを揃えていますね」
千歌「はい」
門番「……ポケモンリーグは待ち構える四天王全員に勝つか負けるまで外に出ることは出来ません。それをわかった上で、この先に進みますか?」
千歌「はい!」
門番「……わかりました。では、通ってください。……御武運を」
ペコリと頭を下げる女性の横をすり抜けて建物の中に足を踏み入れると、
──ゴゴゴ……。
と、音を立てて背後の扉が硬く閉ざされた。
千歌「……ここが、ポケモンリーグ……」
辺りを見回すと、球形に繰り抜かれた空間の中央に真円の足場。
更にその足場の丁度真ん中にエレベーターのようなものが存在し、さらに円状の足場の上半分からは熊手のように橋が伸びていて、それぞれその先に扉が見える。
344 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/17(金) 13:53:41.95 ID:dd6+2abs0
千歌「……このエレベーターは」
まず中央のエレベーターに近付いてみるが……全く反応はない。
千歌「……エレベーターは動かないみたい……。となると……」
私の視線は四つの扉の方に向く。
千歌「……あの先にそれぞれ四天王がいるってことかな……」
特に順番の指定とかはないようだ。
よく見てみると、扉の上になにやらマークがある。
左から順にピンク色をした光が羽を広げたようなマーク、水色の氷の結晶のようなマーク、黒色の竜のようなマーク、そして白色の刃のようなマークだ。
千歌「……って言っても何も情報もないし……全員に勝たなくちゃいけないんだもんね。左から順番に進もう」
私はまずは一番左の扉から入ることにする。
──扉の前に辿り着いて。
千歌「……よし、行こう……!」
扉を押し開けた──。
* * *
345 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/17(金) 13:56:32.62 ID:dd6+2abs0
──扉の向こうにはポケモンジムでも見慣れたバトルスペースが拡がっていた。
ただ、その内装は非常にファンシーでピンク色が溢れている。
私はゆっくりと奥へと歩を進めると──奥に人影があった。
「……やっと来たみたいね」
千歌「……え」
私に声を掛けてくるその人には……見覚えがあった。
千歌「にこさん……?」
にこ「ええ、久しぶりね、千歌」
千歌「?? どうして、にこさんがここに?? ここ、ポケモンリーグですよ?」
にこ「……あー、えーとね」
千歌「??? ここって四天王しか居ないんですよね??」
にこ「そうよ。つまり、そういうことよ」
千歌「……? どゆこと?」
にこ「……はぁ、あんたホントおばかなんだから……」
千歌「え、ご、ごめんなさい……」
にこ「わたしがその四天王の一人よ」
千歌「……え?」
一瞬ポカーンとしてから、
千歌「え!?」
驚く。
にこ「だから、ちゃんと勉強しておきなさいって言ったじゃないの……まあ、ここまで辿り着けたわけだし、別にいいけど。とにもかくにも、ここまで来たらやることは一つ、バトルのみよ」
にこさんはそう言って、6つのボールを放る。
「クチ」「マリ」「フィー」「キッスゥ」「ミミッキュ」「クレフィー」
にこ「じゃあ、バトルルールの説明をするわね。確認するけど、この部屋が最初の挑戦?」
千歌「は、はい!」
にこ「わかった。最初に説明しておくと、このバトルルールは四天王全員で共通ルールだから忘れないようにしなさいよ」
千歌「はーい」
にこ「ここポケモンリーグでのルールは最初に6匹を見せ合って、そのあとにお互い3匹選出ポケモンを決めてから戦うわ。つまり使用ポケモンは3体。3体全てが先に戦闘不能になった方が負けよ。一度3匹のポケモンを決めたら戦闘中選ばなかった3匹と入れ替えることは出来ない。だけど、その3匹の中でだったら、一匹ずつ出しても、同時に出しても、いつ交換しても構わないわ」
まずお互い6匹を見せ合うってことは、こっちも全部手持ちを出さないといけないだろう。
私は6個のボールからポケモンを出す。
「バクフ」「ワッフ」「ピィィ」「ワォン」「グォ」「ゼル」
にこ「バクフーン、トリミアン、ムクホーク、ルガルガン、ルカリオ、フローゼルね。ちなみに、にこの手持ちはクチート、マリルリ、ニンフィア、トゲキッス、ミミッキュ、クレッフィの6匹よ」
千歌「はい! わかりました!」
にこ「じゃあ、全員ボールに戻してから……トレーナースペースに後ろの方に台座があるでしょ」
346 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/17(金) 13:57:47.90 ID:dd6+2abs0
言われて見てみると、確かにトレーナースペースの後ろの方に台座がある。
そこには丸い3つの窪み。
千歌「ここに選んだ3匹のボールを置くんですね」
にこ「そういうこと。ルールは把握できたかしら」
千歌「はい!」
にこ「それじゃ相手に見えないように3匹選んで。選出できたら、言って頂戴」
千歌「わかりました!」
バトルスペース内のトレーナースペースに入り、にこさんに背を向けて台座を見る。
──3匹か……。
にこさんにはダリアシティでお世話になったから、そのときの手持ちは見られているし、バトルも見られてるから戦略が筒抜けな可能性が高い。
……となると、あのときまだ手持ちにいなかったルカリオとフローゼル、それと……。
千歌「うん、この3匹にしよう」
三つのボールをセットして振り返る。
にこ「準備は出来たかしら」
千歌「はい!」
にこ「それじゃ……始めましょうか」
にこさんが一歩前に歩み出る。
にこ「──四天王『大銀河宇宙No.1! フェアリーアイドル』 にこ! さぁ、ショータイムの始まりよ!!」
お互いの一匹目のボールがフィールド舞う──バトルスタート……!!
* * *
347 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/17(金) 14:02:15.15 ID:dd6+2abs0
千歌「行くよ!! ルカリオ!!」
「グゥォッ!!!」
にこ「行くわよ! ニンフィア!!」
「フィーー!!!」
にこさんの一匹目はニンフィア。
にこ「“ハイパーボイス”!!」
「フィイィィィィィーーーーーーー!!!!!!!!!!」
千歌「わわぁ!!!?」
「グゥォ!?」
開始早々、いきなりの大技が飛び出す。
千歌「ぐ、うるさ……」
耳がキーンとする。
千歌「ルカリオ、大丈夫……!?」
「グ、グゥォッ!!!!!」
とりあえず、問題なさそうだ。
だけど、この狭い空間でこの技を連発させるのは不味い……!
速攻勝負するしかない……!
千歌「“バレットパンチ”!!」
「グゥォッ!!!!!」
踏み込み飛び出す、神速の弾丸拳。
ニンフィアは避ける暇すらなく拳が直撃する。
「フィーーーッ!!!!?」
幸いニンフィアは火力はあるものの動きが速いわけではなさそうだ。
“バレットパンチ”が炸裂して軽く後ろに吹き飛ぶ、
千歌「畳み掛けろ!! “コメットパンチ”!!」
「グゥォッ!!!!!」
飛び出し、流星拳を叩き込もうとした瞬間、
にこ「マリルリ!!」
千歌「!」
にこさんが追加でボールを放って、マリルリを繰り出す。
「マリーー」
──ガシッと、マリルリはルカリオの拳を真正面から、受け止める。
千歌「え!?」
そして、そのままルカリオの拳を掴んで、
348 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/17(金) 14:05:13.54 ID:dd6+2abs0
「グ、グゥォ!!!?」
持ち上げる。
可愛らしい見た目に反してなんというパワーだろう、
千歌「ま、まずい!! フローゼル!!」
「ゼルルッ!!!!!」
私もすかさず二匹目を繰り出し、
千歌「“みずのはどう”!!!」
「ゼルーーーーー!!!!!!」
後方からルカリオの援護をする。
「マリ!!」
前方からの水波攻撃に気付いたマリルリは、
「マリッ!!!!」
飛んで来る“みずのはどう”に向かって、ルカリオを投げつけてくる。
千歌「っく……! ルカリオ!!」
「グゥォッ!!!!!」
こっちに向かって吹っ飛ばされているルカリオは宙にいるまま、波動を操作し、
器用に自分には攻撃が当たらないように捻じ曲げる。
にこ「! ちゃんと、考えてるじゃない!」
“みずのはどう”なら波動攻撃だから、いざというときにルカリオも攻撃を操作できる。
こういう連携技は積極的に使っていかないと、
何せ──メガシンカは当分使えないからだ。
四天王は4人全員を勝ち抜かないといけないと門番の人は言っていた。
ただ、メガシンカは連発すると身体への負担が大きい。
それを考えるとメガシンカはもっと後に温存したい。
そんなことを考えていたら、
にこ「ニンフィア! まとめて吹っ飛ばすわよ!!」
「フィーー!!!」
再びニンフィアが前に出てくる。
“ハイパーボイス”はダメだ!
千歌「フローゼル! “いちゃもん”!!」
「ゼル、ゼルッル!!!!」
フローゼルがニンフィアに“いちゃもん”を付ける。
“いちゃもん”を受けたポケモンは同じ技が連発できなくなる。
にこ「封じてきた……! “ムーンフォース”!!」
「フィーーー!!!!!!」
349 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/17(金) 14:06:30.96 ID:dd6+2abs0
“ハイパーボイス”を封じられた瞬間、にこさんは咄嗟に技を変えてくる。
月のエネルギーを攻撃に変えたフェアリー技が飛んで来る。
エネルギー技なら撃ち合える……!!
千歌「ルカリオ! “ラスターカノン”!!」
「グゥォッ!!!!!」
ルカリオは対抗する形ではがねのエネルギーを集束して、発射する。
フィールド中央で二匹の攻撃がぶつかり合い──相殺する。
でも、これでまたニンフィアは“ハイパーボイス”が使える状態になってしまった。
とにかく、まずはニンフィアだ……!!
千歌「ルカリオ!! “しんそく”!!」
「グゥォッ!!!!!」
床を蹴って、ルカリオが飛び出す。
にこ「マリルリ!!」
「マリッ」
再びフィジカル担当なのか、マリルリが前に出てくる。
こうしてニンフィアを守りながら、範囲攻撃で制圧するのが、にこさんの戦い方なんだろう。
千歌「なら……!! ルガルガン、行くよ!!」
「ワォーーーンッ!!!!!」
にこ「! あのときのルガルガンね……!!」
私はルガルガンを繰り出す。
千歌「“アクセルロック”!!」
「ワォンッ!!!!」
ルガルガンは天井や壁を跳ね回りながら、軌道の読めない高速軌道で接近する。
にこ「速い……厄介ね」
「グゥォッ!!!!!」「ワォーーーーンッ!!!!!!」
二匹のポケモンが軌道の読みにくい高速技で翻弄する。
にこ「なら……マリルリ、“ばかぢから”!!」
「マリッ!!!!!」
マリルリが突然地面を殴りつける、
すると、
千歌「わわ!?」
建物がぐらぐらと揺れる。
それによって、
「グォッ!?」 「ワゥッ!!!」
床や壁や天井を蹴って加速していた二匹の動きが一瞬鈍る。
350 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/17(金) 14:08:08.56 ID:dd6+2abs0
にこ「確かに速いけど……少し鈍らせれば十分目で追えるわよ!!」
千歌「……っ!」
にこさんの対応が早い。
完全に見切られる可能性が高いが、一旦引く……?
いや、引いても“ハイパーボイス”が飛んで来るだけだ。
千歌「突っ込め!!」
「グゥォッ!!!!」「ワォンッ!!!!!」
スピードダウンは痛いが、誤差だ。
そう自分に言い聞かせ二匹を突撃させる。
にこ「マリルリ!! “はたきおとす”!!」
「マリッ!!!!」
「グゥォッ!!!!?」
千歌「!? ルカリオ!!?」
マリルリに狙いを定めて飛び出したルカリオが綺麗に迎撃され、床に叩き落とされる。
──でも……!!
本当の狙いは、
千歌「行けぇ!! ルガルガン!!」
「ワォーーーーンッ!!!!!」
ルガルガンでマリルリの後ろに隠れているニンフィアを攻撃すること……!
変則的な軌道で、マリルリを周り込むように突っ込んでいく。
ニンフィアを射程に捉えた……そのとき、
──ヌッと黒くて凶悪そうな、口が現われた。
千歌「!!!?」
にこ「“ふいうち”!!」
「クチーーーッ!!!!!!」
「ギャウッ!!!!?」
ルガルガンがその大きな口に食べられた。
千歌「ル、ルガルガン!!?」
その大きな口は──
「クチーーー」
千歌「クチート……!!」
クチートの大アゴのようなツノだった。
『クチート あざむきポケモン 高さ:0.6m 重さ:11.5kg
大人しそうな 顔に 油断を していると 突然 振り向き
バクリと 噛み付かれる。 鋼の 顎は ツノが 変形した
ものだ。 噛み付くと 絶対に 放さないので 注意。』
351 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/17(金) 14:10:55.71 ID:dd6+2abs0
にこ「ルカリオはマリルリが……ルガルガンはクチートが押さえたわ」
千歌「……っ」
にこ「じゃあ、今度こそニンフィア……!!」
「フィァァ……!!!」
ニンフィアが息を吸う。“ハイパーボイス”の予兆。
千歌「──……それを待ってたんです!!」
にこ「……は?」
言葉と共に──ヒュン! と音がする。
にこ「!? な、なんの音……!?」
にこさんがキョロキョロと周囲を見回す。
にこ「……何もない……? こけおどしとは小細工使ってくれるじゃない!! ニンフィア、決めてやりなさい!! “ハイパーボイス”!!!」
「…………」
にこ「……ニンフィア?」
「フィ……ア……」
ニンフィアが突然、パタリと倒れる。
にこ「ニンフィア!?」
にこさんが傍らのニンフィアを見ると──ニンフィアは攻撃を受けて、戦闘不能になっていた。
にこ「攻撃!? いつのまに……!?」
千歌「確かに、ルカリオもルガルガンも速いけど……もっと速い攻撃があったとしたら? それこそ、“ハイパーボイス”みたいに!」
にこ「もっと、速い……空気の振動……まさか!?」
千歌「そうです! 空気です!!」
「ゼルルルッ!!!!!!」
フローゼルが尻尾を高速回転させながら、声をあげる。
ニンフィアを攻撃したのは他でもない。──“かまいたち”だ。
音波で攻撃する、ということは攻撃の瞬間口を大きく開かないといけない。
口の中なんて、どう考えても急所でしかない。
固定砲台のように、大技を繰り出すニンフィアの急所に攻撃を叩き込むこと、フローゼルはずっとソレを狙っていたのだ。
千歌「“かまいたち”!!」
「ゼルッ!!!!!」
再度、フローゼルから空気の刃が飛び出し、
「マリッ!!!?」
今度はマリルリを切り裂く。
にこ「っく……!! “アクアジェット”!!」
「マ、マリッ!!!!」
距離を詰めるために飛び出そうとしてくるマリルリ──
352 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/17(金) 14:13:38.83 ID:dd6+2abs0
「マリッ!!?」
──がつんのめった。
にこ「!?」
「グゥォッ!!!!」
先ほどマリルリに叩き落とされたルカリオが、足を掴んだのだ、
千歌「そのまま、上にぶんなげろ!!」
「グゥォッ!!!!!」
ルカリオがマリルリを真上に放り投げる、
「マリィーー!!!?」
……更に──ギャギャギャッ!!! と金属を擦るような、嫌な音がフィールド上に響き渡る。
にこ「こ、今度は何よ!?」
にこさんが音のする方を振り返ると、
「ク、クチーーー!!!!?」
にこ「!!?」
クチートの大アゴに噛み付かれたルガルガンが、アゴの中で高速回転を始めていた。
千歌「“ドリルライナー”!!!」
「ワォーーーンッ!!!!!」
無理矢理身を捩りながら、鋼のアゴを内側から──ぶち壊した。
「ク、クチィィィ!!!!!?」
クチートの上顎をぶっ壊し、そのままの勢いで、空中にいるマリルリに向かって、
千歌「“アイアンヘッド”!!!」
「ワォーーーーンッ!!!!!!」
「マリィッ!!!!!?」
回転も加わった、鋼鉄の頭突きを炸裂させた。
玉突きのように吹っ飛ばされたマリルリは、その弾力のある身体で、室内の壁、床、天井を何度も跳ね回ったあと──
「マ、マリ……」
気絶した。
千歌「よっし……!!」
「ク、クチィ……」
残るはクチートだけだけど……。
353 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/17(金) 14:15:26.08 ID:dd6+2abs0
にこ「……正確には、戦闘不能じゃないけど……上顎を吹っ飛ばされてるし、とてもじゃないけど、戦闘続行は出来ないわね。マリルリ、クチート、ニンフィア。わたしの手持ちは全て戦闘不能よ」
千歌「……じゃあ!!」
にこ「ええ、千歌。あなたの勝ちよ」
千歌「ぅやったーー!! ルガルガン! ルカリオ! フローゼル! 皆よくやったよー!!!」
「ワォーンッ」「グォ」「ゼルーー」
3匹を抱き寄せる。
にこ「……まさかストレート負けするとはね……。ホントに強くなってここまで辿り着いたのね」
千歌「えへへ……」
にこ「……負けたのは悔しいけど……ま、最後にちゃんと戦うことが出来てよかったわ」
──と、にこさんが意味深なことを言う。
千歌「最後……? どういうことですか?」
にこ「あー……えっとね、わたし……近いうちに四天王をやめようと思ってるの」
千歌「……え!? なんでですか!?」
確かに今回のバトルの結果は私が3匹を残してのストレート勝ちだったとは言え、にこさんは紛れもない実力者なのには変わりないはず……。
にこ「あーいや、強さの問題じゃなくてね。グレイブ団の異変の間、結局わたしはダリアシティに付きっ切りで他の四天王みたいに地方全体の警護の仕事が出来なかったのよ。それで思ったのよ、まだダリアのジムをこころとここあに任せるのは早かったかなって……」
千歌「そ、そうですか……?」
こころちゃんとここあちゃんも相当手強かった記憶があるんだけど……。
にこ「強さよりも……単純に経験がね。ゴーストポケモンの撃退こそ問題なかったものの、街の人の避難誘導とかは、お世辞にもうまく出来てたとは言いがたかったのよ」
千歌「……なるほど」
確かにあの二人はかなり騒がしかったし、そういう誘導指示とかはうまく出来なさそうかも。
にこ「だから、にこがダリアのジムリーダーに戻って……その後どうするかをもう少し慎重に考えようと思ってね」
千歌「戻って……ってことは、にこさん昔はジムリーダーだったんですね」
にこ「ええ。後任は任せてくれって二人が言うから、ダリアのジムリーダーから、四天王に昇格したんだけどね。でも、やっぱり街の皆をちゃんと守れてこそだもの……」
千歌「そっか……」
ジムリーダーは街の人たちを守る役割もあるから、そういうことなら仕方ないのか……。
にこ「……ま、二人がもっと成長して大人になったら戻ってくるかもしれないから」
そう言いながら、にこさんは肩を竦める。
にこ「なにはともあれ……四天王一人目突破よ」
千歌「! はい!!」
にこ「にこの後ろにワープ装置がある。そこから、最初の広場に戻れるわ。次の部屋も頑張りなさいよ」
千歌「はい!!」
にこさんからの激励を受けて──私は次なる四天王との戦いに挑みます。
354 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/17(金) 14:16:06.68 ID:dd6+2abs0
>レポート
ここまでの ぼうけんを
レポートに きろくしますか?
ポケモンレポートに かこんでいます
でんげんを きらないでください...
【ポケモンリーグ】
口================= 口
||. |⊂⊃ _●../||
||. |o|_____. 回 | ⊂⊃| ||
||. 回____ | | | |__|  ̄ ||
||. | | 回 __| |__/ : ||
||. ⊂⊃ | ○ |‥・ ||
||. | |. | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ ||
||. | |. | | | ||
||. | |____| |____ / ||
||. | ____ 回__o_.回‥‥‥ :o ||
||. | | | | _. / : ||
||. 回 . |_回o | | : ||
||. | |  ̄ |. : ||
||. | | .__ \ : ||
||. | ○._ __|⊂⊃|___|. : ||
||. |___回○__.回_ _|‥‥‥: ||
||. /. 回 .| 回 ||
||. _/ o‥| | | ||
||. / | | | ||
||./ o回/ ||
口=================口
主人公 千歌
手持ち バクフーン♂ Lv.61 特性:もうか 性格:おくびょう 個性:のんびりするのがすき
トリミアン♀ Lv.55 特性:ファーコート 性格:のうてんき 個性:ひるねをよくする
ムクホーク♂ Lv.58 特性:すてみ 性格:いじっぱり 個性:あばれることがすき
ルガルガン♂ Lv.59 特性:かたいツメ 性格:わんぱく 個性:こうきしんがつよい
ルカリオ♂ Lv.63 特性:せいぎのこころ 性格:ようき 個性:ものおとにびんかん
フローゼル♀ Lv.59 特性:すいすい 性格:ゆうかん 個性:ものおとにびんかん
バッジ 8個 図鑑 見つけた数:173匹 捕まえた数:15匹
千歌は
レポートを しっかり かきのこした!
...To be continued.
355 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/17(金) 15:38:05.37 ID:dd6+2abs0
■Chapter087 『決戦! 四天王! A』
千歌「──……よっ、と」
にこさんの部屋を突破し、ワープ装置で中央の広間に戻ってくる。
千歌「……お」
すると、にこさんの部屋に続く橋がぼんやりと光っているのが目に入る。
恐らく突破した証なんだろう。
その光はさっきまで居た部屋の方から中央のエレベーターへと伸びている。
千歌「この光が全部集まると、エレベーターが動くってことだね」
そしたら私は晴れてチャンピオンに……でも、
千歌「この上……何があるんだろう……?」
……まあ、いっか。
どちらにしろ、この先に進むには勝つしかないんだ。
千歌「よし、次の部屋に進むぞ」
私は左から2番目の部屋に向かって歩を進める──
* * *
──二つ目の部屋に入って、まず思ったことは……。
千歌「さ、さっむ……っ!!」
とにかく寒かった。
「あら? お客さんなんて、久しぶりね」
千歌「!」
凍えていたら奥から声を掛けられる。
そこに居たのは金髪で長身の女性。
356 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/17(金) 15:39:05.18 ID:dd6+2abs0
絵里「こんにちは、私は絵里よ。こうして会って話すのは初めましてね、千歌ちゃん」
千歌「は、はじめまして! ……って、なんで私のこと知ってるの?」
絵里「あなたのことは、海未からよく話を聞かされてるからね……海未には会った?」
千歌「い、いえ、まだです」
絵里「そう……それじゃ残念ね」
千歌「え?」
絵里「あなたは海未に会うことなく、このポケモンリーグを去ることになるみたいだから……」
千歌「……!」
絵里「……なんてね」
絵里さんはいたずらっぽく舌を出す。
千歌「私は負けるつもりはありません!!」
絵里「ふふ、気合い十分ね……。それじゃ、皆出てきて」
絵里さんが6つのボールを放る。
「シア…」「バニバニ〜」「ジュラルー」「コーーン」「ドパン!!」「ジュゴ〜ン」
絵里「私の手持ちはグレイシア、バイバニラ、ルージュラ、キュウコン、サンドパン、ジュゴンよ」
千歌「皆、出てきて!」
「バクフ」「ワッフ」「ピィィ」「ワォン」「グォ」「ゼル」
絵里「千歌ちゃんの手持ちはその6匹ね」
千歌「はい!」
絵里「それじゃ……お互い選出に入りましょうか」
357 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/17(金) 15:40:24.43 ID:dd6+2abs0
絵里さんはそう言ってポケモンをボールに戻す。
私も皆をボールに戻して、選出に入る。
見た感じ、絵里さんの手持ちはこおりタイプばかりだった。
道理で部屋も寒いわけだ。
ここはいわば敵地、きっとこのフィールドはそれぞれの四天王が戦いやすいようにチューンナップされているんだろう。
千歌「さて……今回はどうしようかな」
とりあえず、相手がこおりタイプなら……。
バクフーンを外す理由はない。後は同じようにこおりタイプに強いルガルガンと……。
千歌「へ、へっくち!!」
うぅ……寒い。
……暖かそうな子がいい。たぶん。
千歌「よし……この3匹で」
絵里「準備は出来たかしら?」
千歌「はい!」
ボールをセットし終えて絵里さんの方に向き直る。
絵里「それじゃ、始めましょうか。四天王『凍てつくアクアブルースノウ』 絵里。全力でぶつかり合いましょう!!」
お互いのボールが放たれる……バトル開始だ──
* * *
358 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/17(金) 15:42:23.75 ID:dd6+2abs0
千歌「行くよ! バクフーン!!」
「バクフーーーンッ!!!!!」
絵里「キュウコン! サンドパン! GO!!」
「コーーンッ!!!」「ドパンッ!!!!」
アローラキュウコンの特性“ゆきふらし”によって、フィールド内に“あられ”が降り始める。
そして、その中を──
「ドパンッ!!!!!」
真っ白なアローラサンドパンが飛び出してくる。
千歌「は、速い!?」
絵里「“メタルクロー”!!」
「ドパンッ!!!!!」
普通のサンドパンよりも発達している巨大な爪がバクフーンに切りかかる。
千歌「“ほのおのパンチ”!!」
「バクフッ!!!!」
技を受けるために、炎を纏った拳を前に突き出す。
──ガイン、という硬いものを弾く音と共に、
「ドパンッ!!!!?」
サンドパンの爪が炎拳に弾き飛ばされ、その衝撃で一瞬無防備な状態になる。
千歌「“かえんほうしゃ”!!」
「バクフーーーー!!!!!!」
すかさず、追撃。
この至近距離で、こおりタイプのサンドパンが“かえんほうしゃ”を受けたら大ダメージは間違いないだろう。
──が、
「ドパンッ!!!!」
サンドパンがキラキラと輝くオーラのようなものを纏って、炎の中から飛び出してくる。
千歌「っ!?」
絵里「“きりさく”!!」
「ドパンッ!!!!!!」
そのまま、バクフーンを切り裂く。
「バクフッ……!!!!」
今度は完全に不意を突かれてしまったせいで、攻撃が直撃し、バクフーンが後ろに仰け反る。
だが、サンドパンの攻撃はそれだけでは終わらない。
絵里「“じしん”!!」
「ドパンッ!!!!!!」
359 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/05/17(金) 15:43:28.00 ID:dd6+2abs0
サンドパンは床に爪を突きたて、そのまま床ごとぐらぐらと揺する。
「バ、バクフーー」
千歌「バクフーン、落ち着いて!!」
大きな揺れに動揺を見せるバクフーン。
私は揺れる足元に視線を落とし、転ばないようにしていると、
絵里「ふふ、足元ばっかり見てちゃダメよ」
絵里さんが意味深なことを言う。
直後──バキ、バキリ、と何かが砕けるような嫌な音が頭上から聞こえてくる。
千歌「……な、何!?」
咄嗟に天井を見上げると──いつの間にか天井に出来ていた大きなつららが、落っこちてきていた。
“つららおとし”だ……!!
千歌「“ふんか”!!」
「バクフーーーーンッ!!!!!!!!!」
咄嗟に頭上に向かっての爆炎でつららを溶かす。
だが、炎を防御に使ってしまったために、前方からの攻撃に無防備に──
絵里「サンドパン! “アクアテール”!!」
「ドパンッ!!!!!!」
サンドパンが身を捻って、みずタイプの尻尾攻撃を繰り出してくる。
避けきれない。
千歌「っく!!」
私はバクフーンとサンドパンの間に向かってボールを投げる。
「ワッフッ!!!!」
千歌「しいたけ!! “コットンガード”!!」
飛び出した、しいたけが毛皮を膨らませ──ボフっと音を立てながら、サンドパンの尻尾を受け止める。
「ド、ドパン……!!」
攻撃を受け止められ、焦ったサンドパンに向かって、
千歌「“ずつき”!!」
「ワッフッ!!!!」
頭突いて反撃。
だが、
絵里「サンドパン!! “いかりのまえば”!!」
「ドパンッ!!!!」
「ワゥッ!!!?」
895.92 KB
Speed:0.2
[ Aramaki★
クオリティの高いサービスを貴方に
VIPService!]
↑
VIP Service
SS速報VIP
更新
専用ブラウザ
検索
全部
前100
次100
最新50
続きを読む
名前:
E-mail
(省略可)
:
書き込み後にスレをトップに移動しません
特殊変換を無効
本文を赤くします
本文を蒼くします
本文をピンクにします
本文を緑にします
本文を紫にします
256ビットSSL暗号化送信っぽいです
最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!
(http://fsmから始まる
ひらめアップローダ
からの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)
スポンサードリンク
Check
Tweet
荒巻@中の人 ★
VIP(Powered By VIP Service)
read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By
http://www.toshinari.net/
@Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)