【艦これ】提督「ようこそ、第七鎮守府へ」

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5 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/05(日) 22:06:02.56 ID:lArptR410
榛名「ありがとうございます、川内さん。助かりました」

川内「いいっていいってー。それで龍驤、こいつらどうすんの?」

龍驤『あー今司令官が向かってるわ』

川内「ほいほい、りょーかい」

金剛「それにしても最近数が少ないデスネー」

鈴谷「そうだねー。もう飽きたんじゃない?」

榛名「油断は禁物ですよ、鈴谷さん」

鈴谷「榛名は相手が深海棲艦でも人間でも同じだねー。お、提督だ」

提督「よう。今夜はどうだった?」

鈴谷「なんかいつもより弱かったし」

提督「あっそう。おい、起きろ」バシバシ

侵入者C「…ん、んん。なっ!?」

提督「起きたか?」

侵入者C「くっ…。俺は何も喋らんぞ!」

川内「はいはい。失礼っと。お、少尉さんだね」

侵入者C「この…!大将殿に楯突く不届き者め!絶対その性根をへし折ってやるからな!」

提督「はいはいっと…。それよりお前、口の利き方に気を付けろよ」

川内「そーだそーだ。提督は少将なんだぞー!」

侵入者C「貴様らァ…!」

提督「まあいい。どうせ今回もあの大将殿の差し金なんだろ。お前らは帰っていいぞ。…あ、身体中縛られてるだったな。こら失敬」

侵入者C「絶対に殺す…!」

提督「はいはいっと。取り敢えずお前ら、こいつら船に乗せて」

鈴谷「ほいほいっと」

提督「ほれ、明石特製『勝手に輸送マン』だ」カチャ

金剛「じゃあ出発ネ!」

提督「無事に帰れるといいな」

鈴谷「ドナドナド〜ナドーナ」

侵入者C「覚えてろぉぉおぉおぉおおお!」ブーーーン

鈴谷「…一応ライフルあるけどどうする?」

提督「ああ。魚さんが起きてしまうからな。やっとけ」

鈴谷「り」パァン

侵入者C「んぐ…zzz」
6 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/05(日) 22:07:14.46 ID:lArptR410
三日月「司令官」

提督「おう。こっちは終わったぞ」

三日月「はい。別方面からの侵入もありませんでした」

提督「そうか。じゃあ寝よ寝よ。皆おつかれー」

金剛「good night!」

榛名「はい。おやすみなさい」

川内「鈴谷、夜戦は!?」

鈴谷「まーもうオールでもいっかー。はいはい、やるよー」

川内「よっしゃあ!」

三日月「程々にして下さいね」
7 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/05(日) 22:08:29.76 ID:lArptR410
最近艦これのss減っちゃいましたね
そんな流れに逆らっていく艦これスレです
良ければ見てね
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/05/05(日) 23:52:31.83 ID:PaAopM0TO
はよ
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/06(月) 08:59:45.24 ID:ugrEU6gBo
はよ
10 : ◆sA2CpGLy66 [sage]:2019/05/06(月) 20:24:33.56 ID:xIvMY9ca0
22時くらいに投下します
11 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/06(月) 22:52:48.00 ID:xIvMY9ca0
遅れました
今から投下しますー
12 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/06(月) 22:54:03.32 ID:xIvMY9ca0

【潜入作戦】


神通「提督、失礼します」ガチャ

提督「はいよ」

神通「第二艦隊帰投しましたので、報告に」

提督「頼んだ」

神通「はい。今回は東方海域へと偵察を目的に出撃しました。結果、小規模の敵水雷戦隊と戦闘し、勝利」

提督「被害は?」

神通「ほぼ無傷です」

提督「そうか。ご苦労さん。上がっていいぞ」

神通「はい。失礼します」ガチャ

提督「…はぁ〜」

三日月「どうしたんですか?」

提督「いや、相変わらず敵少ないと思ってな」

三日月「それはずっと前からじゃないですか」

提督「辺境だよな〜。ここ」

三日月「平和なのはいい事ですよ」

提督「でもお前、本州の奴らの方が仕事多いってどういうことだよ」

三日月「それも昔からですよ。ほら、まだ執務が溜まってますよ」

提督「相も変わらずつまらん書類ばかりだ…。お前も出撃したいだろ?」

三日月「出撃がないのはいいことじゃないですか」

提督「それは違うな。ここらの海域の任務も第一のやつらが請け負ってるからだ。お前も知ってるだろ?」

三日月「…」

提督「ったく。大将殿が誰を寵愛しようが勝手だが、こっちの任務を第一に回すのはどーも納得いかん。そのせいでこの鎮守府は成果があげられないんだ…」

三日月「…では、行くんですか?」

提督「ああ。ただ第一に行くのは久々だし、あそこには内通者がいない」

三日月「誰か呼びますか?」

提督「それも考えたが…。今回はお前1人で大丈夫だろ」

三日月「わかりました。じゃあ川内さんに夜の間を任せましょう」

提督「ああ。…取り敢えず、書類やるか…」
13 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/06(月) 22:55:14.85 ID:xIvMY9ca0
〜夜 第一鎮守府〜

提督「…ふう。遠路はるばるウン時間。どうだ三日月?」

三日月『第一鎮守府、潜入成功しました』

提督「相変わらずザルな警備だな…。まあそれも元帥様のお陰なんだが」

三日月『それでは、執務室に向かいます』

提督「おう。今日は前回ここに潜入した時に型を取った鍵があるが…流石に次は変えてるだろうなぁ」

三日月『現在ロビーにいます。2階に向かいます』

提督「ん。…この時間は夜の見廻りをしてる艦娘がいてもおかしくない。慎重にな」

三日月『はい。…執務室到着。鍵をあけます』

提督「人影は?」

三日月『なしです。金庫を発見しました。開けますね』

提督「ああ。こっちでも廊下を監視してる」

三日月『……』カチャカチャ

提督「ん。まずいぞ三日月。見廻りだ」

三日月『…誰、ですか?』カチャカチャ

提督「秘書艦様だな。出撃が無くて暇と見える」

三日月『いくら大和型の皆さんと言っても資源は第一鎮守府へと優先的に回ってますから、なに不自由無く出撃出来てますよ』カチャカチャ

提督「ふん。…知ってるさ。そろそろ執務室に行くぞ」

三日月『どうしますか?』カチャカチャ

提督「落としておいた方がいいんじゃないか?顔は見られるなよ」

三日月『わかりました』
14 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/06(月) 22:56:22.34 ID:xIvMY9ca0

大和「…」ガチャ

三日月「………」

大和「…執務室よし、と」

三日月「……」パァン

バタ

大和「…zzz」

三日月「ターゲットクリアです」

提督『よくやった。それでは金庫を…』

三日月「…開きました」

提督『よしよし』

三日月「ありましたね。南西諸島付近を通る敵輸送船団の襲撃…通商破壊ですね。元々は第七鎮守府担当の任務と記されてあります」

提督『どうせ第七鎮守府に横線書いてご丁寧に判子押して第一鎮守府って書いてあるんだろ?全く南西諸島なんてうちの方が近いのによ…』

三日月「ではこれを持ってそちらへ」

提督『ああ。元帥殿の判子は俺が持ってるからな。帰りの船の上で押すか。こっちで監視カメラの記録は消しておく』

三日月「……元帥さんには頭が上がりませんね」

提督『………さてな。ほら、さっさと撤収だ撤収』

三日月「了解しました」
15 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/06(月) 22:57:51.34 ID:xIvMY9ca0

〜翌日 第七鎮守府〜

三日月「整列!」

ザザッ

提督「よし、朝早くからご苦労。これより朝礼を始める。まず今日の任務だが…久しぶりにまともな任務だ!」

蒼龍「おー」

瑞鳳「それ本当にうちの任務なのー?」

提督「無論だ。ここをよく見ろ」

瑞鳳「んー…?いや第一鎮守府って書いてない?」

蒼龍「でもその上に第七鎮守府って書いてあるね」

龍驤「…相変わらず上はぐっちゃぐちゃやな」

那珂「どういうこと?」

龍驤「元々この任務はうちに任せられる予定やったけど、上の誰かが反対したんやろ」

蒼龍「そうそう。それでまた誰かがやっぱりこれは第七鎮守府の任務だーって言ったのよ。このパターン多いよねぇ」

那珂「大変だねー」

龍驤(まあ昨日司令官と三日月の姿が無かったし…そういうことやろな)

提督「はいはい静かに。編成発表するぞ」
16 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/06(月) 22:59:25.28 ID:xIvMY9ca0

神通『提督、こちら神通です』

提督「ああ。聞こえてるぞ」

神通『敵通商部隊を捕捉しました。これより攻撃を開始します』

提督「了解だ」

ジリリリリ

提督「ん」ガチャ

第一鎮守府提督(以下第一)『貴様、私が何故こうしてわざわざ貴様と話しているかわかっているだろうな』

提督「知らん。俺は今作戦中で忙しいんだ。後にしてくれないか?」

第一『聞くが、その任務の内容は?』

提督「南西諸島付近の敵通商部隊への襲撃だが」

第一『…その任務に関する書類は第一鎮守府内の金庫に入ってあったはずなんだが』

提督「するとなんだ。俺がお前の任務を横取りしたとでも言いたいのか?」

第一『そうだな。それに夜間の見廻りをしていた大和が金庫のある執務室で寝ていた』

提督「そちらの秘書艦様はお疲れのようだ。ちゃんと休みを与えているか?」

第一『……その書類には大将殿の判が押されているはずなのだが』

提督「俺の手にある書類には元帥のハンコが押されてるぞ?」

第一『ちっ…。貴様がいくら元帥殿から目をかけられているといっても限度というものがあるぞ』

提督「そうか。忠告感謝する」

第一『次はないぞ』

提督「そう言えばお前の鎮守府では任務に関する資料が度々紛失しているそうだな。気をつけろよ」

第一『……』ガチャン!

提督「うっせ…」

三日月「第一鎮守府の提督さんですか?」

提督「ああ。全く、毎回毎回ご丁寧に電話してきやがる。ご苦労なことだ」

三日月「仕方ありませんよ。任務に関する資料が消えてるんですから」

提督「ふん。だったらもっと鎮守府内の警備を良くしろってんだ」

三日月「………」

提督「何か言いたそうだな」

三日月「いえ、なんでもありません。それより仕事が溜まってますよ」

提督「は〜めんどくさ…」


【潜入作戦 完】
17 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/06(月) 23:01:31.88 ID:xIvMY9ca0
今日の投下おしまい
続きはまた明日で
次回は所属してる艦娘をババっと紹介
18 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/07(火) 19:33:45.13 ID:Nba4BfHv0
投下するぜいぇあ
19 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/07(火) 19:35:04.14 ID:Nba4BfHv0


【ある日の昼下がり】


〜 第七鎮守府食堂前 昼〜

龍驤「はー食った食った」

蒼龍「そうだねえ…。ね、龍驤ちょっと散歩しようよ」

龍驤「散歩?どこに」

蒼龍「んー鎮守府内でいいよ。取り敢えず体を楽にしたい」

龍驤「食いすぎや」スタスタ

蒼龍「いやー今日のお昼ご飯美味しかったじゃない。担当誰だっけ?」スタスタ

龍驤「…川内やったような」

蒼龍「あーあの子意外と料理上手いよね」

龍驤「ほーやな」

蒼龍「お、中庭で睦月型達の子が遊んでるよ」

龍驤「飯食ったばっかやん、元気やなぁ。何してるん?」

蒼龍「野球してるねー」

龍驤「ほぉー」

蒼龍「あれ?一人いなくない?」

龍驤「三日月やろ」

蒼龍「あー秘書艦だったね」

龍驤「秘書艦筆頭忘れるとか、飯食い過ぎで頭もおかしなってるやん」

蒼龍「ちょっと忘れてただけですー」

龍驤「ほんまか?」

蒼龍「ほんとよ、ほんと。にしても、姉妹っていいねぇ」

龍驤「そうか?色々面倒くさそうやけどな」

蒼龍「あ、私たちさ、結構歳近いし…」

龍驤「嫌やで、うち。こんなデカい妹」

蒼龍「えー?身長はほら、姉さん軽空母だし」

龍驤「もう始まってんのかいな。それにうちが言ってるのは…ええわ、悲しくなる」

蒼龍「?」
20 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/07(火) 19:36:18.78 ID:Nba4BfHv0


鈴谷「おっすー。何してんの?」

熊野「ごきげんよう」

龍驤「ん、散歩や散歩」

鈴谷「さんぼぉ?」

蒼龍「そうそう。昼ご飯食べすぎちゃってね」

熊野「川内さんは料理がお上手ですからね」

鈴谷「そー?鈴谷のカレーの方が美味しいよ?」

熊野「はいはい。では、お二方、ごきげんよう」

蒼龍「うん。この後なにかあるの?」

鈴谷「神風型の子たちと演習ー」

龍驤「キミらと?睦月型やなくて?」

鈴谷「そー。神風は望月に予定があるって断られたって」

龍驤「ほぉん。あそこで遊んでるけどな」

鈴谷「え?…遊んでるじゃん!予定って野球のことー?」

蒼龍「まあまあ、姉妹で集まるのもいいんじゃない?」

鈴谷「はぁ…」

熊野「まあ、引き受けた以上、断る訳にはいきませんわ。いきますわよ、鈴谷」

鈴谷「はいはーい。じゃねー」

熊野「ごきげんよう」

蒼龍「頑張ってねー」

龍驤「ほななー」

蒼龍「…もうちょっと歩いていい?」

龍驤「…食いすぎや」

蒼龍「あはは」
21 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/07(火) 19:37:27.19 ID:Nba4BfHv0


蒼龍「ありゃ、いつの間にか娯楽室だね」

龍驤「ん、もうそんな歩いたんか」

蒼龍「誰かいるのかなーっと」

グラーフ「む、蒼龍に龍驤か。こんにちはだな」

龍驤「おっすー」

蒼龍「うん、こんにちは。グラーフは何してるの?」

グラーフ「先程ここに呼ばれたのだ」

蒼龍「ふーん。誰に?」

グラーフ「サラトガだ」

蒼龍「へ、へぇー…」

蒼龍(え、え、どういうこと?仲良いの?)

龍驤(さてなぁ…?決闘かもしれへんな)

蒼龍「え、えっと…サラトガちゃんと何するの?」

グラーフ「ん?ああ、度々ここに集まっているんだ」

龍驤「集まる?集まってなにしてんねん」

グラーフ「特に決まっている訳ではない。茶を飲んだり話をしたり…こんなところだ」

龍驤「二人きりでか?」

グラーフ「いや、あと3人程いるな」

龍驤「ほぉーん…。何はともあれけったいなメンツやな」

ガングート「ん?遅かったではないか、貴様。待ちくたびれたぞ」

グラーフ「ああ。すまない、この二人に会ってな。少し話を」

蒼龍「え、えー…」

龍驤「……けったいな、メンツやな…」

ガングート「おお、貴様らも一緒に来るか?今日は提督の勧めのゲームをやろうと思っているのだ」

蒼龍「い、いやー遠慮しとこうかな…」

ガングート「む、そうか?アクィラもリシュリューも喜ぶと思ったのだが」

グラーフ「まあ私たちは毎日この時間にここにいる。気が向いたら顔を出すといい」

蒼龍「う、うん。またねー…」



蒼龍「…意外と、仲良さそうだったね」

龍驤「しっかしサラトガとアクィラは平気そうやが、ガングートとか暴れたりせえへんのか…?」

龍驤「ま、うちの司令官がなんかしたんやろ」

蒼龍「大丈夫かなぁ…?」

龍驤「さあな」
22 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/07(火) 19:39:05.96 ID:Nba4BfHv0


蒼龍「ふーこうやって見る海もいいねぇ」

龍驤「海なんか毎日見とるやろ?」

蒼龍「それとは違うのよ。まあ龍驤にはわかんないかー」

龍驤「あ?喧嘩売っとんのかいな」

蒼龍「お、遠征帰りかな」

龍驤「聞けや」

神通「あ…蒼龍さん、龍驤さん、お疲れ様です…」

蒼龍「そっちこそねー。遠征?」

春雨「は、はい…。本土からこの島に物資を運ぶ輸送船の護衛、です」

村雨「それにしてもここから本土遠すぎよね〜。肩凝っちゃった」

夕立「わかるっぽい〜」

龍驤「あぁん?」

蒼龍「はいはい。じゃあゆっくり休んでね〜」ヒラヒラ

神通「はい…お気遣い、ありがとうございます…」
23 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/07(火) 19:40:15.53 ID:Nba4BfHv0
蒼龍「それにしても改二になっても遠征なんて神通ちゃんは大変だねー」

龍驤「しゃーないやろ。うちに巡洋艦は六隻、そしてその内三隻は航空巡洋艦そしてたまに軽空母そして魚雷ガン積み。改二やろうがなんやろうが軽巡洋艦は遠征に引っ張りだこや」

蒼龍「その内一人は夜戦専門、もう一人は地方巡業なんて嫌だっていうアイドルだもんねー。神通ちゃんも大変だ」

龍驤「…それにしても、結構歩いたやろ」

蒼龍「そうだね。体は軽くなったかな。どう?このあと演習とか」

龍驤「いーやーやー。めんどくさい」

提督「お、丁度いいな」

蒼龍「わ、提督。それに三日月ちゃんも」

三日月「はい、こんにちは」

龍驤「…それで?丁度ええってのは?」

提督「いやなに、神風たちが空母護衛の演習をしたいと言ってたんでな。あいつらがここに来てそこそこ経つが、まだ睦月型との実力の差は大きい」

蒼龍「おーいいじゃない、付き合ってあげましょうよ、龍驤」

龍驤「あーっと、ウチ用事思い出したわ」

提督「そんなこと言うなよ龍驤。……頼むぜ」

龍驤「……わーったわーった。やりゃあええんやろ。その代わり今日付き合えよ」

提督「はいはいっと。じゃあ演習場に行ってくれ」

龍驤「あいあいっと。行くで蒼龍」

蒼龍「りょうかーい。またね三日月ちゃん」

三日月「はい。演習頑張って下さいね」

龍驤「はー一仕事するとするかー」

蒼龍「夜ご飯楽しみねー」

龍驤「食ったばかりやろうが…」


【ある日の昼下がり 完】
24 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/07(火) 19:42:01.60 ID:Nba4BfHv0
今日の投下おしまいです〜
感想とかネタくれると嬉しいです〜
ではまた明日
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/07(火) 23:11:51.45 ID:hrE8Sf2bO
乙!
26 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/07(火) 23:32:25.41 ID:Nba4BfHv0
>>25
ありがとう。励みになります


今日は終わりと言ったな、あれは嘘だ
27 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/07(火) 23:33:52.17 ID:Nba4BfHv0
undefined
28 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/07(火) 23:34:38.05 ID:Nba4BfHv0


【艦娘コミュ 木曾】


提督「なんだぁこの書類の山は」ドーーン

提督「なんでうちは出撃自体が少ないのにこんなに書類がたくさんあるんだ?上層部は無能か?」

提督「俺がいくらエリートだからと言って…流石にこの量は無理ぽ」

提督「……………」

提督「逃げよう」シュタ



三日月「司令官、追加の書類が…」

三日月「あれ?司令官?」

三日月「…机に書き置きが…」

「逃げます。書類よろしく」

三日月「………」

三日月「しれいかーーーん!!」




提督「くっ、あんな書類の山やってられるか」

提督「まあこの島無駄に広いし一日ぐらい何とかなるだろ」

提督「さてさて…」

文月「………」

水無月「………」

提督「まずい、睦月型の連中がサングラスを着けている…」

提督「あれは俺の事を追っているサインだ。テレビの影響を受けた睦月が言っていた…」

提督「三日月め…早速手を打って来たな…?」

提督「一人ならどうにかなるが二人組で行動してやがる…」

提督「取り敢えず目立たない所へ…」
29 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/07(火) 23:35:50.55 ID:Nba4BfHv0
提督「ふう…。ここならしばらくは…」コウショウウラ

木曾「…何してんだ?」

提督「ぬっほおおおお!?」

提督「…なんだ、影薄末っ子略して薄子じゃねえかビビらせんな」

木曾「お前なぁ…」

提督「…にしても、ほんとに何してんだお前こんな所で。俺お前に開発頼んだか?」

木曾「いや?ぶらぶらしてただけだ。最近暇でなー」

提督「大量の魚雷積んで遠征にでも行くか?」

木曾「暇の方がマシだ。それで?お前こそ何してんだよ」

提督「お前の刀の師匠から逃げてんだよ」

木曾「……サボりか」




提督「うっせーな。書類の量見てみろ、驚きのあまり魚雷を自爆させて死ぬぞ」

木曾「そんな奇天烈な沈み方はゴメンだが…。まあいい、なら俺がお前の話し相手になってやるよ」ストン

提督「…止めないのか?」

木曾「ああ。お前が日々俺たちのために頑張ってるのは知ってるからな。俺だけでもお前を甘やかしてやる」

提督「薄子…」

木曾「叩っ斬るぞ」

提督「お前は優しいな木曾」

木曾「ふん、俺とお前の仲じゃないか」

提督「ああ…。だったら、あれを止めてくれるな?」

三日月「…見つけましたよ…」

木曾「それだけは無理だ!」ダッ

提督「おいぃぃいいい!薄子ぉぉおおお!!」

三日月「しれいかぁん?」

提督「ウヒョヒョwww」



この後無茶苦茶書類した


【艦娘コミュ 木曾 完】
30 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/07(火) 23:38:46.77 ID:Nba4BfHv0


【艦娘コミュ 神風】


提督「ふぁーあー…」

神風「司令官、お疲れ?」

提督「ん、まだ大丈夫だ。多分」

神風「多分って…。お茶飲む?」

提督「おう、頼むわ」

神風「わかったわ。待ってなさい」

提督「……」カリカリ

神風「……」カチャカチャ

提督「……」ティーンティティン

神風「……」コトコト

提督「……」ディーウンディーウン

神風「サボってんじゃないわよ」ポカ

提督「いで」
31 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/07(火) 23:39:55.44 ID:Nba4BfHv0


神風「はい、お茶」

提督「おう、さんきゅ」

提督「……」ジー

神風「な、なに?」

提督「お前…」

神風「う、うん」

提督「メガネしてたっけ?」

神風「…今更?」

提督「いやさっきから気になってた」

神風「だったら早く言いなさいよ…」

提督「ちょっと外してみて」

神風「…なによ」カチャ

提督「かぁーいい」

神風「な、なんなのよ…」カチャ

提督「メガネもかぁーいい」

神風「も、もう!執務してよね!」スタスタ

提督「はーい」

神風「もう!」ストン

提督「神風ー」

神風「…なによ」

提督「可愛いぞ!」

神風「はぁ…。仕事して」

提督「はーい」

神風「もう……」

神風「………」

神風「……」チラ

提督「可愛いぞ!」

神風「う、うるさい!」


【艦娘コミュ 神風 完】
32 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/07(火) 23:44:45.57 ID:Nba4BfHv0

〜次回予告〜

【vs第一鎮守府】

ジョンストン「貴方、第一鎮守府から演習の誘いよ」


武蔵「…私はな、この演習に反対だったんだ」


第一「吠えづらをかかせてやる」


提督「戦斧だ」



今度こそ終わりです
よければ感想やネタをお願いします
それではおやすみなさい
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/08(水) 00:19:55.07 ID:VKqyDi2aO
乙!
34 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/08(水) 22:47:30.96 ID:kmXuXUoz0
投下していきまーす
35 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/08(水) 22:48:52.70 ID:kmXuXUoz0

【vs第一鎮守府】



提督「………」カリカリ

三日月「………」カリカリ

提督「………」ピタッ

三日月「……?司令官、どうかされましたか?」

提督「…嫌な予感がする」

三日月「はい?」

提督「嫌な予感がするんだ…。当たるぞぉ、俺の嫌な予感は」

三日月「不吉なこと言わないで下さい…」

コンコン

三日月「どうぞ」

ジョンストン「失礼するわ。貴方、第一鎮守府からmailよ」

提督「あまり聞きたくはないが、聞こう」

ジョンストン「演習の誘いね」ピラッ

三日月「演習ですか?月一の定例演習はまだ先だと思うのですが」

提督「…いや、今回はいつもの場所じゃなく、ウチだ。第一の連中がウチに来る」

三日月「それは珍しいですね…」

提督「ああ。あー嫌な予感は当たるもんだ…。あいつの顔を拝まなきゃいけないだなんてな」

ジョンストン「あたしの出番は?」

提督「ん?あ〜…。昼に機動部隊同士の演習、夜に水雷戦隊での夜戦演習か。じゃあジョンストンは夜の方だな」

ジョンストン「え?あたしどっちかと言うと機動部隊の護衛だと思うのだけど…」

提督「まあ、演習だからな。たまには夜の練習もしとけ」

ジョンストン「I see…」
36 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/08(水) 22:49:53.03 ID:kmXuXUoz0

ジョンストン「じゃあね」バタン


提督「おう。さてさて…今回は大将殿はいないんだよな?」

三日月「はい。第一鎮守府の個人的なお誘いですからね」

提督「だったら本気で行こう。あいつらの鼻は定期的に折っておかないとな」

三日月「ちなみに日時は三日後です」

提督「了解だ。今日の昼にでも編成発表といこうか」
37 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/08(水) 22:50:38.00 ID:kmXuXUoz0

〜三日後〜

提督「よく来たな」

第一「心にも無いことを…」

提督「いやいや、わざわざこんな僻地に来たんだ。労ってるんだぜ?尤も、無駄足になるだろうがな」

第一「貴様…今日という今日は許さんからな…。首を洗っておけ!」

提督「おーおー威勢が良いなぁ」

三日月「大和さん、こんにちは。遠路はるばるお疲れ様です」

大和「ええ…。『久しぶりね』」

三日月「そうですね。最後に会ったのは1ヶ月前の定例会議でしょうか」

大和「私の記憶が正しいならね…?」

三日月「………」

武蔵「おい、大和…」

大和「ええ…。では、部屋に案内してもらっても?」

三日月「はい。ご案内しますね」
38 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/08(水) 22:51:43.32 ID:kmXuXUoz0

提督「よー久しぶりだな、一航戦」

加賀「ええ」

赤城「久しぶりですね」

提督「今日の飯は豪勢だぜ〜。今日のためにたくさん魚を釣ったからな」

加賀「ほう…」

赤城「それはそれは…」

提督「まあさっき大和が負けたらお前らの夕飯は無いって言ってたからな、気張れよ」

赤城「そ、そんな」

加賀「あの…第七さん?」

提督「俺は清く正しい軍人だからな、八百長には乗らんぞ」

加賀「どの口が言ってるんですか…」ハア

赤城「いや加賀さんも人の事…」


アカギーカガー


提督「呼ばれてんぜ」

加賀「ええ。それでは私達はこれで」

赤城「今日はお手柔らかに頼みますね」

提督「ふふふ…」

39 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/08(水) 22:52:59.42 ID:kmXuXUoz0

〜演習直前 海上にて〜

武蔵「はあ…」

秋月「ど、どうしました?武蔵さん」

武蔵「…私はな、この演習に反対だったんだ」

秋月「え、えー!?」

武蔵「そんなに驚く事か?」

摩耶「そらそうだろ。どんなに強力な深海棲艦だろうと先陣を切る大戦艦だぜ?」

武蔵「ああ…。確かにこの武蔵は相手が強力であればある程燃えるタチだが…。第七はなぁ」

秋月「…?何かあるんですか?」

摩耶「ああ?秋月は第七との演習初めてだっけか?」

秋月「はい」

武蔵「ああ。提督が教育に悪いと言ってな、第七とはまだやり合ったことはない」

摩耶「はーなるほど。その秋月を編成に入れるってことはよっぽど今日は勝つ気らしいな」

秋月「それで、第七の皆さんは何がその…」

武蔵「教育に悪いか、か?」

秋月「はい」

武蔵「…まあ、戦い方だ。いいか、秋月、決して第七の連中の動きを真似るんじゃないぞ」

秋月「え、えぇ…」

摩耶「ん、でも今日は三日月も出るんだろ?」

武蔵「そうだったか?あいつが演習に出るのは久々だな」

秋月「三日月さん、ですか…」

武蔵「ああ。秋月、お前は防空駆逐艦だろ?」

秋月「はい!防空の点では誰にも負ける気はありません!」

摩耶「だったら演習終わりに三日月の動きを見とけよ。あいつのはな…ガチだ」

秋月「は、はぁ…」

秋月(摩耶さんにここまで言わしめるとは…。警戒しないと!)
40 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/08(水) 22:54:11.79 ID:kmXuXUoz0

加賀「はぁ…」

赤城「はぁ…」

大和「あの、二人とも?」

加賀「貴女の…貴女のせいよ…」

大和「!?」

赤城「ああ…恨めしい…」

大和「な、何がですか!?」

加賀「とぼけないで」

赤城「実質私たちの夜ご飯を奪ったのは貴女では…?」

大和「何の話ですか…」


カクカクシカジカ


大和「…そんなこと、大和は言っていませんが」

赤城「そ、そうなの?」

大和「はい。…そもそも、私が第七の提督と一対一で話す事がありますでしょうか」

加賀「言われてみればそうね」

赤城「ふう、危うく騙されるところでした」

大和(ほとんど騙されていましたが…)

大和「しかし演習が始まる前にこちらのやる気を削ぐってくるとは…」


41 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/08(水) 22:55:13.42 ID:kmXuXUoz0

提督「はーい。演習は前言った通りだが、一応スタメンを発表する」

提督「旗艦 三日月」

三日月「はい」

提督「金剛」

金剛「任せてくだサーイ!」

提督「神通」

神通「は、はい…」

提督「木曾」

木曾「お前に最高の勝利を与えてやる」

提督「蒼龍」

蒼龍「うわー加賀さんと赤城さんが相手かー」

提督「エセ関西弁まな板」

龍驤「いやいきなり!?今のスタメン発表は前フリか!?」

提督「この編成で行くぞー。夜戦は改めて後で発表する」

龍驤「触れろや!」

提督「頑張れよ、龍驤…。お前には期待してるんだ…」

龍驤「司令官…」キュン

卯月「茶番っぴょん」

三日月「はいはい。作戦会議しますよー。スタメンの方はこちらへー」

42 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/08(水) 22:56:30.58 ID:kmXuXUoz0

〜モニタールーム〜

第一「いやいや、今日の演習、ウチの勝利できまりじゃないか」

第一「貴様がどういう艦隊で来るかは知らんが、こっちは大和と武蔵だ」

第一「お前の鎮守府にはまともな戦艦がいないからな」

第一「どう足掻こうがこの二人を止めることは叶わん」

第一「それに空母もだ」

第一「こちらは天下無敵の一航戦」

第一「きさまら…」

川内「zzz…」

第一「………」

川内「zzz…」

第一「あいつ…舐めやがって!」


43 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/08(水) 22:57:14.76 ID:kmXuXUoz0

三日月「では、今回の演習のルールを改めて」

三日月「今回の演習は機動部隊同士の演習となっており、互いの初期位置は明らかにしない状況で始まります」

三日月「何か質問は?」

金剛「無いデース」

木曾「ああ、問題ない」

三日月「わかりました。それでは先程話したように動きましょう」
44 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/08(水) 22:58:29.84 ID:kmXuXUoz0

那珂『それじゃ〜あ、演習初め!だよ!』




大和「それでは、二人とも偵察を」

赤城「ええ」バシュ

加賀「……」バシュ

武蔵「さてさて…」

摩耶「あ、そういや秋月に言い忘れたことがあったな」

秋月「何ですか?」

摩耶「いいか、相手の数は六じゃない」

秋月「え?でも、演習前の話じゃ六隻対六隻だって…」

摩耶「ああ。六隻なのは間違いない」

秋月「…どういうことですか?」

摩耶「お前、なんで同時に行動出来る艦娘の数が12隻までか、知ってるか?」

秋月「それ以上だと羅針盤が狂うから…ですよね」

摩耶「よく知ってんな」

秋月「司令に教わりましたから!」

摩耶「…だがそれは艦娘だけの話だ」

秋月「え?」

武蔵「例え、艦娘の後ろに人間が何人いても羅針盤が狂うことはない、ってことだ」

秋月「それって──」

加賀「加賀隊彩雲が敵艦隊を捕捉!」

45 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/08(水) 22:59:50.73 ID:kmXuXUoz0

大和「編成は!?」

加賀「蒼龍と龍驤を中心とした輪形陣。先頭が三日月、左右が金剛、木曾、殿が神通です」

摩耶「…ん!相手の偵察機だ!」

大和「撃ち落とせますか?」

摩耶「朝飯前だぜ!くらいな!」

武蔵「よし、良くやった」

大和「摩耶さんと秋月さんは引き続き警戒を」

秋月「了解です!」

大和「赤城さんと加賀さんは攻撃隊を!」

赤城「ええ、第一次攻撃隊発艦!」バシュ

加賀「……」バシュ

秋月「あ!10時の方向、偵察機です!落とします!」

摩耶「おしおし、ナイスだ」

加賀「…相手も艦載機を発艦させたようね」

大和「そうですか…。秋月さん、頼りにしてますよ」

秋月「はい、お任せ下さい!」

加賀「…ん?」

大和「どうしました?」

加賀「金剛と木曾が離れていきます」

大和「こちらへ向かっているんですか?」

加賀「そう…いえ、少し前までいた場所でしょうか。恐らく先程落とした偵察機の情報を基に動いているのでは?」

大和「なるほど…。それなら少し様子を見ましょう。相手の攻撃機の第一波を迎えた後に私か武蔵が相手をします」

武蔵「戦艦と重雷装巡洋艦か、いいじゃないか」

赤城「先頭にいる戦闘機から入電、我敵戦闘機ヲ見ユ、だそうです」

加賀「ここでいかに相手の攻撃機を落とせるかが…!?」

秋月「どうしたんですか!?」


46 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/08(水) 23:00:59.12 ID:kmXuXUoz0

赤城「くっ、やられました…」

加賀「相手の艦載機、全て戦闘機です」

大和「なんですって!?」

赤城「いえ、ですが…よし、赤城隊所属の攻撃隊が一部戦闘地帯がら抜けました!」

加賀「こちらも同じく」

秋月「おお!それなら相手は今護衛が二隻、空母を一隻は落とせるんじゃ?」

摩耶「どうだかなぁ…」

秋月「え?」


────────────



蒼龍「あーごめん。ちょっと抜けられちゃった」

龍驤「うちもや。あと少しでこっち来るなこりゃ」

三日月「わかりました。神通さん、頑張りましょう」

神通「ええ」

三日月「その前に…」ドォン

龍驤「うん?もう偵察機落とすんか?」

三日月「はい。それと蒼龍さんと龍驤さんは先程話したルートで攻撃隊を」

蒼龍「りょーかい」

三日月「金剛さん?」

金剛『ハーイヅッキー、聞こえてマスヨー?』

三日月「そろそろ針路を変更して一直線に相手に向かって下さい。龍驤さん」

龍驤「あいよ、座標送るで」

金剛『了解しましター!それにしても偵察機はまだバレてないんデスカー?』

三日月「はい。おそらく相手はもう偵察機はないと油断しているのかもしれません」

神通「!相手攻撃隊、来ます!」

三日月「了解です!ではお二人とも、よろしくお願いします」

金剛『任せるネー!』

木曾『ああ、そっちもな』

47 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/08(水) 23:02:28.26 ID:kmXuXUoz0

三日月「…よし」ドォン

蒼龍「…普通艦載機は主砲使って落とすもんじゃないと思うんだよね」

龍驤「せやな」

三日月「………」パパパ

蒼龍「機銃も基本は弾幕作るために使うんだけどねぇ」

龍驤「せやな」

三日月「…?お二人とも機銃ありますよね?使わないんですか?」

蒼龍「いやぁ私たちいるかなってね」

龍驤「ほんまな。三日月はどうやってそんなスピードで艦載機落としてんねん」

三日月「えーっと、主砲で一機落として、主砲の装填が終わる間に機銃で四機落とします」

三日月「こうすると一分間で30機は落とせます!」

蒼龍「無茶苦茶だよお」

龍驤「空母泣かせやな…」

神通「……」パパパパパ

龍驤「いやまあ神通も普通の軽巡と比べりゃ落としてるんやけどな…」

蒼龍「あはは…頼もしい限り」

48 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/08(水) 23:03:27.23 ID:kmXuXUoz0

加賀「はぁ…全滅したわ」

赤城「こちらも」

秋月「え、えぇ!?」

赤城「まあ抜け出せたのは二人合わせて20機でしたから被害はそこまで、ですけど…」

加賀「しかし、今ので制空権は完全に取られたわ。あちらの艦隊を捕捉していた偵察機も落とされましたし…」

赤城「…帰投途中の戦闘機から入電!金剛と木曾がこちらへ一直線に…!」

大和「なんですって!?だってさっきは」

秋月「あ!六時の方向!偵察機!」

摩耶「ちぃ!真後ろにいやがったのか!」

赤城「金剛さんたちの距離が近いです!おそらくあと五分あれば…」

大和「致し方ありません、私と武蔵で相手します!摩耶、秋月、頼みましたよ!」

摩耶「おう!」

秋月「は、はい!」

大和「行きますよ!武蔵!」

武蔵「おう、腕が鳴るな!」
49 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/08(水) 23:05:24.85 ID:kmXuXUoz0

金剛「hmm…ヅッキーの話だとそろそろ来るはずなんデスがネー」

木曾「…噂をすれば、だな」

金剛「む?oh!来ましたネー!」

武蔵「これ以上近づけさせる訳にはいかないんでね」

大和「……」

木曾「よし、じゃあ金剛、作戦通りだ」

金剛「yes!新しく改装された私の力、見せてあげるネー!」


───────────────────


秋月「大和さんたち…大丈夫でしょうか…」

摩耶「それより秋月、電探見ろ」

秋月「…敵の艦載機!?」

摩耶「ああ、でも相手は中型空母と軽空母だ。そこまでの数は無いな」

加賀「直掩機は出すけれど、先の戦闘のおかげであまり数には期待は出来ないわ」

秋月「いえ!秋月が守ります!」

摩耶「来るぞ!」

秋月「はあああああ!」パパパパパ

摩耶「おらおらぁ!」パパパパパ


50 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/08(水) 23:06:50.45 ID:kmXuXUoz0

秋月「はぁはぁ…」

摩耶「どうだ?」

加賀「大丈夫、かすり傷よ」

赤城「私は小破ですが…発着艦は出来ます」

秋月「良かった…。! 水上電探に反応!」

摩耶「ちっ!タイミング狙いやがったか?」

秋月「いえ、しかし金剛さんと木曾さんは…」

摩耶「反応をよく見てみろ」

秋月「…?小さいのが一つとその後ろにもう一つさらに小さいのが」

摩耶「見えて来たぞぉ…。秋月、お前白兵戦出来るか?」

秋月「え、ええ!?ちゃ、着任直後に少し教わった程度ですが」

摩耶「じゃあ少しは時間が稼げるか…?取り敢えず、赤城と加賀は後ろへ!」

加賀「ええ」

摩耶「気やがったな」

三日月「………」

秋月「……木刀?」

摩耶「あいつは基本日本刀を持ってるぞ」

秋月「え、ええ!?何でですか?」

摩耶「それで沈めるんだよ、ヤツらをな」

秋月「ど、どういう…」

摩耶「今日は演習だから木刀だけどな。ほれ、もう一人来るぞ」

ブーーーーーン

秋月「…?ボート、ですか?」

摩耶「よく見ろ」

秋月「…!せ、先頭に野砲が…!?」

摩耶「そして左右に魚雷だ。…はぁ、魚雷艇みたいなもんだな」

秋月「訳がわかりません…。一体誰が乗ってるんですか…」

提督「ヒャハハハハハハハハハ!楽しでるかぁ!?」

秋月「」


51 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/08(水) 23:09:10.56 ID:kmXuXUoz0

摩耶「わかるわかる。あたしも最初はそんなんだった」

提督「おら!ティガーさえ貫通させる対戦車砲だ!くらいなぁ!」ドォン

摩耶「避けろ!」

秋月「わ、わわ」

提督「ちっ」

秋月「どういうことなんですかぁ…?」

摩耶「取り敢えず、あたしたちの敵はあの二人だ。いくぜ!」ドォン

三日月「……」キィン

秋月「なっ!摩耶さんの主砲を盾で受け流すなんて!」

摩耶「相変わらず頭が…うおっ!?」

提督「おいおい摩耶ちゃーん。こっちも見てくれよォ」ドォン

摩耶「ちっ!秋月、三日月は任せたぞ!」

秋月「え、ぇぇぇ」

三日月「………!」

秋月「わ、わわわわ!?」

秋月(つ、突っ込んできたぁ!?)

三日月「はぁ!」

秋月「え、へぶっ!」

秋月(あ、足払い!?)


52 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/08(水) 23:10:28.62 ID:kmXuXUoz0

秋月「あ、加賀さん!」

加賀「くっ」

三日月「………」スパッ

秋月「袖からナイフを…?」

赤城「きゃっ!?」

秋月「い、一体何を!」

三日月「空母の2人の弦を切っただけです」

秋月「む、無茶苦茶…」

三日月「それよりも、足元、大丈夫ですか?」

秋月「え?」チラ

秋月(魚雷!?)

ドォーン

那珂『秋月ちゃん、轟沈判定だよ!』

秋月「い、いつの間に…」

三日月「空母の二人はしぱらくは発艦出来ないでしょう」

加賀「あなた…前回は甲板をボコボコに殴ったくせに…」

秋月「え、ええ…」

三日月「………摩耶さん」チョイチョイ

摩耶「ああ!?て、」ドォン

那珂『摩耶ちゃん、轟沈判定!駆逐艦の主砲と言っても顔面ゼロ距離じゃねー』

提督「おい、摩耶は俺のだろ」

三日月「早く金剛さんたちの援護に行きますよ」

提督「聞けよ」

ブーーーーーン

秋月「…」

加賀「はぁ…。大丈夫?」

秋月「え、ええ」

摩耶「ちくしょー!またやられたー!」

赤城「相変わらず突飛な戦術を執りますね…」

秋月(…?三日月さんの後ろ…何か背負ってるのかしら)


53 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/08(水) 23:11:40.35 ID:kmXuXUoz0

武蔵「ええい!ちょこまかと!」

木曾「ほら、魚雷だ!」

武蔵「くっ!」ドォン

大和「武蔵、被害は?」

武蔵「小破と言ったところだ。見た所木曾もそうだろう」

大和「ええ、私もです。しかし…」

金剛「Fireー!」

武蔵「ちっ、あいつが無傷なのが気に入らん」

大和「こうなったら二人同時に突っ込む?」

武蔵「ああ、それは痛快でいいな」

大和「なら─くっ!」

木曾「おいおい余所見してんな、よ!」ドォン

大和「そんな主砲でどうにかなるとでも…?」

武蔵「しかし大和よ、先程赤城から連絡があって時間が経つ。そろそろ…」

大和「…ええ。電探に反応があったわ」

武蔵「挟まれたか」

提督「おらぁ!」ドォン

武蔵「うお!?ちっ、なんだアレは」

大和「…なんで海の上で対戦車砲を撃ってるんですかあの人は」

提督「おい大和!」

大和「………」


54 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/08(水) 23:12:51.80 ID:kmXuXUoz0

武蔵「呼ばれてるぞ」

大和「ええ…。何ですか?」

提督「今回の演習中にもし誰かの艤装が損傷した場合、その修理はこっちでやることになってたよな?」

大和「はい。艦娘の場合もそうですが」

提督「おーけー。ならこっちがお前たちの艤装をやっても俺たちが直せばいいだけだよな?」

大和「は?何を」

提督「よし、いくぞ三日月」

三日月「はぁ…。あまり乗り気ではないのですが、すみません」スッ

武蔵「おいおい…。なんだそれは」

提督「戦斧だ」

武蔵「はぁー…。バカなのか?」

提督「ちなみに俺も持ってる」

三日月「……!」

大和「とにかく!近付けさせなければ!」ガチャ

金剛「忘れてもらっちゃ困るネー」ドォン

大和「くっ」

三日月「──はぁ!」ブンッ

メキメキッ

大和「う、嘘!」

武蔵「はぁ!?」

大和「第三主砲、戦闘不能です…」

武蔵「くっ!」ドォン

三日月「……」ヒラリ

武蔵「ええい!すばしっこいヤツだ!」

提督「おらおらぁ!」

ゴォン

武蔵「んなぁ!?第二主砲をやられた…だと!?」

提督「おらおらやれぃ三日月!」

三日月「ええ」

武蔵「おいおい…。正気か?」

提督「当たり前だろ!」

三日月「…行きます」




ドォーンドォーン


55 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/08(水) 23:14:23.90 ID:kmXuXUoz0

那珂『演習しゅりょー!みんな、おつかれー!』




大和「……」

武蔵「いやはや、完敗だな。結局最後は蒼龍たちにやられてしまった」

大和「…はぁ。提督になんと言えば…」




提督「Vやねん!」

三日月「皆さん、お疲れさまでした」

蒼龍「うん。いやーやっぱり三日月がいると安定感が違うなー」

龍驤「ほんまほんま。助かったで」

赤城「お疲れさまです」

加賀「…」コクリ

蒼龍「あ、お疲れさまです」

龍驤「おう、お疲れさん」

加賀「完敗でした」

蒼龍「いやいや、そんなことないですよ!こっちは戦闘機ガン積みしたのに、結構逃げられちゃったし…」

龍驤「いやほんま。流石は一航戦やね」

赤城「そう言ってもらえると嬉しいわ」

加賀「…三日月さんに全部落とされてしまいましたけれど」

蒼龍「あはは…。あの子は例外と言うか…」



第一「おい貴様」

提督「あんだよ」

第一「何故貴様がこの演習に参加したんだ?」

提督「お前馬鹿か。お前が俺に演習を申し込んだんだろ」

第一「ち・が・う!一から説明しないと─」

提督「冗句に決まってるだろ馬鹿め」

第一「…口に気を付けろよ?」

提督「…はぁ。俺は最近でもあいつに乗って深海棲艦と戦ってる。先月は戦艦を三隻沈めたぞ。すげえだろ」

第一「ちっ、もういい!夜戦演習の準備をしとけ!次こそ吠えづらをかかす!」

提督「はいはい…」

56 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/08(水) 23:15:25.88 ID:kmXuXUoz0
書きだめが尽きた
ちょっと待ってね
57 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/09(木) 06:50:03.81 ID:omH0L9Oe0
寝落ちしてしまった
続きは夜に…
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/09(木) 10:13:21.97 ID:gC/JwqNS0
面白いなを見つけた
59 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/09(木) 23:19:07.77 ID:omH0L9Oe0
>>58
ありがとうございます


今日の投下始めます
けど今日は書きだめが少ないんじゃ…
すまんなぁ…
60 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/09(木) 23:20:10.59 ID:omH0L9Oe0

〜第七鎮守府 宴会場 夜〜

那珂「それじゃ〜!みんなー!演習お疲れ様でした!かんぱ〜い!」


カンパーーイ

ワイワイガヤガヤ


提督「いやぁすまんな」

第一「うるさい。お前、しばらく黙ってろ…」

提督「敗北を知りたい」

第一「はぁ…。そもそも何だよあの戦い方は。六隻全員に探照灯持たせやがって…」

提督「ゴクゴク…。うちの艦娘には相手との距離、相手の砲の方角、砲の音、これらの要素でどこに弾が落ちるかわかるように訓練してる」

第一「…馬鹿みたいなことをしてるな」

提督「まあな。まだ神風型の連中はこの技術を完全に掴めたとは言えん」

第一「当たり前だ。そんなもの何年訓練すれば身につくんだ…」

提督「だか、納得は言ったろ?」

第一「ああ。開戦と同時にこちらの艦娘の全てを探照灯で照らし、逐一着弾予測座標を全員と共有、お前達が無傷な訳だ」

提督「やけに素直だな?」

第一「…今俺の周りにはお前しかいない。別にいいだろ」

提督「いやはや優しい奴だ。戦争には向いてないな」

第一「うるせえ…。ゴクゴク」


61 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/09(木) 23:21:13.59 ID:omH0L9Oe0

提督「…そういや今日の夜戦のメンツは夕雲型ばっかりだったな」

第一「島風や雪風に頼りっぱなしのようではいかんからな」

提督「しかしまた増えたのか?夕雲型は」

第一「そうだな。お前が最後に見た時よりは増えてるな」

提督「……長波は?いないようだが」

第一「……」

提督「なんだよ」

第一「………いや、なんか気持ち悪いと思ってな」

提督「そういう意味じゃねえよ。あいつはこういう時一番騒ぐだろ」

第一「…三ヶ月前、第五鎮守府の頭が代わっただろ」

提督「ああ、あの中将か」

第一「第五鎮守府には旧式の艦娘がほとんどだ」

提督「知ってるさ。俺ら程では無いだろうが」

第一「…前任者はその戦力を上手く使っていたんだが、〇〇中将は提督としての経験がない」

提督「まったく、戦時中だというのに定年退職とはいい身分だ」

第一「…だから、いくつかの鎮守府に一、二隻ずつ練度の高い艦娘を少しの間貸して欲しいと要請されたんだ」

提督「いや、断れよ」

第一「………」
62 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/09(木) 23:22:26.23 ID:omH0L9Oe0

提督「はー…派閥ってのは大変だな。で?お前は長波以外にだれか遣ったのか?」

第一「長波だけだ」

提督「ふぅん。…練度の高い艦娘を使って艦娘のノウハウでも知ろうとしたのかね?」

第一「お世辞にも第五鎮守府の艦娘は練度が高いとは言えんからな」

提督「なるほどね。練度が高い艦娘なら経験値の低い〇〇中将がなんかやらかしてもリカバリーはきくと」

第一「そんなところだろうよ。ゴクゴク」

提督「そういや、長波は名指しだったのか?」

第一「ああ」

提督「ほぉーん」

提督(あのジジィ…中々の好事家と聞いているが)

第一「…だが、気になることもある」

提督「…?」

第一「第五鎮守府な…戦果を上げすぎているんだ」

提督「いいことじゃないか」

第一「しかし不自然すぎる…。新米の提督に練度の低い艦娘だぞ…」

提督「…活躍してくれてる分にはいいんじゃないのか」

第一「………」

シレイカンサマー

提督「呼ばれてんぞ」

第一「ああ…ととっ」フラッ

提督「大丈夫かよ…」
63 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/09(木) 23:24:16.70 ID:omH0L9Oe0

──────────────────

──────────────

───────



秋月「三日月さん」

三日月「秋月さん、こんばんは。楽しめてますか?」

秋月「あ、はい。こんなに美味しいご馳走、ありがとうございます」

三日月「あはは。この魚たちは私の姉妹たちが釣ったものなんですよ」

秋月「そうなんですか!後で感謝を伝えなくては…」

三日月「そうしてあげてください。秋月さん、今日の演習で怪我してませんか?」

秋月「大丈夫ですよ?」

三日月「そうですか。…すみません、いきなり足払いとかやっちゃって」

秋月「いや、演習でしたから仕方ないですよ。ちょっとビックリしちゃいましたけど…」

三日月「あはは…。うちの司令官が変な戦い方を教えるものですから」

秋月「え?じゃああの戦い方は三日月さんだけじゃないんですか?」

三日月「はい。時によっては空母の皆さんも白兵戦をしたりします」

秋月「え、えぇー…」

三日月「ふふ、うちの司令官、ちょっと変わってるんですよ」

秋月「……」

三日月「どうかされました?」

秋月「いえ、第七の提督さんが気になってしまって」

三日月「………」

秋月「普通、提督という立場の人がボートに乗って私たち艦娘と一緒に深海棲艦と戦わないと思うんです」

秋月「それに武蔵さんも摩耶さんもあの人の昔のことは知らないって言ってましたし…大和さんは目の敵にしている事を隠そうともしません…」

秋月「…あっ、ごめんなさい。なんだか提督さんの悪口を言っているみたいで」


64 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/09(木) 23:26:04.70 ID:omH0L9Oe0

三日月「いえ、気にしなくていいですよ。…大和さんが司令官のことを嫌っているのは私のせいでもありますし…」

秋月「えっ?」

三日月「まあ、この話はいいです。それで、秋月さんは司令官のことが気になるんですか?」

秋月「うーん…。まあ、軽い好奇心、ですけど」

三日月「でしたら…」

秋月「?」

────────────────

松風「やぁ〜。キミ、呑んでるかい?」

提督「ああ。呑んでる呑んでる」

春風「申し訳ありません、司令官様。松風さん、結構呑んでるみたいで」

提督「いや、そんないつもと変わらんだろ」

松風「そういやキミ、以前昔の事を話してくれると約束しただろう?」

提督「ああ?そんなもんしたか?」

松風「したさ。どうだい?今なら酒も回ってる。丁度いいんじゃないか?酒の肴に」

春風「松風さん、いい加減に─」

秋月「でしたら、私も混ぜてくださいませんか?」

春風「あら秋月さん。御機嫌よう」

秋月「はい!」

提督「なんだお前もか?」

秋月「はい。第七の提督さんに少し興味を持ちまして」

松風「いやいやこんな所にもライバルがいるとは神風の姉貴もうかうかしてられないな」

秋月「?」

提督「は〜。別に面白い話じゃないぞ?」

松風「そういう時は大体面白いのさ。さあ話せ話せ〜」ケラケラ

提督「酔ってんなぁ…」
65 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/09(木) 23:27:19.79 ID:omH0L9Oe0

〜帝都 鉄筋コンクリートビルの一室〜


中佐「…辞令だ」

中尉「はあ、またですか。先日アメリカから帰ってきたばかりなのですがね」ペラ

中佐「………」

中尉「これは…私は飛崎と同じ運命を辿るのですかね?」

中佐「それはお前次第であろう」

中尉「しかし…何故私が提督に?」

中佐「…上は全ての国と同盟を結ぶそうだ」

中尉「ほお…」

中佐「謎の敵が増え、互いに牽制し合っている場合ではないとようやく気がついたらしい」

中佐「最も、現在も連絡を取り合うことのできる国は少ないらしいがな」

中尉「…それで?」

中佐「うちに回る予算が減った。構成員を減らせとの事だ」

中尉「……戦争が始まる危機は減ったから、スパイは用済みだと」

中佐「………」
66 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/09(木) 23:29:20.67 ID:omH0L9Oe0


中尉「馬鹿な。全く上の頭には何も入っていないのか?諜報の意味を理解していない…」

中佐「…決まったことだ」

中尉「まあ…理解はしました。しかし何故海軍へ?中国の最前線ならまだわかるのですが」

中佐「第七鎮守府、知っているか?」

中尉「無論ですとも」

中尉「大規模作戦の最前基地にするため島にあれこれ手を加え、設備が整えられたそれはもう立派な鎮守府だと」

中尉「まあ、完成間近で作戦を終えてしまったらしいですが」

中佐「…陸軍は海軍の重要性に気付いたらしい」

中尉「…」

中佐「それで陸軍から海軍へ出向させ、陸軍所属の貴様を橋渡しにしたいそうだ」

中尉「…」



中佐「……というのは建前だ」

中尉「でしょうな」

67 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/09(木) 23:31:02.65 ID:omH0L9Oe0

中佐「お前が第七鎮守府で提督をする理由は二つある」

中尉「なんでしょうか。…まあ見当はつきますが」

中佐「一つ。第七鎮守府は大規模作戦の終了と同時に平和になり、また辺境にもなった。そんな所で提督をしたい者がいない」

中尉「もう一つは、私がそんな辺境で死んでも問題ない、ということでしょうか」

中佐「………」

中尉「いやはや、陸軍というものは頭がいい…」

中佐「…まあ貴様が海軍に所属していたことがあるというのも、一つだろうな」

中尉「…………」

中佐「しかし、だ」

中尉「は?」

中佐「陸海軍が一丸となって戦わなければいけないと真剣に考えている者は実際にいるらしい」

中尉「ほお」

中佐「だから海軍にも貴様を心から歓迎する者もいるだろう」


68 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/09(木) 23:32:04.44 ID:omH0L9Oe0

中尉「………」

中佐「…納得したか?」

中尉「…はあ。まあ、頑張ってみましょう」

中佐「死ぬなよ?」

中尉「もちろん」

中佐「貴様は女に弱いからな」

中尉「でも、囚われることは無かったでしょ?」

中佐「……達者でな。貴様は今から海軍大佐となる───」
69 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/09(木) 23:33:04.73 ID:omH0L9Oe0

松風「zzz」

秋月「つまり、提督さんは元スパイってことですか…?」

春風「………」

提督「……卯月〜」

卯月「どうしたぴょん?」ヒョコ

提督「卯月スイッチ〜」

秋月「…?」

提督「卯月スイッチ『う』!」

卯月「うっそぴょ〜ん!」

秋月「……は?」

提督「信じるか信じないかは…」

卯月「貴方次第っぴょん!」

秋月「え、えーっと」

春風「はぁ…」

提督「俺は酒持ってくる。なんか欲しいもんあるか?」

秋月「え、あ、い、いえ、お気遣いなく…」

提督「そうか?遠慮すんなよ?」スタスタ

卯月「司令官また都市伝説ごっこしてたぴょん?」スタスタ

提督「そんなもんだ」

70 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/09(木) 23:35:10.48 ID:omH0L9Oe0

秋月「えーと…」

春風「ごめんなさい。司令官様、大分酔ってるみたい」

秋月「今の話って…」

春風「さあ、どうでしょうね。司令官様、調子に乗ると話を盛る癖がありますので…」

秋月「えー…?」

春風「松風さん、部屋に戻りますよ」

松風「ふふ…僕はまだいけるぞぉ…zzz」

71 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/09(木) 23:35:51.50 ID:omH0L9Oe0
今日はおしまいです
感想くれると嬉しいです
ではまた明日〜
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/10(金) 00:30:50.53 ID:n87JJGMPO
乙!
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/10(金) 07:33:40.55 ID:CMJLMOy60
艦これss減ったというより似た様な人気キャラや組み合わせばかりで
飽きられただと思う。一杯艦娘居るのに反してまたこのメンバーか、みたいな
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/11(土) 01:58:26.92 ID:vBrxCBBGo
おつなのーね
75 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/11(土) 23:26:12.17 ID:sp8fh8FT0
>>72
ありがとう!

>>73
艦娘自体はともかく組み合わせはある程度仕方ないと思いますねぇ
自分は好きな娘を書きたいので組み合わせとかは考えてないですけど

>>74
ありがとうなのーね


昨日は更新できなくてすまんな
今から投下していくけど途中で書きだめが無くなるんでペース落ちる
すまん…
76 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/11(土) 23:27:12.48 ID:sp8fh8FT0

【三日月講座 『鎮守府』『派閥』編】

三日月「皆さんこんにちは、今日は『鎮守府』と『派閥』についてのお話をします」

三日月「まずは鎮守府です」

三日月「現在、我が日本海軍は七つの鎮守府を保有しています」

三日月「それぞれの鎮守府は第一〜第七と呼ばれています」

三日月「数字が若い鎮守府程、優先的に艦娘や資源が回される、と規定はされています」

三日月「しかし、現在第六鎮守府は建物自体はありますが、機能はしていません」



三日月「次に派閥です」

三日月「現在、海軍内には二つの派閥が存在します」

三日月「『艦娘兵器派』と『艦娘人間派』です」

三日月「前者は艦娘をあくまでも兵器と捉えるグループで、後者は艦娘を人間、兵士と捉えているグループです」

三日月「また、それぞれの鎮守府の提督の多くはこの二つのどちらかの派閥に属しています」

三日月「第一鎮守府の提督は『艦娘兵器派』」

三日月「私が所属する第七鎮守府の提督は『艦娘人間派』に属しています」

三日月「最も、司令官は『艦娘人間派』を率いている元帥とある協力関係を結んでおり、その見返りとして『艦娘人間派』に属しているだけです」

三日月「なお、艦娘が現れてからは今まで変わらず、『艦娘兵器派』の方が一定の力を持っているようです」

三日月「今日の講義を終わりにします。お疲れさまでした」

77 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/11(土) 23:28:31.34 ID:sp8fh8FT0

【潜入作戦 2】


〜翌日 第七鎮守府 港 〜

提督「じゃ、また定例会議でな」

第一「ふん、しばらくは貴様の顔も見たくはないわ」

提督「はいはい。気を付けろよ」

第一「………」ムスッ

ブーーーーーン

提督「行ったな」

金剛「そうですネー」

提督「…まあ、あいつとは近いうちにまた会うんだがな」

金剛「…?どういう意味デス?」

提督「なに、すぐ分かる。今回はお前にも協力してもらうつもりだからな」

金剛「Ohー!それはいいですネー!最近ご無沙汰だったんデスヨー?」

提督「それだけ平和になったってことだ」

金剛「hmm…。ジレンマですネ」

三日月「司令官」

提督「…元帥からか?」

三日月「はい」

提督「よし。三日月は川内を、金剛は鈴谷を呼んできてくれ。場所は第三会議室だ」

三日月「了解です」

金剛「ok!」
78 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/11(土) 23:29:47.29 ID:sp8fh8FT0

〜第三会議室〜

提督「………」

プルルルルルルルルル ガチャ

『もしもし?こっちの番号でかけてくるのは珍しいわね』

提督「…ちょっと調べて欲しいと言うか、聞きたいことがあるんだ」

『それは、命令?』

提督「はぁ?」

『それは命令かどうかって聞いてるんだけど』

提督「…ああ、命令だ」

『アハ。やっぱり私、貴方に命令されるの好きだわ』

提督「変な属性つけるなよ…」

『でもこうしたのは貴方よ?』

提督「そんなことした覚えはない」

『昔からでしょ、諦めなさい』

提督「…はいはい」

『それで?私は何を調べればいいのかしら』

提督「ああ。お前の鎮守府から第五鎮守府に誰か派遣されたか?」

『ええ。最近されたわね。それが?』

提督「誰が行ったんだ?」

『大潮と荒潮ね』

提督「その二人が第五からの名指しだったのか、お前のとこの提督の推薦か、知ってるか?」

『いいえ?』

提督「それを調べて欲しい」

『ふーん…。まあいいけど、司令官に直接聞くのはだめ?』

提督「ああ。念の為、それはやめといてくれ」

『はいはい、じゃあ分かったらこっちから連絡するわ』

提督「おう、頼む」

『ええ、任せなさい』

ガチャ
79 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/11(土) 23:31:23.85 ID:sp8fh8FT0

提督「さて、会議を始める」

鈴谷「今回はなにー?」

提督「三日月」

三日月「はい、こちらが元帥様からのお手紙です」ピラ

鈴谷「ん〜…」

金剛「ムム…」

川内「………」

鈴谷「つまり?第五鎮守府が不自然に戦果を上げているから調査しろって?」

提督「ああ」

金剛「バット、なんでそんなことヲ?戦果があるのはいい事じゃないですカ?」

提督「…今現在、艦娘の酷使は禁止されている。艦娘は疲労が溜まることが実証され、また疲労が溜まった艦娘は被弾されやすく、撃沈される可能性が高いからだ」

川内「新しく作ればいいーとか言う人はいないの?」

提督「艦娘を作るのには高いコストがかかる。それに艦娘を育てるのにはそれ以上の月日もな」

提督「深海棲艦が湧き続けている今、捨て艦戦法というものは愚策だ」

提督「ただし」

鈴谷「んー?」

提督「沈まない程度には艦娘を酷使する。これは艦娘兵器派の連中からすれば暗黙の了解だ」

金剛「それに反対する艦娘ハ?」

提督「さあな。今のところいない所を見ると懲罰送りにでもされてるんじゃないか」

三日月「なるほど、元帥様が憲兵なのではなく私たちに依頼した理由がわかりましたね」

80 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/11(土) 23:32:29.52 ID:sp8fh8FT0

鈴谷「え、ごめん、わかんないんだけど」

提督「…憲兵の多くは艦娘兵器派の息がかかっている。こいつらに第五鎮守府を調べさせても、何の問題もありませんでした、と答えるのがオチだ」

金剛「なるほどデスネー」

提督「今海軍内の艦娘人間派は少し弱い立場にいる。この事を世間的に大々的に報じて艦娘兵器派の勢力を弱めたいんだろう」

川内「そのためには第五の艦娘が酷いことされてるーっていう証拠も掴まないとねー」

提督「そうだな」

鈴谷「それでー?今回はこのメンツなの?なーんか変わり映えしなくない?」

提督「今回は少し慎重に行った方がいいと思ってな」

鈴谷「ふーん?」

提督「まあ一日あればなんとかなる。準備しとけよ」

鈴谷「りょーかーい」

提督「俺が不在の間は三日月に鎮守府のことを任せる」

三日月「わかりました」

81 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/11(土) 23:33:42.36 ID:sp8fh8FT0

川内「んじゃ、後でね〜」バタン

提督「おう」

プルルルルルルルルル

提督「お」

ガチャ

『調べてきてあげたわよ』

提督「早いじゃねか」

『ええ、ええ。あなたの教育の賜物ね』

提督「で?」

『うちの司令官の推薦みたいね。第五鎮守府から練度の高い艦娘を少しの間貸してほしいって要請だったみたい』

提督「そうか……」

『またなにか厄介事?』

提督「まあな」

『………大丈夫なの?』

提督「なんだ、心配してくれんのか?」

『そりゃ、ね』

提督「………」

『な、なによ』

提督「別に?意外とか思ってないし」

『あんたねぇ…!』

提督「悪かったよ。またな、今回はありがとう」

『ええ。…今度、顔見せないさいよ』

提督「わかったわかった。じゃな」

ガチャ

提督「さて、エロ親父なのは確定だな」

82 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/11(土) 23:34:43.53 ID:sp8fh8FT0

〜翌日 第五鎮守府付近の街〜

提督「よし、取り敢えず情報収集だな」

提督「俺と鈴谷、金剛と川内で別れるか」

金剛「ブー!私もテートクと一緒がいいデース!」

鈴谷「えー。そんなこと言っても鈴谷だって譲らないよー!」

川内「どっちでもいいけど…ふぁぁ…ねむ…」

提督「はいはい文句言わない。行動開始」

金剛「ムー…」
83 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/11(土) 23:42:15.91 ID:sp8fh8FT0

鈴谷「でー?何すんの?」

提督「聞き込みだよ。基本だろ?」

鈴谷「ふーん?でも鎮守府内の事なんて一般の人は知らないんじゃない?」

提督「第五の艦娘は昔からこの街に遊びに来てたらしいからな。何かは知ってるんじゃないか?」

鈴谷「把握把握〜」

提督「ほんとかよ…」

提督「ん、あの八百屋のおっちゃんに話聞くか」

鈴谷「あいさーい」
84 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/11(土) 23:44:31.09 ID:sp8fh8FT0

提督「すいません」

店主「おう、いらっしゃい!…うん?」

提督「どうかされました?」

店主「いや、見ない顔だと思ってな」

提督「ああ、私たちは少し旅というか…まあ、そんなところです」

店主「旅、ね…。まあこんなご時世だ。そういうのも悪くないのかもね…」

提督「………」

店主「…悪いね、湿っぽい話をしてしまって」

提督「いえいえ。…そう言えばこの街は鎮守府から近いと伺ったのですが」

店主「そうだな。歩いて30分位か?偶に艦娘の子もうちを訪ねてくれるよ」

提督「ほお」

店主「艦娘に興味があるのか?」

提督「ええ、正直」

店主「はっはっはっ。艦娘の子は皆可愛いからなぁ。目移りしないように気を付けつけなよ」

鈴谷「ははは」

提督「大丈夫ですよ。俺は一途なんで」

鈴谷「ちょ、ちょ…」
85 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/11(土) 23:51:52.68 ID:sp8fh8FT0

店主「はは、お熱いねえ」

鈴谷「うう…。まーじ恥ずかしい…」

提督「艦娘の方はどれくらいの頻度で?」

店主「そうだな…。多い時は一週間に四回くらいは見るな」

提督「よく遊びに来ているんですね」

店主「そうだなぁ。…んん?」

提督「どうしました?」

店主「いや、そう言えば先週くらいから艦娘の子見てないなぁ」

提督「そうなんですか?」

店主「ああ。…そう言えば最後に会った時も様子がおかしかったような気がする」

提督「それは、どのように?」

店主「たまに鎮守府で出す飯の材料をうちから買ってくれたりするんだが…」

店主「その時、軽く世間話を一言二言はするんだよ」

店主「ただその時は買うもんだけ買ってすぐ帰っちゃったんだよな」

店主「なんか心ここに在らずって感じだったし…」

提督「………」

店主「…あ、すまないな。関係ない人にこんな話…」

提督「いえ、しかしそのような様子だと、少し気がかりですね」

店主「ああ…」

提督「ちなみになんですが、その艦娘の名前はなんと?」

店主「古鷹ちゃんだ。礼儀正しいいい子だよ」

提督「それは…会ってみたいですね」

86 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/11(土) 23:57:38.71 ID:sp8fh8FT0

提督(その後も二、三軒回ってみたがどこも同じような内容だった)

提督(最近艦娘の姿を見てないだとか、少し様子がおかしかっただとか)

提督(これは…かなりきな臭いな)

鈴谷「提督ーそろそろ集合時間だよ」

提督「ああ。…そういえば」

鈴谷「なにー?」

提督「お前の照れた演技、上手かったな」

鈴谷「…は?」

提督「いやーさすが俺が教えただけあるわ」ケラケラ

鈴谷「はー…」

提督「なんだよいきなり溜め息ついて。褒めてやってんだぞ」

鈴谷「…提督、夜道気を付けなよー?」

提督「ふん、俺を誰だと思っている」

鈴谷「もー…もー!」

提督「牛か」チョップ

鈴谷「…はぁ〜。ほんっとに、それでも元スパイ?」

提督「…今のどこにそんなディスられる要素あったんだ」

鈴谷「知らない!」

87 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/11(土) 23:58:09.63 ID:sp8fh8FT0
うう、すまない、眠い寝る
感想くれると嬉しいです
それではまた明日
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/13(月) 05:08:05.45 ID:vsqfWZS10
鈴谷あの格好で街出てるんだろうか。
服は良いけど甲板ニーソががが
89 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/13(月) 22:43:01.57 ID:Zp3nYelz0
このメンツで一番マシな格好は鈴谷だとおもうんですけど(名推理)
まあ皆きっといい感じの服着てるよ(適当)


更新していきます
90 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/13(月) 22:44:04.96 ID:Zp3nYelz0

〜夜〜

提督「じゃ、情報交換をしようか」

金剛「第五鎮守府の艦娘は以前からこの街を利用していまシタ」

川内「でも最近は姿を見ない」

鈴谷「大体一緒だねー」

提督「ここから推測出来ることは、第五鎮守府の艦娘は何らかの事情で街に来ることが出来ないってことだ」

鈴谷「めちゃくちゃ疲れてて、こっちに来れないってこと?」

金剛「なるほどデース」

提督「…いや、恐らく違う理由だ」

川内「んー?」

提督「最後に会った艦娘の様子がおかしいって話を聞いただろ?」

金剛「確かに聞きましたガ」

鈴谷「疲れてたんじゃないのー?」
91 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/13(月) 22:45:04.44 ID:Zp3nYelz0

提督「まあ、確かに疲れてるだけっていう可能性はあるが」

提督「第五には古鷹がいるだろ?」

鈴谷「そうなのー?」

提督「…前の会議で渡した資料に書いておいたはずなんだかな」

鈴谷「うげ…。う、うん。古鷹いるねー」

提督「はあ。まあいい。お前らも古鷹の性格を知ってるだろ?」

金剛「とっても礼儀正しくて、優しいデース!」

提督「八百屋の店主はこう言った。買うもんだけ買って、すぐ帰ったと」

川内「…まあ、疲れてたらそれくらいするんじゃない?」

提督「誰しもお前みたいにズボラじゃないんだよ」

川内「なにをー!」

提督「まあ、だから頭の片隅にでもいいから入れといて欲しい情報がある」

鈴谷「なにー?」

提督「第五鎮守府の艦娘が洗脳されてる可能性だ」

金剛「ワ、ワッツ?」

川内「洗脳ぅ?」

提督「ああ。…まあそんなにすぐバレるような事を中将がやるとは思わんが、警戒はしとけ」

鈴谷「まあ…了解」

金剛「オーケー…」

川内「りょーかーい」
92 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/13(月) 22:46:15.97 ID:Zp3nYelz0

提督「川内、第五鎮守府の見取り図」

川内「ほいほいっと」パサ

鈴谷「いつのまに」

川内「昨夜本部にひとっ走り」

鈴谷「よくやるわー…」

川内「あとこれが憲兵の警邏ルートとそのシフト表」

提督「ふむふむ…」

金剛「ハーイ、紅茶が入りましたヨ」

鈴谷「お、さんきゅ」

川内「ミルクたっぷりね」

鈴谷「やーい子供舌ー」

川内「うっさいなぁ…。美味しく飲めた方がいいでしょ」

鈴谷「ぐっ…」

川内「なによ」

鈴谷「セイロンティー…」

金剛「ハイハイ。ミルク置いときますヨ」

川内「あーい」

提督「………」

金剛「テートク?紅茶いりますカー?」

提督「………」

金剛「…口開けてくだサーイ」

提督「んあ……」

金剛「ン…」

提督「………」ゴクゴク

川内「…どういうプレイよ」

鈴谷「川内がツッコミ役って珍しいよねー」

川内「現状そうせざるを得ないのよ…」
93 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/13(月) 22:47:23.40 ID:Zp3nYelz0

提督「よし。決めたぞ」

川内「ん」

提督「第五鎮守府では、門限を破る艦娘を見張るため塀の周りを憲兵が警邏している」

提督「今夜はその憲兵が二人らしい。その排除は金剛に任せる」

金剛「了解デース!」

提督「監視カメラの記録は一応壊すがなるべく死角でな」

金剛「オフコース!」

提督「川内は鎮守府奥にある憲兵詰所を抑えろ。恐らくここに監視カメラの機材もあるから壊しとけ」

川内「りょーかーい」

提督「鈴谷は俺と一緒に鎮守府本館だ」

鈴谷「腕がなるねーい」

提督「よし。じゃあ武装完了次第、向かうぞ」
94 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/13(月) 22:48:26.58 ID:Zp3nYelz0

〜第五鎮守府 正門前 深夜〜

提督「…二人とも、いるか?」

川内「そりゃいるよ」

鈴谷「問題なーし」

提督「よし。金剛?」

金剛『ハイ』

提督「射撃ポイントに入ったか?」

金剛『入りましタ』

提督「今夜第五鎮守府の周りを警邏している憲兵の数を覚えているか?」

金剛『二人デース』

提督「姿は?」

金剛『捉えていマース』

提督「では──」

提督「撃て」

金剛『──』タン

金剛『──』タン

金剛『やりましたヨー。ぐっすり眠っていマース』

提督「よし。それでは金剛はそこで待機。誰かが正門に近付いてきたら報告」

金剛「わかりましター」

提督「よし。では、川内、行け」

川内「あいあいっと」シュタ
95 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/13(月) 22:49:40.12 ID:Zp3nYelz0

提督「時に鈴谷よ」

鈴谷「んー?」

提督「この塀を飛び越えられるか」

鈴谷「愚問だねー。誰に鍛えられたと思っているのさ」

提督「…そうだな」

鈴谷「…?どったの?行かないの?」

提督「…先に行かないか?」

鈴谷「…提督?言っとくけど、鈴谷、今スカートじゃないよ」

提督「………」

鈴谷「……?」

提督「俺はな」

鈴谷「う、うん」

提督「尻フェチなんだ」

鈴谷「知るか」バシッ
96 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/13(月) 22:51:21.06 ID:Zp3nYelz0

川内(塀の中に入って、憲兵詰所まで来たよ)

川内(中にいるのは…二人だね)

川内(取り敢えず孤立させたいんだけどー…)

川内(お、良いもの発見)

川内(……)ガチャ

憲兵A「なんだ?停電か?」

憲兵B「そのようですね」

憲兵A「ちょっと見てこい」

憲兵B「はっ」

ガチャ

憲兵B「全くまだ夜は冷えるってのに…」スタスタ

憲兵B「ん?これブレーカーが落ちて──」

川内「ごめんねー」

憲兵B「ん!?」

憲兵B(口塞がれっ!?)

川内「よっ」ギュ

憲兵B(首、しまっ…!)

バタッ

川内「まーまー殺してはないからさ」

川内(あと一人は…。睡眠弾でいいか)カチャ

川内(…てか今の憲兵もこれでよかったじゃん)

川内(ま、いっか)ガチャ

パァン
97 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/13(月) 22:52:56.98 ID:Zp3nYelz0

提督「よし、本館の近くに着いたな」モノカゲ

鈴谷「そういや鍵は?」モノカゲ

提督「そんなもん本部からくすねたに決まってんだろ」

鈴谷「本部ェ…」

川内『あー提督?提督?』

提督「おう、聞こえてるぞ」

川内『監視カメラ、無力化したよ』

提督「よくやった。鎮守府敷地内を巡回してる憲兵が詰所に帰ってくるかもしれん。上手くやっとけ」

川内『了解』

提督「よし、中に入るぞ」

鈴谷「ういーっす」
98 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/13(月) 22:53:50.98 ID:Zp3nYelz0

〜第五鎮守府本館 1階〜

提督「…執務室は二階だったか」

鈴谷「誰もいないねー」

提督「夜の哨戒任務に出た艦娘はつい先程出撃したからな」

鈴谷「よく覚えてるねぇ」

提督「…お前は腕はあるんだが…頭がな」

鈴谷「なにをー?」

提督「あれだよな。熊野もあの風貌で割と脳筋だし、そういうとこは姉妹なのね」

鈴谷「あー…」

提督「話は変わるが、第五中将は最近、憲兵を新しく三人本部から取り寄せたらしい」

鈴谷「ふーん」

提督「なんでも、全員柔道の有段者らしいぞ」

鈴谷「怖いねー」

提督「…お前さては眠いな?」

鈴谷「ぎく」

提督「はぁ…。取り敢えず二階に行くぞ」
99 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/13(月) 22:55:08.43 ID:Zp3nYelz0

〜第五鎮守府本館 二階〜

提督「…!」

鈴谷「…どったの?」

提督「しっ!…話し声だ」

鈴谷「相変わらず耳いいね。場所は?」

提督「執務室の手前の部屋だ。…確かあそこは提督の私室だったはずだ」

鈴谷「うわ…。ドアの前にごっつい人いるよ…」

提督「…どちらにせよ、執務室に行くにはあいつを排除せにゃならん」

鈴谷「じゃあ、撃とう」パァン

提督「ばっ…!」



憲兵C「…!?…zzZ」バタッ



提督「お前ぇー!あんな巨漢が倒れたら結構音が響くだろー!」

鈴谷「あ…て、テヘペロ?」

提督「ゆる…さん!」



憲兵D「なんだ!どうした!」

憲兵E「これは…?」




提督「ごっついの二人来たよぉ」

鈴谷「うわー…」

提督「ちっ、こうなりゃスピード勝負だ。お前はここにいろ」ダッ

鈴谷「ちょ」
100 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/13(月) 22:56:46.21 ID:Zp3nYelz0

憲兵D「おい、しっかりしろ!」

憲兵E「気を失っているのか?」

提督「───!」

憲兵D「…!?な、何者!」

提督「っ」ドォン

憲兵D「がはっ…」ドサ

憲兵E「くっ…。この!」ブン

提督「…」スッ

憲兵E「んなっ」

提督「はっ!」ブン

憲兵E「ぐがっ…」ドサ

第五「な、なんじゃ!お前は誰だ!」

提督(部屋の中は…割と広いな)

提督(ベッドに手錠で繋がれた裸の艦娘、それに跨る中将)

提督(ん…あっちに座ってるのは扶桑と山城か?)

第五「くっ!何者なんじゃ!」

提督「鈴谷、俺がドアを閉めたあと、お前は執務室へ向かえ。そこで何か証拠になりそうなもんを見つけろ」ボソボソ

鈴谷『わかったけど…大丈夫?』

提督「ああ」

提督「さて、お楽しみ中に申し訳ないが」

第五「くっ!扶桑!山城!この者を捕らえろ!」

扶桑「……」ヌッ…

山城「……」ユラ…

提督(…目の焦点が合っていないし、どこか足取りも怪しい。悪い予感は当たるもんだな)
101 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/13(月) 22:58:39.61 ID:Zp3nYelz0

第五「くっ」プルルガチャ

第五「おい!今すぐ私室に来い!侵入者じゃ!」

『ん、悪いけど誰も動けないよ』

第五「なにをふざけたことを…!貴様、憲兵ではないな!」

『当たりー』

第五「憲兵をどうした!」

『全員寝てるよー』

第五「くぅー…!」



提督「さて」

第五「なっ!」

扶桑「」

山城「」

第五「ちっ、使えないヤツらだ。流石欠陥姉妹だな」

提督「……」スタスタ

第五「待て!」

提督「…」ピタッ

第五「それ以上近づいたらこいつを刺す」キラン

「う……ぁ………」

提督(殴られた跡がたっぷりだな。余程このジジイに可愛がられたらしい)

提督「それが?」

第五「は?」

提督「別に俺は正義の執行者でもないし、善良な市民でもない。そんな小娘一人、どうなろうと知ったものか」

第五「なにぃ…!?」

「………ぁ…」

提督「行くぞぉー」スタスタ

第五「使えんな!」ブン

「……ぅ……」ドサ

第五「…っ!」ガララ

提督「そんなご老体で二階から飛び降りようとしてんじゃねー…っよ!」ガシッ

第五「なっ!」

ブン

第五「かはっ!」ドサッ

第五「」
102 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/13(月) 23:00:42.34 ID:Zp3nYelz0

提督「ふー」

「……………」

提督「取り敢えず、手錠外すか。拳銃使うけど艦娘だから平気だろ」

バンッ カラン

「………ぁ」

提督「これ羽織れ」ヌギヌギ ファサ

「……ぅ……も…ぃ…って」

提督「あん?」

「…どうでも…いい………って、…言った……くせ、に……」

提督「ふん。そんなことか」

提督「いいか?人質ってのは利用できるから使うんだ」

「………?」

提督「例えば俺があの時こいつの言うことを聞いたら、こいつはお前を連れて逃げただろう」

提督「だが、俺がお前がどうなろが知らんと言ったことでお前の人質としての価値は無くなったんだ」

提督「そんな人質を殺すメリットがあるか?こいつは失敗したがそんな暇あれば逃げるなりなんなりするだろ」

提督「わかっか?」

「………」ポケー

提督「まあいい」

「……こいつは、」

提督「うん?」

「……こいつはもう…うごかな、いのか?」

提督「……」

提督「ああ。もう大丈夫だ。辛かったな」

「………うう、ぅ…ぁぁぁん…」

提督「よしよし…」

提督(うう…。柄じゃねえー…)
103 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/13(月) 23:02:35.77 ID:Zp3nYelz0

「…スー…スー」

提督「ふう、恐らくもう敵はいないかな?」

川内『そうだねー。この鎮守府の憲兵は全員寝てるよ』

金剛『正門付近も問題ナッシングデース』

提督「じゃあ後は鈴谷次第だな」

川内『しっかし…聞いた?』

提督「あ?」

川内『「もう大丈夫だ。辛かったな」だって〜』

鈴谷『似合わないね〜』ケラケラ

提督「うるせー。自覚はある」

金剛『その子は大丈夫なんですカー?』

提督「…まあ外傷はひどいな。艦娘の身体にここまでの傷を作るんだ。惨い仕打ちを受けたんだろうな」

川内『ねーねーそこに中将いるんでしょ?』

提督「ああ」

川内『こう…首をね?キュッと』

提督「川内さん。第七鎮守府信条第一条をどうぞ」

川内『…死ぬな。殺すな』

提督「よく出来ました」

川内『んもー!でも腹立つじゃん!』

提督「我慢したまえ…」

鈴谷『お、提督』

提督「なんかあったか?」

鈴谷『なんか怪しー薬見つけた。…自白剤って書いてあるよ』

提督「ご丁寧にありがたいことだな。じゃあ俺は鈴谷のとこに向かう。川内と金剛は警戒しといてくれ」

川内『はーい』

金剛『オーケー!』

104 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/13(月) 23:04:03.38 ID:Zp3nYelz0

ガチャ

鈴谷「おっすー」

提督「おう」

鈴谷「その子預かっとこうか?」

提督「いや…いい」

鈴谷「役得だもんねー」

提督「鈴谷?」

鈴谷「はーい。ごめんなさーい」

提督「これが…自白剤と、こっちは?」

鈴谷「んー?なんかボタン押したら赤い光が出る謎の装置」

提督「…鈴谷、お前催眠って信じるか?」

鈴谷「催眠?うーん…やらせ?」

提督「…催眠ってのはな、効くと思ってるやつに効くんだよ」

鈴谷「ふーん…?」

提督「第五中将はこの自白剤とその謎の装置を使って艦娘を洗脳…催眠状態にしてたんだろう」

鈴谷「自白剤とこれで?」

提督「ああ。自白剤ってのは意識を朦朧とさせる麻酔みたいなもんだ」

鈴谷「そうだね」

提督「それは覚えてるのな」

鈴谷「昔誰かさんにたくさん打たれたからね…」

提督「そいつには感謝しとけよ?…それで自白剤だが」

提督「おそらく意識が朦朧としている状態で催眠にかけたんだろうよ」

提督「『この赤い光を浴びるとあなたは私の言うことに逆らえなくなる─』みたいな感じで?」

鈴谷「感じで?と言われてもね。そんなんで催眠かかるの?」

提督「言ったろ?催眠ってのはかかるって思い込んでる奴がかかるって。あの中将殿はそういう術は長けてたかもな」

鈴谷「まあ難しい話はいいや。結局何を持ち帰るの?」

提督「まあ取り敢えずその薬を持って帰れよ。…ん」

鈴谷「なになにー?」

提督「この引き出し…。鍵がかかってるな」

鈴谷「おお!面白そうじゃん!」

提督「まあこういう引き出しには大体罠があるもんだ。慎重に開けるぞ──」
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