【艦これ】提督「ようこそ、第七鎮守府へ」

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1 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/05(日) 22:00:23.24 ID:lArptR410
コンコン

三日月「司令官、午後の仕事をお持ちしましたよ」

提督「おう、ごくろーさん」カタカタ

三日月「…何をなさってるのですか?」

提督「…いやお前今執務時間だぜ?そんな時に俺がパソコンしてるってことはお前、仕事だろ?」ティーンティティン

三日月「今の音は?」

提督「お、研究終わった。やーっと中戦車の生産が…って、あ」

三日月「司令官?執務中のhoiは禁止の約束では?」

提督「ま、まあそりゃ執務中だったらそりゃ問題だけど?見ろよこの資料の束」

三日月「………。ここ、間違えてますよ」

提督「え?まじ?」

三日月「はい。あとこことここも。あぁ、ほらここも。……ってここはやってすらないじゃないですか!もう!1週間はパソコン没収です!」

提督「えー!そんなぁ…」

三日月「そんな声出してもダメです。1回お灸を据えます」

提督「ちぇー。……三日月」

三日月「はい」

提督「今日何曜日?」

三日月「水曜日です」

提督「前回はいつだったか」

三日月「先週の火曜日です」

提督「…じゃあ今日あたりに来てもおかしくないか。…今日夜当番誰だっけ」

三日月「鈴谷さんと川内さんですね」

提督「んあー。その二人なら大丈夫か。まあ三日月も警戒しといてくれ。金剛と榛名に会ったら、一応言っといて」

三日月「了解しました。……まぁ取り敢えず、今日の分の仕事はしっかりしてくださいね」

提督「ういーっす…」


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2 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/05(日) 22:01:49.87 ID:lArptR410
〜夜〜

鈴谷「ふぁ〜。ねっむ…」

川内「なんでさー。テンション上がらない?夜だよ?夜戦だよ?」

鈴谷「鈴谷は川内みたいに夜戦バカじゃないのー」

川内「誰が馬鹿だー!」

鈴谷「ねぇ、それより聞いた?三日月からさ」

川内「え?あー今日がそろそろかもって?」

鈴谷「そーそー。まーじめんどいし」

川内「ねー。そもそも私たち艦娘だよね?」

鈴谷「今更どーしたの?」

川内「いや、なんでこんな物持ってんだろうなってね」アサルトライフル

鈴谷「それこそ今更だし。そもそも私たちここ古参でしょ?」

川内「まあね。でもなんか今ふと気になっちゃって」

鈴谷「…まあ、提督のためっしょ。鈴谷はそう思ってるよ」

川内「…そうだね。私も。まあいいや。今日の司令塔誰だっけ?」

鈴谷「えーっと、龍驤だったかな」

川内「そ。んーそれにしても暇だね」

鈴谷「そう?いいんじゃない?夜の海ってのも」

川内「え…。鈴谷ってそういう感性持ってたんだ…」

鈴谷「ちょっ!どういう意味だし!」

川内「いやだってさぁ…」
3 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/05(日) 22:02:58.99 ID:lArptR410
鈴谷「あ!川内、あれ…」

川内「んー?…あ、ほんとだ。来ちゃったかー…」

鈴谷「ま、やるしかないっしょ。川内は龍驤に連絡しといて。私が見とく」

川内「了解ー。龍驤?龍驤?」

龍驤『なんやどうした?問題か?』

川内「うん。侵入者だよ」

龍驤『あー三日月の言う通りやな。それで?どれくらいなんや?』

川内「鈴谷」

鈴谷「んーっと、四隻だね」

川内「四隻だってさ」

龍驤『そか。なら金剛と榛名をそっちにやるわ』

川内「了解っと」

龍驤『じゃあウチは司令官に伝えてくるから。後は頼んだで』ブチッ

川内「任せて。鈴谷いける?」

鈴谷「川内こそ。ちゃんと弾入ってる?」

川内「もちろん。即効睡眠薬入りの弾、ちゃんと入ってるよ」

鈴谷「よーし、じゃあやりますか」

カンカンカンカン

川内「お」

鈴谷「提督起きたね」

川内「一週間ぶりだねー。戦闘態勢の鐘」

鈴谷「ま、私たちが先鋒な訳だし、今のうちに行くよ」

川内「ラジャー!夜戦だあああ!」

鈴谷「じゃあ鈴谷は後ろで援護するから、頼むよー」

川内「ひゃっほー!」

鈴谷「聞いてないし…。ま、いっか」パパパパパパ
4 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/05(日) 22:04:07.43 ID:lArptR410
侵入者A「うお!撃ってきたぞ!」

侵入者B「うわあ!」

侵入者A「な!大丈夫か?」

侵入者B「あ、ああ…。だけど、急に、ねむ、く…」バタ

侵入者C「チッ!あいつらが撃つのは中に睡眠薬が入っている弾だ。殺傷性は無いが着弾するとすぐに効いてしまう」

侵入者A「な、なるほど。おい!どこから撃たれた!」

侵入者D「ひ、一人は南から、しかしもう一人がわかりません!」

侵入者C「とりあえず、場所が分かってる方を…!ウッ…!」zzz

侵入者A「隊長!ちくしょう、どこ、か、ら…」zzz

侵入者D「先輩!?く、くそ、どこだ!第七の艦娘め!」

川内「ここだよ」パン

侵入者D「んな!う、うぅ…」zzz

川内「一隻目クリア」

龍驤『了解や。じゃあ三隻目の方にいる榛名を援護したってや。ちょいと数が多い』

川内「りょーかーい」

金剛『二隻目クリアデース!』

龍驤『了解や。じゃあ金剛は─』
5 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/05(日) 22:06:02.56 ID:lArptR410
榛名「ありがとうございます、川内さん。助かりました」

川内「いいっていいってー。それで龍驤、こいつらどうすんの?」

龍驤『あー今司令官が向かってるわ』

川内「ほいほい、りょーかい」

金剛「それにしても最近数が少ないデスネー」

鈴谷「そうだねー。もう飽きたんじゃない?」

榛名「油断は禁物ですよ、鈴谷さん」

鈴谷「榛名は相手が深海棲艦でも人間でも同じだねー。お、提督だ」

提督「よう。今夜はどうだった?」

鈴谷「なんかいつもより弱かったし」

提督「あっそう。おい、起きろ」バシバシ

侵入者C「…ん、んん。なっ!?」

提督「起きたか?」

侵入者C「くっ…。俺は何も喋らんぞ!」

川内「はいはい。失礼っと。お、少尉さんだね」

侵入者C「この…!大将殿に楯突く不届き者め!絶対その性根をへし折ってやるからな!」

提督「はいはいっと…。それよりお前、口の利き方に気を付けろよ」

川内「そーだそーだ。提督は少将なんだぞー!」

侵入者C「貴様らァ…!」

提督「まあいい。どうせ今回もあの大将殿の差し金なんだろ。お前らは帰っていいぞ。…あ、身体中縛られてるだったな。こら失敬」

侵入者C「絶対に殺す…!」

提督「はいはいっと。取り敢えずお前ら、こいつら船に乗せて」

鈴谷「ほいほいっと」

提督「ほれ、明石特製『勝手に輸送マン』だ」カチャ

金剛「じゃあ出発ネ!」

提督「無事に帰れるといいな」

鈴谷「ドナドナド〜ナドーナ」

侵入者C「覚えてろぉぉおぉおぉおおお!」ブーーーン

鈴谷「…一応ライフルあるけどどうする?」

提督「ああ。魚さんが起きてしまうからな。やっとけ」

鈴谷「り」パァン

侵入者C「んぐ…zzz」
6 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/05(日) 22:07:14.46 ID:lArptR410
三日月「司令官」

提督「おう。こっちは終わったぞ」

三日月「はい。別方面からの侵入もありませんでした」

提督「そうか。じゃあ寝よ寝よ。皆おつかれー」

金剛「good night!」

榛名「はい。おやすみなさい」

川内「鈴谷、夜戦は!?」

鈴谷「まーもうオールでもいっかー。はいはい、やるよー」

川内「よっしゃあ!」

三日月「程々にして下さいね」
7 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/05(日) 22:08:29.76 ID:lArptR410
最近艦これのss減っちゃいましたね
そんな流れに逆らっていく艦これスレです
良ければ見てね
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/05/05(日) 23:52:31.83 ID:PaAopM0TO
はよ
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/06(月) 08:59:45.24 ID:ugrEU6gBo
はよ
10 : ◆sA2CpGLy66 [sage]:2019/05/06(月) 20:24:33.56 ID:xIvMY9ca0
22時くらいに投下します
11 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/06(月) 22:52:48.00 ID:xIvMY9ca0
遅れました
今から投下しますー
12 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/06(月) 22:54:03.32 ID:xIvMY9ca0

【潜入作戦】


神通「提督、失礼します」ガチャ

提督「はいよ」

神通「第二艦隊帰投しましたので、報告に」

提督「頼んだ」

神通「はい。今回は東方海域へと偵察を目的に出撃しました。結果、小規模の敵水雷戦隊と戦闘し、勝利」

提督「被害は?」

神通「ほぼ無傷です」

提督「そうか。ご苦労さん。上がっていいぞ」

神通「はい。失礼します」ガチャ

提督「…はぁ〜」

三日月「どうしたんですか?」

提督「いや、相変わらず敵少ないと思ってな」

三日月「それはずっと前からじゃないですか」

提督「辺境だよな〜。ここ」

三日月「平和なのはいい事ですよ」

提督「でもお前、本州の奴らの方が仕事多いってどういうことだよ」

三日月「それも昔からですよ。ほら、まだ執務が溜まってますよ」

提督「相も変わらずつまらん書類ばかりだ…。お前も出撃したいだろ?」

三日月「出撃がないのはいいことじゃないですか」

提督「それは違うな。ここらの海域の任務も第一のやつらが請け負ってるからだ。お前も知ってるだろ?」

三日月「…」

提督「ったく。大将殿が誰を寵愛しようが勝手だが、こっちの任務を第一に回すのはどーも納得いかん。そのせいでこの鎮守府は成果があげられないんだ…」

三日月「…では、行くんですか?」

提督「ああ。ただ第一に行くのは久々だし、あそこには内通者がいない」

三日月「誰か呼びますか?」

提督「それも考えたが…。今回はお前1人で大丈夫だろ」

三日月「わかりました。じゃあ川内さんに夜の間を任せましょう」

提督「ああ。…取り敢えず、書類やるか…」
13 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/06(月) 22:55:14.85 ID:xIvMY9ca0
〜夜 第一鎮守府〜

提督「…ふう。遠路はるばるウン時間。どうだ三日月?」

三日月『第一鎮守府、潜入成功しました』

提督「相変わらずザルな警備だな…。まあそれも元帥様のお陰なんだが」

三日月『それでは、執務室に向かいます』

提督「おう。今日は前回ここに潜入した時に型を取った鍵があるが…流石に次は変えてるだろうなぁ」

三日月『現在ロビーにいます。2階に向かいます』

提督「ん。…この時間は夜の見廻りをしてる艦娘がいてもおかしくない。慎重にな」

三日月『はい。…執務室到着。鍵をあけます』

提督「人影は?」

三日月『なしです。金庫を発見しました。開けますね』

提督「ああ。こっちでも廊下を監視してる」

三日月『……』カチャカチャ

提督「ん。まずいぞ三日月。見廻りだ」

三日月『…誰、ですか?』カチャカチャ

提督「秘書艦様だな。出撃が無くて暇と見える」

三日月『いくら大和型の皆さんと言っても資源は第一鎮守府へと優先的に回ってますから、なに不自由無く出撃出来てますよ』カチャカチャ

提督「ふん。…知ってるさ。そろそろ執務室に行くぞ」

三日月『どうしますか?』カチャカチャ

提督「落としておいた方がいいんじゃないか?顔は見られるなよ」

三日月『わかりました』
14 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/06(月) 22:56:22.34 ID:xIvMY9ca0

大和「…」ガチャ

三日月「………」

大和「…執務室よし、と」

三日月「……」パァン

バタ

大和「…zzz」

三日月「ターゲットクリアです」

提督『よくやった。それでは金庫を…』

三日月「…開きました」

提督『よしよし』

三日月「ありましたね。南西諸島付近を通る敵輸送船団の襲撃…通商破壊ですね。元々は第七鎮守府担当の任務と記されてあります」

提督『どうせ第七鎮守府に横線書いてご丁寧に判子押して第一鎮守府って書いてあるんだろ?全く南西諸島なんてうちの方が近いのによ…』

三日月「ではこれを持ってそちらへ」

提督『ああ。元帥殿の判子は俺が持ってるからな。帰りの船の上で押すか。こっちで監視カメラの記録は消しておく』

三日月「……元帥さんには頭が上がりませんね」

提督『………さてな。ほら、さっさと撤収だ撤収』

三日月「了解しました」
15 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/06(月) 22:57:51.34 ID:xIvMY9ca0

〜翌日 第七鎮守府〜

三日月「整列!」

ザザッ

提督「よし、朝早くからご苦労。これより朝礼を始める。まず今日の任務だが…久しぶりにまともな任務だ!」

蒼龍「おー」

瑞鳳「それ本当にうちの任務なのー?」

提督「無論だ。ここをよく見ろ」

瑞鳳「んー…?いや第一鎮守府って書いてない?」

蒼龍「でもその上に第七鎮守府って書いてあるね」

龍驤「…相変わらず上はぐっちゃぐちゃやな」

那珂「どういうこと?」

龍驤「元々この任務はうちに任せられる予定やったけど、上の誰かが反対したんやろ」

蒼龍「そうそう。それでまた誰かがやっぱりこれは第七鎮守府の任務だーって言ったのよ。このパターン多いよねぇ」

那珂「大変だねー」

龍驤(まあ昨日司令官と三日月の姿が無かったし…そういうことやろな)

提督「はいはい静かに。編成発表するぞ」
16 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/06(月) 22:59:25.28 ID:xIvMY9ca0

神通『提督、こちら神通です』

提督「ああ。聞こえてるぞ」

神通『敵通商部隊を捕捉しました。これより攻撃を開始します』

提督「了解だ」

ジリリリリ

提督「ん」ガチャ

第一鎮守府提督(以下第一)『貴様、私が何故こうしてわざわざ貴様と話しているかわかっているだろうな』

提督「知らん。俺は今作戦中で忙しいんだ。後にしてくれないか?」

第一『聞くが、その任務の内容は?』

提督「南西諸島付近の敵通商部隊への襲撃だが」

第一『…その任務に関する書類は第一鎮守府内の金庫に入ってあったはずなんだが』

提督「するとなんだ。俺がお前の任務を横取りしたとでも言いたいのか?」

第一『そうだな。それに夜間の見廻りをしていた大和が金庫のある執務室で寝ていた』

提督「そちらの秘書艦様はお疲れのようだ。ちゃんと休みを与えているか?」

第一『……その書類には大将殿の判が押されているはずなのだが』

提督「俺の手にある書類には元帥のハンコが押されてるぞ?」

第一『ちっ…。貴様がいくら元帥殿から目をかけられているといっても限度というものがあるぞ』

提督「そうか。忠告感謝する」

第一『次はないぞ』

提督「そう言えばお前の鎮守府では任務に関する資料が度々紛失しているそうだな。気をつけろよ」

第一『……』ガチャン!

提督「うっせ…」

三日月「第一鎮守府の提督さんですか?」

提督「ああ。全く、毎回毎回ご丁寧に電話してきやがる。ご苦労なことだ」

三日月「仕方ありませんよ。任務に関する資料が消えてるんですから」

提督「ふん。だったらもっと鎮守府内の警備を良くしろってんだ」

三日月「………」

提督「何か言いたそうだな」

三日月「いえ、なんでもありません。それより仕事が溜まってますよ」

提督「は〜めんどくさ…」


【潜入作戦 完】
17 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/06(月) 23:01:31.88 ID:xIvMY9ca0
今日の投下おしまい
続きはまた明日で
次回は所属してる艦娘をババっと紹介
18 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/07(火) 19:33:45.13 ID:Nba4BfHv0
投下するぜいぇあ
19 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/07(火) 19:35:04.14 ID:Nba4BfHv0


【ある日の昼下がり】


〜 第七鎮守府食堂前 昼〜

龍驤「はー食った食った」

蒼龍「そうだねえ…。ね、龍驤ちょっと散歩しようよ」

龍驤「散歩?どこに」

蒼龍「んー鎮守府内でいいよ。取り敢えず体を楽にしたい」

龍驤「食いすぎや」スタスタ

蒼龍「いやー今日のお昼ご飯美味しかったじゃない。担当誰だっけ?」スタスタ

龍驤「…川内やったような」

蒼龍「あーあの子意外と料理上手いよね」

龍驤「ほーやな」

蒼龍「お、中庭で睦月型達の子が遊んでるよ」

龍驤「飯食ったばっかやん、元気やなぁ。何してるん?」

蒼龍「野球してるねー」

龍驤「ほぉー」

蒼龍「あれ?一人いなくない?」

龍驤「三日月やろ」

蒼龍「あー秘書艦だったね」

龍驤「秘書艦筆頭忘れるとか、飯食い過ぎで頭もおかしなってるやん」

蒼龍「ちょっと忘れてただけですー」

龍驤「ほんまか?」

蒼龍「ほんとよ、ほんと。にしても、姉妹っていいねぇ」

龍驤「そうか?色々面倒くさそうやけどな」

蒼龍「あ、私たちさ、結構歳近いし…」

龍驤「嫌やで、うち。こんなデカい妹」

蒼龍「えー?身長はほら、姉さん軽空母だし」

龍驤「もう始まってんのかいな。それにうちが言ってるのは…ええわ、悲しくなる」

蒼龍「?」
20 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/07(火) 19:36:18.78 ID:Nba4BfHv0


鈴谷「おっすー。何してんの?」

熊野「ごきげんよう」

龍驤「ん、散歩や散歩」

鈴谷「さんぼぉ?」

蒼龍「そうそう。昼ご飯食べすぎちゃってね」

熊野「川内さんは料理がお上手ですからね」

鈴谷「そー?鈴谷のカレーの方が美味しいよ?」

熊野「はいはい。では、お二方、ごきげんよう」

蒼龍「うん。この後なにかあるの?」

鈴谷「神風型の子たちと演習ー」

龍驤「キミらと?睦月型やなくて?」

鈴谷「そー。神風は望月に予定があるって断られたって」

龍驤「ほぉん。あそこで遊んでるけどな」

鈴谷「え?…遊んでるじゃん!予定って野球のことー?」

蒼龍「まあまあ、姉妹で集まるのもいいんじゃない?」

鈴谷「はぁ…」

熊野「まあ、引き受けた以上、断る訳にはいきませんわ。いきますわよ、鈴谷」

鈴谷「はいはーい。じゃねー」

熊野「ごきげんよう」

蒼龍「頑張ってねー」

龍驤「ほななー」

蒼龍「…もうちょっと歩いていい?」

龍驤「…食いすぎや」

蒼龍「あはは」
21 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/07(火) 19:37:27.19 ID:Nba4BfHv0


蒼龍「ありゃ、いつの間にか娯楽室だね」

龍驤「ん、もうそんな歩いたんか」

蒼龍「誰かいるのかなーっと」

グラーフ「む、蒼龍に龍驤か。こんにちはだな」

龍驤「おっすー」

蒼龍「うん、こんにちは。グラーフは何してるの?」

グラーフ「先程ここに呼ばれたのだ」

蒼龍「ふーん。誰に?」

グラーフ「サラトガだ」

蒼龍「へ、へぇー…」

蒼龍(え、え、どういうこと?仲良いの?)

龍驤(さてなぁ…?決闘かもしれへんな)

蒼龍「え、えっと…サラトガちゃんと何するの?」

グラーフ「ん?ああ、度々ここに集まっているんだ」

龍驤「集まる?集まってなにしてんねん」

グラーフ「特に決まっている訳ではない。茶を飲んだり話をしたり…こんなところだ」

龍驤「二人きりでか?」

グラーフ「いや、あと3人程いるな」

龍驤「ほぉーん…。何はともあれけったいなメンツやな」

ガングート「ん?遅かったではないか、貴様。待ちくたびれたぞ」

グラーフ「ああ。すまない、この二人に会ってな。少し話を」

蒼龍「え、えー…」

龍驤「……けったいな、メンツやな…」

ガングート「おお、貴様らも一緒に来るか?今日は提督の勧めのゲームをやろうと思っているのだ」

蒼龍「い、いやー遠慮しとこうかな…」

ガングート「む、そうか?アクィラもリシュリューも喜ぶと思ったのだが」

グラーフ「まあ私たちは毎日この時間にここにいる。気が向いたら顔を出すといい」

蒼龍「う、うん。またねー…」



蒼龍「…意外と、仲良さそうだったね」

龍驤「しっかしサラトガとアクィラは平気そうやが、ガングートとか暴れたりせえへんのか…?」

龍驤「ま、うちの司令官がなんかしたんやろ」

蒼龍「大丈夫かなぁ…?」

龍驤「さあな」
22 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/07(火) 19:39:05.96 ID:Nba4BfHv0


蒼龍「ふーこうやって見る海もいいねぇ」

龍驤「海なんか毎日見とるやろ?」

蒼龍「それとは違うのよ。まあ龍驤にはわかんないかー」

龍驤「あ?喧嘩売っとんのかいな」

蒼龍「お、遠征帰りかな」

龍驤「聞けや」

神通「あ…蒼龍さん、龍驤さん、お疲れ様です…」

蒼龍「そっちこそねー。遠征?」

春雨「は、はい…。本土からこの島に物資を運ぶ輸送船の護衛、です」

村雨「それにしてもここから本土遠すぎよね〜。肩凝っちゃった」

夕立「わかるっぽい〜」

龍驤「あぁん?」

蒼龍「はいはい。じゃあゆっくり休んでね〜」ヒラヒラ

神通「はい…お気遣い、ありがとうございます…」
23 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/07(火) 19:40:15.53 ID:Nba4BfHv0
蒼龍「それにしても改二になっても遠征なんて神通ちゃんは大変だねー」

龍驤「しゃーないやろ。うちに巡洋艦は六隻、そしてその内三隻は航空巡洋艦そしてたまに軽空母そして魚雷ガン積み。改二やろうがなんやろうが軽巡洋艦は遠征に引っ張りだこや」

蒼龍「その内一人は夜戦専門、もう一人は地方巡業なんて嫌だっていうアイドルだもんねー。神通ちゃんも大変だ」

龍驤「…それにしても、結構歩いたやろ」

蒼龍「そうだね。体は軽くなったかな。どう?このあと演習とか」

龍驤「いーやーやー。めんどくさい」

提督「お、丁度いいな」

蒼龍「わ、提督。それに三日月ちゃんも」

三日月「はい、こんにちは」

龍驤「…それで?丁度ええってのは?」

提督「いやなに、神風たちが空母護衛の演習をしたいと言ってたんでな。あいつらがここに来てそこそこ経つが、まだ睦月型との実力の差は大きい」

蒼龍「おーいいじゃない、付き合ってあげましょうよ、龍驤」

龍驤「あーっと、ウチ用事思い出したわ」

提督「そんなこと言うなよ龍驤。……頼むぜ」

龍驤「……わーったわーった。やりゃあええんやろ。その代わり今日付き合えよ」

提督「はいはいっと。じゃあ演習場に行ってくれ」

龍驤「あいあいっと。行くで蒼龍」

蒼龍「りょうかーい。またね三日月ちゃん」

三日月「はい。演習頑張って下さいね」

龍驤「はー一仕事するとするかー」

蒼龍「夜ご飯楽しみねー」

龍驤「食ったばかりやろうが…」


【ある日の昼下がり 完】
24 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/07(火) 19:42:01.60 ID:Nba4BfHv0
今日の投下おしまいです〜
感想とかネタくれると嬉しいです〜
ではまた明日
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/07(火) 23:11:51.45 ID:hrE8Sf2bO
乙!
26 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/07(火) 23:32:25.41 ID:Nba4BfHv0
>>25
ありがとう。励みになります


今日は終わりと言ったな、あれは嘘だ
27 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/07(火) 23:33:52.17 ID:Nba4BfHv0
undefined
28 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/07(火) 23:34:38.05 ID:Nba4BfHv0


【艦娘コミュ 木曾】


提督「なんだぁこの書類の山は」ドーーン

提督「なんでうちは出撃自体が少ないのにこんなに書類がたくさんあるんだ?上層部は無能か?」

提督「俺がいくらエリートだからと言って…流石にこの量は無理ぽ」

提督「……………」

提督「逃げよう」シュタ



三日月「司令官、追加の書類が…」

三日月「あれ?司令官?」

三日月「…机に書き置きが…」

「逃げます。書類よろしく」

三日月「………」

三日月「しれいかーーーん!!」




提督「くっ、あんな書類の山やってられるか」

提督「まあこの島無駄に広いし一日ぐらい何とかなるだろ」

提督「さてさて…」

文月「………」

水無月「………」

提督「まずい、睦月型の連中がサングラスを着けている…」

提督「あれは俺の事を追っているサインだ。テレビの影響を受けた睦月が言っていた…」

提督「三日月め…早速手を打って来たな…?」

提督「一人ならどうにかなるが二人組で行動してやがる…」

提督「取り敢えず目立たない所へ…」
29 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/07(火) 23:35:50.55 ID:Nba4BfHv0
提督「ふう…。ここならしばらくは…」コウショウウラ

木曾「…何してんだ?」

提督「ぬっほおおおお!?」

提督「…なんだ、影薄末っ子略して薄子じゃねえかビビらせんな」

木曾「お前なぁ…」

提督「…にしても、ほんとに何してんだお前こんな所で。俺お前に開発頼んだか?」

木曾「いや?ぶらぶらしてただけだ。最近暇でなー」

提督「大量の魚雷積んで遠征にでも行くか?」

木曾「暇の方がマシだ。それで?お前こそ何してんだよ」

提督「お前の刀の師匠から逃げてんだよ」

木曾「……サボりか」




提督「うっせーな。書類の量見てみろ、驚きのあまり魚雷を自爆させて死ぬぞ」

木曾「そんな奇天烈な沈み方はゴメンだが…。まあいい、なら俺がお前の話し相手になってやるよ」ストン

提督「…止めないのか?」

木曾「ああ。お前が日々俺たちのために頑張ってるのは知ってるからな。俺だけでもお前を甘やかしてやる」

提督「薄子…」

木曾「叩っ斬るぞ」

提督「お前は優しいな木曾」

木曾「ふん、俺とお前の仲じゃないか」

提督「ああ…。だったら、あれを止めてくれるな?」

三日月「…見つけましたよ…」

木曾「それだけは無理だ!」ダッ

提督「おいぃぃいいい!薄子ぉぉおおお!!」

三日月「しれいかぁん?」

提督「ウヒョヒョwww」



この後無茶苦茶書類した


【艦娘コミュ 木曾 完】
30 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/07(火) 23:38:46.77 ID:Nba4BfHv0


【艦娘コミュ 神風】


提督「ふぁーあー…」

神風「司令官、お疲れ?」

提督「ん、まだ大丈夫だ。多分」

神風「多分って…。お茶飲む?」

提督「おう、頼むわ」

神風「わかったわ。待ってなさい」

提督「……」カリカリ

神風「……」カチャカチャ

提督「……」ティーンティティン

神風「……」コトコト

提督「……」ディーウンディーウン

神風「サボってんじゃないわよ」ポカ

提督「いで」
31 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/07(火) 23:39:55.44 ID:Nba4BfHv0


神風「はい、お茶」

提督「おう、さんきゅ」

提督「……」ジー

神風「な、なに?」

提督「お前…」

神風「う、うん」

提督「メガネしてたっけ?」

神風「…今更?」

提督「いやさっきから気になってた」

神風「だったら早く言いなさいよ…」

提督「ちょっと外してみて」

神風「…なによ」カチャ

提督「かぁーいい」

神風「な、なんなのよ…」カチャ

提督「メガネもかぁーいい」

神風「も、もう!執務してよね!」スタスタ

提督「はーい」

神風「もう!」ストン

提督「神風ー」

神風「…なによ」

提督「可愛いぞ!」

神風「はぁ…。仕事して」

提督「はーい」

神風「もう……」

神風「………」

神風「……」チラ

提督「可愛いぞ!」

神風「う、うるさい!」


【艦娘コミュ 神風 完】
32 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/07(火) 23:44:45.57 ID:Nba4BfHv0

〜次回予告〜

【vs第一鎮守府】

ジョンストン「貴方、第一鎮守府から演習の誘いよ」


武蔵「…私はな、この演習に反対だったんだ」


第一「吠えづらをかかせてやる」


提督「戦斧だ」



今度こそ終わりです
よければ感想やネタをお願いします
それではおやすみなさい
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/08(水) 00:19:55.07 ID:VKqyDi2aO
乙!
34 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/08(水) 22:47:30.96 ID:kmXuXUoz0
投下していきまーす
35 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/08(水) 22:48:52.70 ID:kmXuXUoz0

【vs第一鎮守府】



提督「………」カリカリ

三日月「………」カリカリ

提督「………」ピタッ

三日月「……?司令官、どうかされましたか?」

提督「…嫌な予感がする」

三日月「はい?」

提督「嫌な予感がするんだ…。当たるぞぉ、俺の嫌な予感は」

三日月「不吉なこと言わないで下さい…」

コンコン

三日月「どうぞ」

ジョンストン「失礼するわ。貴方、第一鎮守府からmailよ」

提督「あまり聞きたくはないが、聞こう」

ジョンストン「演習の誘いね」ピラッ

三日月「演習ですか?月一の定例演習はまだ先だと思うのですが」

提督「…いや、今回はいつもの場所じゃなく、ウチだ。第一の連中がウチに来る」

三日月「それは珍しいですね…」

提督「ああ。あー嫌な予感は当たるもんだ…。あいつの顔を拝まなきゃいけないだなんてな」

ジョンストン「あたしの出番は?」

提督「ん?あ〜…。昼に機動部隊同士の演習、夜に水雷戦隊での夜戦演習か。じゃあジョンストンは夜の方だな」

ジョンストン「え?あたしどっちかと言うと機動部隊の護衛だと思うのだけど…」

提督「まあ、演習だからな。たまには夜の練習もしとけ」

ジョンストン「I see…」
36 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/08(水) 22:49:53.03 ID:kmXuXUoz0

ジョンストン「じゃあね」バタン


提督「おう。さてさて…今回は大将殿はいないんだよな?」

三日月「はい。第一鎮守府の個人的なお誘いですからね」

提督「だったら本気で行こう。あいつらの鼻は定期的に折っておかないとな」

三日月「ちなみに日時は三日後です」

提督「了解だ。今日の昼にでも編成発表といこうか」
37 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/08(水) 22:50:38.00 ID:kmXuXUoz0

〜三日後〜

提督「よく来たな」

第一「心にも無いことを…」

提督「いやいや、わざわざこんな僻地に来たんだ。労ってるんだぜ?尤も、無駄足になるだろうがな」

第一「貴様…今日という今日は許さんからな…。首を洗っておけ!」

提督「おーおー威勢が良いなぁ」

三日月「大和さん、こんにちは。遠路はるばるお疲れ様です」

大和「ええ…。『久しぶりね』」

三日月「そうですね。最後に会ったのは1ヶ月前の定例会議でしょうか」

大和「私の記憶が正しいならね…?」

三日月「………」

武蔵「おい、大和…」

大和「ええ…。では、部屋に案内してもらっても?」

三日月「はい。ご案内しますね」
38 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/08(水) 22:51:43.32 ID:kmXuXUoz0

提督「よー久しぶりだな、一航戦」

加賀「ええ」

赤城「久しぶりですね」

提督「今日の飯は豪勢だぜ〜。今日のためにたくさん魚を釣ったからな」

加賀「ほう…」

赤城「それはそれは…」

提督「まあさっき大和が負けたらお前らの夕飯は無いって言ってたからな、気張れよ」

赤城「そ、そんな」

加賀「あの…第七さん?」

提督「俺は清く正しい軍人だからな、八百長には乗らんぞ」

加賀「どの口が言ってるんですか…」ハア

赤城「いや加賀さんも人の事…」


アカギーカガー


提督「呼ばれてんぜ」

加賀「ええ。それでは私達はこれで」

赤城「今日はお手柔らかに頼みますね」

提督「ふふふ…」

39 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/08(水) 22:52:59.42 ID:kmXuXUoz0

〜演習直前 海上にて〜

武蔵「はあ…」

秋月「ど、どうしました?武蔵さん」

武蔵「…私はな、この演習に反対だったんだ」

秋月「え、えー!?」

武蔵「そんなに驚く事か?」

摩耶「そらそうだろ。どんなに強力な深海棲艦だろうと先陣を切る大戦艦だぜ?」

武蔵「ああ…。確かにこの武蔵は相手が強力であればある程燃えるタチだが…。第七はなぁ」

秋月「…?何かあるんですか?」

摩耶「ああ?秋月は第七との演習初めてだっけか?」

秋月「はい」

武蔵「ああ。提督が教育に悪いと言ってな、第七とはまだやり合ったことはない」

摩耶「はーなるほど。その秋月を編成に入れるってことはよっぽど今日は勝つ気らしいな」

秋月「それで、第七の皆さんは何がその…」

武蔵「教育に悪いか、か?」

秋月「はい」

武蔵「…まあ、戦い方だ。いいか、秋月、決して第七の連中の動きを真似るんじゃないぞ」

秋月「え、えぇ…」

摩耶「ん、でも今日は三日月も出るんだろ?」

武蔵「そうだったか?あいつが演習に出るのは久々だな」

秋月「三日月さん、ですか…」

武蔵「ああ。秋月、お前は防空駆逐艦だろ?」

秋月「はい!防空の点では誰にも負ける気はありません!」

摩耶「だったら演習終わりに三日月の動きを見とけよ。あいつのはな…ガチだ」

秋月「は、はぁ…」

秋月(摩耶さんにここまで言わしめるとは…。警戒しないと!)
40 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/08(水) 22:54:11.79 ID:kmXuXUoz0

加賀「はぁ…」

赤城「はぁ…」

大和「あの、二人とも?」

加賀「貴女の…貴女のせいよ…」

大和「!?」

赤城「ああ…恨めしい…」

大和「な、何がですか!?」

加賀「とぼけないで」

赤城「実質私たちの夜ご飯を奪ったのは貴女では…?」

大和「何の話ですか…」


カクカクシカジカ


大和「…そんなこと、大和は言っていませんが」

赤城「そ、そうなの?」

大和「はい。…そもそも、私が第七の提督と一対一で話す事がありますでしょうか」

加賀「言われてみればそうね」

赤城「ふう、危うく騙されるところでした」

大和(ほとんど騙されていましたが…)

大和「しかし演習が始まる前にこちらのやる気を削ぐってくるとは…」


41 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/08(水) 22:55:13.42 ID:kmXuXUoz0

提督「はーい。演習は前言った通りだが、一応スタメンを発表する」

提督「旗艦 三日月」

三日月「はい」

提督「金剛」

金剛「任せてくだサーイ!」

提督「神通」

神通「は、はい…」

提督「木曾」

木曾「お前に最高の勝利を与えてやる」

提督「蒼龍」

蒼龍「うわー加賀さんと赤城さんが相手かー」

提督「エセ関西弁まな板」

龍驤「いやいきなり!?今のスタメン発表は前フリか!?」

提督「この編成で行くぞー。夜戦は改めて後で発表する」

龍驤「触れろや!」

提督「頑張れよ、龍驤…。お前には期待してるんだ…」

龍驤「司令官…」キュン

卯月「茶番っぴょん」

三日月「はいはい。作戦会議しますよー。スタメンの方はこちらへー」

42 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/08(水) 22:56:30.58 ID:kmXuXUoz0

〜モニタールーム〜

第一「いやいや、今日の演習、ウチの勝利できまりじゃないか」

第一「貴様がどういう艦隊で来るかは知らんが、こっちは大和と武蔵だ」

第一「お前の鎮守府にはまともな戦艦がいないからな」

第一「どう足掻こうがこの二人を止めることは叶わん」

第一「それに空母もだ」

第一「こちらは天下無敵の一航戦」

第一「きさまら…」

川内「zzz…」

第一「………」

川内「zzz…」

第一「あいつ…舐めやがって!」


43 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/08(水) 22:57:14.76 ID:kmXuXUoz0

三日月「では、今回の演習のルールを改めて」

三日月「今回の演習は機動部隊同士の演習となっており、互いの初期位置は明らかにしない状況で始まります」

三日月「何か質問は?」

金剛「無いデース」

木曾「ああ、問題ない」

三日月「わかりました。それでは先程話したように動きましょう」
44 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/08(水) 22:58:29.84 ID:kmXuXUoz0

那珂『それじゃ〜あ、演習初め!だよ!』




大和「それでは、二人とも偵察を」

赤城「ええ」バシュ

加賀「……」バシュ

武蔵「さてさて…」

摩耶「あ、そういや秋月に言い忘れたことがあったな」

秋月「何ですか?」

摩耶「いいか、相手の数は六じゃない」

秋月「え?でも、演習前の話じゃ六隻対六隻だって…」

摩耶「ああ。六隻なのは間違いない」

秋月「…どういうことですか?」

摩耶「お前、なんで同時に行動出来る艦娘の数が12隻までか、知ってるか?」

秋月「それ以上だと羅針盤が狂うから…ですよね」

摩耶「よく知ってんな」

秋月「司令に教わりましたから!」

摩耶「…だがそれは艦娘だけの話だ」

秋月「え?」

武蔵「例え、艦娘の後ろに人間が何人いても羅針盤が狂うことはない、ってことだ」

秋月「それって──」

加賀「加賀隊彩雲が敵艦隊を捕捉!」

45 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/08(水) 22:59:50.73 ID:kmXuXUoz0

大和「編成は!?」

加賀「蒼龍と龍驤を中心とした輪形陣。先頭が三日月、左右が金剛、木曾、殿が神通です」

摩耶「…ん!相手の偵察機だ!」

大和「撃ち落とせますか?」

摩耶「朝飯前だぜ!くらいな!」

武蔵「よし、良くやった」

大和「摩耶さんと秋月さんは引き続き警戒を」

秋月「了解です!」

大和「赤城さんと加賀さんは攻撃隊を!」

赤城「ええ、第一次攻撃隊発艦!」バシュ

加賀「……」バシュ

秋月「あ!10時の方向、偵察機です!落とします!」

摩耶「おしおし、ナイスだ」

加賀「…相手も艦載機を発艦させたようね」

大和「そうですか…。秋月さん、頼りにしてますよ」

秋月「はい、お任せ下さい!」

加賀「…ん?」

大和「どうしました?」

加賀「金剛と木曾が離れていきます」

大和「こちらへ向かっているんですか?」

加賀「そう…いえ、少し前までいた場所でしょうか。恐らく先程落とした偵察機の情報を基に動いているのでは?」

大和「なるほど…。それなら少し様子を見ましょう。相手の攻撃機の第一波を迎えた後に私か武蔵が相手をします」

武蔵「戦艦と重雷装巡洋艦か、いいじゃないか」

赤城「先頭にいる戦闘機から入電、我敵戦闘機ヲ見ユ、だそうです」

加賀「ここでいかに相手の攻撃機を落とせるかが…!?」

秋月「どうしたんですか!?」


46 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/08(水) 23:00:59.12 ID:kmXuXUoz0

赤城「くっ、やられました…」

加賀「相手の艦載機、全て戦闘機です」

大和「なんですって!?」

赤城「いえ、ですが…よし、赤城隊所属の攻撃隊が一部戦闘地帯がら抜けました!」

加賀「こちらも同じく」

秋月「おお!それなら相手は今護衛が二隻、空母を一隻は落とせるんじゃ?」

摩耶「どうだかなぁ…」

秋月「え?」


────────────



蒼龍「あーごめん。ちょっと抜けられちゃった」

龍驤「うちもや。あと少しでこっち来るなこりゃ」

三日月「わかりました。神通さん、頑張りましょう」

神通「ええ」

三日月「その前に…」ドォン

龍驤「うん?もう偵察機落とすんか?」

三日月「はい。それと蒼龍さんと龍驤さんは先程話したルートで攻撃隊を」

蒼龍「りょーかい」

三日月「金剛さん?」

金剛『ハーイヅッキー、聞こえてマスヨー?』

三日月「そろそろ針路を変更して一直線に相手に向かって下さい。龍驤さん」

龍驤「あいよ、座標送るで」

金剛『了解しましター!それにしても偵察機はまだバレてないんデスカー?』

三日月「はい。おそらく相手はもう偵察機はないと油断しているのかもしれません」

神通「!相手攻撃隊、来ます!」

三日月「了解です!ではお二人とも、よろしくお願いします」

金剛『任せるネー!』

木曾『ああ、そっちもな』

47 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/08(水) 23:02:28.26 ID:kmXuXUoz0

三日月「…よし」ドォン

蒼龍「…普通艦載機は主砲使って落とすもんじゃないと思うんだよね」

龍驤「せやな」

三日月「………」パパパ

蒼龍「機銃も基本は弾幕作るために使うんだけどねぇ」

龍驤「せやな」

三日月「…?お二人とも機銃ありますよね?使わないんですか?」

蒼龍「いやぁ私たちいるかなってね」

龍驤「ほんまな。三日月はどうやってそんなスピードで艦載機落としてんねん」

三日月「えーっと、主砲で一機落として、主砲の装填が終わる間に機銃で四機落とします」

三日月「こうすると一分間で30機は落とせます!」

蒼龍「無茶苦茶だよお」

龍驤「空母泣かせやな…」

神通「……」パパパパパ

龍驤「いやまあ神通も普通の軽巡と比べりゃ落としてるんやけどな…」

蒼龍「あはは…頼もしい限り」

48 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/08(水) 23:03:27.23 ID:kmXuXUoz0

加賀「はぁ…全滅したわ」

赤城「こちらも」

秋月「え、えぇ!?」

赤城「まあ抜け出せたのは二人合わせて20機でしたから被害はそこまで、ですけど…」

加賀「しかし、今ので制空権は完全に取られたわ。あちらの艦隊を捕捉していた偵察機も落とされましたし…」

赤城「…帰投途中の戦闘機から入電!金剛と木曾がこちらへ一直線に…!」

大和「なんですって!?だってさっきは」

秋月「あ!六時の方向!偵察機!」

摩耶「ちぃ!真後ろにいやがったのか!」

赤城「金剛さんたちの距離が近いです!おそらくあと五分あれば…」

大和「致し方ありません、私と武蔵で相手します!摩耶、秋月、頼みましたよ!」

摩耶「おう!」

秋月「は、はい!」

大和「行きますよ!武蔵!」

武蔵「おう、腕が鳴るな!」
49 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/08(水) 23:05:24.85 ID:kmXuXUoz0

金剛「hmm…ヅッキーの話だとそろそろ来るはずなんデスがネー」

木曾「…噂をすれば、だな」

金剛「む?oh!来ましたネー!」

武蔵「これ以上近づけさせる訳にはいかないんでね」

大和「……」

木曾「よし、じゃあ金剛、作戦通りだ」

金剛「yes!新しく改装された私の力、見せてあげるネー!」


───────────────────


秋月「大和さんたち…大丈夫でしょうか…」

摩耶「それより秋月、電探見ろ」

秋月「…敵の艦載機!?」

摩耶「ああ、でも相手は中型空母と軽空母だ。そこまでの数は無いな」

加賀「直掩機は出すけれど、先の戦闘のおかげであまり数には期待は出来ないわ」

秋月「いえ!秋月が守ります!」

摩耶「来るぞ!」

秋月「はあああああ!」パパパパパ

摩耶「おらおらぁ!」パパパパパ


50 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/08(水) 23:06:50.45 ID:kmXuXUoz0

秋月「はぁはぁ…」

摩耶「どうだ?」

加賀「大丈夫、かすり傷よ」

赤城「私は小破ですが…発着艦は出来ます」

秋月「良かった…。! 水上電探に反応!」

摩耶「ちっ!タイミング狙いやがったか?」

秋月「いえ、しかし金剛さんと木曾さんは…」

摩耶「反応をよく見てみろ」

秋月「…?小さいのが一つとその後ろにもう一つさらに小さいのが」

摩耶「見えて来たぞぉ…。秋月、お前白兵戦出来るか?」

秋月「え、ええ!?ちゃ、着任直後に少し教わった程度ですが」

摩耶「じゃあ少しは時間が稼げるか…?取り敢えず、赤城と加賀は後ろへ!」

加賀「ええ」

摩耶「気やがったな」

三日月「………」

秋月「……木刀?」

摩耶「あいつは基本日本刀を持ってるぞ」

秋月「え、ええ!?何でですか?」

摩耶「それで沈めるんだよ、ヤツらをな」

秋月「ど、どういう…」

摩耶「今日は演習だから木刀だけどな。ほれ、もう一人来るぞ」

ブーーーーーン

秋月「…?ボート、ですか?」

摩耶「よく見ろ」

秋月「…!せ、先頭に野砲が…!?」

摩耶「そして左右に魚雷だ。…はぁ、魚雷艇みたいなもんだな」

秋月「訳がわかりません…。一体誰が乗ってるんですか…」

提督「ヒャハハハハハハハハハ!楽しでるかぁ!?」

秋月「」


51 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/08(水) 23:09:10.56 ID:kmXuXUoz0

摩耶「わかるわかる。あたしも最初はそんなんだった」

提督「おら!ティガーさえ貫通させる対戦車砲だ!くらいなぁ!」ドォン

摩耶「避けろ!」

秋月「わ、わわ」

提督「ちっ」

秋月「どういうことなんですかぁ…?」

摩耶「取り敢えず、あたしたちの敵はあの二人だ。いくぜ!」ドォン

三日月「……」キィン

秋月「なっ!摩耶さんの主砲を盾で受け流すなんて!」

摩耶「相変わらず頭が…うおっ!?」

提督「おいおい摩耶ちゃーん。こっちも見てくれよォ」ドォン

摩耶「ちっ!秋月、三日月は任せたぞ!」

秋月「え、ぇぇぇ」

三日月「………!」

秋月「わ、わわわわ!?」

秋月(つ、突っ込んできたぁ!?)

三日月「はぁ!」

秋月「え、へぶっ!」

秋月(あ、足払い!?)


52 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/08(水) 23:10:28.62 ID:kmXuXUoz0

秋月「あ、加賀さん!」

加賀「くっ」

三日月「………」スパッ

秋月「袖からナイフを…?」

赤城「きゃっ!?」

秋月「い、一体何を!」

三日月「空母の2人の弦を切っただけです」

秋月「む、無茶苦茶…」

三日月「それよりも、足元、大丈夫ですか?」

秋月「え?」チラ

秋月(魚雷!?)

ドォーン

那珂『秋月ちゃん、轟沈判定だよ!』

秋月「い、いつの間に…」

三日月「空母の二人はしぱらくは発艦出来ないでしょう」

加賀「あなた…前回は甲板をボコボコに殴ったくせに…」

秋月「え、ええ…」

三日月「………摩耶さん」チョイチョイ

摩耶「ああ!?て、」ドォン

那珂『摩耶ちゃん、轟沈判定!駆逐艦の主砲と言っても顔面ゼロ距離じゃねー』

提督「おい、摩耶は俺のだろ」

三日月「早く金剛さんたちの援護に行きますよ」

提督「聞けよ」

ブーーーーーン

秋月「…」

加賀「はぁ…。大丈夫?」

秋月「え、ええ」

摩耶「ちくしょー!またやられたー!」

赤城「相変わらず突飛な戦術を執りますね…」

秋月(…?三日月さんの後ろ…何か背負ってるのかしら)


53 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/08(水) 23:11:40.35 ID:kmXuXUoz0

武蔵「ええい!ちょこまかと!」

木曾「ほら、魚雷だ!」

武蔵「くっ!」ドォン

大和「武蔵、被害は?」

武蔵「小破と言ったところだ。見た所木曾もそうだろう」

大和「ええ、私もです。しかし…」

金剛「Fireー!」

武蔵「ちっ、あいつが無傷なのが気に入らん」

大和「こうなったら二人同時に突っ込む?」

武蔵「ああ、それは痛快でいいな」

大和「なら─くっ!」

木曾「おいおい余所見してんな、よ!」ドォン

大和「そんな主砲でどうにかなるとでも…?」

武蔵「しかし大和よ、先程赤城から連絡があって時間が経つ。そろそろ…」

大和「…ええ。電探に反応があったわ」

武蔵「挟まれたか」

提督「おらぁ!」ドォン

武蔵「うお!?ちっ、なんだアレは」

大和「…なんで海の上で対戦車砲を撃ってるんですかあの人は」

提督「おい大和!」

大和「………」


54 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/08(水) 23:12:51.80 ID:kmXuXUoz0

武蔵「呼ばれてるぞ」

大和「ええ…。何ですか?」

提督「今回の演習中にもし誰かの艤装が損傷した場合、その修理はこっちでやることになってたよな?」

大和「はい。艦娘の場合もそうですが」

提督「おーけー。ならこっちがお前たちの艤装をやっても俺たちが直せばいいだけだよな?」

大和「は?何を」

提督「よし、いくぞ三日月」

三日月「はぁ…。あまり乗り気ではないのですが、すみません」スッ

武蔵「おいおい…。なんだそれは」

提督「戦斧だ」

武蔵「はぁー…。バカなのか?」

提督「ちなみに俺も持ってる」

三日月「……!」

大和「とにかく!近付けさせなければ!」ガチャ

金剛「忘れてもらっちゃ困るネー」ドォン

大和「くっ」

三日月「──はぁ!」ブンッ

メキメキッ

大和「う、嘘!」

武蔵「はぁ!?」

大和「第三主砲、戦闘不能です…」

武蔵「くっ!」ドォン

三日月「……」ヒラリ

武蔵「ええい!すばしっこいヤツだ!」

提督「おらおらぁ!」

ゴォン

武蔵「んなぁ!?第二主砲をやられた…だと!?」

提督「おらおらやれぃ三日月!」

三日月「ええ」

武蔵「おいおい…。正気か?」

提督「当たり前だろ!」

三日月「…行きます」




ドォーンドォーン


55 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/08(水) 23:14:23.90 ID:kmXuXUoz0

那珂『演習しゅりょー!みんな、おつかれー!』




大和「……」

武蔵「いやはや、完敗だな。結局最後は蒼龍たちにやられてしまった」

大和「…はぁ。提督になんと言えば…」




提督「Vやねん!」

三日月「皆さん、お疲れさまでした」

蒼龍「うん。いやーやっぱり三日月がいると安定感が違うなー」

龍驤「ほんまほんま。助かったで」

赤城「お疲れさまです」

加賀「…」コクリ

蒼龍「あ、お疲れさまです」

龍驤「おう、お疲れさん」

加賀「完敗でした」

蒼龍「いやいや、そんなことないですよ!こっちは戦闘機ガン積みしたのに、結構逃げられちゃったし…」

龍驤「いやほんま。流石は一航戦やね」

赤城「そう言ってもらえると嬉しいわ」

加賀「…三日月さんに全部落とされてしまいましたけれど」

蒼龍「あはは…。あの子は例外と言うか…」



第一「おい貴様」

提督「あんだよ」

第一「何故貴様がこの演習に参加したんだ?」

提督「お前馬鹿か。お前が俺に演習を申し込んだんだろ」

第一「ち・が・う!一から説明しないと─」

提督「冗句に決まってるだろ馬鹿め」

第一「…口に気を付けろよ?」

提督「…はぁ。俺は最近でもあいつに乗って深海棲艦と戦ってる。先月は戦艦を三隻沈めたぞ。すげえだろ」

第一「ちっ、もういい!夜戦演習の準備をしとけ!次こそ吠えづらをかかす!」

提督「はいはい…」

56 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/08(水) 23:15:25.88 ID:kmXuXUoz0
書きだめが尽きた
ちょっと待ってね
57 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/09(木) 06:50:03.81 ID:omH0L9Oe0
寝落ちしてしまった
続きは夜に…
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/09(木) 10:13:21.97 ID:gC/JwqNS0
面白いなを見つけた
59 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/09(木) 23:19:07.77 ID:omH0L9Oe0
>>58
ありがとうございます


今日の投下始めます
けど今日は書きだめが少ないんじゃ…
すまんなぁ…
60 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/09(木) 23:20:10.59 ID:omH0L9Oe0

〜第七鎮守府 宴会場 夜〜

那珂「それじゃ〜!みんなー!演習お疲れ様でした!かんぱ〜い!」


カンパーーイ

ワイワイガヤガヤ


提督「いやぁすまんな」

第一「うるさい。お前、しばらく黙ってろ…」

提督「敗北を知りたい」

第一「はぁ…。そもそも何だよあの戦い方は。六隻全員に探照灯持たせやがって…」

提督「ゴクゴク…。うちの艦娘には相手との距離、相手の砲の方角、砲の音、これらの要素でどこに弾が落ちるかわかるように訓練してる」

第一「…馬鹿みたいなことをしてるな」

提督「まあな。まだ神風型の連中はこの技術を完全に掴めたとは言えん」

第一「当たり前だ。そんなもの何年訓練すれば身につくんだ…」

提督「だか、納得は言ったろ?」

第一「ああ。開戦と同時にこちらの艦娘の全てを探照灯で照らし、逐一着弾予測座標を全員と共有、お前達が無傷な訳だ」

提督「やけに素直だな?」

第一「…今俺の周りにはお前しかいない。別にいいだろ」

提督「いやはや優しい奴だ。戦争には向いてないな」

第一「うるせえ…。ゴクゴク」


61 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/09(木) 23:21:13.59 ID:omH0L9Oe0

提督「…そういや今日の夜戦のメンツは夕雲型ばっかりだったな」

第一「島風や雪風に頼りっぱなしのようではいかんからな」

提督「しかしまた増えたのか?夕雲型は」

第一「そうだな。お前が最後に見た時よりは増えてるな」

提督「……長波は?いないようだが」

第一「……」

提督「なんだよ」

第一「………いや、なんか気持ち悪いと思ってな」

提督「そういう意味じゃねえよ。あいつはこういう時一番騒ぐだろ」

第一「…三ヶ月前、第五鎮守府の頭が代わっただろ」

提督「ああ、あの中将か」

第一「第五鎮守府には旧式の艦娘がほとんどだ」

提督「知ってるさ。俺ら程では無いだろうが」

第一「…前任者はその戦力を上手く使っていたんだが、〇〇中将は提督としての経験がない」

提督「まったく、戦時中だというのに定年退職とはいい身分だ」

第一「…だから、いくつかの鎮守府に一、二隻ずつ練度の高い艦娘を少しの間貸して欲しいと要請されたんだ」

提督「いや、断れよ」

第一「………」
62 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/09(木) 23:22:26.23 ID:omH0L9Oe0

提督「はー…派閥ってのは大変だな。で?お前は長波以外にだれか遣ったのか?」

第一「長波だけだ」

提督「ふぅん。…練度の高い艦娘を使って艦娘のノウハウでも知ろうとしたのかね?」

第一「お世辞にも第五鎮守府の艦娘は練度が高いとは言えんからな」

提督「なるほどね。練度が高い艦娘なら経験値の低い〇〇中将がなんかやらかしてもリカバリーはきくと」

第一「そんなところだろうよ。ゴクゴク」

提督「そういや、長波は名指しだったのか?」

第一「ああ」

提督「ほぉーん」

提督(あのジジィ…中々の好事家と聞いているが)

第一「…だが、気になることもある」

提督「…?」

第一「第五鎮守府な…戦果を上げすぎているんだ」

提督「いいことじゃないか」

第一「しかし不自然すぎる…。新米の提督に練度の低い艦娘だぞ…」

提督「…活躍してくれてる分にはいいんじゃないのか」

第一「………」

シレイカンサマー

提督「呼ばれてんぞ」

第一「ああ…ととっ」フラッ

提督「大丈夫かよ…」
63 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/09(木) 23:24:16.70 ID:omH0L9Oe0

──────────────────

──────────────

───────



秋月「三日月さん」

三日月「秋月さん、こんばんは。楽しめてますか?」

秋月「あ、はい。こんなに美味しいご馳走、ありがとうございます」

三日月「あはは。この魚たちは私の姉妹たちが釣ったものなんですよ」

秋月「そうなんですか!後で感謝を伝えなくては…」

三日月「そうしてあげてください。秋月さん、今日の演習で怪我してませんか?」

秋月「大丈夫ですよ?」

三日月「そうですか。…すみません、いきなり足払いとかやっちゃって」

秋月「いや、演習でしたから仕方ないですよ。ちょっとビックリしちゃいましたけど…」

三日月「あはは…。うちの司令官が変な戦い方を教えるものですから」

秋月「え?じゃああの戦い方は三日月さんだけじゃないんですか?」

三日月「はい。時によっては空母の皆さんも白兵戦をしたりします」

秋月「え、えぇー…」

三日月「ふふ、うちの司令官、ちょっと変わってるんですよ」

秋月「……」

三日月「どうかされました?」

秋月「いえ、第七の提督さんが気になってしまって」

三日月「………」

秋月「普通、提督という立場の人がボートに乗って私たち艦娘と一緒に深海棲艦と戦わないと思うんです」

秋月「それに武蔵さんも摩耶さんもあの人の昔のことは知らないって言ってましたし…大和さんは目の敵にしている事を隠そうともしません…」

秋月「…あっ、ごめんなさい。なんだか提督さんの悪口を言っているみたいで」


64 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/09(木) 23:26:04.70 ID:omH0L9Oe0

三日月「いえ、気にしなくていいですよ。…大和さんが司令官のことを嫌っているのは私のせいでもありますし…」

秋月「えっ?」

三日月「まあ、この話はいいです。それで、秋月さんは司令官のことが気になるんですか?」

秋月「うーん…。まあ、軽い好奇心、ですけど」

三日月「でしたら…」

秋月「?」

────────────────

松風「やぁ〜。キミ、呑んでるかい?」

提督「ああ。呑んでる呑んでる」

春風「申し訳ありません、司令官様。松風さん、結構呑んでるみたいで」

提督「いや、そんないつもと変わらんだろ」

松風「そういやキミ、以前昔の事を話してくれると約束しただろう?」

提督「ああ?そんなもんしたか?」

松風「したさ。どうだい?今なら酒も回ってる。丁度いいんじゃないか?酒の肴に」

春風「松風さん、いい加減に─」

秋月「でしたら、私も混ぜてくださいませんか?」

春風「あら秋月さん。御機嫌よう」

秋月「はい!」

提督「なんだお前もか?」

秋月「はい。第七の提督さんに少し興味を持ちまして」

松風「いやいやこんな所にもライバルがいるとは神風の姉貴もうかうかしてられないな」

秋月「?」

提督「は〜。別に面白い話じゃないぞ?」

松風「そういう時は大体面白いのさ。さあ話せ話せ〜」ケラケラ

提督「酔ってんなぁ…」
65 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/09(木) 23:27:19.79 ID:omH0L9Oe0

〜帝都 鉄筋コンクリートビルの一室〜


中佐「…辞令だ」

中尉「はあ、またですか。先日アメリカから帰ってきたばかりなのですがね」ペラ

中佐「………」

中尉「これは…私は飛崎と同じ運命を辿るのですかね?」

中佐「それはお前次第であろう」

中尉「しかし…何故私が提督に?」

中佐「…上は全ての国と同盟を結ぶそうだ」

中尉「ほお…」

中佐「謎の敵が増え、互いに牽制し合っている場合ではないとようやく気がついたらしい」

中佐「最も、現在も連絡を取り合うことのできる国は少ないらしいがな」

中尉「…それで?」

中佐「うちに回る予算が減った。構成員を減らせとの事だ」

中尉「……戦争が始まる危機は減ったから、スパイは用済みだと」

中佐「………」
66 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/09(木) 23:29:20.67 ID:omH0L9Oe0


中尉「馬鹿な。全く上の頭には何も入っていないのか?諜報の意味を理解していない…」

中佐「…決まったことだ」

中尉「まあ…理解はしました。しかし何故海軍へ?中国の最前線ならまだわかるのですが」

中佐「第七鎮守府、知っているか?」

中尉「無論ですとも」

中尉「大規模作戦の最前基地にするため島にあれこれ手を加え、設備が整えられたそれはもう立派な鎮守府だと」

中尉「まあ、完成間近で作戦を終えてしまったらしいですが」

中佐「…陸軍は海軍の重要性に気付いたらしい」

中尉「…」

中佐「それで陸軍から海軍へ出向させ、陸軍所属の貴様を橋渡しにしたいそうだ」

中尉「…」



中佐「……というのは建前だ」

中尉「でしょうな」

67 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/09(木) 23:31:02.65 ID:omH0L9Oe0

中佐「お前が第七鎮守府で提督をする理由は二つある」

中尉「なんでしょうか。…まあ見当はつきますが」

中佐「一つ。第七鎮守府は大規模作戦の終了と同時に平和になり、また辺境にもなった。そんな所で提督をしたい者がいない」

中尉「もう一つは、私がそんな辺境で死んでも問題ない、ということでしょうか」

中佐「………」

中尉「いやはや、陸軍というものは頭がいい…」

中佐「…まあ貴様が海軍に所属していたことがあるというのも、一つだろうな」

中尉「…………」

中佐「しかし、だ」

中尉「は?」

中佐「陸海軍が一丸となって戦わなければいけないと真剣に考えている者は実際にいるらしい」

中尉「ほお」

中佐「だから海軍にも貴様を心から歓迎する者もいるだろう」


68 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/09(木) 23:32:04.44 ID:omH0L9Oe0

中尉「………」

中佐「…納得したか?」

中尉「…はあ。まあ、頑張ってみましょう」

中佐「死ぬなよ?」

中尉「もちろん」

中佐「貴様は女に弱いからな」

中尉「でも、囚われることは無かったでしょ?」

中佐「……達者でな。貴様は今から海軍大佐となる───」
69 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/09(木) 23:33:04.73 ID:omH0L9Oe0

松風「zzz」

秋月「つまり、提督さんは元スパイってことですか…?」

春風「………」

提督「……卯月〜」

卯月「どうしたぴょん?」ヒョコ

提督「卯月スイッチ〜」

秋月「…?」

提督「卯月スイッチ『う』!」

卯月「うっそぴょ〜ん!」

秋月「……は?」

提督「信じるか信じないかは…」

卯月「貴方次第っぴょん!」

秋月「え、えーっと」

春風「はぁ…」

提督「俺は酒持ってくる。なんか欲しいもんあるか?」

秋月「え、あ、い、いえ、お気遣いなく…」

提督「そうか?遠慮すんなよ?」スタスタ

卯月「司令官また都市伝説ごっこしてたぴょん?」スタスタ

提督「そんなもんだ」

70 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/09(木) 23:35:10.48 ID:omH0L9Oe0

秋月「えーと…」

春風「ごめんなさい。司令官様、大分酔ってるみたい」

秋月「今の話って…」

春風「さあ、どうでしょうね。司令官様、調子に乗ると話を盛る癖がありますので…」

秋月「えー…?」

春風「松風さん、部屋に戻りますよ」

松風「ふふ…僕はまだいけるぞぉ…zzz」

71 : ◆sA2CpGLy66 [saga]:2019/05/09(木) 23:35:51.50 ID:omH0L9Oe0
今日はおしまいです
感想くれると嬉しいです
ではまた明日〜
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/10(金) 00:30:50.53 ID:n87JJGMPO
乙!
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