【シャニマス】あさひんご【モバマス】

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1 : ◆ikbHUwR.fw :2019/04/30(火) 23:31:09.60 ID:Wi3IMa0P0
シャニマス×モバマスのSSです。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1556634669
2 : ◆ikbHUwR.fw [saga]:2019/04/30(火) 23:33:19.28 ID:Wi3IMa0P0
――オーディション会場


あさひ「おおー、右も左もアイドルばかりっすね、石を投げたらアイドルに当たるっすよ!」

P「頼むから投げないでくれよ。オーディション会場はいつもこうだろ」

あさひ「いつもより多くないすか?」

P「ああ、最近だいぶ勝ち続けてるし、今までより少し規模が大きいやつに――」


?「あ、あのっ!」


P「ん?」

あさひ「わたしたちっすかね?」

?「はい。えっと……よかったら、おひとつどうぞ」

P「……林檎?」

あさひ「おいしそうっすね! ひと切れいただくっす!」シャクッ

P「いや待て――って、もう食ってるし」

あさひ「これ、超うまいっす!」

?「!!」

あさひ「プロデューサーさんも、食べてみてくださいよ、ほら!」

P「じゃあ俺も……あ、本当だ、めっちゃ甘くてうまい。なんだこれ」シャクシャク

?「…………」パァァァ

P(すごい嬉しそう)
3 : ◆ikbHUwR.fw [saga]:2019/04/30(火) 23:34:29.79 ID:Wi3IMa0P0
?「あ……私、あかりんごこと、辻野あかりです。これは実家の農家で作ってる林檎で……」

P(辻野あかり……)

あさひ「へー、実家。青森出身とかなんすか?」

あかり「山形の朝日町んご!!」

P「町まで言わんでも」

あさひ「あ、奇遇っすね、わたしも『あさひ』なんすよ」

あかり「へ?」

あさひ「わたし、芹沢あさひっす。よろしくっす!」

あかり「あ、はい。よろしく……」

あさひ「これ、今まで食べた林檎の中でいちばんおいしかったっす! なんて品種なんすか?」

あかり「『サンふじ』っていうんご!」フフン

あさひ「富士山?」

あかり「いや、サンふじ……太陽のサン……」

P「あー……あさひ、そろそろ準備を」

あかり「あっ、お時間取らせちゃってすみませんでした! 山形りんごをよろりんご!」

P「自分をよろしくしなくていいのか」
4 : ◆ikbHUwR.fw [saga]:2019/04/30(火) 23:35:41.95 ID:Wi3IMa0P0
あさひ「林檎おいしかったっすねー」

P「お前な、少しは警戒とかしろよ」

あさひ「悪い子には見えなかったっすよ?」

P「まあ、たしかに」

あさひ「そういえば、あの子もオーディションに出るんすかね?」

P「出るよ。それも、346プロだ」

あさひ「346! おお、超大手じゃないっすか! 強敵っすね、楽しみっす!」

P(プレッシャーは感じてないか。さすが、頼もしい)

P(しかし……346の新人か……)チラッ


<アノ、ヨカッタラ、オヒトツ……

<……ショボン


P(……断られてる)
5 : ◆ikbHUwR.fw [saga]:2019/04/30(火) 23:37:08.04 ID:Wi3IMa0P0
   *

――オーディション結果発表


審査員「うふふっ、どの子も可愛かったけど……今回の合格者は――」


P(あさひはいつも通りに持ち味を出せてたが……)


 ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ、

 パパラパー!!

『辻野あかりさんです!』


あかり「んごっ!?」

あさひ「…………」


審査員「合格の子、素敵だったわよ。アタシ気にいっちゃった。どんどん活躍してってね。ああ、他の子たちはもう帰っていいわよ」


あかり「や、やったんご……! 勝ったんご……!」

P(やっぱり、駄目だったか)
6 : ◆ikbHUwR.fw [saga]:2019/04/30(火) 23:38:01.08 ID:Wi3IMa0P0
あさひ「……うーん、なんでなんだろ?」

P「あさひ、あまり気を落とさずに」

あさひ「うーん……」

P(聞こえてないな)

あさひ「……これって、出来レースってやつっすかね?」


『ザワッ』


あかり「!!」

P「――おい、滅多なこと言うな」

あさひ「いや、でも、オーディション全員見てたっすけど、わたしがいちばん上手かったはずっすよ? なんで負けなんすかね?」


『ザワザワ』


P「……来いッ!」グイッ

あさひ「うわっ! 痛いっすよ!」

あかり「…………」
7 : ◆ikbHUwR.fw [saga]:2019/04/30(火) 23:38:55.09 ID:Wi3IMa0P0
   *

――外


あさひ「もー、なんなんすか?」

P「なんなんはお前だよ。なんてこと言い出してんだ、あんなところで」

あさひ「だって、結果おかしかったっすよね?」

P「おかしくないよ、八百長でもなんでもない。今回はただ、負けただけだ」

あさひ「……ただ負けただけ?」

P「そうだ。もし俺が審査員だとしても、同じ結果を出したかもしれない」

あさひ「わたしが、いちばん上手くなかったっすか?」

P「上手かったよ。だけど、審査員は技術だけを見てるわけじゃないってことだ」

あさひ「じゃあ、なにを見るんすか?」

P「色々だよ」

あさひ「わかんないっすよ」

P「……そのうち、わかる」

あさひ「…………わかんないっす」
8 : ◆ikbHUwR.fw [saga]:2019/04/30(火) 23:39:32.01 ID:Wi3IMa0P0
   *

――事務所


冬優子「あーもう! 腹立つわね、あの中学生!」

P「中学生……って、あさひのことか?」

冬優子「そう! なんとかしなさいよあのフヌケ!」

P「フヌケ?」

冬優子「あいつ、レッスンのあいだずーっとボケっとしてて、ミスしまくりで怒られっぱなし! あんなんじゃレッスンにならないわよ、こっちまで迷惑だってんの!」

P「あさひが? まさか……」

冬優子「嘘だと思うならレッスン室行ってみなさいよ、居残りさせられてるから」
9 : ◆ikbHUwR.fw [saga]:2019/04/30(火) 23:42:44.31 ID:Wi3IMa0P0
   *

――レッスン室


あさひ「…………」ボー

P「あさひ?」

あさひ「…………」

P「あさひ、オイ、あさひ」

あさひ「……あー、プロデューサーさん……お疲れさまっす」

P「トレーナーさんは?」

あさひ「あれ……? さっきまでいたはずなんすけど……どこ行ったんすかね?」

P「なにも言わずに出て行ったのか?」

あさひ「なにかは言ってたと思うっすけど……なんだったかな……」

P(怒って――というより、あきれて帰ってしまったかな)

P「あさひ、レッスンあまり集中できてなかったらしいな」

あさひ「そうっすねー、まあ、いいんじゃないっすかねー」

P「よかないだろ」

あさひ「いやー、余裕でこなせるようになっちゃうと、オーディションでがんばってる感が出ないじゃないすか」ケラケラ

P「お前……」
10 : ◆ikbHUwR.fw [saga]:2019/04/30(火) 23:43:26.80 ID:Wi3IMa0P0
あさひ「…………考えてたんすよ」

P「なにを?」

あさひ「なんで負けたのか」

P「その答えが、がんばってる感?」

あさひ「ってわけでもないんすけど……うーん」

P「…………」

あさひ「……林檎、食べたじゃないっすか。サンふじ」

P「食ったな」

あさひ「おいしかったじゃないっすか」

P「うまかったな」

あさひ「……嬉しそうだったじゃないっすか」

P「……そうだな」

あさひ「アレかな、って」

P「アレかもな」

あさひ「だったら、レッスンなんて意味ないっすねー」

P「そんなことはない」

あさひ「じゃあ、ほどほどぐらいがいいっすかね」

P「あさひは、それでいいのか?」

あさひ「なにがっすかー?」

P「楽しいか?」

あさひ「んー……」

P「…………」

あさひ「…………あんまり、っすね」

P「あんまりか」

あさひ「あんまりっす」

P「それなら、レッスンはしばらく出なくていいよ」

あさひ「んー? わたし、クビになるんすかね?」

P「そんなわけあるか。近々新しくオーディションにエントリーしとく」

あさひ「また、負けるっすよ?」

P「いいよ、負けても。負けてこい」
11 : ◆ikbHUwR.fw [saga]:2019/04/30(火) 23:44:13.95 ID:Wi3IMa0P0
   *

――数日後、事務所


はづき「ぷ、プロデューサーさん!?」

P「はづきさん、おはようございます」

はづき「あ、おはようございます――じゃなくて!!」

P「はい」

はづき「なんであさひちゃんが、歌姫楽宴にエントリーしてるんですか!?」

P「ははは」

はづき「『ははは』ではなく」

P「ちょっと刺激を与えてやろうってだけです。受かるとは思ってませんよ」

はづき「というか、そもそもあさひちゃん、エントリー資格ぜんぜん満たしていないはずでは?」

P「それが、今回はエントリーキャンセルが多く出てまして、土下座と泣きで押し込みました」

はづき「なりふり構わないですね……あさひちゃん大丈夫ですかね? 心が折れるんじゃ?」

P「今が折れてるようなもんなんで、もういちど折ったら戻るかもしれない」

はずき「そんな乱暴な。再起不能になったらどうするんですか……」

P「そんなにヤワじゃないと思いますよ、あいつは」
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