【安価】NEX-USの世界でアイドルたちが戦うようです

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185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/18(土) 00:45:26.41 ID:Dm7c8tFb0

整備長「ま、防衛部隊の戦力としてはOMDA自体が心許ねえってのはあったけどよ。OMDXが量産出来ればかなり安心なんだが」

泉「……まあ、フレームストリーム自体、量産目的の機体じゃないものね」

ガコンッ!

みく「あ、作業スペースからみくの機体戻って……何あれ」

泉「あれがOMDX-151CXよ」

みく「いやそうじゃなくて、あの頭」

P「頭? ああ……なんだあれ、頭部は丸ごと取り換えたのか? やけにデカいパーツが2つくっ付いてるけど……」

泉「晶葉、なんて言ってたかしら……確か、フレームストリームを効率よく稼働させる為のパーツとは言ってたけれど……」

みく「げー……なんだかネコチャンみたいな頭……」

P「猫……」

整備長「言われてみりゃあ……ま、いいんじゃねえか?」

P「……そういえば、機体コードは分かってたけどネームはないのか」

泉「特に指定されたものは無かったのよね。まだ完成はしていなかったし……猫みたい、ならキャットウォーカー、とか」

みく「えー……ネコチャンの名前にするの?」

泉「みくが猫って言ったら、なんだかそう見えてきたんだもの。それに、武装だってビームクローと背面に多関節稼働ビーム砲頭もあって、爪も尻尾もあるような感じで」

みく「なんだかなー……んまぁ、いいけど」

……
…………

186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/18(土) 00:49:51.79 ID:Dm7c8tFb0
――数時間後、ニューウェーブ(みくの部屋)

みく「はー……シミュレーター疲れた……」ドサッ!

みく「んぁ、メールメール……んー、I@LPから何も通知来てない……」ピッ、ピッ


『通知リスト:I@LP 0件』

『通知リスト:Pチャン 0件』


みく「はぁーっ! まったく、お仕事の連絡全然来ないし……まあ、いま来ても多分できないけど」

みく「どうしよっかな……時間あるし、NEX-US繋いでおこうかな」


『認証が完了しました。NEX-USに接続します』


……
…………

187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/18(土) 00:53:30.65 ID:Dm7c8tFb0
――NEX-US(秘匿領域)

加蓮「ふーん、暇なんだ」

キャット「暇っていうにゃ! 充電期間にゃ」

加蓮「ま、ニューウェーブに乗っててそんなこと出来ないでしょ?」

キャット「そうだけど……でも、キャットの本職はアイドルなの! Pチャンだって最近は接続したりしなかったりだし……」

加蓮(おんなじこと言ってる……)

キャット「I@LPの募集枠でも探そうかにゃー。でもPチャンがお仕事持ってきてくれたときにバッティングするのもー……Pチャンなら調整してくれるかにゃー」

加蓮「PチャンPチャンって、そんなにPチャンのこと好きなの?」

キャット「んにゃっ!? そ、そそそそそんなわけないにゃ!!」

加蓮「ふーん……」

キャット「Pチャンとキャットはあくまでビジネスライクな関係にゃ! お互いを信頼しているからこそ仕事も出来てこうしてランキングも伸びてアイドル評価も付いてきてまあキャットが頑張ってるのが一番多いんだけ――」

加蓮「アクティブウィンドウ出てるよ」

キャット「にゃっ!?」シュババババッ!!

キャット「あっ、Pチャン接続してるにゃ! ちょっと行ってこよー」ピッ、ピッ!

パシュンッ!

加蓮「いってらっしゃーい」

……
…………

188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/18(土) 01:06:33.67 ID:Dm7c8tFb0
――NEX-US(秘匿領域)

加蓮「まー、そんなことしてたらI@LPの依頼なんてやれないんじゃない?」

雪妖精「はい……せっかく、お仕事もたくさん入るようになってきていたのに……」

加蓮(おんなじこと言ってる……)

雪妖精「キャットも、ツインテも、キノコも、セカンドも、たまに一緒にお仕事をします。一緒だから、楽しい時もあります。一人でも、プロデューサーがいるから、楽しいこともたくさんあって」

雪妖精「だから……ここに来ないままだと、それが、零れ落ちていくみたいで」

加蓮「それじゃあ軍辞めれば? 連邦にいないで共和国にでも来ればいいのに」

雪妖精「それは、できません」

加蓮「連邦のほうがいいの?」

雪妖精「フェアリー……守りたいもの、あります。祖国も、人も……だから、捨てられません」

加蓮「優しいじゃん」

雪妖精「そんなこと、ありません。そうなら、こんなことを、しているなんて……」

加蓮「ロシアや中東は、紛争終わらないもんね。いつまで経っても、大変そう」

雪妖精「……」

加蓮「ん……あ、行って来れば? 何か今、あなたのプロデューサー来てるみたいだよ」

雪妖精「プロデューサー……」

……
…………

189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/18(土) 01:11:54.49 ID:Dm7c8tFb0
――NEX-US(事務所ルーム)

P「疲れた……頭回んないな……通知もまた溜まってるし」カタカタカタッ!

パシュンッ!

P「ん、接続?」

キャット「Pーチャーン!!」バッ!

ボフッ!

キャット「うにゃあああああ……」グリグリ

P「うわっと……なんだキャット、接続してくるなり突ぜ――」


みく『お兄さんに守ってほしいなんて頼んでないし、みくだって死にたくないモン!! 泉チャンが教えてくれたことはよく分かんないけど、こんなところからさっさと離れて、ちゃんとアイドルやりたいから!!』


P「……」

キャット「にゃ〜……ん? どしたの?」

P(キャット……みく、みく……なのか……?)

キャット「Pチャ――」ギュウウウッ


加蓮『PチャンPチャンって、そんなにPチャンのこと好きなの?』


キャット「……」

P「……」


190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/18(土) 01:15:11.50 ID:Dm7c8tFb0
ピピッ!

パシュンッ!

雪妖精「プロデューサー」

P「っ!?」ガタッ!

キャット「!!!?!?!」ガタタタッ!!

雪妖精「おや、キャットも一緒でしたね! 久しぶり、デスね」

キャット「に゛ゃ……げふっ、ふぇ、フェアリーにゃ! ひっさしぶりだにゃ〜!」バッ!

雪妖精「久しぶりです。最後に、モービルレースのお仕事をやったとき以来です」

P「んっ、んんっ……雪妖精も接続したのか。久しぶりだな、事務所に何人かアイドルが集まるのは」

キャット「みんなしばらく休暇届け出してたし、ツインテやキノコチャンとも会ってないにゃ」

雪妖精「オー、それじゃあ、キャットはお休み、しなかったんですか?」

キャット「んー、キャットはちょっと生が忙しかったから……レッスンプログラムだけ消化してたにゃ」

雪妖精「そうだったんですか。でも、I@LPからじゃなくて、プロデューサーからのお仕事、全然きてません」

キャット「あっ、そうそう! Pチャンお仕事ないのお仕事!! 今日はそれを言いに来たんだにゃ!」

P「いやあお前ら、いきなり仕事って……いやあるにはあるぞ? ただちょっとしばらく付き添い出来ないかもしれないんだよな。オペレーションもそれぞれで任せることになるだろうし」

キャット「えー……職務怠慢にゃ」

雪妖精「そうなんですか、残念です……」

P「いや俺のせいじゃないからな? ちょっと生の環境が変わって忙しくなったんだ。もう少ししたら……こっちの仕事も普通に戻れると思う」

キャット「はぁー、まったくPチャンは仕方がないにゃあ……それじゃ、キャットはもうしばらく自主トレしてようかにゃ。いいPチャン、キャットもフェアリーもみんな、お仕事待ってるんだからね!」

雪妖精「プロデューサーが、お仕事を持ってきてくださると助かります」

P「へいへい……こっちの用事も、ある程度片付いてからな。せっかくこの間のランキングで結構順位上げたんだし、宣伝は切らさないようにしていくよ」

……
…………

191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/18(土) 01:22:46.85 ID:Dm7c8tFb0
――オグマ(アーニャの部屋)


『接続を終了しました。端末を外し、体調が優れない場合はメンタルチェックオプションを実施してください』


アーニャ「……」

アーニャ(プロデューサーも、キャットも……変わらずに、みんな、あそこに……)

アーニャ「そう、いつか……いつか、は――」


『各員に通達。間もなくオーレンバーグに到着します。駐屯地への着艦後、整備班は搬入出作業を実施してください』


アーニャ「……!」

アーニャ「そう、だから……」

……
…………

192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/18(土) 01:24:12.78 ID:Dm7c8tFb0
――NEX-US(秘匿領域)

セカンド「……・」ピッ、ピッ……

パシュンッ!

加蓮「よっと」

セカンド「……・」ピッ、ピッ……

加蓮「奈緒、NEX-USの接続者は全員地球に降りたよ。移動予定の場所に着いたみたいだし、動かなくていいの?」

セカンド「ああ、動くさ」

加蓮「それ、Geo-NEXTのマニュアル?」

セカンド「整備班に組み上げてもらってる最中だ。晶葉がバラして持ってきてくれたから、今度はこっちに乗り換えだけど……」

加蓮「どう? 使えるの?」

セカンド「どうだろうか。航空機形態への移行はジーオーよりはシームレスになっているみたいだけど……」

加蓮「どれどれカタログはっと……機体制御周りは改善してるんでしょ?」ピピピピピッ!

加蓮「奈緒が言ってた機体剛性だって、フレームの構造見直しで装甲の配置も変えてるし、強度問題もある程度解消してるんじゃないの?」ピピピピピッ!

セカンド「そうだなぁ、動かせるといえば、動かせるかな」

加蓮「そんなに凄かったの?」

セカンド「そうだなぁ、随分と凄いものだとは思っていたけど、麗奈と同じだよ、やっぱり」

加蓮「そのデータ、私に転送してくれればいいのに」

セカンド「それはダメだ」

加蓮「ほら、それもレイナとおんなじ」

セカンド「そうだな、麗奈は……分かっていたんだろうな。さて、と」ピピッ!

加蓮「行くの?」

セカンド「自分でも機体設定はやっておきたいしな。アップデートを終わらせたらニューウェーブを追うよ」

……
…………

193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/18(土) 01:27:40.19 ID:Dm7c8tFb0
――エヴルー基地(指令室)

司令官「報告書には目を通させてもらった。艦を1隻任されての追跡任務ではあるが、少数の人員ではここまで来るのも一苦労だったろう」

有香「いえ、乗員の練度については問題なかったので、それほどは」

輝子「追加の戦闘も1回くらいだったし……」

有香「奪取した新型2機については本部にも抽出データを転送しています。後に展開されるかと」

司令官「そうか。本部からこちらに通達が来ていてな、艦や機体整備は実施させてもらう。機体については、本部から送られてきたデータを元に増設作業も進めておこう」

有香「私たちも任務は続けて従事していましたが、もう機体増設を行うまでに解析が……」

司令官「いや、フレーム技術のブラックボックス部分はまだ解析されていないようだが、その他の稼働フレームについては機体の増設プランが提示された」

司令官「損傷した機体の修理もある。整備が完了次第、再び任務にあたってくれ」

有香「了解しました。それでは、失礼します」

輝子「し、失礼しま……す……」


194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/18(土) 01:35:53.12 ID:Dm7c8tFb0



司令官「さて、2人は格納庫にでも戻ったか」

司令官「こちらの作戦も、詰めておかねば……」ピッ、ピッ、ピピッ

『プロジェクトF 地球連邦アラスカ基地攻略対応について』

司令官「……なるほど、千川少佐もこの件、か」

ピッ!

司令官「それならば、せめてもの手向けといったところか……」

……
…………

195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/18(土) 01:39:56.68 ID:Dm7c8tFb0
――エヴルー基地(格納庫)

輝子「お、おお……フラガラッハ、結構ゴテゴテしてるな……絵面が、うるさい感じだ」

有香「低軌道上戦闘の状態から、フラガラッハは装甲強度が無いと難しい場面も出てくるでしょうね。ミサイルポットもおまけに増設されましたし」

輝子「ま……次は、死なないようにやれれば、いいけど……中尉の機体も、改修入ったな」

有香「はい。今後開発される予定となるラプターの後継機に搭載予定の装備、装甲も一部交換ですし、機体性能の向上は見込まれるようです」

有香「アラドヴァル……いえ、イーリアスで、今度こそ靴のデータを……!」ギリッ!

ピッ、ピッ、ピピッ!!

有香「ん……」ピクッ

輝子「あ、ご、ゴメン……私だ……あ、そろそろ、時間か……」

有香「どうしましたか?」

輝子「ホラ、今日って……あの日、だから……」

有香「……そうでしたね、今日は……シマトクが墜ちた日でしたね」

輝子「誰が、黙祷とか……そんなこと、してるとか、分からないけど……わ、私は、やっておかないと……幸子ちゃんたちも、私が、どうしているかとか、知りたいだろうし……・」

有香「そうですか。輝子さんも、あの時の小規模戦争でご友人を……」

輝子「もう、随分小さい頃だったけど……中尉、は……?」

有香「そうですね、私も同じです。友人を失いました。だから、だからこそ……私たちは、今よりも多くの力が必要なんです」

有香「次のプロジェクトFも、作戦部隊が成功してくれることを、祈るばかりです。私たちは、私たちの任務を果たしましょう」

輝子「……」

有香「輝子さん?」

輝子「いや……うん、そうだな……上手くいったら……でも、上手くいったら……」

……
…………

196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/18(土) 01:42:13.00 ID:Dm7c8tFb0
――ニューウェーブ(ブリッジ)

泉「日本に向かうルートが確定したわ。今私たちがいるトルコから一旦北上して、共和国に加盟しているカザフスタンを経由、連邦のロシア領との国境付近を通過するわ」

P「大丈夫か? 海側に出られないとはいえ、ロシア領で起きてる内紛で国境付近のオーレンバーグも被害を受けているんだぞ」

整備長「向こうの索敵範囲なら、カザフスタン周辺も張ってるだろうけどよ、見つかったらヤバいんじゃねえのか?」

泉「最低限ステルスは張るけど……何事も無いことに期待するしかないわね」

みく「それなら絶対他のルートにしたほうがいいと思うんだけど……」

泉「国内の目立つ場所は移動できないわ。I@LPで拡散でもされたら困るし」

みく「はぁー……」

P「紛争発生地域付近を通過するときは事前に確認してからのほうがいいかもな。戦闘中なら引き返したほうがいい」

泉「とはいえ、観測機なんて積んでないわ。補給物資でも貰ってないし」

整備長「今から申請しても通らないぜ? 内部にだって航行ルート、嘘教えてんだから」

みく「んー……あっ、そうだ!」

泉「え?」

……
…………

197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/18(土) 01:42:58.57 ID:Dm7c8tFb0
――数日後、カザフスタン、ニューウェーブ(Pの部屋)

P「みんなに提示できる仕事はこんなもんか」パタンッ!


キャット『はぁー、まったくPチャンは仕方がないにゃあ……それじゃ、キャットはもうしばらく自主トレしてようかにゃ。いいPチャン、キャットもフェアリーもみんな、お仕事待ってるんだからね!』

雪妖精『プロデューサーが、お仕事を持ってきてくださると助かります』


P「まあ、ああ言われるとな」

P(出来れば、みんなの仕事にはそれぞれついてやりたい……けど、この状態なら、どうにもならんか)

P「……確かに、みくを守る為に、俺自身も帰る為に、こうしているけど」

P「ならなくて、正解だったんだな、やっぱり。こういう仕事を選ばないで、I@LPに入って……こんな時代だから、アイドルが必要なんだから」

……
…………

198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/18(土) 01:51:16.58 ID:Dm7c8tFb0
――ニューウェーブ(通路)

P「……」

みく「あっ、お兄さん!」タタタッ!


P「……ん、どうしたみく?」

みく「いま整備長に話してモービルの整備しておこうかなって思ってたんだけど、お兄さんも一緒にやる?」

P「……」

みく「お兄さん?」

P(……宇宙では、ああは言ったけれど……このままで、いいわけは無いんだろうが)

P「いや、今日は朝飯食べそびれてて、ちょっと食堂行こうかと思っていたんだ。後で行くよ」

みく「……ふーん、それじゃ待ってるから」

タタタタタッ!


P「……」


……
…………

199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/18(土) 01:52:24.11 ID:Dm7c8tFb0
――カザフスタン(国境付近)

泉「ここのルートなら通れるだろうけど、まさかここまで規制されていたとはね」カタカタカタッ!

整備長「嬢ちゃん、NEX-USでネタ調べてどうだった?」

みく「えっと、やっぱり国境付近は色んな所で通行規制掛けられちゃったみたい。内紛の影響だけど、元々そんな時期にロシア行きたい人なんていないからみんな気にしていないみたいだけど」

P「ステルス状態にしてこのまま移動か。待機できるポイントに着いたら、こっちから移動していいか?」

泉「ええ、お願い。バティラ周辺の地帯からだと抜けられるみたいだから、後は2人に任せることになるけど……みく、本当にモービルで大丈夫なの?」

整備長「っとに、つい最近国境付近で戦闘あったから余計厳しくなってるって、勘弁してほしいぜ……」

みく「まっかせて! みくの得意分野だから!」

P「遊びに行くわけじゃないからな。近場のオーレンバーグで連邦がどういった部隊の展開をしているか確認するだけだ」

P「モービルを出して、現地を一回りして現地データの保存したらすぐ帰るんだからな」

みく「もーっ! 分かってるから!」

泉「大丈夫かしら……まあ、それじゃあ整備長、悪いけどモービルの準備、お願いね」

整備長「へいっ、んじゃ2人とも、しっかりやれよ!」

みく「はーい」

泉「ニューウェーブは予定ポイントで着艦して待機しているわ。何かあったらすぐ連絡を頂戴」

……
…………

200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/18(土) 01:55:48.88 ID:Dm7c8tFb0
ちょっと開始が遅かったので予定していた分まで回していないのですが、めちゃくちゃ眠いので本日はこれで終了します。
今回は場面の都合上安価は後半に配置されています。
次回は19日か24日に実施します。
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/24(金) 13:31:10.71 ID:WNg5z6tL0
24日の18時頃から再開します
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/24(金) 18:05:56.93 ID:WNg5z6tL0
――数時間後、ロシア、オーレンバーグ(市街)

みく「わー……」

P「あまり騒ぐなよ。町の様子を見る限りだと、みんな普通に生活しているって感じだけど……」

みく「市街地戦闘にはなってないみたい……? でも、みんな何だか不安そう」


「……」

「……」


P「そりゃあ、軍の哨戒も回ってきているし、戦闘も近場で起きてるなら不安もあるだろうさ……さて、モービルも置いたし、少し歩こうか」

みく「うん」

……
…………

203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/24(金) 18:12:57.53 ID:WNg5z6tL0
――ロシア、オーレンバーグ(市街)

みく「あっ、見てみてお兄さん! あっちのお店!」

P「なんだ?」

みく「ほら! あの細工! アレなんだろ?」

P「ああ……あの生地、民芸品……だったかな。地域のデータ調べたときに見かけたような気がする」

みく「わー、いいなぁ」タタタタタッ!

P「おいおい……」


「いらっしゃい」

みく「お邪魔しまーす♪」

P「ちょっと……あまり変な風に騒いで、外から来たと思われないようにしないと」

みく「まままそう言わずに……ちょっとだけだから」

P「まったく……」

みく「うーん、これ良い色してる」ゴソゴソ


P(……だけど、そうだよな)


みく「あっ、でもこっちの色のほうが……」


P(みくも、まだ学生で……それでいきなりこんなところまで来て、しかも戦闘機に乗って、なんて……)


みく「うーん……どっちが合うかなぁ」

P「……今はみくが着ているの、ピンク色だしそっちに色合わせるなら……こっちがいいんじゃないか?」

みく「え? んー……おおっ、なんかしっくりくるかも! お兄さん詳しい!」

P「え、あ、ああ……こういうのも覚えたことがあるんだ」

みく「えっへへー、ちょっと買っちゃおうかなぁ」

……
…………

204 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/24(金) 18:16:43.04 ID:WNg5z6tL0
――オーレンバーグ(市街)

P「しばらく歩いて、街の状況はデータに残しておいたけど……」

みく「NEX-USでみくが拾ってきたネタと大体合ってるかなぁ……巡回している連邦の兵士はいるけど、街の様子も市街地戦闘は起きてないみたいだし」

P「また変に近場で戦闘が起きる前に抜けてしまうか……・一旦ニューウェーブに戻ろうか」

みく「泉チャンにそのまま連絡しちゃえばいいんじゃない?」

P「この状況だし、通信拾われたら嫌だろう? 戻って直接話しておかないと」

みく「んー……面倒にゃ」


ガションッ!

みく「ん?」


P「アレは……連邦のグラース部隊か。数機降りてきたけど、防衛部隊か?」

みく「どうしよう、お兄さん」

P「機体が降りてきたってことは、何かあったのかもしれないが、どうしたもんか……」


※安価選択
1.もう少し町に残る
2.ニューウェーブに戻る
↓1
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/24(金) 18:31:11.17 ID:jBBbNMCKO
2
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/24(金) 18:39:27.19 ID:WNg5z6tL0
>>205
2.ニューウェーブに戻る


P「警戒されているところに長居するのもよくないか、目を付けられたら困るし」

みく「うえー……早く泉チャンのとこ戻って抜けちゃお」


「……貴方たち、は」


みく「えっ?」



アーニャ「……」

P「お前……!」

みく「あ……あああああああああ〜っ!!」

アーニャ「貴方たちは……っ!」タタタタッ!

みく「やっ、こっ、来ないで!」

アーニャ「良かった! ちゃんと……降下できたんですね……」

みく「は?」

アーニャ「あれから、こちらはテロ部隊の拘束をしてからの降下でした……戦闘の影響で、2人が無事かどうか、確認までは出来なかったので……」

P(……どうする、俺たちがいるのがコイツに知られて、しかもコイツがいるってことはファクトリーを襲った部隊もいるってことか?)

P(とはいえ、この状況だと下手に逃げられん……どうする、どうする……)

みく「そっちがファクトリーに来なかったらみくたちはそもそもこんなとこに来なかったんだからね!」

アーニャ「貴方……」

スッ……

P「な、なんだ……」
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/24(金) 18:41:22.43 ID:WNg5z6tL0
アーニャ「腕……以前、貴方の腕を撃ってしまいました。あの時は……ですが、治っているみたいで……よかった」スッ

P「……」

アーニャ「……」

みく「ちょ、ちょっとちょっと! なーに他人事みたいに言って、まず謝るのが先でしょ!」

アーニャ「そ、そうでした、ね……あのときは、ゴメンなさい」

P「ん……あ、ああ……」

みく「お兄さんも! なーにボケっとして!!」

P「いや、別にボケっとしていたわけじゃ……」

アーニャ「……!」


キャット『にゃふふっ♪ さっすがキャットたちにゃ! 猫パンチ猫パンチ♪』

P『叩くな』

キャット『うにゃぁ〜♪』

P『抱き着くな。話終わらなくて解散出来ないぞ〜』


アーニャ(そう……キャットも、プロデューサーも、こうしていて……)

アーニャ「……」スッ

ピピッ!

アーニャ「こちらアナスタシア」

艦長『どうしたアーニャ。巡回中だったはずだが、何かあったか?』

P「!?」

みく「!?」
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/24(金) 18:44:13.47 ID:WNg5z6tL0
P(通信されたか……に、逃げられる……か……?)

アーニャ「一通りの確認、終わりました。別件があります、アー……少し早いですけど、戻ります」

艦長『む、何かこの後に対応することでもあったのか?』

アーニャ「……こちらのグラース部隊は、市街北部に展開しています。駐屯地に待機している元々の部隊は、一部はサマラからの増援を受け入れる為の準備をしています」

アーニャ「また、2小隊分は北西で目撃されたテロ部隊の追跡に向かっています。間違い、ないですね?」

艦長『……ああ』

アーニャ「ありがとう、ございます」ピッ!

みく「にゃ?」

P「お前……」

アーニャ「……・これでは、いけないのですね」スッ……

アーニャ「行くなら、早く行ってください。今のうち、です。アーニャが、戻っているうちに」

P「……」

アーニャ「今回……今回、だけは……!」

みく「あやしい……ていうか、さっきからお兄さんの体触りすぎだし……」

P「……行こう、みく」

みく「でも……」
209 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/24(金) 18:49:40.98 ID:WNg5z6tL0
P「礼は……言わないほうがいいんだろうな」

アーニャ「はい。次は……逃がしません。だから――」

ビーッ!! ビーッ!! ビーッ!!

みく「何っ!?」ビクッ!

P「なんだ!?」

アーニャ「警報……! 駐屯地から配置されていたグラース部隊が……!」

ドシュウウウウウンッ!!

P「グラースが上昇して……上!?」

ギュオオオオオオオッ!!!!

みく「あれ! サーフス!!」

P「あの機体色、宙域で見た……!」

アーニャ「テロリスト……! サマラからの増援が来る前に……!」

サーフス『……』ドシュゥンッ! ドシュゥンッ!

P「お前たち伏せろ!」バッ!!

アーニャ「っ!?」

みく「わっ!?」

ドガアアアアアアアンッ!!!!


「わあああああああっ!?」

「な、なんだ、テロリストか!?」
210 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/24(金) 18:50:25.23 ID:WNg5z6tL0

P「ぐっ……ち、近くにライフルが着弾したのか……危ねぇ……」

みく「お、お兄さん大丈夫……?」

アーニャ「あなた……」

P「怪我がないならいい。逃げるぞ!」

みく「う、うん……!」

アーニャ「……アーニャの、機体!」バッ!


サーフス『……』ドシュゥンッ!

ドガアアアアアアアンッ!!!!

アーニャ「くぅっ……! し、しまった……道が……!」

P「お前も来い!」

アーニャ「えっ……」

P「いいから来い!!」タタタタタッ!!

……
…………

211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/24(金) 18:51:31.23 ID:WNg5z6tL0
――オーレンバーグ(戦闘区域)

ドガァンッ!! ドガアアアアンッ!!!!

みく「わっ、わわっ!!」タタタタタタッ!!

P「グラース部隊、こっちが逃げるまでは空でドンバチやっててくれよ……!!」

アーニャ「ドコに!!」

みく「ここ! お兄さん!」タタタタタッ!!

アーニャ「モービル……!」

P「俺のメット被れ! みくと2人で後ろに乗れ、早く!」

アーニャ「……!」バッ!

みく「お兄さん早く早く!!」

P「わかってる! 飛ばすから落ちるなよ!」ピッ、ピッ!

みく「みくは今のうちに泉チャンに……!」

P「お前、あの機体、クラウソラスはどこに置いてきたんだ!」

アーニャ「駐屯地デス!」

P「そっちまで行くのかよ……!」

……
…………

212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/24(金) 18:52:42.99 ID:WNg5z6tL0
――ニューウェーブ(ブリッジ)

ピピピッ!

泉「あらみく? 通信送ってきたってことはもう戻ってきたの?」

みく『んなこと言ってる場合じゃなくなったの! 町にテロリスト出てきちゃった!!』

泉「ええっ!? ちょ、ちょっと待って!」カタカタカタッ!!

ピッ!

加蓮『……何』

泉「オーレンバーグの情報、何か届いていないの?」

加蓮『ううん、まだ何にも』

みく『どうでもいいけどキャットウォーカー頂戴! 何かで飛ばしてきて!!』

泉「そこに彼はいるの?」

P『話は聞こえている! 俺たちも急いで町の外に出るが、見たところテロ部隊の奇襲に遇って町の防衛部隊が浮足立っているみたいだ。少し危ない状況だ』

泉「わかったわ。座標ポイントはすぐ転送するから気を付けて」

加蓮『……ふーん』

ピッ!

……
…………

213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/24(金) 18:53:13.00 ID:WNg5z6tL0
――オーレンバーグ(駐屯地前)

バッ!

アーニャ「2人は避難を! 早く町から逃げて!!」タタタタタッ!!

P「……お前も、気を付けろよ」

アーニャ「……はい」タタタタタッ!!

みく「……」

P「よし、俺たちも逃げるぞ」

みく「……ねえ、お兄さん」

P「どうした?」

みく「……ううん、何でもない」

……
…………

214 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/24(金) 18:53:55.59 ID:WNg5z6tL0
――オーレンバーグ、戦闘区域

アーニャ「クラウソラス、機体状況確認、セーフティ解除」カタカタカタッ!!

アーニャ「起動確認、艦長!」ピピッ!

艦長『状況は把握している。こちらのグラース部隊を戻して先行対応させるが、一部のサーフスと防衛部隊が市街地戦闘に切り替えている。アナスタシアはそちらの援護に向かえ』

アーニャ「了解です!」ピッ!

ドシュゥンッ!!

アーニャ「っ! こちらにも……!」

サーフス『……』ドシュゥンッ!

ドガアアアアアアンッ!!

「ぎゃあああっ!!」

「ああっ!!」

アーニャ「人が……! この!!」ガションッ!!

ギュオオオオオッ!!

アーニャ「地上にいるサーフスは……4機! 市民の避難が優先……こちらが地上でライフルを使うわけには……!!」

……
…………

215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/24(金) 18:55:26.96 ID:WNg5z6tL0
――オーレンバーグ(郊外)

P「ニューウェーブまで逃げるにしても距離があるか……」

みく「泉チャン! キャットウォーカーまだなの! ポイントどこ!」

ピピピッ!

泉「そろそろ来るわよ」

みく「は?」

ギュオオオオオオオッ!!!!

P「うおっ!? キャットウォーカー……オートパイロットで来たのか」

みく「助かったぁ〜! お兄さん早く乗ろ!!」

パシュンッ!

……
…………

216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/24(金) 18:56:47.04 ID:WNg5z6tL0
――キャットウォーカー(機体内)

みく「お兄さん乗った? ハッチ閉めるよ!」カタカタッ!

P「ああ、大丈夫だ」

みく「えーっと、オートパイロットの解除は……」


『Network.』
『Enhance.』
『X.』
『Unite.』
『System.』

『Connect』


みく「はい? なんでNEX-US起動してるの?」

加蓮『無事?』

みく「ってなんでいきなり出てきてるの!!」

P「NEX-USのAIか。もしかしてお前が飛ばしてきたのか?」

加蓮『暇だったしいいかなーって。それじゃ逃げよっか。これニューウェーブの座標』ピピッ!

みく「……」

加蓮『どうしたの?』

P「みくちゃん?」

みく「……お兄さん、あのね、みく……あのパイロット・……あの子のこと」

P「……連邦の兵士のことか。確か、自分のことをアーニャって言ってたな」

みく「確かにお兄さんのことも撃ってるし、そもそもあいつら来なかったらみくたちも地球まで来ることなかったけど……けど……」

加蓮『どうしたの? 早く戻ろ。操縦返すよ』

P「いいのか?」

みく「お兄さん……みく、どうすればいいんだろ」


※安価選択
1.ニューウェーブに戻る
2.町に引き返す
↓1
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/24(金) 19:00:13.30 ID:8rSpbLSb0
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/24(金) 19:05:58.16 ID:WNg5z6tL0
>>217
2.町に引き返す

※シナリオ分岐が成立しました。


P「……礼は言わんってさっき言ったけど、借りを作ったままにはしたくはないわな」

みく「……うん!」ガションッ!

ギュオオオオオオオッ!!!!

加蓮『え、どこ行くの?』

みく「オーレンバーグ!」

加蓮『戻るんだ』

みく「だって何かイヤなんだもん! だって、だって……!」

加蓮『……』

加蓮『――』

みく「……!」ドクンッ!!

みく「……あっち!」ガションッ!

ギュオオオオオオッ!!

みく(分かる……あの子が、街のどこにいるのか……!!)

……
…………

219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/24(金) 19:06:53.78 ID:WNg5z6tL0
――オーレンバーグ(戦闘区域)

サーフス『……!』ボシュシュシュシュッ!!

アーニャ「ミサイルの弾幕……!」ギュンッ!!

アーニャ「上空の部隊が押されている……サーフスの数のほうが多い、増援はまだ……!」

ピッ!


『Network.』
『Enhance.』
『X.』
『Unite.』
『System.』

『Connect』


アーニャ「NEX-SU……」ドクンッ!!

アーニャ「……来る、ここに」

サーフス『……』ギュンッ!!

アーニャ「しまっ……後ろ――」

ギュンッ!!

みく『にゃああああああ猫パンチもといビームネコチャンクロー!!』ブォンッ!!

バゴォンッ!!

サーフス『……』ドガアアアアアアンッ!!!!
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/24(金) 19:09:15.00 ID:WNg5z6tL0
アーニャ「この機体は――」ガコンッ!!

ピピピッ!

アーニャ「接触通信……」

みく『はぁ、はぁ……えっ、えんっ・……げほっ! 援護するから!』

アーニャ「そんなこと――」

みく『うるさい!! みくがやりたいから戻ってきたの! こっちの自由なんだから!!』

P『まあ、借りは作りたくないっていうのと……それに……この状況を見て、自分たちだけ逃げろって言われても、な』

アーニャ「……」カタカタカタッ!

ピピッ!

みく『ん、通信回線に切り替え?』

アーニャ「……地上にいるサーフスは4機、上空は6機です。上空は奇襲を受けた防衛部隊の体制が上手く立て直せなかったようですが、もうすぐ増援が来ます」

アーニャ「こちらは地上部隊を殲滅して市民を守ります。他のグラース部隊とは別の識別コードで隊列を組みましょう」

みく『よーし!!』

……
…………

221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/24(金) 19:11:00.49 ID:WNg5z6tL0
――オーレンバーグ北西、サンドロフ(上空)

『さーて、先に行った部隊の奇襲が成功したみたいだ』

『俺たちもさっさとオーレンバーグに向かって、駐屯地を抑えておかねえとな』

ピピピピピッ! ピピピピピッ!

『ん、なんだ? レーダーにはんの――』

ドガアアアアアアアアンッ!!

『お、おい!!』

『1機やられた! どこのどいつだ!?』

ピピピピピッ! ピピピピピッ! ピピピピピッ! ピピピピピッ!

『な、なんだ、凄い速さでこっちに――』

シュパアアアアアンッ!!

ドガアアアアンッ!!

ドガアアアアンッ!!

奈緒「……」

ピピピッ!

加蓮『終わった?』
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/24(金) 19:13:06.88 ID:WNg5z6tL0

奈緒「ああ、ネオジオの稼働も良好だ。テロ部隊の増援はこれだけか? まだどこかしらからオーレンバーグに向かってきそうだけど……」

奈緒「とはいえ、これくらい墜とせばサマラからの増援も間に合うだろ、多分」カタカタカタッ

奈緒「オーレンバーグを経由して中東へってところか……テロリストのやることなんて知ったことじゃないけど、多分共和国の人間もいるんだろうな」

加蓮『中東の採掘資源の確保と横流し、宇宙開拓始まる前からちらほら起きてるけどね。だけどこの状況だと残念かな、連邦側も今は余裕ないとはいえ対応はより厳しくなってるし』

奈緒「ああ、連合が動いているなら、連邦側もカウンターを用意しているはずだ。大人しく連合が引いてくれればいいんだけど……」

加蓮『そこはほら、人間なんだし分かんないでしょ。死ぬまでやるんじゃない?』

奈緒「……そんなバカばかりがいる世界であってほしくないんだけどな、この世界」

奈緒「アインフェリアも、ブリヤントノワールも、ニュージェネも、LiPPSもいない。出来る限り、あたしがやらないと……」

加蓮『……あ、あの子無事みたいだね。キャットウォーカーのパイロット』

奈緒「そうか、よかった。後は連邦に捕まる前に逃げてくれればいいけど……一応向かっておいたほうがいいだろうか」

……
…………

223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/24(金) 19:14:19.96 ID:WNg5z6tL0
――オーレンバーグ(戦闘区域)

みく「これで!」ギュオオオオオッ!!

アーニャ『最後です!』ブォンッ!!

シュパアアアアンッ!!

サーフス『……』ドガアアアアアンッ!!!!

ピピッ!

P「残りのサーフスも地上のグラース部隊が対処したか……上空の部隊も抑えることが出来たみたいだ」

みく「ふぁ〜……終わった終わった」

みく「……」

アーニャ『後は街の被害状況の確認と……』

みく「ちょっと!」

アーニャ『……はい?』

みく「……」

アーニャ『……』

みく「……絶対、みくたちは逃げ切るから。じゃ」

ピッ!

P「いいのか?」

みく「うん。町の人たちは、連邦が何とかするだろうし」

P「そうだな。連邦には俺たちがここを通過しようとしているのはバレたんだし、ニューウェーブもすぐに動いてもらうか」

みく(……どうして、こんなに気になるんだろう)

……
…………

224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/24(金) 19:15:27.43 ID:WNg5z6tL0
――カザフスタン(国境付近)

「キャットウォーカー、収容完了しました」

泉「それじゃあニューウェーブ発進。予定航路、急いで通過するわよ」

ピピピッ!

みく『疲れたぁ……』

泉「お疲れ様。まさか戦いに戻るなんて思わなかったけれど」

P『これ、俺たちのせいで共和国が戦闘に介入したって問題にならないだろうか』

泉「多分大丈夫よ。どの国から見ても所属不明機扱いになっているもの」

P『それならいいけど……』

みく『それじゃあみくたちもブリッジ戻るね』

P『っと、そうだみく』

みく『ん?』

P『すまなかった、今回は1人で戦わせて……』

みく『だーいじょうぶ大丈夫! みくだって結構やるんだから、お兄さんに頼ってばっかりじゃないんだもんね!』

P『……そっか』

泉「ほらほら、艦も動くんだから、機体も整備させないといけないし早く戻ってきて」

……
…………

225 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/24(金) 19:16:02.39 ID:WNg5z6tL0
――数日後、日本海付近上空、ニューウェーブ(ブリッジ)

ビビビビビッ! ビビビビビッ!

「単装砲1番から3番まで使用不能、外付けミサイルコンテナ破損しました。シールド出力低下」

「連邦艦、連合艦共に主砲の射程圏内に入りました! 共和国領海まで逃げきれません!」

泉「ようやく三国領海に差し掛かったところでもう少しだっていうのに、この……格納庫!」

ピピピッ!

P『準備は出来ている。出るぞ!』

みく『もー……結局こうなるの……』

泉「連邦、連合艦共に後方よ。共和国の領海に入るまで持ちこたえて! 整備班は火災場所の消化活動も!」

整備長『Pのラプターはストーム装備だ! 無理な動きをして捕捉されんなよ!』

P『あの3機も出てくるはずだ……ラプターストーム、出るぞ!』

みく『OMDX-151CXキャットウォーカー、行くよ!』


……
…………

226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/24(金) 19:16:59.45 ID:WNg5z6tL0
――日本海付近上空(戦闘宙域)

ピピピッ!

艦長『アナスタシア、三国領海に差し掛かるこのタイミングが直接戦闘の最後だ。恐らくは連邦側も同じことを考えているだろう、頼むぞ』

アーニャ『はい、グラース小隊はラプターと耳付きの足止め、輸送艦の捕縛に分かれて行動します』

アーニャ(あの2人は……)


有香『ここで抑えないと共和国領海に入ります。ここまで来て領海に迎えが来ないということは、あちらの艦も訳ありのはずです』

輝子『い、移動ルート考えたら、普通に共和国の領土進んでたはずだもんな……それにしてもラプター2機だったはずなのに、1機変わってるな……』


みく『機体データ照合……クラウソラス、アラドヴァル、フラガラッハ……あれ、何か1機だけめっちゃ見た目変わってるような』

P「連邦はグラースが3機とクラウソラス……あの子か。連合は1機改修したのか……? みく、ニューウェーブからあまり離れるなよ」

みく『うん! 18連装マイクロミサイルランチャー発射!』

ボシュシュシュシュシュッ!!

アーニャ『っ!!』ギュンッ!!

輝子『あのミサイルランチャー……この機体と同じか……!』ギュンッ!!

有香『プレーンだったラプターから相当に兵装が追加されているようで……だけど!!』ギュオオオオオオッ!!

みく『このっ!!』ブォンッ!!

バチィンッ!!

有香『シールドからビームブレイド!? いやクローか……! しかしこの機体なら!』ジャキンッ!!

みく『足!?』

P「離れろみく!!」ドシュゥンッ!! ドシュゥンッ!!

ブォンッ!!

シュパアアアアアンッ!!

みく『わわわっ!?』ドガアアアアアンッ!!
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/24(金) 19:17:51.25 ID:WNg5z6tL0
有香『もう1機が……!』ギュンッ!!

輝子『マッシュルームボムゥゥゥゥゥゥ!!!!』ボボボボボボッ!!

ドガガガガガガァンッ!!

P「大丈夫か!」

みく『う、うう……足からビームブレイド出るなんて聞いてないし……右肩のミサイルポット丸ごと持ってかれた……』カタカタカタッ!!

アーニャ『……くっ!!』ギュオオオオオオッ!!

ドシュゥンッ! ドシュゥンッ! ドシュゥンッ!

有香『クラウソラス……! そちらも忘れたわけではない!!』ギュンッ!!

アーニャ『接近戦であれば!!』

有香『甘い!!』ブォンッ!!

ガキィンッ!!

アーニャ『ブレイドが通らない……機体性能は同じのはず……ですが、グラース小隊!!』ググググッ!!

ギュンッ!! ギュンッ!! ギュンッ!!

みく『あっ!』

P「行かせるかよ!!」ガションッ!

輝子『おおっとぉ!! 丁度いいからあっちの量産顔には輸送艦の足止めをしといてもらうぜえええええ!! マッシュルームビーム!!』ズドォォォォンッ!!

P「砲撃!?」ギュンッ!!

みく『お兄さん!!』

P「くそっ……みく、先に下がってニューウェーブを!!」

みく『う、うん!』ガションッ!
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/24(金) 19:18:25.98 ID:WNg5z6tL0
輝子『逃がさねえぜええええええ!! ヒャッハアアアアアアア!!』ギュオオオオオッ!!

ボシュシュシュシュシュッ!!

みく『もー!! あの機体ミサイルどれだけ持ってるの!! うにゃっ!?』ドガァンッ!!

泉『みく!』

P「ニューウェーブは先に行け! こっちの領海まで入ってしまえ!」

みく『こっちも上手いこと逃げるから!!』

泉『くっ……』

アーニャ『先にこちらが輸送艦を抑えてしまえば……!!』


ピピピピピッ!!

アーニャ『高エネルギー反応!?』

ズドドドドドドドドドッ!!!!!

ドガアアアアアアンッ!!

アーニャ『グラース小隊が全機ロスト……そんな……!』

輝子『ヒッ!?』

みく『何今の!?』

有香『あの輸送艦の援護!?』

P「ニューウェーブの砲撃じゃない……今のは何だ!?』

ピピピッ!

みく『ん、周辺通信?』ピッ!


???『アーッハッハッハッハッハッ!!!!』

みく『は?』

有香『なんだ、この声は……』

229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/24(金) 19:19:07.37 ID:WNg5z6tL0

???『楽しそうなことやってんじゃないの! アタシも混ぜなさい!!』

ギュオオオオオオッ!!!!

有香『高速で接近する機影……これは!?』

???『遊んでやるわよ!』ブォンッ!

ガギギギギィンッ!!

有香『なっ……赤い機体!? こ、この速度は……!』

???『そらっ!』ブォンッ!

バキィッ!!

有香『ああっ!?』ビビビビビッ!

輝子『少尉――』ピピピピピッ!

輝子『別の反応……!?』

奈緒『はあああああっ!!』ギュオオオオオオッ!!

ドシュシュシュゥンッ!!

輝子『ぐあっ……!』ドガァンッ!!

アーニャ『あの機体は……!!』ドガァンッ!!

みく『あの鳥! 前と形違うような……』

P「あいつもこの戦闘に入ってくるのかよ……このっ!」ドシュゥンッ! ドシュゥンッ!

奈緒『ライフル……!? あのラプターか! 加蓮、状況は!』

ピピピッ!

加蓮『ニューウェーブが共和国の領海に入るまであと50、間に合ったよ』
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/24(金) 19:19:58.35 ID:WNg5z6tL0

奈緒『そうか、離脱する!』ガションッ!

ギュオオオオオオオオッ!!!!

みく『アイツもう帰っていった……』

ピピピッ!

泉『みく、P、こっちは共和国の領海に入ったわ! 警報鳴るからその区域から離れて!』

P「間に合ったか! みく、離れるぞ!」

みく『うん!』


ピピピピピッ!

アーニャ『あれは……共和国の防衛艦……』

『こちらMBG共和国海上防衛部隊。そこの所属不明艦、こちらの領海に侵入している。連邦、連合どちらの所属かの確認を取る! 繰り返す!』

輝子『け、警告来たな……』

有香『あの連邦の艦も恐らくはこちらのケーレスと同じく秘匿艦として運用されているもの……プロジェクトFの直前に、非戦時中の侵略行為として認められるわけにはいきません、離脱しましょう』

輝子『あ、ああ……』

有香『くっ……またしても……!』ガンッ!!

アーニャ『また……ダメ、だったのですね……』ピピピッ!

艦長『アナスタシア、こちらも退くぞ。次の対応を考える』

アーニャ『……了解、です』ガションッ!

ギュオオオオオオッ!!

……
…………

231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/24(金) 19:20:46.35 ID:WNg5z6tL0
――日本海、MBG共和国領海上空、ニューウェーブ(ブリッジ)

泉「こちら共和国の民間協力艦です。登録コードを転送します。艦が損傷していてガイドに沿って停止できない状況です」

整備長『おいおい大丈夫か? 防衛艦の主砲向けられてるぞ』

P『泉、キャットウォーカーとラプター、甲板に着艦したぞ』

みく『あれ撃ってこないよね……』

泉「目に見えて損傷しているのが分かる状況だし、この状態で有無を言わさずに撃たれることはないわよ。それより……」カタカタカタッ!

ピピピッ!

泉「晶葉、応答できる? 個別通信送っているけど、今大丈夫?」

晶葉『おお泉、どうだ調子は』

泉「どうだも無いわよ。ニューウェーブも損傷有、武装もやられているし、キャットウォーカーも被弾しているわ。共和国領海に入ったから、海上の防衛部隊にそっちから通信お願い」

晶葉『ああ、それなら大丈夫だ。もうアイツがそっちに行ってるだろうから』

泉「え?」

ピピピッ!

???『ほらそこの艦! さっさと移動しなさい! あと軍の防衛部隊はもっと下がる!』

みく『え、誰?』

泉「防衛艦からのロックが解除されたわね。このまま移動するわ」

???『アンタたちも、やるならもうちょっと真面目に戦いなさい。死にたくないからここまで来たんでしょうに』
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/24(金) 19:22:39.10 ID:WNg5z6tL0
ピピピッ!

奈緒『いや、151CXに乗ったの民間人だろ……無茶言うなよ、麗奈』

???(麗奈)『っとに、アンタももうちょっと早く来なさいよ。遠征してたレイナサマのほうがこっち来るのが大変だったんだから』

みく『誰このお面』

加蓮『お面だってさ』ピピピッ!

奈緒『仮面だ仮面』

晶葉『な……セカンドドライバーも間に合ったか。飛ぶだけの修理だったら新潟で済ませてくれ。横浜までならそれほど掛からんだろ』

泉「わかったわ。手配はお願いね」

晶葉『うむ、とりあえずは無事に日本まで来れるようでよかった。では後でな』ピッ!

麗奈『ほらそこの防衛艦、こっちはオート・クレールよ。レイナサマの名前くらい誰か知ってるでしょ、さっさと警戒解除終わらせて受け入れ準備しなさい』

P『なんつー受け入れ通達だ』

みく『でも……これでみくたち、助かったんだよね』

P『……ああ、そうだな』

加蓮『そうそう、2人とも長い間よく頑張ったね。おめでとう』

みく『はあ……よかったぁ』


【to be continued......】


……
…………
………………
……………………
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/24(金) 19:24:23.70 ID:WNg5z6tL0
※キャラクターシートが更新されます
キャラ名:前川みく
操縦技術:95→99
親愛度 :53→63

キャラ名:アナスタシア
操縦技術:57→67
親愛度 :50→60

キャラ名:中野有香
操縦技術:76→81
親愛度 :13

キャラ名:星輝子
操縦技術:72→77
親愛度 :20

キャラ名:セカンドドライバー(神谷奈緒)
操縦技術:-
親愛度 :-
234 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/24(金) 19:30:46.53 ID:WNg5z6tL0
今回で区切りになるので、本日はこれで終了します。
折り返し入ったので後半分切りました。
多分、何も無かったら5/28(火)の22時頃から再開するかもしれません。出来なかったら5/25(土)になります。


本日もご参加頂きありがとうございました。
235 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/28(火) 23:46:35.76 ID:702aixm+0
>>234の日付が完全にタイムスリップしていたりで間違えていましたが、6/1(土)になります。
236 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/02(日) 02:25:29.28 ID:9Zxkqeyp0
【導入】

地球に降下したニューウェーブは、EU圏から日本へ向けて移動を続けていた。

その中、ロシア領でみくとアナスタシアが再び出会い、偶然にも共に戦うこととなった。

後に、日本海の三国領海に差し掛かった地点で、みく、アナスタシア、有香、輝子たちは再び銃を向ける。

戦いは奈緒と麗奈、共和国の防衛部隊の介入により終わり、ニューウェーブは目的地の日本に到着したのだった。

――
――――
――――――
――――――――
237 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/02(日) 02:31:22.06 ID:9Zxkqeyp0
――日本、MBG共和国新潟駐屯地、ニューウェーブ(ブリッジ)

整備長「とりあえず航行に必要な修理は最低限、終わったぜ。外付けしてたミサイルコンテナ、破損した奴はそのまま外しちまったよ」

泉「そうね。後は横浜に向かうだけだから、武装もほとんど必要ないとは思うけれど……圏内に入ってまで待ち伏せされるとは思えないし」

晶葉『お前たちを追いかけていた追撃部隊が同じだったことを考えるとな。それに、もう間もなく……』

泉「共和国はどうするの?」

晶葉『加盟国は自国の防衛ラインを強化するしかない。日本はうちの本社もあるし、どうなるか』

整備長「靴のデータを引き渡して、それでおしまいってんならいいんだけどよ」

晶葉「まあ、NEX-USの情報収集待ちだ。その後のネットワークについてどうするかも検討しなければならん」

パシュンッ!

みく「泉チャーン、機体チェック終わった……3人揃って何話してるの?」

泉「ああ、みく……いえ、この後横浜に向かう準備について話していたところよ。機体チェックが終わったなら、休んでていいわ」

みく「? ふーん……それじゃ休もうっと」

パシュンッ!

泉「……そうね、それでおしまい、ならいいんだけど」

……
…………

238 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/02(日) 02:31:49.31 ID:9Zxkqeyp0
――日本海付近上空、ケーレス(ブリッジ)

輝子「せ、潜入するのか……」

有香「あの艦の行先は、横浜にあるオート・クレールの本社でしょう。ナシヤマのときと同じく、本社へ潜入して直接靴のデータを奪取します」

「入国の手配、日本国内の部隊からの対応連絡待ちです。数日は掛かるかと」

有香「オペレーションFが間もなくです。実施後は共和国の防衛も強化されるでしょうし、迅速に動かなければいけません」

輝子「そ、そうだな……でも、それが始まったら……」

有香「はい。木星圏のシマトク以来……連合、連邦間での戦争になります」

有香「だから、何としても……!」

……
…………

239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/02(日) 02:33:19.56 ID:9Zxkqeyp0
――北海道、函館市、港

ピピピッ!

艦長『アーニャ、状況はどうだ』

アーニャ「アー……はい、港に到着しました。これからは、予定通り船で青森へ移動後、陸路を経由して横浜へ向かいます」

艦長『頼むぞ。他の部隊員の入国偽装をする時間も掛かる。先行して対応の準備を進めてくれ。オグマも迂回して移動させる』

アーニャ「はい」

艦長『あの艦を追い詰めることは出来ていたが、あと一歩のところで横やりを入れられてしまった。連合への対応もある、ここで挽回しようか』

アーニャ「……了解、しました」

……
…………

240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/02(日) 02:40:01.00 ID:9Zxkqeyp0
――MBG共和国新潟駐屯地(格納庫)

奈緒「ニューウェーブの応急対応も終わったし、あたしも麗奈も合わせて本社に戻るよ」

晶葉『機体の整備は大丈夫か?』

奈緒「Geo-NEXTはEUから稼働しっぱなしだけど、ニューウェーブを早くそっちに届けてやらないといけないからな……まあ、まだ大丈夫だ」

奈緒「麗奈のOMDX-FSはそっちから飛んできたから大丈夫だろうし、とりあえずはそのまま向かう」

晶葉『無理をするな……と言いたいが、ニューウェーブに寄越せるのがお前と麗奈しかいない。すまないが頼んだ』

奈緒「ああ、ニューウェーブの準備が終わったら向かう」

ピッ!


麗奈「レイナサマのOMDX-FSも特に消耗してないから整備はいらないわよ。ニューウェーブの出航準備やっときなさい」

「了解しました」

麗奈「んっとに……ん、奈緒、何やってんの」

奈緒「麗奈か。いや……」

麗奈「ジーネク、まともに動くもんなの? レイナサマのFSも大概だけど」

奈緒「……ま、以前よりはマシにはなってきているけど、比べるレベルじゃないよな」

麗奈「そうねえ……その分、NEX-USでアイツらのバックアップをしてやらないとダメだけど」

奈緒「……なあ、麗奈」

麗奈「ん?」

奈緒「どうして、こんなことをするんだ? ヴァルキュリアシステムのときも、今回のNEX-USも……」

麗奈「必要だからよ。アンタは、レイナサマがいなくなった後、どうなったか見たんでしょう」

奈緒「……この世界も、いつかは……そういうこと、なのか?」

麗奈「この世界のバカなところは、争っているのが人間同士ってこと。どうしようもないけど……その為のNEX-USね」

奈緒「アインフェリアはPさんが……いや、お互いを導いたんだ。それなら、今回は加蓮が……」

麗奈「役割は、必ずしも同じとは限らない。アタシやアンタが出来ることは思っている以上に無いものなのよ」

奈緒「加蓮……アイドル……」

……
…………

241 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/02(日) 02:40:52.60 ID:9Zxkqeyp0
――数時間後、神奈川県上空、ニューウェーブ(ブリッジ)

晶葉『本社の整備班にラプターとフレ……キャットウォーカーだったか。2機の整備をさせる。お前たちはそのまま私のところに来てくれ』

泉「ええ。整備長は整備班に同行させてもらえないかしら? 今までメンテしてもらっていたし」

整備長「俺は構いませんけど……ま、やっといたほうがいいか」

泉「この後どういう状況になるか分からないし……ん?」


みく「わぁ〜……見てみてお兄さん、あれ横浜!」

P「ようやく着いたか……これで落ち着ける、か。久々に来たな」

みく「お兄さん、横浜出身?」

P「いや横浜出身ってわけじゃあないけど、何度も遊びに行ったことはある。ナシヤマに行ってから10年以上は経ったけど、あんまり変わってないんだな」

泉「2人とも、ちょっといいかしら?」

みく「あ、泉チャン! 横浜着いたら遊びに――」

泉「ごめんなさい、自由にしてもらいたいとは思っているのだけど、靴のデータを本社に引き渡すこともあるし、一緒に付いてきて頂戴」

みく「えー……それみくたちいる?」

泉「いるわよ。それに、ナシヤマに戻る為にオート・クレールに手続きしてもらう必要もあるでしょう」

みく「それはそうだけど……むー」

……
…………

242 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/02(日) 02:48:18.55 ID:9Zxkqeyp0
――神奈川県、横浜市、オート・クレール本社(敷地内)

みく「初めての日本!」タタタッ!

P「ここがオート・クレールの本社か……随分とまあ、大きいな」

泉「そりゃあ、ね。元から宇宙開発で黒川重工と連携して軍と関わりがあったところだけど、NEX-USの開発で更に大きくなって」


晶葉「おお! 待たせたな!」


泉「晶葉! 靴のデータの搬送準備は出来ているわよ」

晶葉「うむ、部下に運ばせる。よくここまで辿り着いてくれたな、こうして直接会うとやはり安心するな」

泉「そうね。まあ、私よりは……後ろの2人のほうが頑張ってくれたから」

晶葉「っと、そうだったな。Pと前川みく、だったな。改めて名乗るが、私はオート・クレール社所属の主管技師長、池袋晶葉だ。面倒事に巻き込ませてすまなかった」

みく「ほんっとーに面倒事だったんだけど」

P「まあ……生きて来れただけマシだったというか」

晶葉「そんな微妙な反応されるとこっちもな……まあいいか。疲れているだろうが、もう少しだけ付き合ってくれ。社に入ろうか」

……
…………

243 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/02(日) 02:49:32.41 ID:9Zxkqeyp0
――オート・クレール本社(通路)

P「うおおおおお……! OMDAフレームのサンプルモデル……最新モデルのモービルも展示されてる……!」

みく「おにいさーん」

P「ちょ、ちょっと待って……はー、作業用のOMDから拠点防衛用のOMDAに改修するポイントはこの部分か……」

みく「もー……」

晶葉「なんだアイツ、こういうの好きなタイプか」

泉「そういえば、仕事には選ばなかったけど趣味はあるって話していたわね」

晶葉「ま、喜んでくれてるならいいか。OMDAのコンバージョンを設計したのも私だしな」

……
…………

244 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/02(日) 02:51:07.41 ID:9Zxkqeyp0
――オート・クレール本社(開発室)

晶葉「靴のデータ処理の為に端末並べているから、足元気を付けてくれ」

P「よっと……どれだけ配線適当にしてるんだよ」

晶葉「作業前に束ねさせる。端末の準備するのも色々あったんだよ」

泉「NEX-USの基幹システムに組み込みするのよね? 特に問題ないの?」

晶葉「オンで作業するが、問題ないはずだ。というか、基幹システムにデータ取込みさせた後は加蓮に処理させればいい」

晶葉「それに、OMDXたちの機体がNEX-USの秘匿領域に接続したこともあるし、キャットウォーカーのバージョンアップも手を付けられる」

みく「キャットウォーカー、まだ改造出来るの?」

晶葉「元々あの機体は完成が遅れていた機体なんだが、トルコで換装させたキャットウォーカーと並行して開発していた兵装群がある」

晶葉「フレームの修正が必要だったからそっちは送らなかったが、ここでなら改修できる。靴のデータを取込んだNEX-USとの連携を前提にした機能もあったしな」

みく「……ねえねえ、ずーっと気になってたんだけど、結局靴って何なの? 杖のコンパチみたいなものっていうのは泉チャンから教えてもらったけど」

泉(そんな説明の仕方をした覚えはないわね……)

P「俺たちは靴のデータとやらの搬送でここまで来ることになった。どんなものかくらいの話は聞かせてもらったが、実態は分からないままだ」

パシュンッ!

整備長「おーい池袋博士、データ搬送終わったぜ。データの解析処理班に後は任せたから――」

晶葉「……そうだな。お前たちがには話すべきか。分かった、話してやる。先にデータ処理に時間を使いたいから、その後になるが」

みく「……まあ、それでもいいけど」

……
…………

245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/02(日) 02:52:03.92 ID:9Zxkqeyp0
――数十分後、オート・クレール本社(開発室)

晶葉「そのデータ、こっちに回してくれ。事前抽出したデータと突合せする」カタカタカタッ!!

「処理分はNEX-US転送しておきます。一時的にローカルネットをNEX-USに接続します」カタカタカタッ!!

「博士、ストリームに移行させるデータですが、一旦切り離しておきますか?」

晶葉「準備はしておくか。どうせシステム連動させるんだ、少し急いでやってくれ」カタカタカタッ!!


みく「ふーん、ふーん……」

P「泉は博士たちの作業を手伝わないのか?」

泉「NEX-USへのデータ処理は私じゃ出来ないわ。そういう契約もしていないし、連邦と連合にもNEX-USのネットワークは繋がっているもの」

整備長「俺らじゃそこまでやるわけにはいかねえしなぁ」

みく「ふーんふー……あ、ねえねえ、アレアレ」

泉「どうしたの?」

みく「ほら、こっちの窓から見える工場に……」

P「あれは……低軌道上から何度か見た可変機体と、日本海で俺たちを助けてくれた赤い機体か。格納作業中か」

みく「あの鳥が何でいるにゃ!」

晶葉「鳥じゃない。Geo-NEXTとOMDX-FS、うちの部署で開発した試作機だ」


パシュンッ!

奈緒「晶葉、戻ったぞ」

麗奈「はー疲れた」バサッ
246 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/02(日) 02:53:03.39 ID:9Zxkqeyp0
泉「あの子……海上で通信してきた……」

P「てことは、あの2人がパイロットか。てか片方のパイロット、なんだアレ……」

みく「どいつがあの鳥のパイロットにゃ! 低軌道上でみくたちの邪魔して!」

麗奈「鳥?」

晶葉「ジーネクのことだとよ」

奈緒「……Geo-NEXTのパイロットは私だ」

みく「なんにゃそのお面!」

奈緒「お面ではない。私はセカンドドライバー……理由があって仮面を付けているだけだ」

みく「だっさ」

泉「み、みく……」

奈緒「……」

麗奈「ま、ダサいわね……てそんなことより、晶葉、もうそろそろで港、使えなくなるわよ。共和国の防衛部隊も動いたほうがいいかしらね」

晶葉「どういうことだ?」

ピピピッ!

加蓮『連合が動いたよ』

奈緒「加蓮……」

みく「わわっ! 部屋のスクリーンに加蓮チャンが……」

加蓮『コロニー連合が連邦のアラスカ基地を制圧する為の作戦行動を展開した。宇宙でも連合のムーンから降下準備をしていた部隊も、低軌道上に位置して準備を始めてる』

泉「それって……」

P「せ、戦争が始まるってことなのか?」

みく「え……」

247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/02(日) 02:56:26.26 ID:9Zxkqeyp0
加蓮『NEX-USは連合、連邦にも提供しているネットワーク……ていえば聞こえはいいけど、情報を吸い出すのも便利だから。各国の軍施設の一部の機能にNEX-USへの情報転送も仕込んでいるし、私のところに入ってきたデータだから確実なネタだよ』

みく「で、でもいきなり戦争なんて……宣戦布告だってニュースで聞いてないし、それに連合と連邦の戦争なら共和国は関係ないし、なんで防衛なんて……」

P「……靴のデータか」

泉「2国とも私たちに部隊を寄越してきたし、どうせ開戦するなら……ってところね」

麗奈「この世界は、悪意のあるヤツが多すぎるのよ。それもとびきりの……ね」

奈緒「今港を開けていると、領空の防衛部隊展開準備が遅れるか。急いで軍には連絡したほうがいい」

晶葉「NEX-USで収集した宙域の情報を軍に渡すか。あとは、こちらも横浜駐屯地から防衛部隊の提供依頼も出しておくとして……ここまで来ればこちらの話だけでは収まらないだろうし、承認出るだろうか。まあいい、すまんが少し席を外す」

パシュンッ!

みく「戦争……」

麗奈「P、泉、アンタたちはどうするの」

P「えっ」

泉「私……たち?」

麗奈「悪いとは思うけど、今から急いで港に行ったとしても、上に行く便なんて取り付けないわよ。日本のどこかに避難するなら、適当に誰か付けるけど」

泉「どうするって……オオイシファクトリーはあくまでオート・クレールの下請で、軍の協力をしていると言っても、本格的な戦闘なんて……」

P「俺は……」


みく「戦、争……」


P「……俺は、俺に、何か出来るのか?」
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/02(日) 02:57:02.03 ID:9Zxkqeyp0
奈緒「……」

麗奈「軍に入らなくても、レイナサマのところにいるなら、何かしらは出来るんじゃない? 何かしたいなら、させてやるわよ」

奈緒「……お前は、戦いたいのか?」

P「戦いたい……いや、違う。俺はナシヤマに帰るんだ。それに俺はみくと……約束した。だから、帰る為に、必要なら俺は戦う」

みく「……!」

麗奈「よしっ! それじゃアンタ、付いてきなさい」グイッ!

P「っと!? お、おい、ドコ行くんだよ!」

麗奈「ヤるならやることは1つしかないでしょ! ほら、さっさと来なさい!」

パシュンッ!

奈緒「全く……加蓮、少し席を外す」

加蓮『はいはーい。データのほうはやっておくね』

みく「ちょ……ちょっと待って! お兄さん! 変なお面!」タタタタッ!

パシュンッ!

泉「あの人、レイナって人……どうして、私たちに……えっ?」



麗奈『P、泉、アンタたちはどうするの』



泉(……あれ、私……自己紹介、したかしら?)

……
…………

249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/02(日) 02:57:41.41 ID:9Zxkqeyp0
――数時間後、オート・クレール本社(工場)

ピーッ!

パシュンッ!

P「げほっ! げほっ! ま、まだやんのか……?」

麗奈「当たり前でしょ。アンタたち、海で見たけどてんで動きがなってないのよ。わざわざシミュレーター立ち上げてレイナサマが鍛えてあげているんだから有難く思いなさい!」

みく「し、しぬ……あ、悪魔……」ハァ、ハァ……

麗奈「アァン!? みく、アンタまだそんな口を利ける元気があるなら、もっと設定キツくしてあげるわよ」ピッピッピッ!

みく「ひっ、ひいいいいいい……」

奈緒「……こっちは少し席を外す。すぐ戻るが、あまり無理をさせても仕方がない。適当に休憩したほうがいい」

麗奈「ん、そう。んじゃ適当にやっとくわ。ほら、準備しなさい!」

P「戦闘するって分かっていても……ああくそ」


奈緒「……」

「脚部の装備外すぞー。交換用のフレームの準備しろ」

奈緒(キャットウォーカー……次の改修で統合兵装を採用して機体の完成度も上がるか……)チラッ

「可変時の腕部の収納、最新の調整でレスポンス変わったから稼働確認しておけよ」

奈緒(あとは、ネオジオ……ここまで出来上がるなら、最低限は……)

……
…………

250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/02(日) 02:58:08.32 ID:9Zxkqeyp0
――オート・クレール本社(休憩所)

みく「ふわぁぁぁぁ……あのレイナって化け物すぎ……セカンドなんたらってお面も何考えてるかわかんないし」ドサッ!

P「そうだな……いや、それくらいはしないとダメだってことなんだろうな」

みく「……本当に、共和国も戦争に巻き込まれるのかな」

P「どう、だろうな」

みく「だって、共和国はコロニー連合が国際連合から独立して、戦争をしないようにって共和国が出来たのに」

P「国際連合の中で、コロニーの運用をしていた一部国家がコロニー連合として独立して、国際連合から地球連邦に再編」

P「地球連邦とコロニー連合が宙域の資源衛星の所有を巡って小規模戦争を繰り返し始めた時期に、戦争意志のない国や戦争の抑止力になる為に更に連邦から分裂して出来たのが共和国」

P「宇宙進出や兵器開発、自国防衛でそれぞれ軍備増強が進んでいく実態があって冷戦状態ではあったけど、インフラの共有化や企業統合で民間は落ち着くことが出来ていたのにな」

みく「カレッジで習ったけど、全然そんなこと無かったじゃん……」

みく「……」

P「……みく、まだ元気残ってるか?」

みく「え?」

……
…………

251 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/02(日) 02:59:05.99 ID:9Zxkqeyp0

――夜、横浜市、みなとみらい

みく「お兄さーん! アレ、アレなに!」

P「おー、あれは国際タワーだな。モールも入ってるけど、上の階は文化財保管もしていたはず」

みく「買い物いこっかなー。シティのチェックポイントならNEX-USでも同じモールあるかな?」

P「確か配置されてるはず。どうせ表で来たんだし、現地行ってみるか?」




みく「ひっさびさに外でご飯食べたような……」

P「そりゃ降下してからはほとんど艦で生活してたし……」

みく「あ〜あ、ホントに何もなかったら楽しい観光で終われたのに」

みく「ナシヤマに戻っても、また来れたらいいなぁ……」

P「そうだな。今度は遊びで来たいな」



……
…………

252 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/02(日) 03:00:22.88 ID:9Zxkqeyp0
――みなとみらい(桟橋)

P「寒くないか?」

みく「うん。それにしても風の吹き方がすごいなぁ……やっぱりコロニーの送風と違うんだ」

P「コロニーはあくまで地球の環境を再現しているだけだからな。海の傍だし、自然に吹く風はやっぱり違うよ」

みく「シティの灯りも綺麗だし、これこそ観光地って感じ」

P「……」

みく「大人になったら地球に引っ越ししようかなぁ」

P「……なあ、みく」

みく「なに?」

P「みくだけは、どこかに避難していいんだぞ。少なくとも、オート・クレールから離れた場所なら、ここよりは安全だ」

みく「……」


みく「……あのね、みく、考えてたんだ」

253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/02(日) 03:03:04.10 ID:9Zxkqeyp0
みく「なんでこんなことになっちゃったんだろうって、どうしてみくがこんな目に遭わなきゃならないんだろうって」

みく「嫌だって思うことばっかりで、だけど嫌だって言うだけじゃどうにもならないし、そんなのはもっとイヤだからここまで来て」

みく「ここに来るまで、ナシヤマやオーレンバーグで戦闘に巻き込まれた人たちをたくさん見てきた」

みく「どれだけ危ないことかってわかってるから、お兄さん1人だけにしちゃうのは凄く嫌だって思って」

みく「それに……表がこんなに物騒だと、いつか……NEX-USだって楽しい場所じゃなくなる。みくは、NEX-USが好きだから」

みく「アイ……んにゃ、みんな、NEX-USの中だと笑顔になれる。だけどその笑顔になるには、まずは現実が平和じゃないと」

P「みく……」

みく「だからね、今まで知らなかったことを見て、知っちゃったから……見なかったふりなんてしたくないの」

みく「泉チャンも、何よりお兄さんもいるから、みくもここに残りたい」

P「そうだ、危ない場所だって分かったんだ。だから、俺はみくだけは――」

みく「……前に、みくが話したこと覚えてる?」

みく「みくは、助かりたいから、だからこうしているって。だから、お兄さんをみくが守るから……お兄さんは、みくのこと、守って……」

みく「それで、もし……」

みく「……ううん、だから、いままで通り一緒に頑張ろ! 大体ここが攻められたらみくたちだって宇宙に戻れないし」

みく「それに、ここに来るまでも何度かOMDAの防衛部隊が戦闘してるの見たけど、あんまり役に立ってる気もしないからそれも不安だし……」

P「ま、まあそれは……みくは新型に乗ってるのもあるから、な……」

みく「それは……そうだけど、いいの! みくはキャットに乗って戦ってるんだから。お兄さんも、次も同じように頑張ろうね」

P「……ああ」

……
…………

254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/02(日) 03:03:44.38 ID:9Zxkqeyp0
――みなとみらい(桟橋)

みく「それは……そうだけど、いいの! みくはキャットに乗って戦ってるんだから。次も、同じように頑張ろうね」

P「……ああ」


奈緒「……」

奈緒(Pさん……やっぱり、もう1機のラプターに乗っていたのは、Pさんだったのか)

奈緒(そうなると、NEX-USが……いや、世界が選んだのは、みくなのか……?)

奈緒(世界の争いを終わらせるのは……アインフェリアたちのような役割を、みくが担うってことなのか、加蓮……?)

奈緒(どうして、あたしがここにいるのか、本当に理由があるんだろうか……)

……
…………

255 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/02(日) 03:04:56.72 ID:9Zxkqeyp0
――オート・クレール本社(開発室)

晶葉「ストリーム経由の靴のエネルギー伝送用のプログラムの更新完了。次は解析データの拡張――」カタカタカタッ

麗奈「アンタさぁ……それやってて面白い?」

晶葉「面白いもつまらないもないだろう。単に好き勝手研究開発が出来るモノではない……靴についての興味は尽きないが」カタカタカタッ!

麗奈「ま、アンタならどこでもそっか」

晶葉「そりゃそうだ。私は私だ。どの世界どんな時代に私がいようと、変わることはない。変わってしまっているなら、それはもう私じゃないさ」

晶葉「……で、お前は見つけたのか? 目的の物、だったか。楽園に続く道だったか」カタッ……

麗奈「ま、上々ってとこかしらね。ただ、別に意味は無かったわ」

晶葉「目的の物がお前の想定していた物ではなかったということか」

麗奈「ちょっと違うわね。不要なのよ、この世界には。もう消えかかってる」

晶葉「……であれば、終わりは見えているということか。この世界の」

麗奈「さあ……まあ、こんなことになったのは、不幸と言えば不幸なのかしらね」

麗奈「蘭子自身がいれば、よかったんだけど」ボソッ

256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/02(日) 03:05:22.73 ID:9Zxkqeyp0
晶葉「ん? なんだって?」

麗奈「なんでもないわよ。物も、人もいないんだからそれでおしまい。悪い芽くらいは摘んでやろうとは思うけど、後はアンタたちで勝手にしなさい」

晶葉「探し人についてなら、加蓮を使って特定させればいいだろう。それでも無理なのか?」

麗奈「無理よ、それじゃ意味ないもの。大体原因だってら――」

パシュンッ!

泉「晶葉、シャワー借りたわ。ありがとう。2人ともそろそろ休憩したら?」

晶葉「ん、ああ……もうこんな時間か。他のスタッフには組み込みで工場で作業させているから気付かなかったな」

麗奈「ふわぁ……飽きたし、アタシは寝ようかしら」

晶葉「そのうち眠る時間も無くなるだろう。いざというときは頼むぞ」

……
…………

257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/02(日) 03:06:26.56 ID:9Zxkqeyp0
帰宅が間に合わなくて予定日からズレたので、安価前で一旦止めます。
次回安価処理から始まります。
258 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/08(土) 12:46:02.45 ID:fu+0gqFM0
6/8(土)の22時頃から再開します
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/08(土) 22:25:29.92 ID:fu+0gqFM0
――横浜市、市内ホテル(みくの部屋)

みく「……」


みく『……前に、みくが話したこと覚えてる?』

みく『みくは、助かりたいから、だからこうしているって。だから、お兄さんをみくが守るから……お兄さんは、みくのこと、守って……』

みく『それで、もし……』


みく「もし、一緒に、帰れたら……」

みく「……んにゃにゃにゃ!!」ブンブンブンッ!!

みく「何言ってんだろもー……みくは、アイドル、アイドル……そだ、NEX-US付けとこ」ピッ!

みく「んー……あっ、Pチャンからメール……お仕事!」ピッピッピッ!

みく「サイオーンの新端末発売のキャンペーンガール……むむっ! Pチャンまだ事務所に来てるかも……NEX-US入ろ!」


……
…………

260 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/08(土) 22:31:43.33 ID:fu+0gqFM0
――NEX-US(事務所ルーム)

パシュンッ!

キャット「にゃっ! っと」


P「んーと……ギチトーの電子アトラクションの収録……時期……結構先だけど、5人揃えられるか……?」カタカタカタッ!

キャット「Pチャーン!」バッ!

P「おおっと!? キ、キャットか……どうした突然」

キャット「お仕事! メール入れてくれてたからまだPチャンいるかなって思って接続しに来たにゃ!」

P「そ、そうか……さっき展開したばっかりだったんだが……まあ、割と急な仕事なんだが、大丈夫か?」

キャット「……」

P「……どうだ?」

ピピッ!

P「ん?」

パシュンッ!!

雪妖精「お疲れ様デス、プロデューサー」

ツインテ「……おや、みんな同じタイミングで接続したみたいですね」

キノコ「ま、まあ……届いたメール見たからだし……」

セカンド「……そう、だな」

キャット「みんなぁ! 5人集まるのってすっごく久しぶりにゃ!」

P「おお、そうだなぁ。ここしばらくは5人同接ってタイミングも無かったしな」
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/08(土) 22:37:43.06 ID:fu+0gqFM0
セカンド「まあ……それで、プロデューサー、送ってくれた仕事なんだけど……」

P「ん、ああ。ちょっと予定日が近いんだが……大丈夫か?」

ツインテ「確かに、来週……でしたね。対企業の依頼ですけど、NEX-USでこんなに急な仕事はI@LPが承認しないと思うんですが……」

P「ちょっとな、俺が別で承認通したんだ」

キノコ「プ、プロデューサーが、か?」

P「うん……そうだな、来週、こうやって皆で集まって、仕事をしたいなって思ったんだ。大丈夫か?」


セカンド(……そう、か。そうだよな)

キノコ(来週、またみんなで、か……)

ツインテ(アイドル……また、こうしてみんなと会う為には、次の作戦こそは……!)

雪妖精「……はい、プロデューサー、来週、みんなで……ですね?」

P「フェアリーは、大丈夫か?」

雪妖精「はい! また、みんなに会いたい、何度でもここで、会いたいですから」

キノコ「ま、まあな……仕事も、楽しいし……」

ツインテ「こうしてあたしたちが揃って仕事をすると、良い結果にもなっていますからね。正式には組んでいませんが、良いユニットだと思います。セカンドブルーも、そう思いますよね?」

セカンド「……そうだな」

P「キャットも、どうだ?」

キャット(また、こうして、みんなで……)

キャット「……うん、キャットにバッチリ任せるにゃ!」

キャット(だから、絶対に死なないんだから……!)

……
…………

262 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/08(土) 22:42:42.30 ID:fu+0gqFM0
――NEX-US(事務所ルーム)

P「……みんな、来週、か」カタカタカタッ……

P「来週、またみんなに会う為に、俺も、必ず……」カタッ……

P「せめて、ここだけは変わらないままで、いてほしい」

P「……ん、皆事務所から出たと思ったけど、まだNEX-USに接続しているのか」


※安価選択(会話をするアイドルを選択してください)
1.チャーミングキャット(みく)
2.スノーフェアリー(アナスタシア)
3.キューティーツインテール(有香)
4.ナイトメア・キノコ(輝子)
5.セカンドブルー(??)
↓1

263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/08(土) 22:46:36.75 ID:sgvK493F0
5
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/08(土) 22:55:48.82 ID:fu+0gqFM0
>>263
5.セカンドブルー(??)


P「セカンドブルーはしばらく接続していなかったが……他の皆みたいに、表の都合もあったんだろうか」

P「仕事は……そうだな、声を掛ければ出てくれてはいる――」

ピピッ!

パシュンッ!

P「ん?」ピクッ!


セカンド「……」

P「おお、セカンドか。どうした? I@LPの募集でも見に来たのか?」

セカンド「ん……ああいや、ちょっとな。プロデューサーさん、まだ事務所に残ってたのかと思って」

P「俺もちょっと仕事溜めていてさ、さすがに消化しておかないとI@LPからお叱りが飛んでくるんだよ」カタカタカタッ!

セカンド「そうか……」


セカンド「……なあ、プロデューサー」

P「どうした?」

セカンド「次の仕事……また、みんなでって話をしてくれたけど、あれ、どうしてだ?」

セカンド「あたしたちはユニットの正式申請もしていないし、ソロメンバーが集まってる形で一緒にいるだけで、別々に仕事する機会だって多いのに」

P「……そうだなぁ、俺が、そんな皆を、いいなって思ったからかも、しれないな」

P「ここにいれば、皆に会える。会いたいときに会えるかは分からないけど、ここにいれば、会えるから」

P「だから……皆でって、思ったのかもしれない」

セカンド「……もし」

P「うん?」
265 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/08(土) 23:02:43.70 ID:fu+0gqFM0
セカンド「もし……プロデューサーさんが、すごく遠いところに行ったとして」

セカンド「大事な人がいて、帰らなきゃならなくて」

セカンド「帰れるときに、帰らない道を選んで……そのせいで、ずっと帰れなくなったら……どうする?」

P「なんだそれ、どうしてそんなこと聞くんだ?」

セカンド「ここなら、どこにいてもすぐに来ることが出来る。だから、ここに来たいと思うし、どこかに行こうとも思える」

セカンド「だけど、そうじゃなかったら。行こうと思っても、帰ろうと思っても、行けない場所まで離れてしまったら……」

P「帰るよ」

セカンド「……」

P「俺がどこかに行くのは、帰りたい場所を捨てる為じゃない。いつか帰るから、どこかに行くんだ」

P「まあ、この事務所はどこに行っても帰ってこれるからっていうのもあるんだけどな」

P「それに、皆がいつでもここに来れるように、俺がいるんだから」

P「セカンドは、帰りたいところはあるのか?」

セカンド「あたしは……」

P「ここ以外に、行きたい場所や、帰りたい場所があるのだって、悪いことじゃないと思う」

セカンド「……ああ、遠いところまで行った。どうやって帰ればいいかも、分からなくなるところまで遠くに」

セカンド「だけど……ここには帰ることが出来る。今は、それだけでいいのかもしれない」

P「……ま、皆もいるしな。楽しいだろ?」

セカンド「ああ、楽しいよ」

……
…………
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/08(土) 23:09:40.13 ID:fu+0gqFM0
――NEX-US(秘匿領域)

キャット『ああ、キャットはここにいるとアイドルなんだ。楽しい、夢のような場所なんだって思って』

雪妖精『フェアリー……守りたいもの、あります。祖国も、人も……だから、捨てられません』

ツインテ『生き延びる為、自分たちが勝たなければ、ならないからです。そして、全部終わったら、あたしはここに……』

キノコ『軍人やってる裏で、アイドルやって良い顔してるようなヤツなんて、みんな悪いヤツで……それでも、ここにいたいんだって、思ってるんだろうな』


加蓮「……」

加蓮「……みんな、ここを、アイドルを、大事にしたい」

加蓮「それだけじゃない、お互いのことだって……」

加蓮「……私は、どうしたらいいんだろう」


『システムロック。対象への情報伝達を実行することが出来ません』


加蓮「奈緒、アタシが……私が、AIじゃなくて、人間だったら……みんなの気持ちが、分かるのかな……」


……
…………

267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/08(土) 23:17:31.63 ID:fu+0gqFM0
――数日後、太平洋上空、コロニー連合戦艦(ブリッジ)

『各部隊に連絡。宙域、海中、海上に展開したステルス部隊、所定の位置に着いた』

『これより、オペレーションFによるアラスカ基地制圧の為の作戦を開始する』

『海上の部隊から順次ステルスを解除、指定ポイントにミサイルによる波状攻撃を敢行し、ラプター部隊を展開せよ』

連合軍艦長「時間だ。これよりオペレーションF、アラスカ基地制圧任務を開始する」

連合軍艦長「ポイントE1に到達後、外装ステルス膜を解除、ミサイル照準、ラプター部隊は出撃待機だ」

ピピピッ!

連合軍艦長「L-03だ。このタイミングで個別通信とは何の用だ」ピッ!

ちひろ『どうも、作戦開始でよろしいですね?』

連合軍艦長「千川少佐か。そちらの準備はどうなっている」

ちひろ『強行軍での合流でしたが、間に合いましたよ。こちらもオペレーションβの後始末をします』

連合軍艦長「失敗か。後始末はどうするつもりだ? 日本への侵攻も手早く済ませてくれよ」

ちひろ『ま、連邦も同じことを考えていると思いますよ。上手くやります。オペレーションFもどうぞ頑張ってください。こちらよりよほど重要ですから』

連合軍艦長「言われんでも。互いにしくじらないようにせんとな」

ちひろ『ええ、それでは』

ピッ!

連合軍艦長「……ふん、奴らが上手く立ち回っていれば、こちらの荷も少しは軽くなったのだがな」

……
…………

268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/08(土) 23:27:34.97 ID:fu+0gqFM0
――横浜市(市内)

ピッ!

「IDの確認が取れました。通行規制によりお手間を掛けさせてしましましたが、どうぞ」

有香「ありがとう」

輝子「フヒッ……」


有香「……こちら潜入部隊、障害なく市内に入りました」ピッ!

『了解です。端末にポイント座標転送します』

輝子「そ、それにしても……いきなり空港規制が掛かったけど、どうしたんだろうな。通常通り入れなかったけど」

有香「……もしかしたら、アラスカの件が漏れたのかもしれませんが……いえ、今は作戦に集中しましょう」

……
…………

269 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/08(土) 23:28:05.09 ID:fu+0gqFM0
――オート・クレール本社前

アーニャ「艦長、オート・クレール本社周辺の準備、完了しました」

ピピピッ!

艦長『ポイントへの爆破準備、こちらも確認が取れた。後追いの部隊も配置に着かせている』

アーニャ「タイミングになったら指示をお願いします。突入部隊との連携は艦を介します」

艦長『ああ。こちらもステルスの解除準備をする』


……
…………

270 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/08(土) 23:28:59.12 ID:fu+0gqFM0
――太平洋(MBG共和国領空)

『ラプターストーム部隊、ステルス機能解除。フォーメーション02を展開する』

『フォーメーション02了解』

「了解」

『ステルス解除しました』

『よし、海上部隊も展開する。ラプターワイルドの部隊の掩護範囲から出過ぎるなよ』

「了解……さて、後始末といきますか」

ピピピッ!

ちひろ『各部隊、今回の任務はオペレーションβの後始末です。やり残しはないように』

……
…………

271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/08(土) 23:30:01.07 ID:fu+0gqFM0
――横浜市、横浜市基地(作戦室)

ピーッ、ピーッ!

「レーダー補足! コロニー連合の部隊です!」

司令官「ポイントは!」

「ポイント表示します……最前線の敵部隊、三原山の防衛ラインまで15分です!」

司令官「東京と千葉の基地にも連絡して連携する。横浜については避難勧告を発令する」

司令官「避難は急がせろ。後、オート・クレールにも連絡を入れろ。部隊の依頼も来ている。待機中の6、7番小隊を向かわろ」

「了解しました」

……
…………

272 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/08(土) 23:38:38.07 ID:fu+0gqFM0
――オート・クレール本社(通路)

タタタタタタッ!!

麗奈「晶葉! ちょっと返事なさい晶葉!」

ピピピッ!

晶葉『わかっている。横浜基地から先ほど連絡が来た。やはりこちらを攻めてきたということか』

奈緒「靴はどうしてるんだ」タタタタッ!

晶葉『保管所に置いている。軍も防衛部隊を寄越してくれる。こちらも何とかするつもりだが、お前たちは出るのか』

麗奈「OMDX-FSの準備、出来てるんでしょう?」

晶葉『FSのメンテナンスは完了しているが、ジーネクはまだ完了していないが……奈緒は無理できんぞ』

奈緒「仕方がない、か……出ないわけにはいかないさ。Pさんとみくのほうは頼む」

ピッ!

麗奈「ホント……どうしようもない奴らね」

……
…………
273 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/08(土) 23:44:07.82 ID:fu+0gqFM0
――オート・クレール本社前

ビーッ!! ビーッ!! ビーッ!!

アーニャ「警報!? 艦長!」ピピピッ!

艦長『どうした』

アーニャ「作戦前ですが、オート・クレールのほうで警報が……」

艦長『……太平洋側の海上で連邦の部隊が展開されている。連合の迎撃にアラスカで部隊展開がされているはずだが』



――横浜市(市内)

輝子「な、なんだ……?」

有香「警報……こちらと同じように追跡していた連邦の部隊が行動を起こした……? いや、これは……」


……
…………

――横浜市(市内ホテル前)

みく「お兄さん!」

P「警報……来たってことか。オート・クレールに戻るぞ!」

……
…………

274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/08(土) 23:45:12.82 ID:fu+0gqFM0
――オート・クレール本社(開発室)

晶葉「泉、三原山の防衛システムの起動状態はどうなっている?」

泉「OMDAの防衛部隊の展開と合わせてシステム起動……って、なんで軍じゃなくてこっちで確認しているのよ」カタカタカタッ!

晶葉「システムのほうはうちで提供している。自衛の為にこちらでも確認しているだけだ」カタカタカタッ!

晶葉「奈緒、聞こえるか。出撃準備はどうなっている」

奈緒『いま工場に着いた。準備次第出る』

晶葉「状況が状況だ、アイツらはどうする?」

奈緒『ネオジオはまだ調整が終わっていないだろ。それと、アレはダメだ。Geo-NEXTで出る』

晶葉「動かすことは出来るが・……いや、間に合わせることが出来なくてすまん」

奈緒『気にしなくていいさ。ジーネクで出るぞ!』

……
…………

275 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/08(土) 23:52:48.79 ID:fu+0gqFM0
――Geo-NEXT(機体内)

奈緒「ジーネクのシステム起動。兵装疎通確認」ピッ、ピッ、ピッ!

ピピピッ!

加蓮『奈緒!』

奈緒「加蓮か。Pさんとみくが来るはずだ。2人を頼む」

加蓮『そうじゃなくて、さっき晶葉も言ったでしょ! キャットウォーカーの改修優先だったから奈緒の機体の整備がまだ終わってなくて……』

奈緒「大丈夫だ。あたしは年季が違う。墜とされるわけにはいかないさ」

ピピピッ!

麗奈『奈緒、アンタなら問題ないとは思っているけど、死ぬんじゃないわよ!』

奈緒「麗奈……そうだな、いつもそう言われていた。あたしは死なないさ」

『搬入口を開放しました。OMDX-FSとGeo-NEXT、発進どうぞ』

麗奈『OMDX-FS、出るわよ!』

奈緒「セカンドドライバーだ。Geo-NEXTで出撃する!」

……
…………

276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/08(土) 23:55:41.33 ID:fu+0gqFM0
――MBG共和国領空、戦闘区域

『こちらR01、共和国の防衛部隊の展開が早い。海上には連邦の奴らもいる。こちらの作戦が流れている可能性が――』

ドガアアアアアンッ!!

『R01どうした、R01――』

ドガアアアアアンッ!! ドガアアアアアンッ!!

『なんだあの機体は!』

『照合該当無し……OMDA部隊ではない、赤いのと青い機体の2機だ!』


奈緒「前線部隊との距離が近い。ロングライフルは破棄する。麗奈、連合のラプター部隊は24だ」

ピピピッ!

麗奈『連邦も戦艦2隻寄越してきているわね……戦闘機部隊の数もそうだし、靴をぶっ壊しに来たには数は足りないようだけど……』

奈緒「加蓮聞こえるか。悪いけど三原山のシステムに接続して戦闘区域の状況を解析してくれ」ガションッ!

ギュオオオオオオッ!!

加蓮『わかった。奈緒も気を付けて』

奈緒「わかってる……そこだ!」ドシュゥンッ! ドシュゥンッ!

ドガアアアアアンッ!!

麗奈『OMDA部隊! 湾内に入られないようにしっかりしなさい! レイナサマが手を貸してやるわよ!』ドガガガガガッ!!

277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/09(日) 01:57:56.50 ID:deZRj0bQ0
ピピピピッ!! ピピピピッ!!

麗奈『ん?』ピクッ!

奈緒「高速で接近する機影……1機、アレは……!」

ブォンッ!!

ガキィィィィンッ!!

奈緒「ラプター!? いや、この機動力は・……!!」

ちひろ『さて……各地で報告のあった機体が2機ともこの場にいるということは……やっぱり当たりですね』ググググッ!!

キュピーンッ!!

麗奈『あの機体……まさか!』ガションッ!

ドシュウウウウウウウンッ!!

ちひろ『下から反応……!』ギュンッ!

ピピピッ! ピピピッ!

ちひろ『周辺通信!?』ピッ!

麗奈『やっぱりアンタだったわけね、ちひろ!!』

ちひろ『だ、誰……!?』

奈緒「ち、ちひろさん……!?」
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/09(日) 01:59:05.12 ID:deZRj0bQ0
麗奈『奈緒、コイツは敵よ! こいつだけは容赦するんじゃないわよ!』

ちひろ『コイツ、何を言って……この!』ガションッ!

ボシュシュシュシュッ!!

麗奈『レイナサマがそんなミサイルに当たるわけないでしょ!!』ドシュシュシュッ!

ドガアアアアアンッ!!

奈緒「れ、麗奈! だけど・……」

麗奈『ここで手抜けば、死ぬのはアンタよ!』

奈緒「…・・!」

麗奈『肩部ビーム砲塔照準……ここに来てまでコイツは……さっさとちひろから離れな!』ズドオオオオオオッ!!

ドガガガガガガァンッ!!

ちひろ『くっ……い、一体何を……! だけど、ここでこの2機を抑えれば……!』

奈緒「くそっ……! どういうことだよ!」ドシュゥンッ! ドシュゥンッ!

ちひろ『私だけでは分が悪い……ブリッジ、ラプター部隊の増援を!』

麗奈『チッ、雑魚なんて呼びつけて……!』

ピピピッ!

加蓮『奈緒!』

奈緒「どうした加蓮!」

加蓮『市の上空宙域から降下ポッド! 連合の部隊だよ!』

奈緒「くそっ、上からかよ……!」

……
…………

279 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/09(日) 01:59:39.44 ID:deZRj0bQ0
――オート・クレール本社(開発室)

ピピピッ!

P『博士、泉! 連邦と連合が攻めてきたんだろう、俺とみくも出る!』

みく『ここまで来て好き勝手させないんだから!』

晶葉「ちょっと待て、現在戦闘区域になっているポイントには麗奈とセカンドドライバーが――」

ピピピピピッ! ピピピピピッ! ピピピピピッ!

泉「いえ……晶葉、横浜市上空に反応……降下ポッド!?」カタカタカタッ!

P『なんだ!?』

ピピッ!

泉「ラプターの降下部隊よ! 降下部隊からのミサイル……着弾場所は……ここ!?」

晶葉「チッ! おい外のOMDA部隊! 上だ! ミサイルが来る、撃ち落せ!」


ドガガガガガァンッ!!!!


みく『わあああああ!?』

P『こ、ここに直接か……!!』

泉「ううっ!? だ、だけどミサイルの大半の処理は……だけど、一部は市内に落ちたし、降下部隊が……!」

晶葉「奇襲とは……P、みく、すまんが2人も出てくれ。外のOMDA部隊と降下したラプター部隊が戦闘を始めている」

……
…………

280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/09(日) 02:00:07.08 ID:deZRj0bQ0
――オート・クレール本社前

アーニャ「くっ……連合の降下部隊……いえ、ですが……」

ギュンッ!

アーニャ「グラース……連邦の機体までどうして……」

ピピピッ!

艦長『アナスタシア、様子がおかしい。海上に展開している連邦の部隊に通信を送っているが反応がない』

アーニャ「艦長、どうすれば……」

艦長『作戦は一時中断する。転送した座標に移動してくれ。お前を含めた潜入部隊を拾って一旦離脱する』

アーニャ「了解、です」ピッ!

アーニャ(……あの、2人は)

……
…………

281 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/09(日) 02:01:42.81 ID:deZRj0bQ0
――横浜市(市内)

輝子「空からラプター……どうして……」

有香「あれは……展開しているラプター部隊、応答してください。こちらはホクドウの千川少佐からの任務を受けて個別任務に当たっている部隊です」


『連邦のグラース部隊だ、散会して迎撃する!』

『市街地戦闘になるが構わず撃て! 任務が最優先だ!』


有香「ラプター部隊、応答してください! 応答してください!」

ピッ!

有香「くっ……一体何が……」

ドシュウウウウンッ!

有香「!?」

輝子「!?」

ドガアアアアアアンッ!!

有香「ぐうううううっ!?」

輝子「わっ、わ……!」

有香「ごほっ! 回答も無く連邦と戦闘に……こ、このままだと……」ハァ、ハァ……

輝子「い、いったん離れないと……」

……
…………

282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/09(日) 02:04:02.07 ID:deZRj0bQ0
――オート・クレール本社(工場)

整備長「おーいお前ら―!」

P「整備長! 俺とみくも出撃する!」タタタタタッ!

みく「機体整備終わってるよね!」

整備長「バッチリ終わってるぜ! ラプターのほうはストームを装備させているからな!」

P「市街地戦闘想定か……了解した!」バッ!

みく「それじゃみくも……って何かこの機体また変わってない!?」

整備長「おう、改修終わったぜ。OMDX-152CXワイルドキャット、改修に合わせて最適化しているからフレームの機能もフルで使えるはずだ!」

みく「もーなんでもいっか……ワイルドキャットで行くよ!」

P『みく、市街に出て敵部隊を抑えるぞ』ガションッ!

みく「靴のデータってのも大事なんだろうけど、まずは町の人たちにゃ!」

……
…………

283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/09(日) 02:05:35.51 ID:deZRj0bQ0
最後思いっきり落ちてしまっていたんですが、本日はこれで終了します。
次回は多分6/12か6/15になります。
安価にご参加いただきありがとうございました。
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/15(土) 22:45:26.03 ID:GBhKxPpJ0
――オート・クレール本社前、戦闘区域

アーニャ「オグマが戦闘圏に入る……戻る時間が…・!」

アーニャ「アレは……!」


みく『お兄さん、連邦のグラース部隊! 市街地抜けて来てる!』

P『3機か……連合だけじゃなくて連邦もここまで来たか……空から降りて市街地戦闘に切り替えるぞ。OMDA部隊もいる、無理はするなよ』カタカタカタッ!


アーニャ「もしかして、あの子の機体……!? まだここに――」


P『っ!? 上からも来てるぞ!』ピピピピピッ!

みく『このっ!』ガションッ!

ドシュッ!!

みく『ク、クロー……結構重たくなってるけど……にゃっ!』ブォンッ!!

ズガガガガガァンッ!!

アーニャ「ああああっ!」

みく『お兄さん、1機墜とし……!』ピピピッ!

みく『あそこにいるのは……』


アーニャ「くっ……こちらの部隊ではない、グラースまで……」


みく『あの子……!!』


アーニャ『行くなら、早く行ってください。今のうち、です。アーニャが、戻っているうちに』


みく『……んもうっ!』ガションッ!!

ギュンッ!!

P『どうしたみく!?』
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