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【ガルパン】愛里寿「キャプテン・ボコリカ」【アベンジャーズ】
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1 :
◆frihpkihn.ZQ
[sage]:2019/04/25(木) 10:08:14.28 ID:nt7g/uqcO
ボコのテーマを聞いてたら考えついてしまった、ガルパンとアベンジャーズのクロスオーバーです。
エンドゲームのオフィシャルトレイラーレベルのネタバレはあります。
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1556154494
2 :
◆frihpkihn.ZQ
[sage saga]:2019/04/25(木) 10:11:32.50 ID:6h9tszzI0
愛里寿(私がその人を知ったのは、とあるニュースがきっかけだった)
愛里寿(6年前……人々が初めて地球外生命体と邂逅したあの日)
愛里寿(空にあいた穴から次々に攻め込んでくる宇宙人の軍隊……)
愛里寿(そして、それを撃退したヒーローチーム)
愛里寿(子供心に、彼等の姿は焼き付いている)
愛里寿(空を駆ける鋼鉄の男、雄叫びと共に宇宙人を叩き潰す緑色の怪物、雷を操るハンマーの巨漢)
愛里寿(宇宙人の兵隊を次から次に倒していく彼等は、まさに心の中で思い描く【ヒーロー】を体現した存在だった)
愛里寿(……そんな中、私は見た)
愛里寿(宇宙人の一兵士にすら時には苦戦をして、先の三人とは比べ物にならないくらいに疲弊し、ボロボロになり、)
愛里寿(それでも、彼等の戦いに食らいつく一人の【ヒーロー】の姿)
愛里寿(他のメンバーと比べてしまえば、派手でもないし、強くもない)
愛里寿(なのに、だというのに、何故か)
愛里寿(満身創痍な彼の姿が―――一番、印象に残った)
愛里寿(後からゆっくり考えて、分かった)
愛里寿(彼の姿が、当時から大好きだった『ボコ』に似ていたのだ)
愛里寿(ボコボコにされて、それでも立ち上がり、立ち向かう)
愛里寿(そう、姿形は違えど、彼は『ボコ』だった)
3 :
◆frihpkihn.ZQ
[sage saga]:2019/04/25(木) 10:14:05.39 ID:6h9tszzI0
愛里寿(彼―――キャプテン・アメリカの経歴を調べていくと、その印象は更に深まっていった)
愛里寿(兵士となる前は、貧弱な虚弱体質だった彼)
愛里寿(それでも、元々の正義感は変わらなくて、)
愛里寿(街のチンピラに喧嘩を売っては、ボコボコにされていたという)
愛里寿(彼は第二次世界大戦中にあった『超人計画』に参加して、今の身体を得たらしい)
愛里寿(人間の限界点とも言える力を得た彼は、その力でもって戦争を戦い抜き、終戦の間際で南極にて行方不明となった)
愛里寿(そして、氷河の中で眠っていた彼は―――現代で目を覚ました)
愛里寿(七十年後の世界に、周りの人も死んでしまった世界に、彼は復活した)
愛里寿(その直後にあったのは、ニューヨークでの決戦)
愛里寿(既に彼以上の超人が何人も現れた世界で、それでも彼は立ち向かった)
愛里寿(SNSに出回った情報によると、ロキという神を名乗る男にも立ち向かったそうだ)
愛里寿(手も足も出ない相手に彼は少しも退かなかったという)
愛里寿(人々の前に立ち、ボコボコにされながらも、その度に食らいついて―――)
4 :
◆frihpkihn.ZQ
[sage saga]:2019/04/25(木) 10:15:33.24 ID:6h9tszzI0
愛里寿(……彼の人となりを知る程に、その姿が『ボコ』と重ねっていった)
愛里寿(こんな『ボコ』みたいな人が、本当にいるなんて思わなかった)
愛里寿(気付けば、私は彼のファンとなっていた)
愛里寿(彼の活躍をニュースやインターネットで見ては、目を輝かせる)
愛里寿(ワシントンDCでのヒドラ事件……ソコヴィアでのウルトロン事件……)
愛里寿(そのどれもで、彼はボコボコにされながら敵に立ち向かっていく)
愛里寿(そんな中で……ある事件が起きた)
愛里寿(キャプテン・アメリカ率いるアベンジャーズが戦闘の最中で多くの市民を巻き込み、犠牲を生んだのだという)
愛里寿(ニュースでは、彼に対する批判的な内容がずっと流れていた)
愛里寿(凄まじい力を有した超人たちが、誰に管理される事もなく、国境を越え争乱を巻き起こす)
愛里寿(その果てに市民が犠牲となり、血が流れる)
愛里寿(彼等は管理されるべきだ、と)
愛里寿(ネット上でも同じ様な意見が飛び交うようになっていた)
愛里寿(……違う、と思った)
愛里寿(彼等が市民を巻き込んだのは事実だけど、彼等がいなければもっと多くの人々が犠牲になっていたのだ)
愛里寿(いつだってそうだ)
愛里寿(ニューヨークでも、ワシントンでも、ソコヴィアでも……彼等がいなければ、もっと多くの人々が犠牲になっていた)
愛里寿(それでも人々の意見の大半は、彼等に批判的なもので、)
愛里寿(……そのボコられ方は、普段のそれとはまるで違っていた)
愛里寿(見ている私も胸を締め付けられるような、苦くなるような……)
愛里寿(余りに、悲しいボコられ方だった)
5 :
◆frihpkihn.ZQ
[sage saga]:2019/04/25(木) 10:18:59.64 ID:6h9tszzI0
愛里寿(更に、もう一つ)
愛里寿(追い打ちをかけるようなニュースが、ネット上で流れた)
愛里寿(……唯一現代まで生存していた、戦時中の彼の仲間が亡くなったのだという)
愛里寿(その人は女性で、かつて彼と恋仲にあったらしい)
愛里寿(だけど、あの南極での戦いで二人は引き裂かれてしまい……七十年後の現代で再会した)
愛里寿(もちろん七十年という時は大きく、彼女には家庭があって、子どもも孫もいて、女性はもう年老いていて……)
愛里寿(だけど―――彼女は、彼にとって唯一無二の存在であった筈だ)
愛里寿(この激動の情勢の中で、そんな女性すらも失って……)
愛里寿(……私は、居ても立っても居られなかった)
愛里寿(いくら『ボコ』だって、今の状況は余りに……余りに救われない)
愛里寿(気付けば、私は母さんに頼み込んでいた)
愛里寿(アメリカに……彼の元に行きたい、と)
愛里寿(何をできる訳でもないけど、彼と会って話をしたい、と)
愛里寿(頭を下げて、頼み込む)
愛里寿(突拍子もない事を言っているのは分かっている)
愛里寿(いきなりアメリカへ行くのも、今話題の中心にいる彼に会いにいくのも、無茶でしかない)
愛里寿(でも、それでも、今の彼を放っておくのは嫌だった)
愛里寿(出会った事のない彼だけど、彼は私の―――【ヒーロー】なのだから)
6 :
◆frihpkihn.ZQ
[sage saga]:2019/04/25(木) 10:19:42.60 ID:6h9tszzI0
愛里寿(……母上は戦車道を語る時のそれと同じ、冷たい瞳で私を見詰めた)
愛里寿(何度も反対し、何度も私の無茶を説き伏せ―――それでも、私は折れなかった)
愛里寿(どうしても彼に会いたいと、何度も頭を下げる)
愛里寿(結局折れたのは、母上の方だった)
愛里寿(アメリカの戦車道は、実際の軍隊と密接に関係している)
愛里寿(戦車道の伝手を通して、彼と確実に出会える日程を調べてくれるとの事だった)
愛里寿(結局彼の予定で確定しているのは、彼女の葬儀の時だけだった)
愛里寿(それもそうだろう。【ヒーロー】に確定的な予定などないのだから)
愛里寿(そして、私は母上とアメリカに立ち、)
愛里寿(その葬儀の最中に、彼の元に辿り着いた)
7 :
◆frihpkihn.ZQ
[sage saga]:2019/04/25(木) 10:20:24.81 ID:6h9tszzI0
愛里寿(葬儀の終えた教会にて、一人佇む彼)
愛里寿(その大きな背中は、普段よりも小さく見えて、)
愛里寿「あの……」
愛里寿(その背中に、私は声を掛けた)
愛里寿(腕の中のボコを強く抱き締め、平静を保つように言い聞かせる)
キャップ「君は……?」
愛里寿(彼は頬に伝う涙の痕を拭き取りながら、赤い瞳で振り返った)
愛里寿(それは、いつもの凛々しい彼と比べて余りに痛ましくて……何でか、私も泣き出したくなってしまった)
8 :
◆frihpkihn.ZQ
[sage saga]:2019/04/25(木) 10:20:58.81 ID:6h9tszzI0
愛里寿「あの、私、貴方のファンで……」
愛里寿(言葉が上手く出てこない)
愛里寿(彼の力になりたいと、彼を励ましたいと思って、海を渡って来たのに、)
愛里寿(余りに痛ましい彼の姿を目の当たりにしたら、胸が詰まって、言葉が出てこない)
愛里寿「あの、その……」
愛里寿(彼も、私の様子に何かを察した様子だった)
愛里寿(膝を折り、目線を合わせて、優しく微笑む)
キャップ「可愛い人形だね。その子は何て名前なんだい?」
愛里寿「こ、この子は『ボコ』……」
キャップ「ボコ、か。可愛い名前だ」
愛里寿「うん。『ボコ』は可愛いくて……とっても弱いの」
キャップ「そうなのか? そうか、それはまるで―――」
愛里寿(そこで、一瞬言葉を区切って、彼は続けた)
愛里寿(―――まるで、僕みたいだな、と)
愛里寿(自嘲的な微笑みと共に、彼は零した)
愛里寿(それは現状に打ちひしがれた彼が思わず零してしまった、本音のようなものなのだろう)
愛里寿(人々を巻き込み非難され、ヒーローとしての活動を管理されそうになり、かつての愛する人を失い……)
愛里寿(……彼は、傷付いていた)
9 :
◆frihpkihn.ZQ
[sage saga]:2019/04/25(木) 10:21:49.56 ID:6h9tszzI0
愛里寿「違う……違うの!」
愛里寿(その余りに寂しげな表情に、思わず声を張り上げていた)
愛里寿(伝えたかったのだ)
愛里寿(『ボコ』の、そして彼の―――本当の強さを)
愛里寿「『ボコ』は弱くて、弱くて……いつも喧嘩を売ってはボコボコにされてるけど……」
愛里寿「ボコボコにされて……いつも傷だらけだけど……」
愛里寿「それでも、立ち上がるの」
愛里寿「立ち上がって、何度だって立ち向かうの」
愛里寿「どんなに強い相手にだって、勝ち目のない相手にだって、『ボコ』は立ち向かう」
愛里寿「それでも敵わなくて、もっともっとボコボコにされても―――」
愛里寿「―――『ボコ』は、何度だって立ち上がるから」
愛里寿(私の言葉に、彼は何かを気付かされたように固まり、)
キャップ「そうか……ああ、そうだな」
愛里寿(そして、強く強く頷いた)
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