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【艦隊これくしょん】漣が親子丼で提督と大変な大淀【艦これ】
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1 :
◆yJGN1SPTmzFo
[saga]:2019/04/23(火) 20:32:58.19 ID:McAfJMM80
最後にちょっとだけ安価で投票があります
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1556019177
2 :
◆yJGN1SPTmzFo
[sage saga]:2019/04/23(火) 20:36:37.02 ID:McAfJMM80
提督「大淀! 助けてくれ!」
大淀「あらあら、どうかしましたか、提督」
提督「漣に嫌われてしまった……!」
大淀「……本当ですか? 何かの誤解なのでは?」
提督「本当なんだよ! 俺のことを完全に無視して全く口もきいてくれないんだ!」
大淀「はあ……? でも、いったいどうして?」
提督「それがわからなくて困ってる。朝、普通に挨拶をしたら……」
―― 今朝 鎮守府廊下
提督「あー今日も眠いな。しかし仕事だ」
提督「深海棲艦どもめ。戦争が終わったら一年くらい休みを取ってどっか旅行したいぜ」
提督「ん、向こうから歩いてくるあれは……今日の第一艦娘か」
漣「…………」
提督「よ、おはよう、漣」
漣「…………」
提督「……おい? 漣? なぜ黙って俺の横を通り過ぎて行く」
漣「…………」
提督「おいまて! 漣!」
漣「…………」
提督「待てっての、漣! なぜ俺を無視する!」グイッ
漣「…………」パシッ
提督「さ、漣……」
漣「…………」
3 :
◆yJGN1SPTmzFo
[sage saga]:2019/04/23(火) 20:38:35.41 ID:McAfJMM80
――現在
提督「という感じでな」
大淀「ほ、本当ですか? あの漣ちゃんが?」
提督「こっちを見てもくれないんだぜ。傷つく」
大淀「……でも、私がさっき話した時は普通でしたよ」
提督「俺がもう一度話そうとした時は無視された」
大淀「少し信じられませんけど」
提督「全く、俺が何をしたってんだ」
大淀「いきなり目の前で全裸になって襲い掛かったとか」
提督「してねーよ」
大淀「ですよね」
提督「仮にしたとしても、漣はそのくらいであんな怒んないだろ」
大淀「……ですかね?」
提督「よし、こうなったら大淀! 漣を探して会話をしてくれ!」
大淀「え?」
提督「そこに俺がやってきて、自然に会話に混ざる」
大淀「ふむ」
提督「そうすりゃ、とりあえず会話はできる。多少ぎこちなくなったとしても、何に怒ってるのかを聞き出すきっかけくらいにはなるだろ」
大淀「なるほど」
提督「頼んだぞ。俺は後ろのほうに隠れている」
大淀「わかりました。会話の内容はどうしましょう?」
提督「そうだな……。仕事の話から入って、さりげなく俺の話を振るというのはどうだ。うまくいけばそのまま理由を聞いてくれても構わない」
大淀「了解です。それでしたら、さきほど漣ちゃんと話した遠征の件を……」
提督「ふむ。それなら……こういう感じで……」
大淀「ええ!? 本気ですか!? ……わ、わかりました……」
提督「よし、作戦決行だ!」
4 :
◆yJGN1SPTmzFo
[sage saga]:2019/04/23(火) 20:40:28.28 ID:McAfJMM80
大淀「あ、いたいた。漣ちゃーん」
漣「大淀さん? どしたの? また漣に何かご用?」
大淀「ええ、さっき話した次の遠征なんだけど、詳細が決まったから伝えておこうと思って」
漣「はや!? まじで? 急ぎ?」
大淀「いえ、たまたま提督の手が空いていたので、先に決めてもらったんです。提督も漣ちゃんもそのほうが助かるだろうからって」
漣「……あ、そ……ふーん……」
大淀(露骨に機嫌と態度が悪くなった)
大淀「……どうかしました?」
漣「……べつにー」
大淀「ひょっとして、提督と何かあった、とか?」
漣「……なにもぉー。というか、ご主人様とかどうでもいいし。遠征の話をしましょ」
大淀「あ、はい……」
提督(……大淀でも聞き出せなかったか。こうなったら俺みずから行くしかないな)
提督「よ! 二人ともこんなところで何してるんだ? ひょっとしてさっきの遠征の話か」
大淀「あら、こんにちは提督。ええ、その話をしてました」
漣「………………」
大淀・提督(完全に無視!)
提督「あー、漣。なんで黙ってるんだ?」
漣「………………」
大淀「漣ちゃん、やっぱり何かあったの?」
漣「何もないです」
提督「何もないなら普通に話くらいしてくれたっていいだろ?」
漣「………………」
大淀(思った以上にかたくなだわ。これはよっぽどのことが……?)
提督(もっと思い切った攻め方をする必要があるな。よし!)
5 :
◆yJGN1SPTmzFo
[sage saga]:2019/04/23(火) 20:42:02.98 ID:McAfJMM80
提督「漣、なぜ何も言わないんだ。『俺は何もしていない。そうだろ?』」
漣「ふんっ」
大淀(……! このセリフはさっき打ち合わせたパターンCのサイン……ほ、本当にいいのかしら?)
提督(構わん! 来い!)クワッ
大淀(じゃ、じゃあ……えいっ!)
パシーン!
提督「ぐわっ!」
漣「!? お、大淀さん!?」
大淀「提督! 漣ちゃんに何をしたんですか!」
提督「な、何をって。だから俺は何もしていない!」
大淀「嘘です! こんなに漣ちゃんを怒らせて……何かひどいことをしたんでしょう!」
提督「い、いや、俺は本当に何も……」
漣「あ、あの、えっ、えっ」
大淀「本当ですか? 本当に、天地神明に誓って、絶対に100%完全に徹底的に何もしていないと言えるんですか!?」
提督「う、いや、その……。確かに俺は気の利かない男だ。もしかすると気づかないうちに漣を傷つけてしまったのかもしれない」
大淀「やっぱり! さあ、ちゃんと謝ってください!」
提督「すまなかった! 漣! 許してくれ!」
漣「えっ、ま、まあご主人様がそこまで言うなら……?」
大淀「誠意が足りないんじゃないですか、提督! ほら、ちゃんと頭を地面にこすりつけて謝らないと!」グイグイッ
提督「ううっすまない漣ぃ……。本当に悪かったぁ……」
漣「や、やや、やめて! 大淀さんも、漣はもういいから!」
大淀「そうですか……。提督、反省しましたか? 漣ちゃんの寛大で慈悲深い心に感謝してください」
提督「ああ、悪かった……」
提督(完璧だったな、大淀!)
大淀(こっちのほうがドキドキしました!)
提督(この手は使えるな、覚えておこう)
大淀(私以外の艦娘とお願いします)
6 :
◆yJGN1SPTmzFo
[sage saga]:2019/04/23(火) 20:43:28.52 ID:McAfJMM80
大淀「……こほん。それで、漣ちゃん。本当は何があったの? 提督は覚えていなかったけど、もしも法に触れるようなことなら私から報告してしかるべき罰を……」
提督「どんな処罰も受ける所存です」
漣「そ、そういうわけじゃないですけど」
大淀「話しにくいことなら、私にだけでも……」
漣「いえ……よく考えたら、ちゃんと話をしてご主人様にも反省してもらわないといけないし!」
提督(何をしたんだ、俺は)
漣「ご主人様、昨日の夕食を覚えてる?」
提督「へ? おや……」
漣「親子丼でしたよね!?」
提督「は、はい。なぜそれを」
漣「間宮で親子丼。ご主人様は気づかなかっただろうけど、漣は見てた!」
提督「なにっ、そうだったのか! ……え? だから?」
漣「はぁ!? しらばっくれる気!?」
提督「ちょっとまて本当に何がなんだかわからない!」
大淀「あ、あのー、漣ちゃん? 私にもわかるように、順を追って最初から話してくれる?」
漣「……わかりました。そう、あれは一年前の2月20日のこと……」
提督・大淀(一年前にさかのぼる話なの!?)
7 :
◆yJGN1SPTmzFo
[sage saga]:2019/04/23(火) 20:46:46.91 ID:McAfJMM80
―― 一年前 2月7日 21時55分( 提督・大淀(分単位で覚えてるの!?) )
提督「腹減ったな……」
漣「うー、早く終わらせてよ、ご主人様」
提督「そうは言ってもこの書類の山が……」
漣「溜め込みすぎ!」
提督「すまん、色々忙しくて……。これ徹夜コースかもしれない」
漣「はあ……」
提督「漣、コンビニに行って何か買ってきてくれるか。外出許可は俺がいまここで出す。書類も用意……」
漣「仕事を増やしてどうするんですか! ……しょうがないなー。漣がいまから何か食べるものを作りますよ」
提督「漣が!? 料理とかできたのか!? 見たことないぞ!?」
漣「漣様にかかれば余裕ですしー。えーとスマホスマホ」
提督「……なんでスマホを見てるんだ」
漣「決まってるでしょ? レシピ検索ですよ」
提督「本当に料理できるのか……?」
漣「ご主人様こそ料理を甘く見てるんじゃないですか? ちゃんとしたレシピを見ながら作業したほうが成功率は高いんですよ!」
提督「成功率……。まあいいや。全てまかせる」
漣「はーい。えーとご飯の炊き方っと」
提督「そこからかよ! 二つの意味で!」
( 現在の提督(あー、そういえばそんなこともあったような……) )
( 現在の大淀(提督が完全に忘れてたって顔してますね) )
8 :
◆yJGN1SPTmzFo
[sage saga]:2019/04/23(火) 20:51:41.37 ID:McAfJMM80
―― 23時40分
提督「……いま冷静に考えると漣に外出許可を出して、料理にかける時間を俺の手伝いに回したほうが効率が良かったな」
漣「なにブツブツ言ってるんです? もうすぐできますからねー」
提督「楽しそうだな、漣……」
漣「楽しいですよー」
提督「書類とにらめっこするよりもか」
漣「……あのねえ、ワタクシはご主人様のためにやったことのない料理をしてあげてるんですよ? もうちょっと感謝の気持ちを表してくれてもいいんじゃね? と漣は思うのでした」
提督「そうだな、ありがとう漣。で、終わったら俺の仕事も手伝ってくれるんだよな」
漣「おっと労働基準法違反をうながすパワハラですな! 漣の何気ないツイートから鎮守府炎上! 提督解任!」
提督「うるさい。戦時下における特別艦娘法では、指揮官が艦娘の労働時間と内容に関する裁量権が委任されている。イヤなら艤装を解体して放り出してやる」
漣「ホントにパワハラっぽいセリフ……。えーと、後は卵を落として……はい、できあがりっと」
提督「……できたか」
漣「できたよー! じゃーん! 漣特製、親子が! ドーン!」ドーン
提督「ほう。これは親子丼だな」
漣「そう言ったよ?」
提督「さっそくいただきます」
漣「めしあがりやがってくださーい」
提督「ふむ……見た目は普通だ」
漣「漣が料理できないキャラみたいに言うのやめてもらえます?」
提督「実際、初挑戦だったんだろ。どれ、味は……」モグモグ
漣「漣もいただきまーす」モグモグ
提督(ふむ……至って普通の味だな。ネットのレシピを見ながら作っただけのことはある。食材は冷蔵庫に残っていた肉と玉ねぎだし、味付けも市販の麺つゆだし)
提督「……これは……」チラッ
漣「…………………」ジーーーーーーーッ
提督(……とはいえ、普通の味だなんて感想は言えない雰囲気。実際、初挑戦でこれだけできれば大したものだ。ネットのレシピを忠実に守れるだけの力はあるわけだからな。よし!)
提督「……うまい! これはうまいな!」
漣「ホント!?」
9 :
◆yJGN1SPTmzFo
[sage saga]:2019/04/23(火) 20:54:43.29 ID:McAfJMM80
提督「ものすごくうまい! すばらしい……。これほどの味を出せるとは。作り手の顔が浮かぶようだ……」
漣「えへへへ、えへへへへへ……」
提督(作り手は目の前にいるだろ、というツッコミもないくらい喜んで照れてる。褒め甲斐があるやつだ)
提督「うーむ、こんな親子丼を食べてしまったら、もう他の親子丼は食べられないかもしれないな……」モグモグ
漣「そ、そこまで?」
提督「ああ、きっとそうだ。……ごちそうさま」
( 現在の提督(あっ! そういや、そんなこと言ってたっけ!) )
( 現在の大淀(だから漣ちゃんは怒ってたんですね……) )
漣「もう食べ終わったの?」
提督「あまりにもうまいからあっというまに無くなってしまった。今は寂しさを感じている」
漣「そ……そんなにおいしいかな? ちょっと大げさに言ってない?」モグモグ
提督「そうか? 漣の気持ちがこめられていたからかもな」
漣「ちょ、何言ってるかなこの人」
提督「漣がどれだけ俺を愛しているか伝わってきたぞ」
漣「あ、愛してねーし!」
提督「そうか? 俺は愛してるぞ」
漣「きゅ!? きゅっ、急に何言ってんの!」
提督「いや、ベッドの上で言うだけじゃ芸がないから、たまにはいいかなと思って」
漣「……ふん。さっきは漣のこと、放り出してやるとか言ってたくせに」
提督「ん? ひょっとして気にしてた?」
漣「べ、べつに」
提督「……バカだな、そんなことするわけがない。俺は漣無しじゃ生きていけないよ。もし漣がやめたいと言い出しても、あらゆる手を尽くして引き止める」
漣「えっ、重……」
提督「素で引くなよ! 言っとくがお前がこのまえ言ってほしいっつってたセリフだからなこれ」
漣「急すぎてちょっと……」
提督「わがままだな」
漣「だって、ほんと急なんだもん……。なんでそんな、いつも言わないことばっかり……」
提督「きっと漣の親子丼のせいだ。本当にうまい親子丼を食べたとき、人は心底ホッとして本音を言ってしまうという」
漣「飲み干しちまったな命のスープ……いやそれラーメンでしょ!」
提督「気にするな」
漣「適当〜」
提督「漣、愛してるぞ」
漣「だから、適当!」
提督「キスしていいか」
漣「………………………………食べ終わったら」モグモグ
10 :
◆yJGN1SPTmzFo
[sage saga]:2019/04/23(火) 20:58:26.05 ID:McAfJMM80
――現在
漣「ということがあったのに!」
大淀「…………」
提督(大淀の表情がすごいことになっている。写真に収めたい)
提督「いや……確かに、もう他の親子丼は食べられないかも、とは言ったな。すまない」
漣「それだけ?」
提督「で、でもな。漣の親子丼は確かに絶品だったが、間宮の親子丼もそれに負けず劣らずな逸品で……って、いや、言い訳じゃなくて」
漣「違うでしょ?」
提督「え」
漣「きのうの! ご主人様は! そうじゃなかったでしょ!?」
11 :
◆yJGN1SPTmzFo
[sage saga]:2019/04/23(火) 21:01:06.92 ID:McAfJMM80
――きのうの間宮
漣「あー……今日の訓練きつかったっす……まじ……やむ……」
皐月「そう? ボクはまだまだいけるけど」
吹雪「皐月ちゃんは頑丈だねえ……」
不知火「基礎体力づくりができている、ということなのでしょう。不知火も見習わなくては」
漣「そういうぬいっちも平気そう〜」
不知火「そうですか? 実際はもう不知火も限界ですよ」
皐月「顔に出さないよね。大丈夫? 無理してない?」
不知火「弱いところを見せないのも、戦術です。敵に弱さを見せれば甘く見られてしまいますから」
漣「そう? あえて見せるのも戦術じゃない? チョーシにのらせてガッ、ってさ」
不知火「なるほど。駆け引きですね」
吹雪「うーん、私はどっちも無理かなあ……。はあ、疲れたあ……」
ガラッ
提督「あー……疲れた」
漣「!」ピクッ
皐月「あ、司令官だ」
吹雪「司令官も疲れてるみたいだね」
不知火「……いえ、司令はあえてそう見せているのかもしれません」
皐月「ボクたち、ガッてされちゃうのかな?」
漣「…………」
12 :
◆yJGN1SPTmzFo
[sage saga]:2019/04/23(火) 21:04:53.68 ID:McAfJMM80
吹雪「漣ちゃん、どうしたの? 急に黙ってうつむいちゃって」
漣「え、べ、べ、べ、べつになんでも〜」
皐月「あはは、漣は司令官に弱いところを見せたくないんだよね。だから黙って気配を殺してるんでしょ?」
漣「モロバレの上にネタバラシッ……」
不知火「弱いところを見せるのも戦術では?」
漣「み、見せないのも戦術でしょ」
吹雪「そうだったんだ……でも、どうして?」
皐月「司令官はさ、漣が弱ってると結構心配しちゃうんだよね。いつも元気なイメージだから」
不知火「教導艦娘に、さりげなく訓練をもう少し易しくできないかと聞いたこともあります」
皐月「過保護すぎだよね」
不知火「愛されているのでしょう」
漣「あーッあーッ、やめてーッ……」
吹雪「へえ〜? ふ〜ん?」
漣「その顔もやめてー……」
提督「えーっと、何を食べようかな……」
バイトしてる陽炎「いらっしゃーい、司令。はい水。なんと、タダ!」
提督「何言ってんだ。水は普通タダだろ」
陽炎「そうとは限らないわよ? 撤退中に海上に一人取り残されたりすると特に」
提督「その状況じゃいくら金を積んでも水は買えないだろ……」
陽炎「タダで水を飲める平和に感謝、そして平和をもたらしてくれる艦娘に感謝しようってこと! あ、ちなみに私も艦娘なんですよ〜。知ってた?」
提督「すごい繋げ方してくるな。感謝します。ありがとう陽炎さん。ついでに明日から遠征いってきて」
陽炎「えー! 明日もここでバイトのシフトが入ってるんだけど!」
提督「……訓練の後なのに、新作料理の試食ができるってだけでよくやるよな……。ともかく、副業よりも本業が優先で」
陽炎「ちぇー。で、ご注文は?」
提督「んー。今日のオススメをくれ」
陽炎「このお店はご存知のとおり、なんでも美味しいわよ。なんと水も真水でタダ」
提督「参考にならねえ。なら、陽炎の好きなもので頼む」
陽炎「なにそれ? えーと……親子丼でいい?」
提督「ああ」
漣「!」ガタッ
吹雪「きゃっ!」
漣「…………」
皐月「どうしたの、漣」
不知火「……身を乗り出して司令のほうを見つめていますね」
13 :
◆yJGN1SPTmzFo
[sage saga]:2019/04/23(火) 21:09:50.74 ID:McAfJMM80
陽炎「親子丼おまちー」
提督「配膳をありがとう。あと親子丼を食べられる平和をありがとう、艦娘の陽炎さん」
陽炎「そうそうその調子! もっと感謝して!」
提督「本当にこんなんでいいのか……? それじゃ、いただきます」モグモグ
陽炎「どう? どう?」
提督「え? いや、すごくおいしいけど」
陽炎「よかったー! 実はその親子丼、私が作ったの!」
提督「嘘だろ」
陽炎「ひどくない!? 本当だってば!」
提督「こんなに美味しい親子丼を陽炎が作れるわけないだろ……。多分、俺の生涯で一、二を争う味だぞ」
漣「……」ベキィ
吹雪「ひっ!」
皐月「大丈夫、漣?」
不知火「……握り折った箸が刺さって、掌から血が出ていますよ」
陽炎「本当なの!」
提督「じゃあ、どうやって作ったんだ」
陽炎「こうやってご飯をよそって……で、こんな感じで丼に親子を乗せたのよ」
提督「いや、確かに手つきは様になっている気がするけど、そこじゃなくて……」
陽炎「だから、厨房はみんな忙しいから私が仕上げと盛り付けをしてるってわけ」
提督「え、本当にそれだけで作ったって言ったの!?」
陽炎「それだけとは何よ。仕上げと盛り付けは料理の大事な工程でしょ? 間宮さんも褒めてくれるし」
提督「あ、あー、うーん。なるほど」
14 :
◆yJGN1SPTmzFo
[sage saga]:2019/04/23(火) 21:16:47.82 ID:McAfJMM80
提督(間宮は何でも褒めて伸ばすからな……。おそらく、最初はさぞ危なっかしい手つきだったのだろう。ここは自分も乗っておくか)
提督「確かに陽炎がこの味に(ほんのわずかでも)貢献しているのは確かだな。作ったというのも(完全には)嘘ではないし」
陽炎「でしょ!」
提督「ああ、頑張ったな、陽炎」
陽炎「そう? そうかな? ふふっ」
提督「この調子で工程を一つずつ習熟してけば、、全部自分で作れるようになるんじゃないか?」
陽炎「確かに、そうかも……」
提督「作れるようになったら、ぜひ食べさせてほしいな」
陽炎「わかった! 私、がんばる!」
提督「よし、頑張れ。これだけの味ならきっと店を開いてもいけるはずだ。戦争が終わったら姉妹と一緒にどうだ?」
陽炎「あー! それいいかも! ありがとう、司令!」ギュッ
提督「うわっ、おいおい、仕事中だろ? いや、仕事中じゃなくてもアレだが」
陽炎「あっごめん、嬉しくて! それじゃ仕事に戻るね」
提督「おお。明日もよろしく頼む」
陽炎「うん! それじゃあね! せんきゅっ!」
提督(……ふう。ちょっとおだてすぎた気もするが、艦娘のやる気を引き出すのも仕事のうちということにしておこう)
提督「うむ。親子丼がうまい」モグモグ
漣「…………」
吹雪「ひいぃ……」
皐月「漣ー? 聞こえてるー?」
不知火「顔が真っ赤を通り越して真っ白ですね……」
漣「…………」スッ スタスタスタスタスタスタ ガラッ
吹雪「あっ……さ、さざな……」
皐月「……行っちゃったね。これはしばらく放っておくしかないよ」
吹雪「し、司令官に話したほうがいいんじゃないかな?」
皐月「んー、あんまり二人の問題に首をつっこまないほうがいいよ」
吹雪「でも……」
皐月「っていうか、あの二人にはつっこむだけ損だから大丈夫」
吹雪「そうなの? 不知火ちゃんはどう思……」
不知火「……!」ガタッ
吹雪「ど、どうしたの!?」
不知火「不知火は今、重大なことに気がつきました」
皐月「重大なこと……?」
吹雪「な、なに……?」
不知火「はい。それは……」
吹雪・皐月「「それは?」」
不知火「漣が……支払いをせずに店を出て行ってしまいました」
吹雪・皐月「「あっ」」
三人「「「…………」」」
吹雪「と、とりあえず私が出しておくよ……」
皐月「いや! 司令官にツケておこ!」
不知火「陽炎にツケておいても構いません」
15 :
◆yJGN1SPTmzFo
[sage saga]:2019/04/23(火) 21:20:21.64 ID:McAfJMM80
――現在
漣「って感じだったでしょ! きのうは!」
提督「い、いやあれは別に……」
漣「別に、なに!? 漣の親子丼をあんなに褒めてたクセにすっかり忘れて、よそっただけの陽炎におべっかを使ってイチャイチャして……!」
提督「ま、まて、これも提督の仕事であって……」
漣「浮気してイチャつくのが仕事なの!?」
提督「そうじゃないって。単に陽炎にやる気を出してもらおうとしてだな……」
漣「……それ、やる気のために適当言ってたってこと? 漣にも陽炎にも?」
提督「そんな言い方はないだろ!」
漣「やっぱりそうなんだ! このスケコマシ! チャラ男! 浮気もの!」
提督「そうじゃない! 誰がチャラ男だ! ……大淀、何か言ってやれ!」
大淀「え」
漣「大淀さん! このクソご主人にバシッと言ってやってください!」
大淀「え」
提督「いくらなんでも俺は悪くないよな、大淀!」
大淀「え」
漣「どう考えてもご主人様が悪いよね、大淀さん!」
大淀「えー……っと……」
16 :
◆yJGN1SPTmzFo
[ saga]:2019/04/23(火) 21:25:02.54 ID:McAfJMM80
果たして大淀の決断は!
投票を23時くらいまで募集します
票数が同じ場合は、先に票が入った方を採用します
1 調子のいいことを言いつつ、一年前のことをすっかり忘れた上にほかの艦娘とベタベタする提督が悪い
2 一年前のなんでもない話を引きずりすぎて、提督を誤解して嫉妬する漣はもう少し落ち着いたほうがいい
3 痴話喧嘩に付き合わせてきた提督と、どう考えてもノロケでしかない話を聞かせてきた漣に、この大淀が思い知らせてやる
17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/23(火) 21:33:42.66 ID:AUVeQST00
これは3
18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/23(火) 21:36:57.75 ID:dLcerQ0uo
3
19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/23(火) 21:49:02.78 ID:tHfH8Ay3o
3
20 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/23(火) 22:43:19.12 ID:nGXGN0eJ0
3で
21 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/23(火) 22:48:21.04 ID:IYh8l6Buo
ああうんこりゃ3
22 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/23(火) 23:00:24.07 ID:+mYk+aI9O
3
23 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/24(水) 12:29:41.37 ID:9ESklc4/o
3
24 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/04/25(木) 01:44:29.42 ID:/XbhwPCZ0
集計とかしなくてよくて楽ですね
もう少し続きを書いたら再開します
25 :
◆yJGN1SPTmzFo
[sage saga]:2019/04/26(金) 21:47:12.06 ID:1jnO9W7O0
大淀「ああああああああああ! もう!!」
提督「おわっ」
漣「ひゃっ」
大淀「いいかげんにしてください、二人とも!!」
提督「あ、その」
漣「さ、漣は」
大淀「黙って聞いてれば、ただの痴話喧嘩じゃないですか! 二人の間で解決するべきことでしょう!」
提督「さ、漣が俺を無視するから……!」
漣「ご、ご主人様が色目を使って……!」
大淀「はいそこ! また私の前でケンカを始めるつもりですか!?」
提督「滅相もございません……」
漣「申し訳ありませんでした……」
大淀「……ちょっと二人とも、こっちに来てください。こんなところで騒いでいたら迷惑なので」
提督「あ、はい」
漣「そ、そうですね」
――執務室
大淀「いいですか、二人とも」
正座してる提督「はい」
正座してる漣「はい」
大淀「貴方達は私を何だと思ってるんですか?」
提督「はっ、他に類を見ない有能な軽巡洋艦娘であると思っております」
漣「いつも優しくて頼りになる軽巡かなって……」
大淀「過分な評価をいただき、ありがとうございます。ですが、有能で頼りになるからといって、果たして痴話喧嘩の裁定役を任せてよいものでしょうか」
提督「……いえ、そうは思いません」
漣「その……ごめんなさい」
大淀「よろしい。しかし一度は役目を仰せつかった身。卑小なわが身ですが、精一杯にお二人の裁定をさせていただきましょう」
提督「い、いやそれは」
漣「そ、そんなお手間を取らせるわけには」
大淀「これより、貴方がたの発言は内容次第で、私の裁定に対して不利に働く可能性が生じます」
提督・漣「「…………………」」
大淀「では、まず提督」
提督「はい」
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