天魔の使役者【安価】

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/20(土) 23:12:33.42 ID:lFcXvfi90
東の国に『天使と契約する男』がいた。その男は、非常に聡明で心優しい人であった。

西の国に『悪魔と契約する女』がいた。その女は、勇猛で気高い人であった。

戦場で出逢った二人はたちまちのうちに恋に落ち、遠く離れた国で仲睦まじく暮らしていた。

愛は形を成し、一人の男が産まれた。父と母、二人にそっくりな子供だった。

父が従える天使も、母が従える悪魔も、その誕生を祝福した。胸中の思惑は違えど、喜ばしいと素直に思っていた。

しかし、世界は彼らに非情な運命を与えた。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1555769553
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/20(土) 23:25:10.14 ID:lFcXvfi90
妬みか、恐怖心か。今では何が理由だったのか不明だが、それは起きた。

子供が三歳の誕生日を迎えた時。何者かが家に押し寄せ、両親を殺害したのだ。

天使も悪魔も、その時は家にいなかった。平和だと思っていた両親は、突然振るわれた凶刃に命を奪われた。

だが、何を想ったのか。子供だけは殺さなかった。泣きじゃくる子供を気絶させ、殺人鬼は誘拐した。

殺人鬼は十年以上もの間、子供を洞窟に幽閉した。光の無い洞の中で、子供は時を待っていた。自由を手にするその時を。

そして今、時は満ちた。男は、温めていた計画を実行する。

両親から受け継いでしまった力で、この檻を抜け出す計画を。


下3までが召喚する天使、下4〜6までが召喚する悪魔です。
神話に出てくる奴らの名前を使っても良し。オリジナルの名前を付けても良し。自由にどうぞ。
投稿するキャラは名前と特徴とかをセットでお願いします。

それぞれの範囲内で最高コンマを採用しますが、ゾロ目キャラがいたら別枠で採用となります。
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/20(土) 23:30:44.54 ID:rBXTJEvZ0
名前:ウリエル
特徴:白髪の短髪、細マッチョ。性格は寡黙にして熾烈。契約者を阻む全てを破壊する。
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/20(土) 23:32:44.60 ID:itG/4uQv0
ダイシエル  賽子と方位磁針を持ち運命をつかさどる天使 人の難事に置いて僅かな幸運を与える
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/20(土) 23:37:44.32 ID:jSv0vQOZ0
名前:アサエル
特徴:金髪の慈愛溢れる女性。癒やしと豊穣を司る
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/20(土) 23:37:59.44 ID:kjqCcQ43O
名前:ハエレ
特徴:黒髪褐色肌の逞しい身体付きの男の姿をしている
新しいもの好きで人間界のファッションをしている
巨大な斧をいとも簡単に振り回す
雷属性
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/20(土) 23:41:44.48 ID:DRil/nt00
サムソン
特徴:炎を操る、むさくるしい
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/20(土) 23:42:00.06 ID:uUDc/ECJO
名前:ラファエル
特徴:金髪長髪でモデル体型。おっとりして面倒見が良い。体や精神を治癒したり癒すことが得意。
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/20(土) 23:43:24.94 ID:uUDc/ECJO
>>8天使として書いてしまったのでなしで
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/20(土) 23:57:58.11 ID:lFcXvfi90
男は指を噛み切り、血液を地面に垂らす。血溜まりに手を添えると、勝手に広がって魔法陣が描かれた。

そして、男は祈りを込める。『助けてほしい』と、心の底から叫ぶ。

天使や悪魔を召喚する方法を、両親から教えてもらってはいない。

だが、知っているのが当然、とでもいうように身体が動いた。頭もクリアで、違和感を憶えることも無かった。

自身にどれだけの力があるのかは分からないので、天使と悪魔を一人ずつ呼ぶつもりで二つの魔法陣を用意した。のだが。

「迷える者よ。貴方に細やかな祝福を授けましょう」

「よぉ坊ちゃん。お前さんのことは、あの女から聞いてるぜ。ま、よろしくな」

「フハハハハハ!我はサムソン!万物を焼き尽くす炎王である!」

何故か三人召喚されてしまった。天使が一人と悪魔が二人。完全に予想外である。

「…で。『助けてほしい』って言われて来たわけだが。何があったんだ?」

「ハエレよ。そんなことも分からんというのか!?悪魔にあるまじき失態だ!!!」

「あぁん?はっ倒すぞ」

「状況から推察するに、幽閉されているのでしょう」

「なるほどな」

天使の推論を聞き、ハエレと呼ばれた悪魔は納得する。身の丈を超える斧が、威圧感を放っている。

「…じゃあ、やるか。サムソン」

「応!!!」

そして、悪魔二人が勝手に暴れ始めた。
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/21(日) 00:08:07.90 ID:mlYMvaT00
「そぉらぁ!」

ハエレは巨大な斧を軽々と振り回し、部屋を覆っていた檻を容易く消し飛ばす。

異変に気付いた看守が向かって来たが、サムソンは燃え盛る炎で消し炭と変えた。

その後ろを、天使に隠れながら男は進んでいた。

「…よもや、悪魔と肩を並べる日が来るとは。これもまた、運命というものでしょうか…」

賽子を天使が振る。出目は『1』だった。

「…『天』。貴方の道には光がありましょう」

にこやかに微笑む天使に、男は名前を問う。天使は『ダイシエル』と答えた。

ハエレとサムソンが『勝手に』開いた道。その先には確かに『光』があった。
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/21(日) 00:18:22.42 ID:mlYMvaT00
「ここまで逃げりゃ、どうにかなるだろ」

「雑魚しかいなかったな…。つまらぬ!」

洞窟から数百M離れたところにある滝の傍で、男たちは休養を取っていた。

切り株に腰掛けたダイシエルは、方位磁針を回す。カラカラと音を立てて回っていた針が、ピタリと止まった。

「…『南東』。そこに何かがあります。吉と出るか凶と出るか。それは不明ですが」

「つっかえねぇな」

「『地』。…ハエレ。貴方に災難が降りかかるでしょう」

「何言ってんだこい」

ハエレが言い切るより先に、巨大な塊が後頭部に直撃した。その衝撃にハエレは堪らず、頭を抱え蹲る。

「…おぉぉぉぉぉ…。デッケェイガグリが…」

「フハハハハハ!焼けばさぞかし美味いだろうな!!!」

「サムソン…何笑ってやがる…」

「天使に踊らされるなど滑稽だろう!!」

「…治ったらぶっ殺す…」

ハエレを電撃が包む。それを見たサムソンは、高笑いを中断し構えを取った。

慌てて男が仲裁し、これからのことを話し合った。


下1にこれから何をするか。イベントでもOK。
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/21(日) 00:33:05.28 ID:kYmBHB6I0
悲鳴が聞こえる
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/21(日) 00:45:32.90 ID:mlYMvaT00
「…てぇことは、南東に行けば何かあるってことか」

「何があるかまでは不明です。それでも、行動の指標にはなるでしょう」

「ふむ。我が主よ!どうする!?!!」

どうするか男は頭を悩ませる。少なくとも、この場所を離れるべきだということは解っている。

しかし、考えが纏まる前に、エトランゼによって思考は中断されてしまった。

「悲鳴…ですか」

「だな」

「であるな」

ハエレたちが大暴れしてしまったので、幽閉していた組織たちはほぼ壊滅状態になっている。

声量と方角からして、彼らの関与は無いはずだ。悲鳴が聞こえてきた方向は、ダイシエルが言っていた『南東』だった。

助けに向かうべきか、見捨てるべきか。男はそちらに思考を切り替えた。


下1に助けに向かうか、下2にどんな状況かを。おまかせの場合はコンマ判定に変更します。
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/21(日) 00:47:05.23 ID:F9dDRE4S0
向かう
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/21(日) 00:51:01.23 ID:dFlcmS4to
山賊に襲われる女の子が
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/21(日) 00:57:43.82 ID:mlYMvaT00
助けに向かう、と男は言った。満足そうにダイシエルは頷くが、悪魔二人は不満そうだった。

「…何というか、そっくりだよ。お前」

「…うむ。一瞬だが、前の主を彷彿させた」

「やめろサムソン。マジであの女はトラウマなんだよ」

何があったのか想像もつかないが、酷く怯えているようなので触れないことにした。

男たちは悲鳴の聞こえた方角、『南東』に向かう。鬱蒼と茂る木々の間を抜け、ただひたすらに走った。

主に、男を抱えたハエレが、だが。

「俺は運び屋かよぉぉぉぉ!!!」

満足に運動もさせてもらえなかったのだから、仕方のないことだ。
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/21(日) 01:16:22.34 ID:mlYMvaT00
「フハハハハハーーー!!!」

目視で人影を確認出来る距離まで進んだので、サムソンを先行させる。また高笑いしながら進んでいったが、癖なのだろう。

鞄を抱きかかえ、縮こまっている女の子を、絵本で見た山賊と全く同じ服装の集団が取り囲んでいた。

舌なめずりしながら近づいていた山賊たちは、乱入者によって水を差されたことに苛立ち、舌打ちをした。

「何ですかー?正義の味方気取りですかー?」

「お坊ちゃんが来ていい場所じゃねえよ。帰った帰った」

「力量の差を理解出来ん愚か者しかいないようだな!!!」

「あぁん!!?!?」

開口一番で挑発するサムソン。山賊もやっていたことだから別に問題は無いのだろうが、少し口が悪すぎないか、と思う。

それが『悪魔』だというのなら、何も言えないが。

「あー疲れた。…コイツら全員殺していいのか?」

「…運命は彼らの味方をしていなかったようですね。哀悼の意を捧げましょう」

「おっしゃ。楽しませてくれよ人間共」

悪辣な笑みを浮かべた悪魔は、雷鳴と獄炎のワルツを繰り広げた。
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/21(日) 01:25:44.42 ID:mlYMvaT00
「だから愚か者と言ったのだ!我らに喧嘩を売ろうなど!愚か者でしかないであろう!!!」

「はぁ…。本当に弱っちい野郎だな。一発は耐えてくれよ」

「え…?え…!?」

女の子を護るように円陣を組んでいた悪魔たち。周囲一帯は、炎と雷でしっちゃかめっちゃかになっていた。

「無事か?ガキンチョ。お前が生きてないと、あいつが煩くてな」

「主の願望を満たすのも、我らの責務よ!」

「は、はい…。大丈夫…です」

どこからどう見ても、子供をいびっているようにしか見えない。一応、彼らなりに配慮しているらしい。

怯えながら女の子は頷く。ダイシエルが近寄り、悪魔たちを追い払った。

「怪我はありませんね。どうして、このような場所にいるのですか?」

「あ、その…。おばあちゃんにお薬を届けて、その帰りに…」

「山賊に目を付けられ、襲われた、と。災難でしたね」

「はい…」

「ですが、運命は貴方の味方をしてくれました。日頃の行いが良かったからでしょう」

「けっ、働いたのは俺たちなのによ」

「フハハハハハ!こういう時は口を噤んでやるものよ!」

「お黙りなさい」

ダイシエルの賽子が、悪魔たちの顔面にめり込んだ。
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/21(日) 01:33:51.49 ID:mlYMvaT00
「………」

「………」

「これで良し」

頭から腰まで地面に埋め込まれた悪魔たち。それを笑顔で見届けたダイシエルは、女の子に質問をする。

「家はどこですか?」

「えっと…。すぐ近くの街…です」

「すぐ近く?まだ数KM以上あるではないですか」

「近くですよ?」

「…ああ。貴方にすれば、ですね」

ダイシエルは視線で『彼女をどうするか』と男に問う。男は逡巡するが、考えが纏まらない。

自分のことですら、手一杯の状況だ。数十分前に自由になったばかりの身なのだから。

『早く決めてください』と催促されながら、男は必死に考えた。


下1に女の子をどうするか。
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/21(日) 09:19:31.70 ID:jMNtKDuBO
家まで送ってく
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/21(日) 22:17:35.82 ID:UHjRhA7J0
男にとっての最善は、女の子を無視して街に向かうことだ。一度干渉してしまった以上、頭の中にそんな選択肢は存在しないが。

男の顔を見て、全てを悟ったのかダイシエルは微笑む。直感が囁いたのか、悪魔は小刻みに身体を震わせる。

「ありがとうございます…」

「あらあら」

遠慮がちに感謝を述べた女の子は、ダイシエルの傍にぴったりとくっ付く。本人も満更ではないようだ。

「…また、良いことしてやがる」

「悪魔には似合わんからな。しかし、それをハエレが言うか」

「…どういうことだ?」

「いや、契約に則ってこちらに赴いた我とダイシエルは兎も角、自主的に来たハエ」

「…坊ちゃん。今の話は無かったことにしてくれ」

サムソンの頭部を握りつぶしたハエレは、冷や汗を垂らしながら懇願する。

訳も分からず頷いた男だが、サムソンの安否に意識が向いて、それどころではなかった。

頭部を失ったサムソンは、特に気にする様子もなく腕を組んでいたので、問題無いようだ。

「…ああクソ。ネタばらしされちゃ恥ずかしいぜ…」

男を抱えたハエレは、頬を掻きながらそう呟いた。


下1に向かう途中で何をしたか。イベントもOK。
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/21(日) 22:26:33.47 ID:y5AKlW5u0
送り届けた後で最寄りの街を聞く
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/21(日) 22:40:48.98 ID:UHjRhA7J0
女の子が同行して数時間、一行は街に向かって移動を続けた。

道中で何者かに襲われるようなことは無かったが、筋骨隆々な斧使いと頭の無い人間がいたら、誰でも関わろうとはしないだろう。

『しかし…幼子よ。祖母に薬を届けている、とは言ったが、どれ程の頻度なのだ?』

「えぇっ…。顔が無いのに…喋ってる…!?」

『テレパシーである。悪魔には容易いことよ!!』

「そ…そうなんですね…。お薬は…週に二回です。場合によっては、毎日届けたりします」

「ほぉ。ご苦労なこった」

数KM離れていると言ったが、それは助けた地点からの話。実際には、どれだけ離れているのか分からない。

それでも、そんな長い道のりを泣き言一つ言わずに進む彼女に、男は素直に感服した。

「あ、あの街です」

女の子が指差した先には、空想の中でしか見たことのない立派な建築物が鎮座していた。
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/21(日) 22:46:34.49 ID:UHjRhA7J0
「ここまで来たら大丈夫です。ありがとうございましたっ」

街門を抜け、大通りの片隅で頭を下げた女の子。居心地が悪いからなのか、悪魔たちはどこかに逃げた。

「少し質問をさせていただきます。最寄りの街がどこに在るか、知っておられますか?」

ダイシエルの質問に、女の子はむむむと頭を悩ませた。

「えーっと…。山を二つか三つほど行くか、船に乗らないと行けなかったと思います…」

「小さな町とか村はいっぱいあるんですけど」

「ありがとうございます。では、お気を付けて」

「はいっ」

花のような笑顔を浮かべ、女の子は去っていった。


下1に次の行動かイベントを。
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/22(月) 00:21:11.05 ID:65Q/0qHS0
サムソンの頭は(物理的な意味で)大丈夫なのか聞いてみる
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/22(月) 01:03:13.53 ID:Jt2p4dCT0
そういえば、サムソンはデュラハン(首無し騎士)状態になっても平然としている。

先程会話?をしていたのだから大丈夫なはずだが、本当に問題が無いのか気になる。

その件について問おうと思った男だが、先手を打たれた。

『悪魔も天使も、余程の怪我で無ければ死にはせん!!!』

頭部損失は普通に致命傷だと思うのだが、と苦言を呈す。だが、サムソンはそんなことなどどこ吹く風とスルーを決め込んだ。

『そもそも、怪我をしようと帰還すれば完治するし、簡単に傷は治せる。今だって、意識を治癒に向ければ秒で治るのだよ!!』

何故そうしないのか。男は問うが、威風堂々とサムソンは言い切る。

『楽しそうだと思ったからだ!!!!!』

最早何も言うまい、と男は口を紡ぎ、サンドイッチを食べた。


下1に次の行動かイベントを。
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/22(月) 02:15:35.22 ID:IDKOyyNlO
さっきの女の子に瓜二つの子が話しかけてくる
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/22(月) 02:38:14.43 ID:UtQEI0T80
これって別の天使と悪魔を召喚することはあるの?
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/22(月) 11:26:40.18 ID:M+lB7MPQO
>>29、安価時にそういう行動を選べば召喚出来ます。人数制限がありますが、それは追々。


僅かな路銀を握り締め、男は街中を屯する。道行く人々の好奇の目が、傍を歩く天使や悪魔に注がれる。

サムソンは漸く自身の異常性を認識したらしく、騒ぎにならないように、とどこかに隠れた。

辿り着いた噴水広場には、幾つかのベンチが設置されていた。疲れも溜まっていたので、男は腰を下ろして休憩を取る。

そんな男の元を、一人の子供が訪れた。

「…んん?お前、さっきのガキンチョじゃねぇか」

ハエレの言う通り、そこにいたのは少し前に別れた女の子だった。そのはずだが。

何と言えばいいのか。どこかが違うのだ。服装も顔も、何もかもが同じはずなのに。

「暇があったら、ついて来てくれる?」

女の子は、蠱惑的な笑みを浮かべてそう問いかけてきた。


下1にどうするか。
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/22(月) 16:27:29.04 ID:eKPdLlA00
会話で正体を探る
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/22(月) 18:12:45.95 ID:M+lB7MPQO
『どこに連れて行くのか』と男は問う。女の子は『私の家』とだけ答えた。

だが、自分を招待する理由が分からない。感謝の気持ちを表すのなら、手頃な店で何かを奢れば済む話だ。

態々家に招いて、何かが起きたらどうするつもりなのだろうか。

「お茶でも振る舞いたいのよぉ。助けてもらった恩返しに、ね」

表情を崩さない女の子だが、やはり、何かが違う。男は注意深く様子を見る。

そして、気付いてしまった。周囲の人の視線の異常に。

自分たちに向けられているものこそは数あれど、目の前の女の子に向けられているものは一つもない。

もっと言えば、誰も彼女の存在を認識していない。

気付いてしまったら、恐怖が芽生えてきた。目の前にいる女の子は、男の知っている女の子に似た『何か』だ。

彼女はいったい、何者なのだろう。


下1にどうするか。イベントもOK。
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/22(月) 20:17:52.72 ID:65Q/0qHS0
警戒しながらもついていく
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/22(月) 20:28:08.11 ID:M+lB7MPQO
「ねぇ。行くの?行かないの?」

解答を迫る女の子だが、態度からしてついて行くまでずっと同じ質問をするだろう。

溜め息を吐いた男は、小さく頷いた。

「やったぁ♪じゃ、こっちに来て」

子供らしくパタパタと手を振りながら走って行く女の子。思ったよりも足が速く、男たちも慌てて後を追った。

「サムソンは役に立ちません。ハエレ、護衛は任せます」

「わーってるよ。天使が一々指図すんな」

怪訝な表情のまま、二人も追走する。向かう先には、既に廃墟になった教会が聳え立っていた。
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/22(月) 20:35:21.59 ID:M+lB7MPQO
「ここを開けたら、地面の扉を開いて」

指示に従い、入口の扉を開く。案の定と言うべきか、中は荒廃しきっていた。

女神像はボロボロに劣化し、パイプオルガンも錆び付いて不協和音を鳴らすだけ。

机の上の一対のティーカップも、皹が入って使い物にならなくなっている。

周囲を見渡す男だが、女の子の咳払いを聞いて意識を戻し、人一人がやっと入れそうな地面の扉を開く。

鈍い音を立てて開いた扉の先には、朽ち果てた木製の階段と闇が広がっていた。

「こっちよ」

軽快な動きで階段を降りていく女の子。今にも壊れそうな階段を進んでも一切の音が出ない。

その様子を見て首を傾げながらも、男は先に進んだ。
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/22(月) 20:43:34.44 ID:M+lB7MPQO
「こりゃあすげぇ…」

「ここは…」

男たちが進んだ先には、廃れた外観に相応しくない広大な空間が広がっていた。

左を見れば骸骨。右を見れば骸骨。辺り一面に、所狭しと骸骨が敷き詰められていた。

「…カタコンベ。聞いたことないかしら?別の呼び方だと…『地下墓地』かな」

前を歩いていた女の子は不意に口を開き、動きを止めた。女の子のすぐ後ろには、ガラスのケースが安置されていた。

「………!?貴女と同じ…顔…!?」

「ふふふ。びっくりした?」

ダイシエルの視線の先。ケースの中には、女の子と瓜二つの姿をした亡骸が入っていた。

死体のはずなのに今にも動き出しそうな、ただ眠っているだけのように思えるほど綺麗だった。

しかし、よく見ると右半身が欠損している。腕も、脚も。伸びているはずのものが無い。

「妹を助けてくれてありがと。本当に、お礼を言いたかっただけなのよ?私」

また、出会った時のような蠱惑的な笑みを浮かべた。


下1にどうするか。イベントもOK。
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