工藤新一の部屋 攻防戦

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1 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2019/04/11(木) 20:38:04.76 ID:O4xVBtq8O
アニメ準拠はほとんどありません
草は生えてませんが気分を害された方がいらっしゃったら申し訳ありません

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1554982684
2 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2019/04/11(木) 20:38:56.52 ID:O4xVBtq8O
蘭「…」ピンポーン

『…はい?』

蘭「あ、昴さん。蘭です」

昴『ああ!どうも』

蘭「新一のお部屋を掃除しようかと思いまして…」

昴『ええ。少しお待ち下さい。すぐ開けますので』

蘭「ええ」

昴『…ん?』

蘭「はい?」

昴『…新一君の、お部屋を?』

蘭「はい」

昴『…君は、今までに彼の部屋に入った事は?』

蘭「新一が居なくなってからは、まだ…」

昴『そうですか…』

蘭「…」

昴『…』

蘭「え?」

昴『え?』
3 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2019/04/11(木) 20:39:30.27 ID:O4xVBtq8O
昴『…一応、聞いておきますが…彼は男子高校生…ですが』

蘭「はい」

昴『それは、大丈夫でしょうか?』

蘭「はい」

昴『…そうですか…』

蘭「はい」

昴『…』

蘭「…」

昴『え?』

蘭「え?」
4 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2019/04/11(木) 20:40:02.76 ID:O4xVBtq8O
蘭「お邪魔します」

昴「そんな…僕は居候の身ですから。君の頼みでしたら、断れる訳もありません」

蘭「じゃあ…」

昴「宜しければ、どうぞ。お口に合うかどうか…レアチーズケーキです」コト

蘭「あ、わざわざありがとうございます!…美味しそー!」

昴「光栄です。最も食べてもらう相手がいないもので、味の保証は出来かねますが…」

蘭「そんな…きっと美味しいですよ!…んっ」パク

昴「どうでしょうか?」

蘭「…んー!酸味があって、程良い甘さて…!」

昴「それは良かった。嬉しい限りですよ」

蘭「…あ!新一の」

昴「新一君からは、連絡はありましたか?」

蘭「…あれから、たまに連絡はあるんですが…修学旅行以来、会えてなくて…」

昴「彼にも事情があるんでしょう。それに、公認の仲になった事ですから…ね」

蘭「え!?どうして知ってらっしゃるんですか?…あ、園子…」

昴「申し訳ありません。本来僕のような立ち位置の者が聞くべき事ではないのですが…」

蘭「い、いえ!…あはは…嬉しいのは、確かですから…」

昴「…」

蘭「ずっと…待ってたんですから…」

昴「そう…でしょうね…」

蘭「…あ、新一の」

昴「僕からも、お祝いの言葉を贈りますよ」

蘭「えへへ…ありがとうございます」

昴「良いですねぇ。とても…」

蘭「それで、新一の部屋」

昴「(聞く頻度が早まっている…!)」
5 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2019/04/11(木) 20:40:30.69 ID:O4xVBtq8O
蘭「やっぱり、いい加減埃も溜まってるでしょうし」

昴「僕もたまに彼の部屋を掃除させてもらってますよ。ですから気にするほどでは…」

蘭「ほら、新一って変な事気にするくせに大事なとこは気にしないっていうか…そういうところ、あるんですよ」

昴「そうでしょうか?僕が見た限りでは…」

蘭「ボールの位置は絶対気にするのに、机がずれてても気にしなかったり、布団が皺くちゃでも気にしなかったり…」

昴「…」

蘭「本は番号順じゃないと嫌なくせに、上下逆さまだったり…色々…えへへ…」

昴「…おっと失礼。電話があったみたいですね。気付きませんでした」

蘭「あ、はい!」

昴「宜しければおかわりをお持ちしますので、どうかそのままで」

蘭「ありがとうございます。でもとりあえず新一の部屋に行ってきますね!」

昴「!」
6 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2019/04/11(木) 20:40:59.16 ID:O4xVBtq8O
…。

元太「…あれ?博士、もうお菓子無くなっちまったぜ」

博士「何じゃと?あれだけの量を!?」

光彦「え!?一人で食べたんですか!?」

歩美「歩美達の分は!?」

元太「へへへ…ご、ごめん…」

光彦「…もー…仕方ないですねぇ。買ってきますか?宜しければ僕が行ってきますよ」

博士「おお。それじゃったら…」

コナン「…?」
『♪』

哀「…どうしたの?」

コナン「いや…電話…」

哀「そっちって事は、江戸川君、みたいね」

コナン「おお。…ん?」

『沖矢昴』

コナン「!!!?」

哀「…どうしたの?」

コナン「…いや、何でもねぇ!」ガタッ

哀「…」

歩美「?コナン君どうしたの?」

光彦「お菓子なら元太君が食べちゃいましたよ」

コナン「悪りー!ちょっとトイレ!!」

阿笠「お?お、おお…」

元太「どうしたんだあいつ…」

哀「…」
7 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2019/04/11(木) 20:41:42.22 ID:O4xVBtq8O
コナン「…も、もしもし?」

昴『坊や。今何処にいる?』

コナン「…は、博士の家だけど…』

昴『そうか。ならば間に合いそうだな』

コナン「?…な、何があったの?」

昴『坊やにはそこまで関係無い事かもしれないが、工藤新一君、の部屋…』

コナン「お…し、新一兄ちゃんの部屋がどーしたの?」

昴『毛利探偵の娘さんが、踏み込もうとしていてね』

コナン「へ、へー…」

昴『…』

コナン「…」

昴『…』

コナン「…ハァ!!!!?」
8 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2019/04/11(木) 20:42:17.99 ID:O4xVBtq8O
昴『すまない坊や。止めようとはしたんだが、今の彼女を言葉で止めるのは無理だ』

コナン「な、何とかしてよ!!ダメだよ!!こ、ここっ…高校生、男子高校生の部屋だよ!!!?」

昴『掃除が目的とは言っているが、どうやら本星は別にありそうだ』

コナン「な、そ、そんなの無いし!!無いから止めて!!止めてください!!!」

昴『私の立場上、彼女を止める事には限界がある。それに彼女は今、彼の部屋に入る事以外一切の情報を遮断している』

コナン「ちょ、ちょっと!!ボク行くから!すぐ行くから!時間稼いで!!お願い!!!」

昴『やれる事はやった。後は工藤新一がいかに自分の秘密を守り通せる人間かどうか…』

コナン「ひ、ひひ秘密なんて無いよ!!無いと思うよ!!!無いんだからな!!!」

昴『…そして、毛利探偵の娘がいかに彼の秘密を破るのか…』

コナン「止めて!!羽交い締めでも良いから!!」

哀「何してるの?」

コナン「ゴッ…!!」
9 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2019/04/11(木) 20:43:01.95 ID:O4xVBtq8O
コナン「………」

哀「どうしたの?まるでバレたくない性癖がバレた時みたいな顔して」

コナン「な、何でもない。何でもない…」

哀「そう?じゃあ円谷君と一緒におつかい、頼めるかしら?」ピラ

コナン「いや、俺、その…」

哀「トイレ?トイレなら貴方の後ろよ」

コナン「いや、用事。用事…」

哀「あら。何の用事?」

コナン「い、いや…わ、忘れ物…」

哀「…」

コナン「…」

哀「証拠隠滅でもするの?」

コナン「ッアアアアアアアアアアアアアアイ!!!!」ガバッ
哀「何?」
10 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2019/04/11(木) 20:43:28.88 ID:O4xVBtq8O
コナン「おまっ…いや、マジでやめろ。ホント…」
哀「あら、真っ青なのか真っ赤なのか分からないわね。キカイダーみたい」ペタペタ

コナン「…ちょ、ちょっとマジで、マジで行くから。ホントやめろ」

哀「…」

コナン「…あ!あ、あいつらにはアレだぞ!!蘭に呼ばれたとか、そういうの言えよ!!」

哀「あら?それが人に物を頼む態度?」

コナン「なッ…!!」

哀「…そういえば…黒の組織は貴方が居なくなってからは特に何もしてないけれど…」

コナン「…え!?何!?」

哀「一部の人間は、貴方の事をそれなりに調べてたのよ」

コナン「…いや、ちょっともう…行くからな!!いいからそういうの!!」

哀「マネージャー」

コナン「ホッ!!!?」

哀「巨乳」

コナン「ッッッッ!!??」

哀「…盗撮…」

コナン「…やッ…やめ…」

哀「貯めたお小遣いで、商店街裏のDVD屋に小走りで通」
コナン「やめてぇ…」
11 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2019/04/11(木) 20:44:07.14 ID:O4xVBtq8O
哀「はい頼み方」

コナン「…本当に…言わないでっ…言わないで…下さい…」

哀「…」

コナン「ホント…終わったら、終わったら何でもする…何か、何かするから…」

哀「何を?」

コナン「…何でも…何でも良いから…ホントに…」

哀「へぇぇぇぇ」

コナン「…なあ、あの、これって…」

哀「…」

コナン「べ、ベルモットは…?」

哀「…さあ…」

コナン「…」

哀「彼女はどうでもいい情報には興味を示さないから…」

コナン「…!」

哀「多分私以上に知ってるんじゃない?」ファサァ

コナン「ッアアアアアアアアアアアアイ!!!!」ガバァ
哀「何?」
12 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2019/04/11(木) 20:44:34.61 ID:O4xVBtq8O
コナン「行く。行くからな。もう、ホント行くから。なあやめろ、ホントマジで」
哀「あら?私に何してくれるのか言わないの?」

コナン「いや、何でもする。するからやめて」

哀「でも貴方が私に何をしてくれるのかしらね」

コナン「(ヤベェ…こうしてる間にも、蘭は俺の部屋に…!)」

…。


蘭「あれー?」

昴「…どうしましたか?」

蘭「あ、昴さん。ちょっと良いですか?」

昴「何でしょうか?」

蘭「あの…新一の部屋、鍵が掛かってるみたいなんです」

昴「ああ。そういえば…ええ。ご両親から鍵を掛けていたと…」

蘭「じゃあ、昴さんは知ってるんですか?」

昴「ええ。知っていますよ。鍵でしたら…」

蘭「何処ですか?私、知らなくて…」

昴「…ええと…どこだったかな…」

蘭「うーん…壊すわけにもいかないし…」

昴「それはダメでしょう。一応、この家を守るよう言われておりますから」

蘭「…うーん…」

昴「(『彼』に手渡された鍵…一体何故そこまで部屋への侵入を拒むのか疑問だったが…)」

昴「(『彼』の慌てようで、合点がいった。…そして何とか誤魔化し続けられているのはいいのだが…)」

昴「(…壊す、という選択肢が既に頭を過っている…)」

昴「(これでは、鍵の居所を忘れたという方法も通じないかもしれない…)」

昴「(…しかし、居候先でよもやこんなことに巻き込まれるとは…)」

昴「(私もよくよく運の無い男だな…)」

…。
13 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2019/04/11(木) 20:45:05.39 ID:O4xVBtq8O
哀「さて、どうしましょう」

コナン「ぐっ…!」

コナン「(ここでコイツを放って、蘭の元へ行く事は出来る…!)」

コナン「(だがコイツは俺の集めたDVDの存在をくまなく知ってやがる!)」

コナン「(蘭の家には置いておけねぇから俺の部屋に隠しておいたのに…!)」

コナン「(今まで蘭にも入らねぇよう念押ししておいたが…)」

コナン「(ベルモットやこいつには筒抜けだったってことかよ…!!)」

コナン「(つまり今のコイツは俺にとっては完全なる脅威…!)」

コナン「(どんだけカッコつけても、頭の何処かで『ああ、でもこの人巨乳に目がないのよね』って過る!!)」

コナン「(バスから助けても、運命から逃げるなとか守ってやるとか犯罪は許さねぇとか言っても、『でも貴方盗撮好きなのよね』で台無しになる!!)」

コナン「(今の今までそれを言わず、ずっと俺を嘲笑ってたってのか…)」

コナン「(全く…放っておけねぇ女だ…!)」

哀「そうね…向こう一ヶ月。いえ、二ヶ月はウチの雑用係にでもなってもらおうかしら…」

コナン「(最悪、開き直って変態扱いされるのは良い…)」

哀「でもそれだとダメね…軽すぎる…」

コナン「(だが、万が一服部に言われでもしたら…!!)」

哀「それに貴方ズボラそうだし…」

コナン「(『お前和葉の近くに寄んなや!』とか言われる!!)」

コナン「(それどころじゃねぇ…もしコイツがトチ狂って歩美ちゃんにでも話したら…)」

コナン「(『コナン君…あんまり近付かないでね…』)」

コナン「(あああああああああああ!!!!)」ガリガリガリ

哀「…」ゾクゾク

…。

歩美「コナン君、お腹の調子悪いのかな?」

元太「灰原も行ったっきり戻ってこねーな」

阿笠「(…新一…一体どうしたというんじゃ…?)」

…。
14 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2019/04/11(木) 20:45:35.80 ID:O4xVBtq8O
コナン「(どうすれば良い…このままこいつを蔑ろにすれば…万が一の事もあり得る…)」チラ

哀「…」ニマァ

コナン「(なんつー顔してやがる…楽しみやがって…!!!)」

哀「…」

コナン「…な、なあ灰原…」

哀「何?」

コナン「一旦この場は引いてくれ。こんな事をしてる場合じゃねえんだ!」

哀「そんなに急いでるの?」

コナン「…分かるだろ…!!」

哀「何が?」

コナン「てめぇ…!!」

哀「そんな顔しちゃって。そんなに大事なものなの?」

コナン「(こいつ…今までの灰原とは違う…!)」

哀「…」

コナン「(今回の灰原は、敵かもしれねぇ…!)」

哀「変態」

コナン「ひいいいいい…」

哀「…」ゾクゾクゾクッ

…。
15 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2019/04/11(木) 20:46:07.71 ID:O4xVBtq8O
昴「…この辺だったかな…」

蘭「うーん…」

昴「…しかし、何故君はそこまで彼の部屋を?」

蘭「…」

昴「あ、いえ。どうしても教えて欲しいというわけでは…」

蘭「…園子に…」

昴「?」

蘭「…園子に、言われたんです」

昴「…何を?」

蘭「…」

…。

園子『ねえ蘭?ちょっと…』

蘭『どうしたの?』

園子『…で?どうなの?』

蘭『え?』

園子『え?じゃなくて!ダンナと本格的に付き合うようになったんでしょ!?』

蘭『え!?…あ…う、うん…』

園子『…』

蘭『…そう…やっと…えへへ…』

園子『じゃあ悠長に構えてる暇なんかないわよ!!』

蘭『えっ!?』
16 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2019/04/11(木) 20:46:44.41 ID:O4xVBtq8O
園子『良い?男ってのはね、ずー…っと!同じ女を追い続けるのには…燃えるものなのよ!』

蘭『う…うん…』

園子『…さあ!その男が遂に!目標だった大好きな女を手にした時…さあ!どうなるの!?』

蘭『…そ、それは…』

園子『…』

蘭『…どうなるの…?』

園子『だから甘いのよ!!アンタは!!』

蘭『え、ええ…?』

園子『あのね!新一君の下駄箱!アンタちゃんと見てる!?』

蘭『え…た、たまに…』

園子『じゃあ分かるでしょ!?あの山のようなラブレター!!』

蘭『…』

園子『今!新一君の目の前には!数多くの女子生徒がいるのよ!!』

蘭『…え…』
17 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2019/04/11(木) 20:47:13.18 ID:O4xVBtq8O
園子『目標だったアンタを手にした新一君はね、今きっとこう思ってるはずよ…』

蘭『…』ゴクリ

園子『…あー…なー…んか燃え尽きちまったー』

蘭『…え…?』

園子『こうなのよ!!いざアンタの身体を隅から隅まで自由に出来る権利を手にしたは良いけれど!それがいつでも出来るとなったら…』

蘭『ちょ!ちょっと園子!』

園子『…きっと…他の女も見てみたくなるんじゃないかしら…?』

蘭『…そ、そんな…でも、新一はそんな事…!』

園子『甘いわね…新一君は何のスポーツが得意だった?』

蘭『…さ、サッカー…』

園子『そう!サッカーよ!!サッカー!!』

蘭『…で、でもそれが…今は帰宅部だし…』

園子『サッカーをやってる男はチャラいって昔からの決まりなのよ!!』

蘭『…!!?』

園子「…ま?その点真さんは武士道を極めたような男だからそんな事ないけれど…』

蘭『そんな…』

園子『もしかしたら、新一君…蘭の身体だけじゃなくて、他の女も見たくなってたりして…』

蘭『し、新一はそんな事ない!ないもん!!』

園子『…じゃあ、新一君のお部屋に行って確かめてみたら?』

蘭『…!』

園子『…あ。その反応はもしや…』

蘭『…そういえば…許可無しには絶対に入れてくれなかった…』

園子『はい来た!!来ました!!これもう部屋の中ヤバいわよ!!絶対!!』

蘭『…新一…』
18 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2019/04/11(木) 20:47:54.42 ID:O4xVBtq8O
…。

昴「…少なくとも、僕が聞く限りでは、彼はそのような者には見えませんが?」

蘭「私もそう思います!でも…」

昴「…」

蘭「…ここのところ、電話してもすぐ切られるし、たまに…」

昴「…たまに?」

蘭「たまに、同じところにいるんです!同じ店やテーマパークの音楽が流れてたり、ロンドンに行ってた時も鐘の音が聞こえたり!」

昴「…」

蘭「おかしいですよね!?」

昴「…それは、事件を追っているのでは?」

蘭「…考えました。確かにその時凄い事件が起きたりしてて…」

昴「なら…」

蘭「でも、そんなに近くにいるのにおかしいですよね!?会いにこない理由にはなりませんよね!?」

昴「…確かに…」

蘭「これってもしかして…実は他に、付き合ってる人がいるんじゃ…だから近くに居ても、会いに来れないんじゃ…」

昴「…それで、ここに?」

蘭「もしかしたら、実はたまにここに帰ってきてて、そこで…」

昴「それは無いでしょう。僕が居ますし、誰かが来ていたら気づくと思いますよ」

蘭「…へ、変な本とか、DVDとか観てて!!」

昴「(本星は、それか…)」

蘭「それで変な影響受けて!旅先で出会った女の人と…!!」

昴「…そうでしたか…」

蘭「前にも…新一の携帯を見ようとした時…」

昴「うん…ん?」
19 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2019/04/11(木) 20:48:21.90 ID:O4xVBtq8O
昴「ん?」

蘭「あ…そ、その時は誤解だったんですけどね!?コナン君の携帯だったから…」

昴「(…成る程。坊やの正体を疑ってのこと、か…)」

蘭「だから、結局新一の携帯の中は見れてなくて…」

昴「(しかし、少なくともまだ家族にはなっていない男子高校生の携帯電話の中を当然のように覗くのか…)」

昴「(…思ったより、彼女の中での工藤新一の存在が大きい、ということか…)」

蘭「…新一…」

昴「(そう長くは持たんぞ…坊や…!)」

…。
20 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2019/04/11(木) 20:48:49.13 ID:O4xVBtq8O
阿笠「どうしたんじゃ。幾ら何でも長いぞい」ガチャ

コナン「あ…」

哀「…」

阿笠「…何をしとるんじゃ?二人で…」

コナン「…い、いや…」

哀「…」

阿笠「(…何じゃ…新一の様子がおかしい…?)」

哀「…フッ」

コナン「!?」

阿笠「(そして、意味深に笑う…哀君…)」

コナン「…!!」

阿笠「(これはまさか…事件に巻き込まれて…!?)」
21 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2019/04/11(木) 20:49:23.65 ID:O4xVBtq8O
コナン「…博士…」

阿笠「新一!一体何がどうしたんじゃ!?」

コナン「…何でもねぇよ。大丈夫だ」

阿笠「大丈夫じゃと?そんな顔で一体何が大丈夫だと言うんじゃ!!」

コナン「…」

阿笠「何という汗の量じゃ…それ程の事件なのか…?」

哀「ブフゥ」

コナン「てめぇ!!」

阿笠「哀君!!
22 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2019/04/11(木) 20:49:57.71 ID:O4xVBtq8O
阿笠「哀君!新一がこんな時にふざけた真似はよさんか!!」

哀「続けて」

阿笠「全く…順を追って説明せんか。何故このようなことになっているのか!」

コナン「…」

阿笠「ワシに出来ることなら何でもしてやる!じゃから安心せい!」

コナン「…!博士…」

阿笠「それとも、誰かを人質に取られておるのか…?」

哀「…」

コナン「…」

阿笠「…そうなんじゃな!?新一!」

コナン「…あ…」

阿笠「新一!!」

コナン「…ああ」

哀「ンブッフ」

阿笠「哀君!!!」
23 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2019/04/11(木) 20:50:32.05 ID:O4xVBtq8O
阿笠「どうしたんじゃ哀君!!いつもの君らしくないぞ!!」

哀「いつもの…いつもの、わた、私ッ…」

阿笠「新一は人質を取られとるんじゃぞ!」

哀「人…?」

阿笠「新一!!一体誰が捕らわれとるんじゃ!何人じゃ!!」

哀「…」

コナン「…」

阿笠「どこで捕らえられておるかくらいワシが調べてやるわい!!」

コナン「…」

阿笠「答えんか!誰が、何人捕らえられとるんじゃ!?」

コナン「…マネージャー…」

阿笠「ん!?」

哀「〜〜ッッッッ!!!」バンバン

阿笠「マネージャーとは何じゃ!何かの暗号か!?」

コナン「…」

哀「ヒーッ…ヒーッ…」

阿笠「…では、一体何人…」

コナン「…20…」

阿笠「20人!!?」

哀「ンブフフフフフフフフフ」
24 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2019/04/11(木) 20:51:13.27 ID:O4xVBtq8O
阿笠「それは最早単独犯ではない!組織じゃ!…まさか、黒づくめの…!」

コナン「あ、いや…」

阿笠「それ以外には考えられん!こうしちゃおれん!すぐにでも手掛かりを探さんと!!」

コナン「…いや、違う…違う」

阿笠「違う…!?何が違うと言うんじゃ!」

コナン「…これは、俺の、俺だけの問題なんだ…!!」

阿笠「新一…」

哀「ン゛ッ…そうね…これは工藤君だけの…問題」

阿笠「哀君…?」

哀「私達がどうこうできる問題じゃないのよ」

阿笠「…何を言うか!」

哀「…」

コナン「…」

阿笠「新一や哀君だけの問題でははない!」

コナン「…」

阿笠「20人もの命が、今にも消されそうになっておるんじゃぞ!!」

哀「ン゛ヒッ」

コナン「…博士!!」

阿笠「!」

コナン「…これは、俺にしか出来ねぇことなんだ…!!」

阿笠「…君にしか、出来んこと…?」

コナン「だから…頼む…!!」

阿笠「…」

コナン「…行かせてくれ…!!」

阿笠「!…もう、人質がどこにいるか分かっておるのじゃな!?」

コナン「!…あ、ああ…」

阿笠「ならばすぐに警察に電話を」

コナン「ダメだ!!!」

阿笠「何故じゃ!!?」

哀「ホントよねぇ」
25 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2019/04/11(木) 20:51:46.43 ID:O4xVBtq8O
コナン「…ダメなんだ…!!」

阿笠「…何故じゃ新一」

コナン「…」

阿笠「何故そんなに一人で何もかも背負い込む!!」

哀「そりゃ背負い込むでしょうね」

阿笠「君を一人で行かせる訳にはいかん!!」

コナン「一人で行かなきゃダメなんだよ!!!」

阿笠「(…それが、条件か…!?)」

哀「(あー面白…)」
26 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2019/04/11(木) 20:52:39.67 ID:O4xVBtq8O
阿笠「…そうか…」

コナン「…悪ぃ…」

阿笠「…分かった。じゃが無理だけはするな」

コナン「…分かった。だが心配しないでくれ」

阿笠「念の為にこの小型盗聴器を持っていくと良い。こちらに繋がるようにしておくからのう」

哀「ああ良いわねぇそれ」

コナン「良いわけねぇだろぉ!!」

阿笠「何故じゃ!…そんなに恐ろしい相手なのか!?」

コナン「…ああ…」

阿笠「まさか…黒の…!?」

コナン「…」

哀「いや、違うわよ」

阿笠「違う!?ならば…」

哀「まあでも恐ろしく強い事は確かね」

阿笠「…」

哀「それに結構ねちっこい相手よ」

コナン「ねちっ……」

哀「それに…」ズイ
コナン「…」

阿笠「…」

哀「ものすごー…く…一途」
コナン「…そ、そう…うん…」

阿笠「…知っておるのだな?犯人を…」

哀「ええ」
コナン「…ああ」

阿笠「…止められるのだな?」

哀「…工藤君次第ね」

阿笠「…新一…」

コナン「…」

阿笠「…必ず、止めるんじゃぞ…!」ガシ
コナン「…ああ!」

哀「(エッチなDVD回収に行くだけじゃない)」
27 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2019/04/11(木) 20:53:28.37 ID:O4xVBtq8O
昴「…」ガサ

蘭「ありました?」

昴「ん?…ええ。恐らく…」

蘭「…」

昴「(…本当はもう持っているのだが、どうしたものか…)」

蘭「…」

昴「(絶対に目を離さないという執念…迂闊な行動は出来ない…)」

蘭「…」

昴「(…さて問題は、私に明確なポーカーフェイスの素養があるかどうか、だが…)」

蘭「…」パキポキ

昴「(拳を鳴らした…!!)」

蘭「…」パキキ

昴「(これでは時間の問題…このような理由で強硬手段に出る訳にも…)」

蘭「…」

昴「(まだか…坊や…!)」

…。

コナン「…!!」ギュイイイイイイン

コナン「(見せる訳にはいかねぇ…)」

コナン「(見たらきっとアイツは…!)」
28 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2019/04/11(木) 20:54:11.81 ID:O4xVBtq8O
…。

阿笠「…」

哀「…」

歩美「ねーねー、コナン君は?」

光彦「結局おつかい手伝ってくれませんでしたねぇ」

元太「何かすっげー顔してスケートボード持っていったぜ」

阿笠「む?…ああ、何やら用事があるようでな…」

光彦「またですかー…?」

歩美「コナン君いっつもそうやって一人で行くんだもんなー…」

元太「…あいつがあんな顔する時って、すげーやべーって時だよな?」

哀「そうね。凄ー…く、やばーい時よね…」

阿笠「…こ、これ…!哀君…!」ヒソヒソ
哀「何?」

阿笠「こんな時にひやかしなぞ…!」ヒソヒソ
哀「あら?ひやかしだなんて」

阿笠「…そろそろワシにも教えてくれんか…一体君達に何が…」ヒソヒソ
哀「工藤君が帰ってきたら聞けば?」

阿笠「し、しかし…」

歩美「何のお話?」

阿笠「おうっ」

光彦「博士まで様子がおかしいなんて…」

阿笠「うぐっ」

元太「とっとと教えろよ」

阿笠「なっ…」

哀「じゃ、私用事あるから」

阿笠「え、お、おい!哀君!説明を…!」

歩美「説明してよー!」
光彦「コナン君だけずるいですよー!」
元太「手柄はみんなのもんだぞー!」
29 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2019/04/11(木) 20:54:46.65 ID:O4xVBtq8O
阿笠「哀君!!哀君!!!」

歩美「博士!!」
光彦「答えて下さい!!」
元太「コナンが危ねーんだろ!?」

阿笠「わ…ワシは何も知ら…」

歩美「答えてよぉ!!」
光彦「コナン君を…コナン君を助けないと!!」
元太「あいつ…いつも一人で…」

阿笠「…み、みんな…」

歩美「コナン君が死んじゃうぅ!!」
光彦「大事な友達なんですよぉ!!」
元太「博士なら分かるだろ!!!」

阿笠「(…新一…早く助けるんじゃぞ…!!)」
30 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2019/04/11(木) 20:55:20.45 ID:O4xVBtq8O
コナン「…!」ギュイイイイイイン

コナン「(考えろ…俺は何処にコレクションを隠した…!!)」

コナン「(箪笥の三段目…ベッドの下…クローゼット…)」

コナン「(…一個にまとまってさえいれば…!!)」

コナン「(…いや、それだとバレた時にまとまってぶち壊されちまう!!)」

コナン「(…考えるんだ…!!3つに分けられたコレクションを蘭から一回で隠し通す方法を…!!)」

コナン「(…いや、それはどう考えても不可能だ…!!)」

コナン「(…こうなったら、バレても蘭にダメージが少ない物を差し出すしかねぇ!!)」

コナン「(…思い出せ…マネージャーモノはベッド…盗撮は箪笥…巨乳はクローゼット…)」

コナン「(そして蘭は何が一番ダメージが少ない…!?)」

コナン「思い出せ…!たった半年前の事だぞ…!!)」

コナン「…」

コナン「(…!!!)」

…。
31 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2019/04/11(木) 20:56:12.97 ID:O4xVBtq8O
新一『ふわぁ…っと…』

蘭『…もー…朝からそんな大欠伸しないでよ…おじさんくさい…』

新一『お前が朝早くに起こすからだろ…朝練だったら一人で行けよ…』

蘭『…い、良いじゃない!別に!新一だってサッカー部入れば…』

新一『めんどくせーから嫌だって…お』

『ファイ!オー!』
『ファイ!オー!』

『ファイ!オー!』
『ファイ!オー!』

蘭『ほら、陸上部だって…』

新一『良くやるねぇ…』

蘭『女子陸上部、今年は凄い燃えてるみたいだからねー…』

新一『へー…』

『ファイ!オー!』
『ファイ!オー!』ユッサユッサ

新一『・・・』

『ファイ!オー!』
『ファイ!オー!』ユッサユッサ

新一『・・・』

蘭『・・新一・・・』

新一『…!?お、おお何だよ蘭!!』

蘭『…どこ見てたのよ。スケベ…』

新一『い、いや見てねぇ!胸なんか見てねぇぞ!?』

蘭『自分で言ってるじゃない…』

新一『ウィッ!?』

蘭『…まあ…』

新一『……』

蘭『…ま、まあ、新一も男の子だから…しょーがないのかも…しれない…けどさ…』

…。

コナン「それだッ!!!」
32 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2019/04/11(木) 20:56:57.33 ID:O4xVBtq8O
https://youtu.be/yOUsYs6IX3c

蘭「あ!開きました!」ガチャ

昴「ああ、そうでしたか」

蘭「でも新一ったら…どうして鍵なんか…」

昴「(…半分は、君が原因だと思うのだがね…)」

『♪』

昴「?」

『江戸川コナン』

昴「(…メール…?)』

コナン『窓を開けて』

昴「!…少し良いですか?」

蘭「はい?」

昴「どうやら埃が舞ってしまったようですね。換気をしましょう」ガラッ

蘭「え?でもさっき掃除…」

…。

コナン「行っけぇぇぇぇぇええええええええええ!!!!」ドバァン
https://i.imgur.com/TlzPXBB.jpg

蘭「え?」ビュンッ

昴「!」ガシャアン

蘭「…!?な、何!?」

昴「…」

蘭「…く、クローゼットが…」

昴「…」

蘭「…え?…あ…」

昴「…」

蘭「…ああああああああ…!!!」
33 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2019/04/11(木) 20:57:46.60 ID:O4xVBtq8O
昴「…何か?」

蘭「な、何これぇ…何これ何これ!!?」ガサガサ

【S級素人 巨乳特集】
【秘密捜査官 三上悠亜】

昴「…」

蘭「新一ったら…!!だから鍵掛けてたのねぇ…!!!」プルプル

昴「(…成る程…)」

蘭「しかも巨乳巨乳って…!!何よ何よ何なのよぉ…!!新一ってば…!!」

昴「(この部屋の中に分けられた3種類の内、まだアレが一番彼女にとってダメージが少ない、そう思ったか…)」

コナン「ごめんなさい蘭姉ちゃん!!昴さん!!!偶然蹴ったボールが偶然開いた窓から入って新一兄ちゃんのクローゼット壊しちゃった!!」シュバッ

昴「!」

蘭「へっ…こ、こここコナン君!!?」ビクゥ

コナン「…あれれ〜?何それぇ?」

蘭「!!?だッ…ダメ!!子供は見ちゃダメぇ!!!」

コナン「それなーにー?」スッ

蘭「〜!!!こ、これは捨ててくるから!!!コナン君!!今見た物は忘れて!!!」バッ

コナン「あ!蘭姉ちゃん…?」

蘭「だ…」

コナン「…?」

蘭「ダメなんだからぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああ!!!!」シュバババババババ
34 : ◆GWARj2QOL2 [saga]:2019/04/11(木) 20:58:27.46 ID:O4xVBtq8O
昴「…」カチ

コナン「…」

昴「…どうやら、終わったようだな」

コナン「…うん」

昴「君はこの中にある3種類。その中で唯一、彼女に共通するものを捨てた」

コナン「…」

昴「…【胸】という、共通点」

コナン「蘭姉ちゃんはマネージャーじゃない。さらに盗撮モノは蘭姉ちゃんの正義感が許さない」

昴「…」

コナン「だが蘭姉ちゃんは巨乳、というわけでもない」

昴「…だが、あの中ではまだ共感が持てない訳ではなかった」

コナン「そう。過去にお…新一兄ちゃんが巨乳の陸上部女子を見ていた時も怒りはしたが、信用を失う程ではなかった。それどころか仕方ないとさえ言っていた」

昴「そして坊やがここに来ることで混乱し、あのDVD数枚の処分を最優先に行動し始めた」

コナン「そうすれば、他の2種類はバレない。他のとこに隠す…」

昴「…さらに出来るようになったな、坊や」

コナン「箪笥の三段目…ベッドの下…と」ガサゴソ

昴「…ちなみに、それをどこに隠すのかな?」

コナン「…」

昴「もうこの家には隠せない。先程まで彼女は君…工藤新一を疑っていただけであったが、今ので確信に変わった。次は本腰を入れて探すだろう」

コナン「…」

昴「…」

<ヂョイヤァ

コナン「!?」

昴「む…!坊や!」

コナン「…!!アイツ…瓦割りみてーに一気に…!!」

昴「(持ち帰り処分するものかと思っていたが…)」

コナン「(庭先で叩き割りやがった…!!)」
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