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【安価】みほ「装甲車バトルディッガーです!」【ガルパン】
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380 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/06/12(水) 20:31:31.06 ID:xy+yaj/ao
桃ちゃん
381 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/06/13(木) 02:04:58.55 ID:TfWZjyk60
眠いですが進めないと終わらないので勧めます
382 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/06/13(木) 02:06:53.98 ID:TfWZjyk60
【バー『どんぞこ』】
カランカラン
みほ「……」
みほ(噂では、ここにいるはず……)
みほ(だけど……)
フリント「〜♪」
ムラカミ「……」
ラム「ウィック」
みほ(……)
みほ(無策で来たけど大丈夫かなぁ……)
みほ(治安が悪そう……)
383 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/06/13(木) 02:19:16.07 ID:TfWZjyk60
カトラス「店に入ったらまず注文しな」
みほ「えっと、ステーキ定食で」
カトラス「……」 ピクッ
カトラス「焼き方は?」
みほ「……」
みほ(アンチョビさんに聞いた合言葉は、確か――)
みほ「弱火でじっくり」
カトラス「……」
カトラス「それで、“誰”への客なの」
みほ「えっ」
みほ「えーと……片眼鏡の……」
ラム「うほ? それってモモさんのことじゃァ……」
フリント「モモさん!?」
ムラカミ「こいつモモさんの客なのか!?」
カトラス「いや……それにしては怪しいね」
カトラス「顔見知りだけど、友人じゃあないってところかな」
みほ(す、するどい……)
ラム「ふーん……」
フリント「それじゃあ……」
ムラカミ「モモさんに会う資格があるかどうか、試してやるッ」
みほ「うう……」
384 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/06/13(木) 02:24:39.28 ID:TfWZjyk60
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
・ ・ ・ ・ ・ ・
・ ・ ・
お銀「ふぅん、やるじゃあないか」
みほ「っ」 ビクッ
お銀「警戒しなくても、不意打ちなんて真似はしないさ」
お銀「それにしても大したもんだね
お銀「錨結びも手旗信号も識っているうえ、ムラカミのパワーやカトラスの器用さを上回る動き」
お銀「あんたがモグラ乗りってやつだろう?」
お銀「丘の職業は興味ないけどね」
みほ「……」
お銀「だんまり、ね。まあいいさ」
お銀「あんたはモモさんに用があって、私は何だかあんたを会わせたくはない」
お銀「となると、この店を仕切る私とタイマン張ってもらうしかないねぇ」
みほ「……」
みほ(もう4戦もしたのに……)
お銀「ルールは簡単」
お銀「こいつをより多く飲んだ方が――――」
みほ「…………ハァ」 ゲッソリ
385 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/06/13(木) 02:29:03.41 ID:TfWZjyk60
みほ「貸してください」
お銀「おっと」
お銀「気をつけな」
お銀「お洒落な瓶だけど、中身は激辛――――」
みほ「」 グイーーーーーーッ
お銀「なッ……!」
ラム「うほっ!? こ、こいつ、飲んだ!? 瓶で!?」
ムラカミ「ハバネロクラブをボトルで一気飲だと?」
カトラス「そ、そんなことをしたら、喉とアナルが…・・っ!」
みほ「問題ありません」
みほ「……この手のものは、影でよく飲まされましたから」
お銀「な、なんなんだい、この子ァ……」
386 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/06/13(木) 02:33:47.23 ID:7X5bJyHw0
一回でもいいからダンジョンに潜らないと加入しないキャラいるよね
387 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/06/13(木) 02:37:29.75 ID:TfWZjyk60
お銀「まいったね……」
お銀「船底以外興味なかったのに、モモさんのためと丘にあがってみたら、こんなバケモンがいるなんて」
お銀「……胃の中の蛙大海を知らず、ってやつだね」
お銀「胃袋の中に入ったことなんざないけどさ」
みほ(馬鹿なのか私の世界と文化が違うのかどっちなんだろう……)
お銀「まあいいさ……」
お銀「野郎ども、モモさんをお連れしろ」
ラム「あいあいさー!」 ドタドタドタ
お銀「……それにしても惜しいね」
お銀「あんたほどの手練がレッドタートルに力を貸してくれていれば、モモさんも楽になっただろうに」
みほ「……」
みほ(もっと真剣に敵対してたら、違う意味でそのモモさんを楽にしてあげる結果になってたことは黙っておこう……)
388 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/06/13(木) 02:39:30.21 ID:TfWZjyk60
ラム「モモさん、お連れしやしたー!」
モモ「どうした、お前達」
モモ「明日の作戦のことで忙しいんだ……が……」
みほ(明日の作戦?)
モモ「ななななななな、おまっ……おまぁ!」
みほ「おま?」
お銀「あんた、オマっていうのかい?」
みほ「違います」
モモ「な、なんでここにいるんだ!!」
みほ「ええと、ちょっと用があって……」
モモ「よ、用?」
みほ「
>>389
」
389 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/06/14(金) 02:22:13.73 ID:lDtEuqXZO
降伏は無駄だ、抵抗しろ
390 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/06/14(金) 02:28:12.09 ID:irWv/nZq0
そのセリフはあかんて…w
391 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/06/15(土) 00:45:56.95 ID:4uG2/alT0
ちょっと難しいから数日待ってね。。。(最終章見たりするけどネタバレはなしでお願いします)
392 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/06/15(土) 04:29:48.20 ID:oqlLC5Bh0
桃「なにを言ってるんだ西住、言葉間違って……待てよそういうことかああああ」
柚子「桃ちゃんうるさい……」
393 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/06/21(金) 23:10:04.91 ID:+J19vHgL0
最終章面白すぎるんだなぁ
週末ちょっと書けないので、明日早いんで少しだけですが投下しておきます
394 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/06/21(金) 23:12:30.02 ID:+J19vHgL0
みほ「降伏は無駄だ、抵抗しろ」
モモ「え?」
お銀「…………はあ?」
モモ「……ははは!」
モモ「お前、間違ってるぞ」
モモ「それを言うなら『抵抗は無駄だ、降伏しろ』だろ?」
みほ「……………………」
みほ「何故、そう思うんですか?」
モモ「……!」
モモ「う、うわああああああああああああ!」
395 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/06/21(金) 23:23:38.36 ID:+J19vHgL0
お銀「モモさ――――」
ガシャン
お銀(あ……)
お銀(ハバネロクラブの瓶……)
お銀(なるほど、だからラッパ飲み……)
お銀「まったく、年寄りの入れ歯にかけて――」
ドゴッ
お銀「ぐ……」
お銀(モモ……さん……) ドサ
みほ「……あくまで狙いはモモさん?だけですが……」
みほ「来るなら本気でお相手します」
みほ(……一方的な暴力は嫌だけど……)
みほ(こちらを殺す気で来てくれるなら……気が楽になるもんね)
396 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/06/21(金) 23:34:29.00 ID:+J19vHgL0
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
・ ・ ・ ・ ・ ・
・ ・ ・
アリス「おかえ……」 ビクッ
みほ「……アリスちゃん」
みほ「ただいま」
アリス「……」
アリス「その匂い……」
みほ「……」
みほ「はは、汗臭いかな?」
みほ「……シャワーは浴びてきたんだけどね」
アリス「……」
みほ「……」
みほ「……折角遊びにきてくれたし、お菓子でも食べる?」
アリス「……」
アリス「無理はしないで」
みほ「……」
みほ「うん」
みほ「わかってるよ」
みほ「……わかってる」
397 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/06/21(金) 23:38:04.04 ID:+J19vHgL0
【バー『どんぞこ』】
杏「……まったく、ほーんと困ったもんだよ」
ユズ「……会長」
杏「……」
杏「ん、ごめん」
杏「おしゃべりはここまでにしておこうか」
杏「……片付けないわけにもいかないしさ」
杏「だから――もう、お別れだ」
杏「ごめんな――かーしま」
ユズ「……」
杏「……埋めてやれ」
ザッザッザッ
杏「……」
杏「……」
杏「そんなに大きな犠牲は出さずに終わらせよう、なーんて思ってたんだけどさ」
杏「甘かった、かなぁ」
ユズ「……」
杏「……」
杏「全面戦争だ」
杏「小山、悪いけど兵隊達に準備させてくれない?」
杏「明日だ」
杏「可哀想だけど――西住ちゃんには、地獄を見てもらう」 ギリッ
398 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/06/21(金) 23:49:59.34 ID:dJH1W+tk0
さあ、ダンジョン攻略どころじゃなくなってきた
399 :
寝ます
[saga]:2019/06/22(土) 00:04:18.21 ID:69/LOaKO0
【家】
みほ「そういえば、アリスちゃんはなんで――」
みほ「あ、用事がないと来ちゃ駄目だとかそういうんじゃなくてね」 アセアセ
アリス「……」
まほ「私が呼んだんだ」
みほ「お姉ちゃ――隊長!」
まほ「話は聞かせてもらった」
まほ「ようやく仲間が見つかったそうだな」
みほ「うん……」
みほ「でも、あと1人が全然見つからなくて……」
まほ「それがだな…・…」
まほ「明日ならば力を貸してやってもいい、という隊員が現れたんだ」
みほ「え?」
まほ「エリカもどんどん不満をつのらせているし、隊の間でも正直不安の色が濃くなってきている」
まほ「……あいつは、ここで組む前は隊長を務めていた程の者だ」
まほ「皆の心に、本当にモグラ乗りを頼っていいのかというく不安が渦巻いているのを察知したのだろう」
みほ「なるほど……」
まほ「どうする?」
まほ「明日、そやつを連れてダンジョンに潜るか?」
みほ「うーん……」
どうする?
>>400
400 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/06/22(土) 00:28:17.27 ID:5jW9KpUf0
止めておきます、レッドドラゴンがうるさくなってきてますので
でもその人を連れてきてください
次に潜るまでに親睦を深めたいので
401 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/06/22(土) 00:32:23.04 ID:5jW9KpUf0
ごめん、レッドドラゴンじゃなくてレッドタートルだった
402 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/06/27(木) 21:02:06.29 ID:IR7g94s60
帰宅して家事とかしてたら寝る時間の日々なせいで停滞してて申し訳ない。
サクサクいきます。あと人が死にます。
403 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/06/27(木) 21:05:44.56 ID:IR7g94s60
みほ「止めておきます、レッドタートルがうるさくなってきてますので」
まほ「……確かに、最近の動向は気になっていた」
まほ「特に今夜はどうも繁華街が騒がしくてな」
みほ「……」
みほ「あ、でもその人を連れてきてください」
みほ「次に潜るまでに親睦を深めたいので」
???「その必要はないわ」
みほ「え?」
まほ「……」
まほ「彼女なら、もう来ている」
みほ「えっ?」
みほ「あ、こんなところに」 シャガミ
???「なっ、しゃがみこんで目線を合わせるんじゃないわよ!」
???「それに何!? 小さくて気付かなかったっていうわけ!?」
カチューシャ「カチューシャを馬鹿にすると痛い目にあうんだからね!」
カチューシャ「ノンナ! ノンナー!!」
404 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/06/27(木) 21:36:50.07 ID:IR7g94s60
みほ「……」
みほ(なんだろう、すごく、嫌な感じが……)
まほ「見た目は子供だが――」
カチューシャ「ちょっと!」
まほ「……」 ギロリ
カチューシャ「ひっ……」
カチューシャ「ノンナ! どこいったのよ!」 コソコソ
まほ「腕は確かだ」
まほ「部隊を率いて我が国とやり合い、激しい損壊を与えられた」
みほ「え……」
まほ「終戦し、帰れなくなった同士で一時的に手を組んでいるが……」
まほ「彼女たちには助けられている」
まほ「特に厳しい冬超えについて知識が豊富でな」
カチューシャ「ふふん」
カチューシャ「本当ならここでコテンパンにしてあげたっていいんだけど、カチューシャはオトナだもの」
カチューシャ「部隊の皆を家に帰してあげるためなら、貴方達とだって手を組んであげる」
405 :
誤変換 まほ→マホで脳内変換してください
[saga]:2019/06/27(木) 22:20:20.88 ID:IR7g94s60
カチューシャ「親睦を深めてほしかったら土下座でもして頼んでみたら?」
マホ「……」
カチューシャ「に、睨んでも無駄よ!」
カチューシャ「あんた達の方が数が多いし、任せてあげてたけど……」
カチューシャ「遺跡に取り残された中にはカチューシャの部下だっているの」
カチューシャ「この期に及んで地上を警戒して潜りたがらないようなヤワな子には任せておけないわ」
みほ「で、でも、レッドタートルが今本当に――」
カチューシャ「ふふん」
カチューシャ「それなら大丈夫よ」
カチューシャ「遺跡をそっちに任せてた分、カチューシャ達は防衛をやっていたもの」
カチューシャ「明日はまだレッドタートルも動かなさそうってノンナが言ってたわ!」
みほ「……ノンナさんって……?」
マホ「ああ……カチューシャの腹心だ」
マホ「その射撃の腕はピカイチでな」
マホ「……私の仲間もよく殺られたよ」
みほ「あ、あはは……」
みほ(こっちの世界のお姉ちゃんも笑っていいのか微妙なことを平然と言う……)
406 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/06/27(木) 22:26:18.30 ID:IR7g94s60
カチューシャ「とにかく!」
カチューシャ「貴女が行かないならカチューシャが指揮をとって乗り込んであげる」
マホ「……カチューシャの所のモグラは機動力に欠ける」
カチューシャ「問題ないわよ」
カチューシャ「それに、例え遅いとしても、前に進んでいる限り辿り着くのよ」
カチューシャ「怖気づいて足踏みしてる人は一生たどり着けないけど?」 フフン
みほ「……」
マホ「……本気で行くつもりなのか」
カチューシャ「とーぜんよ」
カチューシャ「その子が拒否した時のため、ニーナ達には話をつけてあるわ」
カチューシャ「……ああ、安心して。同盟を裏切るつもりはないし、約束通り防衛任務もやるつもりよ」
カチューシャ「ノンナとクラーラは地上においていくわ。それならいいでしょ?」 フフン
マホ「……」 チラリ
みほ「……私は……」
みほ「潰されるメンツなんてないし、おね――隊長がいいと思うなら……」
みほ(レッドタートル相手の防衛にどれくらい戦力残しておけばいいのかとか分からないし、あんまり口を挟んでも……だよね……)
マホ「……そうか……」
マホ「仕方がない」
マホ「明日はカチューシャ車と赤星車の二台を遺跡に潜行させることとする」
407 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/06/27(木) 22:37:35.35 ID:IR7g94s60
カチューシャ「やった!」
カチューシャ「これでお刺身が食べられるわ!」
みほ「え?」
マホ「お前、まさか……」
カチューシャ「ち、違うわよ!? それだけのためじゃないわ!」
カチューシャ「カチューシャの仲間をこれ以上暗い遺跡に閉じ込めておけないってのが一番の理由!!」
マホ「……」
カチューシャ「ま、まあ、ちょっとはお刺身食べたいって理由もあるけど……」
みほ「あの、お刺身って……」
マホ「ああ」
マホ「刺し身というのは新鮮なナマの魚を」
みほ「そういうことじゃなくて」
408 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/06/27(木) 22:43:27.71 ID:IR7g94s60
カチューシャ「遺跡に潜るって、死んでもおかしくないことよ」
カチューシャ「だから突入する者は前日に美味しいものを食べるんだって」
マホ「ともにこのブラックティーガーを形成した部隊の者がそう言っていてな」
マホ「……確かに最期になるかもしれない食事が木の根というのは可哀想だ」
マホ「だからその文化を取り入れることにしたんだ」
みほ(最期じゃなくても可哀想な食事……)
カチューシャ「クラーラがとってもいいお刺身を手に入れたって言ってたから楽しみだわ」
カチューシャ「折角だし、この食事で釣って戦力を募集しようかしら」
マホ「餌につられただけの者は役に立つまい」
カチューシャ「あら、そこを役立てるのが私の腕の見せどころなんじゃない」 フフン
みほ「あの……私はそろそろ……」
マホ「ああ、戻るのか」
カチューシャ「明日の壮行会、貴女は別に来なくていいわよ」
カチューシャ「どうせそっちの連中は見張りとかで忙しいだろうし、カチューシャはカチューシャの部下が見送ってくれたら十分だわ」
マホ「……」 ハァ
マホ「……仕事を滞らせなくてもいいという気遣いなのだろう」
カチューシャ「ちょっと聞こえてるわよ何よその通訳!!」
みほ「あ、あはは……」
みほ「ええっと、とりあえず、おやすみなさい」
マホ「おやすみ」
カチューシャ「ピロシキ〜」
みほ「……」 スタスタスタスタ
みほ「……」
みほ「……!」 ダーッシュ
みほ(ご飯で釣られる前にハナさんにちゃんと潜らないよう言っておかなくちゃ……!)
409 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/06/27(木) 22:51:12.92 ID:IR7g94s60
<20日目>
チュンチュンチュン
みほ「ん……」
みほ「!!」 ガバッ
みほ「えっ、もうこんな時間!」
ユカリ「おはようございます」
みほ「ユカリさん……」
ユカリ「……アカホシ殿は、もう行かれました」
ユカリ「見送られると行きたくなくなるからー、なんて言って、目覚ましは切っていっちゃいましたよ」
みほ「……そう、なんだ……」
ユカリ「……それより!」
ユカリ「ご飯にしましょう!」
ユカリ「今日のご飯はすごいですよー」
みほ「え?」
サオリ「お刺身だって、お刺身!」
みほ「あ、おはようございます」
サオリ「何でも、安く大量に手に入れたけど、カチューシャさんの体積じゃ食べ切れなかったからおすそ分けなんだって」
サオリ「クラーラさんって人がお刺身と、あと調理したやつを振る舞ってくれるみたい」
サオリ「ハナはもう行ってるし、二人も行ってきなよ」
みほ「あれ、サオリさんは……」
サオリ「私はほら、マコを起こしていかないといけないから……」
みほ「わぁ激戦のあと……」
ユカリ「フライパンとかお玉とか散らばってるやつ一通り鳴らしたんですけどねえ」
みほ「なかなか起きないもんね……」
サオリ(行き交う砲弾に鼓膜やられてるのかみぽりんも全然起きなかったけどね……)
410 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/06/27(木) 22:59:28.65 ID:IR7g94s60
サオリ「とりあえず席と一緒に私とマコの分、とっといて」
サオリ「……ハナが全部食べちゃわないように」
ユカリ「ああ……」
みほ「うん……」
サオリ「それじゃ、あとでね!」
みほ「はい!」
ユカリ「……うーん、楽しみですねえ」
ユカリ「アカホシ殿が美味しい料理を作ってくれてましたが、食材の豪華さは限度がありましたもんね」
みほ「そっか、この世界、お刺身がかなり価値高いんだ」
ユカリ「西住殿の故郷ではそうでもないんですか?」
みほ「ん、高級ではあるけど、そこまで手がでないほどじゃないかな……」
みほ「……」
みほ「……こっちの世界のお刺身、ゲテモノだったりしそうで怖いなあ……」
ユカリ「そんなことありませんって!」
ユカリ「マグロっていう非常に美味しい赤身で……」
みほ「……そのマグロ、足とか生えてたりしない?」
ユカリ「しませんよ!」
ユカリ「というか、食文化は西住殿の世界と大差ないって結論になったじゃないですか!」
みほ「あはは、冗談、冗談」
411 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/06/27(木) 23:08:18.83 ID:IR7g94s60
【食堂】
フクダ「ええ!? 今日は全員お刺身を食べていいのでありますか!?」
ホソミ「ああ、おかわりもいいぞ!」
タマダ「我々全員に余った刺し身を分けてくれるとは、カチューシャ隊長は実にお優しい!」
キヌヨ「はは、すまないなあ、あんまり美味いものを食べさせてやれなくて」
タマダ「あ、いえ、そういうつもりで言ったのでは……!」
キヌヨ「ああ、いい、いい」
キヌヨ「実際、少しでも銀シャリを恵んでもらって皆に分けられるよう、モグラに乗るのを志願していたが……」
キヌヨ「残念ながらお目通りすら叶わなかったからな」
フクダ「私も、動機が不純として、断られたであります……」
ホソミ「西住みほ特別部隊長、どうやらあまりモグラ志願兵との面接をする気がなかったようだからなぁ」
キヌヨ「だな……それにしても上手い。これが本当のマグロかぁ」
タマダ「我が国はマグロの産地ではありますが、我々一兵卒の口には入りませんからなァ」
フクダ「至福のときであります……」
クラーラ「……おかわりもいですよ」
フクダ「!」
クラーラ「……遠慮せず、今までの分食べてください」
フクダ「で、では、僭越ながら……!」
タマダ「あ、ず、ずるいぞ!」
キヌヨ「本当に有り難い。いいんですか、本当に」
クラーラ「ええ……」
クラーラ「これが、私達に出来るせめてものことですから」
キヌヨ「?」
412 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/06/27(木) 23:45:10.11 ID:IR7g94s60
みほ「わぁ、皆集まってる……」
ユカリ「我々モグラ組に食料を優先供給してるみたいですからねぇ」
ユカリ「貴重なごちそうなんでしょう」
みほ「あ、ハナさん、いた……」
ユカリ「引くほど山盛りにしてますね……」
クラーラ「あー……そのあたりに、しておいた方が……」
ハナ「美味しいから大丈夫です」
クラーラ「その……」
みほ「なんかほんとすみません」
413 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/06/27(木) 23:52:35.52 ID:jRWKqmDL0
見てるよ
414 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/06/28(金) 00:09:24.24 ID:Y3dE3OGa0
ザワザワザワ
みほ「……」
ユカリ「見られてますねえ」
ハナ「モグラ乗りは注目の的ですものね」 モグモグ
ユカリ「と、とりあえず私達もいただきましょう」
ユカリ「ほうっておくと全部食べられそうですし」
ハナ「大変美味しいですよ」
ハナ「……ただ……」
ハナ「私の知ってるマグロの味とは若干異なっていますが……」
ユカリ「産地のせいでしょうか」
みほ「……?」
みほ「……」 パクッ
みほ「……」 モキュッ・・・
みほ「!!」
ユカリ「では私も、いただきm――」
みほ「駄目、ユカリさん!」 バシッ
ユカリ「ええ!? な、何を……」
みほ「この味、この感覚……間違いない……」
みほ「皆さん、食べるのを中止してください!」
みほ「これはマグロじゃありません、バラムツです!!」
415 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/06/28(金) 01:15:13.04 ID:Y3dE3OGa0
ユカリ「バラムツ……?」
ハナ「食べたことありませんね……」 モグモグ
みほ「バラムツ……私の世界では深海魚です」
みほ「確かに味は美味しいんですけど、その油分は人体じゃ消化できないんです!」
キヌヨ「?」
みほ「ええと、つまり、これを食べると、ワックスエステルといって……」 アワアワ
ハナ「あ、テンパってますね」 モグモグ
ユカリ「この場の全員が注目しちゃってますからねぇ」
みほ「早い話が、それを食べると、お腹が――」
ギュルルルルルル
キヌヨ「……!」
フクダ「くぉっ……お、おは、なし中申し訳、ない、ですが……」 プルプルプル
フクダ「しょ、少々……お手洗……ひぎっ」 プルプルプル
タマダ「お、おおおおお!? な、なんだああああああ!?」 ギュルルルルルル
キャーキャーウワーヤバイギャアアアアア
ユカリ「ひ、ひいい……な、なんなんですからこれぇ!」
ハナ「どうやら消化できずそのまま体外に出る成分が含まれているようですね」 モグモグ
ユカリ「理解してなお食べるのやめません?」
416 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/06/28(金) 01:57:36.79 ID:Y3dE3OGa0
キヌヨ「お、お腹が……あっ」 ギュルルルルルル
タマダ「と、トイレを……ゆ、譲ってくれ……」 ドンドンドンドンドン
ユカリ「うあああああ……じ、地獄絵図……」
みほ「バラムツ、食べ過ぎると命に別状があるけど……」 チラッ
ハナ「この程度ならなんともありませんね」
ユカリ「ええ……」
ハナ「みほさんこそ、一口食べてましたが大丈夫なのですか?」
みほ「まあ、毒物ならたまに親戚に盛られてて耐性あるから、私は大丈夫」
みほ「それに一口くらいなら問題ないと思うから」
ユカリ「聞いてはいけないことを聞いてしまった……」
ハナ「皆さんの手当、した方がいいのでしょうか」
みほ「……ううん。一旦放置でいいと思う」
みほ「ちょっとしたお茶目で、お母さんがお偉いさんを招待して家で食事した時にこっそりお刺身をバラムツに差し替えたことがあったんだけど……」
みほ「その時も大惨事では会ったけど、誰も命は落とさなかったし」
ユカリ「聞いてはいけないことを聞いてしまった……」
417 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/06/28(金) 02:03:57.90 ID:Y3dE3OGa0
みほ「それより……」
みほ「あのバラムツは、多分意図的に用意されたもの」
みほ「そうじゃなきゃ、カチューシャさん達もバラムツを食べて遺跡に潜れていないはず」
みほ「……レッドタートルの人が市場で怪しい魚を買っていたこともありますし……」
みほ「ただの集団下痢で終わるとは、とても――」
みほ「!」
みほ(逃げられた)
ユカリ「あれ!? 給仕をされてた方はどこに――」
ドガーーーーーン
みほ「!!」
ユカリ「今の音は!」
ハナ「これはかなり不味いかもしれませんね……」 モグモグ
みほ「もうツッコミませんよ。それより行きましょう。嫌な予感がします……」
ユカリ「はい!」
ハナ「そうしましょうか」 ゴックン
ハナ(ここ、なんだか臭くなってきましたし)
ユカリ(この場には居てあげないことが武士の情けでしょう……)
418 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/06/28(金) 02:13:37.47 ID:Y3dE3OGa0
【港入り口】
マホ「くっ……」
???「HAHAHAHAHA」
???「こっちは骨董品の拳銃だけど……」
???「早撃ちなら負けないわよ」 ズキューンズキューン
???「とはいえ――面白くないし、正々堂々殴り合うなら相手になるわよ」
マホ「アイツは……」
エリカ「くそっ、レッドタートルの用心棒です」
エリカ「ああもう、なんでこのタイミングで攻めて――」
みほ「お姉ちゃん!」
エリカ「お姉ちゃんン?」
マホ「ここは危ない、下がっていろ」
みほ「で、でも……」
マホ「……ここは遺跡でもなければ、モグラ戦でもない」
マホ「ここはもう、戦場になったんだ」
419 :
ねます
[saga]:2019/06/28(金) 02:21:04.05 ID:Y3dE3OGa0
マホ「モグラ乗りを失うわけにもいかん。後方で待機を――」
ユカリ「それが、後方のメンバー、軒並み今トイレで倒れてるんですよね」
マホ「なに?」
マホ「あの用心棒――ケイはそういうタイプには見えなかったが……」
みほ「……多分、向こうは一枚岩じゃない」
みほ「正面から暴れるだけの手駒で最大の利益を得るために、内部から壊した人がいるはず……」
ズキューンズキューン
エリカ「くっそ、近づけないじゃないの!」
みほ(このままぼんやりしていていいはずはないよね……)
みほ(このまま時間を稼いでも好転するとは思えないし……)
みほ(この場で力を貸すか、何か他のことをやって手助けしないと……)
どうする?
>>420
420 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/06/28(金) 02:22:46.46 ID:5E5qz1qA0
乙
>>1
ーシャ
次に安価取る奴がいたらいい加減遺跡に潜らせてやってくれ
>>1
が疲れてきている 萎えはエタへの特急券だ……
421 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/06/28(金) 02:23:16.31 ID:5E5qz1qA0
失礼安価下
422 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/06/28(金) 20:50:16.91 ID:VLjRUPFko
この場で応戦する
423 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/06/29(土) 00:51:24.27 ID:Ti6xYOFe0
遺跡に潜らなくても全然問題はないんですが、地上でイベントを勝手に起こしたりはします
投下します
424 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/06/29(土) 00:55:54.73 ID:Ti6xYOFe0
みほ「この場で応戦します」
マホ「……すまないが、頼めるか」
みほ「はい」
マホ「エリカ、ここは彼女たちに任せて一旦引く」
エリカ「え!?」
マホ「謎の集団腹痛を逃れたものを再編するぞ」
マホ「我々と奴ら、力の差があるとすれば、統率だ」
マホ「このまま動揺のままにそのアドバンテージを手放すこともない」
エリカ「はっ、了解です!」
エリカ「……まあ、一応、死ぬんじゃないわよ」
エリカ「つっても、アンタが死ぬとは思えないけど」
みほ「ええ……任せてください」
みほ「弾を避けるのは得意ですから」
425 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/06/29(土) 01:02:11.56 ID:Ti6xYOFe0
バババババババ
みほ「ふっ、ほっ」
ユカリ「おおっ、なんと見事な回避!」
ユカリ「上半身を最低限に動かす無駄のない回避術……」
ユカリ「これがあちらの世界の戦車道……!」
???「わお! すごいわねえ」
???「面白くなってきたわ」 ポイポイッ
ユカリ「ゲエーーーッ、銃を捨てた!?」
???「銃は我が国の文化だけど……」
???「このテキサスブロンコであるケイさんは、コッチが本職なのよねっ」 バシッ
ケイ「さあ、やりあいましょう。拳で!!」
426 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/06/29(土) 01:03:38.44 ID:Ti6xYOFe0
バババババババ
みほ「ふっ、ほっ」
ユカリ「おおっ、なんと見事な回避!」
ユカリ「上半身を最低限に動かす無駄のない回避術……」
ユカリ「これがあちらの世界の戦車道……!」
???「わお! すごいわねえ」
???「面白くなってきたわ」 ポイポイッ
ユカリ「ゲエーーーッ、銃を捨てた!?」
???「銃は我が国の文化だけど……」
???「このテキサスブロンコであるケイさんは、コッチが本職なのよねっ」 バシッ
ケイ「さあ、やりあいましょう。拳で!!」
427 :
重複申し訳ない……しかも寝落ちしかけてた……
[saga]:2019/06/29(土) 02:35:51.41 ID:Ti6xYOFe0
ズガンッ
ユカリ「ゲエーーーーッ! 素手で床がへこんだ!?」
ケイ「ふふ……」
ケイ「このガントレットに砕けないものはないわ」
ユカリ「ですが――」
みほ「……うん」
みほ「当たらなければどうということはありません」
ケイ「あら、言うじゃない」
ケイ「そういうことは――このナックルパートを防ぎきってから言ってほしいわね!」 ブンッ
みほ(速い……でも……砲弾ほどじゃあないッ) スッスッ
ケイ「捉えたわよッッ」 ブオンッ
みほ(お母さんが言ってた……何事も力をうまく逃がすことがコツだって)
みほ(昼飯の角度と同じ……戦車道も喧嘩道も、根底にある基本戦術は一緒なんだ……)
ユカリ「う、うまいッ!」
ユカリ「肘でうまく力の方向をずらし、見事にいなしている……」
ユカリ「これが西住流というやつなのですねっ」
428 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/06/29(土) 03:04:28.70 ID:Ti6xYOFe0
ケイ「ウップス!!」
みほ(バランスを崩させた所で一撃を入れるッ)
みほ(西住流家元の娘とあらば、拉致の危険も常に付きまとう)
みほ(護身術は教わってるッ) ドゴォ
ケイ「かはッ……」
みほ(このまま首を締め落と――)
ケイ「なかなかやるじゃない」 ニタァ
みほ「…………ッ」 ゾッ
ケイ「捕まえたわ……」
ケイ「あの一撃でひるむと……思った?」
ズダンッ
みほ「かはっ……」
ユカリ「そ、そんな……あんな一撃を受けてひるまないなんて……」
ケイ「なんとか引きずり倒せたけど……」
ケイ「不用意にマウントからの大ぶりの一撃なんかしたら、カウンターが跳んできそうね」
ケイ「……激しく後頭部を打ったみたいだけど、それで動けなくなるようなタマじゃあなんでしょう?」
ユカリ「なっ……あ、あの姿勢はッッ」
ケイ「だから……まずはその厄介な足をいただくわ」
ギリギリギリギリギリ
みほ「がっ……」
ユカリ「あ、あれはテキサスクローバーホールド!!」
みほ(か、関節技……!?)
ケイ「私をただの大振り馬鹿と思った?」
ケイ「私は関節技もイケるのよ!」
ケイ「足首をグシャグシャにしてあげるわっ!」
みほ(ぬ、抜け出せないッ……!)
ゴキィィッ
429 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/06/29(土) 03:07:01.11 ID:Ti6xYOFe0
みほ「…………え?」
ユカリ「あ、ああ〜〜〜〜〜〜!!」
サオリ「大丈夫、みぽりん!?」
ユカリ「W号戦車!!」
マコ「何とか間に合ったな」
ユカリ「全速力でツッコミ、砲身で相手をふっとばすとは…・…」
ハナ「ですが……みほさんを助けるためとはいえ、心が痛みますね……」
ハナ「砲身はお花を活けるものであって、殴るためのものではないのに……」
みほ「うんちょっと何言ってるか分からないけど助かったのでそこは本当にありがとう」
430 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/06/29(土) 03:38:14.66 ID:Ti6xYOFe0
ケイ「ふ、不意打ちなんてやるじゃない……」
ユカリ「ゲエーーーーッ! なんで結構な速度で砲身に突っ込まれて立ち上がれるんですか……」
ケイ「ノープロブレム」
ケイ「丈夫な身体に生んでくれてありがとう、マム」
ケイ「さあ、続きをやるわよ!」
みほ「えっ……」
ケイ「ほら、早く乗った乗った」
ケイ「どうせならフルメンバーの相手とやらなくちゃ面白くないでしょう?」
みほ「……あの……」
みほ「まさか、生身の肉体でモグラと戦うつもりで……?」
ケイ「オフコース!」
ケイ「これは戦争じゃなくて決闘みたいなものだしね」
ケイ「それに私、自分より大きい相手と戦うの、ワクワクするのよ」
みほ(蛮族だ……)
431 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/06/29(土) 04:03:34.66 ID:Ti6xYOFe0
【繁華街】
杏「……ブラックティーガーは闘いのプロ」
杏「寄せ集めではあるけど、全員が軍人」
杏「統率力も実戦経験もピカイチだよね」
杏「ただの犯罪組織であるウチとじゃ、訓練にも経験にもあまりにも差がありすぎる」
杏「まともに戦ったら勝ち目はないよねぇ」
ユズ「……つまり……」
ユズ「」犯罪組織らしい闘い方をすれば、勝機はあるってことだよね
杏「……」
杏「仕込みはかーしまがやっといてくれたんだ」
杏「ケリをつけて、かーしまへの餞にするよ」
ユズ「……うん」
432 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/06/29(土) 04:05:57.28 ID:Ti6xYOFe0
【港】
ノンナ「……」
ノンナ「頃合いですね」
ノンナ「プラウダ分隊へ告ぐ」
ノンナ「これより、特別任務を実行する」
ドカーーーーーーン
マウ子「ええっ、ど、どうした!?」
履帯子「は、背後から撃たれています!!」
マウ子「な、なんだって?!」
433 :
眠いので中断します
[saga]:2019/06/29(土) 04:22:28.55 ID:Ti6xYOFe0
バンバンバン
マウ子『た、隊長!!助k』 ザ、ザザーッ
マホ「何事だ!」
エリカ「は、反乱です!」
エリカ「第二小隊が第三小隊を背後から攻撃!」
エリカ「第三小隊は……か、壊滅したそうです!」
マホ「……ッ!」
マホ「……なぜだ」
マホ「何故だ、ノンナ中尉!」
434 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/03(水) 03:01:46.14 ID:KcVUtz/l0
眠すぎるのでちょっとだけやったら寝ます
435 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/03(水) 03:12:57.84 ID:KcVUtz/l0
ガイィィィン
みほ「ひえっ……」
みほ「こ、この世界の人、本当に素手で戦車に!?」
ユカリ「そうですね、白兵戦でもグラを相手取るのは、そう珍しい光景ではありません」
ユカリ「メリケンサックのみでというのはかなり珍しいですが……」
みほ(うう……分からない、文化が違う……)
サオリ「わわっ、ブレーンバスター、またくるよ!」
マコ「ちっ、厄介だな」
ハナ「雇われとはいえ、さすがはギャングスターのボディガードということか……」
みほ「と、とにかく、時間を稼いでこのままこの厄介な相手を――」
みほ「……あっ、あれは――!?」
436 :
ロシア語の日本語吹き替え版でお送りしております
[saga]:2019/07/03(水) 03:21:01.39 ID:KcVUtz/l0
ノンナ「ちっ……」
ノンナ「クラーラ、西住まほの首はまだですか」
ノンナ「戦況の報告を」
クラーラ『くっ……予想より手こずってます』
ノンナ「何?」
クラーラ『やはり、同じ釜の飯を食った仲間を撃つのに抵抗があるらしく……』
ノンナ「Siht……長居しすぎた、か……」
ノンナ(カチューシャの意思を尊重し、カチューシャにヘイトが集まらないよう慎重になりすぎていた……?)
ノンナ(いや、もう過ぎたことを考えていても仕方がない)
ノンナ(まずはレッドタートルと合流し、確実にブラックティーガーを葬る)
ノンナ(それから――皆で祖国に帰る。レッドタートルの一員としてだけど、カチューシャを帰してやれる)
ノンナ(この機を逃すわけには――――)
437 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/03(水) 03:23:12.53 ID:KcVUtz/l0
みほ「あっ、あれは――!?」
ユカリ「げっ、あれは話題の裏切り部隊の……!」
ケイ「わお、ソーリーノンナ」
ケイ「楽しく殴り合ってたら、合流のことをすっかり忘れかけてたわ」
ノンナ「かけてた、では済まないと思いますが、いいでしょう」
ノンナ「まずは目の前のモグラを仕留める。それが最優先です」
みほ「うっ……」
みほ(逃げるか……戦うにしてもどう戦えばいいんだろう……)
どうする?
>>438
438 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/07/03(水) 08:52:18.72 ID:fRdX0nHk0
戦う
おケイを排除 プラウダ組とやるのであればモグラの装甲に物言わせて指揮官まで一気に突撃
そして排除
439 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/04(木) 00:51:20.20 ID:0EfuPUlb0
のんびりやります
440 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/04(木) 00:56:53.78 ID:xz3QLo/H0
西住殿がジオットみたいになってきた
441 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/04(木) 00:57:58.47 ID:0EfuPUlb0
みほ「……やるしかない、かな」 ボソ
ユカリ「え?」
みほ(……今から引くのは無理)
みほ(あの人が異常なのかこの世界の人間が異常なのか分からないけど――)
みほ(平気な顔して戦車に白兵戦を仕掛けてくるし、そのフットワークで逃すまいとしてくる)
みほ(マコさんの腕なら逃げ切れるかもしれないけど…・・)
みほ(逃げたところで、何にもならない)
みほ(むしろ、戦車相手に接戦を演じるこの人をフリーにするだけ)
みほ(自分の白旗惜しさに本隊を危険に晒すような真似は出来ない)
みほ「……こわい、なあ」
サオリ「みぽりん……」
みほ(本当は、指揮なんて取りたくない)
みほ(私の決断一つで何もかもが終わってしまうあの恐怖が忘れられないから)
みほ(責任のある決断なんて、したくない。けど――)
みほ「でも……何もしないで死んでいくのは嫌……」
みほ「こっちの世界のお姉ちゃん達が、何もしないせいで死ぬのはもっと嫌!」
みほ(もう二度と戦車道に関わりたくないっていうのは本心だけど)
みほ(もしまたあの決勝戦と同じ場面になったとして)
みほ(友達を見捨てることなんて、きっと出来ない)
みほ「ハナさん、例のアレ、お願いします」
みほ「ここで敵を殲滅し――敵視期間を叩きますッ」
442 :
×敵視期間 → ○敵指揮官
[saga]:2019/07/04(木) 01:27:52.35 ID:0EfuPUlb0
ケイ「ふう……さすが、本場のモグラは違うわねぇ」
ケイ「なんとか直撃しないように鉄甲で軌道をずらせてるけど……」
ケイ「直れば普通に人類死ぬわね……」
ケイ「でもまァ……にも関わらず、そんな砲弾が飛び交う中で平然としているのでしょう?」
ケイ「なら私だって、引いてちゃ格好悪いもんね」
ケイ「正々堂々、真っ向から叩き潰してあげるわ」
みほ「発射」
ケイ「さあ来なさい」
ケイ「しっかりと芯をずらして――――」
ケイ「!?」
ヴォッッ
ケイ「ッ!?」
ゴオオオオオオオオ
ケイ「あっ……ぎゃああああああああ」
みほ「……遺跡で拾った火炎放射器」
みほ「これならば、弾けませんよね」
443 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/04(木) 02:33:18.52 ID:0EfuPUlb0
ノンナ「くっ……」
ノンナ(連携を取る前に潰されたッ……)
ノンナ(一体どうなって……)
みほ「マコさん、旋回してください」
マコ「あいよ」
みほ「次はあの戦――モグラを潰します」
ノンナ(遺跡に潜る度胸もない腑抜けだったはず……)
ノンナ(それなのに、この寒気はッ……)
ノンナ「ふー……」
ノンナ「総員、戦闘準備」
ノンナ「眼の前の障害を叩き潰し、クラーラ隊と合流するッ」
444 :
眠すぎて文章ガッタガタになってそうだから脳内補完よろしくです
[saga]:2019/07/04(木) 03:28:07.00 ID:0EfuPUlb0
ノンナ(同じモグラを駆る者とはいえ――遺跡探索と戦争とでは勝手が違う)
ノンナ(装備の違いもあるだろうが……そこは大した問題ではない)
ノンナ(最も重要なファクターは、対戦相手)
ノンナ(排除しようと追い回してくる機械も、腹を減らしたドラゴンも、十分驚異的)
ノンナ(鍛え抜かれた軍人ですら、遺跡初陣ではあの異常な事態を目の当たりにしパニックを起こすほどだ)
ノンナ(だが――逆もまた然り)
ノンナ(遺跡の化物と、人間が向けてくる殺意とでは、まるで別物)
ノンナ(同じ知的レベルのものが、心底の殺意を向けてくる感覚は、初見の者なら怯ませることができる)
ノンナ(習性を利用した逃走も出来ない相手に殺される恐怖は、隠しようもないはず)
ノンナ(なのに……なぜ彼女はこうも殺気に慣れている……?)
ノンナ(なぜ……ここまで本気の殺意を、こちらに向けることができる……!?)
ノンナ「……化物め(と、ロシア語で言っている)」
445 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/04(木) 03:40:00.55 ID:0EfuPUlb0
みほ(……)
みほ(やっぱりハナさん、人が乗ってる戦車を撃つのに抵抗があるみたい……)
みほ「ハナさん」
ハナ「…………大丈夫です」
ハナ「分かっています」
ハナ「分かってますから」
サオリ「……ハナ、食堂でよく色んな人と話をしてたもんね」
マコ「その中には当然今から殺そうとしている奴らも……」
ハナ「……みほさんは……」
ハナ「どうしてるんです?」
みほ「え?」
ハナ「お話を聞いていた限り、私達の世界よりも平和そうなのに……」
ハナ「それほどの殺気耐性と殺気、一体どちらで……」
みほ「……」
446 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/04(木) 03:57:56.67 ID:0EfuPUlb0
みほ「平和な世界でも、殺意というのは向けられます」
みほ「……平和だからこそ、闘いの場でだけじゃない……」
みほ「四六時中、どこで何をしていても、嫉妬や嫌悪が入り混じった殺意を向けられてきました」
ハナ「そんな……」
みほ「それに、平和だからこそ、まわりくどいんです」
みほ「直接襲ってきたら犯罪だから……」
みほ「だから、遠まわしに、死んだらラッキーくらいの感覚で殺意を形にしてくる」
みほ「……こうして相対し、命のやり取りを迫られたうえで向けられる殺気くらい、なんともありませんよ」
447 :
寝落ち申し訳ない。クソぬむいので書きかけでおいてあったやつだけ投下したら今日は寝ます申し訳ない
[saga]:2019/07/05(金) 02:22:20.03 ID:bYbVtVOz0
ノンナ(くっ……押されている……)
みほ「……」
みほ(戦争と戦車道は違う……)
みほ(これが普通の戦場だったら、きっと戦車道しか知らない私じゃ勝てなかっただろうけど)
みほ(……でも、一騎打ちならばこちらに分があります)
みほ(戦争にいくための練習で、こんなタイマンの戦車戦なんて教わってないはず……)
みほ(だけど私は、西住流の一人娘として、物心ついた時からずっと、その手の訓練は受けてきたッッ)
みほ「マコさん!」
マコ「はいよ」
みほ(それに――私の考えを忠実に再現してくれる味方がいるッ)
ズドム
ノンナ「!」
ノンナ(履帯が……)
ノンナ「……」
ノンナ車操縦手「や、やばい、どうしよう!?」
ノンナ「……私が撃ちます」
ノンナ車砲手「え?」
ノンナ「指揮は任せていいですか」
ノンナ「……カチューシャのためにも、あのモグラだけでも仕留めなくては」
448 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/07(日) 00:40:20.90 ID:99MgnPfv0
毎度毎度続きが気になるほど楽しんでいます
書いてくださってありがとうございます……!!
449 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/08(月) 01:57:36.65 ID:V20f0vBl0
眠たいので少しだけですがコツコツやります
エタりたくはない…
450 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/08(月) 02:08:32.04 ID:V20f0vBl0
ノンナ(キューポラから顔を出している)
ノンナ(あそこを撃ち抜けばすべて終わる……が……)
ノンナ(あれは罠)
ノンナ(あの身体能力を見るに、一流スナイパーであっても避けられないのは難しい)
ノンナ(狙うべきは、機敏に動かぬ車体の方)
ノンナ(射撃を極めていれば、たとえ相手が戦車であろうと、一撃を入れるだけで決着は――)
みほ「今!」
マコ「任せろ」
ギャルルルッ
ノンナ「!?」
みほ(戦場では……インファイトなんてそうしないはず)
みほ(戦車道で鍛えたドリフトのノウハウを、前の遺跡に潜ったときに教えておいてよかった……)
みほ(遺跡ではそこそこ有用だからって覚えてもらってなかったら危なかったけど、なんにせよ――)
みほ「うしろを取りました!」
みほ「発射!」
ハナ「……はい」
ズガン!!
451 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/08(月) 02:47:51.73 ID:V20f0vBl0
ゴォォォォォォォォ
みほ「………………」
みほ「え?」
ユカリ「?」
ユカリ「どうかしましたか?」
みほ「え……あ……」
みほ「も、燃え……」
ユカリ「?」
ユカリ「ええ、まあ、撃墜を成し遂げたらそうなりますよ」
みほ「撃墜……」
みほ「で、でも、特殊カーボンが……」
マコ「……カーボンは遺跡に潜って生き延びやすくするための加工だ」
マコ「モンスターには有効だが、モグラ同士の戦闘となるとそうはいかない」
ハナ「モグラ同士で争わせる国が出てきて以来、特殊カーボンの上から殺せる弾丸や技術が広がりましたからね」
みほ「う……え……?」
サオリ「ちょ、みんなストップ!」
サオリ「みぽりん、平和でスポーツみたいに戦う世界からきたんだよ!」
サオリ「いきなりそんなこと言ったら、脳みそパンクして停止しちゃうよ!」
みほ「あっ……あっ……」
452 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/08(月) 02:53:07.48 ID:V20f0vBl0
みほ(死んだ……? 死ん……そ、そんなわけ……)
ゴォォォォォォォォ
かつてノンナ車通信酒だった燃える塊「ガァァァァァァ」
みほ「ひっ」 ビクッ
みほ「あ……ああ〜〜〜〜〜〜っ!」 ガクガク
ガクン
ユカリ「!?」
サオリ「な、何!?」
マコ「ば、馬鹿な……」
マコ「前輪が浮いて……!?」
???「ふ……ふふ……」
???「サンダース大陸の出身者は……ただでは……やられないのよ……」
ハナ「貴女は――――」
ケイ「この、まま……ブレーンバスターでぶっ壊してあげるわ……!」
453 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/08(月) 02:59:23.35 ID:V20f0vBl0
ユカリ「な、なぜ火達磨になったはずの貴女が!?」
ケイ「あら、知らないの?」
ケイ「サンダースの女は、燃えるような勝負でこそ強くなるのよ」
サオリ「燃えるような、っていうか、燃えてるのにぃ!」 ヒーン
ケイ「そ、それに……」
ケイ「この世に生をうけて、貴方達のようなやつらになめられっぱなしじゃ」
ケイ「生きてる甲斐がないってものよーーーーーっ!!!」
グワァ
サオリ「ま、マコ!」
マコ「まずいな……完全に持ち上げられている……」
マコ「だが、あんなフラフラな体による肉弾戦では、カーボンに守られたモグラならどうということ――」
454 :
限界が来たので寝ます
[saga]:2019/07/08(月) 03:04:22.53 ID:V20f0vBl0
ギリギリギリ
マコ「何……!?」
サオリ「どうしたの、マコ!?」
マコ「まずい……」
マコ「あの火達磨モグラ、まだ砲手が息をしているッ」
サオリ「ええ!?」
ハナ「持ち上げられているせいで、こちらの砲手は向こうのモグラを上手く捉えきれてません……!」
サオリ「どうしようみぽりん! みぽりん!!」
みほ「え、あ……」 カタカタ
455 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/09(火) 00:28:23.53 ID:V4aH7U140
明日は出来ないので少しだけでもやります
456 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/09(火) 00:50:27.44 ID:V4aH7U140
ノンナ「ハァー……ハァー……」
ノンナ(燃えている……もう我々は終わり……)
ノンナ(……車の皆には、悪いことをした……)
ノンナ(でも、後悔はない……)
ノンナ(命にかえても、生きて帰すと、誓った、の、だから……)
ノンナ(レッドタートルとして……すぐ帰れる道は……潰え……)
ノンナ「……」
ノンナ(でも……)
ノンナ(ちゃんと……カチューシャが……いないときに……やれた……)
ノンナ(責任を負うのは……私達、だけでいい……)
ノンナ「…………」
ノンナ「カチューシャ……」
ノンナ「私がいなくても……貴女は絶対……勝利……します……」 カチッ
457 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/09(火) 02:19:32.08 ID:V4aH7U140
マコ「くっ……まずいぞ、おい、隊長!」
マコ「このままじゃ全員死ぬぞ!」
みほ「……っ!」 ハッ
みほ「ハナさん、撃って!」
ハナ「え?」
みほ「いいから!」
ハナ「は、はいっ」
ドンッ
ドザアッ
サオリ「い、いたた……」
ユカリ「一体何が……」
みほ「……空中に向けての砲撃」
みほ「その反動で、この戦車を支えてる人のバランスを崩した……」
ユカリ「なるほど、それでモグラごと落とされたってことですか」
マコ「危なかったな……あのまま固定されていたら撃ち抜かれて全滅だったぞ」
サオリ「……あれ……さっきの素手で挑んでくる人の死体がない……」
ユカリ「下敷きになってるなじゃいですか?」
みほ「……」 ズキン
ハナ「……相手のモグラは……」
ゴオオオオオオオオ
ユカリ「……完全に燃えてますね」
ユカリ「もう動いてもこないでしょう」
458 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/09(火) 02:32:00.79 ID:6Q2b4Rie0
今から遺跡攻略して間に合うかな?
仲間揃ってる?
459 :
>>458 減る恐れがある
[saga]:2019/07/09(火) 02:50:28.53 ID:V4aH7U140
【港(みほ達の戦闘地点より奥まった場所)】
まほ「……終わりだ」
クラーラ「……そのようですね」
まほ「一時的にでも同胞だった者に手をあげるのを躊躇ったな」
クラーラ「……貴女も躊躇っていたはずなのに、きっちりと、やってくれましたね」
まほ「……私は隊長だ」
まほ「他の大勢の仲間を守る義務がある」
クラーラ「……ふふ」
クラーラ「私や一兵卒とは違う、というわけですね……」
クラーラ「……」
クラーラ「カチューシャ様も……きっと……仲間のためなら……」
まほ「……」
まほ「一つ聞きたい」
まほ「敬愛するカチューシャが不在のタイミングで動いたのは何故だ」
まほ「カチューシャが指揮していれば、そちらの兵は迷いなく銃を撃てただろうに」
クラーラ「……ふふ」
クラーラ「カチューシャ様は……あの人は、器が大きいですから……」
クラーラ「丸ごと全員救うつもりだったから……」
クラーラ「自分たちだけ助かる作戦なんて、乗ってくれるわけがありませんよ」 フフ
まほ「……そうか」
まほ「それだけ聞ければ結構」
バキューーーーーン
クラーラ「……カチューシャ様……」 ドサッ
まほ「……丁重に葬れ」
まほ「短い間だったが……頼れる仲間だった」
460 :
×まほ→○マホ 眠気で脳みそ死んでる許して
[saga]:2019/07/09(火) 02:57:02.77 ID:V4aH7U140
ザザー・・・
インカム『れ、レッドタートル、撤退していきます』
エリカ「ちっ……!」
エリカ「仕掛けておいて随分ナメた撤退するじゃないの」
エリカ「追いかけてぶっ殺――――」
マホ「待て」
エリカ「隊長?」
マホ「追うんじゃない」
エリカ「えっ……?」
マホ「交戦になったら殺すべきだが、逃げられているのなら、殺すために無理して追う必要はない」
マホ「……今回の交戦、食事の罠もあり、こちらの戦力はガタ落ちしている」
マホ「加えて、謀反を鎮圧したとはいえ、我々が倒した者の八割以上が元味方だ」
マホ「レッドタートルは損害が少ない」
マホ「下手な人数で追いかけても、おびき出さた形となり返り討ちになりかねない」
マホ「かといって大人数で攻め込んで、ここを空にするのは論外だ」
マホ「隠れていた敵本隊に攻め込まれたら最悪だからな」
461 :
眠いので寝ます
[saga]:2019/07/09(火) 03:25:41.66 ID:V4aH7U140
エミ「た、隊長!」
エリカ「!」
エリカ「今度は何!」
エミ「その、帰ってきました!」
エリカ「はぁ?」
エリカ「カチューシャ大佐です!」
エリカ「!!」
マホ「無事なのか?!」
エミ「それが――――」
遺跡から帰ったカチューシャ達の戦果
>>462
のコンマで決定
00〜09:出撃メンバーは全滅し、遭難してた面々も死亡が確認され、遺跡の宝も回収できず、報告後カチューシャも息絶える
10〜19:出撃メンバーは全滅し、遭難してた面々が若干名生還するが、遺跡の宝は持ち帰れていない
20〜29:出撃メンバーは全滅し、遭難してた面々は死亡が確認されるが、遺跡の宝だけは持ち帰られている
30〜39:出撃メンバーに犠牲が出ており、遭難してた面々も救助できず、そのうえ宝も回収できていない
40〜49:出撃メンバーに犠牲が出ており、遭難してた面々の救助は出来たが、遺跡の宝は回収でき
50〜59:出撃メンバーに犠牲が出ており、遭難してた面々は救出が出来なかったが、遺跡の宝は回収してきた
60〜69:出撃メンバーに犠牲が出ているが、遭難してた面々は救出でき、遺跡の宝も回収できている
70〜79:出撃メンバーは全員無事だが、遭難してた面々は全滅しており、しかも遺跡の宝も回収できてない
80〜89:出撃メンバーは全員無事だが、遭難してた面々は全滅しており、しかし遺跡の宝は持ち帰ってる
90〜99:出撃メンバーは全員無事で、遭難してた面々も無事回収し、しかも遺跡の宝も持ち帰ってる
462 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/09(火) 03:27:09.72 ID:B3ofu2l1O
どうかな?
463 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/09(火) 22:01:58.32 ID:vvUfgOcjO
おいおいおい死んだわあいつら
464 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/17(水) 02:48:53.02 ID:QvQ3Bxw30
眠いので少しだけですが、三連休遊び歩いてて透過できなかったので投下していきます
465 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/17(水) 02:58:15.09 ID:QvQ3Bxw30
マホ「カチュー――」
カチューシャ「……」
マホ「……」
マホ「みんなは……」
カチューシャ「……手遅れだったわ」
カチューシャ「待たせすぎたのよ」
マホ「……」
カチューシャ「……これだけは……連れて帰れたわ」 チャリッ
エリカ「ドックタグ……」
エリカ「ほんとに……みんな……」 ギリッ
カチューシャ「……それを連れ帰るだけで精一杯だった」
カチューシャ「誰も犠牲にはなってないけど……宝は持ち帰れなかったわ」
マホ「いや、十分だ。助かった」
カチューシャ「……疲れたわ。ノンナはどこ」
カチューシャ「子守唄を歌ってもらって今日はもう寝るわ」
マホ「……」
エリカ「……」
466 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/17(水) 03:12:28.85 ID:QvQ3Bxw30
エリカ「……アンタの副官は……」
マホ「……」 スッ
マホ「カチューシャ」
カチューシャ「?」
マホ「これを」 チャリッ
カチューシャ「……?」
カチューシャ「!!」
カチューシャ「これ……」
マホ「……先刻まで、レッドタートルとの抗争が展開されていた」
マホ「これは、その犠牲者のものだ」
カチューシャ「う、嘘……」
カチューシャ「ノンナ……クラーラ……」
カチューシャ「じょ、冗談なんでしょう……?」
マホ「……」
マホ「すまない」
カチューシャ「〜〜〜〜〜っ!」
467 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/17(水) 03:26:06.82 ID:QvQ3Bxw30
ドゴッ
エリカ「ッ!」
マホ「よせ」
マホ「……私の力が足りなかったが故の犠牲だ、今の一発は受け入れよう」
マホ「だが……それ以上はもらってやることができない」
マホ「私にはまだやらないといけないことがあるからな」
マホ「……お前もだろう」
マホ「たった数人だが、一緒に潜った部下が、まだ帰してやるべき部下がいるはずだ」
カチューシャ「…………」
マホ「……ノンナ達も、カチューシャを信じ、カチューシャの未来を願っていた」
カチューシャ「……ッ」 ダッ
エリカ「あ、ちょっと!」
マホ「……いい。放って置いてやれ」
マホ「心の整理には時間が必要だ」
マホ「……私達にも、な」
468 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/17(水) 03:34:17.68 ID:QvQ3Bxw30
エリカ「……何故……裏切りのことを黙っていたんですか?」
マホ「……甘い、と思うか?」
エリカ「……」
マホ「……ただの温情じゃない」
マホ「今回の闘いで、犠牲が大量に出た」
マホ「これ以上内輪揉めして戦力を減らすことはできない」
エリカ「それは……」
マホ「……」
マホ「レッドタートルも完全に撤退をしたようだ」
マホ「生存者を探しにいってきてくれ」
エリカ「……はい」
マホ「……」
マホ「……」
マホ「くそっ……」
469 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/17(水) 03:41:56.27 ID:QvQ3Bxw30
みほ「……」 ハァー…ハァー…
みほ「うっ……」
みほ「オェェェェ」
サオリ「ひあっ!」
ハナ「だ、大丈夫ですか!?」
みほ「うぶっ」 タパタパタパ
ユカリ「あわわ、きゃ、キャッチ!」
マコ「うわっ、素手で……」
ユカリ「あまりモグラを汚すわけにはいきませんし……」
ユカリ「お望みとあらば、口ででも!」
マコ「やめてくれ、その発言が気持ち悪くて吐きかねない」
470 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/17(水) 03:49:27.58 ID:QvQ3Bxw30
みほ「う、うう……」
ハナ「……みほさんの元いた世界は、平和だったんですものね……」
サオリ「そっか……命のやり取りは無縁だったんだもんね……」
ユカリ「元気だしてください……!」
マコ「……」
マコ「人を殺めてしまったと思っているのかもしれないが……」
サオリ「?」
マコ「誰も手にかけていないと言えるかもしれないぞ」
サオリ「へ?」
ハナ「どういうことでしょう」
マコ「コッチの世界のニシズミさんと入れ替わったように……」
マコ「元いたらしい世界とこっちの世界では、同じような人物が存在している、ということだったな」
ハナ「ええ……確かそのようなことをおっしゃってました」
マコ「……西住さんは、元々この世界の人間じゃない」
マコ「……そして、あっちの世界では、多分、今殺めてしまった相手も生きている」
マコ「仮に命を落としていたとして――こっちの世界に来ている西住さんの責任とは言えない」
マコ「つまり、元の世界に帰れば、西住さんは綺麗な身体ということだ」
ユカリ「少々屁理屈っぽくはありますが……」
ユカリ「でもまあ、本来この世界にはいない人物ですからね」
ユカリ「言うならば夢の中での殺人」
ユカリ「……本来の世界で目覚めたときには、綺麗さっぱり忘れていいやつですよ」
471 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/17(水) 03:52:05.97 ID:QvQ3Bxw30
みほ「……うん」
みほ(そんなの、全部、嘘……)
みほ(私を安心させるためだけの、都合のいい解釈……)
みほ(だけど……)
みほ(まともに向き合うなんてこと、できそうにない……)
みほ「……」
みほ(結局……あのときから私は何も変わってないのかな……)
みほ(責任から、逃げ出して……)
みほ「……」
みほ(それでも……せめてW号の皆には報いるためにも……)
みほ(そして……なんとか……無理矢理にでも前を向くためにも……)
みほ「絶対に……生きて帰らなくちゃ……」
472 :
寝ます
[saga]:2019/07/17(水) 03:57:37.16 ID:QvQ3Bxw30
アリサ「しっかしまァ……随分派手にやられてるわねえ」
みほ「あ……アリサさん……」
ユカリ「ご無事だったんですものねっ!」
アリサ「……まーね」
アリサ「って言っても、九死に一生って感じだけど」
アリス「みほさん……大丈夫……?」
みほ「……うん……」
みほ(本当は……とてもつらいけど……)
アリス「……ひどい状況だけど……」
アリス「明日はどうするの?」
アリス「大変そうだし、それが実現できるよう、今からお手伝いしておくけど……」
みほ「わあ、ありがとう……」
みほ「ええと、明日は
>>473
」
どうする?
>>473
疲れたから寝て過ごす
・港をうろつく
・ブラックティーガー本拠地に行く
・リストランテ『アンツィオ』に行く
・市場に行く
・町外れの酒場『トゥータ』に行く
・歓楽街に行く
・ガラクタ山に行く
・ガラクタ山の麓にあるスラム街に行く
・ガラクタ山の麓にある高級住宅街に行く
・奴隷市場に行く
・ユカリに会う
・サオリに会う
・ハナに会う
・マコに会う
・マホに会う
・エリカに会う
・アカホシに会う
・アンチョビに会う
・アッサムに会う
・アリサに会う
・アリスに会う
・ローズヒップに会う
・モモに会う
・他の陣営に攻め込む
473 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/17(水) 03:59:59.52 ID:DJfJikwSo
本拠地
474 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/19(金) 02:18:45.64 ID:rjn0kz0O0
投下します
475 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/19(金) 02:49:49.31 ID:rjn0kz0O0
みほ「本拠地に顔を出そうかと……」
アリサ「あー」
アリサ「まあ、この惨状だものね」
アリス「……私達はみほさんに雇われただけだからいいけど……」
みほ「……うん……顔を出さないわけにはいかないし……」
みほ「……」
みほ(それに……今後のことも話しあわなくちゃ……)
みほ(……もう後には退けない……)
みほ(誰も死んでない平和な世界に帰って、手を汚したことも全部夢のようにしなくちゃ……)
みほ(真剣に……考えないと……)
ユカリ「西住殿……」
アリサ「……心配なのは分かるけど、今はそっとしてあげる方がいいでしょ」
アリサ「……割り切ってかなきゃ、この町じゃ持たないし」
アリサ「それは他人がどーこーしてやれることでもないわ」
476 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/19(金) 03:31:58.09 ID:rjn0kz0O0
【レッドタートル本拠地】
杏「……」
ユズ「アンズ……」
杏「裏切りを誘発し、バラムツで部隊の大半を体調不良に追い込んでも勝てない、か」
杏「やっぱ本物だねぇ、ブラックティーガーは」
杏「……」
杏「とはいえ、こっちも大事な友人を殺られてるし、引くわけにはいかないよね」
杏「……」
杏(とはいえ手札がないのも事実……)
杏(どうすれば……)
カツーン……
カツーン……
杏「ん?」
ユズ「この靴音は……」
ケイ「ただいま、アンジー」
杏「……!」
477 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/19(金) 03:37:20.75 ID:rjn0kz0O0
ケイ「ボロボロだけどなんとか帰ってこれたわ」
ユズ「すぐに治療を……」
ケイ「……それと……」
ケイ「お土産を持ってきたわ」
杏「?」
ケイ「向こうの戦力リストを私なりの視点でね」
ケイ「……アンジーなら、情報があればなんとかなるでしょう?」
ケイ「ましてや向こうはコッチと違って戦力の補充が難しいのだから」
杏「……助かるよ、ほんと」
杏「これなら……そうだねぇ」
杏「今は――――」
478 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/19(金) 04:11:18.92 ID:rjn0kz0O0
<21日目>
【ブラックティーガー本拠地】
みほ「え?」
みほ「レッドタートルが……?」
マホ「ああ」
マホ「ある程度態勢を立て直し、先遣部隊も送ったのだが……」
マホ「どうやら昨晩の内にもぬけの殻になっていたらしい」
エリカ「内輪もめの隙を突かれたわね」
マホ「……先遣部隊によりブルーチーターより先にもぬけの殻であることに気付いたからな」
マホ「レッドチーターが抑えていた遺跡も占拠はできたが……」
エリカ「ただでさえ戦力が減ってるのに、守らないといけない遺跡が増えたわけ」
エリカ「……レッドタートルが消えたことはブルーチーターの連中もすぐ気付くだろうし」
コウメ「ごめんね……」
コウメ「私達が昨日攻略できていれば……」
エリカ「……アンタだけのせいじゃないわよ」
エリカ「今までずーっと放置してた奴のせいでもあるし」 ジトー
みほ「あ、あはは……」
479 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/19(金) 04:20:27.24 ID:rjn0kz0O0
マホ「……カチューシャも、薄々感づいてはいるようだが……」
エリカ「……攻め込んでこないと聞いてたレッドチーターが攻めてきた」
エリカ「その事実の前では、どうしてもそうなります」
マホ「……それが良くない方向にいかないといいのだが……」
マホ「一先ずはエリカとコウメに遺跡の見張りを主にやってもらおうと思う」
マホ「……あまりのんびりしてられなくなったからな」
マホ「急かすようで悪いが、早めに1つの遺跡でも攻略してくれると助かる」
みほ「……はい」
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