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【安価】みほ「装甲車バトルディッガーです!」【ガルパン】
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1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/02(火) 23:04:05.72 ID:mc2KyDgi0
【黒森峰学園艦】
みほ「はぁ……」
みほ(今日も転校するってこと、お姉ちゃんにも言えなかったな……)
みほ(お母さんに言い出すのも遅くなったから、新学期すぐに転校ってこともできなかったし……)
みほ「お姉ちゃん……怒るかな……」
みほ(怒るよね……戦車道をもうしたくない、なんて言ったら……)
みほ(お母さんだって、あんなに冷たく、他人みたいに……)
みほ「……」
みほ(いっそ……)
みほ(戦車道なんてなかったらよかったのに……)
みほ(戦車道なんてなくて……)
みほ(西住流の娘でもなんでもない、ただの西住みほでいられる世界があったら……)
みほ「……」 グスン
みほ「……」
みほ「……」 スヤァ
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1554213845
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/02(火) 23:07:01.61 ID:mc2KyDgi0
このスレは、パワプロクンポケット10裏サクセスの世界観を使ったガルパン安価スレです。
マイペースにやって、あんまり長引かせずに終わりたいですが、予定は未定です。書き溜めもないです。
なお、安価の内容次第じゃ人が死ぬので苦手な人は注意。
エロもグロも百合もNL(あるのか?)も特に禁止はしないです、安価は絶対。
あとパワポケ20周年おめでとうございます。続編をくれ。
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/02(火) 23:12:21.38 ID:mc2KyDgi0
みほ(…………)
???「………の」
みほ(…………)
???「………殿」
みほ「ん…………」 モゾッ
???「西住殿!!!」
みほ「ひゃああああああ!」 ガバッ
???「よかったぁ、西住殿!」
???「目を覚まされたのですね!」
みほ「え……?」
みほ「……」
みほ「えええええ?! ど、どなたですか……?!」
???「ええ!?」
???「私ですよぉ、アキヤマ・ユカリです!」
みほ「え、あの、その……」
???「……あー……」
???「何か分かったの、マコ?」
マコ「……どういう状況か飲み込めていない、どころか」
マコ「私達が誰なのか、分かっていないんだろう」
ユカリ「ええ!? そうなんですか?!」
みほ「は、はい……」
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/02(火) 23:22:31.43 ID:mc2KyDgi0
???「でも、みぽりんは確か……」
マコ「ああ」
マコ「人と人の出会いには不思議な引力が働いている」
マコ「もし別の世界というのがあったとしても、変わらず友人になっている」
マコ「そう言ってはいたが……」
???「うーん……よくわからないけど……」
???「私達のことが分からないなら、1からお友達になればいいってことだよね!」
???「私はタケベ・サオリ!」
サオリ「それで、こっちの髪の毛の長ーい子が」
ハナ「イスズ・ハナです」 ペコリ
みほ「あ、西住みほです……」 ペコリ
サオリ「うわー、やっぱりみぽりんはみぽりんなんだ……」
みほ「ええと……」
ユカリ「うーん、なんと言えばいいのでしょうか……」
ユカリ「ここは平行世界と言いますか、パラレルワールドと言いますか……」
マコ「いきなり言われても混乱するだろう」
マコ「全くの別世界から来たみたいだし、まずは認識のすり合わせじゃないのか」
ユカリ「ああ、それもそうですね……」
ユカリ「ええっと、平行世界とか、パラレルワールドとか、そういう単語に馴染みってあります?」
みほ「い、一応は……」
みほ(友達少なかったから、お昼休みに図書室で小説とか沢山読んでたし……)
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/02(火) 23:29:56.37 ID:mc2KyDgi0
みほ「確か、その、自分の住んでる所とは全然違う別の世界、みたいな感じのやつですよね」
マコ「……まあ、大分ざっくり言うとそうなるな」
サオリ「ここはみぽりんにとってはパラレルワールドってことになるんだよね」
みほ「ええええ!?」
ユカリ「ふむふむ……じゃあ遺跡とかってご存知ですか?」
ユカリ「あとモグラとか! ドラゴンや……スライムなんかはご存知ですかね」
みほ(な、なんだか嫌な予感が……)
みほ「ええっと……遺跡は、歴史的建造物、みたいなもので……」
みほ「モグラは土の中で暮らす動物で、ドラゴンとかスライムは、ゲームとかに出てくる空想上のもの、ですよね……」
ユカリ「あー」
ユカリ「そこは結構違うんですねー」
みほ「え?」
ユカリ「まずですねえ、半分正解のモグラについてなんですが……」
ユカリ「我々の世界では、動物のモグラもいるんですけど、それはもっと別のことを指すんです」
みほ「え?」
ユカリ「遺跡……は、まあ、だいたい西住殿の言った意味であってるんですけど……」
ユカリ「遺跡が地下に向かって伸びているのはご存知ですよね?」
みほ「……」
みほ(知らない……)
ユカリ「その遺跡を探検し、地下に潜るための乗り物」
ユカリ「それを、モグラと呼ぶんです!」
サオリ「でたー、ゆかりんのモグラ語り!」
ハナ「大好きですもんねえ」
みほ「モグラ、という乗り物……」
マコ「ピンと来てないようだし、見せてやったらどうだ」
ユカリ「いいですねぇ! そうしましょう、そうしましょう!」
ユカリ「これが! 私達が乗っている、通称・モグラ!」
ユカリ「正式名称、バトルディッガーです!」
みほ「こ、これ……」
みほ「W号戦車……!?」
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/02(火) 23:37:12.84 ID:mc2KyDgi0
ユカリ「おや、ご存知なんですか」
ユカリ「さすが、西住殿ですね!」
サオリ「みぽりんは、バトルディッガーを指揮する車長さんだったんだよ」
みほ「せ、戦車……」 カタカタ
ユカリ「それと、ドラゴンもスライムも、決して空想上の生物ではありません」
ユカリ「勿論、大多数の人にとっては、縁のない生き物ですが……」
ユカリ「遺跡の中に出没する、実在のモンスターです」
ユカリ「そんな危険な存在と相対してもいいように、遺跡に入る人間は必ずモグラに乗るんです」
ユカリ「モグラは特殊なカーボンで出来ているので、ドラゴン相手でも戦えますしね」
サオリ「待った、ゆかりん! 喋りすぎ!」
ユカリ「はっ! す、すみません……」
サオリ「みぽりんも、ごめんね、なんか一気にまくしたてちゃって」
みほ「あ、いえ……」
マコ「……そろそろ移動した方がいいだろう。ここもまだ遺跡の中だ」
サオリ「そうだねえ。脱出ゲートに向かいながら、今度はみぽりんのお話を聞かせてよ」
みほ(……戦車に乗る、のかあ……)
みほ(今は……よくわからないけど……乗らないわけにはいかないよね……)
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/02(火) 23:41:39.12 ID:mc2KyDgi0
【畦道】
サオリ「へー……」
サオリ「みぽりんの世界じゃ、バトルディッガーのことを戦車って呼んでるんだ」
みほ「うん」
みほ(それにしても……よく出来た夢……)
みほ(戦車の乗り心地もリアルだし……)
ハナ「でも、少し不思議な世界ですね」
ハナ「大きなお船の上に学校があるだなんて」
みほ「そうかな」
みほ「……本当にワープしたり、ドラゴンが出てきたこっちの世界の方がよっぽど不思議だけど……」
ユカリ「まあ確かに、遺跡はまだまだ解明されてないことも多くて、不思議がいっぱいですからねえ」
サオリ「遺跡以外は、そんなに不思議でもないんだけどねー」
みほ「戦車の中にクッションとかあるのは、不思議かな……」
サオリ「ええ!? だって長い時間遺跡に潜るんだよ?!」
ユカリ「あー! ほら! やっぱりそう思いますよねえ!」
ユカリ「バトルディッガーはこの武骨な感じがいいんですよお!」
みほ「あはは……」
みほ(なんだろう……夢っぽいからかな……)
みほ(それとも、戦車道っぽくないからかな……)
みほ(なんか、友達が出来たみたいで、ちょっと楽しい……) エヘヘ
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/02(火) 23:55:00.80 ID:mc2KyDgi0
みほ「でも、どうして戦車に乗ってまで、あんな危ない所まで……?」
ユカリ「勿論! ロマンがあるからですよ!」
ユカリ「謎の技術やモンスター蔓延る遺跡に、無骨なバトルディッガー!」
ユカリ「これ以上ない組み合わせだと思いませんか!?」
みほ「あ、あはは……」
サオリ「もー、みぽりん引いてるじゃん」
マコ「まあ、普通のモグラ乗りは、お宝目当てだろうな」
マコ「遺跡の大半は、とんでもないお宝とセットだ」
マコ「その大半は、願いが本当に叶うような代物」
マコ「もっとも、その分最深部にたどり着ける人間なんて、一握りだけどな」
サオリ「しかも大体生きて帰ってこないせいで、デマが広まってるだけで全然違うお宝だった、なんてこともあるしねー」
みほ「じゃあ……」
サオリ「そうそう」
サオリ「さっきまで遺跡も、お宝があったんだー」
ハナ「願う世界の自分と入れ替われるっていうバングルが眠っているという噂で」
マコ「……うちの隊長が、それを欲しがってな」
マコ「曰く、ずっと家に縛られてた自分が、私達のおかげで広い世界を知ることが出来た」
マコ「だから、もっと色々な世界を知りたい」
マコ「そして、そこで知ったことを使って、皆を幸せにしたい、だそうだ」
みほ「じゃあ、もしかして……」
マコ「十中八九、そのお宝が本物だったから、私達の隊長である西住さんと、入れ替わったんだろうな」
みほ「うう……」
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/03(水) 00:05:57.99 ID:4dlAARn60
みほ「どうしよう……引っ越しの準備とかもあるのに……」
ユカリ「え?」
サオリ「えっ、もしかして、みぽりんお家帰りたかった!?」
みほ「え、あ、その……はい……」
ユカリ「変ですねえ」
ユカリ「平行世界は無数にあるって話でしたから、せめて入れ替わる自分は選ぶって言ってましたけど……」
サオリ「違う世界に生きたいって願ってる平行世界の自分との入れ替わりを願う、って言ってたよね」
みほ「!!」
マコ「まあ、そこまで詳細な願いは無理だったということだろう」
サオリ「でもそれじゃあみぽりんが困っちゃうじゃん!」
マコ「……まあ、この西住さんに迷惑をかける、というのは、あの西住さんにとっては本懐じゃないだろうな」
ユカリ「西住殿は西住殿、どの世界であっても私の大切な人ですからねえ」
ユカリ「なんとか帰してさしあげなくては」
みほ「でも、どうやって……」
ハナ「やはり、願いを叶えてくれる系統の宝が眠る、別の遺跡に潜るのが一番では」
サオリ「うーん、でもこの辺だと、信憑性が高いのどこかなー」
ユカリ「このへん、わりと来たばかりですから、あんまり情報ないですもんねえ」
マコ「いつまでに戻らないとまずい、とかはあるのか?」
みほ「えっと……」
みほ(本当に入れ替わりが起きていて、時間の流れが一緒だとして……)
みほ(……最近は全然お姉ちゃんやお母さんとも口を聞いてないし、入れ替わった私でも家族はなんとかなる、かな……)
みほ(でも、転校はちゃんとして、馴染んでいきたいし……)
みほ「50日以内には帰りたい、かなあ」
サオリ「そうなると、あんまり遠くはいけないよねえ」
マコ「丁度良い所に酒場があるな」
みほ「ええ!? お、お酒飲むの!?」
ユカリ「飲みませんよお、モグラ乗りは情報収集の場に使うんです」
サオリ「日用品を売ってくれたりするしね〜」
ユカリ「まあ、街中と比べると、どうしてもこういう町外れの酒場だと値が張るんですけどね」
ハナ「とにかく行って、遺跡の情報がないかどうか聞いてみましょう」
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/03(水) 00:09:23.89 ID:4dlAARn60
【町外れの酒場『トゥータ』】
カランカラン
アキ「いらっしゃーい!」
アキ「ミカ、やった、お客さんだよ! 久しぶりの!」
ミカ「お客さん……それは本当に大切なことかな?」 ポロローン
アキ「大切だよ! お客さんなんて半月ぶりなんだよ!?」
ユカリ「……入る場所、間違えちゃいましたかね……」
みほ「あ、あはは……」
ミッコ「まーまー、座んなよ」
ミッコ「ボロいお店だけど、味はいいからさ」
ミッコ「ほら、このウォッカなんて、そこの街から盗れたてホヤホヤだよ」
サオリ「ウォッカってとれたてって言葉使わない商品だよね???」
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/03(水) 00:14:19.85 ID:4dlAARn60
マコ「それより、情報を売って欲しいんだが……」
ミカ「情報……それは本当に必要なものかな?」
アキ「もー、なんですぐそう言うこというの!」
アキ「あ! しかも備蓄のサルミアッキまた食べてる!」
ミカ「あんまり美味しくはないね……」
アキ「じゃあ食べないでよ!」
ユカリ「ええと、話を進めて大丈夫でしょうか……」
ミッコ「あー、どーぞどーぞ」
ハナ「このあたりに、遺跡はありませんか?」
サオリ「あ、入れ替わりの宝で有名だったハナノミキ遺跡以外でね!」
サオリ「そこはもう攻略してきたから」 ブイッ
アキ「!」
ユカリ「遺跡は宝を取られると、ゲートが閉じて消滅しちゃうので、嘘じゃないことはすぐ分かりますよ」 フフン
アキ「……出てって」
みほ「え?」
アキ「いいから出ていって!」
アキ「モグラ乗りにあげるものなんて、なにもないから!」
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/03(水) 00:18:14.17 ID:4dlAARn60
【店の外】
ユカリ「追い出されちゃいましたねー」
マコ「何だったんだ一体……」
ミッコ「いやー悪かったね」 ヒョコ
ミッコ「モグラ乗りのせいでこの店もすっかり寂れて、苛立ってるんだ」
ガシャーン
マコ「すごい荒れ方だな……」
ミッコ「カンテレ飛んできたってことは、ミカのヤツ、なだめるのに苦戦してるなー」
ハナ「何かあったんでしょうか……」
ミッコ「……この近くにさ、ビッグウォッシュの街っていうのがあるんだ」
ユカリ「ああ、結構大きくて地図に乗ってましたね」
ミッコ「そこの近くに、遺跡が現れたんだよ。それも3つも」
みほ「!」
ミッコ「でもそれがまたちょっと変わっていてさ」
ミッコ「お宝は、3つ集めるとなんでも願いが叶う珠で、1つの遺跡に1つあるって話なんだ」
ユカリ「つまり、3つ全部攻略しないと意味がない……」
サオリ「でも、それだけハードルが高いってことは……」
ハナ「噂が本当なら、かなり高度な願いも叶いそうですね」
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/03(水) 00:22:23.53 ID:4dlAARn60
ミッコ「当然、そんな高確率で願いが叶うけど難易度の高い遺跡様が現れたってことでさ」
ミッコ「街に、厄介な連中が大挙してきちゃったんだよ」
ミッコ「で、街が3つの勢力に乗っ取られた」
ユカリ「3つの勢力、ですか……」
ミッコ「詳細は知らないんだけどねー」
ミッコ「……各勢力が拮抗しながら街を支配していって、1つずつ遺跡を抑えた」
ミッコ「で、膠着状態に入りながら、モグラ乗りを集ってる」
ミッコ「結果どんどん治安も悪くなるし、ここにも柄の悪い連中が接収気取りで略奪によくきてるってわけ」
ハナ「ひどい……」
サオリ「なにそれ、許せない!」
ミッコ「……そう言ってくれるならさ、情報量代わりに、ちょっとお願い聞いてほしいんだ」
ユカリ「お願い?」
ミッコ「……街に行って、遺跡を攻略しちゃってくれない?」
みほ「え……」
ミッコ「遺跡がなくなれば、柄の悪い連中も縄張り争いをする理由がなくなるしさ」
ミッコ「膠着状態も変わってくれるだろうし、結果色々あれば私達も盗りやすくなるし」
マコ「こいつらも大概悪人だな……」
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