【ガルパン】みほ「私は、あなたたちに救われたから」

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46 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/04/06(土) 18:34:09.38 ID:QSadOSIn0
ここまでー
私が文章で同時に動かせる人数は3〜4人が限度ですね。
一箇所に大人数が集まってると描写しきれませんわ。
また来週です。
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/06(土) 18:42:45.14 ID:iDVpjZGT0
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/06(土) 19:53:12.93 ID:zmO4td5Co
お疲れサマー
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/06(土) 21:34:37.93 ID:63ZTzvKSO
誰が助けられんだよこの世界のみほ
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/06(土) 22:49:36.06 ID:I4lZqqsS0
自分を救えるのは自分だけですかねー?
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/06(土) 23:31:25.21 ID:4+ROjNzRO

俺は今でもエリカが生きてるって信じてるから・・・でもそれはそれとして呪縛からは自分で立ち上がらないとね
52 :sage :2019/04/07(日) 01:46:14.53 ID:muo+OenoO
確かにどっかの日本昔話な老夫婦に助けられているかもしれない...
もしくは何かの陰謀だ
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/07(日) 05:09:04.61 ID:PzYkFQvzO
まほちゃんが怖いね
なんかしてきそう
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/07(日) 08:28:49.25 ID:jQ486gHP0
>53
つ「劣化ウラン弾」
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/07(日) 11:35:54.59 ID:tLsfCJGv0
一回の更新で更新される量が少なすぎる。もっと読みたい。もっと一回の更新で多く書かないと一流のss書きにはなれないぞ。
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/07(日) 11:42:11.54 ID:kd1KJnbb0
句読点ageカスお客様思考のやつに発言権はないぞ
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/07(日) 21:10:18.55 ID:oPsaAwii0
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/08(月) 00:16:37.17 ID:99g93nrQo
>>54
特殊カーボンさん「楽勝」
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/08(月) 10:29:30.03 ID:+UyCgx+WO
天使小梅ちゃんがまほちゃんを処する展開に張った
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/08(月) 10:30:48.85 ID:+UyCgx+WO
具体的にはぶん殴る
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/09(火) 00:46:07.66 ID:ksBG2Nys0
既に姉にぶん殴られてるんですがそれは…
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/09(火) 03:53:33.93 ID:IRjkOWhw0
確かにみほさんは救われてしかるべきですが、偉大なる同志カチューシャが差し伸べた手を払いのけるという愚を犯しました
まずは大天使カチューシャにこうべを垂れ真摯に謝罪し、過ちを認め我らがプラウダの軍門に下ることを受け入れてからです
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/09(火) 23:04:03.00 ID:G8LZxItl0
ノンナ夜更かしすんな
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/10(水) 01:15:37.83 ID:Heo/5F7+O
実は生きてた逸見ヱリカ「あばばばばばば」
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/12(金) 02:25:16.16 ID:BcjxPm5uo
このssを実はエリカが書いていてみほに見つかりドン引きされるってオチはありますか?
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/12(金) 09:44:24.71 ID:GcW/IMdhO
逆に
死なせてしまったみほになりきっちゃう小梅ちゃんのいる世界線もあるだろう
悲しいね
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/12(金) 17:25:49.70 ID:BTObDfQj0
>>66

小梅「私は西住みほ。」

まほ「黙れ!!」 バキッ
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/13(土) 00:39:31.36 ID:LusCfUGfO
<<67
いやそこはエリカさんやろ

エリカ「...」ギロ
小梅「エリカ、さん」
エリカ「驚いたわ、あんたがまだ戦車道をやっているだなんてね」
まほ「...」(ハイライト無しまほ
小梅「ぁ、お姉ちゃん」
エリカ「!?あんた!いい加減にっ」ギリッ
勇者優花里「あ!あの!やめてください!お願いしますッ」バッ
麻子「その通りだ。なんなんだ、お前らは」
エリカ「うるさい!部外者は黙れッ」
まほ「...いいんだ、エリカ」ハイライトなし
エリカ「隊長!!でも、コイツは」ワナワナ

みたいな
やべえな、どうにもならない
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/13(土) 01:57:13.24 ID:AuUvvz1bO
いやいっそ
エリカ「...」ギロ
小梅「エリカ、さん」
エリカ「驚いたわ、あんたがまだ戦車道をやっているだなんてね」
まほ「...」(ハイライト無しまほ
小梅「ぁ、お姉ちゃん」
エリカ「!?あんた!いい加減にっ」ギリッ
勇者優花里「あ!あの!やめてください!お願いしますッ」バッ
麻子「その通りだ。なんなんだ、お前らは」
エリカ「うるさい!部外者は黙れッ」
まほ「...いいんだよ、エリカさん。赤星さんは悪いんですから」ハイライトなし
エリカ「隊長!!でも、コイツは」ワナワナ
小梅「お姉ちゃん。私、みほ、だよ?」
エリカ「あなたねえ!そんなふざけた真似で!お姉ちゃんが悲しんでるのが解らないの!?」ドンガラガッシャーン
勇者優花里「うわあああっ」ゴロゴロ
沙織「ひいっ、ゆ、ゆかりん大丈夫っ!?」
華「っ、この!!」飲み物ビシャアアア
エリカ「っ.........」ビシャビシャ...
小梅「え、エリカさん?!だ、大丈夫?」
まほ「...エリカさん、もういいよ。今日は帰ろうよ」ハイライトなし
エリカ「く...あなたたち、覚えてなさい!今度会ったらボコボコにしてやるわっ!」
麻子「...のぞむところだ」ギロ
沙織「わけわかんないー!やだもー」
華「...いやな感じです(死なす)」
勇者優花里「...(小梅殿は私が守るっ)」

だな
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/13(土) 02:17:41.39 ID:uRk6AVWf0
展開予想はやめようよ
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/13(土) 02:41:49.83 ID:AuUvvz1bO
え、あ、はい(どっひああああ)
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/13(土) 10:56:20.62 ID:6yvr79aLO
オマエノコトガスキダッタンダヨ!
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/13(土) 12:23:38.84 ID:ONsu7FrT0
>>67-69
これ小学生?
こういうのよく恥ずかしげもなく書き込めるよね
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/13(土) 13:44:49.20 ID:m4Lu0QpLO
そこまでいうか普通?
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/13(土) 14:24:41.64 ID:m4Lu0QpLO
でもまあ、いわれてみればやばいかも

すまんの、特にここの空気感忘れてたわ

しばらく黙るわ
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/13(土) 20:55:36.03 ID:U+vZyEeaO
そろそろか
ワクワクすんぞ
77 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/04/13(土) 22:17:41.75 ID:xS+etstB0






プラウダ高校はその校風というべきか気質というべきか、比較的高緯度の海域を航海する。

故にプラウダの気温はいつだって低く、集まる生徒たちも東北から北海道にかけて寒さになれた者が集まってくる。

とはいえ、流石に今日のように雪が吹雪いている中、外に出るような生徒はおらず暖房をガンガンにつけた部屋に籠っていた。

そして、そんなプラウダの中にある談話室にカチューシャはいた。

暖炉がパチパチと音を立て、窓を打つ雪の音がどこか心地よい。

いつもならそれらを子守歌に昼寝でもしているカチューシャであったが、今日は目の前にいる来客を迎えるためにあくびをこらえていた。

その来客とは、聖グロの隊長であるダージリン。

いつだって人を食ったような言動をして、それを咎めたところでどこ吹く風でおしゃべりを続けるダージリンだが、今日はどうも様子がおかしい。


カチューシャ「まったく、あなた自分の学校が負けて暇だからって遊びすぎよ。……私が言えた義理じゃないけどね」


カチューシャはそう言って、ペチーネを齧る。

目の前の来客はわざわざ吹雪に見舞われている中やってきた。

突然の訪問にカチューシャは訝しむも、ダージリンの様子にただならぬものを感じ、腹心であるノンナですら部屋に入れず一人でダージリンと机を挟む事にした。

だというのに、先ほどからダージリンは一言も口にせず、好物であるはずの紅茶にすら口を触れていない。

そんなダージリンの殊勝な態度を最初は面白がっていたカチューシャだが、流石にそろそろ飽きてきてしまった。

せっかく自分が入れてあげた紅茶が冷めてしまうのはもったいないし、何よりもこのまま沈黙が続いてしまうと睡魔に意識を持っていかれてしまいそうだから。

いくらなんでもダージリンの前で惰眠を貪るような無様は見せたくない。

そう思い、カチューシャは今一度、ダージリンに声を掛ける。



78 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/04/13(土) 22:24:29.47 ID:xS+etstB0


カチューシャ「それで?いきなり来たと思ったらだんまり?お茶とお菓子の分ぐらいは私を楽しませてくれてもいいんじゃない?」


黙り込んだままのダージリンが顔を上げ、カチューシャを見つめる。

その碧眼はカチューシャを見つめようとしているのかそれとも目を逸らそうとしているのか、どうにも落ち着かない。

そんなダージリンをカチューシャはめんどくさそうに見つめ、ジャムを口に含んで紅茶を飲む。

紅茶が喉を通り抜け、その温度をカチューシャの小さな体に行き渡らせても、まだダージリンは口を閉ざしていた。


いい加減追い出そうかしらと、寒風吹きすさぶ窓の外に目をやると、そっとダージリンが口を開く。


ダージリン「……カチューシャ、あなたはなんであんな事をしたの」

カチューシャ「……あなたにどうこう言われるような事したかしら?」


ダージリンの曖昧な言葉の意味をカチューシャは理解していた。

元より、ダージリンがプラウダに来る理由と言えば一つしかないのだから。


先日行われた準決勝で、まさかの勝利を収め決勝へ駒を進めた大洗女学園。

その隊長である逸見エリカの『真実』を、カチューシャは大洗の生徒たちの前で告げた。

逸見エリカは、西住みほだと。

ダージリンが聞きたいのはその事なのだろう。


79 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/04/13(土) 22:33:34.51 ID:xS+etstB0



ダージリン「エリカさ……みほさんの事情はあなたが一番知っていたはずでしょ」

カチューシャ「そうよ?死んだ奴の影に隠れていつまでも情けないったらありゃしない」

ダージリン「……その理由もあなたは知っていたはずでしょ」

カチューシャ「ええ、知ってたわ。だからやったの」


ダージリンの責めるような声に、カチューシャは一向に悪びれる様子が無い。

元より、カチューシャは正しい事をしただなんて思っていないのだから。

どれだけ恨みを買おうともそれでも、やらなければならないと思ったのだから。

そんなカチューシャの気持ちをダージリンも理解しているのだろう、今度は自分を恥じるかのようにうつ向く。


ダージリン「……そうね、本当はもっと早く誰かが伝えなければいけなかったのかもしれないわ」


あの時、大洗との練習試合で初めてみほと会った時、言うチャンスはいくらでもあった。

たとえそれでみほや大洗の生徒たちが傷つくことになったとしても、あの時ならばまだ傷は浅かったかもしれない。

そんな結果論に過ぎない後悔を割り切る事も出来ず、ダージリンは自らを苛む。


ダージリン「ケイさんやアンチョビさんや私が。あるいは杏さんが。誰か一人でも、もっとはやく踏み込んでおけば……」

カチューシャ「あなたちがどうこうする義理はないでしょ」

ダージリン「……カチューシャ、あなたが去年の事を悔やんでいるのはよく知っているわ」

カチューシャ「なんのこと?」


シラを切るカチューシャに構わずダージリンは続ける。



80 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/04/13(土) 22:37:33.25 ID:xS+etstB0


ダージリン「……あれは、誰の責任でもない、不幸な事故。それで決着がついているし私もそうだと思っている。

      だけど、そう簡単に割り切れるものではないわ」

カチューシャ「あなたに、何がわかるのよ」


苛立ちを露わに、ペチーネを口に放り込んで乱暴にかみ砕く。

そんなカチューシャの抗議にダージリンは申し訳なさそうにうつ向く。


ダージリン「……ごめんなさい。口が過ぎたわ」

カーチュシャ「いつもの事ね」


そして、ようやくダージリンが紅茶に口をつける。

カチューシャが以前教えた『ジャムを口に含んでから飲む』というロシアンティーの作法を忘れたわけではないのだろう。

しかし、今のダージリンにはそんな余裕はなかった。

紅茶を楽しむためではなく、ただ乾いた口内を潤すためだけにわずかに口に含んで飲み込む。

何よりも紅茶に対してうるさいダージリンのそんな様子に、彼女がそれほどまでに心を疲弊させているのだとカチューシャは察した。

なんとか話を続ける事が出来るようになったのだろう。ダージリンは再び口を開く。


ダージリン「私は、みほさんと直接会った事は無いわ。だけど、知ってはいた。……次代の黒森峰を率いるであろう一人だったんだから」

カチューシャ「知らないほうが難しいでしょ。西住流の姉妹だなんて」

ダージリン「……優しく、思いやりがあって、どこか頼りなさを感じるけど戦車に乗っているときは冷静であのまほさんの意志を誰よりも理解して行動できる副隊長。

      私が知ってるみほさんは、そういう人だった」


ティーカップを持つダージリンの手がカタカタと震える。


81 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/04/13(土) 22:39:57.18 ID:xS+etstB0



ダージリン「でも、私が会ったみほさんは、『逸見エリカ』だった」


言いたくなかった事、信じたくなかったことを吐き出すように伝えると、あとはもうため息のように言葉が続いていく。


ダージリン「信じられなかった。あの子が持っていたであろう柔らかく、穏やかな雰囲気が全て失われていたから」

カチューシャ「失われていた。じゃなくて、捨てたのよ。あいつは」


切り捨てるようなカチューシャの言葉にダージリンは悲しそうに目を細める。


ダージリン「……私には、みほさんの気持ちを理解する事は出来なかったわ」

カチューシャ「できるわけないでしょ。私だって理解できないわよ」


そう、理解なんてできるわけがない。

過去を求めて現在さえ歪めて、未来を捨てる。

そんなみほの気持ちを理解するだなんて事ができるわけがない。

どれだけ失われた命を悼んでも、どれほど自身の無力さを悔やんでも。


それでも、それでもみほはそうする事を選んだのだ。

きっと、誰かの理解なんか求めていなくて、だからこそ、それほどまでの決意が、絶望が、みほにはあったのだと、二人は感じていた。


ダージリン「それでも、もっと……やり方があったんじゃないの?」


82 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/04/13(土) 22:45:21.24 ID:xS+etstB0

それは、咎めるというよりも縋りつくような言葉。

ダージリンはカチューシャなら、自分以外の誰かならもっと誰も傷つかない、方法があったのではないかと、そう思いたかった。

だから、カチューシャははっきりと告げる。


カチューシャ「その『やり方』を探しているうちに、あの子は決勝で西住まほと対面することになってたでしょうね」


ダージリンは納得と悔しさを沈黙で表す。


まほは間違いなくみほの真実を詳らかにする。

その確信がダージリンたちにはあった。

まほが持つみほへの怒りを、ダージリンは試合の中で感じていた。

もしもみほが何食わぬ顔で『逸見エリカ』として決勝の場に立とうとしたのならば、まほは躊躇なくその足元を崩しただろう。

そして、大洗の生徒たちが決勝という大舞台で自分たちの隊長の真実を知ったらどうなるのか、その先は考えるまでもない。


ダージリン「……そうね。カチューシャ、あなたが正しいのかもしれない」


カップをソーサーに置き、ダージリンはスカートの裾をぎゅっと握りしめる。


ダージリン「私は……逃げていたのよ。みほさんから、エリカさんから」

カチューシャ「それこそ、あんたたちがどうこうすることじゃないでしょ。そもそも、ダージリンは無関係なんだから」


カチューシャの正論にダージリンは唇を噛みしめる。

そしてそれを解くようにそっとため息をついた。

83 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/04/13(土) 22:50:09.92 ID:xS+etstB0



ダージリン「そうかもしれないわね……私の心配は、ただのお節介で、ともすれば傲慢なのかもしれないわ……」


ダージリンが何も見たくないと言うかのように両手で顔を覆う。

その両手をそっと離して、潤んで、揺れる瞳でカチューシャを見つめる。


ダージリン「ああそうよカチューシャ。私は、善意や正義感であの子をそっとしておいたんじゃない。私は、私はただ……怖かったのよ」


それは、ずっと言うべきだった、ずっと言いたかった本心。


ダージリン「みほさんに触れることが怖かった。あの子の笑顔が怖かった。当たり前のように他人を演じる彼女が、怖くてたまらなかった」


大洗で初めてみほと会った時、ダージリンは内心動揺を隠すことで必死だった。

みほの現状は知っていたのに、覚悟していたはずなのに。


ダージリン「指先で触れるだけで壊れてしまいそうな彼女をただ、遠巻きにして、偉そうに心配して、それで自分を納得させていたのよ。何もしないくせに、できもしないくせに、それが、あの子のためだって」


仕方がない。自分に出来る事なんて無い。そうつぶやくたび安堵してしまい、同じくらい自身への嫌悪が押し寄せた。

そんな自問自答なんて何の意味もない自己満足だという事なんて気づいていたのに。



ダージリン「あの子が逸見エリカでいたいのであれば、それで良いのだと。時間がいつか解決してくれると。私は、そう思いたかった」

カチューシャ「私は、そうは思わなかった」


その独白を、カチューシャが打ち切る。


カチューシャ「誰かがやらないといけなかったのよ。最悪の結末なんてとっくに迎えているのだから。あとは、どれだけ傷が広がるのを防げるか。

       たとえ最後に深い傷をつけることになるとしても、やらないといけなかった。そしてそれが出来るのは、やるべきだったのが私だった。それだけよ」

ダージリン「……答えなんて、あったのかしら」

カチューシャ「……わかんないわよ。それでも私は――――覚悟して選んだわ。あの子を『壊す』選択肢を」

84 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/04/13(土) 22:51:05.89 ID:xS+etstB0
ここまでー
また来週。
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/13(土) 23:25:44.18 ID:gbnDvCPA0
>>1ーシャ
カチューシャ健気
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/13(土) 23:32:52.48 ID:Dr3Nsb8pO
ダージリンでも怖い。
それはどれだけの事なのかな?(ポローン


((お疲れ様でした))
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/14(日) 00:17:06.78 ID:P48Igsup0
ダー様よりカチュンのほうがメンタル強いパターン初めて見た。

88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/14(日) 00:44:17.60 ID:A4qqAVm00
>>73
他人を罵倒するようなことをよく書き込めるよね、感心するわ。
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/14(日) 01:07:10.99 ID:ElM5WkWw0

はっきり言って周りの人にみほの事を白雪姫と言いふらすばかりで自分から何とかしようとみほに行動はしてなかったからねダージリン
彼女の状況を外から見るだけで放ったらかしにして、それを見て楽しんでるだけのように見えてもおかしくないレベルで
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/14(日) 03:05:56.15 ID:eJWKlhT50
>>1さんは黒森峰黄金期√とカチューシャ「私は、あなたたちを…編と書かないといけないものが増えちゃったね(ニッコリ
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/14(日) 17:26:06.31 ID:0TuYqce20
>>90
黄金時代編……まぽりんがベヘリット使ってえりりんが精神崩壊してみぽりんがヤバい戦車乗りになるんやな!
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/14(日) 20:24:39.38 ID:mg106RrVO
最終章でエリカ活躍してエリみほssまた流行らないかな〜
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/15(月) 13:30:11.49 ID:leBAutci0
娘の不安定な面に気づかなかったしぽりん
妹が不安定な面に気づいていたのになにもしなかったまほ
自分の不安定な面の意味を理解できていなかったみほ
西住という家がおかしかったんだ
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/17(水) 00:30:57.55 ID:mCcLQ5q7O
確かに一般的にいわれるパーソナリティ障害まっしぐらな家庭環境はボコなり不器用感なり心の純粋さなりに公式で現れている気がしてるね
うん
ユニークではあるけどこりゃ戦車道止めらんないわ
西住流の宿業やね
島田流はどうなんだろうか
愛里寿ママはしほよりママ感あるけどパパ感かないよなあ
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/19(金) 11:03:21.00 ID:9P+14MeH0
みぽりんは二度と自分には戻れなかった。
みほとエリカの中間の生命体となり永遠に大洗をさまようのだ。

そして死にたいと思っても[ピーーー]ないので 、そのうち、みほは考えるのをやめた。
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/20(土) 17:59:06.13 ID:vZ/ksHWuO
その[ピー]がわからないのは俺だけなんやろか?
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/20(土) 21:15:26.98 ID:sktzU6Ux0
>>96
フィルターも知らない初心者ならローカルルール確認してきたほうがいいよ
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/20(土) 22:29:46.64 ID:o99WDEssO
あ、なるほど
律儀に○○を避けたのね

なんかもっと面白いワードが入ってるのかと
礼儀正しいのね
99 : ◆eltIyP8eDQ [sage saga]:2019/04/20(土) 22:46:05.23 ID:AaSZ+bzY0
あ、すみません。
今日ちょっと投稿できそうにないので明日でお願いします。
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/21(日) 11:56:46.45 ID:mBsG8k4P0
今週はあるのかな?
生きがいだけど自分のペースで書いてください
楽しみにしてます
101 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/04/21(日) 23:49:45.00 ID:U8m/w75d0




大洗女子学園に点在する学生寮、その一つであるアパートの一室の前に沙織はいた。

扉の前でじっと何かを考えていた沙織だが、覚悟を決めたように扉の横のチャイムを押す。

鳴り響くチャイムの音が扉を通して沙織の耳にも届く。

しかし、扉が開く気配はない。


沙織「西住さん」


ノックと共に沙織が部屋の主の名前を呼ぶ。


沙織「私、武部沙織だよ!今日は練習だからさ、一緒に行こう?」


努めて変わらず、以前と同じように明るく声を掛けたつもりだったが、やはり沙織の声はどこか強張っていた。

結局、扉は開かず廊下に沙織の独り言が響き渡っただけになってしまった。


沙織はため息を一つつき、小さく謝りながらドアノブに手をかける。

何度か力を入れて、ドアノブを回そうとするも僅かに音を立てるばかりで開くことは出来ない。


いっその事ベランダの方から侵入してやろうかと沙織が内心で空き巣まがいの事を考えていると、携帯の着信音が鳴り響いた。

確認してみると、送り主は『えりりん』。

文面は、


『ごめんなさい。今日は体調が悪いから休むわ』


それを見た沙織は悔しそうに、悲しそうに唇を噛みしめると、また先ほどのように明るい声を出す。


沙織「……わかった。何かあったら呼んでね?すぐ駆けつけるから!」


そう言って、逃げるように扉の前から去った沙織を、学生寮の前で優花里たちが迎える。


優花里「どうでしたか……?」


恐る恐ると言った優花里の問いかけに沙織は無言で首を振る。


優花里「やっぱり、今はまだそっとしておいた方が良いのでは……」

麻子「だからといって何もせずにいるのも違うんじゃないか」

華「私たちは、私たちで出来る事を考えるべき、ですね……」


優花里、麻子、華がそれぞれ意見を述べる。


沙織「私たちに出来る事……」


ポツリと沙織はそうつぶやくと、そのまま学校へと向かっていく。

そのあとを3人は小走りで追いかけていった。

102 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/04/22(月) 00:00:30.36 ID:jQ2XiiXS0






準決勝が明けて、休日を挟んだ後の練習。

既に学園は夏休みに入っているが、間近に迫った決勝の為に練習を怠るわけにはいかなかった。

既に作成されているメニューの通りに練習をこなし、朝から始まった練習が終わったのは夕方に差し掛かる頃だった。


杏「みんなお疲れー。もうすぐ決勝だし、色々詰めていこうね。それじゃあ解散ー」


相変わらずどこか気の抜けたよな声で締める杏に、各々思う様な顔を見せつつも、その場を離れていく。

残ったのは生徒会チームと、その前に立ちふさがった沙織だけだった。


柚子は何事かとおろおろして、桃はじっと表情無く沙織を見つめ、杏はわかっていたかのように微笑む。


沙織「会長」


いつもの明るさのかけらもない沙織の声に、杏は困ったように笑う。


杏「……やっぱり、隊長がいないとみんなどこかぎこちないね。やっぱり、隊長がいないと……」

沙織「会長……あなたは、どうするつもりですか」

杏「……西住ちゃんの事はなんとかしてあげたいと思ってる。でも私は……今は大会の事を考えるよ」

沙織「……あなたが、巻き込んだんじゃないですか」


苛立ちを隠しきれてない震えた声が杏に刺さる。

沙織の怒りに杏はそれでも笑顔で答える。


杏「そうだよ。それを咎められても私は何も言い返せない。悪いのは全部私なんだから」

沙織「開き直らないでくださいッ!!」


沙織の怒声が校庭に響き渡る。

杏に怒りをぶつけたところで何も変わらない。それは沙織もわかっている。

どうすればいいかわからない自分への苛立ちもその怒りには込められていた。



103 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/04/22(月) 00:04:13.33 ID:jQ2XiiXS0



杏はやっぱり困ったように笑うと、顔を伏せる。


杏「……ごめんね。でも、私は最後までやらないといけないんだ。優勝して、廃校を阻止出来たら……どんな報いでも受けるよ」

沙織「出来なかったら。廃校が決まったら今度はどうするつもりですか」

杏「……」


杏は何も言わない。

言いたいのに言えないのか、何も考えてないから言えないのか。

どちらでもいい。沙織はそう吐き捨てるように顔をしかめる。


沙織「私はっ……大会とかどうでもいい。西住さんの事をなんとかしてあげたい」


悔しさをこらえるように強く手を握りしめる。

廃校は嫌だ。だけど今、沙織にとって大事なのはそのことじゃない。

みほが辛いのなら、苦しんでいるのなら、助けてあげたい。

それが沙織にとっての最優先事項だった。


沙織「どうすればいいかなんてわからない。でも、あんな状態が正常なわけがない。だからっ」

桃「出来るわけないだろ」


その時、ずっと黙っていた桃が口を開いた。


沙織「……」

杏「河嶋……」

柚子「桃ちゃん今は……」


引き留めようと袖を引く柚子の手を振り払い、杏を押しのけ桃は沙織に迫る。


桃「お前が、あいつの何を知ってる。どんな気持ちで『逸見エリカ』と名乗ってたのかわかるのか?」

沙織「……」

桃「わかるわけがない。そんなの分かる奴なんていないんだ。あいつ以外には」


沙織と桃の視線がぶつかり合う。


104 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/04/22(月) 00:05:06.15 ID:jQ2XiiXS0


桃「なのに、他人が横から口を出すなんて、そんなの上手く行くわけがない」

沙織「だからっ!!試合の事よりもそっちの方を考えるべきだってっ」

桃「いい方法がある」

沙織「え……?」

桃「西住にまた、元気になってもらう方法だ」

沙織「……何」

桃「西住にまた隊長をしてもらえばいい」


名案だとでも言いたげな桃に沙織は舌打ちしそうになる。


沙織「それで解決するならこんな事に……」

桃「あいつの望みを叶えてやればいいんだ」

沙織「それって……」

桃「『逸見エリカ』に戻ってきてもらえばいい」

沙織「ダメだよ……それじゃあ何も変わらない」

桃「変わらなくたっていいじゃないか」


105 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/04/22(月) 00:22:43.63 ID:jQ2XiiXS0


沙織「……西住さんのお姉さんは、西住さんの事を嫌ってる。ううん、憎んでるように見えた。決勝に行って平穏無事に終わるとは思えない」

桃「だったら私たちが守ってやればいい。既に西住の事はみんな知ってる。いまさら暴露したって動揺するやつはいないさ」

沙織「それで、その先はどうするの。エリカさんのままにして、その後はどうするのっ」

桃「……時間が解決してくれるさ」

沙織「本気でそう思ってるの?本気で、あのままにしておけば西住さんが元気になるって思るの!?そんなのっ、桃ちゃん先輩だってわかってるでしょっ!?」


沙織がこらえきれず怒鳴ると、両肩を桃が荒々しく掴んだ。


桃「あいつはっ!!ずっと自分を責めていたんだッ!!逸見の事だけじゃないッ、プラウダとの試合で追いつめられた事だってッ!!」



『……桃ちゃん、あなたは自分を嫌いになった事がある?』



ずっと桃の中で繰り返されたいつかの問いかけ。

その意味が、今なら痛いほどわかってしまう。



沙織の肩を掴む手が震える。

こぼれた涙が校庭を濡らす。


桃「なのに私たちは……何も知らずに、あいつに何もかも押し付けて、勝利を喜んで……」


106 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/04/22(月) 00:25:47.19 ID:jQ2XiiXS0


桃は廃校が嫌だった。みんなと一緒にすごしてきた学校がなくなるなんて嫌だった。

だから、みほを巻き込んだ。

たとえ恨まれたって学園を守れればそれで良い。そう思っていた。

だけど、今は、


桃「私は、私はもう嫌だ……何もできないくせに、責任ばかり押し付けるだなんて真似、できない……」



『私は―――――――エリカさんになれないの? 』



雪のなかに崩れ落ち、呆然と自分を見つめる真っ白な姿。

夢に見る、脳裏に蘇る、その姿が、出会った日から今日までの彼女に重なっていく。


そんな彼女に自分がどれほどの重荷を背負わせていたのか。

その事実は桃にとって、学園よりも重く、許せない事だった。


桃が沙織を突き飛ばすように肩から手を離す。


桃「もういいんだ……負けたって構わない。戦車道が嫌だというのなら、それでも良い。あいつの、好きにさせてやってくれ……私にはもう、それしかできない……」


そしてとうとう桃は泣きじゃくってしまう。

その背中を柚子がさすり、杏はやはり動けなかった。

そして、そんな生徒会の姿を見て、桃の言葉を聞いた沙織は、


沙織「……嫌だ」


それでも、


沙織「そんなの、私は嫌だよ」


揺るがなかった。


107 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/04/22(月) 00:27:11.64 ID:jQ2XiiXS0



沙織「もう現状維持なんて無理なんだよ。私たちが西住さんの事を知った時点で、『私たちが知った』事を西住さんが知ってしまった時点で」


どのみち、先なんて無かった。たとえみほの真実を知らなくても、終わりは近づいていた。

そして時は巻き戻せない。どれだけ自分たちが彼女を気遣おうと、どれだけ守ろうと、沙織たちの知ってる彼女は『西住みほ』なのだ。


沙織「今ここで私たちが『エリカさん』を認めちゃったら、『西住さん』から目を逸らしたら、もう誰もあの子の事を見ることが出来なくなる」


罪悪感を抱えているのは桃だけじゃない。

出会ってからずっとそばにいたのに気づかなかった沙織も、同じように罪悪感を抱えていた。

みほに触れたくない。触れて、これ以上傷つけたくない。

その気持は痛いほどわかってしまう。


だけど、だからこそ、沙織はその願いを否定する。


沙織「たとえ傷つける事になったとしても、引っ叩いてでも、私は『西住さん』の言葉が聞きたい」

桃「そんな事する権利、お前たちにあるのか」


赤くなった瞳で、桃がにらみつける。

沙織はその視線をまっすぐ受け止める。


沙織「無いよ。でも、私たちは―――――西住さんの友達だから」


理屈や論理ではなく、どこまでも真摯な感情論。

その言葉に桃がはっと目を見開く。

その様子に沙織はふっと微笑むと、


沙織「桃ちゃん、あなただってそうでしょう?」


そう言って走って行った。



108 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/04/22(月) 00:41:18.94 ID:jQ2XiiXS0





結局、沙織はそのままみほの部屋の前まで走ってきた。

元より戦車道を始めるまで運動らしい運動なんて体育の授業でしかやってなかった沙織の体は悲鳴をあげ、

その痛みや息苦しさを乙女らしくないかな?なんて軽口を脳内で叩いて無理やりごまかす。

そして呼吸が整うのも待ちきれず、沙織は扉に向かって呼びかける。


沙織「西住さんっ」


返事は帰ってこない。

チャイムを鳴らしても、ノックしても同様。

だから、沙織はみほに呼びかけ続ける。


沙織「西住さんっ!!私、私あなたとちゃんと話がしたいの!!」


周囲の部屋への迷惑だなんてこの際気にしていられない。

沙織は疲れて息混じりの声で必死に声を上げる。


沙織「お願い、私と話をして。このまま終わりなんて、私……嫌だよ」


呼吸も整わない内に大声を出したからか、沙織の体はふらつき、前のめりに扉に寄りかかってしまう。


沙織「西住さんっ……」


その時、思わず手にかけたドアノブが抵抗しないことに気づく。

沙織は一瞬逡巡するように目を伏せるも、手に力を込め、引き剥がすように扉を開いた。


沙織「……西住さん」


109 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/04/22(月) 00:47:42.61 ID:jQ2XiiXS0



廊下はもちろん、部屋も明かりがついていない。

部屋に向かって沙織はもう一度呼びかけるも、返事は帰ってこない。

物音一つせず、まだ少し荒れている沙織の呼吸がやかましいほどだった。


やはり、勝手に部屋に入るのは……と、踵を返そうとする自分の足を沙織は必死で引き止める。

ここまで来たのだから、後で謝って怒られよう。

沙織はそう、頭の中で言い訳をすると、靴を脱いでそっと、廊下に上がった。


沙織「……お邪魔するね」


薄暗い廊下を沙織は締め切られたカーテンからわずかに差し込む夕日を目印に恐る恐る進んでいく。

そうして、部屋にたどり着く。

けれども、


沙織「いない……」


そこには誰もいなかった。


沙織「留守……?」


明かりをつけ、部屋を見渡す。

沙織たちが以前来た時と変わらない、飾り気のなく、どこか生活感のない部屋。

床には飲みかけのペットボトルと、試合の時にも持ってきていたカバンが落ちている。

ふと、沙織の瞳がベッドへと向く。

そこには『前の学校の子から預かっていた』とみほが言っていた黒森峰の略帽をつけたクマのぬいぐるみが置かれている。

そのぬいぐるみはベッドの下に乱暴にしまわれていたのに、今はまるで話し相手にでもしていたかのように姿勢正しく置かれていた。

そしてその横には、投げ捨てられたかのように携帯も置かれていた。


沙織「西住さん……」


嫌な予感が、沙織の脳裏をよぎった。


110 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/04/22(月) 00:50:00.40 ID:jQ2XiiXS0
ここまでー
すみません延期の上にガッツリ予定時間オーバーしました。
そして来週はお休みでお願いします。

色々と待たせてしまい申し訳ありません
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/22(月) 06:11:43.13 ID:++kgM5VfO
乙 自分のペースで良いのよ
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/22(月) 12:17:15.15 ID:0OfaWbl00

実の姉は何もしなかったどころか突き放して周りの友達ばかりが頑張ってるのみるとなんかなあ
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/22(月) 13:08:14.79 ID:aiSBUNDN0


まぁまぽりんはまぽりんで追い詰められてたし支えもないしである程度仕方あるめぇよ
一番問題なのは戦車道公式や西住流の在り方とか姿勢が歪んでることそれ自体じゃんね
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/22(月) 13:44:19.01 ID:NHXRg5sqO

現実から逃げてる人と向き合うには多少強引じゃないと話にすらならないから仕方ない
でもそれはそれとして大洗で「エリカ」として頑張った事は誰か認めてくれると良いんだけどなぁ
どんな形でもこれまでに頑張った事まで否定されるんじゃあまりにも辛すぎる
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/22(月) 21:53:05.40 ID:NuZJbFuZ0
乙。

やばい。滅茶苦茶嫌な予感がする。
エリカの「生きろ」というギアスがあるから、自殺は無いんだろうけど、みぽりんがはやまった事をしそうで怖いな。
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/23(火) 10:00:47.66 ID:izdnD3YXO
自己愛クラスタC回避性人格障害なのか?
また復活可能な可能性が微レ存?
早く助けて、小梅ちゃん!
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/23(火) 23:25:38.81 ID:sGkDf/VaO
沙織「えりりんが引きこもってからもう8年がたったよ」
最終章
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/24(水) 07:57:45.80 ID:nZ1CiaW10
ああ嫌な予感がするぅ…実の親子や親友がどれだけ話しても聞く耳持たなかったのに、謎の大洗あんこうパワーで解決しちゃいそうな予感がするぅ…名作が一気に駄作になる予感がするぅ…
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/24(水) 10:19:22.50 ID:qZp83lJpO
>>118 言いたいことは分からんでもないがちょっと誘導してるみたいであまり良くない文章かなーって…
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/24(水) 22:23:57.45 ID:904RfJk/O
幽玄デスネワカリマス
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/24(水) 22:36:20.66 ID:Tyj0hOur0
>>118
でもこれくらいしかないよね実際
こっからさらにまた母親とか姉、親友の加わっての説得もあるかもだけど…あるいは夢のなかでエリカに諭されるとか
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/25(木) 00:18:28.04 ID:VHZTgx0b0
逆だよ
むしろ姉や母だと近すぎる上にお姉ちゃんが今のみほの全てを拒絶してそこで終わらせようとしちゃってるから家族での話し合いのしようがないんだよ
親友も当事者の1人だから別の感情が混ざって落ち着いて話しづらい
その事件を本当に何も知らない子の方がかえって話しやすいんじゃないかな
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/25(木) 01:57:14.54 ID:LjJzPGFO0
個人的な考えだけどガルパンSS読者って、黒森峰の誰かが大洗転校、そこで友情を育み過去の諍いにも試合にも打ち勝つ!っていう展開に食傷気味というか、飽きてる気がする。
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/25(木) 10:30:04.38 ID:j1Lt1dk+O
小梅ちゃんに期待
具体的にはわからんがキスやろなあ?
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/26(金) 14:30:03.66 ID:VyzvJ6FMO
二人は幸せなキスをして終了
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/26(金) 14:44:13.27 ID:H8EXA/hEO
エリカさんにはなれない→
エリカさん→エリカさん→エリカさん→エリカさん→エリカさん→ボコに相談→ひらめき→携帯で小梅ちゃんに連絡→エリカさんをよく知っている人をボコ(エリカさん)してやるぞ→沙織(いやな予感がする
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/27(土) 17:24:42.97 ID:ZV2Brcv6O
もう一週間がたった...だと...?
(待機
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/27(土) 19:56:53.79 ID:c3l2QhDg0
ごめんなさいつぎの更新来週なんですよ
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/27(土) 20:48:10.40 ID:kqI8flxqO
おぅ...
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2019/04/28(日) 11:15:30.51 ID:gpRQbwHz0
うわあああああん待てないもおおおおおおおおん
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/28(日) 13:34:38.07 ID:dV8jAGFbo
あぁ…今日の更新ないのか…
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/28(日) 21:20:30.58 ID:cifDZqHuO
平成の終焉をいかに過ごすか
やっぱりなんか食べたいなあ、なんて思ってたら、あれ?柚子みほってありじゃね?という新しい扉が開いた
...来週、楽しみにしてます。

アアッ、令和にイッちゃうううっ
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/30(火) 14:51:46.33 ID:SCSd2phU0
連休で時間あるんだから毎日更新してよ。
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/30(火) 15:20:43.77 ID:wHZIGjvU0
10連休とかファンタジーの話しないでくれませんかね…
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/01(水) 07:09:03.81 ID:24NRmz3X0
10連休なんてあるわけないじゃないですか。ファンタジーやメルヘンじゃないんですから。
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/01(水) 10:42:01.36 ID:kAxkvJ7H0
続編で十連休出てくるフラグじゃねえか
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/01(水) 10:45:31.63 ID:CEG37fc5O
「絶対に令和なんかに負けないッ」

10分後

「令和には勝てなかったよ...」

天ぷら
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/02(木) 06:05:30.38 ID:1YLac5Q80
そもそも十連休なんて本当に実在するのでしょうか?
都市伝説の類では?
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/02(木) 16:27:26.77 ID:J1KJrsCeO
公務員は10連休ゾ
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/03(金) 11:01:23.08 ID:GrUXEy4QO
ストパンでいうところのよしかちゃんとリーネ
もしくはエイラーニャ
そういえばそんなストパンssはなかったよね

久しぶりにガルパンからストパンに帰省したらえっちいすぎぞ
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 12:01:46.31 ID:/GPm/OvSO
ようやく前スレ読み終わってリアルタイムで追いかけられるようになった
続きが楽しみだ
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 22:49:30.53 ID:y1rSdSO4O
さーて今週のさおりんは
143 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/05/04(土) 23:46:53.35 ID:Ujk9qPiQ0






カーテンを閉め切って、電気も付けていない部屋には明りと呼べるものはカーテンの隙間からわずかに差し込む明りしかなかった。

部屋の主のはずのみほは、まるで虜囚かのように小さく膝を抱えて縮こまっている。

身じろぎ一つせず、時間が過ぎるのをただ待っていた時、チャイムの音が部屋に響き渡った。


その音にみほの肩がびくりと跳ねる。

けれども玄関には向かわず、じっと体育座りのまま動かない。

少しして、今度はノックの音がしてくる。


『西住さん』


それに合わせて聞き知った、なのに懐かしい声が自分を呼ぶ。

みほがぎゅっと目を閉じて震える体を抱きしめるように腕に力を籠める。


『私、武部沙織だよ!今日は練習だからさ、一緒に行こう?』


まるで何も気づいていないかのような明るい声。

そんな彼女の優しさが、みほにとってはどうしようもないぐらい辛く、苦しい。


だから、無造作に床に置いていた携帯を手繰り寄せ、


『ごめんなさい。今日は体調が悪いから休むわ』


震える指でなんとかそう打ち込んで送信する。

もう、『彼女』を保つのは文章ですら精一杯になっていた。


そして、どれほどの時間が過ぎたのか。

恐らく1分も経っていないだろう。

けれども、みほにとっては永遠のように感じた沈黙の末、


『わかった。何かあったら呼んでね?すぐ駆けつけるから!』


やはり、先ほどと同じような明るく、けれども気遣う様な声が聞こえてくる。

そして走り去って行くかのような足音が小さくなり、何も聞こえなくなる。

ようやくみほの震えがおさまる。


「……ごめんなさい」

144 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/05/04(土) 23:55:05.00 ID:Ujk9qPiQ0


小さく呟いた謝罪はもちろん、伝えたかった相手には届かない、ただの自己満足だった。

そうしてまた、膝を抱いて小さくなる。みほの頭に浮かぶのは何故こうなってしまったのかという疑問だった。

そして、その疑問の答えはすぐに見つかってしまう。


「私は、何も変わってない」


エリカと出会った日から、エリカを失った日から、エリカになった日から。

みほは一歩も進んでいない。

それは当然の事で、何もかもから逃げている自分が変われるわけがないのだから。

そうみほは自嘲して乾いた笑いが口から洩れる。

そしてそっと顔を上げ周囲を見渡す。

瞳に写るのは薄暗い部屋だけで、みほは失望したかのようにまたうつ向く。


「ああ……やっぱり私は……」


大洗に来てから幾度とみほの前に現れていた栗毛の少女の幻は準決勝の時を最後に一度も現れていない。

自分を責め立ててきたその幻影は、まぎれもなくかつてのみほの姿で、その言葉はまぎれもない今のみほの本心だった。

その幻影が見えなくなった。

その理由もみほは理解していた。


「私は……もう……」


結論を口にするのが怖くてみほは口を閉ざす。

そのまま倒れこんでベッドの下に手を伸ばし、そこに隠すように置いてある略帽を被ったボコのぬいぐるみをゆっくりと引っ張り出した。


無造作に置いてあったぬいぐるみは、けれども埃一つ付いてない。

みほはボコをベッドの真ん中に座らせると、自身は床に座ったまま向き合う。


「エリカさん……私、どうすればいいのかな……」


目の前のぬいぐるみはもちろん何も答えない。

それでも、みほは続ける。


「私じゃ、やっぱりダメなのかな……」


そう問いかける事自体が答えなのだと、みほは気づいていた。

なら、それならば、


「私は……どうすればいいのかな」


何も答えないぬいぐるみに救いを求めるように手を伸ばし、その手は届くことが無かった。


145 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/05/05(日) 00:05:27.41 ID:GKT/EkqT0





夕方の刻もだいぶ過ぎ、夕日に陰りが見え始めてきた頃、学園艦の町の中を戦車道チームの面々は必至に走り回っていた。

沙織から届いた『西住さんがいなくなった』というメール。

慌てて学校に集合するも、どういう事かと尋ねる暇もなく杏の指示により捜索が始まった。


大洗の学園艦は他校と比べて小さいが、それでも街一つを内包してる。

財布と携帯を持っていない事から飲食店やカラオケにいない事は想定できたが、それでも捜索範囲は広い。

圧倒的に人手が足りない中、頼れるのは自分たちの足だけだった。


カエサル「いたかっ!?」

エルヴィン「いやいないな……」


カエサル、エルヴィンが合わせて肩を落とす。

ならば残った二人はと、期待を込めておりょうと左衛門座を見つめる。

そんな二人をみておりょうは残念そうに首を振ると、親指で左衛門座を指し示す。


おりょう「さっき左衛門座が白髪のお婆ちゃんと西住さんを間違えていたぜよ」

エルヴィン「節穴!!」

左衛門座「あ、焦ってたんだからしょうがないだろ!?」



おりょうの告げ口にエルヴィンは思わず声を上げてしまう。

ふざけている場合かと左衛門座とおりょうに内心舌打ちをするも、すぐに首を振って苛立ちを追い出す。

今は言い争いをしている場合じゃない。早く西住さんを探さないと。

焦った所でしょうがない。わかっているが、それでも焦りは生まれてしまう。

みほがどこにいるのか、何をしているのかわからない現状は、皆にとって何よりもの不安要素だった。

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