勇者「長老、なんかこの剣喋ってない?」長老「なんじゃと」聖剣「……」7

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359 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/11(火) 20:33:27.38 ID:kq729BFd0
聖剣「谷間の向こうに道が見えるだろう」

勇者「!」
360 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 22:52:24.45 ID:5skD0eXro
361 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/11(火) 23:20:19.18 ID:kq729BFd0
勇者「谷間の……向こうに……?」

勇者「どういう意味だよ」

聖剣「……」


勇者「……また自分で考えろってか。ちょっとポエミーなこと言いやがって」
362 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/11(火) 23:22:50.77 ID:kq729BFd0
勇者(なんかそれっぽいこと言ってたけどさ)

勇者(これって結局胸の話だよな)

勇者(なんだよ、もう。行くしかないじゃん?)

勇者(俺だって別に進んでそういうことしたい訳じゃないんだけどな、安価だからな)

勇者(……うん)
363 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/11(火) 23:23:32.75 ID:kq729BFd0
勇者「メロンパン職人、やっぱりビーチに行くぞ」

勇者「谷間の向こうにこそ道は見えるのだ」

メロンパン職人「はぁ?」


タタタッ


メロンパン職人「……行っちゃったし……。別にこの街、谷間とか無いんだけどなぁ」
364 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/11(火) 23:25:18.17 ID:kq729BFd0
メロンパン職人「仕方ない。こっちはこっちで別行動しますか」

メロンパン職人「勇者さんは何か様子がおかしいけど、うん。これは聖女様がかかった大事な任務なんだから」

メロンパン職人「俺がしっかりしないと」

主「キィ」
365 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/12(水) 05:14:13.12 ID:MvesOtC60
砂浜

ワイワイガヤガヤ ワイワイガヤガヤ
  キャーー、アハハハハ


勇者「お、おぉ……」
366 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/12(水) 05:15:19.93 ID:MvesOtC60
勇者「実際、安価に従ってこんなとこに来てみたけども」チラッ

勇者「俺、故郷の村では小さい頃に川遊びをしてたくらいで……その、うん」チラチラッ

勇者「こう、水着の女の子とかを間近で見るのはあんまり無かったわけで」

勇者「だからこれはちょっと見慣れないものにびっくりしてるだけだから緊張してるとかそういうあれじゃないことだけはわかって欲しい」

勇者「……誰に言い訳してるんだ、俺は」

勇者「……」

勇者「谷間なんて恥ずかしくて直視できんぞどうしよう」



ヒソヒソ、ヒソヒソ


勇者「……なんか怪しまれてるし」
367 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/12(水) 05:16:52.10 ID:MvesOtC60
岩陰

勇者「……参った」

勇者「とりあえず岩陰に避難してみたはいいものの、まさかこんな様になるとは」

勇者「メロンパン職人には勇んで出てきた手前、何の成果もなしには帰れないな」

勇者「あいつの視線もなんかちょっと痛かったし」

勇者「……しかし安価ではおっぱいと」

勇者「……」

勇者「この岩陰からなら、俺でも……」ジリジリ…

そーーっ



翁「……」

勇者「……」
368 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/12(水) 05:17:40.22 ID:MvesOtC60
勇者(なんだこの爺さん)

勇者(砂浜の方を眺めてる?)

勇者(俺の方には気付いてないみたいだけど)


翁「……」

勇者「……」


翁「……」

勇者「……」


翁「ぐひひひ……」

勇者「……うわぁ」
369 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/12(水) 05:19:32.63 ID:MvesOtC60
翁「っ!! 誰じゃ!!」

勇者「やべ、声出てたか……」


翁「ここはわしの秘密の場所。なんぴとたりとも立ち入ることは許さんぞ!」

勇者「秘密の場所?」

翁「ああ! 見ろ、ここの陰がちょうど向こうからは見えず、そしてこちらからは絶妙に水着のお姉ちゃん達のキャッキャウフフな姿が見やすい秘密の場所!」

勇者「そ、そうなのか。……ああでも、ここからだと遠くないか?」

翁「勿論準備はしておる! ほれ、ここに持ちたるは双眼鏡!」

勇者「そこまで準備してるのか」

翁「お菓子もあるぞ! 食うか?」

勇者「えっ、いいの?」

翁「ああ! 旨いぞ!」


バリバリムシャムシャ
ポリポリ

勇者「……」

翁「……」



翁「誰だお前は!?」

勇者「マイペースな爺さんだな」
370 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/12(水) 05:31:36.51 ID:MvesOtC60
……

翁「ふむふむ、なるほど。つまりお前さんは水着のお姉ちゃんのキャッキャウフフな姿を目当てでビーチに来てみたはいいものの、実際その姿を目の当たりにして恥ずかしくなって岩陰に逃げてきた純情な少年というわけじゃな」

勇者「そこまで細かに口に出して言われるとさすがに照れるんだが」

翁「ティーンにありがちなやつじゃな」

勇者「ほっとけ」
371 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/12(水) 06:02:58.39 ID:MvesOtC60
翁「そんなティーンなお前さんには尚のことこの場所はまだ早い」

翁「とっとと去るが良い」

勇者「いや、それは困る。俺には大事な使命があるんだ」

翁「使命?」


勇者「『谷間の向こうに道が見える』」

翁「!」


勇者「……俺、今ちょっと迷っててさ」

勇者「この『道』って言うのがどこにあるのか、探している途中なんだ」

勇者「これを見つけるまで、俺は、この谷間から逃げる訳にはいかないんだ」

翁「おぬし……」

勇者「頼む、爺さん。俺が道を見つけるまで、どうかこの場所を使わせてくれ!」

翁「……」
372 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/12(水) 06:04:05.00 ID:MvesOtC60
翁「……ふん。」

コロン

勇者「!」

勇者「これは……双眼鏡……!」

勇者「爺さん!!」

翁「……好きに使え。迷える若者を導くのもまた、年寄りの使命じゃろうて」

勇者「ありがとう!!」
373 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/12(水) 06:09:21.97 ID:MvesOtC60
その頃

メロンパン職人「はぁ、はぁ、はぁ……」テクテク

メロンパン職人「暑い……王都なんかよりずっと暑い……」

メロンパン職人「勇者さんはどっか行っちゃうし、氷の魔女は「暑いのは嫌いだ」とか言って宿に引きこもっちゃうし……」

メロンパン職人「太陽めっちゃ晴れてる……なんか近くないです……?」
374 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/12(水) 06:09:54.21 ID:MvesOtC60
メロンパン職人「けど、俺は聖女様を助けなきゃ……」

メロンパン職人「勇者さんがしっかりしてない今くらいは、俺が……」

メロンパン職人「はぁ、ひぃ……馬車旅の疲れが、あんまり抜けてないのかな……」

メロンパン職人「いやいや、そんなこと言ってる場合じゃ……」

メロンパン職人「ええと、あっちの方は見て回ったし、次は、こっちの区域に……」

フラフラ


巫女「あなた、大丈夫?」

メロンパン職人「……ほぁ」
375 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/12(水) 06:10:57.91 ID:MvesOtC60
メロンパン職人「えっと……昨日の、巫女さん?」

巫女「随分辛そうに見えるの。汗の量もすごいし、今にも倒れちゃいそう」

メロンパン職人「い、いえ……このくらい、なんてことありませんよ……俺には、やらなくちゃいけないことがあるんです……!」

巫女「……もうっ。だからってそんなんじゃ倒れちゃう」

巫女「あなたが倒れちゃったら、そのやらなくちゃいけないことはどうするの?」

メロンパン職人「それは……でも、早く……俺がしっかりしなきゃ……!」

巫女「……ふぅ。じゃあ、そこの木陰に行こうよ。あなたは少し休んだ方がいいと思うの」
376 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/12(水) 06:12:03.95 ID:MvesOtC60
木陰

巫女「はい。お水」

メロンパン職人「……すみません」

巫女「あなた、厚着のしすぎ。ここらへんを回るなら、少しは気をつけないと」

メロンパン職人「……はい」

巫女「あと、純粋に体力がないのかな」

メロンパン職人「…………はい」
377 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/12(水) 06:23:20.41 ID:MvesOtC60
メロンパン職人「……なんか、本当、いろいろすみません。巫女さんもどこかに向かってるところだったんですよね」

巫女「あ、そうだった」

メロンパン職人「そうだったて……」

巫女「私、人を探してるの」

メロンパン職人「人?」

巫女「うん。私のお爺ちゃん。見なかった?」

メロンパン職人「お爺ちゃんって言われても……たしかに俺、ここら辺をグルグル歩き回ってましたけど」
378 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/12(水) 06:24:22.99 ID:MvesOtC60
メロンパン職人「何かお爺ちゃんの特徴とかないんですか?」

巫女「特徴? うぅん……」


巫女「ちょっとエッチなお爺ちゃんなの」

メロンパン職人「エッチて……」
379 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/12(水) 06:25:04.88 ID:MvesOtC60
メロンパン職人「うーん、そんな人が居ても、パッとすれ違っただけじゃあなあ……」

巫女「そう……」

メロンパン職人「力になれなくてすみません」

巫女「うぅん……お爺ちゃんの方が私を探すなら、すぐに見つけられちゃうんだけどね。私はそういうのはあんまり得意じゃないの」

メロンパン職人「? それって、どういう……」



「あっ、おい! お前!」


メロンパン職人「!」

巫女「!」
380 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/12(水) 06:30:02.55 ID:MvesOtC60
メロンパン職人「あの大柄な図体は……」

巫女「モヒカン」

メロンパン職人「!」


モヒカン「探したぞ……こんなところに居たのか。祠の方にもいなかったし」

巫女「お爺ちゃんを探してたの」


メロンパン職人「……モヒカンさん?」

モヒカン「……げっ。お前は」
381 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/12(水) 06:33:09.20 ID:MvesOtC60
モヒカン「何でお前がそいつと一緒にいるんだ」

巫女「うぅん……なりゆき?」


メロンパン職人「……なんだろう、うまく言えないけど、この組み合わせがすごく変だってことだけはなんとなくわかる」
382 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/12(水) 06:34:52.97 ID:MvesOtC60
一旦切り上げます
また19時頃に来れたら来る
383 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/12(水) 07:02:08.71 ID:5IiEzgNR0
乙です!
384 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/12(水) 08:30:53.12 ID:5jRPaJYfo

世界観のサラダボウル
385 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/12(水) 09:48:12.20 ID:rW6eDli3o

混沌とした世界だ
386 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/12(水) 19:55:42.75 ID:MvesOtC60
てす
387 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/12(水) 19:59:25.03 ID:rW6eDli3o
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
388 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/12(水) 20:00:00.85 ID:MvesOtC60
モヒカン「……おい。お前がここにいるってことは、勇者の奴も近くにいるのか」

メロンパン職人「え、えーと。今は勇者さんとは別行動をしてるのでここにはいないです」

モヒカン「……」

メロンパン職人「……? 何か用があるんですか?」

モヒカン「……いや、いないならいい」

メロンパン職人「??」
389 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/12(水) 20:07:02.69 ID:MvesOtC60
巫女「モヒカン、帰ってきてたんだね。いつから?」

モヒカン「……昨日着いたばかりだ」

巫女「そう……あ、また怪我してるの? いっぱい包帯巻いてる」

モヒカン「大した傷なんかじゃねえ。治療した奴が大袈裟に巻きやがっただけだ」

巫女「そうなの?」

モヒカン「ああ」

巫女「本当に?」

モヒカン「大したことねえって言ってんだろうが」
390 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/12(水) 20:08:54.82 ID:MvesOtC60
巫女「でも、そこ、血が滲んでる」

モヒカン「うるせぇなぁ……ンなこたどうだっていいだろうがよ」

巫女「どうでもよくないよ?」

モヒカン「……」

巫女「また危ないことしてるの?」

モヒカン「……これは、仕事で…………」

チラッ



メロンパン職人「……」ポカーン


モヒカン「見てんじゃねえよ!!」

メロンパン職人「ひっ!? すみません!!」
391 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/12(水) 20:18:56.26 ID:MvesOtC60
巫女「もう。またそうやってすぐに人にむかって大声を出す」

モヒカン「ふん」

巫女「あんまり人を怖がらせるようなことはしちゃダメ」

モヒカン「……」イライラ

巫女「でないと、みんなに嫌われちゃうって言ってるでしょ」

モヒカン「……だから、そういうのがうるせぇって言ってん……!!」
392 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/12(水) 20:19:46.10 ID:MvesOtC60
巫女「……」ジーーッ

モヒカン「……だろ……」


巫女「……」

モヒカン「……」


巫女「……」

モヒカン「……あぁ、くそっ、こいつはもう……っ!!」


メロンパン職人(モヒカンさんのモヒカンが心なしかちょっとしなだれてる)
393 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/12(水) 20:20:29.38 ID:MvesOtC60
モヒカン「だから見てんじゃねえよ!!」

メロンパン職人「すみません!!」

巫女「モヒカン!」
394 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/12(水) 20:44:54.51 ID:MvesOtC60
メロンパン職人「え、ええと! 差し出がましいことかもしれませんが!」

メロンパン職人「モヒカンさんは、巫女さんに何かご用があって探して来たのではないでしょうか!」

巫女「あ、そういえばそうだったね」

モヒカン「チッ……くそ、大した用事じゃねえ。居るんなら後でいい」

巫女「そうなの?」

モヒカン「何でこんなとこフラフラしてんだか知らねえが、どうせ祠の方に戻るんだろ」

巫女「うん。……あっ、そういえば私、お爺ちゃん探してたんだった」 


巫女「お爺ちゃん見なかった?」

モヒカン「見てねえよ」
395 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/12(水) 20:46:45.48 ID:MvesOtC60
巫女「あなたはもう大丈夫?」

メロンパン職人「はい! もう大丈夫であります!」

巫女「そう。じゃあ、もう行くね」

メロンパン職人「お忙しい所ありがとうございました!」

巫女「暇があったらお土産買いに来てね」
396 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/12(水) 20:47:24.99 ID:MvesOtC60
メロンパン職人「……」


メロンパン職人「……あの、ちなみに、お二人はどういう……」


モヒカン「……」ギロッ!!

メロンパン職人「なんでもありません!!」

巫女「睨むのもダメ!」
397 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/12(水) 22:54:48.99 ID:rW6eDli3o
寝ちゃった?
398 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/13(木) 10:33:41.73 ID:ucbWmGq3O
寝落ちてた…
一応また昨日と同じ時間くらいに来ます
399 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/13(木) 12:10:22.27 ID:IEkN5uyLO
よいよい乙乙
400 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/13(木) 12:35:31.16 ID:jNQJ1+O+O
更新されてる!!

待ってたよ、楽しみにしてる
401 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/13(木) 16:59:45.18 ID:uvTU0PMlO
更新きてれぅ!
402 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/13(木) 20:06:18.85 ID:qRtanmiwO
ちょっと遅れる
403 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/13(木) 20:25:27.99 ID:xI6uFoU3O
ワッフルワッフル
404 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/13(木) 20:26:25.93 ID:FpfEYL6zo
待ってるお
405 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/14(金) 06:18:06.09 ID:lF4PvIaW0
やらかした…
406 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/14(金) 06:57:35.67 ID:ZauzjNMmo
おはよう
407 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/15(土) 03:18:01.85 ID:sMQ3yD+I0
明日起きたら続き書きます
今日はもうきつい
408 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/15(土) 11:20:18.86 ID:Dl+b1bZsO
OK待ってるよ
409 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/15(土) 14:12:44.84 ID:P+3TzU5FO
wktk
410 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/15(土) 16:09:23.55 ID:sMQ3yD+I0
てす
411 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/15(土) 16:09:55.17 ID:sMQ3yD+I0
巫女「じゃあ二人とも、あんまり喧嘩しちゃダメだからね」

テクテク


モヒカン「……」

メロンパン職人「行っちゃいましたね」

モヒカン「ふん」
412 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/15(土) 16:10:30.55 ID:sMQ3yD+I0
メロンパン職人「あ、あのっ、モヒカンさん」

モヒカン「あァ?」

メロンパン職人「ひっ!」

モヒカン「……チッ、いちいちビビってんじゃねえよ」

メロンパン職人「すみません……」
413 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/15(土) 16:12:20.54 ID:sMQ3yD+I0
メロンパン職人「モヒカンさんって、もしかしてここの出身なんですか?」

モヒカン「……そうだ、何か文句でもあるのか?」

メロンパン職人「も、文句とかいう訳じゃなくて……ええと、実は俺、ここの都市には人探しに来てまして」

モヒカン「人探し?」

メロンパン職人「はい。それで、どうもなかなか上手く見つけることが出来ずにですね……」

モヒカン「で、ここ出身の俺に何か聞きたいってか」

メロンパン職人「はい。さっきの巫女さんとのやりとりからして、なんか昔からの付き合いというか幼馴染的なあれかなと思っ……」

モヒカン「……」

メロンパン職人「たのはまあどうでもいい話でして!! とにかくここらに詳しいモヒカンさんなら何か知ってたりするんじゃないかなって思って質問させていただきたくてですね!」
414 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/15(土) 16:13:23.70 ID:sMQ3yD+I0
……

モヒカン「霊能者?」

メロンパン職人「はい」

モヒカン「……ふん、そういうことか。まあ確かにあの爺さんなら、わざわざ遠路はるばる会いにくるような奴らがいてもおかしくはねえ」

メロンパン職人「! それじゃあ」

モヒカン「お前やあの勇者にこの辺あんまりウロチョロされるのも面白くねえしな、教えてやるよ」

モヒカン「お前の探してる霊能者ってのはな……」
415 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/15(土) 16:13:57.52 ID:sMQ3yD+I0
岩陰

勇者「……」

勇者「……」


勇者「……」ダラー


翁「小僧、鼻血でとる」

勇者「ん? ああ、サンキュ」
416 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/15(土) 16:15:49.06 ID:sMQ3yD+I0
翁「して、小僧。道は開けたか?」

勇者「うーん……もうちょっと」

翁「そうか。……さて、そろそろ」

勇者「……もうちょっと……もうちょっとだと思うんだけどなぁ」

翁「……」
417 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/15(土) 16:16:37.14 ID:sMQ3yD+I0
勇者「もう少し……ああそうそう、もうちょい前屈みに……」

翁「……ふむ」

勇者「谷間の向こうに道が……」

翁「……」

勇者「うおおぅ、そんなに……まじかー……」

翁「……なぁ小僧、それ、そろそろ返してくれんか」
418 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/15(土) 16:23:02.83 ID:sMQ3yD+I0
勇者「もう少し、もう少しだから……」

翁「……う、うむ」
419 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/15(土) 16:24:11.72 ID:sMQ3yD+I0
勇者「ふむふむ、なるほどなぁ……」

翁「……」

勇者「もう少しで道……道が……」

翁「……」

勇者「……おおっ!!?」ガタッ

翁「!!」ガタッ


勇者「あっ、そんな体勢になったら……うひゃぁあ」

翁「……」


勇者「いやいや、その格好でそれはまずいって!」

翁「ええい、いい加減にせんか!!」
420 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/15(土) 16:25:22.71 ID:sMQ3yD+I0
岩陰

「いや、おい、ちょっ待てよ!」

「少しばかり見込みがありそうだからって貸してやったわしが馬鹿じゃった! いいから返せ! もうそれ返せ!」

「待てって爺さん! 今いいところ……」

「いいところなら尚更返さんか! わしだって見たい」

「若者を導くのは年寄りの使命じゃなかったのかよ!」

「年寄りを労るのも若者の義務じゃて! 貴様、ちょっと優しくしてやったらつけ上がりおって!!」

「あっこらやめろ糞ジジイ!!」



観光客達「「「…………」」」
421 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/15(土) 16:27:41.99 ID:sMQ3yD+I0
翁「だってそれってもともとわしのだもん!! この場所もわしの秘密の場所だもん!! 返して!!」

勇者「わかっ、わかっ……わかったから!! 返すから!! 返すからちょっと離せ!! く、首が……!!」

翁「わしだってな! いつでもかつでも当たりの日にここに来れるわけじゃないんじゃ!! ハズレの日なんてそりゃもうひどいぞう……何でお前に貸した日に限ってそんなイイもんばっかし……!!」



警備員「あー、そこの二人、ちょっといいですか?」

二人「「ん?」」
422 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/15(土) 16:29:10.10 ID:sMQ3yD+I0
夕方

警備員屯所


勇者「……」

翁「……」



ガチャッ

メロンパン職人「勇者さん……」


勇者「……何も聞かないでくれ」
423 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/15(土) 16:35:21.05 ID:sMQ3yD+I0
警備員「あー、君、そこのお兄さんの連れの人?」

メロンパン職人「ああ、はい……宿の人に言われて……」

警備員「そこのお兄さんの泊まってるって言う宿に連絡したら、連れの人が居るって言うからさ……わざわざ来てもらって悪いね、これも規則だから」

メロンパン職人「いえ、元はと言えばうちの連れが」


勇者(もういっそ殺してくれ)
424 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/15(土) 16:41:43.35 ID:sMQ3yD+I0
メロンパン職人「さ、勇者さん、帰りますよ」

メロンパン職人「俺、今日の探索でちゃーんと手掛かりを見つけて来たんですから」

勇者「手掛かり?」

メロンパン職人「そう! なんと俺達の探してる霊能者さんはあの巫女さんの……」

翁「……巫女?」

メロンパン職人「……って、このお爺さんは?」

勇者「ああ、うん。この爺さんは俺にある道を示そうとしてくれた……」

勇者「……」


勇者「……何なんだろうな。爺さん、アンタ誰だ?」

翁「よく考えたらお前も誰じゃ」


メロンパン職人「えぇ……」
425 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/15(土) 16:42:24.81 ID:sMQ3yD+I0
ガチャッ

巫女「お爺ちゃん、どこにいるのかと思ったら……」


メロンパン職人「あ」

勇者「ん?」

翁「……ふん」
426 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/15(土) 16:43:52.66 ID:sMQ3yD+I0
翁「来るのが遅いわい。どこで油を売っとったんじゃ」

巫女「もうっ。油を売ってたのはお爺ちゃんの方なの。お店にお客さんだって来てたんだよ?」

翁「知るか。適当にお前が見ておけばええじゃろ」

巫女「私は祠の方もあるからダメなの。それに、お爺ちゃんに見てもらいたい、ってわざわざ来てくれた人だっているんだから、そういうこと言っちゃダメだよ」

翁「綺麗なお姉ちゃんは居たか?」

巫女「男の人だったけど」

翁「知らん、塩でも撒いておけ」

巫女「またそればっかり……」
427 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/15(土) 17:32:42.92 ID:KchpIKASo
続き来てるじゃん!
428 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/15(土) 18:26:54.58 ID:CKoEyIAuO
ワッホイ!
429 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/15(土) 19:38:35.61 ID:sMQ3yD+I0
メロンパン職人「え……あれ……巫女さん?」

巫女「あっ、昼間ぶりだね。そっちの人は昨日ぶり?」

勇者「おみやの女か」

巫女「そういうあなたはおっぱいの人」ジリ

勇者「……なんだよ、その距離の取り方は」

巫女「なんとなく?」
430 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/15(土) 19:39:38.38 ID:sMQ3yD+I0
勇者「それで、アンタその爺さんの知り合いか?」

巫女「知り合いというか、私のお爺ちゃんなの」

メロンパン職人「!」

勇者「ふーん、そりゃあ……」


メロンパン職人「勇者さんこの人ですよ!!!!」

勇者「うわびっくりしたっ」

巫女「耳がキンキンする……」
431 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/15(土) 19:46:12.95 ID:sMQ3yD+I0
メロンパン職人「俺、昼間のうちにモヒカンさんに聞いたんですよ! そこに居る巫女さんのお爺さんこそが俺らの探してる霊能者さんだって!」

勇者「は? 爺さんが霊能……? というか、モヒカン?」

メロンパン職人「巫女さん、その人、お爺さんなんでしょう!?」

巫女「う、うん」


メロンパン職人「ほら!! 勇者さんほら!!」

勇者「いいから落ち着けよ」

翁「うるさいのぅ」
432 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/15(土) 20:15:08.57 ID:sMQ3yD+I0
23時過ぎくらいにまたくる
433 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/15(土) 20:37:55.70 ID:Zv1+roku0
乙乙
434 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/15(土) 21:50:55.44 ID:KchpIKASo
おつー
435 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/16(日) 00:16:38.97 ID:EN2/pbho0
てす
436 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/16(日) 00:57:12.14 ID:EN2/pbho0
霊能者の館

勇者「それで、爺さんに相談したいことがあるんだけど」

霊能翁「断る」
437 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/16(日) 00:57:43.50 ID:EN2/pbho0
勇者「えぇ……」

メロンパン職人「即答!?」

霊能翁「だいたい何じゃ、人の家まで付いて来て勝手に上がりおって」

勇者「そりゃあ出るとこが同じで、俺らはアンタに用があったんだから付いて行くだろ」

メロンパン職人「というか、ここお店じゃないんですか」

霊能翁「もう営業時間外じゃ」

勇者「営業時間だったら聞いてくれるのか?」

霊能翁「ふん、さてのう」

メロンパン職人「そんな……」
438 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/16(日) 01:04:29.38 ID:EN2/pbho0
勇者「参ったな……俺、アンタに用があって王都からこっちまで来たんだけど」

霊能翁「そりゃご苦労なことじゃの」

巫女「ねえお爺ちゃん、お話くらい聞いてあげたら?」

霊能翁「お前まで言うか。わしの仕事に口出しするな。それにお前、祠の方はどうした」

巫女「営業時間外だもん」
439 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/16(日) 01:23:32.55 ID:EN2/pbho0
勇者「せめて理由くらい教えてくれよ」

霊能翁「〜♪」


メロンパン職人「なんか折り紙で遊び始めたんですけどこの人」
440 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/16(日) 01:25:01.61 ID:EN2/pbho0
勇者「なあ、お前ってこの爺さんの孫なんだろ? どうにかできないのか」

巫女「うーん……難しいかも」

巫女「お爺ちゃんってば、生活に困ってないからって仕事を選り好みするの」

勇者「選り好み?」

巫女「うん。私はあんまり良くない、って思うんだけど……綺麗な女の人とか、それかよっぽど興味を引くような物を持ってる人じゃないとお仕事しようとしないの」

勇者「綺麗な女の人に、興味を引く物、か……」
441 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/16(日) 01:26:17.01 ID:EN2/pbho0
メロンパン職人「あっ、そうだ! 勇者さんアレ、アレですよ!」

勇者「ん? アレって……」

メロンパン職人「ほら、王都を出る前に王様から貰った……」

勇者「! ああ、そうだ、そう言えばそんなの貰ってたな!」ゴソゴソ
442 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/16(日) 01:26:56.10 ID:EN2/pbho0
勇者「爺さん!」

霊能翁「なんじゃ」

勇者「これこれ、王様の書状!」

霊能翁「王の書状だぁ?」

巫女「!」

勇者「そうだよ、俺たち王様の紹介で来たんだ。ここに腕の良い霊能者が居るって話でさ」

霊能翁「ほーん?」
443 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/16(日) 01:34:19.11 ID:EN2/pbho0
霊能翁「……たしかに、この書状は本物らしいな」

巫女「本物……じゃあ、勇者さんとメロンパン職人さんは王様からの使者ってこと?」

勇者「一応そういうことになるのかな」

メロンパン職人「なんかそういう呼ばれ方するのはあんまり実感ないけど、そういうことですね」


巫女「ねえお爺ちゃん、やっぱりお話だけでも聞いてみようよ。王様がわざわざお手紙書いてくれるような用事って、私も少し気になるな」

霊能翁「うーむ……」
444 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/16(日) 01:36:28.91 ID:EN2/pbho0
霊能翁「……王の書状では、お前さんはあの古の勇者が持っていた、伝説の聖剣に選ばれし者とあるが」

勇者「ん?」

霊能翁「腰に差してるそれか?」

勇者「ああ、これ」シャラン


聖剣「……」


霊能翁「……ふむ」
445 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/16(日) 01:43:54.83 ID:EN2/pbho0
霊能翁「……」

霊能翁「…………」

霊能翁「………………よし、わかった、話くらいは聞いてやろう」


勇者「おお!」

メロンパン職人「よかったぁ」

勇者「王様と聖剣、様々だな」
446 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/16(日) 01:46:32.99 ID:EN2/pbho0
メロンパン職人「実はですね……」

…………

………

……
447 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/16(日) 03:21:33.86 ID:EN2/pbho0
…………

………

……


巫女「聖女様が……」

霊能翁「ふーん」

勇者「という訳で、聖女を探すために爺さんの力を借りたいんだけど」
448 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/16(日) 03:22:47.36 ID:EN2/pbho0
霊能翁「うーむ……まあ、いいじゃろう」

勇者「! じゃあっ……」

霊能翁「その前にひとつ聞きたい……ああ、それと、お前は席を外してろ」

巫女「え、何で?」

霊能翁「仕事じゃ仕事。お前べつに何もせんしいいじゃろ。ここから先はあれじゃ、大人の話じゃし。一対一で話す必要がある」

巫女「私、もう子供じゃないよ」

霊能翁「いいからさっさと行かんか」

メロンパン職人「ま、まあまあ巫女さん、ほら、霊能翁さんが言ってるんだし。一対一っていうなら、俺も一緒に出ていきますね」

巫女「なんだか納得いかないの……」

バタン



霊能翁「……」


霊能翁「さて、邪魔者は行ったか」

勇者「えっ」
449 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/16(日) 03:23:34.42 ID:EN2/pbho0
霊能翁「いや、こういう話、孫の前でするのってちょっと気まずいじゃん?」

勇者「こういう話?」

霊能翁「ごほん! ……勇者、改めて、ひとつ聞きたいんじゃが」

勇者「な、なんだよ……」


霊能翁「お前さん、実物の聖女を見たことがあるか?」
450 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/16(日) 03:24:03.49 ID:EN2/pbho0
勇者「あるけど」

霊能翁「ふむふむ。それで……」


霊能翁「聖女ってのがボンキュッボンの金髪美人のお姉ちゃんというのは本当か?」

勇者「は?」
451 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/16(日) 03:25:08.70 ID:EN2/pbho0
霊能翁「いやほら、あれじゃろ。噂では聞いとる。そりゃあもう目が飛び出るほどの美人じゃとかまるで天女のような美しさじゃとか」

霊能翁「でもほら、そういう噂って結構誇張されて流れるもんじゃろ。聖女って立場じゃから……ほら、ブサイクだとしても皆あんまし悪くは言えんじゃろ」

霊能翁「実際、多忙故に遠目以外で直接お目にかかる人間もそうそうおらんって言うし」


霊能翁「わしは真実が知りたい。どうなんよ」

勇者「どうって……その質問、今回のことと何か関係あるのか?」

霊能翁「大いにあるとも! 言っとくけどこれ結構重要じゃからな。場所を探るにしても、わしのやる気とかそういうのめっちゃ大事」

勇者「むむむ……」
452 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/16(日) 03:26:26.59 ID:EN2/pbho0
勇者「……金髪なのは、まあそうだな。サラサラで、結構綺麗な髪してると思う」

霊能翁「ほう」

勇者「顔は、まあ……少なくとも、今日の昼間に見た水着の姉ちゃん達に負けないくらいには整ってると思う」

霊能翁「ほうほう……それで?」

勇者「胸も大きいし、スタイルはいいんじゃないか」

霊能翁「ほほーう!! そいでそいで?」

勇者「……まあ、王都でもなかなか見ない美人ではある、と思う」

霊能翁「ほぁー、噂は本当だったってことじゃな。わしも直接お目にかかりたいもんじゃ」

勇者「性格は……」


勇者「俺はあいつに殴られて気絶させられたことがある。ああ見えて結構凶暴な性格してる」

霊能翁「!?」
453 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/16(日) 03:39:21.56 ID:EN2/pbho0
霊能翁「む、むむむ……性格にやや難アリ、か」

霊能翁「いやしかし、ないすばでーの綺麗なお姉ちゃんならそれもまた……」

勇者「で、どうなんだ? 聖女の情報はこれで十分なのかよ」

霊能翁「……わかった、とりあえずはこれで十分じゃろ」

454 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/16(日) 03:40:08.03 ID:EN2/pbho0
霊能翁「では、これから聖女の位置を探るための千里眼を使おうと思う」

霊能翁「確か、聖女に縁ある品を持ってきとるんだったな?」

勇者「ああ」

霊能翁「なるべく普段から身に付けているものがいい。まずはそれをもとに、聖女の気を覚える。そこから、気を辿って現在の位置を探り出す」

勇者「ようやくそれっぽい話になってきたな」
455 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/16(日) 03:48:12.24 ID:EN2/pbho0
勇者「ええと、ちょっと待ってくれよ……確か聖女のリボンを……」ゴソゴソ……

勇者「あれ? どこ行ったかな……結構前に鞄に入れたから、奥の方に……」


ポロッ


勇者「あっ」

霊能翁「!? そ、それは……ブラジャー!!?」
456 :もう忘れてるかもしれないけど、前スレ>>265>>534で入手したやつ ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/16(日) 03:50:31.89 ID:EN2/pbho0
霊能翁「おまっ、おま……!! たしかに普段から身に付けておる物がいいとは言ったが……!!」


勇者(あー、あの時王都で買ったやつだ……)


勇者「悪い悪い、これじゃないんだ」サッ

霊能翁「……あっ!!」

勇者「えーとえーと……おっ、あった! これこれ、このリボンが聖女の……」

霊能翁「待たんか!!」

勇者「えっ」
457 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/16(日) 03:52:02.60 ID:EN2/pbho0
霊能翁「お前さん、さっきのブラジャー……」

勇者「あー、あれは、違う。違うんだ。別にアンタに見せようと思った訳じゃ……」

霊能翁「まさか、聖女のブラジャーを持って来るとは……!!」

勇者「や、違うってば」
458 : ◆XoiMTUEsXEGh [saga]:2020/02/16(日) 05:00:11.77 ID:EN2/pbho0
勇者「ほら、このリボンだって。俺がアンタに見てほしいのはこのリボ……」

霊能翁「いや、わかる。わかるぞ」

霊能翁「お前さんは王の命を受け、このわしを探すように言われた」

霊能翁「そして、その際に聖女に縁ある品を持って行こうとして聖女の家を漁り……」

霊能翁「我慢できんかったんじゃろうな……わかる、わかるぞ……!」

霊能翁「わしに見せる建前のリボンのほかに、下着なんかもこっそり取っといたんじゃろ」

霊能翁「違うか? え?」

勇者(なんだろう、行動だけ見れば合ってるっちゃ合ってる気もする……傭兵に阻止されたけど)
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