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櫻井桃華「クレイジーバッファロー」
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1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/03/18(月) 22:31:31.14 ID:X2fedVSBo
桃華「……‘狂える猛牛’という意味ですわね」
ちひろ「どうする? 映像、止める?」
桃華「いいえ。最後まで見ますわ」
ちひろ「でも、顔色が……」
桃華「わたくし、知っておきたいんですの」
バイソン『ハーハハハ! 少しやり過ぎたかぁ?』
桃華「……ボクシングが、どんなものかを」
https://www.youtube.com/watch?v=Wr3IavT9P70
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1552915890
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/18(月) 22:38:13.14 ID:X2fedVSBo
桃華「今度のお仕事に関係があるのですから」
ちひろ「でも、無理をしなくても」
桃華「ちひろさん……」
ちひろ「ボクサーだったら、他にも沢山居るわ」
桃華「ええ、勿論! 先程見せていただいた――」
桃華「――ダッドリーという方の映像!」
桃華「野蛮だと思っていたボクシングに、あんな紳士が居ただなんて!」
桃華「それに、薔薇の花が似合う殿方なんて、そうそう居ませんもの!」
桃華「……Pちゃまも、あの方の様なおヒゲを生やさないかしら?」
ちひろ「そ……それはちょっと」
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/18(月) 22:42:49.72 ID:X2fedVSBo
桃華「それに比べて……」
バイソン『オラァ! 弱ぇカスは引っ込んでな!』
桃華「……この方は、見るに耐えませんわね」
ちひろ「だったら――」
桃華「――だからこそ、ですわ」
ちひろ「えっ?」
桃華「良い部分ばかりを見ていては、きちんと理解したとは言えませんわ」
桃華「ボクシングは、スポーツとは言え殴り合い……」
桃華「だから――」
桃華「――良い部分を見せるため、ダッドリーという方の映像を」
桃華「――悪い部分を見せるため、この、バイソンという方の映像を」
桃華「Pちゃまは、わたくしに用意したと思いますの」
ちひろ「……」
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/18(月) 22:49:17.20 ID:X2fedVSBo
桃華「なら、最後まで見るのが努めですわ!」
ちひろ「……桃華ちゃん」
桃華「ダッドリーちゃまは、このバイソンという方に言ったそうですの」
桃華「――君はボクサーの恥だ」
桃華「――君はボクサーを名乗るに値しない人間だ」
桃華「……って」
桃華「これを見る限りでは、わたくしもそう思いますわ!」フンス!
ちひろ「あ、あはは……」
バイソン『I'm champion!!』
桃華「何がチャンピオンなものですか!」
桃華「あなたなんて、ただのゴロツキにすぎませんわ!」
ちひろ「桃華ちゃん! これは映像だから!」
ちひろ「落ち着いて? ねっ?」
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/18(月) 22:55:18.91 ID:X2fedVSBo
・ ・ ・
帰宅中、車内
ブロロロロッ…
桃華「はぁ……」
桃華(わたくしとした事が、レディーにあるまじき事を……)
桃華(……映像を見て、声を張り上げるだなんて)
桃華「……よし!」
桃華(今後は、今日のような事が無いようにしませんと!)
桃華(それにしても……ダッドリーちゃまは素敵でしたわ〜♪)
桃華(お仕事で関わる方が、皆あのような紳士なら良いのですけれど……)
キキーッ!!
桃華「きゃっ!?」
桃華「きゅ、急ブレーキだなんて……何かありましたの!?」
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/18(月) 23:00:51.84 ID:X2fedVSBo
運転手「ま、周りを囲まれてしまって!」
桃華「どういう事ですの!?」
ガンッ! ガンッ!
桃華「ひっ!? な、何!?」
運転手「桃華お嬢様! ドアから離れてください!」
桃華「えっ!?」
運転手「外から、車が攻撃されています!」
桃華「攻撃ですって!?」
運転手「防弾仕様なので、警察が来るまで耐えられ――」
ガァンッ! ガァンッ!
…ピシッ!
運転手「――っ!?」
桃華「そんな……!?」
桃華(……お願い……誰か……!)
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/18(月) 23:06:27.11 ID:X2fedVSBo
桃華「誰か……助け――」
ピシッ! ピシピシピシッ…!
桃華「――っ!?」
????「よーう! 楽しそうな事やってんじゃねえか、ええ?」
運転手「外の声が聞こえて……」
桃華「……この声、どこかで」
????「乗ってるのは誰だ?」
????「ハッ! 何にせよ、金の匂いがプンプンしやがるぜ!」
????「……テメェらは失せな!」
????「オレ様に寄越せ! さもなきゃ[
ピーーー
]!」
桃華「!? この声は、さっきの映像の――」
バイソン「あぁ? やるってのか、この雑魚共が!」
桃華「――マイク・バイソン!」
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/03/18(月) 23:07:24.44 ID:X2fedVSBo
saga忘れ
>>7
桃華「誰か……助け――」
ピシッ! ピシピシピシッ…!
桃華「――っ!?」
????「よーう! 楽しそうな事やってんじゃねえか、ええ?」
運転手「外の声が聞こえて……」
桃華「……この声、どこかで」
????「乗ってるのは誰だ?」
????「ハッ! 何にせよ、金の匂いがプンプンしやがるぜ!」
????「……テメェらは失せな!」
????「オレ様に寄越せ! さもなきゃ殺す!」
桃華「!? この声は、さっきの映像の――」
バイソン「あぁ? やるってのか、この雑魚共が!」
桃華「――マイク・バイソン!」
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/03/18(月) 23:14:03.91 ID:X2fedVSBo
桃華「っ……!」
そっ…
運転手「! お嬢様、危険です!」
バイソン「!」
ガシッ!
覆面A「!?」
バイソン「ボケがっ!!」
ドッ! ドゴッ!
覆面A「うぐおっ!?」
…ドサッ
バイソン「!」
ガシッ!
覆面B「!?」
バイソン「寝てろっ!!」
ドガァッ!
覆面B「があっ!?」
…ドサッ!
桃華「つ……掴んでから殴るだなんて……!」
運転手「桃華お嬢様っ!」
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/03/18(月) 23:19:00.69 ID:X2fedVSBo
覆面C「くっ!」
…チャキッ
桃華「! 危ない! 銃ですわ!」
バイソン「――!」
覆面C「おおおっ!」
ドォンッ!
バイソン「――シッ!」
クルッ!
桃華「えっ!? 銃弾を避けた!?」
バイソン「無駄だっ!!」
ドガァッ!
覆面C「ぐううっ!?」
…ドサッ!
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/03/18(月) 23:26:27.79 ID:X2fedVSBo
・ ・ ・
バイソン「――へっ! 弱ェ弱ェ!」
バイソン「ザコがいくら群れようと無駄なんだよ!」
運転手「す、凄い……あの人数を一人で……!」
桃華「けれど、さっきの言葉……」
運転手「っ!? そ、そうです!」
運転手「私が時間を稼ぎますので、桃華お嬢様は――」
桃華「……いいえ」
桃華「――いつでも優雅たれ」
桃華「今は、そう振る舞うのが……わたくしの」
桃華「櫻井桃華の、役目ですわ」
バイソン「さぁて……中に居るのはジジイか?」
バイソン「それとも、ガキか女か?」
バイソン「何にせよ、儲けさせて貰うぜぇ……!」
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/03/18(月) 23:32:11.15 ID:X2fedVSBo
バイソン「おい、聞こえてんだろうが!」
バイソン「さっさと出てこねぇと、車ごとオシャカにすんぞ!」
…ガチャリ
桃華「――お待たせしましたわね」
バイソン「何でぇ、ガキか」
桃華「わたくし、櫻井桃華と申します」
桃華「まずは、助けて頂いたお礼を」ニコッ!
バイソン「はっはぁ! 助けただぁ?」
バイソン「何抜かしてやがる!」
バイソン「オレが、そんな真似をするように見えるか? あぁ?」
桃華「いいえ、全く」
桃華「けれど、助けて頂いた事は事実ですわ」ニコッ!
バイソン「……何だ、このガキは」
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/03/18(月) 23:37:52.31 ID:X2fedVSBo
桃華「是非、お礼をさせてくださいな」
桃華「わたくしの屋敷に、ご招待しますわ」ニコッ!
バイソン「おい、ガキぃ!」
バイソン「何をゴチャゴチャ言ってやがる!」
バイソン「オレは、女子供でも容赦しねえぞ!」
桃華「まあ、怖い」ニコッ!
桃華「それで、ご招待は受けて頂けるんですの?」ニコッ!
バイソン「……」
桃華「……っ」プル…プル…
バイソン「……へっ」
バイソン「金は用意出来るんだろうな?」
桃華「ええ、勿論……」ホッ!
桃華「桃華にお任せくださいですわ」…ニコッ!
14 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/03/18(月) 23:50:43.04 ID:X2fedVSBo
・ ・ ・
櫻井家、応接間
バイソン「――用心棒だぁ?」
桃華「はい」
桃華「今回のお礼とは、また別にお給金――ギャラも差し上げますわ」
桃華「なので、雇われては頂けませんか?」
バイソン「……面白いことを言うじゃねえか」
バイソン「オレ様の報酬は高いぜ? へっへっへ!」
桃華「ええ、構いませんわ」ニコッ!
バイソン「ポリ公が来る前に、消えるように居なくなっちまうようなのが相手だ」
バイソン「たんまりはずんでもらわなきゃ、割に合わねぇなぁ〜?」ニヤァッ!
桃華「勿論、そのつもりですわ」ニコッ!
バイソン「ほぉ……言うじゃねえか」
15 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/03/19(火) 00:01:28.80 ID:cuRjO1PRo
桃華「次に、いつまた襲ってくるかわかりませんもの」
桃華「すぐに手配出来る人間は……生憎」
バイソン「そりゃそうだろうなぁ!」
バイソン「オレ程の強さの奴は、そうそう居ねぇ!」
桃華「ええ」
桃華「有名な――マイク・バイソンさんですもの」
バイソン「……はっはぁ!」
バイソン「オレの事を知ってて雇おうってか!」
バイソン「……」
バイソン「良いぜ、金を払ってる間は働いてやるよ」
バイソン「だが、オレはオレのやり方でやらせてもらう」
バイソン「文句はねぇな?」
桃華「それでは、まず……」
バイソン「あぁん?」
桃華「少し臭うので、お話はシャワーの後にしても良いかしら?」
16 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/03/19(火) 00:02:15.19 ID:cuRjO1PRo
寝ます
おやすみなさい
17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/03/19(火) 14:06:22.05 ID:cuRjO1PRo
・ ・ ・
桃華「――もしもし」
桃華「突然お電話してすみません」
???『あら、私(わたくし)と桃華さんの仲じゃありませんの』
???『むしろ、遠慮されるとこちらが困ってしまいますわ』
桃華「……ふふっ、ありがとうございます」
???『それで? 今日は、一体何の御用かしら?』
???『初めに言っておきますが、アイドルになる気はありませんわよ?』
???『パーティーのお誘いでしたら、歓迎ですけれど』
桃華「実は……謎の集団に襲われましたの」
???『何ですって!?』
桃華「そこを……マイク・バイソンという方に助けられたのですわ」
???『成る程、それは――』
かりん『この神月かりんに相応しい、パーティーのご招待ですわね』
18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/03/19(火) 14:16:04.08 ID:cuRjO1PRo
かりん『桃華さん、お怪我は?』
桃華「ありませんわ」
桃華「それで、今後の相談をしたくて……」
かりん『そうですわね……』
かりん『一先ず、神月家くのいち衆を向かわせますわ』
かりん『私がすぐにでも行きたい所ではあるのですけれど……』
かりん『強い格闘家が居ると聞き、今は南米にいますの』
桃華「そ、そうなんですのね……」
かりん『おーっほっほっほ!』
かりん『……しかし、マイク・バイソンですか』
かりん『桃華さんならば、上手く言いくるめたのではありません?』
桃華「はい」
かりん『ならば、くのいち衆が来るまでは時間を稼いでくださいな』
かりん『大丈夫、桃華さんならばきっと出来ますわ』
桃華「そう、でしょうか?」
かりん『ええ!』
かりん『桃華さんは、とても優秀な方ですし……何より――』
かりん『――バイソンは、腕は立つけれどオツムは弱いですもの』
19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/03/19(火) 14:29:33.88 ID:cuRjO1PRo
・ ・ ・
シャワアァァ…
バイソン「……へへへ!」
バイソン「オレにも、ツキが回ってきやがったぜ!」
バイソン「……」
バイソン(シャドルーも壊滅して、金も底をついてたんだ)
バイソン(次の雇い主が現れるまで、あのガキで小遣い稼ぎをするかなぁ!)
バイソン(……ひひひ!)
バイソン(襲ってきたのは、どこの組織の連中だぁ?)
バイソン(ガキを攫うには、オレ様が邪魔でしょうがねぇよなぁ!)
バイソン「無駄な真似はやめて、おとなしく交渉に来るこったな!」
バイソン「金額次第じゃ――」
バイソン「あのガキを手土産に、雇われてやっても良いぜ!」
…キュッ!
バイソン「……しかし、あのガキの喋り方に覚えがあるのは、何でだ?」
バイソン「どっかで聞いた覚えがあるんだが……」
バイソン「……まあ良い、思い出せないなら大した奴じゃねえか」
20 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/03/19(火) 14:40:29.40 ID:cuRjO1PRo
・ ・ ・
かりん『――と、こういう事を考えているに違いありませんわ』
かりん『だから逆に、こちらが利用してやりますの』
桃華「……やっぱり、最低な方ですのね」
桃華「あの、マイク・バイソンという人は!」
かりん『しかし……桃華さんを襲ったという連中、気になりますわね』
かりん『念の為、桃華さん以外の方の所にも人を向かわせますわ』
かりん『桃華さんも、何かあったらすぐ私に連絡を』
桃華「わたくし以外の方の所……?」
かりん『桃華さんは、資産家の娘という他にも――』
かりん『――アイドル、という職業についていますもの』
かりん『所属するプロダクションには、同じ様な方が居ますでしょう?』
桃華「成る程!」
桃華「確かに、その通りですわ!」
かりん『経済界だけでなく、一般社会にも影響を与える人物に目をつける……』
かりん『これは……少し、嫌な予感がしますわね』
21 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/03/19(火) 15:05:26.92 ID:cuRjO1PRo
・ ・ ・
数日後、櫻井家、一室
ガチャッ!
バイソン「――よぉ、やってるじゃねえか」
桃華「っ!?」
桃華「あの……何か、御用ですの?」
バイソン「ちょっとした暇潰しだ」
バイソン「何せ、ここ数日暇でしょうがねえからよ」
バイソン「雇い主が何をしてるのか、暇だから見に来たんだよ」
桃華「……本当に暇ですのね」
桃華「けれど、自主レッスンを見ても楽しいものですの?」
桃華「わたくしは、別に構いませんけれど」
バイソン「楽しくはねぇなぁ!」
バイソン「いい女だったら、もっと違う楽しみをしたい所だがよ!」
バイソン「はーっはっはっは!」
桃華「もっと違う楽しみ……?」
桃華「……ゴホンッ! 子供扱いはやめてくださいな」
バイソン「……」
バイソン「オメェ、意味わかってねえのに言ってるだろ?」
22 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/03/19(火) 15:14:24.34 ID:cuRjO1PRo
桃華「……けれど、少し意外でしたわ」
バイソン「あん? 何がだよ」
桃華「貴方は……」
桃華「アイドル、というものを馬鹿にするような方だと思っていました」
バイソン「アイドルってのは要するに、アレだろ?」
バイソン「いい女が、歌って踊るもんだろう?」
バイソン「だったら、オレが馬鹿にする理由はねえな」
桃華「……」
バイソン「だがなぁ、お前は別だ」
バイソン「ヘッタクソなステップをしやがって」
バイソン「ピヨピヨ、ピヨピヨ! まるでヒヨコじゃねえか!」
桃華「なっ!?」
桃華「わ、わたくしを馬鹿にしに来ましたの!?」
23 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/03/19(火) 15:23:44.64 ID:cuRjO1PRo
バイソン「自宅の一室を改装……良いねぇ」
バイソン「恵まれてる奴ってのは、こんな事も出来る」
桃華「……」
バイソン「だが、使う人間がゴミならただのゴミ箱よ」
バイソン「トレーニングってのは、実戦を想定してやるもんだ」
バイソン「トレーニングのためのトレーニングなんて、無駄よ無駄!」
桃華「!」
桃華「言われてみれば……本番を意識しては、いませんでしたわ」
桃華「貴方は……それをわたしくしに教えるために?」
バイソン「あぁ?」
バイソン「このオレ様が、そんな面倒な事をするかよ!」
桃華「けれど、貴方の言葉で自主レッスンの効果が上がると思いますわ」
桃華「……ふふっ!」
桃華「バイソンさん、ありがとうございます」ニコッ!
バイソン「……」
バイソン「チッ! 調子の狂う奴だぜ」
24 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/03/19(火) 15:34:55.90 ID:cuRjO1PRo
桃華「これで、より上手く……」
桃華「わたくしの愛をファンの方にお届けする事が出来ますわ!」
バイソン「……んだ、そりゃあ?」
バイソン「ステージに立つのは、お前だろうが」
桃華「だからこそ、ですわ」
桃華「ファンの方よりも高い位置――ステージに立つのは」
桃華「――注目を集めるため、ではなく」
桃華「――わたくしの愛が、より遠くまで届くように」
桃華「……と、思っていますの」
バイソン「……へっ、理解出来ねえな」
バイソン「そんな言葉じゃ、オレには届かねえ」
バイソン「口だけだったら、何とでも言える」
桃華「あら! なら、丁度良いですわね!」
バイソン「……何?」
桃華「桃華の、今日のこの自主レッスン」
桃華「貴方が見ていれば、本番さながらですわ!」ニコッ!
バイソン「……」
バイソン「チケット代を払う気はさらさらねぇぞ?」
25 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/03/19(火) 15:48:12.24 ID:cuRjO1PRo
・ ・ ・
更に数日後、櫻井家、夜
バイソン「……」
バイソン(……チッ! 調子が狂いやがる!)
バイソン(あのモモカってガキ、何なんだ?)
バイソン(アイドルってのは、皆‘ああ’なのか?)
バイソン「……これも、しばらく誰かを殴ってねえせいだ」
バイソン「野郎ども、さっさと来やがれってんだ!」
バイソン「このオレの、サンドバッグになりやがれ!」
パリィィンッ!!
バイソン「――!」
バイソン「へっへっへ……おいでなすったぜ!」
バイソン「体がなまってた所だ……!」
バイソン「簡単にぶっ壊れねえよう、オレに殴られろや!」
26 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/03/19(火) 15:57:16.33 ID:cuRjO1PRo
・ ・ ・
桃華自室
桃華「……! 来ないでください!」
覆面D「……」
桃華「っ……!」
バガァァンッ!!
覆面D「!?」
バイソン「――ちょいと強くノックをしたら、ドアがいかれちまった」
バイソン「修理代は、そこのソイツが払うってことで良いな?」
桃華「――バイソンさん!」パアッ!
27 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/03/19(火) 16:08:34.59 ID:cuRjO1PRo
覆面D「……!」
…ダッ!
バイソン「何処に行こうってんだ! あぁ!?」
バイソン「ストレィ――ト!!」
ボッ!
覆面D「っ!?」
ガシッ!
バイソン「この前の奴らよりはマシみてぇだな!」
バイソン「だが、敵じゃあねえんだよ!」
覆面D「……!」
覆面D「――今だ!」
バイソン「何っ?」
桃華「きゃあっ!?」
覆面E「……」
バイソン「チイッ!」
覆面D「……」
バイソン「そこをどきやがれ!」
28 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/03/19(火) 16:20:37.93 ID:cuRjO1PRo
バイソン「失せろッ!!」
ドガァッ!
覆面D「うぐぅっ!?」
…ドサッ!
覆面E「……」
桃華「バイソンさん――」
スッ…
バイソン「! 待ちやがれ!」
桃華「――――」
覆面E「……!」
トンッ―!
バイソン「……クソッ!」
29 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/03/19(火) 16:29:03.54 ID:cuRjO1PRo
―しゅたっ!
くのいち「……桃華様は!?」
バイソン「連れてかれたぜ」
くのいち「何っ!?」
くのいち「くっ……すぐに後を追わなくては!」
バイソン「そうかい、ご苦労なこった」
くのいち「おい、どこに行くつもりだ!?」
バイソン「さぁな!」
バイソン「雇い主が居なくなっちまったんだ」
バイソン「オレには、此処に居る理由がねぇ」
くのいち「お前……!」
バイソン「あぁ!? なんか文句あんのか!?」
バイソン「所詮この世は金なんだよ!」
バイソン「それがわからねぇ奴は、オレに話しかけんじゃねえ!」
バイソン「ぶっ殺すぞ!」
くのいち「……!」
30 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/03/19(火) 16:38:10.59 ID:cuRjO1PRo
・ ・ ・
https://www.youtube.com/watch?v=dx9a2gYZu4Y
バイソン「……」
バイソン「……なめやがって」
・ ・ ・
桃華『バイソンさん――』
桃華『――お達者で』
・ ・ ・
バイソン「……」
バイソン「……オレ様を安く見やがって」
バイソン「今晩のファイトマネーは、きっちり頂く」
バイソン「……逃げようったって、そうはいかさねえ!」
31 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/03/19(火) 20:26:55.97 ID:cuRjO1PRo
・ ・ ・
桃華「……ん」
桃華「っ!? ここは……!?」
桃華(わたくし、気を失っていましたのね……)
桃華(それで、何処かに連れ去られて……)
覆面達「……」
桃華「あ、あのっ!」
桃華「わたくしを……どうなさるおつもりですの!?」
覆面達「……」
桃華「……!」
桃華(駄目……誰も、何も反応しない)
桃華(助けは、かりんさんのくのいち衆が詰めていたので来るでしょうけれど……)
桃華(……それでも、間に合うかどうか)
桃華「お願い……誰か……!」
32 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/03/19(火) 20:35:57.97 ID:cuRjO1PRo
「ストレェィ――――トッ!!」
バガァァァンンッ!!!
覆面達「っ!?」
桃華「…………ど」
桃華「どうして、ここに……?」
バイソン「あぁん!?」
バイソン「そんなの決まってんだろうが!」
バイソン「――テメェは大事な金づるだからな!」
バイソン「そいつを横から掻っ攫おうだなんて、許しちゃおけねえ!」
バイソン「何が、お達者でー、だぁ?」
バイソン「ガキの癖に気取ってんじゃねぇぞコラァ!」
桃華「……」
33 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/03/19(火) 20:45:29.35 ID:cuRjO1PRo
https://www.youtube.com/watch?v=UIGsMMWSRRI&t=87s
桃華「……ふ、ふふふっ!」
桃華「貴方って、本当に最低な人ですわね!」
桃華「せめて、助けに来た、とは言えませんの?」
バイソン「ケッ!」
バイソン「オレがそんな良い子ちゃんに見えるか?」
桃華「いいえ、見せませんわ」
桃華「とーっても怖い、悪人面をしてますわよ」
バイソン「はーっはっは! 言ってくれるじゃねぇか!」
桃華「それに、食べ方も汚いし、下品だし」
桃華「お金と、女の人の事しか言わないし」
桃華「いつでもグローブを外さないなんて、信じられません」
バイソン「……それで?」
バイソン「そんなオレの雇い主は、何をさせようってんだ?」
桃華「――全員まとめて……ぶっ飛ばしてくださいですわ!!」
バイソン「――オーケー、ボス!!」
34 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/03/19(火) 20:59:27.67 ID:cuRjO1PRo
バイソン「Don't escape!!」
覆面達「……!」
バイソン「ストレィ――ト!」
ボッ!
覆面「うぐあっ!?」
…ドサッ!
バイソン「次はテメエだ! オラァ!」
ゴガッ!
覆面「ぶぐえっ!?」
ドシャァッ!
覆面「う、うわああっ!」
ブンッ!
バイソン「遅ぇなぁ! 蚊が止まるぜ! オイ!」
サッ!
バイソン「格が違うんだよ、格が! オォルァ!」
ドブォッ!
覆面「ぐぎゃぁっ!?」
ズダァンッ!
35 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/03/19(火) 21:17:14.58 ID:cuRjO1PRo
覆面大男「ウオオオッ!」
ドガァッ!
バイソン「うぐおっ!?」
ヨロッ…
桃華「バイソンさん!」
バイソン「……オイ、何しやがる」ギロッ!
覆面大男「!? お、オオオッ!」
ブンッ―
バイソン「オォイッ!!」
バキャァンッ!
覆面大男「……!?」
ヨロヨロッ…
バイソン「Don't Stop Me!!」
バイソン「10カウントは聞けねぇぜ!」
ブンッ…ブンッ…!
バイソン「あの世へ行きなぁっ!!」
ドゴォアアンッ!
覆面大男「……!?」
クルクルクルッ……ドグシャアッ!
バイソン「へっ! 見掛け倒しかよ、張り合いがねぇ!」
36 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/03/19(火) 21:24:07.34 ID:cuRjO1PRo
バイソン「……どうよ?」
バイソン「お望み通り、全員片付けてやったぜ!」
桃華「そんな事より!」
桃華「頭から、血が出ていますわ!」
バイソン「あぁ? そんなの、知ったこっちゃねえよ」
バイソン「んな事より、だ」
バイソン「この働きは、ボーナスが出るんだろうな?」
…ヨロッ
桃華「っ!」
バイソン「オイ、何か言えよ」
バイソン「まさか、タダ働きをさせようってんじゃ――」
ヨロヨロッ…
バイソン「――ねえだろう、な……」
…ドサァッ!
桃華「バイソンさんっ!!」
37 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/03/19(火) 21:44:32.31 ID:cuRjO1PRo
・ ・ ・
柴崎「――かりんお嬢様、ご報告が」
かりん「――柴崎」
かりん「今回の件に関して、何かわかりましたの?」
柴崎「いえ……詳細は、残念ながら」
柴崎「しかし、お嬢様のお考えの通りでした」
柴崎「櫻井様の様な、資産家でアイドルの方……」
柴崎「そちらの方に、襲撃がありました」
かりん「首尾は?」
柴崎「お嬢様の言いつけ通り、リスト上位の格闘家を向かわせていました」
柴崎「なので……間一髪間に合った、といった所です」
かりん「全く……今度は、どこの誰が悪事を企んでいるのやら」
かりん「けれど、必ずや後悔させてあげますわ……!」グッ!
柴崎「そ、それは! 神月流、覇者の腕組み!」
柴崎「覇道を行く覇者の風格で、三千里すら離れた相手を圧倒するという……!」
かりん「おーっほっほっほ!」
38 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/03/19(火) 21:54:12.60 ID:cuRjO1PRo
・ ・ ・
桃華「――起きてください!」
桃華「目を覚ましてください、バイソンさんっ!」
バイソン「……チッ、ピーピーわめくんじゃねえ」
桃華「起きているなら、返事をしてくださいな」
桃華「まるで反応がないから、焦ってしまいましたわ」
バイソン「へっ! くたばってるとでも思ったか?」
桃華「いいえ」
桃華「今日という日に、貴方が死ぬわけがありませんもの」
バイソン「まぁな……わかってるじゃねえか?」
桃華「今日は、貴方のプロボクシング復帰の大事な一戦ですから」ニコッ!
バイソン「……おう、そうだな」
39 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/03/19(火) 22:04:42.80 ID:cuRjO1PRo
バイソン「まさか、オレがまたリングに上がる日が来るとはな」
バイソン「……夢にも思わなかったぜ」
桃華「色々と条件がつけられている事をお忘れなく!」
桃華「貴方は、一度ボクシング界を追放されたみたいですからね!」
桃華「今度、意図的な反則をしたら……」
バイソン「どうなるってんだ? あぁ?」
桃華「わたくしは、こう思いますわ」
桃華「――貴方は、反則をしなければ勝てない弱い人だ」
桃華「……ってね!」
バイソン「……チッ! そいつは面白くねぇ冗談だな!」
バイソン「オレは強ぇ! 誰よりもだ!」
バイソン「この拳さえありゃ、何だって出来るんだよ!」
桃華「はい♪ その調子で今日の試合もお願いしますわ♪」ニコッ!
バイソン「……ケッ!」
40 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/03/19(火) 22:19:29.75 ID:cuRjO1PRo
桃華「あ〜あ! どうして、貴方なんでしょう!」
桃華「――346プロが、ボクサーのスポンサーになる」
桃華「……その一人目が、貴方だなんて!」
バイソン「どこぞのガキを助けた、ってんでな」
バイソン「今のオレ様は、イメージが良いらしいぜ」
バイソン「はっはっは! バカな奴らだなぁ、オイ!」
桃華「試合後、わたくしのLIVEがありますから」
桃華「あまり長引かせないでくださいまし」
バイソン「オイ、聞いてねぇぞ!?」
バイソン「……だがまぁ、すぐに終わらせるがな!」
桃華「当然、貴方も見ていくでしょう?」
桃華「曲名は『ラヴィアンローズ』――薔薇色の人生、ですわ」ニコッ!
バイソン「そいつは締まらねえエンディングになりそうだな!」ニィッ!
バイソン「……だがよ!」
バイソン「オープニングは、オレ様の好きにさせて貰うぜ!」
https://www.youtube.com/watch?v=qZsYraSSpSc
おわり
41 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/03/19(火) 22:20:32.69 ID:cuRjO1PRo
載せないでください
42 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/24(日) 20:14:59.83 ID:ziZ8pv9oo
これ前にになちゃんとマンモスマンの奴書いてた人?
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