【P5x俺ガイル】八幡「やはり俺の友達は9股するなんてまちがっている」完

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66 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 21:18:02.71 ID:+9mh/Azpo
八幡・葉山「………」

陽乃「俺は守りたい!」キリッ

八幡・葉山「………」

陽乃「失くしたくないんだ!」キリッ

八幡・葉山「………」

陽乃「俺はま」

八幡・葉山「すみませんもう勘弁してください」
67 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 21:18:37.10 ID:+9mh/Azpo
葉山「で、どうする?どうすべきだ?」

八幡「そうだな…さっきも言った気がするがこのまま放っておけば確実に蓮を貶める何かを仕掛けるだろうな。そしてそれはしばらく続くだろう」

陽乃「そうだねぇ。せっかく出来たお友達があれこれ言われ続けるのも比企谷くん的にはなしだもんね?」

八幡「もちろんなしです。とはいえどうするか…相手は大人、しかも弁護士だからな…。というか…そもそもどうして蓮を目の敵にする?なぜ蓮だけに執着する?秀尽を中心に確かな因縁はあるが」

葉山「さあ…?流れからすると鴨志田絡みなのは間違いないだろうけど…」
68 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 21:19:13.95 ID:+9mh/Azpo
陽乃「たぶん葉山さんは箔を付けたいんだよ」

八幡「そんな単純な理由なんすかね?」

葉山「確かに陽乃さんの言う通りだと思う。父さんは多分、鴨志田が蓮に秀尽で何かされたと思ってるんじゃないかな?」

葉山「そして父さんはあれだけ騒がれた容疑者を冤罪で釈放させれば、やつを救った弁護士としてかなり評価されるな…」

八幡「なるほど…それは確かに”箔”だよな。けど蓮は教師に何かするようなタイプか?」

葉山「違うだろう。何かしたかしてないかまではわからないけどな」
69 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 21:19:53.19 ID:+9mh/Azpo
八幡「もしかして…蓮って鴨志田を社会的に確実に葬れる何かを知ってるんじゃないか?その何かは葉山の親父をも引きずり下ろす何かで…」

八幡「それか別の追撃の何かを持ってる。秀尽って場所が場所だけに、怪盗団に鴨志田の非道をリークしたのが蓮とか…?」

八幡(まさかとは思うが…蓮の隠し事ってのは鴨志田絡みか?だったら頷ける。誰にも言えるわけがない。実際ああして蓮は目の敵にされちまってんだから)

八幡(同じ秀尽だった鈴井には何もない所からしても……)

八幡「うーん………なくはないだろうが憶測の域を出ないな。だが蓮に動かれると葉山の親父が困るってのは確実だろう」

陽乃「そうだね。彼にしかわからない決定的な何かがあるのは間違いないと思うよ」
70 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 21:20:20.51 ID:+9mh/Azpo
葉山「父さんは警戒してるんだな…雨宮さんを。転校したばかりの学校でいきなり迫害されたんじゃ、普通は鴨志田どころじゃない」

八幡「そうだよな…そういう裏でもないと辻褄が合わないよな…」

陽乃「お姉さんもそう思うなぁ」

八幡「何にしても憶測しか出せそうにありませんよね…ただ鴨志田絡みなのは間違いなさそうだ」

葉山「そうだね」
71 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 21:21:00.11 ID:+9mh/Azpo
陽乃「ちなみにだけど、その鴨志田が釈放間近みたいだよ」

八幡「はあ?あんだけ騒がした上にそもそも自首じゃありませんでしたっけ?」

陽乃「うんそう、自首。だけど鴨志田の弁護についたのが葉山弁護士。そしてこれまでの情報をまとめると…?」

葉山「父さんは何としても鴨志田を精神暴走事件の被害者として仕立て上げるつもりなんだ。そうなれば鴨志田は加害者から一転、被害者に…ははっ、よく出来たシナリオだよ。父さんだけが得するように出来てる」

八幡「葉山…」
72 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 21:21:33.51 ID:+9mh/Azpo
葉山「………提案があるんだが」

八幡「何だ?」

葉山「父さんの悪事を暴こう」

八幡「どうやってだ?このファイルじゃ噂程度にも信じてもらえねえぞ?」

陽乃「そうだね。私がかき集めた情報に間違いはないけどね。問題はそれを受け取るのが警察だったら…文字通り紙くずにしかならないね」

葉山「わかってる。だが…だが父さんの身の回りから出たものなら証拠としては十分だろ?」

八幡「つまりお前が動かぬ証拠を探すってことか?」

葉山「そうだ。何が何でも見つけ出す」
73 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 21:22:00.92 ID:+9mh/Azpo
陽乃「隼人、事を構えるのなら今のうちに言っておかないといけないんだけど」

葉山「はい」

陽乃「雪ノ下家と葉山家、これまで散々良いお付き合いをしてきた。けどそれも終わりになるよ」

葉山「当たり前の事だな…」

陽乃「あんたはそれで良いんだね?と言っても親同士の付き合いでしかないから今ここで何を言っても無駄な事ではあるけどね」

葉山「いや、大丈夫…。そのつもりでやれって事ですよね?」

陽乃「そうだよ。やるからには決して後戻りは出来ない。あんたも色んなもの無くしちゃうよ。それでもいいんだね?」

葉山「いいんだ。俺はやる。俺がやるよ…やってやる!!」

陽乃「だってさ、比企谷くん?」

八幡「わかった」
74 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 21:22:37.19 ID:+9mh/Azpo
八幡「ちなみに陽乃さん、情報収集の過程で物的証拠が出たりしました?」

陽乃「それが何度洗っても状況証拠止まりなんだよねぇ…私もね、証拠は必要と思うからこっそり関係者を当たったりもしたんだけど…」

八幡「当たった?誰にですか?」

陽乃「大山田元医局長。その人は元々うちの親の知り合いでね。ところが怪盗団によって改心させられた」

八幡「怪盗団!?つか雪ノ下家まで怪盗団と遠からず関わりあるとは…」
75 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 21:23:34.21 ID:+9mh/Azpo
陽乃「まあね。その医局長は自分の部下が優秀すぎるものだから無理やり辞めさせたりしたんだって」

八幡「パワハラみたいなもんすか?へぇ………つかもしかしてその人が葉山の?」

陽乃「そう。葉山弁護士が担当する犯罪者の精神鑑定先を斡旋してたの」

八幡「あ、斡旋すか…てっきりそいつが直接鑑定して葉山の親父を有利にしてたのかと」

陽乃「大病院とはいえ医局長止まりだからね。犯罪者の精神鑑定なんて回って来ないよ。ただ特定の鑑定人に仕事を回す事は出来る」

陽乃「だから大山田は葉山弁護士から仲介料を受け取り、精神暴走事件の被害者と認定させる事が出来る相手を紹介し続けた。鑑定一回につきいくらってね」

陽乃「ところが怪盗団によって改心され、悪事を自ら公にして大山田は辞職へ。その後、鑑定人との繋がりを絶たれた葉山弁護士は功を焦り、直接その鑑定人に連絡を取った」

陽乃「そのせいで私に足を掴まれるとも知らずにね。たぶん明日にも詳細を話し合うんじゃないかな?鴨志田の鑑定についてね」
76 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 21:24:15.64 ID:+9mh/Azpo
陽乃「はっきり言って大山田を通し続けてたならここまでの事はわかりっこなかったよ。葉山さんが自ら動いた事でわかった事だからね」

八幡「なるほど。水面の波紋は必ず広がるもんだからな…それで陽乃さんとしても掴みやすい状況だったのか。葉山、お前どう思う?」

葉山「どうもこうもねぇよ…俺の親父、ただの悪人じゃねえか…」

陽乃「その悪人の手であんたは育ててもらったんだから。育ててくれた事には感謝しなきゃね?」

葉山「陽乃さん…そういう笑えない皮肉はやめてくれませんか?いくら陽乃さんでも殴りたくなる」

陽乃「そう?悪かったねごめんごめん」

八幡「とにかく、陽乃さんのおかげで情報は手に入った。あとは行動だな」
77 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 21:24:49.37 ID:+9mh/Azpo
陽乃「その行動はどうする気?さっきも言ったけど警察なんかあてにならないよ?」

八幡「そこなんですよねぇ…」

葉山「警察がダメなら検察じゃないか?」

陽乃「あんた検察に知り合いいるわけ?」

葉山「いるわけない」

八幡「ちょっと期待しちゃったじゃねえかよ…。陽乃さんはどうですか?」

陽乃「いなくはないけど…どうかなぁ?さすがに信用出来る検察の人間となると…」

八幡「あ、そっか…検察の人間ならそれでいいかっつーとそうじゃねえか…ちゃんと信用出来る人間じゃねえと…」

葉山「どうする?」

陽乃「どうしようね?」

八幡「どうすっか…?」
78 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 21:25:26.66 ID:+9mh/Azpo
八幡「つかさっきの話の大山田って人は訴えられてないんすか?」

陽乃「そこがおかしいんだよね。厄介な個人を辞職させて、我が病院はこいつとは何の関係もありません!っていうだけならわかるんだけど」

陽乃「大山田の場合はね、すぐに身元引受人が現れたの。そしてどっかに消えちゃった。だから私も情報を追いかけきれなかったわけ」

八幡「なるほど…それで状況証拠止まりって事か」

陽乃「ちなみにその身元引受人がね、どうやら政治家らしくて。そのお抱えの弁護団が付いてるから誰も下手に訴訟なんか起こせないんだよ」

八幡「政治家ぁ!?」

葉山「何か…どんどん事が大きくなってないか?」
79 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 21:25:56.64 ID:+9mh/Azpo
陽乃「そりゃ大物政治家の1人や2人関わってるでしょ。弁護士からしたら不利な犯罪者を助けるって良いビジネスだもん。医者にとってもね。ついでに警察からすれば、容疑者確保した時点であの精神暴走事件を真面目に扱ってますよってアピールにもなるし」

陽乃「ま、その警察内部の実情は当然、金と利権でズブズブなわけだけど」

八幡「ちょちょちょ…てことは政治家に警察が敵!?マジすか…どこのドラマだよどこの映画だよ…」

陽乃「おやおや?今ごろ気付いたの?」

葉山「さすがにスケールが…」
80 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 21:26:27.70 ID:+9mh/Azpo
陽乃「そうだよね。だから今ならまだ間に合うよ」

八幡「何にですか…?」

陽乃「見なかった事で済ませられる」

葉山「………」

陽乃「2人とも、じっくり考えなさい。この件は本当に闇の根が深い問題だから。正直言うと、一介の学生が関わって良い範疇を大きく超えてる」

八幡「はい…」

葉山「そうだな…」
81 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 21:26:59.13 ID:+9mh/Azpo
陽乃「ただまぁ、それでも彼は真正面から戦ってるよね。戦ってるからこそ、転校してきた先にまでこんな手が回ってしまう。もちろん、どういう戦いなのかは私たちにも誰にもわからないけど」

八幡・葉山「………」

陽乃「ま、いいよ。今日は解散にしよう。明日中には2人とも答えを出しておくように。同時に覚悟もね」

陽乃「やるならやる覚悟、やらないならやらない覚悟を」

八幡・葉山「………」
82 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 21:28:02.94 ID:+9mh/Azpo
〜時は現在に戻って11月30日〜

ー放課後 陽乃の車内ー


陽乃「2人とも、そろそろだよ。心の準備はいいかな?」

八幡「いつでも」

葉山「どこでも」

八幡・葉山「よろこんで」

陽乃「何だかんだ言いながら仲良く見えるんだけどなぁ」


ブロロロ………キッ
83 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 21:28:49.08 ID:+9mh/Azpo
陽乃「………さ、着いたよ」

八幡「はーっ…」

葉山「………」

陽乃「比企谷くん?」

八幡「はい?」

陽乃「メガネちょっとずれてるよ。ああもう髪もほら、もっとこう…………これでよし。頑張ってね」

八幡「………うっす」

葉山「じゃ、行こうか」

八幡「おうよ」
84 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 21:29:31.16 ID:+9mh/Azpo
ー葉山法律事務所ー


ガチャッ…

隼人「こんにちは」

八幡「失礼します」

従業員「あら隼人くん、いらっしゃい。お父様は応接室でお待ちよ」

隼人「どうも」

従業員「あなたもどうぞ?」

八幡「はい。失礼します」

スタスタスタ…ガチャッ
85 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 21:39:40.35 ID:+9mh/Azpo
ー応接室ー


葉山弁護士「おう隼人。時間通りだな」

隼人「ああ父さん。あ、彼が弁展高新聞部のヒラキヤくんだよ」

八幡「お忙しい所すみません。初めまして、開屋です。今日はわざわざお時間作って頂いて…」

葉山弁護士「なんだなんだ。最近の学生はやけに堅苦しいんだな。こういう所は初めてで慣れないだろうが、そう堅くならずに気を楽してくれ」

八幡「ありがとうございます」

隼人「座ったらどうだ?」

八幡「そうだね」
86 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 21:40:22.56 ID:+9mh/Azpo
葉山弁護士「私もこういったインタビューは慣れてなくてね。弁護士という職業について質問に答えれば良かったんだよな?」

八幡「はいそうです。弁護士を進路にと考える生徒はいますので。彼らに向けた職業インタビューという形で掲載させてもらえたらと思ってまして。よろしくお願いします」

葉山弁護士「いやいやこちらこそよろしく。開屋くんだったね?それで、私は君に何を教えてあげれば良いのかな?」

八幡「じゃあ質疑応答って形で質問させてもらっても構いませんか?」

葉山弁護士「ああ、もちろんだとも」

八幡「まずはじめに、この場を作ってくれた事に感謝します。葉山くん、ありがとう。僕らの我儘聞いてくれて」

隼人「いや、構わないさ。進路ってのは大事なものだから。その進路を決める材料を得る場をたまたま作れただけさ」

葉山弁護士「なかなかどうしてしっかりした学生じゃないか。これからも隼人と仲良くしてやってくれ」

八幡「もちろんです」ニコッ
87 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 21:41:05.91 ID:+9mh/Azpo
八幡「では早速。葉山さんの弁護士とは?」

葉山弁護士「………ん?今のは質問かい?」

八幡「すいませんちょっと緊張しちゃってて…」

隼人「まあまあそう堅くなるなよ。じゃ父さん、後はよろしくね」

葉山弁護士「ああそうだな。ついでに飲み物かお菓子でも持ってきなさい。開屋くん、君もリラックスしたまえ」


ガチャッ、バタン
88 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 21:41:35.46 ID:+9mh/Azpo
八幡「すいません…実は喉カラッカラでして…」

葉山弁護士「はっはっは。そうか。まあ生徒の中には自分の進路を決めるのに重要になるかもしれない質問だからな。無理もない」

八幡「では改めて。葉山さんにとって、弁護士という職業はどのような…その…」

葉山弁護士「まだ緊張してるようだね。私が弁護士という仕事をどう思ってるか、でいいのかな?」

八幡「はいそうです。すいません」

葉山弁護士「そうだね、弁護士というのは弱い立場の人を守る事が出来る。いわばヒーローのような職業だと私は思っているよ」

八幡「ヒーローですか」
89 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 21:42:17.94 ID:+9mh/Azpo
八幡「葉山さんは弁護士になるためにどれほど勉強されたんですか?」

葉山弁護士「勉強か。まあこればかりは個人差のある問題だな。私は…正直言うと、あまりしていなかったんだよ。はっはっは」

八幡「そうなんですか?それでなれるものなんですか?」

葉山弁護士「もちろん最低限の努力は必要だがね」

八幡「そうですよね。葉山さんがこれまで担当された事件ってどういうのがあるんですか?」

葉山弁護士「そうだな。色々あるが…さすがに全ては覚えていないな。それなりに有名な所で構わないかい?」

八幡「はいもちろんです」
90 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 21:42:50.49 ID:+9mh/Azpo
葉山弁護士「最近のだと詐欺教祖の事件だろうか」

八幡「詐欺教祖?」

葉山弁護士「そうだよ。勧誘の入り口に占いを使っていた宗教団体のようなもののリーダーで教祖と呼ばれていてね。前に報道がされたんだが。あれは私が担当しているんだよ」

八幡「それって具体的にどういう事件だったんですか?」

葉山弁護士「自称占い師の女性を使って道行く人を占い、お客さんに対して有る事無い事でっち上げてホーリーストーンという高額商品を売りつけた……とまあよくあるタイプの話だね」

八幡「その売りつけられた人を守ったって事なんですね?」

葉山弁護士「いや、逆だよ」

八幡「逆?」
91 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 21:43:28.48 ID:+9mh/Azpo
葉山弁護士「その占い師を雇っていた上司こそ詐欺教祖と呼ばれていた被害者だったんだ」

八幡「えっ?でも詐欺師なんですよね?その教祖って」

葉山弁護士「彼は詐欺なんかしてないんだよ」

八幡「そうなんですか?じゃあ何で詐欺に?」

葉山弁護士「その女性占い師が上司の教祖は詐欺師だと告発した上、自首を促したせいなんだ」

八幡「待って下さい。えっと…詐欺と自覚してるから自首したし、罪と自認してるから告発されてそれを受け入れたんじゃないんですか?」

葉山弁護士「その女性占い師の勝手な思い込みで告発されてしまったんだよ。そしてあれよあれよという間に詐欺師扱いされてしまったんだ」

八幡「そういう事が起きるんですか?」

葉山弁護士「これは誰にでも起こり得る事だよ?無実なのに罪をかぶせられるというね。そしてその無実の人を救うのが弁護士の努めなのだよ」

八幡「………」
92 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 21:44:02.45 ID:+9mh/Azpo
八幡「でも事件として扱われてる以上、無実なんてありえないんじゃないんですか?」

葉山弁護士「そうだね、事件とされてしまった以上は身の潔白を証明しなければならない。そこで私たち弁護人の出番というわけだ」

八幡「では…その人が本当に罪を犯していたら?」

葉山弁護士「その時はあらゆる観点から罪の軽減を図るんだ。誰だって元々悪い人間なんていないだろう?」

八幡「どうなんでしょうね…?」

葉山弁護士「ちょっと魔が差してしまっただけの言わば衝動的犯行に対して極刑はあまりにも重すぎる。そう思わないかい?」

八幡「まあ…そうですかね」
93 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 21:44:40.13 ID:+9mh/Azpo
葉山弁護士「例えば故意で殺人を犯したのなら別だが、故意でないアクシデントの範疇で殺めてしまった。なら罪の軽減はあって然るべきだろう」

八幡「なるほど…そういう事になるんですね。でも中には本物の極悪人もいるんじゃないですか?」

葉山弁護士「ま、それはそうだね。人とはそういうものだから」

八幡「そういう極悪人でも肩を持つんですか?」

葉山弁護士「それが仕事だからな」

八幡「それって…どの辺がヒーローなんですか?さっき弱い者を助ける仕事だって言ってましたけど。やってる事は真逆じゃないんですか?」

葉山弁護士「はっはっは。そうだね。だが本物の極悪人だと証明されるまではその人だってごくごく普通の一般人と変わらないという事さ」

八幡「………」
94 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 21:45:26.54 ID:+9mh/Azpo
葉山弁護士「ま、君の言いたい事もわかる。だが青臭い考え方では真実は追えないし、本当に弱い立場の人を守る事も出来ないものなんだよ」

八幡「そうなんですか。ちなみにその詐欺教祖ってどうなったんですか?」

葉山弁護士「まだ裁判の途中でね。あまり多くは話せないが…まあいいだろう。ここだけの話だよ、いいね?実はその教祖と呼ばれた人はね、精神暴走事件の被害者である可能性が高いんだ」

八幡「えっ…あの精神暴走事件のですか?」

葉山弁護士「そうなんだ。さっきも言っただろう?元々悪い人間などいない。環境や流れからたまたま悪と呼ばれる行為に至ってしまっただけなんだよ」
95 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 21:45:57.79 ID:+9mh/Azpo
八幡「えっ…でも詐欺ですよね?詐欺師って故意以外にやれっこないんじゃないですか?」

葉山弁護士「ではその故意が、あの精神暴走事件によるものであればどうだい?」

八幡「…罪ではない、と?」

葉山弁護士「その通り。精神暴走事件という大きな事件の被害者なんだよ。よってその詐欺教祖と呼ばれた人も元を正せば被害者なんだ。私はそうした、弱い立場に置かれてしまった人たちを救っているのさ」

八幡「なるほど…」
96 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 21:46:32.10 ID:+9mh/Azpo
ブーッ…ブーッ…

葉山弁護士「携帯鳴ってるようだが?」

八幡「あ!すいません…」

葉山弁護士「はっはっは。君は記者としては失格のようだね?」

八幡「そうですよね!すいません本当こういうの慣れてなくって…」

葉山弁護士「まあいいさ。出なくていいのかい?」

八幡「はい。メールだったので……」


隼人【完了だ。もういいぞ】
97 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 21:47:18.80 ID:+9mh/Azpo
八幡「…………はい、すいません続き大丈夫ですか?まだお時間って…」

葉山弁護士「ああいいよ、気にしないでくれ」

八幡「どうもありがとうございます。じゃあえっと…あ、もうこんな時間ですね。最後の質問でいいですか?」

葉山弁護士「ああ、構わないよ」

八幡「つい先日テレビで鴨志田容疑者が釈放になるんじゃないかってニュースあったのご存知ですか?」

葉山弁護士「もちろん」

八幡「ああいう本物の犯罪者についてはどう思います?」
98 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 21:48:05.44 ID:+9mh/Azpo
葉山弁護士「本物?どうしてそう思うのかな?」

八幡「だって自分の立場を利用して生徒殴ったり蹴ったり、おまけに女子にセクハラしてたんですよ?こんなのさっき葉山さんが言ってた故意以外の何物でもないと思うんですけど」

葉山弁護士「なるほど君はそう見るのか」

八幡「はい。学生としてああいう本物の犯罪者が教師って立場にいたなんて吐き気しますよ」

葉山弁護士「………」
99 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 21:48:45.17 ID:+9mh/Azpo
八幡「気に入らない生徒を退学させようとしたりするなんて頭どうかしてるとしか思えません。葉山さんだって弁護士って仕事してなければ同じように思ったんじゃないですか?」

葉山弁護士「さて…どうだろうな」

八幡「え?思わないんですか?弱い立場の人を救うって立派な思想を掲げた人なのに?」

葉山弁護士「立派だなんて事はないよ。弁護士という仕事に対してはそう思っているだけでね」

八幡「ならそれがなければ僕と同じ考えで、同じように嫌な気分になる事件と思いません?」

葉山弁護士「まあそうかもしれないね」
100 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 21:49:19.34 ID:+9mh/Azpo
八幡「でも何であんな本物の犯罪者が釈放されるかもって話になっちゃうんですかね?不思議でしょうがないんですけど…その辺、弁護士としてどう思われますか?」

葉山弁護士「それはもちろん、鴨志田容疑者が無実でその嫌疑が晴れるからそういう結果になるだけだよ」

八幡「え?まだ晴れてませんよね?というかとても晴らせるものじゃないと思うんですけど…」

葉山弁護士「腕の良い弁護人なら話は別だ」

八幡「葉山さんのような?」

葉山弁護士「はっはっは。どうだろうな?」

八幡「あの鴨志田ってやつを取り巻く話って…なんか妙な感じしません?」

葉山弁護士「妙というと?」
101 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 21:49:54.64 ID:+9mh/Azpo
八幡「…いえ、何でもないです。忘れてください」

葉山弁護士「開屋くん?言いかけで止めるのはナンセンスだよ」

八幡「じゃあ…。だって自首したくせに無罪放免なんてどう見てもおかしいですよ。それに体罰とか事実だったんですよね?ほら、ニュースやってた時に生徒インタビューやってたじゃないですか?」

葉山弁護士「まあ一部ではそういう声もあったようだね」

八幡「一部?いいえ全部でしたよ?僕が個人的に鴨志田周辺を調べた所では」

葉山弁護士「鴨志田周辺を………調べたのかい?君は変わった趣味をしてるね」
102 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 21:50:31.55 ID:+9mh/Azpo
八幡「はい調べました。ちょっとまあ…言えない話が関係してるのでこの先は黙秘権使っちゃいますけどね…あはは」

葉山弁護士「はっはっは。さすがに黙秘権は知ってるか。その言えない話というのは私にも相談出来ない話かな?」

八幡「はいまあちょっと……葉山くんと共通の友達に聞いたんですが、怖いやつが総武高に転校してきたと…」

葉山弁護士「怖いやつというのは?」

八幡「何でも前歴持ちのやつが転入してきたらしいんですよ…最悪ですよね」

葉山弁護士「…そうなのか、なるほど。それは怖い話だね。今ここだけの話にしておいてあげるから、話してみてごらん?」
103 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 21:51:29.06 ID:+9mh/Azpo
八幡「え?!いやそんな…プロの弁護士にこんなちっちゃい悩み相談なんて…」

葉山弁護士「なあに、気にする事はないよ。で?どういった話なのかな?」

八幡「いやいや!ほんと大丈夫ですから!ちょっと鴨志田とそいつ絡みってだけで!」

葉山弁護士「君はずいぶん遠慮するんだな。だがまだまだ学生だろう?それにお友達の身近にそんな犯罪者がいては君も落ち着かないだろう?」

八幡「ですが…」

葉山弁護士「心配しなくていいよ。ここだけの話だ。どういった内容なのかな?」

八幡「…実はその前歴持ちのやつ、鴨志田がいた秀尽からの転入なんですよ…」

葉山弁護士「ほう…それで?」
104 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 21:52:03.05 ID:+9mh/Azpo
八幡「おっかないじゃないですか…よりによって秀尽ですよ?そいつも暴力的に決まってるじゃないですか前歴持ちだし…」

葉山弁護士「まあそうだろうね。近付かない方が身のためなのは間違いない」

八幡「転入してきてすぐに前歴持ちだってバレてたんです。先生に聞いても教えてくれないらしいんですけど前歴持ちって話は本当みたいで」

八幡「それでちょっと思ったんですよ…もしかしてそいつの前歴って鴨志田と何かあったから付いたものじゃないかって」

葉山弁護士「なるほどそう繋がるのは至極自然だね」

八幡「やっぱり葉山さんもそう思います?」

葉山弁護士「ああ思うね。君の推察は正しいんじゃないかな」

八幡「ですよね!良かった何かすっきりしました」

葉山弁護士「お役に立てたかな?」

八幡「はい!」
105 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 21:52:32.88 ID:+9mh/Azpo
葉山弁護士「ちなみにその前歴の生徒はどういう風に過ごしてるのかな?」

八幡「友達に聞いた話じゃ、そいつ常に1人ぼっちですよ」

葉山弁護士「ほう…?具体的には?」

八幡「何でも授業はボイコットな態度で寝てばかり」

八幡「休み時間も寝てばかり。でもたまに動いてる様子からして寝たふりしてるだけじゃないかって」

八幡「昼には普段誰も寄り付かないようなとこで1人で食事して、放課後になると知らないうちに消えてるらしいです」

八幡「それに誰も話しかけないし、例えばテニスで2人1組になる時もそいつは1人で壁にボール当ててたり。なので完全にぼっち野郎らしいんですよ」

葉山弁護士「フフッ………そうか。なるほど」

八幡「………」
106 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 21:53:08.98 ID:+9mh/Azpo
葉山弁護士「ちなみに先生方はその生徒に対してどういう態度なのかな?」

八幡「最初からずっとシカト状態のようですね。誰も何も言わないようですよ。そいつもたぶん出席日数稼ぎに行ってるだけだと思います」

葉山弁護士「はっはっはっはっは!そうか!なるほどな!はっはっはっは!」

八幡「………」

葉山弁護士「そういう状態であれば何も心配はいらないよ。そのうちいなくなるんじゃないかな?」

八幡「いなくなる?というと?」

葉山弁護士「そんなつまらない学生生活など無意味だからね。そのままいつの間にかまた転校でもするだろう」

八幡「…そうかもしれないですね。確かに退学の話あるみたいですし」

葉山弁護士「ほう!そうなのか!どういう状況なのかな?」
107 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 21:53:55.90 ID:+9mh/Azpo
八幡「いえ、これも聞いた話でしかないんですけどね。今、生徒の間で流行ってるんですよ。そいつがいつ退学するか時期を賭けようっていうのが」

葉山弁護士「そうかそうかはっはっはっはっはっは!!まあ何というか、学生でギャンブルは良くないね。だがその生徒に関してはそのまま放置して平気じゃないかな?」

八幡「そうですよね?皆もシカトしてるって事ですし。時間の問題ですよね?」

葉山弁護士「ああ、そうだろう。安心して通学するようにお友達にアドバイスしておきなさい」

八幡「いやぁ相談出来てよかったです!すいませんインタビューと何の関係もない話になっちゃいまして…」

葉山弁護士「いやいや気にする事はないよ。もう質問は終わりかな?」

八幡「はい。後はもう大丈夫です。今日はどうもありがとうございました」

葉山弁護士「気にしなくていいよ。今後とも隼人と仲良くしてやってくれ」

八幡「ええ、もちろんです。では失礼します」

ガチャッ
108 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 21:54:50.76 ID:+9mh/Azpo
隼人「…終わったのかな?」

八幡「ああ…。そろそろ帰る。葉山くんは?」

隼人「そうか。俺も帰るよ……」

葉山弁護士「隼人、せっかくだからこれで開屋くんとご飯でも食べてきなさい」

八幡「とんでもないですお話聞かせてもらっただけでも」

葉山弁護士「まあそう遠慮するな。私こそ良い話を聞かせてもらえたからな。2人で行ってきなさい」ニヤッ

隼人「……いいからいいから。行こう開屋?」

八幡『すいませんありがとうございます。じゃあこれで失礼します」

葉山弁護士「ああ。気をつけて帰りなさい」




葉山弁護士「フフッ…。何だ、学校に確認するまでもなく最高の状況になってたのか。これなら卓に集中するだけで良さそうだな。フフッ…」
109 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 21:55:32.44 ID:+9mh/Azpo
ー夜 とある橋の上ー


八幡「すまん葉山。先に謝っとく」

葉山「何をだ?」

八幡「………くそったれがぁーーーー!!!!何だあのクソ野郎!!!ふざけやがってよ!!!!!ただじゃおかねえぞあんのクソがあぁーーーーーー!!!!!!!!」ゴンッ!!ゴンッ!!ゴンッ!!ゴンッ!!

陽乃「はいはい比企谷くんその辺でどうどう。無機物とはいえ蹴るのは良くないよ?」

葉山「お前ばかりずるいぞ比企谷」

陽乃「えっ?」

葉山「うぉああぁぁーーーーー!!!!!あんのクソオヤジィーーー!!!!!!最後のあのしたり顔ムチャクチャぶん殴りてえぇぇーーーー!!!!!!」ゴンゴンゴンゴンッ!!

八幡・葉山「クソクソクソクソクソクソぉぉぉあぁぁぁーーーー!!!!!!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴンッ!!

陽乃「あんたたちやっぱ仲良いんじゃないの?」
110 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 21:56:16.81 ID:+9mh/Azpo
八幡「見たかよ葉山!?蓮のこと悪く言った時のあいつの顔!?ムカつくぜ!」

葉山「部屋の外いたんだぞ見てねえよ!でもわかるぞ比企谷!」

八幡「あの野郎笑いやがったぞ!?蓮のこと悪く言ったら笑いやがったぞ!?ムカつくぜ!」

葉山「笑ってたな笑ってたな!はっはっはっは!……ハァ!?あんな高笑い俺ですら聞いた事ねえぞ比企谷!」

八幡「あの野郎!あの野郎!」ゴンッ!!ゴンッ!!

葉山「クソ野郎!クソ野郎!」ゴンッ!!ゴンッ!!

八幡「くたばれ!くたばれ!」ゴンッ!!ゴンッ!!

葉山「そうだくたばれ!金だけよこせ!」ゴンッ!!ゴンッ!!

八幡「それはどうかと思う」

葉山「お前がだよ」

陽乃「あんたらやっぱ仲良いよね」
111 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 21:57:02.69 ID:+9mh/Azpo
陽乃「で?上手くやったの隼人?」

葉山「ああ。比企谷がかなりの時間稼いでくれたおかげで完璧だよ。これで自宅に車と合わせてダメ押しの追撃が手に入った」

八幡「そうか。自宅に証拠らしきものあったはいいけど足りないかも、なんて言われた時は焦ったぞ」

葉山「俺もだ。父さんの事だから関係書類があるとすれば金庫の中だと思ってたんだが。その中がまさか俺のアルバム”メモリーオブマイサン隼人”が入ってただけなんてびっくりした」

八幡「あー陽乃さんに強奪の上に丸々コピーされてたあれか。お前も普通の少年だったよな。ショタ時代は可愛かったぞこの野郎」

葉山「幼少期から今までを網羅してあったからな。ちょっと引いたが親子愛は感じたぞ。あれを見つけた身にもなれクソが」

八幡「親としちゃ良い親だったんだろう。どっかで歪んじまうまではな」

葉山「そうだな。だがもう遅い」

八幡「ああ。遅すぎる」

陽乃「内容がアレだけど基本、仲良い同士の会話だよね」
112 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 21:57:46.98 ID:+9mh/Azpo
陽乃「じゃ、あとはいよいよお姉さんの出番かな?」

八幡「はい。お願いします」

葉山「俺は予定通り、ここまでだな。後は頼んだぞ比企谷」

八幡「ああ。よくやってくれた。ありがとな葉山」

葉山「ありがとうはこっちだよ。あんな親でも親は親だ。計画通りの結末になるなら何も文句はない。その事でまた借りが出来たが前の借りは返せたからな」

八幡「そうだな。ま、結末については上手くいけばの話だがな。さすがに弁護士の抵抗がどれほどのものか予測がつかない」
113 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 21:58:25.85 ID:+9mh/Azpo
葉山「お前なら大丈夫だよ比企谷。ただくれぐれも気を付けろよ?失敗は許されないぞ」

八幡「おう」

陽乃「もういいかな?結末までのルートは確保したし、あとは通告と本番を迎えるだけだね。じゃ、今日はこれで帰ろうか?」

八幡「はい。そうしましょう」

陽乃「何ならお姉さんとご飯行っちゃう?奢っちゃうよ?」

葉山「事が上手く片付いたら父さんがくれた金で打ち上げと行こう。それでいいよな?じゃあな比企谷」

八幡「ああ、またな」

陽乃「ちょっと隼人邪魔しないでよぉ!それに何あっさりお姉さんのお誘いスルーしてるの!?全くもうほんっとつれないなぁ比企谷くんは!」
114 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 21:59:12.20 ID:+9mh/Azpo
ー夜 ルブラン店内ー


竜司「あー。クッソしんどかったな…」グテー

杏「ほんと…マジしんどい…」グテー

祐介「そうだな…さすがに1日で攻略というのはハードだった…」グテー

真「ほんとね…でもオタカラルートは確保したし、あとは…」グテー

双葉「予告状を出して本番だなー……」グテー
115 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 21:59:50.95 ID:+9mh/Azpo
春「そうだね。でもほんとに疲れたね…」グテー

モルガナ「ワガハイもへとへとだぞぉ…」グテー

惣次郎「お前は平気そうだな?」

蓮「はい何周かしてますし勝利の雄叫びあるのでジョーカーソロ縛りしてたぐらいですよほらあいつと最終決戦ありますしあそこのためにわざわざソロでやってたまでありますただ周回向けじゃない作りなのが本当に腹立ちますねオクシドの2つはほんとだるくて毎回萎えますよ一周目はよく自力でやったなって毎回自分を褒めたくなります周回初めた時はフタバナビ残してたからそれを取るのに本当に苦労させられましたしっつーかあれおかしいですよね?どれが取れてどれが取れてないかのチェック機能ぐらい付けろってんですよそれなきゃわかんねえよって話ですおかげで9周もしたぞクソがってほんとトロコンした時はやっと終わったよぉ〜と心底解放された気分でしたよ何せ960時間突破しちゃってたんですから」

惣次郎「あぁ?何のこと言ってるか俺にゃ意味わからねえが良く一声で言えたな」
116 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 22:00:38.30 ID:+9mh/Azpo
冴「みんなお疲れさま。あとは予告状と言ってたし、一先ず事前準備は整ったという事かしら?」

真「うん。そうだよ」

冴「あの予告状ね…。出す必要があるものなのね」

竜司「あれ出さねぇとオタカラ出ないんすよ」

冴「オタカラ?」
117 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 22:01:15.29 ID:+9mh/Azpo
真「認知の産物で、材料はその人の歪んだ欲望とでも言えばいいかな?」

双葉「大体それで合ってるぞー。ま、人の欲望が認知によって具現化した宝石と思えばいい」

冴「それを奪う事が改心という事なのね。なるほど…あ、そうそう雨宮くん?そろそろ向こうに戻らないと」

蓮「はい。お願いします」

惣次郎「カレー食ってったらどうだ?」

蓮「はい。いただきます」

冴「えっ」
118 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 22:02:13.71 ID:+9mh/Azpo
ー夜 八幡宅ー


八幡「ただいま」

小町「お兄ちゃんおかえり〜遅かったね?」

八幡「おう。ちょっと色々ヤボ用あってな」

小町「ふーん。お風呂入れば?」

八幡「そうするわ」

小町「んー」
119 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 22:02:42.15 ID:+9mh/Azpo
ー平塚静宅ー


蓮「ただいま静さん」

平塚「おかえり雨宮。話がある。先に風呂に入って来なさい」

蓮「え?はい、わかりました」

平塚「………」
120 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 22:03:20.68 ID:+9mh/Azpo
ー八幡宅 風呂ー


八幡(おっさんのあの様子だと今後、蓮についてあれこれ聞く気はなくしただろうな)

八幡(つーかよ、蓮…お前が抱えてる隠し事ってどんだけヤバいもんなんだよ…?)

八幡(普通じゃねえぞ…)

八幡(何にしても精神暴走事件、鴨志田、前歴。うまい具合にリンクさせて話す内容を陽乃さん交えて考えといて正解だった)

八幡(さすがに弁護士相手にアドリブ勝負はヤバいよな。ボロ出そうだし)
121 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 22:04:03.83 ID:+9mh/Azpo
八幡(にしてもあのおっさん…蓮がぼっちだって話した時めっちゃ喜びやがったな…どれもこれもちょっと前の俺の事だよちくしょう)

八幡(ま、傍から見りゃああいう反応するのが当たり前なのかもな…)

八幡(いやいや、そんなわけねえよな。蓮がぼっちだって事でニヤけてたわけだし)

八幡(俺は普通。俺は普通)

八幡(誰にも言えない隠し事か…)

八幡(蓮…俺じゃ力になれねえってのか?お前は今もその事で悩んでんのか?戦ってんのか…?)
122 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 22:04:39.11 ID:+9mh/Azpo
ー平塚静宅ー


平塚「さて、説明してもらおうか」

蓮「見ての通りです」

平塚「そうか、見ての通りか。つまり雨宮、君は変態なんだな?」

蓮「いいえ違います」

平塚「ほう、目の前に陳列されたこれらを見てもそう言い切るとは。なかなか良い根性してるじゃないか」

蓮「ライオンハートですから」ニコッ

平塚「いいスマイルだ思わず結婚したくなったよ。いや違うそうじゃない褒めてない」

蓮「ですよね」

平塚「とにかくだ…。この女性服の山はなんだ!?説明したまえ!」
123 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 22:05:46.01 ID:+9mh/Azpo
平塚「これは何だ!?」

蓮「アンティークなキャミです。部屋着と言えばキャミソール。浮き彫りにするのはスタイルだけではありません。あなたと彼の距離感も、この一枚でいとおかし」

平塚「これは!?」

蓮「バニーベストです。バニーといえばやはり胸から腰までのあのベスト。個人的に首元のチョーカーは白がお好み。脚には穴が細かめの網タイツをぜひ」

平塚「これは!?」

蓮「ダイエットさらしです。お腹を引き締めるだけでなく、シャツに浮き出るあなたのバストをワイルドに」
124 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 22:06:24.68 ID:+9mh/Azpo
平塚「これは!?」

蓮「ハイレグインナーです。角度はやはり60度が理想的。外から見えるヒップラインで健康的に扇情しよう」

平塚「これは!?」

蓮「大天使のブラです。ブラなのに大天使とはこれいかに。あなたの両翼-おっぱい-、美しく」

平塚「このきったないのは!?」

蓮「汚れた女性服と汚れきった女性服です」
125 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 22:07:26.84 ID:+9mh/Azpo
平塚「ふざけるな!」

蓮「そうですよね。すいません洗う時間なかったので」

平塚「そこじゃないよ!」

蓮「ではそのままがいい、と?」

平塚「そんな事でもない!」

蓮「やはり”何らかの汚れのついた女性服”というのはそれだけで価値がありますよね」

平塚「ふざけるな!」

蓮「すいませんやっぱり洗った方が良かっ」

平塚「違うよそこじゃないってば!」

蓮「先生、素が出てます」
126 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 22:08:13.45 ID:+9mh/Azpo
平塚「全く…なんなんだ君は?!」

蓮「雨宮蓮です」

平塚「名前など聞いてない!なぜこんな代物を大量に持ってるのかと聞いてるんだ!」

蓮「戦利品です」

平塚「はあ!?まさか君は夜な夜な何かを盗んでるんじゃないだろうな!?」

蓮「正確にいうと昼や放課後に活動してます」

平塚「ねぇ!?犯行時刻なんて聞いてないんだけど!?」

蓮「先生また素がチラ見えですよ」
127 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 22:08:54.30 ID:+9mh/Azpo
平塚「君が冴に連れられて早退したのは知ってる。その冴からこのダンボールを預かってたんだ。見るなよ、と書かれてたが」

蓮「見たんですね」

平塚「仕方ないだろ!ブラ紐らしきものがダンボールからハミてれば……おやおやまさか私ので楽しんだのか!?と確認したくもなる!」

蓮「まあ、見るなって書いたのは冴さんですけどね」

平塚「ちょっと怒らせちゃったかなって思っちゃったじゃないか!!」

蓮「そう簡単に怒りませんよ慈母神ですから」キリッ

平塚「なんだそれは!?」
128 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 22:09:36.60 ID:+9mh/Azpo
平塚「いいか!?君は事もあろうに女性服ばかりをかき集めてると知られたんだぞ!?少しは慌てるとかしたらどうなんだ!?」

蓮「やだなぁ男物だってありますよ」

平塚「えっ!?君はやはりそうなのか!?そっちもいけるなのか!?」

蓮「猫物もありますよ」

平塚「ええっ!?私はもう君という人間がわからないよ!」

蓮「雨宮蓮です」

平塚「ほんとその名前ぐらいだよわかってるのは!もうっ!」

蓮「先生また素が」
129 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 22:10:12.90 ID:+9mh/Azpo
蓮「はいどうぞ。コーヒーです」

平塚「うむ…すまんな。取り乱してしまって」

蓮「いえいえ」

平塚「それで?しっかり聞かせてもらおうじゃないか。さすがに見逃せんぞ」

蓮「全て拾い物です」

平塚「こんなにか?こんなにもか?」

蓮「落とし物もあります」

平塚「そりゃ拾い物ってぐらいだから落とし物がほとんどなんだろうけど」

蓮「強奪したのもあります」

平塚「ちょっと待てぇ!」
130 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 22:10:46.55 ID:+9mh/Azpo
平塚「じゃあ何か!?君は女性から衣服を剥ぎ取ったというのか!?」

蓮「やだなぁ冗談ですよ」

平塚「本当だろうな!?信じていんだろうな!?」

蓮「もちろんですよ」

平塚「なら君は放課後に何をしてるんだ!?」

蓮「主に下見とルート確保を」

平塚「ほら見ろ!ほら見ろ!具体的なの出てきたよ!」
131 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 22:11:30.99 ID:+9mh/Azpo
平塚「はあはあはあ……」

蓮「まあまあ静さん落ち着いて」

平塚「落ち着けるか!酸欠にもなるわ!」

蓮「ツッコミ入れる静さん可愛いですよ」

平塚「えっ、本当か?///」

蓮「嘘です」

平塚「もぉぉぉぉおおおぉぉーーー!!!!」

蓮「ほんとは嘘じゃないです」

平塚「えっもう///そういうの……もう!///アイス食べる?」

蓮「うん食べる」

モルガナ(ちょろいな…)
132 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 22:12:00.53 ID:+9mh/Azpo
〜12月1日〜

ー朝 教室ー


八幡「おはよう蓮」

蓮「おはよう八幡」

八幡「今日は鈴井のとこいかないのか?」

蓮「行こうか」

八幡「おう。そだな」

蓮「友達だもんな?」

八幡「おうよ!」

結衣「む〜〜〜〜っ……」ムスー
133 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 22:12:33.67 ID:+9mh/Azpo
ー隣のクラス扉前ー


八幡「………」

蓮「…見当たらないな?」

八幡「休みか?」

蓮「かもな」

志帆「あ、おはよう…」

八幡「おう鈴井、今きたの………か…?」

蓮「………何があった?」

志帆「うん……その…ちょっと…」

蓮「屋上に行こう」
134 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 22:13:15.31 ID:+9mh/Azpo
ー屋上 扉の前ー


蓮「すまない八幡。見張り頼む」

八幡「気にすんな。お前の方が話やすい事だろうから」

志帆「ごめんね…比企谷くん…」

八幡「いいっていいって。気にされる方が何だ、アレだ」

蓮「アレか」

八幡「いいから行けって」
135 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 22:13:49.00 ID:+9mh/Azpo
ー屋上ー


蓮「鴨志田だな?」

志帆「うん…そう……冤罪の可能性で…釈放かもって…」

蓮「ニュースでやってたな」

志帆「うん……どうしてかな…あれだけ皆に酷い事したのに…」

蓮「………」

志帆「どうして…弱い立場の人はこうも苦しまなきゃならないのかな…」

蓮「戦わないからだ」

志帆「戦わない…そっか…そうだよね…でも…」

蓮「怖いよな?」

志帆「うん…」
136 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 22:14:31.17 ID:+9mh/Azpo
志帆「あのニュースの事、怪盗団はどう思ってるんだろう…?」

蓮「不愉快だろう」

志帆「そっか…そうだよね…」

蓮「何のために戦ってるのかわからなくなる」

志帆「………」

蓮「もしかして戦ってるせいで、かえって弱い立場の皆が傷付いてるんじゃないかって」

志帆「そんな事ない!ありえない!」

蓮「志帆…」

志帆「怪盗団は頑張ってる!皆のために頑張ってきたし今も頑張ってるでしょ!?だからそんな事ない!」

蓮「そうかな…」
137 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 22:15:18.86 ID:+9mh/Azpo
志帆「あのね、私…また転校するかもしれないんだ…」

蓮「どうして?」

志帆「親の仕事の事もあってここに来たけど…遠い転校先を確保できそうだって…」

蓮「そうか…その方がいいかもしれないな」

志帆「やっぱりそうかな…?」

蓮「少し距離があるとはいえ秀尽からまだまだ近い方だからな。志帆のためには遠い方がいいかもしれない」

志帆「………」

蓮「寂しくなるけどな」

志帆「そう思ってくれるんだね…」

蓮「当たり前だろ」
138 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 22:15:55.80 ID:+9mh/Azpo
志帆「あの人…どうなるのかな?」

蓮「わからない」

志帆「そうだよね…」

蓮「例え冤罪で出たとしても、きっと怪盗団はやつのした事を許さない。必ず罪を償わせる」

志帆「出来るの…?」

蓮「弱いものの味方、それが怪盗団だからな」

志帆「うん…そうだよね。きっとそう。怪盗団の頑張りは皆知ってる。ただちょっと今は周囲に流されてるだけ」
139 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 22:16:37.14 ID:+9mh/Azpo
志帆「助けてもらったり勇気をもらった事は絶対に忘れない…私も」

蓮「ああ。志帆みたいな味方がいてくれるっていうだけで励みになるはずだ。だから過去と戦え。志帆なら勝てる。自分で立ち上がれたんだから」

志帆「そうだね………うん!何か勇気でた!ありがとね蓮」

蓮「大した事は言ってない」

志帆「ううん大した事だよ!」



蓮「勇気をもらったのは俺たちの方だ………そうだろ…?」ボソッ

モルガナ「……にゃーん」
140 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 22:17:22.00 ID:+9mh/Azpo
ー屋上 扉の前ー


蓮「八幡」

八幡「ん?もういいのか?」

志帆「ありがとう。ごめんね比企谷くん」

八幡「気にしなくていい。スッキリした顔になったな。鈴井はそっちがいいと思うぜ」

志帆「えっそう?そんなに顔違ってる?」

八幡「ああ。さっきはまるでゾンビだったぞ。ゾンビ呼ばわりされる俺が言うのもなんだがな」

志帆「もぉーひどいな比企谷くんは!」

八幡「ははっ」

蓮「はははっ」

志帆「ふふっ」
141 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 22:17:52.53 ID:+9mh/Azpo
ー授業中 教室ー


教師「では次の問題だ。えー……雨宮、わかるか?」

蓮「はい。裁判の傍聴が可能な年齢は0歳からです」

教師「よく知ってたな。正解だ」


ざわざわ・・・ざわわ・・・
さすがだぜ・・・さすが学年トップ・・・
ざわ・・・
142 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 22:18:32.65 ID:+9mh/Azpo
ー昼 八幡ベストプレイスー


志帆「何かここすっかり馴染んだ気がするよ」

八幡「このメンツでって意味なら確かにな」

蓮「良い場所だよな」

八幡「なあ…鈴井」

志帆「うん?なに?」
143 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 22:18:58.90 ID:+9mh/Azpo
八幡「良かったのか?俺にまでさっきの話しちまってよ」

志帆「うん。お昼食べながらっていうのもあったかもしれないけど、割と気楽に自然と話せたし」

八幡「そうか…お前も色々あったんだな」

志帆「まあね…でも私は負けないから!」グッ

蓮「かっこいいな」

八幡「ああ。すげぇかっこいい」

志帆「そうかな?あははっ」
144 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 22:19:48.85 ID:+9mh/Azpo
八幡「鴨志田事件に怪盗団なぁ…秀尽ってやばいな?色々と」

蓮「全くだ」

志帆「ほんとだよねぇ」

八幡「そういや秀尽って校長もあれだろ?何かあったよな?」

蓮「そうだ。何かあった」

志帆「あぁ〜…そうだね何かあったね」

八幡「何とは言わないけどよ」

蓮「あいつ嫌いなんだよ普通さ、生徒にあんな危ない事なんか探らせないだろどうかしてるよなっつーかやられた時よっしゃ!ってちょっと思ったもんそりゃ思うよだってあんな危ない事に生徒巻き込むか普通?そのくせ自分は何もしねえんだぞ?危ないったらねえわまこちゃん平気!?って思いながらやってたもん完全にあの時の流れってアレだぜ薄い本意識した流れだぜ鴨志田の時ほどじゃないけどなだからかあいつがやられた時ちょっとスカッとしたもんそらそうなるわって感じの結末だったもんねあいつ」

八幡「すげえ早口。よく一声で言えたな」
145 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 22:21:14.26 ID:+9mh/Azpo
志帆「あ、ねえそういえば明日って日曜じゃない?2人とも暇だったりしないかな?」

蓮「明日はちょっと無理かな」

八幡「俺も無理だな…」

志帆「そうなんだぁ…」

蓮「遊びか?」

志帆「うん。行きたかったんだけどね、忙しいならしょうがないから」
146 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 22:21:39.43 ID:+9mh/Azpo
八幡「明日はちょっとどうなるかわからないから。ごめんな鈴井」

蓮「俺もどうなるかわからないから。悪い志帆」

志帆「もう。2人して謝らないでよ!何か私2人にフラれたみたいじゃない」

蓮「少なくともフる予定はない」

八幡「お前すげぇな。よくさらっとそんな事言えるな…」

志帆「比企谷くんは言ってくれないの?」

八幡「えっ!?いや!ええっ!?」

志帆「あははっ!冗談だよ冗談!」
147 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 22:22:20.12 ID:+9mh/Azpo
蓮「今日これからなら暇だけど?」

八幡「俺も暇だな」

志帆「えっそうなの?じゃあこれから遊び行く?」

蓮「いいね」

八幡「いいな」

志帆「じゃあどこにしよっか?うーん…そういえば千葉ってあんまり良くわからないんだよね」

八幡「蓮も鈴井も元は東京だよな?別に渋谷とかそっち方面でいいんじゃねえの?」

蓮「やだ」

八幡「えっ」

志帆「私もやーだ」

八幡「えっ」
148 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 22:23:07.69 ID:+9mh/Azpo
ーディスティニー・ランドー


八幡「よりによってこことは」

蓮「夢の国だ」

志帆「夢の国だぁ〜!」

八幡「んじゃ行くか?」

蓮「遊び倒す。攻略し尽くす」

志帆「うん!いこいこ!」


ーパンさんイン・ザ・ヘルー

八幡「こんなのあったのか」

志帆「可愛いなぁ〜」

蓮「見ろ八幡、パンさんがデーモン閣下の格好で歩いてる」
149 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 22:24:02.60 ID:+9mh/Azpo
ーイニシャルVー

蓮「掟破りの地元走りだ」ガゴァァァァァ

八幡「おい蓮お前ずりぃぞ!」ギャアァァァァ

志帆「2人とも待ってよぉ〜〜〜!!」ノロノロ


ーポール・オブ・デューティー

志帆「それそれそれそれ〜〜〜!!!」パラタタタタタタタタ

八幡「鈴井のエイム神」ドムドムドムドム

蓮「いいセンスだ」シュポンシュポンシュポン……ドンドンドン
150 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 22:24:39.02 ID:+9mh/Azpo
ー夕方 フードコートー


3人「はぁ〜〜〜っ」

八幡「いや〜一年分遊んだ気がするわ」

志帆「ほんと!楽しかったね〜!」

蓮「ああ、楽しかった」

志帆「また3人でこようね!」

八幡「おう」

蓮「もちろんだ」
151 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 22:25:04.29 ID:+9mh/Azpo
ー総武線 車内ー


志帆「………」スヤスヤ

八幡「………」

蓮「八幡。視線が完全に犯罪者だぞ」

八幡「まじかよ視線バレてたかよ。いやでもしょうがねえだろ鈴井が俺なんかの肩に頭乗せてきてんだから」
152 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 22:25:34.23 ID:+9mh/Azpo
蓮「嫌なら代われ」

八幡「嫌とは言ってねえよ」

蓮「いま言った。代われ」

八幡「そりゃお前への返答で言っただけで嫌って事はない」

蓮「また言ったぞ代われ」

八幡「あーもーうるせぇな」

志帆「ぷっ……ぷふっ…」
153 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 22:26:08.67 ID:+9mh/Azpo
志帆「ごめんね比企谷くんついうとうとしちゃって」

八幡「いや…気にする事ねえよ」

蓮「お前は気にしろ。ところで志帆、俺の肩が空いてる」

八幡「お前は別の方向で気にしろ」

志帆「あははっ!ほんと仲良いよね2人とも!」

蓮「まあな」

八幡「おうよ」
154 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 22:26:44.07 ID:+9mh/Azpo
志帆「ねぇ、2人とももうちょっと時間ある?」

八幡「俺は平気だが」

蓮「俺も」

志帆「じゃあちょっとご飯よってかない?」

蓮「どこ行こうか?」

八幡「サイゼ」

志帆「サイゼ好きなの?」

蓮「いいよなサイゼ」

八幡「さすがだな蓮。サイゼの良さをわかってるとは」
155 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 22:27:15.73 ID:+9mh/Azpo
ーサイゼー


八幡「結構食っちまった…」

蓮「腹減ってる時って結構いけるって思っちゃうよな」

志帆「それわかるなぁ。でも蓮は全然余裕そうだよね?」

蓮「まだまだいける」

八幡「お前の胃はほんとどうかしてる」
156 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 22:27:57.51 ID:+9mh/Azpo
蓮「まあな」

八幡「褒めてねえよ…」

志帆「蓮って結構食べるんだよね?太らないの?」

蓮「太らないな。ほぼ毎日ジム通ってるからかな」

志帆「へぇそうなんだ?」

八幡「だとしてもお前の胃の許容量はおかしい」
157 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 22:28:29.17 ID:+9mh/Azpo
八幡「お前なら大食いチャレンジとかいけるんじゃね?」

蓮「とっくにやった」

志帆「え?やった事あるの?」

蓮「ああ。ビッグバンバーガーのコスモタワーバーガーを制した」

八幡「はぁ!?マジかよ!?嘘だろ!?」

蓮「証拠のキャプテンバッジだ」キラッ

志帆「うわぁ…すっごい…」

八幡「お前…俺の人生ん中で一番のびっくり人間だわ…」

蓮「ライオンハートだからな」キリッ

八幡「たまに出るけど意味わかんねえよそれ…」
158 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 22:29:12.22 ID:+9mh/Azpo
ー駅ー


志帆「2人ともありがとね!すっごい楽しかったよ!」

蓮「俺もだよ。また行こう」

八幡「そうだな。また行こうぜ」

志帆「あ、そうそう。あのね?蓮と会った時からずっと忘れてた事あるんだけど…いい?」

蓮「どうした?」
159 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 22:29:40.20 ID:+9mh/Azpo
志帆「連絡先!交換しとかない?」

蓮「そういえばしてなかったな」

八幡「そういえばそうだな」

志帆「そうだよね?私2人の番号とか知らないままだったもん」

八幡「いや、それもだけど蓮のも知らなかったから」

志帆「え!?」

蓮「そういえば八幡のも知らなかったな」

志帆「ええぇ!?」
160 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 22:30:29.55 ID:+9mh/Azpo
テロテロリン

蓮「これでよし」

八幡「おう」

志帆「なんか2人の関係性って不思議だよね?」

八幡・蓮「そうか?」

志帆「ほら息ぴったり。なのにお互い連絡先も知らなかったなんて。変!」

蓮・八幡「変か?」

志帆「ほらまたぴったり!それでまだ連絡先交換してなかったなんて。ぜったい変!」

八幡・蓮「そうでもない」

志帆「ほら!ほらほら!また!」

3人「あっははははははっ!!!」
161 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 22:31:09.49 ID:+9mh/Azpo
志帆「それじゃ2人とも!また学校でね!あとでチャットするね!」

八幡「おう。またな鈴井」

蓮「気を付けて帰れよ?」

志帆「はーい!じゃあね!」

タタタタッ…


八幡・蓮「………」

蓮「なあ八幡」

八幡「なんだ?」

蓮「少し時間いいか?」
162 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 22:31:38.76 ID:+9mh/Azpo
ー夕方 とある橋の上ー


八幡「ほらよ。MAXコーヒー」

蓮「ありがとう」

カシュカシュッ………ゴクゴクッ

蓮「はあ…」

八幡「………」
163 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 22:32:11.72 ID:+9mh/Azpo
蓮「少し寒いな」

八幡「まあ12月入るからなぁ」

蓮「もう12月か…早いな」

八幡「おっさんくせぇ事言ってんなぁ」

蓮「ははは」

八幡「ははっ」

蓮「………これ甘っ」

八幡「リアクション遅くね?舌は鈍感か?」
164 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 22:32:52.66 ID:+9mh/Azpo
蓮「練乳入り?なるほど練乳か…アリだな」

八幡「これぞ千葉のソウルドリンク、MAXコーヒーだ。これを飲まずして千葉人は名乗れない」

蓮「そうなのか。分量が気になるな。双葉あたりで試してみよう」

八幡「何の話だ?」

蓮「何でもない」

ゴクッゴクッ…

八幡「……ふう」
165 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 22:33:30.95 ID:+9mh/Azpo
蓮「………」

八幡「で?何か話あるんじゃないのかよ?」

蓮「ああ。八幡」

八幡「なんだよ?」




蓮「……さよならだ」
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