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【P5x俺ガイル】八幡「やはり俺の友達は9股するなんてまちがっている」
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243 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 23:26:32.32 ID:8sXGoiCpo
ー屋上の扉前ー
海老名「これでれんれんもグループ入りかな?」ヒソヒソ
結衣「だねだね〜」ヒソヒソ
戸部「でもあれっしょ?ヒキタニくんと青春してからあっちがメインなんっしょ?」
葉山「戸部、声でかい抑えろ」ヒソヒソ
海老名「私的にはぁ、これまでいなかったメガネ系男子の登場でさらなるカップリングに深みとバリエーションがっ!!」
結衣「ちょ!姫菜だめだって!ここじゃだめー!」
戸部「隼人くん聞いた?今のセリフ。やばくね?ムラっとこね?」
葉山「ああ。来るな。考えちゃうな」
244 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 23:27:40.38 ID:8sXGoiCpo
海老名「あっはぁ〜!キマシタワー!!!」
結衣「ちょっと!姫菜!ほんとにだめだよ!だめだってバレちゃうってばぁ!!」
戸部「なぁ隼人くん。マジやばくね?今のセリフ来ちゃってね?」
隼人「ああ。来てるな。何がダメなのか想像膨らんじゃうよな」
ガチャ
優美子「ちょっとあんたら!うっさいんだけど!?」
蓮「勢揃いだな」
245 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 23:28:11.33 ID:8sXGoiCpo
結衣「見つかっちゃったよぉ…もう姫菜ったら!」
海老名「うはっ!うはっ!ウボァー!!!」
優美子「あーはいはい。海老名いい加減、擬態しろし」
戸部「隼人くん。やっぱやばくね?結果的にやばくね?」
葉山「そうだな。良いもの見れたな記憶領域に永久保存だ」
戸部「つか隼人くんちょいキャラ変わってね?」
246 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 23:28:44.31 ID:8sXGoiCpo
ー放課後 奉仕部部室ー
八幡「てなわけで最初の一手は無事に完了したわけだ」
雪乃「なるほどね。葉山くんへの罠というのは考え過ぎだったみたいね」
八幡「まあな。その罠がどうって前に昨日の夜に片付いたんだ」
雪乃「そう。ごめんなさいね…」
八幡「なんで謝る?」
雪乃「いえ…私は何の役にも立てていなかったから」
247 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 23:29:14.72 ID:8sXGoiCpo
八幡「そんな事ねぇよ。これから関わる事だってあるはずだ」
雪乃「あら、優しい言葉かけてくれるのね珍しい。これも雨宮くんのおかげかしら?」
八幡「そうかもな」
雪乃「…ほんと人が変わったようだわ…」
八幡「まあな」
雪乃「だったらもう…あなたが奉仕部に来る意味はなくなってしまったわね」
八幡「そりゃどういう…」
248 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 23:29:56.38 ID:8sXGoiCpo
雪乃「ここへ来た理由、忘れたわけではないでしょう?」
八幡「………」
雪乃「あなたはかけがえのない友人を得た。これはもう更生と見ていいと思うのだけれど」
八幡「確かにな。けどまだだ」
雪乃「まだ?それはどういう意味?何に対してなのかしら?」
八幡「あいつは一ヶ月そこらで元いた場所に帰る。その後…俺はまたぼっちだからな」
249 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 23:30:52.94 ID:8sXGoiCpo
雪乃「そう…。よほど寂しいのね」
八幡「ああ、寂しい。先を考えると寂しい」
雪乃「そんなに素直な比企谷くんなんて今しか見れないでしょうね」
八幡「ああ、多分そうだな。俺自身、そうだと思える」
雪乃「本当に羨ましいわ…」
250 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 23:31:32.08 ID:8sXGoiCpo
八幡「なあ、雪ノ下」
雪乃「それは無理よ」
八幡「まだ何も言ってないんですけど?」
雪乃「私は……」
ガララララッ
結衣「やっはろー!ゆきのーん!」
雪乃「こんにちは由比ヶ浜さん」
結衣「ヒッキーもやっはろー!」
八幡「おう」
251 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 23:32:04.09 ID:8sXGoiCpo
結衣「いやぁ〜それにしても良かったよね〜れんれん!」
八幡「そだな」
結衣「あとは何が残ってるのかなあ?」
八幡「事はこれからだ。やっと最初の一手が終わっただけ。これから噂の消滅に向けてさらに手を打つ」
雪乃「そうね。あなたが打った手は噂の方向性を別の方向へすげ変えただけにすぎないものね」
八幡「そうだな。だがこれで蓮の希望する状態に大きく近付けた」
結衣「そっか〜そっかぁ〜」
八幡(こいつ何の話してるかそもそもわかってないんじゃかろうか)
252 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 23:32:48.24 ID:8sXGoiCpo
結衣「あ、そういえばさゆきのん!明日から修学旅行だよね!どっか一緒に見て回ろうよ!」
雪乃「そうね。クラスは別だけどそれぐらいの時間はあると思うわ」
結衣「楽しみだなぁ〜宮城!」
八幡「そういや修学旅行だったか…すっかり忘れてたなっつーか何で宮城?あと時間の進みがやたら遅く感じるのは気のせいか?気のせいじゃないなここ数日色々起こりすぎてるから」
雪乃「あらいい事じゃない。人はそれを充実している、と呼ぶのよ」
結衣「そっか〜充実かぁ〜」
八幡(こいつに至っては充実ってどういう意味だろう?とか考えてそうですらある)
253 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 23:33:17.67 ID:8sXGoiCpo
八幡「あ、そうだ」
結衣「なになに?ヒッキー」
八幡「蓮のことは一先ず置いといてだ。次は海老名さんの件を考えねばならん」
雪乃「そうね。あちらの方はどうするつもりなのかしら?」
八幡「わからん」
結衣「諦めるのはやっ!?」
254 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 23:33:47.42 ID:8sXGoiCpo
八幡「だってよ。戸部の告白を防げって結構ハードル高い案件だぜ?俺らのいないとこでしれっとされたらそこまでだしな」
雪乃「そうね」
結衣「でもさぁ…告白したいって事…そんなにしちゃいけない事なのかなぁ?」
雪乃「………」
八幡「しょうがねえだろ。それがあの2人の希望なんだから」
結衣「でも…さすがに戸部っちかわいそだなーって…」
八幡「まあな…。でも、だから俺は最初に言っておいただろ?修学旅行中はどうにかする、だけどその後のことは諦めてくれって」
255 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 23:34:25.62 ID:8sXGoiCpo
八幡「とにかく修学旅行中の告白を防ぐ事、これが目下最優先の案件だ。修学旅行が終われば後は知らん。さすがにその先もずっと止め続けろなんて無茶な話だ」
雪乃「その通りね」
結衣「そっかぁ…戸部っち…」
八幡「なんでお前がそんなにへこむんだよ?別にお前が告白しようってわけじゃねんだから」
結衣「ひぇえっ!?それは!まあ…そうだけど…」
八幡「それともなに、誰かに告白したいの?」
結衣「ひぇえええぇぇえ!?いいいやっそそそそれはっ!」
雪乃「…はあ…あなたって人は…」
256 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 23:35:03.50 ID:8sXGoiCpo
八幡「んだよ…俺なんか悪い事言ったか?普通の会話じゃねえか。流れ的によ」
雪乃「由比ヶ浜さん紅茶淹れるわ。落ち着きなさい」
結衣「あ、うん!ありがとゆきのん!………ヒッキーのバカ!」
八幡「んだよ何で雪ノ下へのお礼から俺への攻撃なんだよ?とんでもねぇ曲がり方で一撃飛ばすなよ」
結衣「ふんだっ!」
雪乃「ふふふっ」
八幡(さて…どうしますかねぇ…あ、いっけね。蓮うちに誘ってみるの忘れてた…)
257 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 23:35:37.59 ID:8sXGoiCpo
ー夜 平塚静宅ー
平塚「君はカレー&コーヒーショップでも始めたらどうだね?」
蓮「それだけで勝負出来るご時世ですかね?」
平塚「いや、君の腕ならいけると思うぞ!何なら私が投資しようじゃないか」
蓮「まだまだ勝てそうにない人が屋根裏の下にいるので止めておきます」
平塚「どこの誰の事だ?ところで雨宮。少し小耳に挟んだんだが…例の噂よりDVの話の方がことの外大きくなったようだな」
蓮「え?そんなにですか?」
258 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 23:36:05.02 ID:8sXGoiCpo
平塚「ああ、そんなにだ。すでに学校内で知らないやつはいないと言っていいレベルだ。たった1日でだぞ?一体どんな手段を取った?」
蓮「さあ?俺に聞かれても」
平塚「葉山が悪い意味で何かするのではと思って身構えていたのだがな。取り越し苦労に終わってしまったようだし。やはり教師の立場からでは視野に限界があるよ」
蓮「あいつはもう大丈夫だと思いますよ」
平塚「何が大丈夫なんだ?」
蓮「青春してたらしいので」
平塚「そうか!ははっ!青春してたから大丈夫か?あははっ!」
259 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 23:36:48.19 ID:8sXGoiCpo
平塚「まあ何にせよ流れが変わってよかったな。さて、明日から修学旅行だ。くれぐれも寝坊するんじゃないよ。いいね?もう寝たまえ。おやすみ」
蓮「おやすみなさい静さん」
ピロリン…
モルガナ「携帯呼んでるぞ?」
蓮「チャットか」
260 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 23:37:33.28 ID:8sXGoiCpo
双葉【おーいリーダー生きてるか!?】
真【まだしっかりあなたの現状把握出来てないんだけど】
竜司【そうだぜ!可愛い子いたか!?】
杏【またそれ?】
蓮【いるぞ】
杏【話に乗った!?】
261 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 23:38:37.06 ID:8sXGoiCpo
竜司【まじかよ!どんなタイプの子だ!?】
蓮【ゆるふわおっぱいぶるんぶるん】
春【えっ?】
蓮【ぐっふっふ〜なメガネ女子】
双葉【んっ?】
蓮【金髪ビッチな見た目のギャル】
杏【はっ?】
竜司【おいおいおいおい!うらやましいなコノヤロー!】
祐介【なんだか見覚えある特徴の女子たちだな。1人を覗いて】
真【黙って】
モルガナ「なあ…なんかマコトのチャットだけ怖くねえか?」
蓮「気のせいだろ」
262 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 23:42:38.26 ID:8sXGoiCpo
〜11月24日〜
ー修学旅行 宮城県へ向かう新幹線車内ー
戸塚「くぅ…くぅ……はち……まぁん……」スヤスヤ
八幡(冷静になれ八幡。彩加が隣ですやすや寝ながら俺を呼んでいるがそれは夢の中の俺を呼んでいるのだ。あれ?ちょっと待って?ってことは俺が彩加の夢にお邪魔しているのか?ちくしょうガッデムふざけんな!俺と変わりやがれ夢幡!)
蓮「落ち着け八幡」
八幡「んん何がっふ!?俺なんか喋ってたか!?」
263 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 23:43:07.03 ID:8sXGoiCpo
蓮「何も喋ってないが考えてる事は丸わかりだった。俺も彩加の夢にお邪魔したい」
八幡「ナチュラルに心を読むな!こえぇから」
蓮「八幡が勝手に心の内を朗読してただけ」
八幡「ええ何その朗読会…。こわい」
結衣「はぁー疲れたぁ。ここ座っていい?」
蓮「うん」
264 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 23:43:54.58 ID:8sXGoiCpo
八幡「あっちは盛り上がってたな?」
結衣「うんもう疲れたよぉ…お腹すいたなぁ…あ、れんれん何食べてるの?」
蓮「濡れカツサンドだ」
八幡「うぇえ何それ…」
結衣「へぇ〜いいなぁ〜美味しそう!」
八幡「えっ?そんな反応しちゃう?」
蓮「まだあるからあげるよ。ほら」
265 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 23:44:35.85 ID:8sXGoiCpo
結衣「いいの?!わーい!いっただっきまーす!はーむっ」
八幡「うぇ……」
結衣「うんまい!」テーレッテレー
結衣「やだ何これ超おいしー!」
蓮「それはよかった」
八幡「うめぇのかよ…」
蓮「八幡もどうだ?」
八幡「俺はいいよそんな得体のしれないもん…」
蓮「おい八幡」
八幡「えっ何?メガネが名探偵小学生のコテリンメガネな感じになってるダテのくせにこわい」
266 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 23:45:17.01 ID:8sXGoiCpo
蓮「見た目で判断するな。文句があるなら味わってから言え」
八幡「ぬぐぅ……わかったよ一個くれ」
蓮「ほら」
八幡「…濡れてる」
蓮「濡れカツサンドだからな」
267 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 23:45:52.52 ID:8sXGoiCpo
八幡「見た目はカツサンドだな」
蓮「濡れカツサンドだからな」
八幡「何で濡れてんだよ…」
蓮「濡れカツサ」
八幡「もういいもういいわかったわかった。よし…頂きます……あーんむ………んぉ!?」
蓮「どうだ?」
八幡「うんまい!!!」テーレッテレー
結衣「おいしーよね!?」
蓮「そうだろそうだろ」
戸塚「いいなぁ…」
268 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 23:46:29.08 ID:8sXGoiCpo
八幡「おっふ…もぐ。しゅまん、彩…加。もぐもぐ…起こしちまって、もぐもぐ…」
蓮「話すなら食べてからにしろ。彩加、食べるか?」
戸塚「え?いいのぉ?」
蓮「もちろんだ。ほら」ニコッ
戸塚「わーい!じゃあ遠慮なく…」
蓮「寝起きで食べられるか?あーんしてやろうか?」
戸塚「むっ!?もう、蓮ボクを子供扱いしないでよっ!失礼しちゃうなぁ!」
269 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 23:46:59.90 ID:8sXGoiCpo
蓮「ゆっくり食べるんだぞ彩加」
戸塚「わかったよぉ。頂きます……あーむ………んっ!?」
蓮「どうだ?」
戸塚「うんまい!!」テーレッテレー
八幡「うっめーもぐもぐ。よなこれもぐもぐ」
結衣「ほんともぐもぐおいしもぐもぐ」
蓮「良かった」ニコッ
270 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 23:47:30.26 ID:8sXGoiCpo
優美子「つかあんたらさっきから何?うっさいんだけど?」
八幡・結衣・戸塚「もぐもぐもぐもぐ」
蓮「静かじゃないか?」
優美子「いやいや、その前がうるさかったって話。で何やってたん?」
蓮「濡れカツサンド試食会だ」
優美子「えっ!?濡れカツサンドぉ!?あの渋谷駅で雨の日にしか買えないヨンジェルマンの雨限定の濡れカツサンド!?」
蓮「ああ…もぐもぐ。そのもぐもぐ濡れカツサンドだよもぐもぐもぐ」
271 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 23:48:24.65 ID:8sXGoiCpo
優美子「ちょ…一口!一口だけちょうだい!蓮!お願い!お願い!」
蓮・八幡・結衣・戸塚「もぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐ」
優美子「お願い誰か!一口でいいから!ほんと!お願い!お願い!」
蓮・八幡・結衣・戸塚「もぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐ」
優美子「お願い!何でも一つ言う事聞いたげるから!ほんと一口だけ!お願い!お願い!」
272 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 23:48:53.58 ID:8sXGoiCpo
蓮・八幡・結衣・戸塚「もぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐ」
優美子「待って!完食は待って!お願い!お願いぃぃ!」
蓮・八幡・結衣・戸塚「ごちそうさまでした」
優美子「くぅぅ………ヨンジェルマンの濡れカツサンドぉ……」グスン
蓮「闇鍋缶ならあるよ」
優美子「いらねえっつの!」
273 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 23:50:25.65 ID:8sXGoiCpo
見てくれてる人いるかわかりませんが出前来ちゃったんで休憩がてらちょっと離席しまーす
274 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:22:47.30 ID:+9mh/Azp0
再開します
275 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:24:27.41 ID:+9mh/Azpo
ー宮城 判官森ー
ツアーガイド「というわけで、こちらにあの源義経が祀られているんです」
結衣「へー!源さんかー!」
八幡「源さんって…知り合いかよ」
蓮「………」
戸塚「ヨシツネさんってどんな人だったんだろうね?」
蓮「かっこよくて強いやつだよ」
276 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:25:23.59 ID:+9mh/Azpo
八幡「何そのざっくりした返しは…つかヨシツネに興味あるのか?」
蓮「ああ。大好きだ。お世話になりっぱなしだし」
八幡「世話に?お前たまにわけわからん事言うよな」
蓮「そうか?じゃ、俺ちょっとお参りしてくるからさ」
八幡「おう。後でな」
蓮「お前も行くんだぞ?」
八幡「……おうよっ!」
277 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:25:58.14 ID:+9mh/Azpo
ー源義経 墓前ー
蓮「………」
八幡(わざわざ花まで買って…つか掃除道具一式まで持つって本格的すぎない?それはともかくじーっと見続けて何分だ?相当好きなんだなこいつ)
蓮「…これからもよろしく頼む」ボソッ
八幡「ん?何か言ったか?」
蓮「お礼の言葉さ」
八幡「そうか。もういいのか?」
蓮「いや、むしろこれからだ。まず掃除する」
八幡「えっ。マジだったの?」
蓮「お供え物持っといてくれ」
八幡「お、おう…」
278 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:26:27.00 ID:+9mh/Azpo
八幡(あれから最低でも30分はかけて蓮は黙々と掃除をした。途中で管理してるらしいじいさんに怒られたが、蓮がヨシツネについて熱く語りながら掃除する様を見ていつの間にかじいさんは号泣してた)
八幡(蓮はまるで実在する義経に世話になったかのような話ぶりだった。やれ八艘飛びはさいつよだの命中率が高ければチートだから仕方ないがそのバランスがいいだの)
八幡(ヨシツネ禁止縛りにしてもエフェクトを見たいがために呼んでしまうだの、何より呼んだ時の二刀を構える姿がかっこいいだの)
八幡(ヨシツネを語る口も尊敬というか敬愛を含んでいるようで。本当に助けられた事があるかのような印象を受けるほど熱かった)
八幡(そして気が付くと周りには誰もいなかった。そう、ガイドは俺たちの存在を忘れ、あろうことか教師や生徒たちまでもがバスでとっととどっか行っちまいやがったのだ)
八幡(そうした流れの後、俺は蓮と2人で近くの食堂で飯を食う所だ)
279 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:26:54.85 ID:+9mh/Azpo
蓮「カツカレーはまだか」
八幡「いやいや、他に言う事あるだろ?」
蓮「………親子丼でも良かったかな」
八幡「そこじゃねえよ」
蓮「……月見そばが良かったかな?」
八幡「メニューから離れろよ。つか同意求めんなよ」
蓮「…あ、そっかそっちか…」
八幡「そうそうそっちだよ」
蓮「猫用のメニューがないよな」
八幡「そこでもねえよ!!!」
280 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:27:20.64 ID:+9mh/Azpo
蓮「モルガナ出てきていいぞ」
モルガナ「はぁー!腹減ったぜぇ」
八幡「その猫っていっつも一緒だよな?つか腹減ってんのか」
蓮「なんで猫用メニューがないんだろうな」
八幡「そりゃ普通ねえだろうよ…」
モルガナ「失礼しちゃうよなぁ」
八幡「猫用メニューがある食堂なんか聞いた事ねえよ…あると思う方が失礼だろ…」
蓮「…ん?」
モルガナ「…んん?」
八幡「ん?」
281 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:27:55.80 ID:+9mh/Azpo
蓮「八幡、お前もしかして…」
店員「はーいおまたせしました。極太カツのルーひたひたカレーセットのお客様?」
蓮「俺です」
店員「はいこちらです。親子丼のお客様こちらですね〜。ごゆっくりどうぞ」
八幡「どもー」
蓮「食うか」
八幡「だな」
モルガナ「フーフーしてくれ」
282 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:28:24.74 ID:+9mh/Azpo
八幡「はーうまかった。つかお前見た目の割に結構食うよな」
蓮「これから食べ放題高級バイキングも行ける」
八幡「それもうファイターだよ。飯と戦うだけの戦士だわ」
蓮「かっこいいか?」
八幡「はははっ。かっこいいんじゃねーの?」
283 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:29:01.65 ID:+9mh/Azpo
蓮「次どこ行く?」
八幡「どこも何も…あいつらと合流しないとやばいだろ?寝るとこもないんだぜ?」
蓮「それもそうだな。じゃあ合流しに行くか」
八幡「とりあえず由比ヶ浜あたりにかけてみるわ」
蓮「何をぶっかけるんだ?」
八幡「お前なにいってんだ電話だよ電話!」
284 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:29:48.87 ID:+9mh/Azpo
ーはちまん通話中ー
八幡「…はい、すいません…はい。はい行きますはい」
蓮「怒られてたな」
八幡「よりによってメール打ってる最中に着信来るとは…。そのまま出ちゃったよ。つか平塚先生にバレてた…」
蓮「そうか。で、どういう感じで合流するんだ?」
八幡「どうにかして仙台駅まで来いってよ」
285 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:30:27.69 ID:+9mh/Azpo
蓮「そっか。遠いな。寄り道しよう」
八幡「そうだな寄り道を…いや待て何でそうなる?!」
蓮「判官森から仙台駅ってなかなかの距離みたいだぞ?ほら」
八幡「…うーわほんとだ…つかお前スマホ使いこなしてんな」
蓮「普通じゃないか?それよりタクシーとか使うと金がかかるし少し歩かないか?」
八幡「そりゃ歩くっきゃねえだろうけどよ…とりあえず出るか。すいませーんお勘定」
店員「はーい」
286 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:30:59.99 ID:+9mh/Azpo
八幡(うーん…こいつといると店員にすら普通に対応出来てしまう。なぜだ)
蓮「甘い物が食べたいな」
八幡「お前マジか!?」
蓮「別腹だ」
八幡「別すぎるわ!お前の腹はカートリッジか何かかよ!?」
蓮「お、それ面白いな。やるな八幡」
八幡「ああどうもありがとよ!」
287 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:31:33.46 ID:+9mh/Azpo
スタスタスタスタ……
蓮「アウェーカップゲーラップゲーラッアウゼー♪ヒーガーヘーイヘーファイヤー♪」
八幡「おい、暗くなってきてるぞ。やばくないか?」
蓮「そうだな。まあどうにかなるだろ」
八幡「このまま行けば一関ってとこに着くはずだけどよ。交通止まってるかもしんないんだぜ?」
蓮「そうなのか?」
288 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:32:19.49 ID:+9mh/Azpo
八幡「田舎ってのは交通機関にゃ早めの時間制限あるもんだからな」
蓮「そうかもな。まあそうなったら遊び明かして昼に仙台だな」
八幡「ポジティブなのか何も考えてないのかわからんなお前は」
蓮「考えてるさ」
八幡「嘘つけ」
蓮「本当だ。例えば…」
八幡「…??」
蓮「お前はパレスを知ってるんじゃないか?とかな」
289 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:32:53.69 ID:+9mh/Azpo
八幡(パレス?城か?ホテルの名前か?つか何の話をしてるんだこいつは。でも…)
蓮「………」
八幡(真っ直ぐ視線を飛ばしてくる。その割に相手を射抜くような視線。これは普通の友達に向けるような視線じゃない事ぐらい俺でもわかる)
蓮「なんてね」
八幡「お、おう…」
蓮「さ、歩こう歩こう」
八幡「ああ…」
290 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:33:28.87 ID:+9mh/Azpo
蓮「にゅうカマーの曲いいんだよな」
八幡「………」
八幡(蓮…。聞きたい。聞けない。どうしたらいい)
蓮「結構寒くなってきたな」
八幡「………」
八幡(蓮には間違いなく何かある。隠し事が。でもこいつの事だからそれを俺には言わない。言えないのだろう。でも…でも俺の求めるホンモノは…)
八幡「…蓮」
蓮「ん?」
291 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:34:15.54 ID:+9mh/Azpo
八幡「お前、俺に何か隠してるな?」
八幡(俺の求めるホンモノは互いに隠し事なんか持たない)
蓮「どうしてそう思う?」
八幡(例えそれはエゴだとわかっていても。知りたいんだ)
八幡「さっきの質問。ありゃなんだ?どういう意味でどういう意図だ?」
八幡(やっと見つけた友達だからこそ、知りたいんだ)
蓮「ただの質問だよ。知っているのかどうかっていうだけの」
八幡(例えここで俺のことを否定されてもいい。それでも俺はホンモノだと信じたい)
292 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:34:57.30 ID:+9mh/Azpo
八幡「そりゃ嘘だろ。明らかに明確な意味のある質問って感じしたぜ?」
八幡(押し付けなのはわかってる。身勝手な我儘なのもわかってる。でもしょうがねえじゃねえか。抑えられないんだから)
蓮「そうか?なら…そうなんだろうな」
八幡(やっと出来た友達なんだ。だからしょうがねえじゃねえか。俺は俺を止められない)
293 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:36:05.40 ID:+9mh/Azpo
八幡「どういうつもりだよ?茶化すには遅いタイミングだぜ」
蓮「そうだな。じゃあ…」
八幡(何が飛び出すかわからない。次の瞬間には絶交だ、と言われるかもしれない。そうだとしても知りたいんだ。友達の事を)
蓮「怪盗団って知ってるか?」
294 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:36:46.34 ID:+9mh/Azpo
八幡「あ…はあ?まあそりゃ知ってるよ。あんだけ世間騒がせば」
蓮「俺は怪盗団と関わった事があるんだ」
八幡「…は?」
蓮「俺が元いた学校。秀尽学園。怪盗団の最初のターゲットになった学校。そこに俺はいた」
八幡「そうか…で?何があった?」
蓮「わからない」
八幡「はあ?」
295 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:37:17.01 ID:+9mh/Azpo
蓮「色々起こりすぎて…わからなくなった」
八幡「いや…何言ってんだお前?」
蓮「さっきの質問はね、怪盗団に関係する質問なんだ」
八幡「パレスつったか?それがどう関係すんだよ?」
蓮「パレス。知らないんだな?」
八幡「知らねえ…ってちょっと待て」
蓮「………」
296 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:37:56.96 ID:+9mh/Azpo
八幡「お前もしかして…俺が怪盗団の一味じゃないか疑ってんのか!?」
八幡(自分の勘の良さが恨めしい)
蓮「いや違う」
八幡「嘘つけよ!今の流れなら絶対そうじゃねえか!」
八幡(別に裏切りではない、わかってるのに口が止まらない)
蓮「だから違うって」
八幡「違わねえだろ!…くっそ…あんまりだろ…あんまりだろぉ……」
蓮「…なあ八幡…」
297 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:38:27.22 ID:+9mh/Azpo
八幡「うるせえ!もうしゃべんな!………くっそ!」ダダダッ
蓮「八幡!!」
ツカツカツカツカ…
八幡(なんだよ…何なんだよ!よりによって悪党と思われてたのかよ!影で!)
八幡(欲しがり続けた結果がこれかよ?!これがホンモノなんかよ!?)
八幡(あんまりだ…これまでずっとぼっちだった。何を言われても当然だと思ってた。でも平気なわけじゃない!!)
八幡(これはあんまりだろが!!!)
298 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:39:05.21 ID:+9mh/Azpo
八幡「くそがぁーーーーーーーーーーーーッッッl!!!!!!!!」
八幡「はあっ……はあっ…はっ……はあっ……ふう……」
蓮「おい八幡」
八幡「ひぇあぁっ!?」
299 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:39:42.50 ID:+9mh/Azpo
ー一関駅ー
蓮「何驚いてるんだ?行き先同じなんだからこうなるだろ」
八幡「…ぐうぅっ……///」
蓮「ここが駅か。ちょうどいい。そこ座れよ。話そう」
八幡「話す事なんかねぇ」
蓮「ある」
八幡「ねえよ!」
蓮「ある。聞け。俺はこのままお前と変な形で仲違いしたくない」
八幡「………」
300 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:40:20.50 ID:+9mh/Azpo
蓮「いいから座れって」
八幡「電車来るまでだからな」
蓮「いいやうちに帰るまでだ」
八幡「そんな言われても電車に乗っちまえば聞く耳持たねえ」
蓮「いや、持てるさ。俺たちは友達だからな」
八幡「…つかお前…何で息切れてねえの…?」
蓮「ほぼ毎日ジム行ってたからな。おかげですでに900超えの500超えだ」
八幡「何その数字。血圧?」
301 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:40:54.16 ID:+9mh/Azpo
蓮「八幡」
八幡「…何?」
蓮「別にお前を怪盗団だと思ってるわけじゃない」
八幡「………」
蓮「ただ単にパレスって言葉に覚えがないかを聞きたかっただけなんだ。勘違いさせたなら謝る。すまない」
八幡「………」
302 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:41:34.55 ID:+9mh/Azpo
蓮「改めて聞くが覚えはないんだな?」
八幡「ねえよ」
蓮「そうか。じゃあ妙な空間に行ったことは?見たことは?」
八幡「今がそうだよ」
蓮「八幡。茶化すな」
八幡「うるせーな。ねえよ」
蓮「八幡。俺を見ろ」
八幡「んだよ」
蓮「いいから俺の方を向け」
八幡「……何だよ」
303 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:42:03.44 ID:+9mh/Azpo
蓮「いいからこっち向けよ。ちゃんと話したい」
八幡「このままでも出来る」
蓮「雑談がしたいんじゃない。ちゃんと向き合ってしっかり話したい事なんだ」
八幡「………」
蓮「八幡」
304 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:42:41.65 ID:+9mh/Azpo
八幡「わかったよ…。ほら、これでいいだろ。で?」
蓮「改めて聞くが、妙な空間に行った事は?」
八幡「……ない」
蓮「例えば普通の道を歩いてて、いきなり気味の悪い場所に立ってた事は?」
八幡「歩いて…は、ない」
モルガナ「………」
305 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:43:21.00 ID:+9mh/Azpo
蓮「じゃあ……言葉にすると”異世界”としか思えないような場所に突然切り替わってたってことは?」
八幡「…………ある」
モルガナ「!?」
蓮「それは千葉でか?」
八幡「…いや」
蓮「場所は?」
モルガナ「………」
八幡「………渋谷」
306 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:43:54.58 ID:+9mh/Azpo
〜時は大きく遡って6月某日〜
ー渋谷ー
八幡「最悪だ…」
八幡(たまには東京行きたいって小町が言うから付いては来たものの…)
八幡「はぁ…帰りてぇ…」
小町「お兄ちゃん!109だよ!とりあえず行こう!」
八幡「109より119にしないか?緊急帰り隊を要請する」
小町「はぁ?何言ってんのこのゴミぃちゃんは。いいから行くよ!」
八幡「何もあんなリア充の魔窟に行かなくても服とか買えるだろうに…」
307 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:44:35.42 ID:+9mh/Azpo
小町「わーかってないなぁお兄ちゃんは!目で見て選ぶ事にショッピングの楽しさはあるのに」
八幡「ショッピング?けっ。どうせ俺を見たリア充共がショッキングのあまり通報し始まるに決まってる」
小町「あーもーうっさいなぁ……あ!あれクレープ屋さんじゃん!いこ!?」
八幡「クレープより帰って布団にくるまれたい」
小町「いちいちうっさいなぁ!小町と一緒なのに何が不満なの!?あ、今の小町的にポイント高い☆」
八幡「どこらへんが?どこらへんに高い要素ありました?そのポイント使って帰ろうぜ」
308 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:45:07.26 ID:+9mh/Azpo
小町「はあ…これだからゴミぃちゃんは。そんなんだからゴミぃちゃんなんだよゴミぃちゃんは!」
八幡「うるせー」
小町「じゃここにいていいから。小町クレープ買ってくるから!」
八幡「ちょ…待てよこんなとこにぼっちを置き去りにするんじゃありません妹よ!…いっちまった……」
八幡(にしても何だこの人の多さは…別に渋谷じゃなくてもいいだろが)
八幡(ららぽとかららぽとかあるだろららぽとか)
八幡(はーぁ…でもまあ…小町も楽しそうだしなぁ…ちょっとは合わせてやるか…せっかくだし)
八幡(何より後が怖いしな………ん?)
309 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:45:55.96 ID:+9mh/Azpo
??「……つまり、やつが縄張りだと思っている場所。それは渋谷全体だ」
八幡(うわぁ高身長の超イケメン。ああいうのいるんだな)
?「渋谷全体って…どんだけよ!?」
八幡(ビッチそうだなー。三浦と似た雰囲気だけど…やっぱ本物ギャルは違うな)
????「にゃーにゃーにゃあーにゃー」
八幡(なんで猫?)
??「どのみち行ってみるしかねーだろ?早いとこ行こうぜ!」
八幡(うるさそうな金髪だな)
310 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:46:38.50 ID:+9mh/Azpo
????「にゃにゃ!にゃあー!」
八幡(おお。なんか猫がつっこんでるように見える。やるな)
?「ここで起動するのまずいんじゃない?」
八幡(何する気だよ。自撮りか何かですか)
??「大丈夫だって。道端のゴミが消えても誰も気にしねえよ!行くぜ!」
八幡(ゴミって。まあ人ってのはそういうもんだよな。こうして意識して見てない限りは………ん?)
ぐにゃああああぁぁぁぁ…………
八幡「…………えっ?」
311 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:47:31.59 ID:+9mh/Azpo
〜時は現在に戻って11月24日〜
ー一関駅ー
モルガナ「………」
蓮「…その時どうした?」
八幡「どうも。つかこんな話どうでもいいだろ」
蓮「聞かせてくれ」
八幡「こんなイカれた話」
312 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:47:59.34 ID:+9mh/Azpo
蓮「いいから」
八幡「………」
蓮「聞かせろ」
八幡「変なやつらを見てたらそのまま妙な場所にいた。瞬き一つでそうなった。意味がわからなかった」
蓮「続けて」
313 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:48:38.41 ID:+9mh/Azpo
八幡「ATM人間…?みたいなやつらがうろついてた。さすがに異常な事はわかってるからすぐ小町を探した。でもいなかった」
モルガナ「………」
蓮「それから?」
八幡「それからは…しばらくその辺にいた。小町が向かった方をずっとうろうろしたり。で、気付いた時には元に戻ってた」
蓮「その場所で何か見たか?何かというか誰かを」
八幡「なんか変な格好した連中が4〜5人109の方に走ってった」
蓮「…そうか」チラッ
モルガナ「………」ウンウン
314 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:49:08.00 ID:+9mh/Azpo
八幡「…もういいのか?」
蓮「ああ」
八幡「何なんだよ…つかこんなバカな話聞いて何になるんだよ」
蓮「………」チラッ
モルガナ「………」コクコク
蓮「俺もそこにいたから」
八幡「…へっ?」
315 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:49:45.44 ID:+9mh/Azpo
蓮「俺もそこにいたんだ。いつの間にかよくわからない気持ち悪い赤黒い空と暗い雰囲気の渋谷になってた」
八幡「おま……そうだ確かに赤黒い雰囲気だった…つかマジかよ…」
蓮「マジだ」
八幡「お前はどうしたんだ?どうやって帰った?」
蓮「さあ?走り回ってただけでいつの間にか戻ってた」
八幡「そうなのか…そういやお前…見覚えあるような…ないような…」
モルガナ「………」
316 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:50:13.12 ID:+9mh/Azpo
蓮「話してくれてありがとう八幡」ニコッ
八幡「なんだよ急に」
蓮「いや。絶望してますって顔して走ってったからさ。このまま絶交を言い渡されるんじゃないかとちょっと寂しかったから」
八幡「そんな顔してたの?俺?」
蓮「してた。そのまま消えるんじゃないかと不安になるぐらいだった」
八幡「ねえよ…」
317 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:50:53.31 ID:+9mh/Azpo
蓮「なあ八幡」
八幡「んだよ」
蓮「俺が嫌いか?嫌になったか?」
八幡「…別に。そんなんじゃねえから」
蓮「じゃあ今お前はどう考えてるんだ?」
八幡「………そうだな……」
318 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:51:31.83 ID:+9mh/Azpo
八幡「俺は無駄に独占欲が強いらしい」
蓮「なんだそれ?」
八幡「うっせ。しょうがねえよ。だってお前以外に友達なんて出来た事がないんだから。だからお前が誰かと仲良くするのは…何か変な気分になる」
蓮「お前ホモか?」
八幡「ちっげーから!!!」
蓮「そうか。困るとこだった」
八幡「そういうんじゃなくって…ほら、なんつーの?友達の友達は他人とかさ、ギクシャクするだろ?そういう事だよ」
蓮「わからないでもないな」
319 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:52:13.69 ID:+9mh/Azpo
八幡「とにかく、なんだ……お前の事を理解してやりたいと思うし、同時に俺の事も理解してほしいと思っちまうんだよ」
蓮「なるほど」
八幡「本当の友達なら隠し事はしないはずだ。俺はそう思い込んで…それをお前に押し付けた。それはすまん。謝る」
蓮「そうか」
八幡「でさ…お前、俺に隠し事してるだろ?」
蓮「八幡はどうだ?」
八幡「俺は…何もない。隠すような事なんて」
蓮「そうか…」
320 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:53:06.20 ID:+9mh/Azpo
八幡「…な?嫌なやつだろ俺って。自分にはそうしたものがないからってさ、相手のは知りたがるんだよ。これじゃフェアじゃねえよな…」
蓮「……」
八幡「わかっちゃいるんだよ。自分がどれほど傲慢で我儘で狡猾な理想を求めて押し付けているのかって事。それでもな…やっぱ…不安なんだよ」
八幡「特にお前は…その…俺の唯一の友達だからよ…。例え一ヶ月しか付き合わねえとしたって…それでも俺は…」
蓮「確かに俺は一ヶ月そこらで去る」
321 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:53:43.90 ID:+9mh/Azpo
八幡「………」
蓮「でもそこで俺たちの関係が終わると思うのか?」
八幡「…思わねえ」
蓮「なら心配する事はないだろ?俺だって八幡とは友達でいたい。そして取引を終えたい」
八幡「取引…」
蓮「ああ。この取引が終われば、俺たちは晴れて親友なんだから」
322 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:54:19.93 ID:+9mh/Azpo
八幡(自分がみっともない)
八幡(自分と同じ目に遭ったかもしれないから蓮はああいう質問をしただけだ)
八幡(こいつは何も悪くない。悪いのは俺だ。勝手に色々考えて)
八幡(初めて出来たまともな友達。その友達とのまともな付き合い方を知らない。わからない)
八幡(自ら選んだはずの”1人でいる事”。それで得た教訓は、蓮という本物の友達の前では何ひとつ役に立たなかった)
八幡(たぶん人ってこういう時に泣きたいと思うんだろう)
323 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:55:02.74 ID:+9mh/Azpo
八幡(どうにもならない感情。どうにも出来ない不甲斐なさ。そんな自分の至らなさを現在から過去へ押し流すためのシステムが涙)
八幡(それが素直に出来りゃ何の苦労もねえ)
八幡(俺、ほんと良い友だちを持ったな…)
八幡(だからこそ言わなきゃならない。伝えなきゃならない)
八幡(その言葉を)
八幡「蓮。この取引、終わりにしよう」
324 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:56:08.74 ID:+9mh/Azpo
ー夜 仙台駅ー
平塚「で?何か言い分はあるかね?」
蓮「あります」
八幡「ないっす」
平塚「そうか。では2人とも、歯を食いしばりたまえ。教育のファーストそしてセカンドだあぁぁぁ!!!!」
325 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:56:34.68 ID:+9mh/Azpo
ズドッ!
蓮「ん?」
ドゴッ!
八幡「ぐっほおぅぁっ?!!!?」
平塚「…全く。仲が良いのはわかっているが、それにしても限度があるだろう?修学旅行は旅行ではない。集団行動という教育の過程だぞ。わかったら早く乗りたまえ。ホテルへ向かうぞ」
蓮「はい」
八幡「…いてぇ…」
326 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:57:21.53 ID:+9mh/Azpo
ーホテルへ向かうタクシー車内ー
平塚「ところで君たち、晩御飯はまだなんじゃないか?」
蓮「はい」
八幡「食いました」
平塚「どっちなんだ…まあいい、せっかくだから仙台名物の牛タンでも一緒にどうだね?」
蓮「ゴチになります」
八幡「結構です」
327 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:57:49.31 ID:+9mh/Azpo
平塚「……どうした?何かあったのかね?」
蓮「はい」
八幡「何も」
平塚「…はあ…。私の力が必要か?」
蓮「いいえ」
八幡「いいえ」
平塚「そこは揃うんだな…」
328 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:58:21.04 ID:+9mh/Azpo
ーホテル ロビーー
平塚「君たちの荷物はすでに部屋だ。2人とも同室だったな。後はのんびりやりたまえ。青春を、な。ではな」
蓮「はい」
八幡「………」
戸塚「あ、はちまーん!!れーん!」
八幡「…よう」
蓮「やあ彩加」
329 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:58:58.09 ID:+9mh/Azpo
戸塚「2人ともどこいってたの?心配したんだよ!?由比ヶ浜さんも八幡に連絡取れないってばたばたしてたし」
八幡「…別に。疲れたし部屋行くわ。じゃ後でな戸塚」
戸塚「えっ……?」
蓮「………」
戸塚「…なんか、あったの…?」
蓮「これも青春だ」
戸塚「??」
330 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 00:59:42.09 ID:+9mh/Azpo
ーホテル 部屋ー
八幡「はあ」ドサッ
八幡(みんな風呂か?誰もいない。1人ぼっちの部屋。これが俺の普通。普通バンザイ)
八幡「眠いな…」
八幡(さらば、青春。ただいま、ぼっち)
コンコンコン
八幡「………」
331 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 01:00:08.81 ID:+9mh/Azpo
コココン
八幡「………」
ガチャッ
結衣「ヒッキーいる?あ、寝てる」
八幡「………」
結衣「ねぇヒッキー起きて?ねぇ。ヒッキーねぇねぇヒッキーてばぁ」
ゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさ
八幡「ええいうっとうしい!」
332 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 01:00:43.97 ID:+9mh/Azpo
結衣「あーやっと起きたぁ」
八幡「あんだけ体揺らされりゃ嫌でも起きるわ」
結衣「あのね大変なのヒッキー!」
八幡「明日にしてくんね?俺もう疲れて疲れて」
結衣「だーめ!だめだってばぁ!戸部っちが姫菜呼び出ししちゃったの!ヒッキーどうしよ!?」
八幡「……うわあ……」
333 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 01:01:34.88 ID:+9mh/Azpo
ーホテル 大浴場ー
蓮「ふーぅ」
戸塚「広いお風呂っていいよね〜」
蓮「いいな」
戸塚「………」ジーッ
蓮「はぁ……」
戸塚「………///」
蓮「どうした?」
戸塚「うぇっ!?いや…その…蓮って体すごいなと思って///」
蓮「そうか?」
334 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 01:02:23.60 ID:+9mh/Azpo
戸塚「うん!かっこいい体してるなぁ…触っていい?ってやだよね!?ごめん!」
蓮「いいぞ」
戸塚「えっいいの?じゃあちょっとだけ…///」
蓮「どうだ?」
戸塚「すごく硬い…///」
蓮「それだけか?」
戸塚「すごく盛り上がってる…///」
蓮「他には?」
戸塚「もっもう大丈夫だよ!ありがとう…えへへ///」
蓮「そうか」
335 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 01:03:08.24 ID:+9mh/Azpo
戸塚「蓮って何かスポーツやってるの?」
蓮「いや、何も」
戸塚「やってないのにそんな体してるの!?」
蓮「まあな」
戸塚「すごいなあ…トレーニングしてるとか?」
蓮「ずっとジムに通ってるよ。ほぼ毎日行けるだけ行ってる」
戸塚「そっかぁすごいなぁ!でもお金かかっちゃうんじゃないの?」
蓮「920万あるからまだまだ周回に耐えれる額だ」
戸塚「あははっ。蓮って時々よくわかんないけど面白い事言うよね」
336 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 01:03:48.06 ID:+9mh/Azpo
蓮「そうか?彩加は鍛えてるのか?」
戸塚「うん!これでもテニス部部長だからね。走ったりしてるよ。でも…蓮みたいな質の高い筋肉ってボクにはつかなくて…」
蓮「一緒にトレーニングするか?」
戸塚「えっ?いいの!?」
蓮「ああ」
337 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 01:04:29.21 ID:+9mh/Azpo
戸塚「どんなメニューやってるの?」
蓮「ランニングマシンでひたすら走った後にベンチプレスひたすら上げた後に木人形をひたすら殴り続けて時間が余ったら自宅に帰ってひたすら懸垂した後に天井の梁に足を掛けてひたすら吊腹筋したりだな。もちろんメニューこなす前にプロテインぐびぐび飲むぞ。湿ったプロテインは必須だ。いちいち買うのが面倒になるから俺の場合はショッピング出来るようになったと同時にプロテイン100個買う。そうすると湿ったプロテインを買い忘れるというミスを犯しても湿ッテインが切れてても普通のプロテインがあるから素の数値しか上がらないクソトレーニングにならず損した気分になる事がないからな」
戸塚「………」
蓮「やるか?」
戸塚「うん、やめとくね!」
338 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 01:05:06.50 ID:+9mh/Azpo
ーホテル 由比ヶ浜たちの部屋ー
結衣「ほらほら入って入って!」
八幡「おう…お邪魔します…」
海老名「あ、比企谷くんはろはろ〜」
優美子「なんでヒキオくんの?しっしっ」
八幡「ウェルカムドリンクとぶぶ漬け同時に出された気分だな」
339 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 01:05:43.90 ID:+9mh/Azpo
結衣「何言ってるの?とにかく入ってよほら」グイグイ
八幡「わかったわかったから」
優美子「つかヒキオ、あーしレモンティ」
八幡「あん?」
海老名「優美子ー?比企谷くんは私のお客さんなの。いい?」
優美子「…わかったから。ごめんって…じゃあーしちょっと出てるから…」
結衣「ごめんね優美子あとでね」
優美子「はいはい…」
340 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 01:06:28.64 ID:+9mh/Azpo
八幡「追い出しちまってよかったのか?」
海老名「うん。元々優美子にはこの件言ってないから」
八幡「そうなのか。で?戸部の呼び出しがあったんだって?」
海老名「うん。この後ホテル屋上でって」
八幡「まじか…思ってたより早かったな」
結衣「早くなんかないよ!私ずーっと姫菜と一緒にいて戸部っち寄せ付けない感じで頑張ってたんだからね!?」
八幡「え?そうだったの?」
341 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 01:07:03.59 ID:+9mh/Azpo
海老名「そうだよ。比企谷くんに助けてほしいなって思う場面何度もあったけど………ぐふふっ…比企谷くんはれんれんに夢中だったから…ぐふふふっ」
八幡「おう…そうか、悪かったな。で、呼び出しを断れなかったと?」
結衣「もー!ヒッキーがいたらこうならなかったのに!」
海老名「結衣?比企谷くんだって修学旅行を楽しむ権利があるんだから。そういう事言っちゃいけないの」
結衣「あう…そっかそうだよね…ごめんねヒッキー?」
八幡「いやまあ…いいんだけどよ…」
342 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/17(日) 01:08:04.66 ID:+9mh/Azpo
八幡「で、どうしたいんだ?キャンセルするぐらい楽勝だろうが」
結衣「うん呼び出し断っちゃおうかって思ったんだけど…」
海老名「戸部くんがね、その話をした時にタイミング悪く周りでれんれんと比企谷くんの話になってね。あいつらまだかー!?って。行方不明のままです〜ってなって、そこからバタバタだったの」
海老名「で、平塚先生の連絡が一回だけ比企谷くんに繋がって以降は何回電話しても電池切れてるだかで繋がらないから、先生だけ仙台駅に向かうってなってね」
海老名「で、私たちはどうしようか何しようかってざわざわしてる間に戸部くんどっか行っちゃってね。それでキャンセルするタイミングがなくなっちゃったの」
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