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【わたモテ】むしゃぶりつくうちもこ
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1 :
◆2DegdJBwqI
[saga]:2019/03/14(木) 03:22:16.87 ID:6J0cTy0so
わたモテの内笑美莉と黒木智子の百合カップリングSS
少しずつ公開しないと書く気起こらねえなこれ、になってスレ建てたので、書き溜めはない
注意点
・うちもこ性行為経験済前提(恋人関係ではない)
・地の文多量
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1552501336
2 :
◆2DegdJBwqI
[saga]:2019/03/14(木) 03:23:40.22 ID:6J0cTy0so
笑美莉《えみり》は智子《ともこ》にむしゃぶりついた。
3 :
◆2DegdJBwqI
[saga]:2019/03/14(木) 03:25:32.78 ID:6J0cTy0so
※
朝の冷たさにその身を縮《ちぢ》ませて、ひとりきり、わずかに肩を震《ふる》わせた彼女の立ち姿は武者震《むしゃぶる》いに似ていた。
何よりも、彼女の鬼気迫ったまなざしが。
首元から太もものあたりまでをゆったり包む落ち着いたベージュ色、ステンカラーコートの装《よそお》いには、意中の相手に少しでも大人っぽく見られたいという彼女の期待が反映されているのかもしれない。
全身に、緊張によるこわばりが見て取れた。
胸の前に交差して組まれた腕は、まるで彼女を守る鎧《よろい》のように頑なだった。
鎧の内側には、二月の寒空に似つかわしくない軽装と、痩せて骨ばった少女の身体と、柔らかい心があった
4 :
◆2DegdJBwqI
[saga]:2019/03/14(木) 03:27:27.58 ID:6J0cTy0so
彼女は往来で行き過ぎる有象無象《うぞうむぞう》には目もくれず、ほんの一メートルほど先の地面、灰色のコンクリートが描く単調でつまらないタイル模様を凝視《ぎょうし》している。
その頭の中では、刻々と数字が積み上げられている。
いちまんごひゃくさんじゅういち。いちまんごひゃくさんじゅうに。いちまんごひゃくさんじゅうさん。
一ずつ積み上げられるそれらの数字は、彼女が余計なことを考えてしまわないように注意を逸らしてくれるおまじないだった。
何が余計なことかは彼女自身にもよくわからなかった。
しかし、ひとたび気を抜けば取り込まれてしまいそうになるわけのわからない大きな切迫感があった。
切迫感は、マスク越しに吸い込んだ朝の冷たさと混ざって、固体のフリをして、彼女のお腹の中で凝《こご》っていた。
5 :
◆2DegdJBwqI
[saga]:2019/03/14(木) 03:29:21.49 ID:6J0cTy0so
コートのポケットから黒いコードを伸ばしたイヤホンが、彼女の両耳に爽やかなラブソングをリピートし続け、外界の雑多な音の刺激から彼女の柔らかい心を守っていた。
だから、待ち人の到着を、音ではなく視覚的な情報で知った。
彼女が見つめるタイルの上に突如現れ静止したスニーカー。
カーキ色の生地がダブついた単色のラフなジーンズ。
私は、いま見られている。
そう思った途端彼女の心臓は、ドクンと跳ねる。
彼女は俯《うつむ》かせていた顔を上げる。
束の間の熱が、手足の先までじんわりと行きわたる。
音楽プレーヤーの再生を止めるためポケットに利き手を突っ込んで、はじめて自分の手が発汗にひどく濡れていると気づく。
彼女――笑美莉が何か言うよりも先に、
「お、おはよう」
と智子は言った。
6 :
◆2DegdJBwqI
[saga]:2019/03/14(木) 03:31:20.55 ID:6J0cTy0so
「あ、うん」
と笑美莉は言った。口元を覆うマスクで声はくぐもっていた。
一拍置いて、気を取り直して、マスク越しでも十分なようにやや大きくはっきりした発声を意識して、
「おはよう」
と笑美莉は言った。笑美莉は、手汗がひどいことになっているのを智子に悟られたくなかった。
だってなんだか恥ずかしいから。
ハンカチは持っていた。
それでも、手を突っ込んだままになっているポケットの裏側と、もう片方の手は添えていたズボンの表の生地で、それぞれごくさりげなくぬぐった。
7 :
◆2DegdJBwqI
[saga]:2019/03/14(木) 03:32:27.84 ID:6J0cTy0so
「体調、大丈夫そう?」
と智子は尋ねた。
「うん。大丈夫。全然平気。起きて、動いてたらずいぶん楽になった」
と笑美莉は答えた。
「そっか。じゃあ行こうか。……えっと、映画の時間まで余裕あるけど、何する?」
「なんでもいいよ」
あなたと一緒なら。
「なんでもいいは……困るけど」
智子は苦笑した。
その笑顔が、笑美莉はすごく好きだった。
8 :
◆2DegdJBwqI
[saga]:2019/03/14(木) 03:33:39.52 ID:6J0cTy0so
「行こ」
と笑美莉が促す。
「どこへ?」
智子が尋ねる。
どこへ?
どこへでも。
あなたと一緒なら。
笑美莉は利き手を伸ばして、ひとつまたひとつと指を絡めて、智子の片手を捕まえた。
今はもう汗に濡れてはいない、冷たくなった手のひらと、指先で。
9 :
◆2DegdJBwqI
[saga sage]:2019/03/14(木) 03:38:09.08 ID:6J0cTy0so
今日はここまで
この分量でこれくらいになるんか
SS速報でスレ立てるの久しぶりすぎて、勝手がわからん
例えば性行為描写さえしなければ、百合セーフティセッ●スについての話とかこっちでやってもいいのか?とか
53.76 KB
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