【艦これ】提督「名は?」

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/03(日) 12:48:20.60 ID:+ORplwxWO
叢雲母ちゃん
67 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/03(日) 21:05:18.19 ID:A/dpjm1Q0


______________________________



『工廠』



カンカンカン ガガガ ガシャン ガシャコーン


提督「明石ー」


明石「あら、提督じゃないですか。お疲れ様です。こんな時間に何用で?」


提督「ちょっとな。にしても、今日はいつになく騒がしいな」


明石「そうですねぇ。多分ですけど、前に提出した開発の申請書があったじゃないですか」


提督「ああ、いつもよりボーキサイトの量が多かったやつか」


明石「そうですそうです。空母が着任したみたいなので、装備を整えてあげようかな、と」


提督「お前にしては気が利くな」


明石「もっとちゃんと褒めてくれれば良いのにぃ。ま、私も伊達に工廠に居ませんからね」


提督「ああ、頼りにしてるよ」


明石「あら、指摘したの気にしたんですか?珍しい〜」


提督「うるせ、ニヤニヤしてんじゃねぇよ。それより、頼みがあるんだが」


明石「はい、なんですか?」


提督「今日本部の会議に行ったんだが、新海域を攻略する事になった。それに合わせて1人改造したい奴が居るんだが、出来るか?」


明石「改造自体は大丈夫ですけど、大本営からの認可は下りてます?」


提督「数日待ってくれ、多分大丈夫だ」


明石「なるほど。では、具体的な改装資料は大本営を待つとして……どの娘を?」


提督「ああ、こいつだ」


ピラ


明石「……へぇ、これは楽しみになってきましたよ」

68 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/03(日) 21:09:54.50 ID:A/dpjm1Q0



______________________________



翌日



『会議室』




ガチャ


提督「おう、揃ってるか?」


「失礼します」


利根「くくく……同伴でご登場とは怪しいのう」


提督「うっせ、報告」


利根「うむ、吹雪と電は今日は街に出ておる。あと、川内はそこですやすやじゃ」


叢雲「こーら!起きなさい!」


川内「…zzZ…」


叢雲「叩くわよ!」


提督「叢雲、そのままにしとけ…ったく夜戦馬鹿が……後で誰か教えておけよ、吹雪達にも」


五月雨「はいっ!任せて下さい!」


叢雲「はぁ……わかったわ」



提督「頼んだ。それで、今日は2つ話があってな」


天龍「戦いか!?」


提督「聞け。まぁ、あながち間違いじゃないがな」


天龍「おぉ!マジか!」

69 : ◆oVd3xukI6g [sage]:2019/03/03(日) 21:10:50.53 ID:A/dpjm1Q0
余り書けなかったけど、ここまで
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/03(日) 21:16:48.25 ID:B/EcnNgio
おつ
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/04(月) 09:47:43.44 ID:LTDk1uVZo
おつつ
72 : ◆oVd3xukI6g [sage]:2019/03/04(月) 20:09:19.51 ID:dzaNPx8wO
本日の投下は深夜になりそうです
73 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/05(火) 01:44:54.06 ID:NX76bgoj0


五月雨「いよいよ…ですね!」


利根「というと?」


提督「近々新海域の攻略を行う予定だ。作戦の立案には利根と叢雲と…お前な」


「わ、私ですか?」


叢雲「大丈夫なの?」


提督「大丈夫だ。頭良さそうだし」


叢雲「何それ…」


球磨「安直過ぎないかクマ?」


摩耶「そんなんならアタシを抜擢しろよ」


提督「いや、お前はいいよ、ばk……大丈夫」


摩耶「おい!今何言いかけやがった!」


提督「さぁ…」

74 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/05(火) 01:46:02.93 ID:NX76bgoj0


天龍「まぁまぁ落ち着けよ……な?」


摩耶「ちっ……ったくよぉ…」


提督「摩耶には大事な役割を任せてやるから、気合い入れろよな。期待してるぞ」


摩耶「…!……おう…………ふんっ」


天龍「(ちょろい…)」


球磨「(ちょろいクマ…)」


提督「んじゃあ、次な。明日から現秘書艦の利根をそこの新人と交代する事になった」


利根「ふむふむ……ん?……は!?なんと!?」


「あ……はは……」


提督「そういう事だ、宜しく頼む」


「…はい!」


利根「待てーーい!宜しくも何も、聞いとらんぞ!何故じゃ!?吾輩では駄目なのか!?」


提督「別にそういう訳じゃないが、面倒くさい事しなくなるし良いだろ?」


利根「た、確かに業務をしなくなるのは嬉しいが……それに、出来るのか?」


提督「大丈夫だ、お前より仕事出来るぞ」


利根「なー!?」


ギロッ


「えーっと…」


ペコ


提督「睨むなよ。昨日決まってな、事前に話しを通してないのは悪かった」

75 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/05(火) 01:48:42.37 ID:NX76bgoj0


利根「…そうなのか……はぁ……全く……」


「あ、あの……ごめんなさい…」


利根「いや……お主は何も悪くないぞ。急な話に少し取り乱してしまっただけじゃ、みっともない所を見せてしまってすまぬ」


「いえ、そんな事!……私、利根さんの分まで頑張りますね!」


利根「くく…うむ!任せたぞ!提督のイジメに耐えられなかったら吾輩の所に来ても良いぞ!」


「はい、わかりました!」


提督「別にイジメてねぇだろ、お前も良い返事しやがって…」


「ふふふ」


叢雲「それで?話が終わったなら戻るわよ」


提督「ああ悪い、んじゃ解散な。もう一度言うが、居ない奴寝てる奴に連絡頼んだぞ」


五月雨「はっーーい!」


利根「よし!球磨よ!一勝負といこうではないか!」


球磨「え〜…先にご飯食べたいクマ」


利根「すぐ終わる!良いではないか!の!のぅ!」


球磨「……へるぷみークマ」


チラッ


提督「夜の哨戒までには終わらせろよ」


球磨「なー!見捨てられたクマー!」


天龍「じゃ、叢雲頼んだわ!」


叢雲「え」


摩耶「悪ぃな、あたしらちょっと工廠に用あんだ!」


叢雲「ちょっと、私は川内の世話係じゃ!……って早っ!もう居ないじゃないの!」


五月雨「あはは……代わりますか?」

76 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/05(火) 01:49:36.75 ID:NX76bgoj0


叢雲「……ううん、大丈夫。ありがと、この馬鹿は私に任せて」


五月雨「いえいえ!では、お願いします!」


・・・


提督「さて、俺達も行くか」


「個性的な方々ですね、皆さん」


提督「個性的すぎて面倒くさいけどな」


「ふふ…でも嫌じゃなさそう」


提督「……まぁな」


「ふふふ…では、私もこれで」


提督「おう……あ、そういや」


「はい?」


提督「伊良湖からの申告書に、お前の食べる量がらやばいって」


「えっ」

77 : ◆oVd3xukI6g [sage]:2019/03/05(火) 01:55:44.34 ID:NX76bgoj0
ここまで
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/05(火) 02:02:40.04 ID:xSuHrIP+0

さっき見つけて追いついたけど面白い
キャラがほんとに言いそうなセリフというかこの娘はこういう性格なんだなっていうのがわかる言い回しがうまい
79 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/05(火) 20:34:33.08 ID:jdVwudpmO



______________________________



翌日 夜



『演習場』



摩耶「はぁ…哨戒後に訓練すんの、どうにかしてほしいよなぁ…」


天龍「わかる」


川内「やーーっせんだーーっ!」


五月雨「あははは。川内さんの元気な姿って、この時間しか見れないですよね」


叢雲「全くよ。普段からシャキッとしてほしいわ。あと、夜戦じゃないわよ。訓練よ、訓練」


川内「わかってるって!もう、叢雲は細かいなぁ!」


叢雲「…ほんっっとに、あんたこの時間だけは元気よね…」


五月雨「あ、あはは…」


吹雪「ふぁ〜ぁ…」


電「はわわ、吹雪さんがお眠なのです」


漣「漣も眠いですよぉ〜…」

80 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/05(火) 20:35:22.29 ID:jdVwudpmO


電「はわわ…漣さんまで…」


バチンッ


吹雪「ぶっ!」


バチンッ


漣「ブベラッ!」


電「め、目は覚めたでしょうか…?」


吹雪「う、うん…ありがと、電ちゃん…」


漣「…………」


吹雪「し、死んでる…」


・・・


提督「何やってんだあいつら…」


「ふふふ…何だか楽しそう」


提督「ったく……お前も、見学なんて珍しいな」


「はい。やはり艦娘も、資料だけではわからない事もありますから」


提督「そりゃあ間違いないな」


「そういえば…利根さんと球磨さんは?」


提督「ローテーションで休みを回してんだ、今日はその2人」


「なるほど」


「今日執務をしている時にスケジュール表も見ましたけど、皆さん働き詰めですよね。昼食と夕食と寝る時くらいしか自由な時間は…」


提督「まぁ、仕事だしな。結果が出せなきゃ後ろ指さされんのは俺達だ」


提督「……でも、あいつらは良くやってくれてるよ」


「ふふふ…皆さんが頑張れるのは、提督の人徳ですかね?」

81 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/05(火) 20:36:01.16 ID:jdVwudpmO


提督「いや、それは違うな」


提督「あいつらは守るべき物を守る為に戦い、己を鍛えている。あんなんでも、あいつらの根っこには確固たる意志がある。そこに俺が付け入る事は無いだろう」



「…失言でしたね、ごめんなさい」


提督「気にすんな、軽口も叩けない職場なんて俺は嫌だぞ」


「ふふ……はい」


提督「んじゃ、始めるか…」


パンパンッ


提督「おーい!そろそろやんぞー!」


川内「はーーい!こっちはいつでもおっけー!!」


提督「漣が死んでんぞー!」


川内「えーーっ!?敵ーっ!?」


電「はわわ…」


・・・


「凄い……皆さん始まる前とは別人みたい…」


提督「うちは他所より艦娘が少ない分、練度は高いからな」


「(…これが…艦娘の…)」


提督「…良い機会だ、お前もやってみろよ」


「えっ……」


「…いえ、私は…」


提督「いつかはお前も戦うんだ、早いか遅いかだろ」

82 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/05(火) 20:36:41.32 ID:jdVwudpmO


「もちろん、力にはなりたいです。でも…私では力不足…足でまといにしかなりません」


提督「何事もやってからだろ?」



「ですから──」


提督「命令」


「なっ…」


提督「流石にあいつらと同じ事をしろとは言わない。演習場のどっかに的を浮かせてある、探して攻撃してみろ」


「…あれですか…?」


提督「(見えるのか?)……そうだ」


「…わかりました……やってみます」


提督「よし。工廠にお前の艤装がある、明石に言えば出してくれるから取ってこい」


「…はい、行ってきます」



・・・



「……」


提督「じっと眺めてても始まんねぇぞ」


「あ、あの…本当にこれで浮けるのですか…?」

83 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/05(火) 20:37:18.50 ID:jdVwudpmO


提督「浮けるぞ」


「……」


提督「…ったく…」


ドンッ


「えっ!?ちょちょちょ!うわわわわっ!」


バシャッ


「……!」


提督「ほら、浮けただろ」


「はい…そうみたいですけど、もうちょっとやり方をですね…」


提督「終わりよければ何とやらだ」


「…もう…」


提督「ほら、早く行け」


「はい、わかりました」


ザー…


・・・


川内「イェーイ!今日も私は満点の動きだね!」


五月雨「川内さんすごーい!」


川内「えっへへ〜!」


叢雲「五月雨。あんまり褒めちゃ駄目よ、調子乗るから」


五月雨「えっ…え〜…でもぉ…」


川内「叢雲はいちいちうるさいってばー!」

84 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/05(火) 20:38:26.13 ID:jdVwudpmO


吹雪「あははは……ん?」


電「どうかしましたか?吹雪さん」


吹雪「あれ……あの人だよね?」


電「え?……あ、本当なのです」


漣「あんな暗い所で何をしてるんでしょうね?」


天龍「なんだぁ?射撃か?」


摩耶「多分な。おい、誰か探照灯向けてやれよ」


・・・


「(何ででしょうか…弓なんて触った事のないはずなのに…懐かしい…使い方もわかる…)」



「(…私にも…出来るかもしれない…)」


「(姿勢を正して…)」


「(構えて…)」


チャキ


「(狙いを定め……)」


「(……離すっ!)」


パシュッ


スカッ


「あ、あれ…」


カチッ カチッ カチッ


「…!まぶし…」


電「明るくなったのですー!」


漣「これでよく見えますよぉー!」


吹雪「頑張って下さーーい!」


「…皆さん…」

85 : ◆oVd3xukI6g [sage]:2019/03/05(火) 20:39:00.83 ID:jdVwudpmO
ここまで!
沢山書けました
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/05(火) 20:41:39.40 ID:bY1Gmiimo
あつおつ
87 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/06(水) 20:53:10.60 ID:kYgbNEg7O


「ありがとうございます…」


ペコ


「(皆さんが見てる…ちゃんとやらなくちゃ…!)」


「…もう一度…」


チャキ


「ふー……」


グググ…


「(今度こそっ!)」


パシュッ


スカッ


「っ……!」


「(……やっばり……)」


「(…私には、出来ないの…?)」


提督「おーい!ちょっと戻ってこい!」


・・・


「……申し訳ありません…提督…」

88 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/06(水) 20:56:12.58 ID:kYgbNEg7O


提督「おう…おつかれ」


「…やっぱり私には…無理です」


提督「…悪い、お前に無理言っちまったみたいだな。えー…下がっていいぞ」


「…………」


「……失礼します…」


・・・



訓練終了後



天龍「おい、何か変な雰囲気だったけど大丈夫か?」


提督「…完全に失敗した」


天龍「失敗だぁ?」


摩耶「あん?何かやらかしたのか?」


提督「やらせたのは軽率だった。多分、あいつの心を折っちまったかも」

89 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/06(水) 20:56:49.98 ID:kYgbNEg7O


吹雪「えっ…え〜〜っ!?」


漣「あの方…漣達の見てる前で、在らぬ方向に矢を飛ばしてましたしね…」


電「…発艦もしてなかったのです」


川内「ん〜…してないんじゃなくて、出来なかったんじゃない?」


五月雨「出来ない、ですか…」


叢雲「あんたもまともな事言うのね。確かにそれは有り得るかもしれないわ」


川内「これ、褒めてる?」


五月雨「ん!……ええ!」


提督「…どうすっかな」


叢雲「どうするもなにも、何もしなくていいわよ」


提督「何だと?」


叢雲「あんたが試行錯誤した所で焼け石に水よ。本人が立ち直るまで見守ってなさい」

90 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/06(水) 21:18:38.62 ID:kYgbNEg7O


提督「…あいつ秘書艦なんだけど…」


叢雲「あんたがやらせたんでしょ、自業自得よ。でも、秘書艦放り出すような人には見えなかったし大丈夫じゃないかしら?」


提督「…そういうもんか」


叢雲「そういうものよ」


川内「たまには良い事言うじゃん!叢雲!」


摩耶「よっ!流石叢雲大先生!」


天龍「古参は伊達じゃねぇってな!」


叢雲「うっさいわよ!あんた達!」


吹雪「あははは。司令官、私も叢雲ちゃんの意見に賛成です。あの人は強い、きっとすぐに立ち直りますよ!……確証はありませんけどね。私の勘です!勘!」


電「吹雪さんの勘は当たるのですよ〜」

91 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/06(水) 21:19:25.84 ID:kYgbNEg7O


吹雪「えへへへ…ありがと〜電ちゃん」


漣「ご主人様が少しですけど、動揺してるの初めて見ましたねぇ」


五月雨「確かに…」


提督「流石に失敗したからな……ありがとな、お前達。言う通りにやってみる」


摩耶「うわっ!お礼とか似合わねー!」


天龍「ぎゃははは!確かに!」


叢雲「全く、普段からそのくらい素直だったら良いのよ」


提督「割と素直だが」

92 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/06(水) 21:20:10.24 ID:kYgbNEg7O


漣「えぇ…ご主人様は本心を隠してるというか…」


吹雪「本音を言わないというか…」


電「きっと照れ隠しなのです」


提督「おい、それは違う」


電「はわわ、お口が滑ったのです」


川内「ま、頑張ってよ提督。提督なら上手くやってくれるって信じてるよ」


提督「お、おう…。何かお前からそんな事言われると…ムズムズするな」


川内「えーっ!?それってどういう意味なのさー!」


提督「…何でもない」


川内「ほら!すぐ濁す!提督なんて、べーっだ!」


提督「悪かったって。んじゃ、お前らも風呂入って寝ろな。今日は終わりだ」



・・・



『客間』



「……」


グスッ


「…私は…何で…」



「…私なんて…」



「…赤城さん…」

93 : ◆oVd3xukI6g [sage]:2019/03/06(水) 21:21:18.80 ID:kYgbNEg7O
ここまで
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/07(木) 00:27:05.89 ID:ZzdnFqslo
おつ
ほんのり伝わるしっかりした信頼感よきかな
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/07(木) 00:38:24.47 ID:2D4rhyq+O
おもろい。みんなかわいい。
96 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/07(木) 20:30:23.66 ID:oAdEw24m0


______________________________



翌朝



『執務室』



コンコン


提督「入れ」


「失礼します。おはようございます、提督」


提督「おう。おはよう」


「はい。では、始めますね」


提督「…ああ。頼む」


・・・


提督「(特に滞りも無く、問題もない……が、俺の気にし過ぎか…気まずい…)」


「提督」


提督「…!…なんだ?」


「…?どうかしました?」


提督「……いや…?何でもないが…」


「何だか…今日は妙にそわそわしてるというか…雰囲気が違いますね」


提督「…普段通りだと思うが…」


「…?ちょっと失礼…」


提督「え…ちょ──」


ピトッ


提督「…!!」


「…熱は、無さそうですね」


提督「……お前…そういうの気にしないのな」

97 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/07(木) 20:31:12.50 ID:oAdEw24m0


「え?何がです?」


提督「…まぁいい……で?どうしたんだ」


「あ、そうでした。こちらは終わったので備品のチェック、私がしてきますね」


提督「ああ…おう」


「はい。では」


・・・


『廊下』



バタン


「……はぁ」


「(やっぱり、昨日の事…ですよね)」


「(あまり態度には出さないようにはしてたんですが…)」


「(提督のあの雰囲気……やはり、出てたのでしょうか…)」


トントン


「え…?」


利根「どうしたお主、湿気た面しよって」


「利根さん……いえ、別に」


利根「ふむ、やはり昨日の事かのう。吾輩も聞いたぞ」


「……」


利根「どうやら、大恥かいたみたいじゃな?」

98 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/07(木) 20:32:19.77 ID:oAdEw24m0


「ええ……皆さんに、お恥ずかしい所を見せてしまいました…」


利根「うむ、確かに恥ずかしかったであろうな。己の無力さに絶望もしたであろう」


「…はい」


利根「じゃが…お主は全力を尽くした、違うか?」


「私は…全力で取り組みました」


利根「じゃろ。本気だったお主を、吾輩達は否定したりはせん」


「……」


利根「恥じるのも良い。悔やむのも良い。ただ」


利根「お主自身が、お主自身を否定する…そんな悲しい事は無い。お主自身を…否定してやるな」


「…!」


利根「…お主がどんなで在ろうと、吾輩達の仲間である事は変わらぬ」


利根「だから…」


利根「吾輩達は海で、待っておるぞ」


ポン


利根「…なんての。気休めのつもりだったのじゃが…失敗してしまったかの」


「…ふふふ。いいえ、ありがとうございます。利根さん」


利根「ふふ……ふはは!やはりお主は笑った方が良いな!折角の美人が暗いと台無しじゃ!」


「優しいですね、利根さんは。…では、私は業務の続きをしてきますね」


利根「うむ!引き止めてすまんかったの!」



・・・







『執務室』



提督「……」


「……」


提督「……よし、終わりだ」


「こちらも、もうすぐ終わります」

99 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/07(木) 20:33:02.38 ID:oAdEw24m0


提督「ん。了解」


「はい」


提督「……」


提督「…なぁ」


「はい、何ですか?」


提督「あー…貸した資料、読んだか?」


「はい。もう覚えてしまうくらいには」


提督「そうか……その様子だと変化は無さそうだな」


「ですね…赤城さんに会いたいのですが…中々」


提督「まぁ、夢の中だしな…会いに行けないのも仕方ないか」


「そう…ですね。………はい、終わりました」


提督「おう、書類はそのままで良い。おつかれ」


「わかりました。お疲れ様です、提督。おやすみなさい」


提督「おやすみ」

100 : ◆oVd3xukI6g [sage]:2019/03/07(木) 20:33:52.76 ID:oAdEw24m0
ここまで
全体の半分くらいは過ぎたかな…?
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/07(木) 21:42:09.07 ID:ZzdnFqslo
おつお
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/08(金) 07:17:09.86 ID:Bpd5pC9CO
乙!
103 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/08(金) 20:13:05.68 ID:njaH5Qm90


・・・


『客間⇒廊下』


「……」


ムクリ


「(…私自身を否定するな…)」


「(…そうですよね…私自身を否定する事は、つまり…あの人を…)」


「(……駄目ですね。一度、海風にでも当たってこようかしら…)」


ガチャ


「(あら、廊下ってこんなに暗いんですね…)」


「(まぁ、外に出るだけなら…)」


・・・


『吹雪、電、五月雨の部屋』



電「──雪───い」


吹雪「ん……んん…」


電「吹雪さん、起きてくださいなのです」


ユサユサ


吹雪「ん、んん…?どしたの…?」

104 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/08(金) 20:14:56.80 ID:njaH5Qm90


電「あ、あの…えっと…」


吹雪「…?」


電「その…」


モジモジ


吹雪「……あ、わかった。トイレだね?」


電「は、はい…そうなのです…」


吹雪「でも、私も廊下出るの…怖いなぁ…」


電「1人はもっと怖いのです…」


吹雪「だよね。これは五月雨ちゃんも道ずれに…なーんて」


五月雨「んにゃ…むにゃ…zzZ」


電「了解なのです」


吹雪「え」
105 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/08(金) 20:16:34.97 ID:njaH5Qm90


電「起きて下さいなのです、五月雨さん」


ユサユサユサユサユサユサ ユサユサユサユサユサユサ


五月雨「んぅわわわわわななななな何事ですかかかかか」


吹雪「電ちゃんストップ、五月雨ちゃんの頭がもげちゃう」


電「はわわ…」


五月雨「うぇぇ……?一体……何が…あったんですかぁ…?」


電「ごめんなさい、五月雨さん。あの…おトイレに…一緒に来て欲しいのです……」


五月雨「あぁ…なるほどぉ……良いですよぉ…」


吹雪「よしっ、皆で行けば怖くないね♪」


・・・


『廊下 トイレ前』


電「すみません、お待たせしたのです」


吹雪「ううん、いいよ〜」


五月雨「困った時は助け合い、ですからね」

106 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/08(金) 20:17:26.75 ID:njaH5Qm90


電「ありがとうございます〜」


吹雪「じゃあ後は帰ってオフトゥーンに潜るだけだね」


ペタ…ペタ… ペタ…ペタ…


3人「!?」


吹雪「な、何…?今の音…?」


電「あ、足音…なのです…?」


五月雨「こ、こんな時間に…!?」


吹雪「やだ、怖い…!」


電「はわわ…このままでは食べられてしまうのです…!」


五月雨「え…!?食べられるんですか…!?」


ペタ…ペタ… ペタ…ペタ…


吹雪「こっちに来る…!!」


五月雨「う、後ろっ──!!」


「あら、貴女たt──」


3人「イヤァーーーーッ!!!!」


「!?」


ヘナヘナ ペタン バターン!


電「こ、腰が…」

107 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/08(金) 20:18:16.13 ID:njaH5Qm90


吹雪「あ、貴女…でしたか…!」


「あ、あの…大丈夫ですか…?ごめんなさい、急に声を掛けてしまって…」


五月雨「……」


吹雪「し、しんでる…」


・・・


『吹雪、電、五月雨 寝室』



ガチャ


「着きましたよ。お二人共、もう服を離しても大丈夫ですよ」


電「あ、ありがとうございます…」


吹雪「ごめんなさい、部屋まで来てもらっちゃって…」


「いえいえ、私のせいですし。これくらいは」


吹雪「ありがとうございます。あ、そろそろ五月雨ちゃんを降ろしても大丈夫ですよ」


「あ、はい。では──」

108 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/08(金) 20:19:35.84 ID:njaH5Qm90


五月雨「んん…」


グイー


「えっ」


バターン!


「いたた……」


電「ふふふふ…」


吹雪「あははは……とりゃっ」


ダキッ


「えっ?」


電「電も失礼するのです」


ギュッ


「あ、あなた達…?」


吹雪「今日は一緒に寝ましょう!ね!」


「えっ」


電「一緒に寝て欲しいのです〜」


「あ…」


五月雨「むにゃむにゃ……zzZ」


「……ふふ、わかりました。一緒に寝ましょうか」


吹雪「やったー♪」


電「嬉しいのです♪」


・・・


吹雪「…zzZ」


電「吹雪さん…zzZ」


「(……この娘達は…ひとたび海の上に立てば、逞しく、勇ましい。なのに、こんなにも可愛らしい一面もある……凄い娘達ですね…)」


「(…私にも、力があれば…)」


「(…良かったのに…)」


「…zzZ」


109 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/08(金) 20:21:02.49 ID:njaH5Qm90


______________________________




『??』




『(……あ…ここは…また…)』


『(…暗い海の中…)』


『(…これは何なのでしょう…)』


『(……!あの光は…)』


ブワァァ…


『…また…という事は…』


『(やっぱり、あの人…赤城さんが居る…)』


スタ スタ スタ


『赤城さん』


赤城『あら?……ふふ、また来たんですね』


『また来てしまいました……あっ』

110 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/08(金) 20:21:44.82 ID:njaH5Qm90


『あ、あの、赤城さん……?傷だらけ…』


赤城『ええ。でも、問題ありません。私に痛みは無いですから。この艦が弱ると、私に変化が表れるみたいですね』


『そう…何ですか…?無理はしないで下さい…』


赤城『ふふ……何だか貴女に気遣われるのは……不思議な気分ですね』


『あ……ごめんなさい…』


赤城『謝る事ではないですよ、貴女は何も悪くありませんからね』


赤城『あら、次が発艦するみたいです。良かったら貴女も見ていてね』


『え…?あ、はい…』


・・・


赤城『勝利しました』


『凄い…ですね、お疲れ様です』


『ありがとうございます。貴女も今日は長く居てくれるみたいですね』
111 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/08(金) 20:22:55.63 ID:njaH5Qm90


『そう…ですね。私もよくわからなくて…急に居なくなったら、ごめんなさい』


赤城『はい、大丈夫ですよ。では、良い機会なので少しお話でもしませんか?…帰港までは退屈なんですよ』


『退屈って……ふふふ…はい、是非お願いします』


赤城『ありがとうございます♪では、何から話しましょうか…──』


・・・


赤城『……なるほど。要するに、貴女は先の未来から…来たみたいですね』


『はい。……あの』


赤城『はい、何ですか?』


『気にならないのですか…?その…』


赤城『戦争の結末……或いは、私の最後…ですか?』


『はい、その通りです』


赤城『気にならない、と言えば嘘になります。でも…わかった事もあるので、聞かなくても大丈夫ですよ』


『わかった事…?』


赤城『ふふ…内緒です♪……それにしても、不思議な事が起こるものですね。貴女は何故ここに居るのか、わかりますか?』


『えっと…多分私が忘れた、大事な物がここにあると……提督が仰ってました』

112 : ◆oVd3xukI6g [sage]:2019/03/08(金) 20:23:30.72 ID:njaH5Qm90
ここまで!
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/08(金) 20:30:06.16 ID:wLqaVcODo
おつ!
114 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/09(土) 21:42:00.60 ID:crGY6G+bO


赤城『こんな所に忘れ物ですか……具体的には?』


『記憶…?ですね』


赤城『あら…それはまた、大層な物をお忘れになったんですね』


『赤城さんと話せば思い出すみたいなんですが……』


赤城『そうなんですか。じゃあ、もっとお話しないといけませんね』


『はい、お願いします』


赤城『と言っても質問ばかりですけどね。……そういえば、貴女が戦っている相手は…えーと…?』


『深海棲艦ですか?』


赤城『あ、それです。その深海棲艦と戦った事は?』


『…いいえ、深海棲艦とはまだ…』


赤城『あら、そうなんですね?』


『…でも、今の私には戦えないです』


赤城『…?力不足という事ですか?』


『はい、その通りです』

115 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/09(土) 21:42:39.05 ID:crGY6G+bO


赤城『あら…そうなんですか』


『はい…』


赤城『…うーん…』


赤城『……ちょっと良いかしら』


(立ち上がる)


『はい…?』


赤城『貴女の世界では、軍艦ではなく貴女自身が戦うんでしたよね』


『はい、そうですが…』


赤城『それに零式、九九、九七も、あるのですよね』


『え?……はい、資料にはありましたが』


赤城『なら、私が貴女に戦い方を教えてあげましょう』


『えっ?戦い方…ですか?……わかるんですか?』

116 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/09(土) 21:45:40.25 ID:crGY6G+bO


赤城『ええ、私に任せて下さい。先程、貴女は力不足と申し上げましたが、そんな事ないです。貴女は、充分に強いですよ』


『な、何を…』


赤城『貴女には守れるだけの力がある。足りないのは根底となる信念、気概、決意、覚悟。皆の為に戦いたい、それも良いでしょう。ただ、それだけでは届きません』


『……』


赤城『貴女にもありますよ、間違いなく。……その弓が飾りではないのなら、手に取って下さい』


『…!(いつの間にそばに…)』


『…………』


『…私にも、戦えるんでしょうか』


赤城『大丈夫。貴女だからこそ、戦えるのです』


『……』


カチャ


『…お願いします。赤城さん』

117 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/09(土) 21:47:43.97 ID:crGY6G+bO


赤城『ふふ、良い顔になりましたね』


『何だか赤城さんに言われると…本当に出来る気がしてきますね』


赤城『そんなの、当然ですよ』


『…そうなんですか?』


赤城『ええ。だって、貴女は私じゃないですか』


『あ…』


赤城『私に出来る事が貴女に出来ないなんて…それこそ、道理に反します』


『赤城さん……』


『……私、頑張ります』


赤城『はい、期待していますよ』




赤城『(…私の前に…貴女が現れたのは、きっと偶然なんかじゃない…)』


赤城『(そう、これは然るべき必然であり、私に与えられた使命は…彼女に…』


赤城『(……まだ早い。時が来たら…きっと私は、貴女に託すでしょう…)』




赤城『(何だか楽しくなってきました。ふふふ、本当に……不思議な事が起こるものですね)』



118 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/09(土) 21:48:20.17 ID:crGY6G+bO




・・・



『吹雪、電、五月雨の部屋』



「……!」


「朝…ですか」


「(ん…動けな……あ)」


「(そうでした……一緒に寝てたんでしたね)」


「……っと…解いて…」


ゴソゴソ ムクリ


「…………ふぅ」


「(…大丈夫、ちゃんと覚えてる)」


「……変われる」


グッ(拳を握る)


「……私にも、戦える」


119 : ◆oVd3xukI6g [sage]:2019/03/09(土) 21:49:07.03 ID:crGY6G+bO
ここまで
他所様の所で盛大に誤爆したのが物凄く恥ずかしい
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/09(土) 21:54:28.64 ID:Uc6LcHwGo
おつ
誤爆なんで皆十回くらいしてるんだから気にしないで?
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/10(日) 01:09:02.70 ID:S2YZNwGOo
おっつおっつ
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/03/10(日) 23:02:10.48 ID:+3ncx7VK0
もう半分過ぎちゃったのか……
123 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/11(月) 08:50:14.52 ID:K36cij2J0



______________________________



『執務室』



ドンドン!


提督「……入れ」


ガチャ


利根「失礼する。……って何じゃ〜、その顔は」


球磨「お邪魔するクマ〜」


提督「お前くらいだよ、ノックじゃなくて叩く奴。摩耶でさえノックすんぞ」


球磨「ほら、怒られたクマ」


利根「コンコンは誰かで、ドンドンは吾輩。すぐに吾輩と理解出来て、良いではないか」


提督「いらねぇよ、そんな情報」


コンコン


提督「おう、入れ」


「ただいま戻りました。…あら、利根さん、球磨さん。こんにちは」


利根「おー!お主か!」


球磨「こんにちはクマー」


利根「調子はどうじゃ?」


「…利根さんのおかげです」


提督「ん?お前なんかしたのか?」


利根「くっくっく…秘密じゃ」


「はい、秘密です♪」


提督「何だよ…」


球磨「って、雑談しに来た訳じゃないクマ。出す物出してご飯行くクマ」


利根「む!そうじゃったな!」


ドンッ


提督「ん……へぇ、大湊からか」

124 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/11(月) 08:51:10.61 ID:K36cij2J0


利根「うむ」


提督「了解。返事は明日出しとく」


利根「うむ。では球磨よ!行こうではないか!」


球磨「ばいばいクマ〜」


「あ、あの…!お話があります!」


提督「ん?」


球磨「クマ?」


利根「お、なんじゃ?」


「お話というか…お願いがあります」


球磨「ん、んん〜…球磨は聞いても良いのかクマ?」


「勿論、大丈夫です」


提督「…で?」


「はい。……私を、秘書艦から外して下さい」


提督「…何だと…?」


利根「…ほう」


「……」

125 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/11(月) 08:52:43.57 ID:K36cij2J0


「……」


提督「(…訓練の件が大分効いてるのか…?まさか秘書艦まで辞めるとは)」


利根「……」


利根「…了承した。後は吾輩に任せておくがよい」


球磨「クマ!?」


提督「おい、何を勝手に──!」


利根「良いのじゃ」


ジッ


提督「…!」


利根「良いな」


提督「(……何か気付いたのか…?)」


「……」


提督「……ったく…仕方ねぇな」

126 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/11(月) 08:53:19.96 ID:K36cij2J0


「ありがとうございます…」


ペコ


提督「いいって。急な変更だ、他の奴らには…球磨、頼んだぞ」


球磨「え〜!球磨は雑用係じゃないクマ!」


提督「2連休とらせてやる」


球磨「任せておけクマ」


利根「ふはは!欲に忠実じゃな球磨は」


「ふふふ…では、私はこれで。失礼します」


提督「おう」


ガチャ パタン


球磨「……良かったのかクマ?」


提督「さあな…そこの馬鹿に聞いてくれ」


利根「馬鹿とはなんじゃ馬鹿とは」


提督「愛故の表現だな」


球磨「ブッ!」


利根「オゲェー!お主に似合わない言葉じゃのぅー!」


提督「うるせ。……で、話せよ。何で了承した」


利根「はぁ〜…察しが悪いのぅ」


提督「何?」
127 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/11(月) 08:53:55.69 ID:K36cij2J0


利根「前にも言ったであろう、乙女の詮索をする男はモテないと」


提督「……」


利根「ぅぉほほ!すまんかった!そんな睨むでない!」


球磨「ちゃんと話した方が身の為クマ」


利根「うむ、そうみたいじゃな…」


利根「コホン……あやつは吾輩達の為に戦いといっおったな?」


提督「ああ」


利根「じゃが、それも叶わず自信を無くしてしまったの。そんなあやつに残った、己が役に立つ事といえば?」


球磨「……ん〜?」

128 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/11(月) 08:54:48.97 ID:K36cij2J0


提督「…秘書艦か」


利根「その通り。今自分に出来る事を理解した上で、秘書艦をやめたいと言い出した。ショックから投げ出した、と思うのも仕方ないがの」


利根「じゃがの〜あやつはそんな無責任な事をする様な奴ではない。何か思惑があるのが道理」


利根「だからの…吾輩は手を貸すだけじゃ。それが良い女の務めというものじゃ」


提督「……お前、結構考えてるんだな」


利根「乙女心は吾輩に任せておけ。なーんての」


提督「ああ、信じるよ。お前も、あいつも」


利根「うむ、それが良い」


球磨「利根ってたまに真面目クマ」


提督「だよな〜」


ポン ワシャワシャ


球磨「うぁぁ〜!頭わしゃわしゃしないでほしいクマー!」

129 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/11(月) 08:56:10.63 ID:K36cij2J0


利根「……今更なんじゃが…」


提督「ん?」


利根「お主、球磨には妙にベタベタするのう」


提督「……は?そんな事はないが…」


球磨「嘘つくなクマー!頭わしゃわしゃするし、たまに抱っこするし、たまに膝の上に座らせたりしてるクマー!!」


利根「お主…」


提督「おい待て、利根。事実だが落ち着け、引いてんじゃねぇ」


利根「いくら艦娘とはいえ…セクハラじゃぞ」


提督「ぐっ…!」


球磨「そうだクマ!」


利根「全くお主という奴は……」


利根「そのくらいなら……わ、吾輩にする分には…構わんのにのぅ〜……?」




提督「いや、それは無理」




利根「なっ!?き、貴様コラー!!それはどういう意味じゃァァァ!!」




・・・



『弓道場』



「(見つけた…広い敷地の端にある、使われていない弓道場…)」


ガラララ…


「(まぁ…誰も居るはずもなく…)」


「(…使われた様子も無いからか、中も綺麗ですね)」


「(ここでなら、存分に鍛錬が出来ますね)」



「(…頑張らなきゃ…)」

130 : ◆oVd3xukI6g [sage]:2019/03/11(月) 09:01:28.61 ID:K36cij2J0
ここまで
遅くなりました
大まかな流れが出来ていても、繋げられない事件
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/11(月) 19:29:16.69 ID:/6UNSvgFo
おつおつ
クマーと利根はーうんカテゴリちょっとちがうかなーって
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/11(月) 20:45:22.53 ID:0yVHLY1C0
球磨はマスコットだから・・・
133 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/11(月) 21:06:10.04 ID:5fddIL6AO



______________________________



数日後



『工廠』



ガシャコーン ガシャンガシャン


提督「明石ー、居るかー?」


明石「はーい、居ますよー」


吹雪「こんばんはー司令官」


電「こんばんはなのです」


漣「ども!ご主人様!」


天龍「よう」


摩耶「何だよ、こんな時間に?」


提督「お前ら…揃いも揃って何してんだよ」


天龍「遠征から帰ってきたついでに、明石に艤装見てもらってんだよ」


提督「なるほどな。じゃあ、摩耶は何で居んだ?」


摩耶「アタシはただの付き添い」


提督「暇か」


摩耶「暇じゃね……天龍に捕まったんだよ」


提督「お前らって、いつもつるんでるのな」


134 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/11(月) 21:06:40.56 ID:5fddIL6AO


天龍「まぁな。なんつーか摩耶とは気が合うし」


摩耶「だよなー!」


提督「(類は友を呼ぶ…)」


明石「それで、提督は何用で?」


提督「ああ。あの件の事だが、本部から認可が下りた。改装案と認可書、渡しておくぞ」


明石「あら、下りたんですね。良かった良かった」


吹雪「改装案?誰か改造するんですか?」


提督「おう」


天龍「オレか!?」


提督「残念」


天龍「んだよー!」


電「どなたなんでしょうか…」


提督「摩耶だ」


天龍「何だと!?」


摩耶「へぇ……えっ」


吹雪「摩耶さんが改造ですか!」

135 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/11(月) 21:07:18.73 ID:5fddIL6AO


漣「マジですか!漣にも改装案見せて下さ〜い!」


明石「多分…漣ちゃんが見てもわからないと思うけど」


漣「そんな!?」


摩耶「ま、マジか…アタシか」


提督「言ったろ。お前には重要な役割を任せるって」


摩耶「そ、そっか。へへ…改造か」


天龍「良いなぁ。オレも強くなりてぇ」


提督「そのうちな」


天龍「マジか!やったぜ!」


電「このタイミングで改造するのは…やっぱり次の未開拓海域の為なのですか?」


提督「その通り。摩耶の力が必要になる」


摩耶「アタシが必要…」


吹雪「ま、摩耶さん…?」


摩耶「はは…ははは…あははは!改造だか何だか知らねーが、アタシに任せておきな!この摩耶様が艦隊を引っ張ってやる!」

136 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/11(月) 21:07:55.02 ID:5fddIL6AO


吹雪「おめでとうございます、摩耶さん」


電「おめでとうなのです」


パチパチ


提督「期待してるぞ」


摩耶「おう!」


明石「とりあえず改造の件は了解しました。作戦はいつですか?」


提督「まだ未定だな。近いうち作戦会議は行う予定で、決まったら連絡する」


明石「わかりました」


漣「あのあの、1つ聞いても良いですか?ご主人様」


提督「ん?」


漣「改造って…どういった感じなんですか?」


提督「あー…」


吹雪「確かにここでは初めてだもんね、気になる…」


電「妖精さん…でしょうか」


提督「半分正解だな」


天龍「残りの半分は?」
137 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/11(月) 21:08:27.47 ID:5fddIL6AO


明石「えっへん」


摩耶「あん?明石?」


明石「何の為に私が居ると思ってるんですか。この改装案とは、改造後の貴女達に合わせる艤装の事です」


明石「ここで作れるのは私だけですからね。身体の変化は妖精さんにお任せです」


摩耶「へぇ、なるほどな」


天龍「明石もちゃんと仕事するんだな」


明石「ちょ、失礼な!提督も何か言ってくださいよ!」


提督「そうだぞ、こう見えてガラクタを作る天才なんだ」


明石「それ擁護になってないんですけど!?」


吹雪「あははは。そういえば建造はしないんですか?艦娘が増えればもっと色々出来ると思うんですけど」


提督「そうしたいのは山々なんだが、中々上手く行かなくてな。これでも明石には建造の許可は出してあるんだ」


電「そうなのですか?」


明石「ええ。でも、許可される資源にも限度がありますし、毎日とはいかないんですけどね。一度に使う量も結構な量ですし」


漣「同じ艦娘が生まれたりはするんですか?」


提督「今のところ前例はない。恐らく軍艦一隻に対し1人だな」


摩耶「ん?……じゃあ、本当は建造出来てるのに、どっか他所で建造されてると、うちでは建造出来ないって事か?」


提督「まぁ、そうなるな」


天龍「あいつの場合は、どうなるんだ?」


提督「あいつ?」
138 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/11(月) 21:08:58.08 ID:5fddIL6AO


天龍「ほら、新人だよ。あいつは流れ着いただろ?」


提督「…確かにな。だが、存在する以上あいつも建造は出来なさそうだが」


天龍「やっぱそうか」


明石「ですが、艦娘はまだ未知なる事が多いです。これから先、同一人物なんてのも生まれる可能性は十分にありますよ」


提督「おめーらみたいなのが何人も居たら大変だな」


摩耶「何でこっち見てんだよ!」


天龍「オレが増えたら百人力だぜ!?」


提督「うるさいって意味で大変なんだよ」


天龍「だとコラー!」


明石「あはは。では、摩耶さんの改造は後にするとして、私は先に艤装に取り掛かっちゃいますね」


提督「ああ、頼む」


摩耶「頼むぜ!なんてったってアタシの何だからな!」


明石「はいはい、明石にお任せですよ〜♪」

139 : ◆oVd3xukI6g [sage]:2019/03/11(月) 21:10:39.18 ID:5fddIL6AO
ここまで
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/11(月) 23:29:35.73 ID:/6UNSvgFo
おつ)
141 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/13(水) 22:53:21.85 ID:+R8s/8EbO


______________________________






『会議室』



ガチャ


提督「よう、揃ってるか?」


利根「居るぞ」


「どうも」


叢雲「時間ギリギリね」


提督「悪い。じゃあ早速だが始めるぞ」


利根「久しぶりじゃのう、新海域なんぞ」


提督「だな。これを見てくれ」


ピッ


「地図…ですか」


提督「俺達の呉鎮守府は、四国を抜けて南太平洋、トンガに棲みついている深海棲艦の駆逐が今回の任務だ」


ピッ


叢雲「…島が沢山あるわね」

142 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/13(水) 22:53:57.07 ID:+R8s/8EbO


提督「目星は本部の斥候からの情報で大体付いている。トンガで深海棲艦率いてるのはヲ級だそうだ」


「ヲ級……正規空母ですね」


利根「何じゃ。姫級でもなしにヲ級?……相手にならんじゃろ」


提督「正確には確認出来ていないらしい。深海棲艦を率いてる事から、恐らくflagship級だろう」


「…!」


叢雲「厄介ね……以前に戦った事があるけど、あの時は運が良かっただけ…辛勝だったわ」


「資料でしかみてませんが…強力な相手みたいですね」


利根「摩耶の奴が無駄に器用じゃからの。対空への迎撃は問題ないが、制空権が取れん」


提督「ああ。だから制空権が取れない以上、敵本陣に向かうのは俺達ではない」

143 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/13(水) 22:54:59.47 ID:+R8s/8EbO


叢雲「…どういう事?」


利根「うむ?」


提督「すぐに説明する。それで、斥候が敵本陣までに確認、交戦した深海棲艦の数は約30」


利根「ほぉ…結構居るの〜」


叢雲「島が多い分、未確認のも含めると…」


「…包囲される可能性がありますね」


提督「そうだ。あいつらは知能は無いが、大将を守る習性がある。直接本陣に攻め入るなら包囲は必至」


利根「そうなると…吾輩達では手に負えんのではないか?」


提督「その通り。さっきの問いの答えは、今回の作戦では横須賀との協同任務だ」


叢雲「へぇ、横須賀と」


提督「敵本陣に乗り込むのは、横須賀の第一主力艦隊だ」


利根「ついにお目にかかれるのう…横須賀の秘蔵っ子」


「秘蔵っ子?」


叢雲「横須賀鎮守府、第一主力艦隊旗艦、大和」


「あっ、戦艦の大和さん…」


利根「これがまた馬鹿みたいに強いんじゃ。うちにも来んかの〜」


提督「馬鹿言え。あんなの横須賀くらいしか運用出来ねぇよ」


144 : ◆oVd3xukI6g [sage]:2019/03/13(水) 22:57:30.35 ID:+R8s/8EbO
ここまで
亀進行になってきたので、1レス分が出来次第ポイポイ投下します
145 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/14(木) 00:13:36.90 ID:lds9j6aAO


「そうなんですか?」


提督「ああ。お前らの弾薬、身体の補修には資源を使うんだ。大和が大破なんてしたらお前…とんでもないぞ」


「そ、そうなんですか…」


提督「うちも今は期間が空いた事もあって資源はあるが、大型を運用するにはまだ艦娘が足りねぇな」


叢雲「ほら、余談はそこまでにしなさい。それで、作戦はどうなってるの?」


提督「ああ、本陣へは横須賀の第一主力艦隊。俺達は本島を回って本陣へと接近する深海棲艦の撃墜が主な仕事だ」


「ですが、それだと反対側は…」


提督「大丈夫だ。反対側は横須賀の第二艦隊が担当する」


叢雲「あら、随分と大盤振る舞いね」


利根「吾輩達の任務というか、ただのお手伝いじゃな」


提督「任務には変わりない。本島の裏で第二艦隊を確認次第、旋回して本陣へと向かった第一艦隊を援護。目は任せたぞ、利根」


利根「うむ、吾輩の零水偵に任せておけ」

146 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/14(木) 02:32:20.88 ID:+o3+ffNJ0


提督「次に編成だ。当作戦は──」


ピッ


──第一艦隊──

『旗艦』
利根


『随伴艦』
摩耶
球磨
川内


──第二水雷戦隊──

『旗艦』
天龍

『随伴艦』
叢雲
五月雨
吹雪



提督「以上だ」


利根「うむ、了解した」


叢雲「あら、全員出撃なんて久しぶりね」


「……」


提督「(…本当はこいつを入れたい所だが、今回は仕方ないな)」


提督「わかってると思うが、戦場では何が起こるかわからん。無理はするなよ」


利根「言われんでも承知しておる。吾輩達が消えたらお主が泣いてしまうからのう」


提督「……」


利根「はっ!冗談じゃ!」

147 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/14(木) 02:37:33.39 ID:+o3+ffNJ0


叢雲「大丈夫よ、無理はしない」


提督「ああ。あと戦場での戦術は基本任せるが。んー…仮想敵で何通りか立ててみるか」


利根「じゃな。覚えて損は無いからの」


叢雲「天龍が覚えてくれれば私も楽なのに…全く」


提督「そう言うな。それと…」


提督「…お前も」


「えっ」


提督「お前も、意見出してみろ。お前の考え、思った事、お前にしか見えない線もあるからな。何でも良いから聞かせてくれ」


「…はい、わかりました」


提督「おう。じゃあまずは───」


・・・


利根「……」


叢雲「ちょっと…多くない?」


「あ、あはは…」


提督「(意見を出してみろとは言ったが…見落としそうな部分までちゃんと見ている…)」


提督「…やるな。やっぱお前を選んで正解だったよ」


「あ、いえ…ははは…」


提督「んじゃあ会議は終わりだ。利根は執務室、叢雲は他の奴らと合流しろ」


利根「うむ、了解じゃ」


叢雲「わかったわ」

148 : ◆oVd3xukI6g [sage]:2019/03/14(木) 02:43:38.19 ID:+o3+ffNJ0
今日はここまで
折り返したと思ってたら折り返してないかもしれない
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/14(木) 05:22:38.77 ID:A05tMAqSO
乙!
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/14(木) 05:41:58.25 ID:oOuyYs3ko
おつなのーね
151 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/16(土) 03:27:11.92 ID:EScHrwxzO


______________________________




『敷地内巡察』



五月雨「ふんふふん♪」


ピョンピョン


提督「転ぶなよ」


スタスタ


五月雨「だ、大丈夫ですよ!それにしても、ホントに広いですねぇ〜!」


提督「だろ。ここで生活してても、この広さには慣れない」


五月雨「いつもお疲れ様です。そういえば利根さん達…頑張ってるかなぁ〜」


提督「第一艦隊のミーティングとか言いつつ、遊んでるだろうがな。まぁたまには良いだろう」


五月雨「あはは。あ、そういえば次の作戦地域は…トンガでしたっけ?」

152 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/16(土) 03:27:44.54 ID:EScHrwxzO


提督「そうだ。まぁ手伝いみたいなもんだが、戦闘する事には変わりない。お前らの雷撃にも期待してるぞ」


五月雨「えへへ…はいっ!お任せ下さいっ!」


スタスタ


提督「よし、ここで左右に別れる。西側をさっき教えた通りに見てくれれば良い。反対側まで行ったら玄関から執務室に戻ってくれ」


「はーーい!」


・・・


スタスタ


提督「(…この後は…明石の様子を見に行くか)」


スコンッ


提督「(ん?なんの音だ?)」


提督「(今の音はどこから…)」


スコンッ


提督「(…使われてない弓道場から聞こえるな。誰か居るのか?)」


スタスタ


提督「(不審者だったら取り押さえてやるが…)」

153 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/16(土) 03:28:48.67 ID:EScHrwxzO


提督「(そーっと…)」


ガラ…


提督「(…お)」


「……」


提督「(あいつ…こんな所に居たのか)」


「……ふー…」


パシュッ


スコンッ


「……よし」


提督「(あん時とは顔つきが違うな…まるで別人)」


提督「(利根の言う通り……あいつはあいつなりに、何かやろうとしている)」


提督「(俺は…その時が来るのを黙って待つのみ、か)」


提督「(…頑張れよ)」


パタン


「……?」


「(誰か…居た?)」


フルフル


「(気のせい、ですね)」


「(…ひと休みしたら再開しなきゃ)」

154 : ◆oVd3xukI6g [sage]:2019/03/16(土) 03:29:35.72 ID:EScHrwxzO
ここまで
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/16(土) 06:46:35.66 ID:b/w0V1i8o
おつ
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/25(月) 21:53:25.96 ID:KMyQA7Hj0
一週間たったが忙しいのかな?無理せず続けてほしい
157 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/27(水) 09:46:31.45 ID:+GvEWa0wO


______________________________



翌日



『演習場』



提督「(…悪くない)」


提督「(気だるそうな川内も良い動きだ。こいつに関しては、夜が異常過ぎるだけか…)」


提督「(最終調整は、大湊から来た演習の申し出だな)」


「提督」


提督「ん?…おう、お前か」


「こんにちは。ひとつ、お願いがあるのですが」


提督「(…来たな)」


提督「艤装は?」


「えっ?」


提督「言わなくてもお前の…その顔見りゃわかる」


「提督…」


提督「見せてみろよ、鍛錬の成果」


158 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/27(水) 09:47:07.45 ID:+GvEWa0wO


「…!知っていたのですか…?」


提督「まぁ…たまたまな」


「ふふ…ありがとうございます」



・・・



利根「む?…お主ら、あそこを見てみよ」


摩耶「あん?……おっ」


川内「おー、あの人だねぇ」


球磨「何だか雰囲気が違うクマ」


川内「私、今日も膝枕して貰ったよ」


叢雲「あんたいつの間にそんな…」


川内「気持ちよくてさ〜つい、ね」


叢雲「聞いてないわよ!」


摩耶「へっ…今度こそ、お手並み拝見だな」


利根「(くくく…随分と研鑽を積んで来たようじゃな。これは楽しみじゃ)」


・・・


ザー…


「……」


「(…集中…)」

159 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/27(水) 09:47:40.22 ID:+GvEWa0wO


「(…赤城さんに教わった事…)」


「(…鍛錬を、無駄にしない為に…)」


「…行きます!」


チャキッ


「…ふー……」


グググ…


パシュッ


「(…よし!)」




提督「(ここまでは前と同じだ。さぁ、変わったお前を見せてみろ)」




「(皆さん…見ていて下さい。私にも戦える事を、証明します!)」


「第一次攻撃隊!発艦して下さい!」


ブシャァ!(矢が炸裂)


ブロロロロロロ…
ブロロロロロロ…




提督「(…!)」


利根「やりおった!」


川内「おー!発艦してるよあの人!」

160 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/27(水) 09:48:44.98 ID:+GvEWa0wO


叢雲「出来るのが当然なんだけど……良かったわね」




ドゥルルルルルル!


ガガガガガ!




摩耶「あれ…全弾命中じゃね?」


球磨「すご……恐ろしい精度クマ」




「…………ふぅ」


グッ


「(…やった…)」


・・・


ザー… ザッ


「ありがとうございました、提督」


提督「おう。やってくれたな」


「あ、あの…それで、その…私も」


提督「……明日からお前も艦隊に入れる。宜しく頼むぞ」


「…!はいっ!お願いしますっ!」

161 : ◆oVd3xukI6g [saga]:2019/03/27(水) 09:50:59.37 ID:+GvEWa0wO


摩耶「やるじゃねーかおい!」


バシンッ!(背中)


「痛たーっ!」


利根「見事じゃったぞお主ー!」


ペシーンッ(お尻)


「ひゃんっ!」


球磨「お疲れクマ」


ポンポン(背中)


「く、球磨さん…」


叢雲「凄かった、期待してるわよ」


ポンポン(肩)


「叢雲さん…」


川内「ねぇねぇ、また後で膝枕して〜」


「川内さん…ふふふ、喜んで」


提督「おうおう、人気者じゃねぇか」


「あ、あはは…」


提督「という訳で、明日からお前もスケジュールに組み込む。近海の哨戒中には度々、少数ではあるが深海棲艦が入り込む。哨戒に参加し、お前は戦わずに索敵に専念しろ」


「索敵…ですか。はい、やってみます」


提督「ああ。じゃ、今日から空の目は……お前だ」


「空の…!……はいっ!」

162 : ◆oVd3xukI6g [sage]:2019/03/27(水) 09:55:04.46 ID:+GvEWa0wO
ここまで
少しずつ進めます
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/27(水) 10:49:58.20 ID:VQ9XRnSRo
おつー
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/27(水) 15:36:16.02 ID:VlBnDLkY0
乙!
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/29(金) 00:32:05.30 ID:xjtSG0VQo
おっつ
104.81 KB Speed:0   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 新着レスを表示
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)