緒方智絵里「私だけの、幸せのカタチ」

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102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/20(水) 12:10:47.62 ID:ACwa9jOx0
「私のお守りの中身……勝手に見ましたよね?


「酷いですよね。人のプレゼントの中身を勝手に見て……


「あの人に、最初に見て貰いたかったのに……


「それなのに、何で邪魔をしたんですか……?


「何で、あの人に余計な口出しをしたんですか……?


「ちひろさんに、口出しする資格なんて無いのに、何でですか……?


「ねぇ、どうして……? どうしてですか……?


「どうして? どうして? どうして? ねぇ、何で?


「どうしてどうしてどうしてどうしてどうして、どうしてどうしてどうして、どうしてどうしてどうしてどうして


「どうしてどうしてっ、どうしてどうしてどうして、ドウシテどうしてどうしてドウシテ、どうしてどうしてどうしてっ!!」


103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/20(水) 12:11:35.60 ID:ACwa9jOx0
勢い良く溢れ出る智絵里からの詰問に、ちひろは何一つ答える事が出来ない。


何かを言えば、余計に火に油を注ぐ事となり、智絵里をより激昂させるかもしれなかった。


それと恐怖も相俟って、おいそれと言葉を口には出来なかった。


「……私の邪魔をする人は、嫌いです


「だから、絶対に許せないです


「でも……」


智絵里はそう口にすると、ゆっくりと後ろにへと下がり、ちひろの腹部から凶器を引き抜いた。


「感謝しているのも、嘘じゃないです」


無表情のまま、智絵里はその刃先をちひろにへと見せつける。


そこには鮮血など付着しておらず、綺麗なままであった。


出ていたと思っていた刃も、柄の中に収納されていた。


104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/20(水) 12:12:14.86 ID:ACwa9jOx0
智絵里は凶器を突き刺したのでは無く、ちひろの腹部に突き立てていただけなのであった。


だからこそ、ちひろは痛みを感じず、出血もしていなかったのである。


「なので、今回は許してあげますね」


にっこりと天使の様な笑みを浮かべつつ、慈悲深く智絵里はそう告げる。


「でもね、ちひろさん……」


だが、それは束の間の事であった。


一瞬にして、その表情は無機質なものにへと変化する。


「次は絶対に、許しませんから」


天使から悪魔にへと様相を変え、残酷にも智絵里はそう宣言した。


「それじゃあ……お疲れ様です」


ちひろからの返答を聞かないまま、智絵里は踵を返して事務所から出て行った。


一人残されたちひろは、智絵里が去った後、その場にぺたりと尻餅をついた。


そして二度と、あの二人を敵に回す様な事は絶対にしないと、心の中でそう誓うのであった。



105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/20(水) 12:16:03.58 ID:gIs23y7DO
カッターナイフか

プラスチックでもスパスパな一番よく切れる(お高いけど)のならともかく、智絵里が購入しても不審がられないのでは、服の上からではねぇ……
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/20(水) 12:37:45.06 ID:ACwa9jOx0





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私は、幸せになりたかった。


ずっと、ずっと……幸せになりたくて、幸福を求め続けてきた。


……だけど。今はもう、違う。


今の私は……とっても幸せ。ようやく、幸せになれたんだ。


まだまだ邪魔をする人はいるけれども、そんなものは関係無い。


養分を奪おうとするのなら、余計な雑草は刈り取ってしまえばいい。


邪魔な虫が寄ってくるのなら、それを駆除すればいいんだ。


私の大事な、大事な大事な、幸運の四つ葉のクローバーを、絶対に渡しはしない。


107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/20(水) 12:38:26.57 ID:ACwa9jOx0
本当は押し花にしてしまって、しっかりと閉じ込めておきたいけれども。


それは可哀想だから……絶対にやらない。


あの人に嫌われる様な真似は、したくはないから。


だからこそ、私は今日も四つ葉のクローバーを伴って、ありふれた幸福に包まれる。


それで私は、満足なのだから。


私が満足なら、あなたもきっと、幸せですよね。


ねっ? プロデューサーさん。


私はあなたを、絶対に見捨てはしません。


だから……


私を、見捨てないで、下さい……ね?






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終わり


108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/20(水) 12:41:30.44 ID:ACwa9jOx0
とりあえず、これにて完結となります。

これまで長々とお付き合い下さり、ありがとうございました。

この作品を読んで不快な思いをされた方、すいませんでした。

109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/20(水) 12:45:43.65 ID:ACwa9jOx0
ちなみに、この作品……私が昔に書いた作品の加筆修正版となります。

久しぶりに気が向いて、読んでみようと思ったら、とても読みにくくて仕方が無い。

書いている当時は何とも思っていませんでしたが、今になって読むと恥ずかしい限りでした。

なので、今回は久しぶりに筆を取り、修正しようと試みました。

初投稿とか、嘘を言ってごめんなさい。

というよりも、最初に文章を投稿した後に直ぐに特定されてて、少し焦りました。

何で直ぐにばれたのか、今でも良く分かりません。



110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/20(水) 12:47:29.32 ID:ACwa9jOx0
ちなみに、その当時の作品がこちら。

智絵里「マーキング」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1476481390/

修正しまくった結果、何か別物に変わっている気がしますが、気にしない事にします。

111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/20(水) 12:52:22.80 ID:ACwa9jOx0
また気でも向けば、何か書いていこうと思います。

それでは依頼を出してきます。

ここまで読んでくださった方々、本当にありがとうございました。


112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/21(木) 19:39:34.00 ID:H6bbOOWBo
やっぱりあなただったか
おつおつ
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