理樹「おそらく人違いで知らない人からキーアイテム的な物を渡された」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/14(木) 11:05:55.61 ID:ljEZV2mB0
とある美術館

理樹「いや〜美術館なんて久々に来たよ。来ヶ谷さんは?」

来ヶ谷「まあ嗜む程度にはね」

理樹(今日は来ヶ谷さんと美術館に来た。事の始まりはこうだ)


・・・・・・・・・・・・・・・

2日前

理樹部屋

理樹「やった!ドラ乗ったから倍満だ!」

真人「ぐぁぁ〜〜!?カンしたのが裏目に出ちまったっっ」

恭介「あ、そうだ。なあ理樹、知り合いのおっさんから美術館のチケットをもらったんだが期限が明後日までなんだ。捨てるのも勿体ないし、代わりに見に行ってくれないか?」

理樹「凄い唐突だね……美術館って言うけど恭介は見に行かないの?」

恭介「実は映画部の連中から役者を頼まれていてさ、どーしても時間が取れないんだ。一応貰ったチケットを渡しておく。1枚で2人まで入れるから誰か呼んでみたらどうだ?」

理樹「謙吾はどう?」

謙吾「あいにく俺もその日は道場で練習試合の審判を引き受けるんだ」

真人「おい理樹俺にも聞いてくれよっ」

理樹「……真人はどう?」

真人「美術館は静かすぎてすぐ寝ちまうから遠慮しておくぜ…」

理樹「そんな事言うと思ったよ!なんでわざわざ言わせたのさっ!」

コンコン

理樹「空いてますよー」

ガチャ

来ヶ谷「やあこんばんわ。理樹君、この間借りていた本を返しに来たよ」

恭介「お、来ヶ谷じゃねえか。なあ、理樹」

クイクイッ

来ヶ谷「なんだそのアゴをしゃくる仕草は?」

理樹「あっ、そっか。ねえ、来ヶ谷さん美術館とか興味ない?」


・・・・・・・・・・・・・・・

来ヶ谷「にしても人が多いな。流石、都会の美術館と言ったところか」

理樹「そうだねぇ」

理樹(確かに僕が昔、夏休みの宿題で美術館に行った時はほとんど人がいないようなものだったのに、ここは一つの作品に必ず誰か観ている人がいるほどの人気だった)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1550109955
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/14(木) 11:43:10.74 ID:ljEZV2mB0
理樹(そんなこんなで作品を見ていくと気になるものが目に留まった)

理樹「あっ、見て来ヶ谷さん。『友人との温泉』だって」

来ヶ谷「友人との温泉か……フフフ、あれは楽しかったな。君らの奇妙な声が面白かったよ」

理樹(おそらく来ヶ谷さんの言う奇妙な声とは、僕らが修学旅行の穴埋めに行った旅行
で温泉に入った時に、恭介達と女風呂を覗こうとしてしっぺ返しを受けた時のことなんだろう)

理樹「いやはや、まさか野口英世が出てくるとは思わなかったよ……というかアレどんな仕掛けで…」

「野口英世!」

理樹「えっ?」

理樹(僕らが思い出話をしていると、すぐ後ろの休憩スペースになっているベンチで座っていた年老いた紳士らしき人が立ち上がった。焦げ茶色のコートに身を包み、シルクハットにステッキと如何にもな風貌だった)

理樹「ご、ごめんなさい。うるさかったですか?」

爺「あなた、今この絵を見て野口英世の名を口にしましたね?」

理樹(最初は会話をしている事に怒られたのかと思ったけど、どうやら違う様子だった)

理樹「そうですけど……」

爺「とうとうこの時が来ましたか。いや、ずっと待ち続けた甲斐がありました!さあこれを……」

理樹(と、お爺さんは胸ポケットから一封の封筒を僕に渡した)

理樹「これは?」

爺「私の主人からでございます。もし、この絵を見て野口英世の名を言う者が来たら渡すようにとの事でした」

来ヶ谷「中には何が?」

爺「見れば分かるとのことです」

理樹(いったいなんの話かまるで分からなかった。しかしお爺さんは僕に手渡すとシルクハットを被り、出口の方へ歩いて行ってしまった)

理樹「ち、ちょっと!いきなりどういう……」

爺「………本来はこんな事を言うのも禁止
はされていますが、私はあなたに会えて光栄でした。是非ともその手で愛知の人々を救って下さい…」

理樹(一瞬立ち止まって言ったかと思うと今度こそそのまま歩いて行ってしまった)

理樹「ええ………」

来ヶ谷「理樹君、その封筒を開けてみようじゃないか」

理樹「えっ、勝手に開けちゃっていいの!?」

来ヶ谷「君がもらったんだ。誰も文句は言うまい」

理樹(確かによく分からないといえ一応僕宛のようだし権利は充分にあった。それにどうせ開けてみるしかないのだ。恐る恐る中身を取り出すと、それは一枚の写真だった)

理樹「……女の人だね」

来ヶ谷「綺麗だな」

理樹(その写真には田舎の街中をバックにピースをする一人の女性が写っていた。見たところ歳は僕らと同じくらいで、着ているワンピースが凄く似合っている印象だ)

理樹「なんでさっきの人はこんな写真を……」

来ヶ谷「……時に少年よ。少年はこの女性に心当たりは?」

理樹「ないなぁ」

来ヶ谷「愛媛の人々がどうのと言う話は?」

理樹「まったく分からない」

来ヶ谷「先程の人は君に見たら分かると言っていたね」

理樹「………」

来ヶ谷「理樹君」

理樹「……うん」

来ヶ谷「多分、人違いだな」

理樹「だよね!?」
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