安部菜々「節分と!」北条加蓮「恵方ロール」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/03(日) 19:16:55.85 ID:0KLIZcKB0
「節分の豆」


――事務所――

北条加蓮「豆の数は、藍子が16個で」ハイ

高森藍子「加蓮ちゃんも、16個ですよね」アリガトウ

加蓮「で、菜々ちゃんの分は――」

安部菜々「ギクッ!!」

藍子「あはは、加蓮ちゃんまだ何も言ってない……」

加蓮「んー……。はい、菜々ちゃん。17個だよね?」

菜々「え?」

藍子「あれっ?」


※藍子→菜々の呼称を原作から変えています。


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2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/03(日) 19:17:57.70 ID:0KLIZcKB0
「17歳を頑張ったご褒美?」


菜々「いやなんでそこで首を傾げるんですか藍子ちゃん! まさかナナが17歳ではないとでも!?」

藍子「そ、そんなこと言ってません〜っ。菜々さんだって首かしげてたじゃないですか、揺らさないで〜っ」

藍子「私は加蓮ちゃんが珍しいことを言っているって思っただけですっ。だって、こういう時って加蓮ちゃん、いつも菜々さんをからかってばかりだから」

加蓮「まーね。でもほら、菜々ちゃんだって菜々ちゃんなりに頑張ってるでしょ?」

加蓮「普通に考えてみてよ藍子。17歳で居続けることって結構難しいことだと思うの。私」

加蓮「でもさ。最近の菜々ちゃんって、雑誌を読んだりファッションの勉強をしたり、すごく頑張ってるでしょ?」

藍子「そういえば、私のところにも教えてほしいって来たことが……。たいしたことは教えられませんでしたけど、菜々さん、すごく真剣でしたっ」

加蓮「だから、今日くらい17歳ってことにしてあげよう! なんてっ」

菜々「加蓮ちゃん……! ううっ、ありがとうございまず〜〜〜〜!」グスッ

加蓮「あーあ、泣いちゃって」
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/03(日) 19:18:28.42 ID:0KLIZcKB0
「結局コイツはこうなのだ」


菜々「そうなんでず、ナナは頑張ってるんでず〜〜〜〜〜〜!」ヒシッ

加蓮「よしよし。菜々ちゃんは頑張ってるねー」ナデナデ

菜々「ぐすっ。まさか加蓮ちゃんにそんなことを言ってもらえるとは……!」

加蓮「ところで菜々おかーさーん、かれん欲しいものがあるの〜♪」

菜々「なんでも言ってください! ナナが買ってあげます!」

藍子「だまされてるっ、だまされてます菜々さんっ」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/03(日) 19:18:57.40 ID:0KLIZcKB0
「さすがに少し恥ずかしかったようで」


(菜々は顔を洗いに行きました)

藍子「ところで加蓮ちゃん、さっきの口調は何だったんですか? 自分のことを名前で呼んだり、甘え声だったり。なんだか加蓮ちゃんらしくなかったような……」

加蓮「…………なんだったんだろうね」(ちょっと顔が赤い)

藍子「もしかして、そういう風になってみたいっていう気持ちがあったり……?」

加蓮「ないないないない。詮索するのやめなさい。あれは……。あれは菜々ちゃんが悪いの」

藍子「菜々さんが?」

加蓮「そう。菜々ちゃんが悪い。菜々ちゃんって言えばさ、聞いてよ、最近あの人――」
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/03(日) 19:19:27.47 ID:0KLIZcKB0
「鬼は外!」


<ドタドタドタ

菜々「ちょっと加蓮ちゃんさっきの誰がお母さんですか――」

加蓮「鬼はー外ぉー!」ブンッ

菜々「ミンっ?! いきなり何っうわっと!」ヒョイ

加蓮「ちっ」

菜々「いきなり何なんですか!? 誰が鬼ですか!」

加蓮「ちょっと1週間毎食ポテト生活をやっただけでツノを生やす菜々ちゃんの、鬼ー!」ブンッ

菜々「ととっ! いやあれは誰でも止めるでしょう! ちゃんと栄養摂りなさい野菜も食べなさいって何度言えば分かるんですか!」

加蓮「うっさい! 人のプロフィールに“野菜で栄養もちゃんと摂ってます”って勝手に書いてー!」ブンッ

菜々「よけるっ! いいじゃないですか! みんな加蓮ちゃんのことを心配してるんですよぉ!」

加蓮「お陰でベジタリアンっぽいお仕事ばっかり来るのよ! 私はもっとポテトが食べたいの! 菜々ちゃんのせいよー!」ブンッ

菜々「ウサミン的回避っ。いいことじゃないですか! もっと健康になりましょう! ととっ、がさごそがさごそ……はいこれっ、ウサミン星の特製野菜ジュースですよ♪」

加蓮「もうそれは飽きたの!」ブンッ

菜々「飽きたとは何ですか飽きだぶっ」チーン

藍子(……節分って、ストレスを解消するイベントでしたっけ?)
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/03(日) 19:19:57.51 ID:0KLIZcKB0
「福は内っ」


藍子「よ〜しっ。それなら私もっ」

藍子「菜々さんっ。福は〜内、ですっ」パラッ

加蓮「藍子。一緒に鬼を退治しようよ!」

菜々「だから誰が鬼ですか!」

藍子「まあまあっ。菜々さんは、ちょっぴり厳しい時だってありますけれど、いつも私たちを温かく見守ってくれる素敵な人ですっ」

藍子「今日だって、事務所のみんなのために、食べやすいサイズの恵方巻きをいっぱい作ってくれたんですよね」

藍子「菜々さんだってお疲れなのに、朝早くに起きて……」

藍子「そんなみんなのお母さんみたいな菜々さんのために……福は内、ですっ」

藍子「菜々さんにも、福がいっぱい訪れますように」(菜々に豆を渡してあげる)

菜々「藍子ちゃん……」

菜々「藍子ぢゃ〜〜〜〜〜ん!」ギュー

藍子「ひゃ」

加蓮「あーあーまた泣いてる。もうっ……ふふっ」パラッ
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/03(日) 19:20:27.61 ID:0KLIZcKB0
「恵方ロール」


菜々「ふっふっふ……」

藍子「?」

加蓮「急にどしたの」

菜々「加蓮ちゃん、藍子ちゃん。ナナ、知ってるんですよ。ナウなトレンドのこと――!」

加蓮「う、うん」

藍子「トレンド、ですか?」

菜々「そう……今は、恵方巻きではなく恵方ロール! お米もいいけど生クリームもね♪」

菜々「ということで実はそれも作って来てみたんです。じゃん♪」

加蓮「おー、ガチなヤツじゃん」

藍子「みてみて加蓮ちゃん。これ、食べるところに菜々さんのウサミミマークが! キャラ恵方巻きになってますっ」

加蓮「うわホントにガチなヤツだ! 美味しそうっ」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/03(日) 19:20:57.36 ID:0KLIZcKB0
「本当に気をつけましょうね」


菜々「どうぞ存分に召し上がってくださいな! っと、ですがその前に」

菜々「加蓮ちゃん、帰ってきた時にちゃんと手洗いうがいはしましたか? また面倒がってテキトーに済ませたりしてません?」

菜々「今はとんでもなくインフルエンザが流行ってますからね。さ、ナナと一緒に手を洗いましょうね〜」ズリズリ

加蓮「ちゃんと帰ってきた時に洗ったわよ! わーこら引きずるなー……」

藍子(あはは、お母さんだ……)

菜々「藍子ちゃんもですよ! ちゃんとお散歩帰りには手洗いうがい、してますかっ?」ヒョコ!

藍子「あ、はい! 大丈夫ですっ」
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/03(日) 19:21:27.41 ID:0KLIZcKB0
「今年の恵方は東北東です」


藍子「恵方巻きですから、恵方を向いて食べましょうっ」

加蓮「今年は……東北東なんだって。どっち?」ポチポチ

藍子「北が、こっちだから……この辺り、かな?」

加蓮「そういえばスマホのアプリで調べれるのあるって言ってたっけ。ちょっと探してみよーっと」

菜々「……なんだか意外ですねぇ。藍子ちゃんはともかく加蓮ちゃんがこういうお話に乗るなんて。最近の若い子も、こういうことに興味を持ってくれるんですね!」

藍子「若い子……?」

菜々「ハッ! ご、ごほん。それより2人とも、恵方ってどうやって決まっているか、というかそもそもどういうものなのか知ってますか?」

加蓮「んー……。言われてみれば。藍子、知ってる?」

藍子「さあ……」

菜々「せっかくですので説明しちゃいましょうか! 恵方っていうのはですね――」

加蓮「あ、ちょっとタンマ菜々ちゃん。ちょっとそこで待ってて。藍子ー」ヒョイヒョイ

菜々「ミンっ?」
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/03(日) 19:21:57.78 ID:0KLIZcKB0
「おしえて! ナナちゃん☆ミ」


藍子「ビデオカメラ、セットしましたよ〜」

加蓮「簡単だけど照明もオッケーっと」

菜々「え、あの? 何が始まるんです?」

加蓮「まーせっかくだからねー」

藍子「ふふっ。せっかくですもんね」

加蓮「藍子、いける?」

藍子「はいっ。では、録画ボタンを……押しました!」

加蓮「オッケー。じゃあ――“おしえて! ナナちゃん☆ミ”」

藍子「この放送では、菜々さんが色んなことを教えてくれますっ」

菜々「!?」
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/03(日) 19:22:27.98 ID:0KLIZcKB0
「本当に本当に気をつけましょうね」


加蓮「今日のテーマは“節分の恵方について”だよ。みんな気になってるよね?」

藍子「恵方って、方角のことですよね。でも、あれって何なのでしょうか? 実は、私たちも知らないんです。菜々さん、教えてくださいっ」

菜々「えっちょっ何コレ!? ビデオっ、撮影!? っていうかそのタイトルこの前酔っ払った時に勢いで言ったヤツ! なんで知ってっ――」

加蓮「まあまあ。菜々ちゃんが詳しい日本酒のことは、別の番組ってことで」

菜々「ハッ! いやその詳しい訳ではなくてこれはそうオトナな皆さんから聞いた、じゃなくて!」

菜々「ちょっとまって今ナナほぼすっぴんっメイクさん! メイクさんはどこですかー!?」

加蓮「インフルエンザでお休みです」

菜々「だから手洗いうがいをするようにとあれほど!」
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/03(日) 19:22:57.50 ID:0KLIZcKB0
「他にはスターウサミンとかキュートウサミンとか」


加蓮「テイクツー行くよ。“おしえて! ナナちゃん☆ミ"」

菜々「みんなの心にウサミンハート! ナナで〜すっ♪ 地球には面白い文化がいっぱいありますよね。それを、ナナが解説しちゃいますよぉ! キャハッ☆」

加蓮(プロだ……)

藍子(ああっ、私のセリフパートが〜)

加蓮「……き、今日のテーマは“節分の恵方”だよー」

藍子「恵方って、そもそも何なのでしょうか? 菜々さん、教えてくださいっ」

菜々「がってんしょうち! 恵方っていうのはですね、歳徳神という神様……そうですね〜」

菜々「ウサミン星で言えば、キラキラウサミン! キラキラウサミンがいる方角なんです!」

加蓮「キラキラウサミン……?」

藍子「このウサミンのことですよね♪」(キーホルダーを取り出す)

加蓮「いるの!?」
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