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マクギリス「インフィニットストラトス…胸が踊るな」
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350 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2019/12/31(火) 19:34:46.87 ID:oMQt9e620
マクギリス「使わせて貰うぞ、イオリア…」
マクギリス「クリスマスにクロスレイズを貰ってしまった。バエル、やたらと使い勝手が良くて良いな。フェイズシフトなど、バエルソードの前には無力…!」
マクギリス「さて、諸君。大変待たせてしまったが、のんびりと書きながら年越しをさせて貰おう」
マクギリス「では諸君、来年もバエルの元に集え!」
351 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2019/12/31(火) 19:48:47.23 ID:oMQt9e620
マクギリス「それで、いくつ確保出来たんだ?当然、秘匿するのだろう?」
ガエリオ「なに?それはなんの話だ」
千冬「やはり、気付くか。お前ならば。確保したコアは14機分だ」
マクギリス「それだけの数を悪戯に晒せば、水面下での奪い合いに繋がりかねない。とはいえ、隠せば学園を危険に晒す」
ガエリオ「…面倒な事だな。いっそ壊してしまえばいい。そうすれば、要らぬ争いにはならない」
マクギリス「事はそう簡単ではないのさ、ガエリオ。戦力が必要なのは諸外国だけではない。…この学園も、戦力が必要なのさ。特に、事態が混迷しつつある現状には、な」
ガエリオ「だから使う、ということか」
千冬「ああ、そういう事だ。本来なら学園に戦力なんぞ要る事態になる方がおかしいんだがな…」
マクギリス「致し方ないさ。我々の様なイレギュラーに、一夏。火種は撒かれてしまっている。…ともかく、機体の手配はこちらでしよう。ギャラルホルンならば、秘密裏の輸送が出来る。ガエリオ、君の力を借りたい」
ガエリオ「いいだろう。何をすれば良い」
マクギリス「レギンレイズのデータだ。覚えている範囲で構わない。多少なり、性能を向上させる事が出来れば御の字だ。アリアンロッドに居た君ならば、多少は目にしただろうしな」
ガエリオ「なるほど、それを量産して学園の護りにとするわけだな」
マクギリス「ああ。この場所は、失うには惜しい…いや、失う訳にはいかない」
352 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2019/12/31(火) 20:16:25.27 ID:oMQt9e620
ガエリオ「…ふっ」
笑われた。何故だ。
マクギリス「…笑う所だったか?」
ガエリオ「いや、すまん。お前も随分と良い方向に変わったものだと、な。…夢にも思っていなかったからな」
マクギリス「夢ではないさ。彼らとの生活は、決してな」
千冬「…ともかく、明日には事情聴取もある。今日はもう休め。ファリド、機体の方は出来る限り急いでくれ」
マクギリス「ああ、解っている。行くぞ、ガエリオ」
ガエリオ「…ああ。行こう、マクギリス」
353 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2019/12/31(火) 22:02:57.01 ID:oMQt9e620
翌日。事情聴取の為に部屋を出た私の前に居たのは簪だった。
マクギリス「…何故、私の部屋の前に?」
簪「ま、ママ、マクギリスも、行く、でしょ?」
マクギリス「ああ、事情聴取かな?無論だとも。共に行こうか…ところで、楯無の具合は?」
簪「お姉ちゃんは…しばらく、医療室で経過観察…」
マクギリス「無理もない。彼女に見舞いの差し入れが必要だな。楯無は何が好きなんだ?」
簪「けん玉。」
マクギリス「確か、玉を木槌で突き上げるなどして遊ぶ玩具だったか。意外だな…後は編み物などはどうかな」
簪「お姉ちゃん、編み物は…下手」
マクギリス「ふむ…良い機会だ、編み物もついでに入れておこう」
簪「マクギリス、いじわる…」
マクギリス「ささやかな仕返しさ。彼女には散々振り回されているんだからな」
簪「ふふっ…」
マクギリス「ところで、その紙袋は?」
簪の抱える紙袋が、気になり始めた。
354 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/01/01(水) 00:24:15.37 ID:4z+dM3RH0
簪「これは…マクギリスに、見て欲しいの…」
マクギリス「ふむ、これは…」
中身は、この時代のデータ記録媒体…アニメーションを記録したDVDだった。
簪「良かったら、見てみて…欲しい」
マクギリス「この国の文化なんだったな。ちょうど良い、学ばせてもらおう。アニメ文化というものを」
マクギリス「にしても、これほどの種類とは…よほど、好きなんだな」
簪「う、うん。…好き…」
マクギリス「これは…ロボット、か?興味深いな」
簪「あ、の…」
マクギリス「ん?どうした、顔が赤いが…」
簪「だっ…大好き…!」
マクギリス「あ、ああ…」
簪「そ、それじゃ…!」
そのまま、走って先に行ってしまった。
マクギリス「…よほど、アニメが好きなんだな。そんな簪が勧めるのだから、とても素晴らしいんだろう」
紙袋を抱えたまま、聴取の現場たる指導室へ。…何故だか、嫌な予感がする。
355 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/01/01(水) 00:32:12.22 ID:4z+dM3RH0
マクギリス「さて、すまないが明日は所用でな。朝早くから出掛けねばならんのでここまでだ」
マクギリス「明日も夜には書きたいと思う」
マクギリス「では諸君、明けましておめでとう。今年もまた、読んで貰えると嬉しい」
マクギリス「ところで、正月特別編とか…やはり、読みたいかね?読みたいと思うのであれば「さあ、目覚めの時だ…」と、本編、早く進めろ!と思うのならば「アンタ何言ってんの?」と書き込んで貰いたい」
マクギリス「では、また明日の夜に」
356 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/01(水) 01:35:22.18 ID:xmJQCDOG0
あけおつ
357 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/01(水) 01:35:44.53 ID:Q3zwRuvoo
あけましておめでとうございます、さぁ目覚めの時だ…!
358 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/01/01(水) 19:48:17.09 ID:4z+dM3RH0
正月特別回「ニューイヤー・ニューアグニカ」
一夏「いやぁ、今年も無事乗り切れたな」
初詣の列に、早朝から並ぶ中で一夏がぼやいた。
マクギリス「無事…なのか?散々大変な目にあった気がするのだが…」
一夏「頼む、言わないでくれ。新年早々嫌な事件を思い出したくない」
シャル「今年は何も無いと良いなー…いや、やっぱ無理かな…」
ガエリオ「やめないか、新年早々に気が滅入る。…しかし、これが日本の風習か」
箒「ああ。新年には神社に初詣に行き、新しい年が良き一年になる様に祈る」
鈴「まあ、細かい作法とかは気にしないで良いわよ。取り敢えず神頼みってもんなんだし」
ラウラ「まあ、細かく言われても分からんのだがな」
359 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/01/01(水) 20:37:45.45 ID:4z+dM3RH0
「右から2番目、ワンテンポ遅れてるわよ!はいもう一回!」「「「「「「「新年、明けましておめでとうございます!」」」」」」
ガエリオ「なあマクギリス、今の声…」
マクギリス「気のせいだガエリオ。気にしてはいけない」
一夏「…えっと…うん、気にしないでおこう。にしても、他の皆も来れたらなー」
マクギリス「仕方ないさ。大半は帰国せねば家族に会えんしな。更識姉妹とて本家に顔を出さん訳にはいかんだろうしな」
ガエリオ「これ以上の大所帯では、色々苦労するだろうしなぁ。…と、俺たちの番みたいだ」
マクギリス「確か、賽銭箱に金銭を入れて、ご利益を願う…だったな」
箒「ああ。15円辺りでいいと思うぞ」
マクギリス「そんな低価格で?何か意味が?」
一夏「十分に御縁があります様に、ってさ」
ラウラ「なるほど、語呂合わせというやつだな」
360 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/01/02(木) 00:15:00.43 ID:LEzlBqZd0
マクギリス「成る程。日本人は古来よりその様なげん担ぎを生業としてきた訳か」
納得して、小銭を賽銭箱に放る。
鈴「これやんないと、新年って感じしないのよねー」
ラウラ「そんな物か」
シャル「ねえ、おみくじ引いてみない?」
箒「うむ。先行きを見てみるのも正月の醍醐味だな」
マクギリス「…おみくじ、か」
ガエリオ「どうした、マクギリス」
一夏「前回は凶引いてたからな。まあ、今回は大丈夫だろ」
揃って、おみくじの紙を開く。結果は…
マクギリス「なん、だと…?」
シャル「あちゃ、凶だったんだ…」
ガエリオ「くじ運が無いな、マクギリス…俺は中吉だな。何、恋愛の兆しあり、だと?」
マクギリス「犯罪だぞ、ガエリオ」
ガエリオ「待てマクギリス、生徒に手を出すつもりはないからな!?というかお前に言われたくないわっ!」
シャル「あー、婚約者は9歳だったんだっけ…僕は吉かな。幸せが陰ることは無い、らしいよ」
361 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/01/02(木) 00:34:58.84 ID:LEzlBqZd0
マクギリス「…波乱、留まる事を知らず。そろそろ胃に穴が空きそうだ」
ラウラ「そう肩を落とすな、嫁よ。私は大吉だから、運気を分けてやる」
マクギリス「ありがとう、ラウラ…」
鈴「うーん、末吉かー…」
箒「私は大吉だぞ」
鈴「ドヤ顔やめなさいよ、腹立つわね」
一夏「喧嘩すんなってお前ら…お、俺も大吉だ」
マクギリス「ドヤ顔はやめて貰おうか、抉るぞ」
一夏「何処を!?」
ガエリオ「まったく、僻むなよマクギリス…色々変わり過ぎだろ、お前…」
マクギリス「ガエリオ、再度言っておくが生徒は犯罪だぞ」
ガエリオ「さっきのは悪かったから犯罪犯罪言うのはやめろ!周りの目が痛い!」
362 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/01/02(木) 02:13:51.70 ID:8AdGDS/rO
ガエリオ「で、これからどうする」
一夏「絵馬にお願い事を書いたり、かな」
マクギリス「それはまた…なんだか、他力本願な気がするのだがな」
箒「まあ、叶えてくれたらありがたい、程度の物だ。あまり変な願いにはするなよ?」
鈴「そうそう。あたしは…取り敢えず秘密」
ラウラ「ふむ、私は嫁との幸せな結婚生活だな」
シャル「ラウラ、それは色々とおかしいよ…僕は皆と笑って過ごせたら良いかな」
マクギリス「…楯無がもう少し自重という言葉を理解してくれますように、かな…」
ガエリオ「どれだけ振り回されて来たんだ、お前…俺は、そうだな。……いや、俺はいい。あまり思い付かない」
一夏「そうか?俺は無病息災かな」
箒「年寄りかお前は…私は…うん、私も秘密だ」
一夏「なんだそれ。まあ、他人の願いを詮索する趣味は無いけどさ」
363 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/01/02(木) 18:31:15.35 ID:LEzlBqZd0
一夏「書いた奴は皆掛けたなー?あとはお守りくらいか?」
箒「だな。…む、甘酒を配っているな。皆で貰おう。体が温まるぞ」
マクギリス「甘酒?」
ガエリオ「君たちは未成年だろう?感心しないな」
鈴「字面だけ見るとアウトだけど、分類的にはお酒じゃないから大丈夫よ」
シャル「へー…あ、美味しい」
ラウラ「ほんの僅かだがアルコールがあるな。1%未満だろうが」
マクギリス「よくわかるな、それを…ふむ、これはこれで良いな」
一夏「まあ、マクギリス達には新鮮だろうな」
マクギリス「三百年後のギャラルホルンには見られない文化だからな。いや、もしかしたらイシュー家やクジャン家ならばこの様な文化を知っていたかもな」
ガエリオ「確かに、あの二人が好みそうな気風だな」
364 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/01/03(金) 01:15:03.64 ID:ZJjE7lhH0
マクギリス「で、次はお守りか。…私は厄除けだな。どこぞの会長という厄をなんとかして欲しい」
ガエリオ「お前がお気に入りなんだろう。微笑ましいじゃないか」
マクギリス「その台詞、あの女に振り回されてから言って欲しい」
ガエリオ「やけに言うな。まあ、お前が周りにしっかり目を向ける様になった証なんだろうがな…俺は…そうだな、旅行安全といこう」
一夏「どっか旅行でも行くのか?俺は家内安全かな」
箒「お前は…いや、もう何も言わん。私は…恋愛成就だ」
鈴「あたしもあたしも」
ラウラ「私は子宝祈願にすべきと、クラリッサが言っていたな」
シャル「待とうかラウラ、その副官絶対ダメなタイプだから」
365 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/03(金) 07:58:17.75 ID:/oiLt37u0
とりあえず乙
366 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/01/08(水) 17:59:21.91 ID:GT+cQf3V0
マクギリス「にしても、これが初詣か。馴染みは無いが、悪くはないな」
一夏「だろ?誘って良かったぜ」
箒「うむ。祝い事は大勢で楽しむべきだ」
マクギリス「ああ。では諸君、改めて…」
「「「「「「「「明けましておめでとう!今年も宜しくお願いします」」」」」」」」
オルガ「今年も一年、止まるんじゃねえぞ…」
三日月「うん。俺たちは止まらない」
367 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/01/08(水) 18:04:23.48 ID:GT+cQf3V0
マクギリス「さて、正月記念回はここまでだ。次回からは本編に戻ろう」
マクギリス「本当は三箇日中に終わらせるつもりだったが、携帯を祖父母宅に置き忘れるというミスを冒してしまったのだ…」
マクギリス「ともかく、早ければ今週末には更新するつもりだ。気長に待っていて貰いたい」
マクギリス「では諸君、新年もバエルの元に集え!」
368 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/01/13(月) 01:28:50.64 ID:UPKgVDo30
指導室に着いた私だったが、何やら騒がしい事に気付く。
意を決して、ノックを行い中に入る。
ガエリオ「いやだから、折檻ってなんだそれはっ!?」
カルタ「お黙りっ!この世界に居る時点で無様を…」
取り敢えず、ドアを閉める。部屋を間違えた様だ。
ガエリオ「いや待てマクギリス、助けてくれ!」
カルタ「逃がさないわよ!というかマクギリス、貴方も来なさい!」
マクギリス「…どういう状況なんだ、これは。何故、君が此処に居るんだ、カルタ」
仕方なく、ドアを開け直す。そこには、よく知る二人が居た。
カルタ「それは私の台詞よマクギリス!コイツだけじゃなくて貴方までこっちに来てるなんて!」
ガエリオ「相変わらず俺の扱い雑だな…」
369 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/01/13(月) 02:08:11.23 ID:UPKgVDo30
マクギリス「…何故、か。君と同じさ、カルタ。私も命を落とした、それだけだ」
カルタ「…そう。貴方も、鉄華団…だったかしら、に?」
マクギリス「いや、違う」
ガエリオ「俺は死んだ覚えはないぞ、言っておくが」
マクギリス「…えっ」
カルタ「…えっ?」
ガエリオ「色々ありすぎて詳しく話せて無かったが、俺は死んだ覚えはないんだよ。普通に暮らしていたら、何故かこの世界に飛ばされた。それだけだ」
ガエリオ「…で、だ。マクギリス。…やはり、打ち明けるのか?全てを」
マクギリス「…当たり前だろう。カルタには知る権利も、断罪する権利もある…隠し立てする事は、許されない」
そうして、私は全てを打ち明けた。私の死の経緯を。行いを。…カルタが命を落とす様に仕向けたのは、誰か、を。
370 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/01/25(土) 17:49:00.43 ID:yHYwmq2HO
一夏「マクギリス、大変だああっ!」
マクギリス「うん?どうした、一夏」
一夏「これを見てくれっ!」
マクギリス「これは…」
2020年 マキシブーストON 発売決定
マクギリス「…フッ、ハッハッハッハ!」
ガエリオ「乗れ、マクギリス。(家庭用で)乗れるのだろう?」
マクギリス「俺は先に(家庭用に)進むぞ、ガエリオ…!」
セシリア「サバーニャもありましてよ!乱れ撃ちですわ!」
箒「フルセイバーも良いな。トランザムすれば紅椿だ!」
ラウラ「エクセリアに乗ればバエルと組みやすいな。練習しよう」
シャル「アリオスはコストアップしてGNHW付きになったね。これも機動力あるしバエルの援護しやすいかな」
楯無「色んな機体が増えてるから良いわね。どれにしようかしら」
簪「皆、気が早過ぎ…」
371 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/26(日) 13:24:54.70 ID:oa6i8wTB0
マキシブリス乙
372 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/02/12(水) 18:19:43.90 ID:PsRtodlj0
マクギリス「…つまり。君や君の部下を間接的とは言え殺したのは、この私だ」
カルタ「なるほど、ね…あああ、もう、腹立つわぁ!」
マクギリス「君の怒りも当然だ。如何なる断罪でも甘んじて受けよう」
カルタ「違うわよっ!つまり結局のところ私があいつらより、弱かった!全て貴方の評価程度の力しか無かった!そういう事じゃないの!」
ガエリオ「カルタ、お前…」
カルタ「私が強ければ良かった!弱かったから貴方の思い通り!違うかしら!?」
マクギリス「いや、それは…」
カルタ「はぁ…今更もう、恨む気は無いわ。なんだかんだでこっちも楽しいし、今の私は立場ある身の上。貴方に手を出してしまえば部下共々路頭に迷う羽目になる。そんな選択は出来ないわ」
マクギリス「…やはり君は、変わらないな。高潔で誇り高い…」
カルタ「で、ガエリオ。やっぱりアンタも無様晒してるじゃない!?ここ一番でマクギリスに負けたとか武官ぶってた癖に情けないわね!」
ガエリオ「いきなり矛先がこっちに!?仕方ないだろう、流石に動揺したんだ!」
マクギリス「そう仕向けたのは私だ。ガエリオを責めても仕方ないさ」
カルタ「…はあ、もう良いわ。聴きたい事は聞いたしさっさと帰りなさい、つぎがつかえてるのよ」
ガエリオ「やっぱり俺の扱い雑だな…同じ幼なじみなんだがなぁ」
カルタ「次、入りなさい」
ドアを開けて告げるカルタ。応えたのは…
三日月「あ、俺?」
カルタ「その、声…バルバトスの…」
三日月「ん?誰だっけ」
マクギリス「か、カルタ?どうした?」
そのままガタガタ震えると、パタリと倒れた。…どういう事だ
ガエリオ「か、カルター!?しっかりしろ!」
カルタ「バルバトス怖いバルバトス怖いバルバトス怖いバルバトス怖い」
ガエリオ「トラウマになってる!?しっかりしろ、カルタぁあ!」
373 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/02/12(水) 18:51:20.32 ID:hK39ynjD0
数日後。女子のスリーサイズを測るという楯無の謀略や、一夏の風邪などを乗り越え学園の機能が取り戻されつつあった。
マクギリス「三日月、ガエリオ。少し、私に付き合ってくれ」
三日月「どしたの?」
ガエリオ「ガンダムフレームのパイロットを集めてとは、穏やかでは無いな」
マクギリス「何、そう深刻な話では無いさ。先の戦いでのダメージチェックとシステムメンテナンスが必要だろう。ガンダムフレーム機は損傷が薄かったとはいえ、そろそろ、な」
ガエリオ「他の連中…特に二年、三年は本国でのメンテナンスが必要な程だと聞いた。厄介な事だ」
マクギリス「一年も被害は甚大だ。主力になり得るのは我々だけだ」
三日月「だから、さっさと万全にメンテしようって事?」
マクギリス「ああ。石動が準備してくれている」
ガエリオ「なるほど。では、早く済ませてしまおう」
向かうは、IS学園からさほど遠くない場所に新設されたギャラルホルン本社地下工廠。
374 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/02/12(水) 19:14:23.11 ID:J8xqn0vB0
石動「お待ちしておりました、准将。こちらへ」
マクギリス「ああ、頼む」
メンテナンス用ハンガーに、起動状態のバエルをセットする。
ガエリオ「まさか、これほどの設備を用意しているとはな…」
三日月「頼んだ」
同じく、キマリスとバルバトスがセットされた。
石動「本社の改名と移転と同時に、全てギャラルホルンで解析、製造し直した設備だ」
ガエリオ「移設した訳では無いのか?」
マクギリス「旧CMIの設備は全て、篠ノ之束が用意したものだったからな。…奴にはキナ臭いモノを感じる。下手な事をされない様に、設備は一新させたんだ」
ガエリオ「なるほどな」
石動「加えて、この工廠は独自のスタンドアロンタイプのシステムにしている。ハッキングは不可能だ」
ガエリオ「それまた、厳重な事だ」
マクギリス「ギャラルホルンの技術は外部には遥かに高度過ぎる。漏れれば要らぬ争いに繋がる危険もある。当然だ」
マクギリス「…どれくらい掛かりそうだ?」
石動「ハード自体の損傷はバエル、バルバトス、キマリス…どれも軽微です。多少の整備で問題無いかと。ただ、無人機による干渉、それに対するバエルによる強制的な耐性の構築によるソフト面での負荷がかなり大きいですね…この分であれば、5時間程頂きます、よろしいですか?」
マクギリス「万全に仕上げる必要がある、頼む」
石動「承知しました」
375 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/02/12(水) 19:30:42.74 ID:c5+4z0aT0
マクギリス「三日月は適当に休んでいてくれ。ガエリオ、こっちだ」
三日月「ん、わかった」
ガエリオ「例の奴か?」
マクギリス「ああ。レギンレイズのデータを頼む」
ガエリオ「とはいえ、乗った事は無いが…整備を見た事はある。ある程度は任せろ」
マクギリス「苦労をかけるな」
ガエリオ「気にするな。お前の、ようやく見つけた居場所を守る為だ」
マクギリス「…私の、か。そうだな。お前にはまだ、向こうでやるべき事があるから、な」
コンソールに入力されていく、レギンレイズのデータ。
ガエリオ「…お前は、戻る気は無いのだろう?」
マクギリス「…今更戻れんし、戻る権利は無いさ」
ガエリオ「今のお前ならば、身分を隠せばラスタルだって…」
マクギリス「ガエリオ。俺の役目はもう終わったんだ。…私はこの世界で、頑張って行くさ」
ガエリオ「…すまない、無粋な事を聞いたな」
376 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/02/12(水) 19:47:43.65 ID:UxLt5OSy0
ガエリオ「…こんなところか。微々たるものですまんな」
マクギリス「いや、想像以上だ。これならば、防衛戦力の構築も予定より速められそうだな」
石動「准将!緊急事態です!」
マクギリス「どうした?」
石動「先程学園から緊急連絡が入りました。地下施設ならびに学園のメインシステムが攻撃を受けている模様です」
マクギリス「やってくれる…状況は」
石動「既に別口から、米国の特殊部隊の潜入をこちらも確認しています」
マクギリス「早急に学園に戻る必要があるな。機体は」
石動「後は空輸機で調整しながら学園まで移送すれば、移動中に完遂出来ます」
マクギリス「わかった、準備を急いでくれ」
石動「はっ!」
ガエリオ「忙しい事だ…俺たちが離れた途端にこれか」
マクギリス「むしろ、離れたからこそだろうが…腑に落ちないな。学園のシステムがそう簡単にハッキングされる筈がない。厄介だな」
ガエリオ「裏がある、か…ともかく、戻るしかないな」
三日月「なんにしても、皆が心配だ」
石動「こちらです、お急ぎを!」
377 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/02/12(水) 20:11:23.04 ID:wn5w2MmA0
空輸機での輸送中に、織斑千冬に連絡を取る。
マクギリス「私だ。状況は」
千冬『あまり芳しくは無い。着き次第、ファリド隔壁を破壊して地下施設に合流を。他は学園周囲の警戒を』
マクギリス「了解した」
ガエリオ「中枢はお前か。まあ、適任だな。頼むぞ」
三日月「近付いてくる奴を叩けば良いんでしょ?」
マクギリス「殺すなよ?この世界では特に問題になる」
三日月「わかってる」
石動「では、御武運を、准将」
マクギリス「ああ、ありがとう、石動」
各員、機体に乗り込み降下する。
378 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/02/12(水) 21:17:38.21 ID:phYeZDRv0
マクギリス「あれは…!」
黒ずくめの、恐らくは潜入した部隊。それが運んでいた少女に、考えるよりも早くバエルを操る。渡り廊下の窓を突き破り、周りの黒ずくめを回し蹴りで蹴り飛ばし、運ばれていた少女…楯無を受け止める。
マクギリス「楯無、しっかりしろ…楯無!」
生体反応に問題はない。…なんらかの薬品か。
楯無「マク、ギ…りす、さん?」
マクギリス「ああ、私だ。…君らしくないな、全く。もう医務室に着く、守りは三日月達に任せて、君は休んでいろ。腹部の怪我は…治療はされているな。生け捕り目的か。下衆が…」
楯無「ごめん、なさい…」
マクギリス「殊勝な君も悪くはないが、やはり君は不敵に笑っていた方が好ましい。早く傷を癒せ、良いな?」
楯無「う、うん…」
楯無を医務室に預け、地下施設へと急ぐ。…途中、一夏と合流する。
379 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/02/12(水) 22:56:50.76 ID:4Mw3Aq8R0
一夏「こんな施設があったのか…」
マクギリス「口外はするなよ。学園の安全に関わる」
一夏「解ってる」
ドアを開けた先には、拘束された見知らぬ女、織斑千冬に山田先生。
マクギリス「状況は?何が起きている」
千冬「説明の時間が惜しい。二人で篠ノ之達を救出しろ。座標データを送る」
マクギリス「了解した」
一夏「な、何が起きてんだ…?」
座標データの先には…簪と、ベッドに眠る一年の専用機持ち達。
マクギリス「一体何事だ、これは…?」
一夏「更識さん、何があったんだ!?」
簪「えっと…その…」
口下手な簪には説明は難しかったのだろう、端末の画面に詳しい状況を書き出して見せてきた。…どうやら、箒達は乗っ取られてしまった学園のシステムを取り返すべくISを使い、メインシステムへの電脳ダイブを敢行。しかし、敵の攻撃により連絡が途絶え、彼女達も目覚めないだろう、との事。
380 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/02/13(木) 00:01:38.60 ID:17asOFyp0
マクギリス「それで、我々はどうすれば…!?」
不意打ちで簪に押し付けられたスタンガンにより、速やかに意識を刈り取られた。
マクギリス「何をするっ、…ん?」
気付けばそこは、森の中…否、電脳空間なのだろう。
一夏「いってえ!?何すんだよ!?…あれっ」
遅れて、一夏も現れた。
簪『聞こえる?二人とも…森の中のドアに急いで。その先に、皆は居るはず」
「その先に俺は居るぞぉ!」
マクギリス「今、何か聞こえたか…?」
一夏「き、気のせいだろ、多分…とにかく行こう」
意を決して、ドアに突入する。
381 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/02/13(木) 01:31:20.16 ID:PE/RZ2jk0
セシリア「ふう…」
セシリア(私はセシリア・オルコット。イギリスで最大規模のオルコット社を束ねる、若き総帥)
手元の特別製のベルを鳴らす。三秒後に、ドアが開く。
「お呼びでしょうか、代表」
セシリア「…私、今日の職務は終わっていますわよ」
「これは失礼しました、お嬢様」
セシリア「もうっ、二人っきりの時は…解ってらっしゃいますわよね?」
「フ、すまなかった、セシリア」
そう答えたのは、私専属の執事にして幼なじみのマクギリスさん。
セシリア(今は主従関係ですが、いずれは将来を誓い合う仲。二人っきりですし、甘えませんと!)
マクギリス「いや、意味がわからないぞ、セシリア。私は君の執事ではないだろう」
セシリア「へ、?」
セシリア(ま、マクギリスさんが二人!?)
マクギリス「どういう構造かは知らないが、偽者に勝手をされるのは気分が悪い。消えて貰おうか!」
バエルの剣の一太刀で、執事服のマクギリスさんが両断された。
セシリア「あ、あああー!?」
マクギリス「…認識を弄られているのか?セシリア、よく思い出せ。私は君の執事では無かったはずだ。違うか?」
セシリア「違…いませんけど、…うう…」
マクギリス「…全く、困った子だ。しっかりしてくれないか」
セシリア「でも、でも…むうう、頭に来ましたわ!」
偽物の空間に、ヤケになった攻撃を放つ。空間が崩壊し、元の森に戻される。
382 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/02/13(木) 01:40:54.97 ID:GigU5kqp0
マクギリス「ん?」
セシリア「えっ?」
一夏、鈴「「あっ」」
そこに居たのは…何故か、中学生の制服の鈴と、その鈴のパンツを太ももの中間あたりにさせている一夏、だった。
マクギリス「………は、っ?」
セシリア「な、何をしてらっしゃいますの…」
流石に、ドン引きせざるを得ない絵面だ。
一夏「まっ、待て待て待て、誤解だあああっ!」
鈴「そっ、そうよ二人とも!私もこの一夏とはやましい事は何もしてないから!してないから!」
セシリア「いえ、この非常時にやらしい事をなさっていた弁明なら後で織斑先生にでもなさって下さい。マクギリスさん、お手を煩わせましたわね」
マクギリス「いや、気にするな。君は先に戻っているといい。まだ、他にも居るだろうからな。始末せねばなるまい」
セシリア「御武運をお祈りしてますわ」
一夏「頼むから話を聞いてくれ!?」
マクギリス「まあ、その、…葬式には、キチンと出席するから安心してくれ」
一夏「死ぬの確定かよ!?いやだから誤解なんだってぇえ!」
383 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/02/13(木) 02:07:37.84 ID:sNHRjpO80
マクギリス「ともかく…次だ」
まだ、目覚めていないメンバーが居るはず。何やら甚大なダメージを受けて蹲る二人を無視してドアに再び入ろうとして…開かなかった
簪『多分、反撃に気付いて敵にロックをかけられた」
マクギリス「どうすればいい?」
簪『変装。恐らく、敵は皆がマクギリス、と認識出来る存在をブロックしてるから…』
マクギリス「なるほど、各々の認識を利用している訳か。ならば、こうするまでだ…フッ、久しぶりに、胸が躍る」
仮面と、ウィッグ。モンターク商会代表の完成だ。
モンターク「では行こうか」
扉を抜けた先には…
メイド姿のシャルと、それを押し倒し、何やら囁く自分、という形容し難い光景だった。
モンターク(なるほど、もう少し遅ければあの執事ギリスもあのような行動に出ていた訳か。腹立たしい)
苛立ちのままに、気付かれる前に鞘に入れられた剣を掴み取り偽者の脇腹に向けて全力フルスイング。偽物は変な声を上げながらシャルの上から吹っ飛んだ。
シャル「ご、ご主人様あああ!?」
マクギリス「落ち着けよシャル、私は君の主人でも無ければ君はメイドでも無かったはずだ。思い出せ」
仮面を外し、シャルに告げる。
シャル「えっ、マクギリス…あれ、えっ?」
マクギリス「とりあえず…私は今、機嫌が悪い。八つ当たりに付き合って貰おうか?偽者が」
蹲る偽物に、鞘に入れたままの剣を何度も叩き付ける。苛立ちを多分にぶつけ、少しだけ溜飲を下げる。
マクギリス「シャル、この空間を破壊しろ。そうすれば出られる」
シャル「う、うん。分かった」
森に戻るのに時間はかけられ無かった。
384 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/02/16(日) 15:52:34.30 ID:kBE+FiRb0
マクギリス「さて、夕方ボチボチと再開させて貰うが…一区切り付いたらバレンタイン特別編を書くか、そのままメインストーリーを書くか、選んで欲しい」
マクギリス「バレンタイン特別編が読みたいなら「止まるんじゃねえぞ…」と、ストーリーを進めて欲しいならば「その先に俺は居るぞぉ!」と書き込んで貰いたい」
マクギリス「バレンタイン特別編は基本的に時系列は無視、今後のストーリー展開との矛盾点は気にしないで貰いたい」
マクギリス「では諸君、また夕刻に」
385 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/02/16(日) 22:42:55.25 ID:YgApZ4D80
今日の夕刻とは言ってないもんな乙
386 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/02/16(日) 22:55:18.17 ID:kBE+FiRb0
マクギリス「申し訳ない、急用が舞い込んでしまってな…すまないが、来週まで待って欲しい」
マクギリス「来週であれば、次は夜勤となるが故に徹夜も可能だ。私の全ての力を用いて、書かせて貰おう」
マクギリス「今回の失態の穴埋めとして、ひと段落付き次第バレンタイン特別編、並ぶに書けるだけ本編も進ませて貰いたい」
マクギリス「では諸君、来週に会おう」
マクギリス「ところで、コミックの鉄血…四巻だけやたらと高いんだが、何故だ…」
マクギリス「インフィニット・ストラトスの最終巻も未だに発売されないのだが、どうなっているんだろうか…」
387 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/02/17(月) 00:27:59.67 ID:xLBu2dpg0
乙
体に気を付けて
388 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/02/21(金) 18:57:29.24 ID:ovZSbmu/0
マクギリス「諸君、仕事は終わったかな?早速書いていくのでゆっくり見ていってくれ」
マクギリス「さて、いよいよ鉄華団コンプリートセットとアリアンロッド艦隊コンプリートセットが手に入った…素晴らしい、これで漫画版バエルの活躍が再現出来る…」
マクギリス「では、目覚めの時だ…」
389 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/02/21(金) 19:16:32.11 ID:ovZSbmu/0
シャル「なんか…ごめんね…」
マクギリス「気にしなくて良い。認識を弄られた上であの偽者では、な…」
シャル「お、怒ってない…?」
マクギリス「君には別に。むしろ私の姿で風評被害甚だしい行いをされる方が腹立たしいだけだ」
シャル「え、えっと…」
マクギリス「気にするな、ともかく先に帰還するといい。私に任せてくれ、落とし前はつけさせる」
シャル「オルガさんみたいになってるよ…ところであの二人は?」
マクギリス「淫行現場を同級生に見られてダメージを受けただけだ、気にしなくて良い」
一夏「違うって言ってんだろぉお!?」
シャル「う、うん…マクギリス、待ってるね」
一夏「シャルロットまでスルーしないでくれよぉ!」
無視して次の扉に。遅れて一夏も並ぶ。
390 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/02/21(金) 20:29:01.89 ID:ovZSbmu/0
マクギリス「後はラウラと箒、かな?」
一夏「ああ…くっそ、やっぱ開かねえ」
マクギリス「…使わせて貰うぞ、ガエリオ」
ヴィダギリス「さあ、行こうか…我々の戦場に」
剣道装備一夏「おう!」
扉が開かれる。その先には…
裸エプロンのラウラと、それにお触りする偽者の自分。完全に、色々とアウトだ。
ヴィダギリス(これが外部に漏れたらもれなく社会的に死ぬ。最悪だなこれは!)
偽者と目が合う。…何時ぞやの再現かの如く銃を向け合う。
偽者「ガエリオぉおお!」
ヴィダギリス「なんだこれは…」
そして撃ち合い、いつかの再現…ヴィダールの仮面に防がれ無傷の私と、致命傷を負う偽者…微妙な気分になる。ラウラも唖然としている。
ラウラ「…ま、マクギリスぅうう!?」
391 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/02/21(金) 20:38:19.51 ID:ovZSbmu/0
ラウラ「貴様、よくも…よくもマクギリスを…」
マクギリス「いやラウラ、気付け。そいつは偽者だぞ」
仮面を外した顔を見て、ラウラは混乱している様だ。…とりあえず、すべき事がある。
マクギリス「ラウラ、服を着て来るんだ。それは私が処分しておくから」
ラウラ「う、うむ?よくわからんが…服を着れば良いのだな?」
マクギリス「ああ」
虫の息の偽者に止めを刺す。ラウラが服を着たのを確認すると空間を破壊する。
392 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/02/21(金) 21:15:04.72 ID:ovZSbmu/0
微妙な沈黙に落ちる、森の一角。
ラウラ「忘れろ。頼むから忘れてくれ…」
マクギリス「無論だ。私も覚えていたく無い案件だ…」
互いの意思を確認し合う。我々は、分かり合えた。
マクギリス「では、私は先に進む。一夏と箒には先に戻る様に伝えてくれ」
簪「わかった…くれぐれも、気をつけて…」
マクギリス「ああ」
森を抜けた先には…青空に、砂浜。美しいと称せる景色が果てなく続いていた。
マクギリス(よくわからない空間だな。此処がシステムの中枢区画…なのか)
景色の先に佇む、銀髪の少女。どことなく、ラウラを思わせた。
マクギリス「君が、今回の犯人と言ったところかな」
「お初にお目にかかります、ファリド公。私はクロエ・クロニクルと申します。…此度はこれにて失礼させて頂きます」
マクギリス「待て、君の目的はなんだ?何をした?」
クロエ「いずれ、時が来ればあの方と共に、貴方様と目見える事となります。…では」
そう語り、影の様に消えていった。…結局、実行犯の名前だけしか判明していなかった。
マクギリス(…簪達からの反応は無い、か。仕方ない。もう少し先を調べてみるか)
その先に…見間違える筈の無い女性の姿を見つけ…そこで、意識が途絶えた。
393 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/02/21(金) 21:15:36.14 ID:ovZSbmu/0
微妙な沈黙に落ちる、森の一角。
ラウラ「忘れろ。頼むから忘れてくれ…」
マクギリス「無論だ。私も覚えていたく無い案件だ…」
互いの意思を確認し合う。我々は、分かり合えた。
マクギリス「では、私は先に進む。一夏と箒には先に戻る様に伝えてくれ」
簪「わかった…くれぐれも、気をつけて…」
マクギリス「ああ」
森を抜けた先には…青空に、砂浜。美しいと称せる景色が果てなく続いていた。
マクギリス(よくわからない空間だな。此処がシステムの中枢区画…なのか)
景色の先に佇む、銀髪の少女。どことなく、ラウラを思わせた。
マクギリス「君が、今回の犯人と言ったところかな」
「お初にお目にかかります、ファリド公。私はクロエ・クロニクルと申します。…此度はこれにて失礼させて頂きます」
マクギリス「待て、君の目的はなんだ?何をした?」
クロエ「いずれ、時が来ればあの方と共に、貴方様と目見える事となります。…では」
そう語り、影の様に消えていった。…結局、実行犯の名前だけしか判明していなかった。
マクギリス(…簪達からの反応は無い、か。仕方ない。もう少し先を調べてみるか)
その先に…見間違える筈の無い女性の姿を見つけ…そこで、意識が途絶えた。
394 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/02/21(金) 21:31:30.64 ID:ovZSbmu/0
目を覚ました先。そこは…学園の医療施設。かつて、この世界で最初に目覚めた所だった。…なんとなく、手元を確認する。拘束は、されていない。
「あら、起きたのかしら?」
マクギリス「…楯無か。傷の具合はどう…」
視線を向けた途端、外れて落下するカーテン。果てしなく既視感。ノーブラで、上着を着替えている楯無。即座に目を背ける。
楯無「二回目」
マクギリス「待ってくれ、完全に事故なのだが」
楯無「しなさいよ、私にもやらしい事!簪ちゃんから聞いたわよ、仮想世界で好き勝手やらしい事してたらしいじゃない!?」
マクギリス「落ち着いてくれ。偽者であり、あらぬ風評被害だ。私は潔白だ。だから落ち着け」
楯無を見ずにカーテンを直す。外れない様に、しっかり付け直す。
楯無「…ねぇ、そっちにいったら…ダメ?」
マクギリス「…ダメだ、と言っても聞く君ではあるまい。好きにするといい」
楯無「なら、失礼します」
ベッドに腰掛ける私の横に座る楯無。
楯無「…その。ありがとう。助けてくれて…」
マクギリス「…偶然通りかかったのが私だっただけだ。三日月でもガエリオでも。一夏でも、君を助けた筈だ」
楯無「それでも。嬉しかったの。…それが貴方だったのが、堪らなくね」
395 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/02/21(金) 21:39:15.64 ID:ovZSbmu/0
マクギリス「…まあ、それなら光栄、といった所か」
楯無「で、ね。…貴方には、知っておいて欲しいって思ったの」
マクギリス「…何を?」
楯無「私の、本当の名前」
マクギリス「…確か、更識家当主は代々『楯無』を襲名するとは聞いた事があるな」
楯無「そ。私の本当の名前は…刀奈」
マクギリス「…何故、私に?」
楯無「…なんでかしらね?ともかく、二人だけの時は…そう呼んでくれたら、嬉しいかな、って…」
マクギリス「…わかった。二人だけの時、だな?覚えておく」
楯無「ありがと。…じゃあね」
楯無…否、刀奈はそれだけ応えると自分のベッドに戻っていった。
396 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/02/21(金) 21:49:32.12 ID:ovZSbmu/0
米国、地下軍事施設
「アンネイムドが失敗しただと…」「これでは我々の計画も大幅に先延ばしが必要ですな…」「おのれ、ブリュンヒルデめ…最強は健在か…」
「お困りみたいだねー、君たち?」
途端、騒めく地下の一室。
「馬鹿な、何故此処に…!?」「警備は何をしていた!?」
「まあまあ、そう慌てないでよー。別に君たちを潰しに来たわけじゃないんだしさー」
「…貴方ほどの方が、何故この場所に?」
息を呑む、周りの男達。それに囲まれた一人の存在が、にこやかな笑みを浮かべて語る。
「欲しいんでしょ?無人機の技術が。私が協力してあげようかなーって。他の部分も、君たちの陳腐な計画を遥かに進化させて、ね」
にわかに騒めく一室に、甘言が踊る。…事態は、水面下で動き始めていた。
397 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/02/21(金) 22:07:00.88 ID:ovZSbmu/0
次回予告
マクギリス「諸君。今年もこの日がやってきた。やって来てしまった…」
ガエリオ「いや、バレンタインデーで何故そんな深刻な顔になるんだ?」
マクギリス「分からないのか、ガエリオ。この学園にはイベントとなればトラブルを起こす女が一人居るだろう?」
三日月「あの生徒会長?」
ガエリオ「ああ、お前をいたく気に入っている…」
マクギリス「嫌な予感しか、しない…早々に雲隠れすべきか…」
楯無「次回、インフィニットマクギリス。バレンタインはダインスレイヴ・スウィート☆」
マクギリス「サブタイトルからして嫌な予感しかしないんだが…」
398 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/02/21(金) 23:04:16.96 ID:r0Q5XAVm0
乙
399 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/02/22(土) 00:11:06.03 ID:f4QN6gaH0
特別回 バレンタインはダインスレイヴ・スウィート
二月十三日。バレンタインを翌日に控え、異様な雰囲気に包まれるIS学園校舎の一画で開かれた緊急全校集会。それを召集したのはこの学園の生徒会長、更識楯無だ。
楯無「さて、皆議題はうすうす解ってるわよね?そう、毎年恒例のバレンタインイベント。今回は大幅に内容を変更するわ」
楯無「まずは、悪いんだけど当日、男子に対して許可無くチョコレートやプレゼントの類いを渡すのは禁止とするわ」
途端、会場に響く阿鼻叫喚。…耳が痛い。
楯無「まあまあ落ち着いて。許可無く、と言ったのよ。…つまり、許可を得る…いいえ、勝ち取れば良いだけの事!」
マクギリス(何か、企んでいるな…またか…)
楯無「甘いバレンタインを、男子と二人っきりで過ごしたいわよね、皆!?」
おー、とおそらくは全女子生徒が同調した。…嫌な予感が…
楯無「とりあえず、バレンタイン当日は生徒会主催特別イベントに参加して貰うわ!そのイベントで、男子とのひと時を勝ち取りなさい!」
歓声が湧き上がる。男子四人を覗いて。
ガエリオ「…マクギリス、お前も大変だな」
マクギリス「私を生贄にするのはやめろ、ガエリオ」
400 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/02/22(土) 00:23:10.05 ID:f4QN6gaH0
バレンタイン当日。文化祭のイベントで使われた広いホールの一画に、男子四人…それと何故かオルガ団長と、石動までもが集められていた。
オルガ「更識のお嬢さんから仕事だってんで来たんだが…なんだこりゃ」
石動「私にもわからん。准将、これは…」
マクギリス「…嫌な予感しかしない。本当に」
胸元に付ける様に渡された、ハート型のワッペン。
ガエリオ「…まるで何かの的、ではないか?」
マクギリス「よせガエリオ、嫌な想像をさせるな」
楯無「さて、時間よ。今回のルールを説明するわね!」
会場全体に響く、楯無のアナウンス
楯無「題して、あの人のハートを射抜け!バレンタイン・ダインスレイヴパーティーを始めるわ!」
マクギリス「は、っ?」
ガエリオ「い、今あの女なんと言った?」
三日月「ダイン…なんとかって」
オルガ「ちょっと待て、それってアリアンロッドがバカスカ撃ちやがった禁止兵器じゃなかったか!?」
石動「いや、まさか。なんらかの偶然で…」
次の瞬間、嫌な予感は見事に的中した。
楯無「ダインスレイヴ隊、入場!」
肩に、ダインスレイヴの砲身を担いだ女子達が一斉に現れた。
401 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/02/22(土) 00:35:06.14 ID:f4QN6gaH0
絶句する、男子計六人。
楯無「ルールは簡単、男子が胸に付けたハート型のワッペンを一番最初に撃ち抜いた人だけが、今日一日その撃ち抜いた男子と一緒にバレンタインを過ごし、チョコレートやプレゼントを渡す権利を得るのです!」
マクギリス「ハートを撃ち抜く(物理)」
ガエリオ「待て待て待て、あんなもので撃ち抜かれたらバレンタインが血のバレンタインになるぞ!?」
三日月「…どうすればいい?オルガ」
オルガ「隙を見付けて逃げるぞ!」
一夏「なあ、話の流れからしてやべえ奴なんだよな!?どうすんだよあれ!?」
石動「この、物量…!?」
楯無「では、男子は30秒数える間に逃げて隠れてね?ではスタート!」
無慈悲にも、楯無の宣言が響き渡った。
402 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/02/22(土) 00:49:07.34 ID:f4QN6gaH0
きっかり、30秒。同時に楯無の指示が飛ぶ。
楯無「ダインスレイヴ隊、放てっ!」
マクギリス(絶対それが言いたかっただけだろう)
オルガ「何処にも逃げ場なんてねぇぞ…どうすんだこれ…」
逃げ場を見付けられなかったオルガ団長に、独特な撃発音を響かせてダインスレイヴの弾頭が解き放たれた。
オルガ「待ってくれ、流石にそれは…うおおああああ!?」
必死に逃げる団長を尻目に、私は見付からない様に反対側へと退避する。オルガ団長、武運を祈る。
「し、シノさぁあああん!」「は、謀ったな…更識楯無!」「准将ぉおおおお!」
哀れな犠牲者が出た様だ。急いで逃げなければ…
403 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/02/22(土) 20:34:26.02 ID:f4QN6gaH0
鳴り響く撃発音、ダインスレイヴを担いで闊歩する女子達。
マクギリス(なんだこの混沌は…)
女子達の目を掻い潜り、物陰に潜む。
マクギリス(さて、どうした物か。あれの餌食になるのは避けたい)
チラリと覗けば、飛び交うダインスレイヴの弾頭。
マクギリス(世紀末過ぎるぞ…バレンタインに相応しくないな、まったく)
だが、そんな逃避にも終止符が打たれた。遂に女子達に捕捉され、無慈悲に放たれたダインスレイヴ。
マクギリスを射抜いた女子↓1
404 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/02/22(土) 23:25:23.21 ID:oLv0oIkuO
カルタ(駄目ならのほほんさん)
405 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/02/23(日) 04:06:56.44 ID:Np1gAZki0
楯無「はーい、そこまでー。男子は全員ハートを撃ち抜かれたわ。総員、撤収!」
マクギリス(ホログラムの弾頭が突き立てられると、ワッペンが反応する仕掛け…随分と大仰な…)
楯無「ではでは、男子は自分を撃ち抜いた女子を迎えに行ってあげなさい!」
渡された紙には…布仏本音、と書かれていた。
マクギリス「意外だな、君に撃ち抜かれるとは」
本音「いえーい、マッキーとバレンタインだー」
マクギリス「…では、共に参りましょうか。レディ」
専用の個室が用意されているので、そちらに向かう。…他の面子が若干気になるが、まあ詮索はしない方が良いだろう。
本音「じゃーあ、はい、マッキー。ハッピー・バレンタイーン」
渡されたのはラッピングされた箱。…明らかにお高い。
406 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/02/23(日) 04:22:03.90 ID:Np1gAZki0
マクギリス「ありがとう。…一つ、聞いても良いかな」
本音「なーに?かんちゃんのスリーサイズ?」
マクギリス「この状況下でそれを聞くほどの変態ではないのだが…いや。何故、イベントでまで私を選んだのか、と思ってね」
本音「マッキーには色々お世話になってるからー。日頃の感謝?」
マクギリス「言うほど、私は何かしているわけでは無いんだがな」
本音「それでも、かんちゃん達は笑うようになったよ?マッキーのおかげで」
マクギリス「そうか…そうだと、嬉しいな」
本音「それよりマッキー、チョコレート食べてみてー」
促され、包みを開ける。
407 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/02/23(日) 22:29:49.43 ID:Np1gAZki0
マクギリス「これは…素晴らしいな」
最初に見えたのはバエルソードを咥えた狐…デフォルメされているが、様々な狐がバエルのパーツを付けていたり、咥えていたりと愛らしく形作られたチョコレートが並んでいた。
本音「自信作なんだよー?食べて食べてー」
マクギリス「すぐに食べてしまっては勿体無いな。記念に、写真を撮らないか?」
本音「おー、流石マッキー。良いよー、バッチリ撮っちゃおー」
チョコレートを挟んで、二人で並ぶ。互いに笑顔を浮かべながらカメラのフレームに収まり、シャッターを押す。
本音「写真、出来たら私にも欲しいなー」
マクギリス「もちろんだ。必ず用意しよう」
手を拭き、チョコを摘む。そのままゆっくりと口に含み、咀嚼してみれば甘いミルクとアーモンドの風味が口に広がる。とても美味しい。
マクギリス「…これは素晴らしいな。本音はこういうのが得意なんだな」
本音「えへへー、しかも一つ一つ味が違うんだよー。はい、あーん」
マクギリス(流石に気恥ずかしいが…拒否する訳にはいかんか。二人きりな訳だ。気にせず頂くべきだな)
口を開け、入れられたチョコ…今度はバエルの羽を付けた狐だったが、それはストロベリーミルクの味付けをされていた。
408 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/02/23(日) 23:28:29.62 ID:Np1gAZki0
マクギリス「…最高に美味しいな。ここまで私の好みに合わせてくるとは…」
本音「それは良かったー。ね、マッキー。…この学園に来て、幸せ?」
マクギリス「…ああ。幸せだとも。掛け替えの無い友人達が居るからな」
過ごした時間を、思い出を振り返る。
本音「私もね、マッキーが学園に来てくれて良かったって思うんだー」
マクギリス「…その理由を、聞いても良いかな」
本音「かんちゃん達がまた仲良く出来るようになったり、辛い時でも、マッキーが皆を纏めて、それをひっくり返したり。マッキーが居ると、皆が笑顔になれるんだー」
マクギリス「…そう、だろうか?私は私がすべきと思った事を、やっているだけだが…」
本音「それが、みんなの為になってるんだよー。だからマッキー」
マクギリス「ん、?」
本音「この学園に来てくれて、ありがとー。これからも、よろしくねー?」
胸の中に、暖かいモノが広がる。力だけを求め、信じて友人すら切り捨てる決断さえした私が、此処に居る意味を…生きて来た意味を、その一端を垣間見た気がした。
マクギリス(これが、これこそが…俺が、私が本当に手に入れるべき…望むべき事だったのだ…)
マクギリス「こちらこそ、ありがとう。私もこの学園に来て、とても幸せだよ」
本音「マッキーが幸せなら、生徒会として鼻が高いよー」
マクギリス「ああ。これからも、末長く、頼む」
チョコレートのように甘い感情を味わいながら、バレンタインデーは幕を閉じた。
409 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/02/24(月) 00:08:32.02 ID:y39skoFs0
マクギリス(なかなかに、濃い一日だったな…だが、悪くなかった。今日得られた物はとても大きいな)
ゆっくりと、噛み締めるように足を部屋へと向ける。既に夜は遅いが、静かなこの空間の中で、暖かい思いを胸な刻み付ける。
マクギリス(来年もまた、素晴らしいバレンタインを迎えられるように努力しなければな)
部屋の扉を開ける。…中には、何故か楯無が居た。
マクギリス「…君は本当に可笑しな奴だな、楯無」
楯無「それ、褒めてないわよね?ひっどーい」
マクギリス「こんな夜更に男性の部屋を訪れるのは感心しないな」
楯無「夜更じゃないとダメなのよ。色々とね?」
マクギリス「何?いったい、何の用だ?」
楯無「はい。チョコレート。もちろん本命よ?」
マクギリス「…なん、だと?」
410 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/02/24(月) 00:39:35.68 ID:y39skoFs0
マクギリス「…確か、ダインスレイヴで射抜いた者のみが渡す権利を持つのでは無かったのか?」
楯無「あら、私は当日渡すのは禁止にしただけよ?」
ビッ、と時計が指を差される。12時を既に越えていた。
マクギリス「…悪い女だな、君は」
楯無「魅力的でしょ?で、どっちを選ぶのかしら?」
マクギリス「…何の話だ?」
楯無「告白されたでしょ?本音ちゃんに。私とあの子、どっちを選ぶの?」
マクギリス「いや、されてないんだが?」
楯無「…えっ?」
411 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/02/24(月) 01:22:22.06 ID:y39skoFs0
マクギリス「…」
楯無「…」
楯無「お邪魔しました」
マクギリス「いや待ってくれないか。…とりあえず、茶でも飲んでいけ。このまま放置されたのでは流石に困る」
紅茶を、二人分淹れる。ゆっくりと、楯無はそれに口を付ける。
楯無「あー…あの気合いの入れっぷりだったから、告白するもんだと思ってたのよー…」
マクギリス「…確かに、かなり気合いの入った品だった。…言われたよ、私がこの学園に来て良かった、と。幸せなら良い、とも」
楯無「…そっかぁ。あの子はそんな事考えてたのねえ…」
マクギリス「…それで、君はどうするつもりだ?」
楯無「さっきのは聞かなかった事にしておいて。日頃のお礼。なんだかんだ、付き合ってくれてるから」
マクギリス「振り回している自覚があるならもう少し自重して欲しいのだが?」
楯無「それは無理かなー。紅茶、ありがとね。おやすみなさい」
飲み干して、そそくさと席を立った。
マクギリス「…ああ。おやすみ、刀奈」
驚いた顔で振り返る、刀奈。一瞬微笑むと、『楯無』の笑みに戻る。
楯無「…本当、ズルイ人ね。余計欲しくなっちゃうわ」
マクギリス「約束だろう?二人きりの時は、そう呼ぶのだと」
楯無「…ありがと。じゃあね」
マクギリス「ああ。また、な」
こうして、二人だけの秘密のアフターバレンタインは過ぎていった。
マクギリス「…ビターも、たまには悪くない」
412 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/02/24(月) 16:13:59.06 ID:iep5rTsF0
とりま乙
413 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/02/24(月) 23:11:34.27 ID:ZxTQzQDV0
裸エプロンのラウラってなーんかフィギュアがあったよーな
414 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/02/29(土) 04:44:57.65 ID:aQfg5lKA0
>>413
マクギリス「元々は原作でも似たようなシチュエーションになっていて、その挿絵を再現したフィギュアが発売されているな。私はAGP派なので買っていないが…」
マクギリス「さて、夜勤明けの朝ではあるが…まずは謝罪をさせて貰おう」
マクギリス「指定はカルタで、無理なら…とあったので甘えさせて貰った。申し訳ない。カルタ指定が来るとは完全に予想外な上に、話が思い付かなかった。すまない…」
マクギリス「次に更新だが、今週は恐らく無理だ。というのも、9巻の話しは無くてもあまり支障がなさそうな上、読んだ筈なのに後の巻に比べて記憶に残っていなくてな。読み返した上で9巻の話しを入れるか飛ばすかを吟味させて貰いたい。従って次回予告は更新時に、となる」
マクギリス「しかし、AGPと並べようにもやはりHGバエルでは小さいな…ガンダムユニバースを待つとしようか。出てくれれば間違いなく買う」
マクギリス「では、またゲームセンターで会おう。コロナには、気を付けて欲しい」
415 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/02/29(土) 11:34:05.64 ID:zXdjD3YVO
学生限定とかなかったからダメ元で入れただけやで
バエル使ったら階級が二つも上がりました!サンキューバエルフォーエバーアグニカ
416 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/04/09(木) 13:24:03.39 ID:XQfRNINY0
マクギリス「諸君、だいぶ待たせてしまっている…本当に申し訳ない」
マクギリス「色々と、精神的にも経済的にも余裕が無くなって来ていてな…書いている気力がない、しばし待って欲しい」
マクギリス「とうとう私の職場近くでも例のが出てな…この状況は楽観出来ない…」
マクギリス「とまあ、暗い話ばかりではいけないな。今夜はビルドダイバーズリライズの二期が始まる。期待に胸が躍るが、私は夜勤だ…」
マクギリス「それと、マキシブーストオンのネットテストの締め切りは明日までだ。まだ応募していないならば、急ぎたまえ」「乗り遅れるなよ諸君!コロナで出掛けれなくても満足出来ちゃうんだなぁこれが!」
マクギリス「諸君はマルコシアスは買ったかな?造形は悪くないが、塗り分けはあまりよろしくない上に一部は筋彫りしなければ塗装困難な部分もある。塗るならば、筋彫り道具は用意した方が良い」
マクギリス「では、また気力が戻り次第書かせて貰う。今しばし、待っていてくれ」
417 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/04/17(金) 01:29:14.44 ID:zEMboqDv0
おー、生きてた!心配してたわ
418 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/04/18(土) 11:46:25.80 ID:Gh2noSsm0
>>417
マクギリス「心配を掛けたな、申し訳ない。一応、頑丈さが取り柄なので単純に筆に詰まっている、と考えて欲しい」
マクギリス「さて、ネットワークテストに応募した諸君、結果はどうだったかな。私は…フッ、バエルは私を選んだ、と言ったところだ」
マクギリス「友人曰く、まだベーターテストがあるであろう、という話しなので当たらなかった者も悲観せずに続報を待っていて欲しい」
マクギリス「しかし、漫画版ISの方が先に完結してしまうとは
…原作も、完結を急いで欲しいものだが…」
マクギリス「今年は著名人の訃報が多い。だが、悲しみに負けず前に進んで欲しい。我々は、立ち止まる訳にはいかないのだから」
マクギリス「では諸君、とりあえず今夜には何かしら書かせて貰いたいと思う。だが、原作がどう転がせば良いのか判断に困っていてな…もう一度読み返して思いつかない場合には没ネタや入れ損ねたネタや番外編にしようと思う。何かしら見てみたい話があるならばリクエストも受け付けよう。では、君たちの意見を待っている」
419 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/04/18(土) 12:00:05.65 ID:ddAWSJp9O
三日月とマッキーのスイーツ食べ歩きとか…
三日月は食べるの好きだしマッキーは甘いの好きだし
あとはマッキーとガエリオの親友水入らずの飲み会とか
420 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/04/19(日) 07:50:47.77 ID:pnIXtWHS0
マクギリス「いかんな…夕食を食べて少し寝たらこんな時間とは…」
マクギリス「すまない、今夜には必ず書かせて貰う。申し訳ない」
421 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/04/20(月) 01:34:35.10 ID:C1ouri7Z0
番外編 甘味を求めて三百年
マクギリス「三日月、準備は大丈夫かな?」
三日月「うん。…面倒だよね、制服で歩き回るなってのは」
マクギリス「仕方ないものさ。要らぬ問題に巻き込まれてからでは済まないのだからな。では、行こうか。私達の桃源郷に」
三日月「火星ヤシの代わり、そろそろ欲しいから…」
マクギリス「わかっている。だがまぁ、食べ歩きというのも乙なモノだろう」
三日月「まあね。前のお祭りの…なんだっけ、ふわふわしたのはわりと美味しかった」
マクギリス「綿飴か。なら、駄菓子をメインに据えた上で色々と食べ歩いて見るべきだな」
三日月「んじゃ、案内頼んだ」
マクギリス「ああ、任された」
422 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/04/20(月) 01:42:35.43 ID:C1ouri7Z0
まず訪れたのは、いつぞやのクレープ屋。
マクギリス「三日月、君は何にする?」
三日月「んじゃあ、ストロベリーで」
マクギリス「では、私も同じのを」
「はーい、ストロベリーお二つですねー。少々お待ち下さい」
金銭を払い、受けったクレープの出来たての甘い香りが、食欲を滾らせる。
マクギリス「どうかな?」
三日月「うん、良いね…これ。用事ついでに寄っても良いかも」
クレープに齧り付き、咀嚼しながらそう答えが返る。
マクギリス「ふむ、では次は…和風の菓子にして、移動販売の定番である、鯛焼きはどうかな」
三日月「美味いならなんだって良いよ」
423 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/04/20(月) 05:38:45.15 ID:C1ouri7Z0
三日月「これが、鯛焼き?なんか、魚みたいだけど…」
マクギリス「まあ、魚を模した焼き菓子だな。中には餡子が詰まっている。まあまずはスタンダードな漉し餡だ。餡子の皮が歯に詰まらないので食べやすい筈だ」
三日月「ふーん…うん、これもなかなか美味い。けど、これの甘いの方向が…なんか、クレープとは違うね」
マクギリス「和風、だからな。どちらの方が好みだ?」
三日月「うーん…どっちもイケる」
マクギリス「なら、下手に選り分けなくて良さそうだな。ちなみに、鯛焼きにも中身には幾つか種類がある。白餡にクリーム、抹茶…売り手次第では更に種類が増える。気に入ったのなら、食べ比べてみるのも悪くはないだろう」
三日月「へえ〜…菓子っていっても色あるんだ」
マクギリス「菓子は食文化の発展の只中にあって主食と共に進化を遂げてきたのだからな、多様性に富んでいるのさ」
鯛焼きを食べ尽くす。少し甘くなり過ぎた味覚を、コーヒーで整える。まあ、カフェオレなのだが。
三日月「んじゃあ、次は?」
マクギリス「では、次は…団子、かな。ついてきまえ」
424 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/04/20(月) 06:33:04.09 ID:C1ouri7Z0
三日月「…古臭い、感じ?」
マクギリス「風情がある、と表現すべきだな。古来の茶屋を再現した店だ。雰囲気から食に入れる、歴史の情緒に配慮した店と言えるな」
マクギリス「まあ、基本の三色団子で良いだろう。みたらしやきな粉は服や顔を汚してしまいかねないからな」
三日月「へえ…綺麗だね。美味しそう」
マクギリス「餅を主材料にしている、喉に詰まらせないように気をつけてくれ」
三日月「オルガみたいになるからね」
マクギリス「…悲しい、事件だったな…」
三日月「…うん、美味い。こういうの、火星にはなかったから新鮮だな」
マクギリス「日本食は島国故の閉鎖的環境で独自に発展した部分が多いからな。目新しい物も多い筈だ」
425 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/04/20(月) 06:40:56.85 ID:C1ouri7Z0
三日月「…パン屋?」
マクギリス「西洋菓子の代表格というのはパンを応用した焼き菓子の類いだからな。…よし、アインは休みだな」
「いらっしゃいま…ファリド特務三佐殿でしたか、ようこそ」
マクギリス「よしてくれ、今は一般人に過ぎない。オススメのスイーツ類は何かあるかな」
三日月「…アンタ、どっかでみたような…」
「気のせいでしょう。私は一介のパン屋の店員ですので…そうですね、このホットケーキはいかがですかな。良い蜂蜜が入りましたから」
マクギリス「では、それを頼めるかな」
「はい、ただいま…オーリス、ホットケーキ二つだ!」「了解…見せてくれる、私の至高のホットケーキをな!」
三日月「…?なんなんだろ、あの人たち」
マクギリス「ああいうノリの店だ、と言う事さ。あまり気にしなくて良い」
三日月「ふーん…」
426 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/04/20(月) 06:49:36.18 ID:C1ouri7Z0
「お待たせいたしました」
マクギリス「ありがとう。いただくとしようか」
三日月「うん。…これ、すごく良い。好きだな」
マクギリス「ふむ、流石と言ったところだな。紅茶もなかなかに上質だ」
三日月「お茶は良くわかんないんだけど、それでもわかるよ。この紅茶、すっごくコレに合う」
マクギリス「ああ。これは素晴らしいな。足を運んだだけの甲斐はあった」
三日月「今度はオルガ達も誘おうかな」
マクギリス「…そうだな。それも良いだろう。彼らも忙しい中の癒しが必要な頃合いだろうからな」
427 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/04/20(月) 07:09:39.41 ID:C1ouri7Z0
マクギリス「次は、ここだ」
三日月「…いや、スーパーじゃん」
マクギリス「スーパーを侮るな。様々なメジャーな菓子を取り揃えていると言えば、スーパーこそが最有力だ」
三日月「ふーん…」
マクギリス「そのラインナップの豊富さは他の追随を許さない。ポテトチップ、チョコレート、シュークリーム…簡単に思い浮かぶ菓子ならば、国を問わずして手に入れられるのがスーパーにおける菓子売り場だ」
マクギリス「なにより、駄菓子と呼ばれる日本古来の安価で少量の菓子を取り扱うのは、今やスーパーやコンビニ程度になってしまったからな。それらを探すにはうってつけだ」
三日月「これ、何?」
マクギリス「美味い棒だな。サクサクとした食感と豊富な味で庶民の心を掴む、素晴らしい菓子だ」
「おーいアシッド、ここならまだあるぞ」「シドウ、まだ買うつもりですか」
マクギリス「この辺りもオススメかな」
三日月「なんか、ちっこいチョコレートが薬みたいに入ってる」
マクギリス「食べやすいが、夏場には溶けるから注意したまえ」
428 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/04/20(月) 07:19:08.25 ID:C1ouri7Z0
三日月「今日はありがと。色々面白いのがあって良かった」
マクギリス「ああ。私も楽しかったよ」
「あら?二人でお出掛けでしたの?」
マクギリス「…セシリアか。三日月の要望で、甘味巡りをな」
セシリア「まあ、そうでしたの?今度は私も誘ってくださいな」
三日月「うん。今度は皆で行こう」
マクギリス「そうだな。それも、悪くはないか」
セシリア「では、予定を立てないといけませんわね」
マクギリス「皆を誘っておいて貰えるかな」
セシリア「おまかせくださいな」
こうして、いつかの一日は過ぎて行った。
429 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/04/20(月) 07:21:44.21 ID:C1ouri7Z0
マクギリス「書いている最中に寝落ちるとは…流石に無様が過ぎるな、申し訳ない」
マクギリス「残りは次回…なのだが、来週はまず不可能と考えて欲しい。ひたすらにバエルに乗るのでな」
マクギリス「では、諸君。また再来週あたりに」
オルガ「止まるんじゃねぇぞ…」
430 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/04/22(水) 00:10:18.34 ID:RkPR6t+d0
乙
431 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/04/22(水) 03:16:42.11 ID:g/7jcHRKo
乙!
次回も楽しみにしてる
432 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/05/03(日) 12:19:13.73 ID:EidUOJ3C0
マクギリス「申し訳ない、吐き気と頭痛がトランザムしている…落ち着き次第、書き始めたいと思う」
433 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/05/03(日) 14:09:53.59 ID:F13wsZwo0
体温とか味覚、嗅覚とか大丈夫か?
434 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/05/04(月) 17:29:48.57 ID:2p7iFIvXo
ゆっくり休んでくれ、書くのはそれからさ
435 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/05/05(火) 23:01:18.16 ID:F4afvT2V0
マクギリス「大分心配を掛けたな、申し訳ない…恐らくだが、コロナではないだろう。大分快復しつつあるしな…胃腸風邪の類いだろうか。諸君も体調には気を付けてくれ」
マクギリス「さて、君たちはビルドダイバーズリライズは見ているかな?私は折りに触れては見返している。近年まれに見る良作だと思っている。興味があれば、随時配信されているのを見てみて欲しい」
マクギリス「にしても、コロナウィルスはまだ終息しないな。これでは、バエルに乗る事すら覚束ない…由々しき事態だな。だが今は忍耐の時だ、積みプラを消化するなどして外出を共に控えよう。手洗いうがいも、忘れてはいけない」
マクギリス「ではそろそろ、ぼちぼちと書かせて貰おう」
436 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/05/05(火) 23:16:54.17 ID:F4afvT2V0
間話 友情を手にした二人
「来たか、マクギリス」
「すまない、待たせたな…ガエリオ」
学園から、さして離れていないバー。その前に、私服のガエリオ、そしてこの私、マクギリス・ファリドは集っていた。
「随分と洒落た店だな。趣も良い」
「織斑千冬の行きつけだ。…正直なところ、一応は学生と教師なのだから共に酒を飲むのはいかがなものかとは思っていたが、彼女の愚痴を聞いてやれるのは限られているからな」
「お前はカウンセラーか何かなのか…随分と大人になったな、まったく」
「私も君も、子供では居られんということさ。…では、」
「ああ」
「「乾杯」」
酒に満たされたグラスが、小気味よく音を立てた。
437 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/05/05(火) 23:35:01.35 ID:F4afvT2V0
「で、だ。ガエリオ。…俺が死んだあの後、世界は…どうなった?」
「いきなり斬り込んで来たな。…まあ、こんな席で酒でも入らねば聞き辛いか」
「割り切っては居るが、それはそれとして知らねばならないだろう?色々とな」
「…おおよそはお前の予想通りだろうよ。ラスタルがギャラルホルンを取り纏めた。合議制は廃止、民主制に移行して…その後継者には、ジュリエッタという女性が有力候補になっているな」
「…待て、確かその女性は君の戦友ではなかったか?幾度と無く三日月とも戦い、あのモビルアーマーとの戦いの場にも居た…」
「ああ、何度か話しただろ?忠義の女騎士と言える奴だ」
「…てっきり、イオク辺りが継ぐと思っていたが…」
「言ってなかったか?鉄華団最後の戦いで、イオクも死んだぞ。だからこそ合議制へと舵を切らざるを得なかったわけだがな」
「…彼は、どうしているんだろうな」
「さあな。この世界に来ているのか…あるいは、また違う世界に居るのかもな」
グラスを傾け、飲み干す。アルコール薄めの果実酒を、空いたグラスに追加する。
「いつか、話してみたいな。同じセブンスターズでありながら、彼はまるっきり私とは違う存在だったからな」
「案外、意気投合するかもな。しがらみが無くなればあいつはなかなかに見どころのある男でもあった。真っ当に成長していれば傑物になっただろうな」
「その芽を、間接的に私は潰した訳か」
「自虐るなよ。今更だ」
438 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/05/05(火) 23:48:47.87 ID:F4afvT2V0
「後から気付くものさ。自分の業の深さに、な…」
「気付けたならまだマシだろう?まだ、やり直せる。それが許される世界に、お前は居る」
互いに満たしなおしたグラスを打ち合う。
「案外こういった酒も悪くないな。向こうに戻れたらジュリエッタを誘って飲むかな」
「いよいよお前にも春が来るか。ボードウィン卿も喜ぶだろう」
「さて、どうかね。アイツは良い女ではあるが、相変わらず融通がきかないからな」
「…女、か」
「…あいつは、まだ立ち直れていない。まだ時間が要るだろうな」
「…そうか。」
「まあ、そう気に病むな。立ち直るさ、未来はまだあるんだからな」
「そう願うより他ない、か…」
439 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/05/06(水) 00:04:02.56 ID:xjV5Pc3G0
「そう、女といえばお前は誰を選ぶつもりだ?言っておくが資格がないだとか言うのは聞かんぞ」
「いきなり話を変えすぎだろう、それは…正直なところ、どうすれば良いのかわからないんだ。一応私は妻帯者だぞ」
「そんな建前は要らん、正直なところ誰が好みだ?更識の姉か?」
「私は振り回されて喜ぶような性癖は持ち合わせて無いんだが?」
「その割にはなんだかんだ目を掛けている癖に。スタイル良いもんな?」
「私を犯罪者にしたいのかガエリオ。この世界では捕まるぞ」
「バカ言え、あと少し待てば法的には合法だろうが」
「お前案外酔っているな?話が下世話過ぎるぞ」
「正気故だ!マクギリス!」
「あの戦いの時の台詞を引用とは、本気で酔って来てるじゃないか…少し水でも飲め」
「話題を逸らすな。それともあれか?やはりボーデヴィッヒのが好みか」
「俺をロリコン呼ばわりするのは本気でやめろよ、ガエリオ」
440 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/05/06(水) 00:20:12.84 ID:xjV5Pc3G0
「んぐ、っ…ぷはぁ。お前的には織斑千冬か?歳も近い」
「追加を一気飲みした上でさらに続けるのか、この話を…」
「まだお前の本命を聞いていないからな、さあキリキリと吐けマクギリス!」
「アルミリアだ。それ以外誰が居る」
「そう言う優等生発言は腹一杯だ。本能で語れよマクギリス」
「お前酔うとタチ悪くなり過ぎではないか…?」
「こうも楽しい酒は久しぶり…いや初めてと言えるからなー。じゃあまずは篠ノ之箒について語れ」
「私の所感を、か。…言わねば止まりそうにないな、まったく」
「やっぱ胸か?」
「下世話過ぎるぞ!?…まあ、美人で腕も立つ。少々感情表現に難はあれど、一途で仲間想いな面は素晴らしいと思うが」
「お前的にはナシか」
「彼女の思い人は一夏だろうが。私の出る幕はないさ」
「そういう優等生発言は良いと言ったろう。…ならセシリアはどうだ?あれもスタイル良いだろう」
「お前体しか見てないのか、さっきから下世話な発言しかしていないぞ…」
441 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/05/06(水) 00:37:13.23 ID:xjV5Pc3G0
「マクギリス、まさかとは思うが…不能、では無いよな?幼少期のトラウマとか…」
「本当に下世話だな!?勝手な憶測はやめろ」
「ならいい加減教えろ。誰が好みなんだ?」
「特にそういった目で見ている対象は居ない。そんな暇もない」
「本音は?」
「誰も彼も魅力的で困る…いや、何を言わせるんだ」
「ははは、今のは自爆だろうがマクギリス。このリア充め、爆発しろ」
「酷い言われ様だ…にしても、私も酔いが回ったか…」
「どうしたマクギリス、飲みが足りんぞ。お前の理想はその程度か」
「親友の絡み酒が酷過ぎる…」
注がれた酒を、喉に流し込む。
「そうだ、カルタはどうだ?この世界ならなんの問題も無いだろうが」
「カルタは色んな意味で無理だ…。想像してみろ、自分に所々身体的特徴が近い人間を囲っている幼なじみとか寒気しかしないぞ」
「確かに。あの親衛隊やっぱお前に近いのを選んでるよな」
「やってる事がイズナリオと同じではな…」
「まあ飲め飲め。嫌な事は思い出さずに飲んで忘れてしまえ」
グラスに日本酒が注がれる。
「ありがとう…いや思い出させたのはお前なんだがな」
442 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/05/06(水) 01:03:55.94 ID:xjV5Pc3G0
「で、結局選べないのか?」
「…どう選べば良いのか。今まで、選べる立場にはなかったからな」
「いきなり選べる様になっても戸惑うか。贅沢な悩みと割り切って存分に悩めよ。悩む時間はいくらでもある」
「…だが、選ばぬのは一番の不誠実、か。解っている、私なりに答えは出すさ。必ずな」
「まあそれはそれとして、ムラムラくるのは誰だ?」
「いきなり下世話に戻るなガエリオッ…そんな事、意識した事はない」
「つまらん奴だな、酒の席でくらい下世話な話を遠慮なく、だ」
「遠慮がなさ過ぎるのだが、私の心情には配慮して貰いたい」
「上手いことを言うな。褒美にもう一杯だ」
私のグラスに並々に注がれた洋酒。仕方なく、口をつける。
「どうしたらそんなに酒癖が悪くなるんだ、お前は…」
「向こうでは半身不随だったからな。滅多に飲めんし飲む相手も少ないからな」
443 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/05/06(水) 01:30:50.70 ID:xjV5Pc3G0
「…要らん事を聞いたな」
「悪いと思うならばさあ吐けマクギリス」
「…正直、最近楯無の距離感が殊更近くて困る」
「ほうほう、それは良いな…このラブコメ野郎め」
「風評被害甚だしいな、それは」
「良いさ、存分に謳歌しろよ。今まで出来なかった分を、な。…それで、また飲みながら下らない話を長々とする。それだけでも…」
「…ああ。胸が躍る未来、だな」
互いにグラスに注ぎ、打ち鳴らしては酒を喉に流し込む。
「そろそろ時間か。どうする、梯子でもするか?」
「君は飲み過ぎだ、やめておけ。…また、こうして飲みに来れば良いさ。その機会は、必ずある」
「ま、それもそう………!?」
唐突に顔を青くするガエリオ…いや、まさか、?
「やばい、やばい…」
「ハイペースで飲み過ぎだ…しっかりしろ、ガエリオ」
トイレになんとか連れて行く。…店を後に出来たのは結局30分近く経ってからだった。なんとも締まらない、二人だけの飲み会であった。
444 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/05/06(水) 02:02:36.73 ID:xjV5Pc3G0
マクギリス「本日はここまでだ。次回はとりあえずボツネタ集やら小ネタやら、と言ったところだ。では、また次回に」
445 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/05/06(水) 15:11:54.03 ID:HHYyGlrV0
乙! ボツネタとか大好き
446 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/05/07(木) 00:18:33.82 ID:6eqiO0/O0
ボツ話 ギャラルホルン掲示板
石動「……」カタカタ
安価でガンダムフレーム作ってISにする(870)
30分以内に500行ったら鉄華団に転職するわ(940)
正直准将ってロリコンだと思う奴→(115)
石動「……」カタカタカタ
准将が全裸の銀髪ロリと一緒に寝てた件(1)
社長代理:資料纏めて持って行ったらスレタイだったのだが、どうすれば良いのだろうか
正義:何やってんだよ、准将!
火星の王:何やってんだァアア!
来座:通報待った無し
魂ィ!:いや待て、准将が早々に婚姻もしていない少女に手を出すか?
大リス:ロリにすら好かれるのか…これだからイケメンは
社長代理:准将の衣服に乱れは無かったので少女が潜り込んだ可能性は高いと思われる
流星:くっそ、アイツばっかモテやがってー。俺にも分けてくれよ、胸デカイの!
支部長:おのれ青二才め…ところでそのロリの詳細と画像はまだかね
男児:ロリなら良いや。胸は大事
石動「………参考にならんな。この件は保留にしよう」
石動・カミーチェのとある一日
447 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/05/07(木) 00:56:16.03 ID:6eqiO0/O0
第十二話より。ボツネタというより入れ忘れ
「貴方がマクギリス、で良いのかしら」
マクギリス「ええ。マクギリス・ファリドと申します…貴女は、もしや」
「そ。シルバリオ・ゴスペル…あの子のパートナーよ。ナターシャ・ファイルス。気軽にナターシャって呼んでね。…これはお礼」
頬に、柔らかな感触。
ナターシャ「じゃあね、白亜の騎士さん。またいつか、会いましょう」
そう言って、彼女は去って行った。
第十三話より
一夏「えっと、こんばんは…?織斑一夏です」
オルガ「ミカァ!」
三日月「いつもの、だね」バンバンバァン!
一夏「うええっ!?」
マクギリス「な、っ!?」
オルガ「俺は、鉄華団団長…オルガ・イツカだぞ…」
一夏「だ、大丈夫なんですか!?」
オルガ「こんくれえなんて事ねえ…だからよ、止まるんじゃねえぞ…」
マクギリス「どう見ても大丈夫ではないんだが!?」
三日月「大丈夫、トマトケチャップだから」
どう考えても色々アレなのでボツに。
448 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/05/07(木) 01:54:32.46 ID:6eqiO0/O0
第二十話より
扉を抜けた先は…夕刻の、外に繋がる通路。
マクギリス「どこだ、此処は…誰が居るんだ?」
「なんか静かですねぇ。街の中にはギャラルホルンも居ないし、本部とはえらい違いだ」
ギョッとして背後に振り返る。鉄華団の構成員の少年と、オルガ団長が歩いてきた。
「火星の戦力は軒並み向こうに回してんのかもな」「ま、そんなのもう関係ないですけどねー」「上機嫌だな」
マクギリス「オルガ団長…?いや、違う。彼ではない?いや、しかし」
とりあえず、ついて行ってみる。…二人が外に出た途端に、銃撃。
マクギリス「これは、まさか…」「団長!?何やってんだよ、団長!」「うあああああっ!」
反撃により、退散して行く襲撃者。
立ち上がり、前に進もうとするオルガ団長。そして、とうとう倒れ伏した。
「俺は止まんねえからよ…お前らが止まんねえ限り、その先に俺は居るぞ!…だからよ、止まるんじゃねえぞ…」
マクギリス「…何故、オルガ団長の最期が記録されているんだ」
簪「…何これ」マクギリス「私にもわからない」
これも色々考えた上でボツに。
449 :
◆3DtvXoE6Vc
[saga]:2020/05/07(木) 02:08:27.91 ID:6eqiO0/O0
マクギリス「うむ…他にも色々考えたはずなのに思い出せんな。ともかく、次はいよいよ本篇に戻らせて貰う。更新が滞ったら筆に詰まったと考えて欲しい」
マクギリス「にしても、次回のテストが待ち遠しいな。バエルロスが半端ではない…」
マクギリス「では諸君、また次回に」
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