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本田未央「うちの兄貴の華麗なる(?)日々」
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1 :
◆oCJZGVXoGI
[sage saga]:2019/01/11(金) 20:07:28.16 ID:6bUZbsq+0
これは『本田未央の兄』という存在だけは確認されているキャラクターを中心にひたお話です。
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1547204847
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/01/11(金) 20:10:41.53 ID:6bUZbsq+0
どうも! 本田未央15才、今日も元気にアイドルやってます!
いきなりで非常に残念なのですが、今日の主役はこの未央ちゃんでは無いのです……。
今日の主役は我が愚兄です!
愚は余計だ愚妹が。どうも、本田の兄です。
今日は俺がこいつの勤め先に関わることになった切っ掛けを話したいと思います。
そこまで愉快な話ではありませんが、お暇ならお付き合い下さい。
ちょっとー、固っ苦しいよ兄貴ー!
うるせぇ、お前が軽すぎんだよバカ!
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/01/11(金) 20:12:17.76 ID:6bUZbsq+0
あれは春休みの事でした。俺は春眠暁を覚えずの言葉の通り、朝が来たのにも気付かず惰眠を貪ってました。……妹からの通話が来るまでは。
『あっ、もしもし兄貴ー? あたしだけどさー、部屋にある着替え持ってきてくんないー?』
「……この電話は現在使いたくも御座いません」
『おーい、起きろー! そんで可愛い妹の為に着替えを持ってこーい!』
「俺には可愛い妹なんざいねぇよ。いるのは生意気な妹だ」
『生意気でもヤンチャでもいいから持ってきてよー、ダンスレッスンの後の着替えが無いんだよー!』
朝っぱらからクソうるせぇな未央の奴……。まだ10時じゃねーかよ。
「そういう雑用は末っ子の出番だ、あいつに頼め」
『残念、そっちはスポーツ少年団の練習でしたー!』
「……貸し1つだかんな」
『この間あたしのプリン食べたのはどこのどいつだーい?』
「わかった、これで貸し借りは無しだ」
『よっろしくー!』
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/01/11(金) 20:13:23.95 ID:6bUZbsq+0
妹との通話を終えると、俺は適当に着替えて冷蔵庫の中の菓子パンを漁り、玄関に置きっぱなしになっていたスポーツバッグを手にしていい年してお使いへと出掛けた。
妹の未央は昨年からアイドルを始めたらしい。らしい、というのは余り妹の動向に興味が無いから詳しく知らないのだ。
電車を乗り継ぎ、妹から伝えられた住所へと地図アプリを便りに向かう。
……あれ、地図が間違っているのか? それとも妹からの情報が間違っているのか?
アプリを元にたどり着いたのは現代の城と見間違う、立派という言葉ですら表現出来ない建物だった。
アイドルの事務所っつうのは雑居ビルのワンフロアを使ってるもんじゃ無いのか?
玄関らしき場所でうろついていると、聞き慣れた声が中から聞こえてきた。
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/01/11(金) 20:14:24.52 ID:6bUZbsq+0
「おーい!」
「お、おう」
「ごめんごめーん! 助かったよ!」
「おう……。お前、本当にここで働いてるのか?」
「そうだよ?」
「マジか……」
未央はアホだが馬鹿ではない。悪い奴に騙されてるって訳でも無いのだろう。
「未央ちゃーん!」
未央の肩越しに城の中を見ると、未央の名を呼びながら走ってくる子がいた。
「しまむー! わざわざ来なくても良かったのに〜」
「えへへっ」
フワフワとした雰囲気の子はしまむー、というらしい。
「どうも、本田の兄です」
「あっ、島村卯月です! 未央ちゃんにはいつもお世話になってます!!」
なるほど、島村だからしまむーか。未央らしい安直なあだ名だ。
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/01/11(金) 20:15:26.18 ID:6bUZbsq+0
「未央、着替えは届いたの?」
しまむーちゃんの後ろからもう1人現れた。なんだか目付きのキツい子だな……。
「うん、またせちゃったねしぶりん!」
今度はしぶりんか。
「本田の兄です」
「……渋谷凛です」
やを抜いただけかよ! もうちょい捻ってやれって!!
「改めて紹介するね。これがあたしの兄貴、一応大学生!」
「一応は余計だ」
全く、しぶりんちゃんなんか呆れてるじゃねーか。
「よ、よろしくお願いします!」
「……お願いします」
「ど、どうも」
何をどうよろしくすればいいんだよ……。
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/01/11(金) 20:16:24.68 ID:6bUZbsq+0
「兄貴、どうせ夕方のバイトまで暇でしょ? カフェで何か飲んでく?」
「……奢らねーぞ」
「ふふーん、うちのアイドルなら特別価格で飲めるんだなーこれが!」
マジかよ。
「つーかレッスン? はどうすんだよ、さぼんのか?」
「いやー、それがトレーナーさんが時間を間違えてたみたいでさ。時間が空いちゃったんだよねー!」
だったら俺が持ってくる必要無かったじゃねーかよ。
「あー、俺が入っていいのか?」
「これがあれば、ね!」
そう言うと未央は“関係者”と書かれたネームプレートを差し出した。
「んじゃお言葉に甘えるとするか。どうせ暇だしよ」
「よし、それじゃー行こー!」
未央の号令でカフェ? に向かおうとする俺の耳に、懐かしい声が聞こえてしまった。
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