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阿良々木暦「吸血鬼の尻穴って、何の為にあるんだ?」
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1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/01/10(木) 21:34:25.51 ID:LRcZnrqO0
「おい、忍」
「なんじゃ、我が主様よ」
今や国民的幼女と成り上がった、忍野忍こと、鉄血にして熱血にして冷血の吸血鬼、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードの成れの果てが、常時ノーパンであることなど、既に全世界に知れ渡る共通認識なのは、わざわざ言うまでもなく明白なことなのだが。
「見えてるぞ」
「見せているのじゃ」
こうも堂々と見せつけられては、目のやり場に困る……と、思いつつも、ガン見してるけれど。
「流石にガン見するのは感心せんな」
「別に、減るものじゃないだろ?」
「それはそうじゃが、対価は貰うぞ」
「対価?」
「見合った価値ある物を献上して貰おうかの」
絶世の美幼女の局部に見合う価値ある物。
そんなものがこの世に存在するのだろうか。
いや、誤解や語弊がないように補足すると、この美幼女の局部には、絆創膏が貼られている。
ノーパンに絆創膏が忍野忍流のお洒落なのだ。
「うーむ。絆創膏と同価値となると……」
「ミスタードーナツで決まりじゃな」
どうやら結論ありきの既定路線だったらしい。
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1547123665
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/01/10(木) 21:38:34.99 ID:LRcZnrqO0
「こんなこともあろうかと」
「なんじゃお前様、用意が良いのう!」
伊達に長くペアリングを通わせているわけではない。全ては想定内の範疇に収まっている。
そろそろ催促される頃合いだと見越して、事前に用意していたミスタードーナツが入った箱を差し出すと、忍は目を輝かせて、掻っ攫った。
「うむ。ちゃんとゴールデンチョコレートを2つ買ってきておるようじゃな。大義であった」
「お前の望みなんて僕にはお見通しなんだよ」
「穴の空いたミスタードーナツだけにか?」
「見通しの良さを無理矢理こじつけるな」
「かかっ」
チョコレートで顔やら手が汚れることなどお構い無しに、上機嫌でゴールデンチョコレートにかぶりつく忍に目を細め、僕は局部に貼られた絆創膏を凝視していたのだけど。
そんな微笑ましい光景よりも、気になる疑問がふと浮かび、忍に質問してみることにした。
穴は穴でも、ミスタードーナツの穴ではなく。
尋ねるのは絆創膏で隠し切れない、穴のこと。
「吸血鬼の尻穴って、何の為にあるんだ?」
「はえ?」
僕の問いかけに、忍は可愛らしく首を傾げた。
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/01/10(木) 21:41:55.88 ID:LRcZnrqO0
「そもそも、吸血鬼って、排泄しないだろ?」
「まあ……そうじゃな」
これは紛れもない事実であり、実体験だ。
吸血鬼だった僕が身を以って体験済みの事実。
そもそも、食物を食べる必要がないのだ。
吸血鬼は文字通り、血を吸う鬼、なのだから。
「だから、何の為に尻穴があるのかと思って」
「理由が必要かの?」
「物事には全て、理由があって然るべきだ」
根が真面目すぎる僕は、万物の理を解こうと試みた。神は、サイコロを振らないのである。
「うーむ……そうじゃのう」
「心当たりがあるのか?」
「あるにはあるが、お前様よ」
「なんだ?」
「食事時にする話ではなかろう。暫し、待て」
そう言われては、黙るしかない。沈黙した。
たしかに、食事時には不適切な質問だった。
ましてや、色合いが似ているゴールデンチョコレートを食べている、今この時には、尚更だ。
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/01/10(木) 21:44:06.32 ID:LRcZnrqO0
「はあ〜! 美味しかった!」
待つこと、数分。ついに、その時が訪れた。
忠犬よろしく、食べ終えるのを待ちに待った僕は、満足そうな美幼女に詰め寄り、急かした。
「さあ! 早く尻穴の真相を教えてくれ!」
「そうせかせかするでない、お前様よ」
「せかせか!」
せかせかするなと言われると、余計に急く。
「やれやれ、困った主様じゃのう。そんなに儂の見目麗しい尻穴が気になるか?」
「俄然、気になる!」
「気に入ったのか?」
「俄然、気に入った!」
「ならば、良かろう。話してやる」
忍は語る。怪異の王、吸血鬼の尻穴の真相を。
「これはあれじゃ、人間だった頃の名残じゃ」
「名残?」
「なごり尻、と言ったところかの」
なごり雪みたいに、尻穴をなごまれても困る。
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/01/10(木) 21:47:42.29 ID:LRcZnrqO0
「儂が元人間であったことは知っておろう?」
「それは知ってる」
「じゃから、その尻穴が残ったのじゃろうよ」
言われてみれば、なんのことはない。
僕だって吸血鬼化しても尻穴は存在していた。
600年を生きた吸血鬼とはいえ、元は人間。
その名残が身体に残っていても不思議はない。
しかし、疑問は残り、僕は追求を重ねた。
「でも、600年間、使ってないんだろう?」
「まあ、排泄はしておらんな」
「なら、退化してもおかしくない筈だ」
不要な尻穴が600年も残ったことに進化論の観点から疑問を投げかけると、忍は呵呵と嗤い。
「儂は、排泄はしておらんと言っただけじゃ」
その意味深な言い回しに僕の興味が惹かれた。
「排泄以外の使い道があるのか?」
「ないことはない。試したことはないがの」
「たとえば?」
「そうじゃの。心渡を取り出したり、かの?」
ハートアンダーブレードの愛刀。妖刀、心渡。
刃渡り2メートルはあろうかという、長刀だ。
それを尻穴から取り出せると、忍は豪語した。
「マジで!?」
「本気と書いて、マジと読むそうじゃの」
「そんなことが可能なのか!?」
「儂に不可能はない」
僕は初めて心から、忍さんぱない! と思った。
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