バナージ・リンクス 「嘘でも本当でも、俺にはヨハネ・ツシマだ!」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/05(土) 13:28:07.28 ID:Var6PDKV0
元ネタ
『ラブライブ!サンシャイン?』
『機動戦士ガンダムUC』
他、『ラブライブ!』や宇宙世紀のガンダム作品

機動戦士ガンダムUCに相当ネタバレあり。
昔書いたSSの続編。当時とダブるレスを入れる分、前作知らなくても楽しめるように書きます。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1546662486
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/05(土) 13:46:55.89 ID:Var6PDKV0
宇宙世紀0085、一年戦争とグリプス戦役の戦間期、アクシズはまだ地球圏に帰還しておらず、その後の激動の時代と比べれば牧歌的とも言える日々が続いていた。ネオ・ジオンの正統なる後継者ミネバ・ラオ・ザビにとっても最も平和な時代だったといえよう。

ハマーン 「まさか、嫌がってなどおりませぬ」

ハマーン 「ミネバ様がご所望とあらば、いくらでも」

ハマーン 「それでは……参ります……」

ハマーン 「きょ……今日も、元気に頑張ルビィ……」

ミネバ(6歳) 「ハマーン?」

ハマーン 「失礼しました、ミネバ様……」

ハマーン 「……」

ハマーン 「今日も元気にがんばルビィ?」(ポーズ込み)

ミネバ(6歳) 「おおっ! いつもながらハマーンのルビィはそっくりじゃ!」
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/05(土) 13:54:18.55 ID:Var6PDKV0
ハマーン 「お褒めに預かり恐縮です」

ミネバ(6歳) 「知っておろうがわらわもAqoursのメンバーになれるのじゃ」

ミネバ(6歳) 「スゥー、ハァー……」

ミネバ(6歳) (せーの!)

ミネバ(6歳) 「だ天使ヨハネとけいやくして、あなたも私のリトルデーモンに……なってみない?」

ハマーン 「お見事です、ミネバ様」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/05(土) 14:01:53.80 ID:Var6PDKV0
ハマーン (ミネバ様の元に長居した。ブリッジに戻らねば……)

ハマーン (ミネバ様の心の支えになればとお見せした『ラブライブ!サンシャイン?』)

ハマーン (私はミネバ様が彼女なりの輝きを見つけて下さることを期待したが、幼くしてご両親を失ったミネバ様は自らを不幸体質と捉え、ヨシコ・ツシマに傾倒された……)

ハマーン (違うな……)

ハマーン (かつてあの男は幼いミネバ様に『ラブライブ!』を見せていた。その意趣返しに過ぎない)

ハマーン (μ'sに染めようとしていた相手が久しぶりに再会したらAqoursに染まっていたとしたら……。あの男の反応が楽しみだ)
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/05(土) 14:10:42.51 ID:Var6PDKV0
マシュマー 「ハマーン様?」

ハマーン 「何があった? 状況を報告しろ」

マシュマー 「ブリッジ、異常ありません……」

オペレーターA 「おい、あれ見ろよ……」

オペレーターB 「シッ、声が大きい」

ハマーン 「?」

ハマーン 「マシュマー、ならば何故狐に抓まれたような顔をしている?」

マシュマー 「いえ、ハマーン様に何か心境の変化があったのかと」

ハマーン 「面白いことを言う。私の何が変わったというのだ?」

マシュマー 「ハッ、そのツインテールもお似合いです、ハマーン様」

ハマーン (髪型元に戻すの忘れた!)
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/05(土) 14:20:00.89 ID:Var6PDKV0
数年後

シャア 「よくもミネバをこうも育ててくれた!」

ハマーン 「ミネ……ヨハネ様の御前である!」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/05(土) 14:30:34.19 ID:Var6PDKV0
それから9年。ここは建造中の工業コロニー、インダストリアル7。そのドッキングベイ内部、中央ポートには美しく成長した16歳のミネバの姿があった。

ミネバ (ここを移動するのは危険が伴いますが、追手の目を晦ます為には……)

ズルッ!

ミネバ (手が滑った!?)

ミネバ (落ちる! 落ちてる!)

ミネバ (まさか……)

ミネバ (堕天使ヨハネ、インダストリアル7に……)

ミネバ (堕天!)

ミネバ (ってピィーンチ!)
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/05(土) 16:28:46.51 ID:EaJN7mRS0
コロニー中央部のポートから転落したミネバ。その身体はコロニー内壁、即ちコロニー内部における地上に向かって墜ちていった。
たとえ魂が重力に引かれなくとも身体が重力に引かれない人間など存在しない。
コロニーの自転によって生み出された人工の重力であってもそれは変わらない。

ミネバ (これじゃ堕天どころか昇天……あれは?)

不幸体質のミネバであったが、幸運にも一機のプチモビに救助される。プチモビを操縦していた少年の名はバナージ・リンクス。堕天中のヨハネもといミネバを偶然見かけて救助した16歳の学生である。
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/05(土) 16:29:16.98 ID:EaJN7mRS0
今回はここまで。
読んで下さった皆さんありがとうございました。
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/05(土) 18:15:15.34 ID:m/cGwaGhO
ハマーン様のがんばるびぃ…(歓喜)
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/05(土) 19:18:25.69 ID:KqjJErWRo
前作のタイトル教えて
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/06(日) 11:52:15.86 ID:ZnxfXmxX0
1です

>>11
前作のタイトルは完結後に明かします。一両日中に完結予定なのでしばしお待ちを。

それから2箇所、文字化けしました。
>>1
誤 『ラブライブ!サンシャイン?』
正 『ラブライブ!サンシャイン(半角感嘆符2つ)』

>>2
誤 ハマーン 「今日も元気にがんばルビィ?」(ポーズ込み)
正 ハマーン 「今日も元気にがんばルビィ(ハートマーク)」(ポーズ込み)
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/06(日) 11:54:21.84 ID:ZnxfXmxX0
バナージ (何とか不時着出来た……。一時はどうなるかと……)

ミネバ (まさか追手? だったら!)

ミネバ 「堕天使奥義! 堕天龍鳳凰縛!」

バナージ 「イテテテテ!」

バナージ (何故コブラツイスト?)

ミネバ 「誰か?」

バナージ 「何すんだよ!」

ミネバ (追手じゃない……)
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/06(日) 12:03:45.31 ID:ZnxfXmxX0
バナージ 「名前言ってなかった。俺は――」

ミネバ「バナージ」

バナージ「えっ」

ミネバ「この子が呼んでたから」

ハロ「バナージ、ガンバレ。バナージ」

バナージ「そう、バナージ・リンクス」

ミネバ「私は……ヨハネ。ヨハネ・ツシマ」

バナージ「ヨハネ……」

バナージ「こいつはハロ。知らない? 大戦中のエースパイロットが作った、マスコットロボットのレプリカ。子供の頃、流行ったろ?」

ミネバ「私、田舎に住んでいたから……」

バナージ 「田舎って?」

ミネバ 「ヌマヅ」
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/06(日) 12:52:49.57 ID:ZnxfXmxX0
ミネバはバナージの案内の元、ビスト邸に辿り着き、ビスト財団の当主カーディアス・ビストと対面する。

カーディアス 「当家の主、カーディアス・ビストです」

ミネバ 「断りなくお屋敷へ踏み入ったご無礼をお詫び致します。私は堕――」

カーディアス 「存じ上げています。今はその名を口にされない方がよいでしょう」

ミネバ 「では名乗りません。私の立場さえ理解して頂けるのなら、それで」

ミネバ 「考え直して頂きたくてここへ来ました。魔具『ラプラスの箱』を私達に託すというお話を」

カーディアス (魔具?)
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/06(日) 13:01:46.16 ID:ZnxfXmxX0
ミネバ 「バナージ、帰って。ここまで連れてきてくれてありがとう。あとは自分で出来ます」

バナージ 「ヨハネ……俺手伝うよ。君は戦争を止めに来たんだろう?  この人は、そういう力がある人なんだろう?  君の言う戦争って言葉は、学校の先生が口にするのとは違う。重いんだ。怖いことなんだって分かるんだ、だから俺……!  だから……」

ミネバ 「バナージ」

バナージ「今朝、君が空から落ちてくるのを見て凄くドキドキした。それまでズレていたものが元に戻って、初めて自分の居場所が見えたような気がして……。君が誰だってかまわない。俺のこと、必要だって言ってくれ。そしたら俺は……」

ミネバ「必要ない」

バナージ「!」

ミネバ「あなたは、もうリトルデーモンとしての役目を十分に果たしました。ここからは先は人ならざる者の領域。私に関わらない方がいい」

バナージ「……」
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/06(日) 13:12:03.79 ID:ZnxfXmxX0
一度はミネバの元を去った失意のバナージ。しかしインダストリアル7にてモビルスーツ同士による戦闘が始まるととてもミネバを放っておけず、バナージは彼女を探した。その最中、バナージはMSデッキで白いモビルスーツを発見する。そのコックピットには重傷を負ったカーディアスがいた。

カーディアス 「ここまで来た、その気持ちが揺らがぬ自信はあるか?」

バナージ 「えっ……?」

カーディアス 「彼女は大分イタいぞ。共に行くには、この世間の重みを受ける覚悟がいる。それでも……」

バナージ 「自信とか覚悟なんて、無い。俺は彼女に必要とされたいだけなんです」

カーディアス 「ならば、これを持って行け……」

カーディアスはバナージにユニコーンガンダムを託すと程なくして息絶えた。我が子バナージが白き一角獣と共に奇跡を起こすことを願って。
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/06(日) 13:21:11.85 ID:ZnxfXmxX0
ミネバはヨハネ・ツシマの偽名で避難民を装い、連邦の強襲揚陸艦ネェル・アーガマに収容された。その後、バナージも搭乗していたユニコーンガンダムごとネェル・アーガマに収容され、二人は再会を果たすが、ミネバの正体が連邦軍に露見してしまう。折しもネェル・アーガマがネオ・ジオンの攻撃を受けている最中のことであった。

ミネバ 「ダグザ・マックール中佐。その勇気があるなら、鍵を壊し私を殺すがいい。さすれば、鍵と私の喪失によって、ネオ・ジオンに打撃を与えることは出来る。あるいは、このまま何もせずに全てを奪われるか。もう猶予は無いぞ」

バナージ 「ヨハネ!」

バナージ 「そんな話し方をしちゃダメだよ。人も自分も追い詰める」

ミネバ 「バナージ……」

バナージ 「ここを出よう。君はこんなことに関わるべきじゃない!」

ミネバ 「私は、ミネバ・ザビである」

バナージ 「ヨハネだよ!」

バナージ 「嘘でも本当でも、俺にはヨハネ・ツシマだ!」
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/06(日) 13:25:14.68 ID:ZnxfXmxX0
一旦ここまで。
本日中に続き投下予定。
読んで下さった皆さんありがとうございました。
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/06(日) 20:05:06.58 ID:ZnxfXmxX0
ミネバとネェル・アーガマを護らんとユニコーンガンダムで出撃したバナージであったが、ネオ・ジオンのMSクシャトリヤに敗れて鹵獲される。囚われの身となったバナージはネオ・ジオンの拠点パラオに連行された。
そこでバナージは初期の宇宙移民者が残した礼拝堂を目にする。バナージを案内したのはクシャトリヤのパイロット、マリーダ・クルス。

バナージ 「ここは……」

マリーダ 「ココは礼拝堂ね」

バナージ 「礼拝堂?」

マリーダ 「イエス、このパラオがまだアステロイド・ベルトにあった頃に造られました。初期の宇宙開拓者といえば、地球で食い詰めた者や政治犯……他に生きていく術を持たなかった者達ばかりでした。太陽も星の一つに紛れてしまいそうなアステロイド・ベルトに住む彼らには、縋るべき輝きが必要だったんでしょう」

バナージ 「輝き……」
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/06(日) 20:19:54.29 ID:ZnxfXmxX0
マリーダ 「輝きが無ければ人は生きていけないわ。だけど……宇宙に棄てられた人々はやがて神に代わる輝きを見出した。ラブライブという名の、新しい輝きを。彼らには、それが必要だったわ」

マリーダ 「絶望に抗い、残酷で不自由な世界で生き続けるために……。この世界には改善の余地がある、と思わせてくれる何かが」

マリーダ 「母校が廃校(なくなる)、それを防ぐ為に可能性を信じて足掻き続け、最後まで笑顔を忘れなかったスクールアイドル」

マリーダ 「私達ジオンはそんなスクールアイドル達に自らを重ね、ラブライブに熱狂した」

バナージ 「人間だけが神を持つ……」

バナージ 「そう言っていた人がいるんです。今を超える力……ゼロからイチへ、イチからその先へ、可能性という名の内なる神を……って」

マリーダ 「Oh、ロマンチスト!」
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/06(日) 20:32:57.45 ID:ZnxfXmxX0
マリーダ 「……ヨハネ、いえミネバ様のために行動を起こしてくれたこと……お礼を言うわ」

バナージ「え?」

マリーダ 「因みにここはミネバ様が堕天使ヨハネとしてミサを執り行う場所よ、バナージをここに案内したのは内緒ね」

バナージ 「ミサって……?」

マリーダ 「動画の生配信ね。コメント付きの」

バナージ「ええっ!?」

バナージ 「あなたも……あ、えっと……」

マリーダ 「マリーダ」

バナージ 「マリーダさんも、ミサをやったりするんですか?」

マリーダ 「ナッシング! ……人手が足りなくてもしないわ」
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