【シャニマス】怪獣なーちゃん

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/31(月) 01:11:39.41 ID:Qe96wmYH0
果穂「てやーっ!」

樹里「ぐわああああ! やられたああああ!」バタン

果穂「正義は必ず勝つ!」ビシッ

パチパチパチ

智代子「果穂カッコいい!」

果穂「えへへ……」

智代子「それに樹里ちゃんも、敵役が日に日に上達してるよね」

樹里「褒めてるのかそれ」スッ

智代子「もちろんだよ! すごく悪そうで、ヒーローの果穂が引き立ってたよ!」

果穂「すごくワルモノでした!」

樹里「イマイチ褒められてる気がしねーな……」

スタスタ

夏葉「アナタたち、ここにいたのね」

凛世「そろそろ、レッスンの時間です……」

智代子「あっ、ホントだ!」

果穂「樹里ちゃん、またあとでヒーローごっこやりましょう!」

樹里「ヘトヘトになってなけりゃな」

智代子「そういえば、今日のトレーナーさんって厳しい人なんだっけ? 不安だなぁ」

夏葉「やり遂げれば大きなパワーアップが待っているわ。頑張りましょう」

果穂「大きなパワーアップ……!」キラキラ

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1546186298
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/31(月) 01:13:21.11 ID:Qe96wmYH0
果穂「みなさん、早くレッスン場に行きましょう!」スタタタッ

樹里「おい果穂、急に走ると転ぶぞ」

夏葉「なるほど、ちょうどいいウォーミングアップになるわね。私も続くわ!」スタタタッ

凛世「これぞ青春、ですね……参ります……」スタタタッ

樹里「へ?」

智代子「樹里ちゃん、私たちも行こう!」スタタタッ

樹里「はあ!? ちょっ、待てって! なんで走る流れになってんだよ!」

智代子「樹里ちゃん置いてっちゃうよ!」

樹里「だからっ……あーもう! 仕方ねーな!」

スタタタ…

甘奈「ふふ♪ 放クラの人たちって、いつも元気いっぱいだね」

甜花「うん……」

甘奈「アグレッシブって言うのかな。見てると、甘奈まで『やるぞ!』って気になるよ」

甜花「て、甜花は……そうでもないけど……」

甜花「……それより、懐かしい……」

甘奈「え?」

甜花「果穂ちゃんたち見てて……昔の記憶、思い出した……」

甜花「甜花と、なーちゃんも……ああいうのやってたな、って……」

甘奈「追いかけっこ?」

甜花「ううん、ごっこ遊び……」

甘奈「そうだったっけ」

甜花「よ、幼稚園の時だから……思い出せないのも、仕方ないかも……」
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/31(月) 01:15:24.76 ID:Qe96wmYH0
甜花「ママ、パパと、デパートへお買いものに行ったとき……ヒーローショーやってて……」

甜花「それに出てきた、怪獣のマネして……」

甘奈「あー! 思い出した! 屋上でやってたよね!」

甘奈「通りすぎただけなんだけど、興味が出てきちゃって。見えなくなるまでじーっと見てたね」

甜花「うん……」

甘奈「で、帰ったら怪獣ごっこが始まったんだよ。『がおー!』ってさ」

甜花「甜花、それで喜んでた……」フフ

甘奈「そうそう! 甜花ちゃんがあまりにも楽しそうにするから、甘奈も嬉しくなっちゃったんだ☆」

甘奈「ノリノリで怪獣やってたら、パパも参加してきて」

甜花「にへへ……パパ、強かった……」

甘奈「簡単に捕まえられちゃったよねー」クスクス

甘奈「そっか。そういえば、そんなことあったなぁ」

ピロリン♪

甜花「あ……千雪さんから連絡……。『あとちょっとで事務所に着きます』だって……」

甜花「よかった……新しくできたカフェ、3人で行けそうだね……なーちゃん……」

甘奈「……」

甜花「なーちゃん……?」

甘奈「……」


甘奈「がおーっ!」

甜花「!?」

4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/31(月) 01:17:52.31 ID:Qe96wmYH0
甘奈「怪獣の登場だよー! がおー!」

甜花「な、なーちゃん……怪獣って……」

甘奈「食べちゃうぞー」ギュー

甜花「ひゃっ」

甘奈「がぶがぶ、美味しいなぁー」コチョコチョ

甜花「ふふっ、えへへっ。や、やめてなーちゃんっ……」ジタバタ

甘奈「今の甘奈はなーちゃんじゃないよー、怪獣なーちゃんだよー☆ がおー」コチョコチョ

甜花「く、くすぐったい……!」スッ

甘奈「あっ、逃げた! 待てー♪」

甜花「怪獣なーちゃん、おそろしい……にへへ……♪」

甘奈「待て待てー、逃がさないよー」

甜花「きゃー……甜花、食べられちゃう……」

甘奈「そっちは行き止まりだよー、いいのかなー?」

甜花「しまった……!」

甘奈「つーかまーえたっ☆」ギュッ

甜花「捕まっちゃった……」ニコニコ

甘奈「甜花ちゃん美味しいから、どんどん食べちゃうなー」コチョコチョ

甜花「ふふふっ……こ、こうなったら……甜花、変身する……!」

甜花「正義のみかた……テンカロボ……!」シャキーン

甘奈「わー、可愛いロボットが現れた」
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/31(月) 01:19:51.01 ID:Qe96wmYH0
甜花「テンカロボは、強いよ……必殺・ハイパーこちょこちょ……!」コチョコチョ

甘奈「あはははっ! そ、そこだめ!」ジタバタ

甘奈「怪獣なーちゃんもやり返しちゃうぞー!」コチョコチョ

甜花「ふふふっ……ま、負けないよ……!」ツンツン

甘奈「きゃっ!? もう、お腹をつつくのは反則だよー」アハハ

甜花「怪獣を倒すには、弱点を突かなきゃ……」ニヘヘ

甜花「あっ」

甘奈「強いなぁ。よーし、こうなったら怪獣なーちゃんも必殺技を出しちゃお」

甘奈「必殺・お腹ぷにぷに!」プニプニ

甜花「ひゃっ! ま、待ってなーちゃん……」

甘奈「やめないよ☆ むむ、ちょっとしか摘まめない。甜花ちゃんお腹引き締まったねー」プニプニ

甜花「あぅ……な、なーちゃん、ストップ……!」

甘奈「がおー! テンカロボは、怪獣なーちゃんの攻撃に成す術なしかな?」

甘奈「なんとかしないと負けちゃうよー! がおがおー!」

甜花「あ……あのね、なーちゃん……後ろ……」

甘奈「後ろ?」


P「……」

甘奈「!!」


甘奈(ぷぷ、プロデューサーさん! う、ウソ……今の見られてた!?)カァァ

甘奈「ああ、あのねプロデューサーさん! こここれは、えっと!」アタフタ

P「甘奈、来週の仕事について話があるんだけどいいか?」

甘奈「えっ?」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/31(月) 01:21:39.02 ID:Qe96wmYH0
P「ほら、例のファッション雑誌に載る写真を撮影するんだよ。表紙を飾れるってウキウキしてたじゃないか」

甘奈「う、うん……覚えてるけど……」

P「それについて話したいことがあるんだ。時間いいかな」

甘奈「大丈夫だよ」

P「レッスンも仕事も無い日なのに悪いな。デスクで話すから来てくれ」

甘奈「うん」

甜花「……」

甘奈「……行ってくるね」

甜花「甜花、ここで待ってる……千雪さんが来たら、お仕事のお話してるって、言っておくね……」

甘奈「ありがとう」

――――

P「――ということなんだ。頭に入れておいてほしい」

甘奈「わかった」

甘奈(プロデューサーさん、何事も無かったかのようにいつも通りの接し方をしてくれてる)

甘奈(気を遣ってくれたのかな。甘奈としては、反応してくれた方が気が楽になったかも)

甘奈(まさかあんな姿を見られるなんて、恥ずかしすぎるよ……)プシュー

P「どうした甘奈、顔が赤いけど風邪か?」

甘奈「ううん、何でもない」

P「ならいいんだけど。最近流行ってるらしいし、体には充分気をつけてな」

甘奈「うん……」

甘奈(うー、やっぱり見て見ぬ振りされるのはイヤ! プロデューサーさんの頭に怪獣ごっこが焼きついてると思うと耐えられない!)

甘奈(忘れてもらおう、何としても!)グッ
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/31(月) 01:24:03.44 ID:Qe96wmYH0
甘奈「あ、あのさ、プロデューサーさん」

P「なんだ怪獣なーちゃん」

甘奈「!?」

P「テンカロボが待ってるぞ。確か千雪と3人でスイーツを食べに行くんだよな?」

甘奈「……」カァァ

P「怪獣なーちゃんは何を食べるんだろうなぁ」

甘奈「……っ」プルプル

甘奈「ぷ……プロデューサーさん……?」ジトー

P「あ……ご、ごめん甘奈。意地が悪すぎたな」ハハ…

P「見なかったことにしようとしたんだけど、可愛いことをしてたものだから、ついからかいたくなって……」

甘奈「ひどい! 女の子の秘密を覗き見した上にからかうなんて!」プンスカ

P「覗き見たわけじゃないって! 甘奈を呼ぼうとしたら、偶然目に入ったんだ」

P「本当にごめん」ペコリ

甘奈「ゆ、許さないもん! 甘奈を怒らせたプロデューサーさんには罰を与えないと!」

P「罰……?」

甘奈「がおーーーっ!」

P「!?」

甘奈「怪獣なーちゃん再び! プロデューサーさんをこらしめてやる!」カァァ

P(開き直った!?)

甘奈「がぶがぶ! がぶがぶがぶ!」コチョコチョ

P「あ、甘奈! やめっ、あはははっ!」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/31(月) 01:27:06.12 ID:Qe96wmYH0
甘奈「すっごく笑うねー。くすぐりが弱いの?」

P「だ、ダメなんだ俺! 横腹でも脇でも、ふふっ、くすぐられると苦し、あはははっ!」

P「ひぃ、ひぃ、甘奈悪かった! この通りだ許してくれ!」

甘奈「楽しいからもうちょっと続けよ♪」コチョコチョ

P「やめてくれ頼む! 笑い死ぬ!」

――――

アハハハハ!

甜花「!」ピクッ

甜花(これって……)

ガチャ

千雪「ただいまー」

甜花「あ、おかえりなさい……」

千雪「少し遅くなっちゃった。ごめんね」

甜花「ううん……お仕事だから、仕方ない……」

ヒーヒヒヒヒ!

千雪「あら? 何かしら」

甜花「笑い声……」

千雪「プロデューサーさんみたいね。どうしたのかしら」

甜花(……もしかして、なーちゃん……)

千雪「見てくるわ、ここで待ってて」

甜花「え……!? あ……ま、待って千雪さん……今は……!」
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/31(月) 01:28:14.84 ID:Qe96wmYH0

アハハハ!

千雪(プロデューサーさんのデスクから聞こえる。一体何が)

千雪「プロデューサーさん?」ヒョコッ

P「い、いい加減にしてくれ甘奈、もう……!」

甘奈「だーめ♪ 怪獣なーちゃんが満足するまでやるよ♪」

甘奈「がおー! がぶがぶ、美味しいなー」コチョコチョ

P「ちょっ、本当に……息ができなく……」

千雪「……」ジー

P「はっ!? 千雪!!」

甘奈「え!? ち、千雪さん……」

千雪「な……何をしてたんですか?」

P「えっと、これは……」

甘奈「うう……」カァァ

P「……」

P「じ、実は俺……くすぐられるのが大好きなんだ!」

千雪「え……」

P「ただくすぐられるだけじゃなくて、怪獣のマネをしながらくすぐられるのがすごくいい! だから甘奈に『やってくれ』とお願いを」

千雪「そ、そう……なんですか……」

P(引かれてる。無理もない)

甘奈「プロデューサーさん! そんなウソつかなくていいよ!」

甘奈「千雪さん、本当はね?」
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/31(月) 01:29:19.13 ID:Qe96wmYH0

――――

千雪「なるほど」

甘奈「調子に乗り過ぎちゃったね、反省」

P「元はと言えば俺が甘奈をからかったのがいけないんだよ。何も反省しなくていい」

千雪「ふふっ……でも、2人ともすごく楽しそうでしたね」クスクス

P「へ?」

甘奈(否定できない……)

P「いやいや、あれはくすぐられてたから笑いが生まれたんだよ。楽しいとは別だ」

千雪「そうですか? なんとなく嬉しそうに見えたんですけど」

P「気のせいだって」

千雪「そういうことにしておきます」フフ

P「何故信じてくれないんだ……」

千雪「あっ、そうだ。甘奈ちゃん、駅前のお店に行く準備はできた?」

甘奈「できたよ。あとは出発するだけ」

千雪「よかった。じゃあ今から向かいましょうか」

千雪「プロデューサーさん。私たちはこれから限定スイーツを食べに行ってきます」

P「ああ、行ってらっしゃい」

甘奈「……プロデューサーさん」

P「?」

甘奈「あと千雪さんも。甘奈がやってたこと、誰にも言わないでね?」

甘奈「っていうか忘れてほしい! お願い!」
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/31(月) 01:30:47.69 ID:Qe96wmYH0
P「もちろん」ニコッ

千雪「言うとおりにしますよ」ニコッ

甘奈「なんか裏がありそうな笑顔だよね? 絶対だよ?」

P「少なくともこの事は誰にも言わないから」

甘奈「忘れるかどうかは分からないんだ」

千雪「ふふ、だってあんなに可愛い怪獣さん、忘れちゃうのはもったいないもの」

甘奈「うぅ……まあ、心の中にしまっておくなら……」

P「しまっておくよ。約束だ」

千雪「それじゃ、今度こそ行ってきます」

P「行ってらっしゃい」ヒラヒラ

甘奈「うー……」


P「……」

P(子供向けの番組で……いや、今約束したしな……)

P(もったいない。もったいないな、これは)


おわり
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