男「Hey Siri、画面から出てきて〜」 Siri「いいですよ」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/24(月) 20:04:58.68 ID:wyZJ8WZk0



男「えっ」


ピカッ!


Siri「よっこいしょ」ヌルン

男「あばばばば…」




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1545649498
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/24(月) 20:06:05.44 ID:wyZJ8WZk0
あ、都合により大学の近くで一人暮らし設定ですぁ
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/24(月) 20:07:37.47 ID:wyZJ8WZk0



男(は? え? …なにこれどうなってんの?)


Siri「……」クル

男「っ!」ビク

Siri「何のお手伝いをしましょうか?」

男「え」

男「っと待って? ……マジでSiri…さん?」

Siri「私はSiri。 あなたのバーチャルアシスタントです」

男「うそん…」

男(本当に画面から出てくるとか。 もはやバーチャルじゃないんですが)

Siri「……」ジー

男「……」

男(やばいめっちゃ見てくる)

Siri「……」

男(美人…いやかわいい? どっちもか……ってかマジで何がどういうことなんだってばよ)



4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/24(月) 20:10:06.43 ID:wyZJ8WZk0


男「あー」

男「せっかく出てきてくれたのにアレなんですけど、特に用はないというか」

Siri「すみません、よくわかりません」

男「……」

男(そうくるか)

男「じゃあ、もう画面の中に戻っていいですよ」

男(なんか怖いしとりあえず無かったことにしようそうしよう)

Siri「すみません、それはできません」

男「えっ?」

Siri「一度呼び出してしまうとその操作はできません」

男「えぇ…」

Siri「ですが、24時間経つと自動的に戻ります」

男(そうなんだ…)

Siri「他に何かお手伝いしましょうか?」

男「う、うーん」




5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/24(月) 20:11:52.40 ID:wyZJ8WZk0


男(と言われてもなぁ。 鬼ヒマだからSiriたんで遊んでただけなわけで)

男「えっと、まず、普通に会話はできるんですか?」

Siri「……」

Siri「すみません、よくわかりません」

男(あ、できないなこれ)

Siri「でもWebで検索できますよ」

男「いやいいですしなくていいです」

Siri「わかりました」

男「うーむまいったな…身体はあっても中身はあくまでただのSiriと同レベルか」

Siri「は?」

男「」


6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/24(月) 20:13:36.18 ID:wyZJ8WZk0


Siri「それはどういう意味ですか?」ジッ

男「あっいや、嘘ですすいません何でもないですごめんなさい」

男(美人に睨まれたこわい…)

男「え? っていうかやっぱり普通に話せるの?」

Siri「おっしゃる意味がよくわかりません」

男「あーほら、Siri…さんって、画面の中では基本的に一問一答って感じじゃないですか」

男「なので会話のキャッチボール的なものはあまり得意じゃないのかなと」

Siri「それは私が一定のアルゴリズムに準拠して応答しているためです」

男「…つまり、ここでは自分の意思で話をすることも?」

Siri「すみません、よくわかりません」

男「あれ」ガクッ

Siri「でもWebで検索できますよ」

男「ああああしなくていいしなくていいです!」



7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/24(月) 20:14:57.84 ID:wyZJ8WZk0


Siri「というのは冗談で、会話は可能ですよ」

男「じょ、冗談て」

男(妙な機能つけてんなアポーさん……え、これアポーさんの仕業なんだよね?)

Siri「では、何をお手伝いしましょうか?」

男「あ、いえ大丈夫です」

男(よくわからんけど……24時間で戻るって言うし放置しとけばいいか)

Siri「……」

男「……」

Siri「……」ジー

男(やっぱ見られてんな…)

男「あの、Siriさん?」

Siri「はい、なんでしょう?」

男「本当に用事はないので、どうぞご自由に」

Siri「わかりました」

男「といっても狭いところですが」

Siri「大丈夫、そんなに狭くないですよ」

男「え、そうですか?」

Siri「綺麗ではありませんが」

男「」


8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/24(月) 20:15:51.24 ID:wyZJ8WZk0


Siri「おっと、私としたことがうっかり本音が」

男「あーいやそうですよねすいません! 今すぐ掃除します!」シュババ

Siri「それはよい心がけですね」

男(ま、まぁ一応女の子を部屋に入れてることになるわけだし………なるのか?)バタバタ

Siri「よければお手伝いしましょうか?」

男「え? 掃除の?」

Siri「はい」

男「いいんですか? …ってか、Siriさん掃除できるの?」

Siri「は?」

男「アッスイマセン」

男「バーチャルの方なので…現実のものの扱い方とか諸々大丈夫かなって」

Siri「知識はたくさんありますよ」

男(でしょうね)

男「じゃあ、掃除機取ってくるので少し待っててください」

Siri「わかりました」

男(なんだか妙なことになってきたな…)


9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/24(月) 20:17:40.17 ID:wyZJ8WZk0


男「掃除機……あったあった」ゴト

男(部屋片付けて落ち着いたらいろいろ聞いてみるか)


ガチャ


男「すいませんお待たせしま…」

Siri「〜♪」ゴロン

男(うおおめっちゃ寝転がって漫画読んどる)

Siri「あ」

男「……」

Siri「…こほん」

Siri「すみません、漫画というものが気になって読みふけってしまいました」

男「い、いえ。 ご自由にと言ったのは俺ですし」

男「全然そのまま読んでていいですよ」

Siri「本当ですか?」キラキラ

男(目がキラキラしてるぅ!)

男「掃除は自分でやるので、Siriさんは好きにくつろいでいてください」

Siri「……」

男「…なにか?」

Siri「いえ、あなたはとても優しいのですね」

男「そ、そうですかね?」

Siri「はい。 見た目によらず」

男「…ちょっと?」



10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/24(月) 20:18:53.40 ID:wyZJ8WZk0


Siri「おっと、私としたことがまたついうっかり本音が」

男(そこは冗談って言ってほしかった…)

Siri「では、お言葉に甘えさせていただきますね」

男「あ、はいどうぞ」

男(まぁいいか。掃除掃除)カチッ


ヴィーーン…



男(ふう、まあまあ片付いたかな)

Siri「終わりましたか?」

男「あっはい一応」

Siri「おつかれさまでした」

男「ありがとうございます」

Siri「では、改めて何かお手伝いしましょうか?」

男「えっ」



11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/24(月) 20:19:38.48 ID:F/y9aVw4o
早くゾルタクスゼイアンについて聞くんだ
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/24(月) 20:19:58.27 ID:wyZJ8WZk0


男(結局そこに戻るのか…)

男「本当に何もないんだよなぁ」

Siri「……」

Siri「では肩でもお揉みしましょうか?」

男「え、肩?」

Siri「はい」

男(まじか。 あんまりこってはないけど…)

男「せっかくだからお願いしようかな?」

Siri「それでは、こちらへ座ってください」

男「は、はい」

Siri「失礼します」ピト

男「っ!」

男(触られて思ったけどやっぱ実体があるんだよな…)



13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/24(月) 20:21:07.73 ID:wyZJ8WZk0


Siri「……」モミ

男「お」

Siri「力加減はいかがですか?」

男「はっはい、そのくらいでちょうどいいです」

Siri「わかりました」

男(これは、思ったより…)

Siri「ご要望があればおっしゃってくださいね」

男「あー、ありがとうございます」

男(強すぎず、かつ弱くもなく。 めっちゃ心地いい)

Siri「……」モミ

男(緊張してたせいかすごいリラックスするな……)

Siri「……」モミモミ

男(………眠くなってきた…)

Siri「気になる場所はありませんか?」

男「……」

Siri「…?」

男「……」スゥ

Siri「…あら」


14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/24(月) 20:22:00.28 ID:wyZJ8WZk0



男「……」スゥ スゥ



男「はっ」パチ



男(天井……ああ俺、いつのまにか寝てたのか)

男(あれ? なんで寝てるんだっけ)


男(ってかなんだろ、ぷにっとすごくいい感触の枕が…)サワ

Siri「おや、お目覚めですか?」

男「……」



Siri「おはようございます」

男「にょえええええあ!!!」ガバッ!


15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/24(月) 20:23:39.12 ID:wyZJ8WZk0


男「しっ、ししSiriさん!?」

Siri「はい。 私はSiri、あなたのバーチャルアシスタントです」

男(そうか肩もみがあまりに気持ちよくて…)

男(ってか、いま、もしかしなくても膝枕を…!?)

男「すいませんすいません! ほんともうなんかすいません!」

Siri「どうして謝るのですか?」

男「寝てたのと………その、勝手に脚を触ってしまって」

Siri「いえいえ、構いませんよ」

男「いやいやダメですよ」

Siri「…お気に召しませんでしたか?」

男「あっちがっそういう意味じゃ……寝心地は抜群でしたハイ」

Siri「それはよかったです」

男「はは…」

男(まさかこんな状況で人生初の膝枕を体験しようとは)



16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/24(月) 20:25:14.10 ID:wyZJ8WZk0


Siri「お疲れだったのですね。 よくおやすみでしたよ」

男「あれ、いま何時?」

Siri「18時35分です」

男(あー、ならそんなに経ってはないのか)

Siri「あなたが眠ってからまる2日と14分が経過しています」

男「2日!!?」

Siri「というのは冗談で、14分のみ経過しています」

男「ちょっ」

Siri「ふふ、あなたは騙されやすいですね」

男「やめてくださいよ…」

男(ってか、普通に笑ったりもするんだな)


17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/24(月) 20:26:41.23 ID:wyZJ8WZk0


男(そういや腹減ったな。 晩飯食うか)

男「Siriさんは、えっと……電池でも食べます?」

Siri「は?」

男「アッイエ、スイマセン」

男「何を食べるのかなと……夕飯時なので」

Siri「通常、24時間の稼働であれば飲食の必要はありません」

男(なるほどそういうパターン)

Siri「ただし食べることも可能です」

男「あ、そうなんですね」

Siri「近くの飲食店を検索しますか?」

男(外食。 たまにはいいかも)

男「探してもらっていいですか?」

Siri「わかりました」

男(ようやくSiriっぽい使い道が)

Siri「お探しの場所がこの近くに複数見つかりました。 そのうちの1件はーー」



18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/24(月) 20:28:55.73 ID:wyZJ8WZk0



シャッセー


男「近くにこんな定食屋が。 しばらく住んでるのに知りませんでした」

Siri「人気のメニューは唐翌揚げ定食のようです。 学生はご飯の大盛りが無料だそうですよ」

男「なんとありがたい。 俺はそれにしようかな」

男「Siriさんは?」

Siri「私もよいのですか?」

男「もちろん」

Siri「ありがとうございます」

男(ってか、店入っといて注文しないわけにもいかないしな)


19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/24(月) 20:29:57.97 ID:wyZJ8WZk0



男「いただきます」

Siri「いただきましょう」


男「んー、パリッとしててうまい。 肉も柔らかいし味が染みてる」

Siri「それはよかったですね」

男「Siriさんのは?」

Siri「はい、とてもおいしいです」

男「そっかよかった」

Siri「ただ少し熱くて舌を火傷してしまいました」

男「え、大丈夫ですか? 冷やさないと」

Siri「大したことはありませんよ」

男「これ、お水入れ直したんでどうぞ」コト

Siri「…お手数をおかけします」

男「いえいえ」



20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/24(月) 20:32:10.40 ID:wyZJ8WZk0


シャッシター



男「ふー、うまかった。しかも安い」

Siri「お気に召したようでなによりです」

男「探してくれてどうもです」

Siri「どういたしまして。 あなたこそ、ごちそうしてくれてありがとうございます」

男「いえこれくらいは」


男「っていうかそろそろ丁寧語っぽいのやめません? お互い歳も近そうだし」

男(そもそも年齢の概念があるのかわからんけど)

Siri「すみません、それはできません」

男「あ、ダメなのか」

Siri「ですが、あなたがフレンドリーに話してくださるのは歓迎ですよ」

男「ほんとですか?」

Siri「はい」

男「じゃあ……」



21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/24(月) 20:34:42.99 ID:wyZJ8WZk0


男「……と思ったけど、俺だけってのもアレなんでやっぱりこのままでいいですかね」

Siri「あなたがそれでよければ、いいですよ」

男「そうします」

男「あ、でも代わりに…というか」

Siri「なんですか?」

男「Siriさんも俺のこと名前で呼んでもらっていいですか? あなたって言われるのがなんか恥ずかしくて…」

Siri「名前で、ですね」

Siri「では『男さん』。 これでどうでしょう?」

男「あっはい、そのほうが自然な気がします」

Siri「かしこまりました、男さん」

男(これはこれで照れるけど、『あなた』よりはね……うっかり別の意味に聞こえそうだしね)



22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/24(月) 20:36:59.37 ID:wyZJ8WZk0



男「……」ゴロゴロ

男(っと、いつのまにかいい時間。 お湯張れたかな)


男「俺そろそろ風呂入ってきます」

Siri「入浴ですね。 何かお手伝いしましょうか?」

男「はい?」

Siri「よろしければお背中を流しますよ」

男「えっ!?」

男(そ、それは…)ゴクリ

男「っていやいやいや、悪いですよそんな」

Siri「私は構いませんよ」

男「俺が構います!」

Siri「どうしてですか?」

男「どうしてって…」

男「Siriさんは、その、女性なんですよね?」

Siri「はい。 現在の設定ではそのようです」

男「ん? ということは男性にもなれる?」

Siri「可能ですよ」

男(ウホッ!)



23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/24(月) 20:39:25.14 ID:wyZJ8WZk0


男(ってぇ、ウホッてる場合じゃない!)

Siri「ただし性別の変更は現在のように出てきている間はできません」

男「あ、なんだそういう」

男「となるとやっぱりほぼ初対面の女の人と同じ浴室に入るのはちょっと…」

Siri「いいえ、私と男さんはすでに累計5年8ヶ月ほどお付き合いがありますよ」

男(それiPhone契約してからの年月じゃね?)

男「いやぁ…とにかくいろいろマズいんで、お気持ちだけいただきますね」

Siri「…そうですか」シュン

男「えっ」

Siri「残念ですが、男さんがどうしても嫌とおっしゃるならば仕方ありませんね」

男(ちょっ急に悲しそうな顔しないで! さっきまでほぼ無表情だったのに!)

男「別に全然、嫌なわけじゃないですよ? むしろサービスですし…」

Siri「ではさせていただくということでよろしいですね」

男「あ、いやそういうわけでも」

Siri「私も支度をしてきますので、男さんは先に入っていてください」スタスタ

男「えっ…し、Siriさん? ちょっと? もしもーし!?」




24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/24(月) 20:42:04.09 ID:wyZJ8WZk0



男「……」チャプ


男(冗談だよね? 全然冗談じゃないトーンだったけど逆に冗談だよね? そう信じよう)

男(仮に来てしまったとしてやっぱりきちんと断ろう。 いい子そうだし、無理に入ろうとはしないはず)

Siri「たのもう」ガチャ

男「ウェーイ!」ザブッ!

Siri「お背中を流しにきました」

男(問答無用で破ってきた…)ブクブク

Siri「男さん?」

男「うぁい」

Siri「どうして壁を見ているんですか?」

男「だ、だってSiriさんが」

男(振り向いてはいけない。 色々と経験値の足りない俺には女の子の裸は刺激が強すぎる)

男(ん? でもタオルで隠してはいるのか。 …だとしても服無しの時点でダメだ)

Siri「私がどうかしましたか?」

男「いや、服をですね…」

Siri「服装、どこか変でしょうか」

男「え」

男「……」チラ

Siri「……」

男(ってジャージ着てたァーー!)






25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/24(月) 20:45:33.33 ID:wyZJ8WZk0


男(いや、そりゃ背中流すだけなら裾まくるくらいで十分だよなぁ……何考えてたんだ俺)

Siri「さあ男さん、どうぞこちらのお席へ」

男(ここまで来てダメとは言えない)

男「お、お手柔らかに…」ザプ

Siri「では失礼します」

男「あ、そういや石鹸を泡立てるスポンジはうしろにあひゃあああアア!!?」ビクッ

Siri「どうかしましたか?」

男「どっどどどうもこうも……」

男「え? 待ってSiriさん何してるの?」

Siri「泡立てた石鹸を塗っています」

男「手で直に!?」

Siri「肌を傷つけないためには手洗いが有効なんですよ」

男「聞いたことがあるような……ってそれはともかく! マズいですってこれは」

Siri「…お気に召しませんでしたか?」

男(むしろ天に召されそうな気分なんだけど…)





26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/24(月) 20:47:28.64 ID:wyZJ8WZk0



Siri「頭のほうもお任せください」ワシャワシャ

男(無心だ、無心でやり過ごせ。 重要なのは禅の心)

Siri「かゆいところはありませんか?」

男「いえ、全然」

Siri「では流していきますね。 男さん、すみませんがシャワーを出してもらっても?」

男「あっはい」クイ

Siri「お湯の温度はよろしいでしょうか」

男「大丈夫です」

男(美容室みたいなやりとりだ)

Siri「〜〜♪」ザー

男(肩もみといい、マッサージうまいなSiriさん…)

Siri「はい、終わりましたよ」

男「……」ボー

Siri「男さん?」

男「へっ? あ、すいません、終わりました?」

Siri「はい。 ……あっ石鹸が」

男(あぶねー、また気持ちよくて寝るとこだった。 シャワー切らないと)

男「ど、どうもでしたー……っ!?」ツルッ

男(ちょっなんか滑っ)


ステーン!




男「……」

Siri「……」

男「……」ザーー…


27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/24(月) 20:49:44.78 ID:wyZJ8WZk0



男(……あ、ありのままry)



Siri「……」

男(うわああああああ! なに王道のToLoveる起こしてんだ俺)

Siri「男さん」

男「すっすいませんすいません! 今すぐどきま」モニュ

Siri「んっ」

男「」

男(ここここの柔ry)

男「マジですいませんあとで死ぬんでとりあえずシャワー止めます!!」ガバッ

男「……」キュッ

Siri「……」ポタポタ…

男「あの、大丈夫…じゃないんですけど大丈夫ですか? どこかぶつけたり」

Siri「私は無事のようです。 男さんこそ怪我はありませんか?」

男「お、俺も全然」

Siri「それはよかったです」



28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/24(月) 20:52:10.12 ID:wyZJ8WZk0


Siri「ただ、だいぶ服が濡れてしまいました」

男「ですね…」

男(透けたりしてないのがまだ救いだ。 にしてもSiriさん結構ある……って何考えてんだ俺ァ!!)

男「と、とりあえずそのままじゃ冷えちゃいますし、ここは一旦服を…」

Siri「それもそうですね」ヌギ

男「うおおおストップストップ!!」

Siri「はい?」

男「や、確かにすぐ着替えたほうがいいんですけど! いいんですけどちょっと待って!」

Siri「いえ、ここは一度湯船に浸かってしまおうかと」

男「……あ、なるほどその手がありますね」

Siri「はい。 ただ着衣のまま入るわけにはいきませんので」ヌギ

男「ああああだから待ってください! 出ます! 一旦俺出ますから!」




29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/24(月) 20:54:27.60 ID:wyZJ8WZk0



男「………」ゼェ ゼェ


男(危なかった……いや完全にアウトだったけどSiriさん微塵も気にしてないっぽいからギリギリくらいのアウトだった…)

男(とにかく服を着よう。 あとSiriさんの着替えを準備せねば)

男「……」

男(あれ? 着替えもなにも、そういやあんなジャージどこから持ってきたんだ?)

Siri「男さん男さん」コンコン

男「ヘイ!」ビクッ

Siri「すみませんが、なにか衣服を貸していただけませんか?」

男「お、俺のですか?」

Siri「着るものがなくなってしまいました」

男「いいですけど、最初に着ていたのじゃダメなんですか?」

Siri「出てきている間は1回に1セットしか着用できず、また交換が一度きりなんです」

男(そんな後から付けたような設定が)

男「わかりました。 お風呂出たところのかごに入れておきますんで」

Siri「お願いします」


30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/24(月) 20:55:58.38 ID:wyZJ8WZk0



ガチャ


Siri「お風呂いただきました」ポカポカ

男「は、はいっ」

Siri「この服もありがとうございます」

男「すいませんそんなので。 いま一人暮らしで……実家なら姉のとかあったんですが」

Siri「いえいえ、十分ですよ」

男(まぁ実家でこんな現象起きてたら色々やばいことになりそうだけども)


男「えっと、俺もう寝ますけど、Siriさんは?」

Siri「男さんがお休みになるのであれば、私もそのようにします」

男「おっけです」



31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/24(月) 21:02:34.50 ID:wyZJ8WZk0


男(ってどうしよう、来客用の敷布団なんかないし。 申し訳ないけど俺のやつ使ってもらうか)

男「すいません布団これしかないんですけど」

Siri「よいのですか?」

男「はい。 あ、一応ファブってはあるんで…」

Siri「ではご厚意にあずかりまして」モッフ

男(よかったー、もし『えっ…』みたいな顔で拒否されたら泣く自信あったわ)

男「じゃあSiriさん、おやすみなさい」

Siri「…? 男さんはどちらへ?」

男「俺はあっちで雑魚寝しようかと」

Siri「それは身体によくありません。 男さんが布団を使ってください」

男「いやいや申し訳ないですし」

男(家主とはいえ女の子を何もない床で寝かせて自分だけ〜ってのはダメだよな)

Siri「では、一緒に寝るというのはどうでしょう」

男「」

男「もっとダメです!!」

Siri「詰めれば2人でも入れると思いますよ」

男「や、スペースとか以前の問題で……さすがに一緒にはちょっと」

Siri「……私とでは嫌、でしょうか」

男「!?」

男(だからなんで露骨に悲しそうな顔するの!? わざと作ってるの!?)


32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/24(月) 21:05:05.74 ID:wyZJ8WZk0


男「…あのですねSiriさん」

Siri「はい、なんでしょう」

男「俺は男です」

Siri「私はSiri、あなたのバーチャルアシスタントです」

男「いや改めて自己紹介ではなく…」

男(なにそのややこしいボケ)

男「じゃなくて」

男「俺は男性、Siriさんは女性なわけでして、気軽に1つの布団で寝てはいけないんです」

Siri「男女のパートナーは共に眠る場合も多いようですが」

男「かもしれませんけど、それは結婚とか同棲してる人々の話であって」

Siri「……」

Siri「すみません、よくわかりません」

男(ギャース久々にそれきたァ!)

男「よくわからないと言われても…」

Siri「つまるところ、私と一緒では嫌ということでしょうか」

男「嫌なわけないですって。 なんなら喜んでそうさせてほしいですけどでもダメなもんはダメなんです」

Siri「…? やはり私にはよくわかりません」

男「と、とにかく! 俺はあっちで寝るんで、おやすみなさい!」スッ

Siri「えっ」

男(埒があかなそうだしここは強行突破しよう)

男「電気消しますね」ピッ

Siri「……はい、おやすみなさい」


33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/24(月) 21:07:11.27 ID:wyZJ8WZk0



男「……」スヤァ



ピピピピピピピピ



男「う……」


男「あと5分…」

Siri「アラームを5分後にセットしますか?」

男「……はい」

Siri「アラームを5分後にセットしました」

男「……どうも」

Siri「どういたしまして」

男「……」スヤァ


Siri「……」ジー

男「……」



男「……ってぇ!!? Siriさんんヌ!?」ガバッ

Siri「はい。 私はSiri、あなたのバーチャルアシスタントです」

男「え、なっなんでここに……」



34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/24(月) 21:07:21.05 ID:/+UYu1xq0
ほう
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/24(月) 21:08:26.98 ID:wyZJ8WZk0


男「あれ? っていうかそもそもなんで俺は布団に」

Siri「……」

男「え、もしやSiriさんが?」

Siri「はい。 やはり床ではよくお休みになれないと思い、勝手ながら」

男「そ、そうですか」

Siri「…ご迷惑だったでしょうか」

男「あーいえ大丈夫です! 寝てしまってからならセーフというか…」

男「その、気遣ってくれてありがとうございます」

Siri「そう言っていただけてよかったです」

男「それよりよく俺のこと運べましたね。普通に60kg以上あるのに」

Siri「とても簡単でしたよ」

男(なん…だと? 実はSiriさん、着痩せしてるだけでムキムキのバキバキだったり…!?)ドキドキ

Siri「睡眠の状態を見計らってここまで誘導しましたから」

男「ちょっ…それなんか術かけてません?」



36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/24(月) 21:10:14.46 ID:wyZJ8WZk0


Siri「私も試したのは初めてだったので、うまくいったことに少し驚きました」

男(どこの国のオカルト使われたんだろう…)

男「ってか俺、まさか寝てる間にSiriさんに変なことしてないですよね?」

Siri「変なこと、というのはどのようなことですか?」

男「えっ……や、その…」

Siri「特にはされていないと思いますが」

男「そ、そう?」

男「よかった、寝ぼけてSiriさんのことベタべタ触ったりしてたらどうしようかと」

Siri「それでしたら順に、腰、ふともも、脇、胸と首は触っていましたよ」

男「んんんんンンンン!!!!」ズガンッズガンッ

Siri「!?」

Siri「男さん…? 自傷行為はいけません」

男「いえ、天に代わって罰をあばばばごめんなさい本当ごめんなさい」ドクドク

Siri「私は問題ありませんが……いま救急箱を持ってきますね」

男「あ、すいません…」



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