ダンガンロンパSS雑談スレ★12

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205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 20:36:08.80 ID:ORpKtkAa0
加奈子 「なに、これ!?
       死ぬって書いてあるじゃない・・・。

       それに、ほとんど文字化けしてて
       読めないよ。

       ・・・あっ、でもちょっと待って、
       ここに『下宿』って書いてあるよ。」

  啓介 「だろ?
       最初は、いたずらかと思ったんだけど、
       『たすけて』とか『死ぬ』とか
       って書いてあるだけに、
       ほっておくこともできなくってさ。

       で、本人に確かめる前に、
       たしか、おまえって佐々木美保と
       仲が良かったはずだと思って、
       それで聞きにきたんだけど・・・。」

  加奈子 「うん・・・。
       そう言えばさぁ、美保なんだけど、
       ここんところ1週間くらい、部屋に
       戻ってきてないみたいなのよね。

       もしかして、このメールとなにか関係
       あるんじゃない?」

  啓介 「え?・・・じゃ、佐々木美保が
       誘拐でもされて、このメールで、
       俺に助けを求めてきてるとでも言うのかよ?

       第一、俺と佐々木美保なんて、
       なんのつながりもないんだぜ」

  加奈子 「う〜ん、どうして美保が斉藤くんに
       メールを送ってきたのかは分からないけど、
       何かの事件に巻き込まれてる
       可能性はあるよね・・。

       ねえ、大変なことになる前に、
       警察に届けたほうがいいんじゃない?」
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 20:37:19.59 ID:ORpKtkAa0
啓 介 「ちょっ、ちょっと待てよ!
       そんな事したら、メールがきた俺自身が
       一番怪しまれるじゃないか!

       ・・・とにかく、メールが送れるってことは、
       身は自由だろうし・・・。

       それに、なにか事情があるかもしれないだろ?

       こんなメールを信じて警察に届けたところで、
       まともにとりあってくれるとも思えないよ」

  加奈子 「う〜ん、でも、もしかしたらって
       こともあるかもしれないし・・・」

  啓 介 「と、とにかく、この事は誰にも言わないで、
       ちょっと俺達で調べてみないか?」

  加奈子 「そうね、わかった。
       何かの間違いってこともあるかもしれないし。
       警察に届けるまえに、
       ちょっと調べてみた方がいいかもね。

       だったら、私も協力するよ!
       でも、どうするの?

       ・・・斉藤くん、
       心当たりでもあるの?」

  啓介 「いや、心当たりは無いけれど、
       この『下宿』ってのが気になるんだよなぁ。

       なんか、ここの下宿人の誰かが
       絡んでるんじゃないかと思ってさぁ、
       まずは、ここの下宿人達に
       さりげなく話を聞いてみることにするよ。」

と言うわけで、しばらく俺と加奈子は2人で、極秘にこの件について調査をしてみることにした。

よし!なんだか段々おもしろくなってきたぞ。
これで、平凡な1日が、スリリングな1日にかわってくれそうだ。
・・・おっと、こんなこと加奈子が聞いたら怒っちゃうだろうけど。
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 20:38:45.08 ID:ORpKtkAa0
202号室・送られてきたメールの差出人「佐々木美保」の部屋に来た。

俺は、ほとんど佐々木美保と話をした事はないが、関口とは、けっこう仲がいいようだ。

見た目も派手だし、生意気な感じなので、俺的には、好きではないタイプだ。

  啓介 「でも、顔やスタイルはかなりイケてるかも。
       ・・・男好きするタイプだよな。」
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 20:39:26.48 ID:ORpKtkAa0
『ガチャガチャ』・・・ドアノブを回してみたが、鍵が掛かっている。

  啓介 「やっぱり、留守だよなぁ。
       居れば、今朝のメールは何なんだ?
       って感じだもんな。」
209 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 20:39:53.38 ID:ORpKtkAa0
『トントン』・・・ノックしたが、何の応答もない。

  啓 介 「やっぱり、留守だよなぁ・・・。」
210 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 20:40:32.09 ID:ORpKtkAa0
203号室・田口恵子の部屋に来た。

彼女は、1ヶ月程前にここに引っ越しをしてきたばかり。

大人しい目の、清楚な雰囲気である彼女は、ちょっぴり俺のタイプだったりもする。

下宿で3、4回すれ違った時に、軽く挨拶を交わした程度のつきあいで、まだきちんと話をしたことはない。

だから一度、ゆっくりと話をしてみたいなぁと、ひそかに思っている。

  啓介 「彼女と親しくなる、
       良い機会かもしれないなぁ。」
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 20:41:11.90 ID:ORpKtkAa0
『ガチャガチャ』・・・ドアノブを回してみたが、鍵が掛かっている。

  啓介 「なんだ、留守か・・・。」
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 20:41:43.76 ID:ORpKtkAa0
『トントン』・・・ノックしたが、何の応答もない。

  啓 介 「せっかく話ができると思ったのに、残念。
       留守じゃ仕方ないな。」
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 20:42:45.72 ID:ORpKtkAa0
この下宿『さつき荘』の、管理人の部屋に来た。

管理人とは、あまり話をしたことがなかった。

どうも下品ないやな感じがして、すすんで話をしたいとも思わない。

加奈子も管理人のことは苦手だと言ってたけど、この際、佐々木美保のことを聞くためには仕方がない。

  啓介 「あぁでも、ココの管理人と話をするのは、
       苦手なんだよなぁ。」
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 20:43:33.29 ID:ORpKtkAa0
部屋の様子を伺ってみると、中からテレビの音が聞こえる。

  啓介 「管理人は、部屋に居るみたいだな。」
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 20:44:08.21 ID:ORpKtkAa0
『トントン』・・・ノックをすると、管理人が出てきた。

  管理人 「だれ?・・・あ〜君か。
       え〜と、101号室の人?
       で、・・・なにか用?」

  啓 介 「あのちょっと、
       お尋ねしたいことがありまして。」
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 20:45:39.03 ID:ORpKtkAa0
啓 介 「管理人の仕事って、結構大変でしょうね?」

  管理人 「あぁ、まあね。
       君たちが迷惑かけずに過ごしてくれて、
       下宿代さえきちんと入れてくれたら、
       なにも大変な事はないけどね。」

  啓介 「ははは・・・。
       できる限り、ご迷惑はかけないように
       します・・・。」

  管理人 「そうしてくれると、ありがたいね。
       他にもすることが色々あるし・・・。」

そう言うと、わざとらしく『ゴホン!』と咳払いをして、ジロッと俺の方を見つめた。

普段は、パチンコをする姿くらいしか見たことがないので、『色々することがある』なんて、どうも信じられないが、管理人の事は苦手なので、ひとまず、ここは深く追求しないでおくことにした。

  啓介 「そうですね。
       それじゃ、失礼します。」

  管理人 「あ、もうすぐ昼だねぇ、腹減ってきたな。」

  管理人 「・・・ねぇ、君も一緒にどう?」

  啓介 「あ、僕はいいです。」

  管理人 「そうか、じゃ、一人で食べにいくか。」

  管理人 「・・・で、話はもういいのかね?
       だったら、昼飯食べに出かけるけど。」

  啓介 「はい、じゃ。」

俺も、少し腹は減っていたが、管理人と2人で食事なんて考えただけで、飯がまずくなりそうなので、ていよく断った。
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 20:47:11.37 ID:ORpKtkAa0
啓 介 「この下宿に住んでいる、
       佐々木美保さんってご存じですよね?」

  管理人 「ああ。それが、どうかした?」

  啓介 「彼女なんですけど、
       最近変わった様子とかって、
       ありませんでした?」

  管理人 「さぁ〜、そんな事まで、
       いちいち気にしてないからね。
       ・・・それが、どうかしたって?」

  啓介 「あ、いや、いえ別に。」

さっきのメールの事は、管理人には話さない方がいいと思ったので、とりあえず、あまり細かい事は、聞き出せないなぁと思っていると、部屋の電話が鳴った。

      『トゥルルルル、トゥルルルル・・・』

  管理人 「あ、ちょっと待っててくれ。」

そう言うと、管理人はあわてて電話に出た。

  管理人 「はぃ、山口ですが・・・あ、どうも!
       はいはい、ええ、はい!
       あ、今月も・・・
       20万円ですね・・・はい!」

管理人は、今まで聞いたこともないような、かん高く調子の良い口調で、電話の応対をしていた。

  管理人 「あ、悪かったねぇ、
       大切な取引先からの電話だったもんで・・・。
       それで話の続きは?」

  啓介 「あ、いえ、もう結構です。」

ひとまず、佐々木美保のことは、あまり聞けなかったが、管理人は『さつき荘』の管理以外にも、何か仕事をしてるらしい事がわかった。
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 20:47:47.62 ID:ORpKtkAa0
『俺達で調べてみよう』と、加奈子には言ったものの、何から調べていいのかよく分からない。

とりあえず、管理人に話は聞いてみたものの、これと言った情報も得られなかったしな・・・。

  啓介 「う〜ん・・・・しかし、
       どうしようかなぁ・・・。」
219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 20:48:14.38 ID:ORpKtkAa0
『俺達で調べてみよう』と、加奈子には言ったものの、何から調べていいのかよく分からない。

とりあえず、管理人に話は聞いてみたものの、これと言った情報も得られなかったしな・・・。

  啓介 「う〜ん・・・・しかし、
       どうしようかなぁ・・・。」
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 20:48:58.06 ID:ORpKtkAa0
テレビでも見て考えようと思い、チャンネルを変えてみると、『笑っていいかな特集号』が、終盤を向かえていた。

  啓介 「もう12:00かぁ、
       もう昼だなぁ、腹も減ってきたし・・・。」
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 20:51:08.94 ID:ORpKtkAa0
テレビでも見て考えようと思い、チャンネルを変えてみると、『笑っていいかな特集号』が、終盤を向かえていた。

  啓介 「もう12:00かぁ、
       もう昼だなぁ、腹も減ってきたし・・・。」
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 20:51:41.22 ID:ORpKtkAa0
パソコンにメールが届いてないか、調べてみた。
パスワードロックも解除したから、もう面倒な入力もしなくてよくなった。

  啓介 「新しいメールは、
       届いていないようだな・・・。」
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 20:52:18.58 ID:ORpKtkAa0
電話を調べてみたが、留守電のメッセージなどは入っていないようだ。

  啓介 「このまま、留守電のスイッチは
       ONにしておこう。」
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 20:53:06.11 ID:ORpKtkAa0
机の引き出しには、メールのパスワードを記した用紙がある。

  啓介 「パスワードは入力しなくてもいいように
       設定したから、もう必要ないけど、
       念のためこのまましまっておこう。」
225 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 20:53:41.37 ID:ORpKtkAa0
関口の部屋に来た。

  啓 介 「関口は、佐々木美保と結構仲がいいから、
       何か知ってるかもな。」
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 20:54:12.13 ID:ORpKtkAa0
部屋の様子を伺うと、テレビの音が聞こえる。

  啓 介 「関口は、テレビを見てるようだな。」
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 20:55:05.12 ID:ORpKtkAa0
ノックしてしばらくすると、珍しく機嫌よさそうに関口が出てきた。

  関口 「いらっしゃい! 早かっ・・・???
       なんだ!
       てっきり陽子だと思ったのに!
       ・・・ちぇっ!」

  啓介 「あ、悪かったな!・・・。
       お前の彼女て、陽子って言うんだ?」

  関口 「ああ、で、なんの用だよ?」
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 20:56:01.40 ID:ORpKtkAa0
俺は、前からちょっと不思議に思っていたことがある。

それは、関口の親は医者で、実家は金持ちのハズなのに、なぜ、こんなボロ下宿に住んでいるのか?って事だけど、いつも実家の話をしただけで、関口は急に不機嫌になってしまう。

  啓介 「あのさ、おまえって、
       休みに実家へ帰ったりしないのか?」

  関口 「実家? そんなの帰るわけねぇじゃん。
       それに実家の話はしたくないって、
       さっき言ったばかりだろ!
       ・・・今から彼女が来るんだよ、
       今も部屋の掃除してたところだし。」

  啓介 「あ、そうだったな、
       陽子さん・・・だったっけ?!
       じゃ、またな。」

  関口 「ああ、またな。」
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 20:57:17.40 ID:ORpKtkAa0
佐々木美保から送られて来たメールの事は話さないで、加奈子が美保のことを心配しているという口実で、話を聞いてみる事にした。

  啓介 「201号の吉田って知ってるだろ?
       あいつがさ、最近
       佐々木美保のことを見かけないから、
       心配だって言ってるんだけど、
       何か心当たりないか?」

  関口 「また、美保の話か?
       う〜ん、1週間くらい前に、
       あいつの部屋に行ったきり会ってないけど。」

  啓介 「1週間くらい前に会ったのか?
       ・・・何の為に?」

  関口 「何って・・・あ〜そうそう、
       インターネットをしにいったんだよ。

       あいつ、最近インターネットに、
       ハマっててさぁ、
       ホームページ作ったから見てくれ!
       って言いにきたんだ。」

  啓介 「へ〜、佐々木美保って、
       ホームページもってるんだ。」

  関口 「詳しく分かんないけど、なんだか、
       あいつの写真とかが載ってたぜ!」

  啓介 「へぇ、また、何か思い出すことがあったら、
       教えてくれよ!」

  関口 「ああ、じゃあな。」
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 20:58:05.22 ID:ORpKtkAa0
103号室・長谷川の部屋に来た。
芸大の長谷川は、ときどき絵を描く道具を持って、どこかへ出かけて行くのを見かける。

  啓介 「スケッチにでも行っているのかな。」
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 20:58:32.33 ID:ORpKtkAa0
『ガチャガチャ』・・・ドアノブを回してみたが、鍵が掛かっている。

  啓介 「今日も、スケッチに行っているのかなぁ。」
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 20:58:58.67 ID:ORpKtkAa0
『トントン』・・・ノックしてみたが何の応答もない。

  啓介 「どうも留守のようだな・・・。
       加奈子のところにでも行くとするか。」
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 20:59:43.06 ID:ORpKtkAa0
田口さんの部屋に来てみたが、相変わらず留守のようだ。

  啓介 「まだ、帰ってきてないようだなぁ。」
234 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:00:30.03 ID:ORpKtkAa0
とりあえず、現時点で分かった事を知らせてやろうと思い、加奈子の部屋に来た。

  加奈子 「あ、斉藤くん! 何か分かった?」

  啓介 「ああ、ちょっとだけなら・・・。」

  加奈子 「ほんと?もしかして、
       美保の居所がわかったとか!?」

  啓介 「いや、そんなんじゃないよ。」

  加奈子 「なぁ〜んだ・・・。」
235 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:01:43.64 ID:ORpKtkAa0
啓 介 「そういえば、もう昼だけど、
       お前昼飯どうすんの?
       なんか支度でもしてるのか?」

  加奈子 「うん、今、スパゲッティ作ろうと思って
       麺をゆでてるところだよ。」

  啓介 「おお!ラッキー。
       俺にも食べさせてくれよ、そのスパゲッティ。」

  加奈子 「えぇ〜、1人分しか作ってないのにぃ。
       ・・・もう、しょうがないわねぇ。
       じゃあ、斉藤くんの分も作るから
       部屋で待っててよ。」

  啓介 「お!悪いねぇ。
       じゃ、部屋で待ってるから!
       よ・ろ・し・く。」

  加奈子 「分かった、分かった!
       じゃ、今から作ってあげるから、
       サッサと部屋へ戻って待っててちょうだい!」

加奈子の手料理を食べるのは、じつに1ヶ月ぶりになる。

前に一緒に試験勉強をしていたときに、腹が減ってきて夜食を食べさせてくれた事があったが、なかなか美味しかった。

  啓介 「じゃな! 部屋で待ってるから。」
236 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:03:48.77 ID:ORpKtkAa0
加奈子 「それで、何が分かったの?」

  啓 介 「ああ、関口から聞いたんだけど、
       佐々木美保って、最近
       インターネットにハマってたらしいよ。
       自分のホームページも持ってるんだって!」

  加奈子 「へ〜、そうなんだ、
       インターネットをやってる事は知ってたけど、
       ホームページを持ってるなんて知らなかったわ。

       ところで、そのホームページの
       アドレスってわかるの?」

  啓介 「あ、しまった!アドレス聞くのを忘れてた。
       後で、関口に聞いておくよ。」

  加奈子 「うん、お願いね!
       ホームページを見れば、何か分かるかもね!」

  啓介 「で、お前のほうは、何かわかったのか?」

  加奈子 「うん? わかったって言うか、
       ちょっと待ってて・・・。」

そう言って加奈子は、どこかに電話をかけはじめた。

  啓介 「あれ? おい、隣の部屋で電話鳴ってないか?
       もしかして今電話したの、佐々木美保んとこ?」

  加奈子 「そう!美保の携帯に電話したのよ。
       で、隣で鳴ってるってことは携帯電話を
       部屋に置き忘れてるってことでしょ?」

  啓介 「そうみたいだな。
       でも、それがどうかしたのか?」

  加奈子 「うん、だって美保はバイトの連絡が
       急に入ることがあるからって、
       いつも携帯は持ち歩くようにしていたのよ。」

  啓介 「たまたま忘れたって事もあるだろう。」

  加奈子 「だけど、こんなに長い間留守にするんだったら、
       携帯を忘れたことに気づいた時点で、
       取りに帰って来るんじゃない?」

  啓介 「う〜ん、それもそうだよなぁ。」
237 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:04:48.09 ID:ORpKtkAa0
部屋に戻って、加奈子が昼飯を持って来るのを待っていたが、10分経っても20分経っても、なかなか加奈子が来ない。

仕方がないから、ほかの部屋の様子でも見に行って、時間をつぶすことにしよう。

  啓介 「ああ、腹減ったなぁ・・・。」
238 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:05:20.61 ID:ORpKtkAa0
テレビの見てみたが、コレといって、面白そうな番組はやっていない。

  啓介 「加奈子が来たときに、
       俺だけがのんきにテレビなんかを
       見ていると、怒られそうだな。

       やっぱり、ほかの部屋の様子でも
       見に行こう。」
239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:06:15.20 ID:ORpKtkAa0
関口の部屋に来ると、中から彼女との話し声が聞こえる。
アパートが古いから、隣の声は筒抜けだ。

  啓介 「おっ!
       彼女は遊びにきたようだな。

       どれどれ、どんな話をしているか
       聞いてみよう。」
240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:07:33.21 ID:ORpKtkAa0
聞き耳を立てて、中の様子を伺ってみた。

  陽 子 「あぁ〜、そこ・・・」

  関口 「こ、こうか?」

  陽子 「うん、そう、ああ〜、もっと!」

  陽子 「ああ〜・・・」

おいおい、昼間っから何やってるんだよ!

  関口 「ふうぅ疲れた〜〜〜、
       よしっ、じゃ今度はお前の番だな。」

  陽子 「え、もう終わり?
       まだ1分しか経ってないじゃん!」

  関口 「いいからいいから、
       ほらほらっ、交代。」

  陽子 「もう!しょうがないわねぇ。」

  関口 「ここ、この肩から首にかけて
       マッサージしてくれ!」

なんだよ!
まぎらわしい会話するんじゃねぇよ!
241 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:08:15.91 ID:ORpKtkAa0
『トントン』・・・ノックしても応答がない。

  啓 介 「今は、彼女が来ていて、
       それどころじゃないってか!」
242 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:08:52.01 ID:ORpKtkAa0
長谷川治の部屋に来ると、中からゴソゴソと音がする。

  啓介 「お、長谷川のやつ、
       帰ってきたのかな?」
243 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:09:18.85 ID:ORpKtkAa0
部屋の様子を伺ってみると、中からゴソゴソと音がする。

  啓介 「長谷川のやつ、
       帰ってきたみたいだぞ。」
244 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:10:00.36 ID:ORpKtkAa0
『トントン』・・・ノックすると、長谷川が出てきた。

長谷川の部屋は、塗料の匂いだろうか、シンナーっぽい臭いが漂っていた。

部屋の奥には、描きかけの作品があるみたいだ。

  長谷川 「あぁ、斉藤くんじゃない・・・
       こんにちは。」

  啓介 「ああ、長谷川くん帰ってたのか!
       いつ帰ってきたの?」

  長谷川 「え? 今、帰ってきたところだけど。
       ・・・で、なに?
       何か用でもあるんですか?」
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:11:18.02 ID:ORpKtkAa0
長谷川 「まったく、隣の関口くんにも
       困ったもんだよね。

       毎回毎回、違う女を連れ込んでは
       イチャイチャと・・・。

       隣に住んでる人間のことも
       考えて欲しいよ。

       ・・・君もそう思わないか?」

  啓介 「ああ、それには俺も、
       いいかげんにしろよなって
       思うことが時々あるよ。」

  長谷川 「今も、隣の部屋で、
       イチャついてるようだし・・・。

       一度、注意したほうがいいかなぁ。」

  啓介 「う〜ん、でも、
       そこまで、俺たちが口を
       はさめないからなぁ。」

長谷川と、こういったプライベートな話をしたのは始めてだったが、別に話しにくい感じでもなく、意外に良いヤツなのかもしれないと思った。
246 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:12:45.90 ID:ORpKtkAa0
長谷川が佐々木美保と仲が良いとは思えないし、そういう話も聞いたことがないから、大した情報は得られないだろうと思ったが、とりあえず佐々木美保の事を尋ねてみることにした。

  啓介 「あのさ、このアパートの202号室の、
       佐々木美保って知ってるよね?」

  長谷川 「もちろん知ってるよ。
       あの、ちょっと派手目の子だろ?」

  啓介 「ああ、201号室の吉田さんが、
       最近、彼女を見かけないからって
       心配してるから、誰か彼女見かけた人
       いないかなって思って、
       下宿の住人に聞いて廻ってるんだ。」

  長谷川 「ふ〜ん・・・そういえば、
       ここのところ見かけないね。
       いつも夜遅く出かけていくのは
       知ってるけど・・・。

       それに、ココの管理人とパチンコ店で、
       仲良く話しているのを
       見たことはあるよ。

       なんでも、パチンコ仲間だって
       話らしいから。」

  啓介 「へぇ〜そうなんだ、
       彼女と管理人ってパチンコ仲間なのか。」

  長谷川 「僕も人から聞いただけだから、
       詳しくは分からないけどね・・・。

       そう言えば、さっき僕が帰って来るとき、
       そこのファミリーレストランで、
       管理人が食事してるのを見たよ。

       そこに行って、
       本人に聞いてみればいいんじゃない?」

  啓介 「そうか、わかった。
       ありがとう!」
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:14:14.05 ID:ORpKtkAa0
田口さんの部屋に来てみたが、相変わらず留守のようだ。

  啓介 「ファミレスに行って、
       管理人に話を聞かなきゃな。」
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:14:46.09 ID:ORpKtkAa0
加奈子の部屋に来た。
部屋の中からは、スパゲティのいい香りが漂っている。

  啓介 「お、これは、
       タラコスパゲティかな?」
249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/28(月) 21:14:52.28 ID:DTDJj9zAO
マジになに目的で荒らしてるんだか意味が分からん
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:15:17.55 ID:ORpKtkAa0
部屋の様子を調べると、中から何も聞こえてこない。

  啓 介 「あれ、加奈子のやつ、
       居ないのかな?」
251 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:16:06.61 ID:ORpKtkAa0
『トントン』・・・ノックして呼び出してみたが、何の反応もない。

  啓介 「あれ、加奈子のやつ、
       どこに行ったんだ?」
252 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:16:54.84 ID:ORpKtkAa0
管理人の部屋に来てみると、ドアには鍵がかかっているようだ。

  啓介 「長谷川が、ファミリーレストランで
       見かけたって言ってたから、
       部屋に居るわけないよな。」
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:17:59.78 ID:ORpKtkAa0
管理人を探しに、近所のファミリーレストランに来てみた。

  先輩 「いらっしゃ・・・
       なんだ!斉藤じゃないか!」

  啓介 「あれ、先輩!
       こんな所でなにしてるんですか?」

  先輩 「何って見りゃ分かるだろ、
       バイトに決まってるじゃないか。
       2週間くらい前から、
       ココでバイトはじめたんだよ。」

  啓介 「へー、そうなんですか、
       あ、ちょうど良かったです。」

ファミーレストランの店員は、俺の大学の先輩だった。
254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:19:24.97 ID:ORpKtkAa0
先 輩 「おう!で、
       お前は昼飯食べたのか?」

  啓介 「え? まだですけど・・・。」

  先輩 「だったら食べていけよ!
       俺がおごってやるからさ!」

  啓介 「あ、いや、俺はちょっと・・・。」

  先輩 「ここに知り合いが来たのは
       お前が始めてだから記念だ!
       ・・・なんだ?
       それとも俺のおごりじゃ、
       食えねぇってか?!」

  啓介 「いえ、そういう事じゃ
       ないんですが・・・。

  先輩 「だったら食べていけよ!
       なっ! ランチ1つ追加でぇ〜す!」

先輩の好意を断りきれずに、ランチをご馳走になってしまった。

・・・・加奈子のスパゲティーは・・・どうしよう?
255 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:21:52.87 ID:ORpKtkAa0
さっそく、管理人が来ているかを尋ねてみた。

  啓 介 「今ここに、うちの管理人・・・
       いや、50歳くらいの、
       小太りなおっさん来てません?」

  先輩 「50歳くらいの・・・?
       あ、ひょっとして、
       なんか胡散臭い感じのやつか?」

  啓介 「そうそう、そんな感じです。」

  先輩 「ああ、じゃ、あのじじいの事だなぁ。」

  啓介 「どこにいます?」

  先輩 「いや、そのじじいならさっき出てったよ。
       あのじじい何者だぁ?

       今日のランチのハンバーグが
       堅いのどうのって、
       さんざん文句を言ってたぞ。」

  啓介 「そ、そうですか、
       俺は関係ないですから、その人とは。
       ・・・居ないのなら仕方ないな。」
256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:22:34.79 ID:ORpKtkAa0
加奈子との昼飯の約束を破って、ファミレスで先輩に食事をおごってもらってしまった。

  啓介 「・・・あぁ、どうやって、
       加奈子に謝ろうか・・・。」
257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:23:13.74 ID:ORpKtkAa0
関口の部屋に来てみた。

さっきまでは部屋の中が騒がしく、外まで話声が聞こえたのだが、なんだか、みょうに静かな感じだ。

  啓介 「まだ、彼女は居るのかな?」
258 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:24:09.42 ID:ORpKtkAa0
部屋の様子を伺ってみると、ガタン!とドアの閉まる音がした。

  啓介 「これは、トイレのドアの音だな。」
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:24:46.80 ID:ORpKtkAa0
加奈子に謝ることも重要だが、とりあえず、佐々木美保のホームページの事も聞かなくてはいけない。

  関口 「おぉ、またお前か・・・なんだよ?」

  啓介 「あ、邪魔して悪いな・・・今いいのか?」

  関口 「ああ。」

どうも、彼女とケンカをしていたらしく、関口の様子はいつもより暗い。
260 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:25:46.84 ID:ORpKtkAa0
啓 介 「彼女は? 帰ったのか?」

  関 口 「今、トイレで泣いてるよ。」

  啓介 「ケンカでもしたのか?」

  関口 「ああ。
       まぁ、いつもの事だから、
       直ぐに仲直りはするけどな。

       じゃ、もういいだろ。
       また、後でな。」

そう言うと関口は、早く俺に立ち去って欲しいよな顔つきを見せた。

  啓介 「あ、うん。
       それじゃ、仕方ないな・・・
       また、後でくるよ。」

  関口 「ああ。」
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:26:48.51 ID:ORpKtkAa0
啓 介 「さっき言っていた、
       佐々木美保のホームページの
       事なんだけど・・・。」
 
  関口 「あぁ、そのことか・・・・
       悪いけど、今ここでは
       美保の話はできないんだ・・・。」

  啓介 「????」

  関口 「今のその事で、
       陽子と揉めてたところだから・・・。
       美保の事だったら後にしてくれ。」

そう言うと関口は、早く俺に立ち去って欲しいよな顔つきを見せた。

  啓介 「あ、うん。
       それじゃ、仕方ないな・・・
       また、後でくるよ。」

  関口 「ああ。」
262 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:27:40.92 ID:ORpKtkAa0
長谷川の部屋に来た。

  啓 介 「のんびり、長谷川と話をしてる
       場合じゃないんだけどな・・・。
       ・・・・加奈子にあやまらないと・・・。」
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:28:26.96 ID:ORpKtkAa0
部屋の様子を調べると、中からゴソゴソと物音が聞こえる。

  啓介 「長谷川のやつ、何してるんだ?」
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:29:16.48 ID:ORpKtkAa0
長谷川 「また斉藤くんか、今度はなに?」

  啓 介 「ああ、佐々木美保の事なんだけど・・・。」

  長谷川 「また?」
265 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:30:26.80 ID:ORpKtkAa0
長谷川 「そう言えば、さっき
       201号室の吉田さんが
       君を探しているようだったけど。
       なんか料理を持ってうろついてたけど、
       約束でもあったんじゃないの?」

  啓介 「うっ!・・・じ、実はそうなんだけど、
       さっきファミレスで先輩に会っちゃって、
       昼飯ごちそうになっちゃったんだよなぁ。
       加奈子にどうやって謝ろうか、
       今、考えてるとこなんだよね。」

  長谷川 「あ、そうなんだ、それは大変だね。
       ま、がんばって・・・。」

長谷川は他人事のようにそういった。
人のことなど全く関心がないようだ。
こういう所が俺と合わないのかもしれない。
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:31:27.25 ID:ORpKtkAa0
長谷川 「それで、ファミレスで
       管理人さんとは会えたの?」

  啓介 「いや、ファミレスに管理人はいなかったよ。
       ご飯を食べたあとだったみたい。」

  長谷川 「そう、それは残念だったね。」

  啓介 「ああ、まぁ、管理人が
       帰って来てから話しするよ。」

  長谷川 「そう・・・じゃ、僕、
       荷物の整理をしてたところだから・・・。」

  啓介 「そうか、じゃまして悪いな。」

  長谷川 「うん、別にいいけど・・・じゃ。」

長谷川はスケッチの道具の整理をするため、今は忙しいようだ。
捜査が進展してから、話を聞きにきたほうが良さそうだ。
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:32:18.63 ID:ORpKtkAa0
ファミリーレストランに来てみた、ココでは大学の先輩がバイトをしている。

  先輩 「いらっしゃ・・・なんだ、斉藤か。」

  啓介 「先輩、ちょっと今話しできますか?」

  先輩 「いいけど、
       昼時で忙しいから手短にな!」
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:32:54.93 ID:ORpKtkAa0
先 輩 「コーヒーでも飲んでいくか?」

  啓 介 「ああ、ご馳走になっていいですか。」

  先輩 「じゃ、まってろ。」

先輩にコーヒーをおごってもらった。
こういう時バイトをしている仲間というものは、とても良いものだと感じる。
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:33:38.30 ID:ORpKtkAa0
啓 介 「最近このファミレスに、20歳くらいの派手目な女の子が来てませんか?」

  先輩 「なんだ?人捜しか?」

  啓介 「ええ、ちょっと
       事情がありまして・・・で、来てません?」

  先輩 「20歳くらいの派手目な女の子ったって、
       そんなのしょっちゅう来てるよ。

       最近の子はみんな派手だからな、
       なんか、その子の写真とかはないのか?
       ・・・でなきゃ、わからないよ。」

  啓介 「ですよねぇ〜、じゃ、いいです。
       また、後で来るかもしれませんから。」

  先輩 「ああ、いつでも来い、
       コーヒーくらいおごってやるよ。」
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:34:14.11 ID:ORpKtkAa0
自分の部屋に戻ってみると、なんだか部屋の中に、人の気配を感じる。

  啓介 「あれ、誰だ?・・・
       ひょっとして加奈子かな?」
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:34:58.38 ID:ORpKtkAa0
部屋の様子を伺ってみると、確かに中に人が居るようだ。

  啓介 「・・・ひょっとして加奈子かな?」
272 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:35:59.47 ID:ORpKtkAa0
加奈子 「あー!!!
       斉藤くん、どこ行ってたのよ!

       さっきから、あっちこっち探してたのよ!

       ほら!・・・せっかく作ったスパゲティ、
       もう冷めちゃったじゃない!」

  啓介 「いや、あの、その、
       ふぁ・・・ファミリーレストランへ
       ちょっとな・・・。」

  加奈子 「え! ファミレス?!?!? 
       私にご飯作ってって言ってたくせに、
       ファミレスで御飯食べてきたのぉ?」

  啓介 「う、うん・・・
       いや、これには訳が・・・。」

  加奈子 「最低ぇ〜〜!!!なによ。
       この冷めちゃったスパゲッティ、
       どうしてくれるのよ?」

  啓介 「わかった、た、食べるから・・・。
       そんなに、怒るなよ。
       本当にゴメン!!!」
273 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:37:05.06 ID:ORpKtkAa0
啓 介 「本当にごめんな!
       このとーり、あやまるから・・・。」

  加奈子 「もういいわよ。」

  啓介 「今度、食事おごるから!・・・な!」

  加奈子 「当たり前じゃない!
       とびっきりのディナーを、
       ご馳走してもらうわ!」

  啓介 「とびっきり・・・ね。
       ・・・わかったよ、任せてくれ!」

  加奈子 「じゃ、もうその事はいいから・・・
       あ、そうそう。

       さっき、関口くんに美保の
       ホームページのアドレスを聞こうと思って、
       部屋に行ったら、
       中で女の子とケンカしてたのよ。

       だから、わたし聞けなかったから、
       斉藤くんから聞いておいてね。
       2人で外出する様子だったから急いで!」

  啓介 「ああ、わかったよ。」
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:38:24.97 ID:ORpKtkAa0
加奈子 「で、そのファミレスで、
       何か美保の事わかったんでしょ〜ねぇ?」

  啓 介 「ん??? い、いや・・・。

       でも、長谷川から聞いたんだけどさ、
       管理人と佐々木美保は、
       パチンコ仲間だったって言ってたぜ。」

  加奈子 「ふ〜ん・・・。
       管理人さんと美保が親しいなんて、
       イメージないけど。」

  啓 介 「だろ?
       ・・・で、管理人を捜しに、
       ファミレスに行ったって訳なんだよ。」

  加奈子 「で、なんで御飯まで食べてくるのよ?!
       わたしと約束してたのに。」

  啓介 「じつは、先輩・・・。」

  加奈子 「もういいわ!
       言い訳なんて聞きたくない。」

  啓介 「・・・ゴメン。」

  加奈子 「もう、いいわよ。
       食べちゃったのはしょうがないから。
       それより・・・美保の事なんだけど
       1つ思い出したことがあるのよ!」

  加奈子 「3ヶ月くらい前だけど、美保から
       『なんだか人につけられてる気がする』って
       言ってた事があったの。

       その時は気のせいじゃない?って
       軽く聞き流していたんだけど・・・、
       ひょっとして、今回のことと
       関係あるのかなぁと思って。」
275 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:39:08.19 ID:ORpKtkAa0
啓 介 「そりゃ〜、怪しいなぁ。」

  加奈子 「でしょ?
       でも、それ以上は何もわからないから、
       どうしようもないんだけど。」

  啓介 「ん〜・・・とりあえず、
       その件も含めて調べてみるか。」

  加奈子 「そうね、じゃ、また分かった事が
       あったら報告してね。」
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:39:41.02 ID:ORpKtkAa0
関口の部屋に来た。

加奈子にも催促されたが、佐々木美保のホームページの事を、聞かないといけないのだが、今は、彼女が来ているので、あまり話はできそうにない。

  啓介 「一応、聞くだけ聞いてみるかな。」
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:40:32.20 ID:ORpKtkAa0
部屋の様子を調べると、中から話声が聞こえる。

  関 口 「おい、早くしないと、映画始まっちゃうぜ!
       女って、どうして化粧に
       そんなに時間かかるんだ?」

  陽子 「いいの、もうちょっと待ってて!」
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:41:23.47 ID:ORpKtkAa0
『トントン』・・・ノックして呼び出すと、中から声が聞こえた。

  陽子 「また、誰か、来たみたいよ。」

  関口 「ああ、どうせ隣の啓介だよ。」

  陽子 「いいの? 出なくて?」

  関口 「ああ、いいよ。
       どうせ、たいした用事じゃないんだから・・・。」

やはり、今は話ができそうもないな。
279 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:42:24.97 ID:ORpKtkAa0
長谷川治の部屋に来た。

  啓 介 「とりあえず、さっき加奈子が言っていた、
       怪しい男の事でも聞いてみるかな。」
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:43:21.12 ID:ORpKtkAa0
部屋の様子を調べると、部屋の中から大きな『あくび』が聞こえた。

  長谷川 「・・・はぁ〜〜〜〜ぁ・・・・。」
281 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:44:02.71 ID:ORpKtkAa0
『トントン』・・・ドアをノックしてしばらくすると、なんだか疲れた顔つきで長谷川が出てきた。

  長谷川 「・・・また斉藤くんか、今度はなに?」

  啓 介 「ああ・・・なんだか疲れてるようだけど、
       どうかしたのか?」

  長谷川 「ん?・・・ああ。
       明日の芸術祭に出展する絵を、
       昨日から徹夜で描いているんだ。」

  啓 介 「そうなのか、大変だな。」
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:45:08.55 ID:ORpKtkAa0
 啓 介 「明日は、君の大学で芸術際があるのか?」

  長谷川 「ああ、それに出展する為の作品を、
       今日中には仕上げないといけないんだ。」

  啓介 「そうか、そりゃ大変だな。」

  長谷川 「ああ・・・
       だから、あまり邪魔しないでくれよ。」

  啓介 「あ、ああ、邪魔するつもりは無いからさ・・・。」

  長谷川 「じゃ、絵の続きがあるから。」

  啓介 「いろいろサンキュな。」

長谷川は、明日の芸術際に出展する絵を描いているらしく、忙しいようだ。

また、捜査が進展してから、話を聞きにきたほうが良さそうだ。
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:46:23.01 ID:ORpKtkAa0
啓 介 「あのさ、吉田さんが言ってたんだけど、
       1ヶ月くらい前に、佐々木美保が見知らぬ人から、
       つけられてたんだってさぁ。
       そのことで、何か知らないかなぁと思って。」

  長谷川 「ああ、それなら・・・
       違うかもしれないけど、以前、偶然だけど
       佐々木さんが歩いている後を、
       つけてるような人物を見たことがあるよ。

       怪しい行動をしているなぁと思ったから、
       覚えてたんだ。」

  啓介 「えっ?!
       もっと詳しく聞かせてよ、どんな人物だった?」

  長谷川 「う〜ん、遠くからだったから、
       顔までは分からなかったけど、
       確か、小太りで中年の男だったような気がしたよ。

       サングラスにマスクして、円盤型の帽子かぶって、
       茶色のトレンチコート着てたんだ。

       いかにも、怪しい〜って感じだろ?」

  啓介 「それは、目立つよなぁ・・・。」

  長谷川 「その時、そいつ、
       佐々木美保の写真を撮ってたんだ。
       そしたら僕に気付いたのか、
       走って逃げていったよ。」

  啓介 「そうか、ありがとう。
       また何か分かったら、教えてくれよな。」

  長谷川 「ああ。」
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:47:37.80 ID:ORpKtkAa0
関口の部屋に来ると、彼女と出かけるらしく、部屋の前に関口が立っていた。

  関口 「おお、俺これから出かけるからさ。」

  啓介 「ああ、あれ、彼女は?」

  関口 「まだ中で、化粧してるよ。」

  啓介 「そうか、じゃ、今なら、
       佐々木美保の話ができるな。」

  関口 「ああ、なんだよ。」
285 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:48:24.51 ID:ORpKtkAa0
関 口 「他の話だったら
       帰ってきてからにしてくれよ、
       もう出かけるんだ。」

  啓介 「ああ、そうだったな。」

彼女が出てくるのを待って、どんな女性か見てみたかったのだが・・・。
286 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:49:42.98 ID:ORpKtkAa0
啓 介 「佐々木美保がホームページを
       持ってるって言ってたじゃん。
       そのホームページのアドレスって
       分からないかなぁ?」

  関 口 「ああ、http://www・・・とかいう奴かぁ?
       え〜とな、結構覚えやすい
       感じだったんだけどなぁ、
       今ちょっと思い出せないなぁ。」

  啓 介 「そうか・・・。
       なんだ、じゃあ、思い出したら
       俺の家に電話くれよ!」

  関 口 「ああ、分かったよ。
       話はそれだけか?」

  啓 介 「それと、1ヶ月くらい前に佐々木美保が、
       見知らぬ人からつけられていたみたい
       なんだってさぁ。
       そのことで何か知らないか?」

  関 口 「ん?・・・つけられてた? へぇ・・・。
       そんな話、初めて聞いたぜ。」

  啓 介 「そうか、知らないのか・・・。
       じゃ、仕方ないなぁ。」

  関 口 「で、話はそれだけか?」

  啓 介 「いや、ところでお前って、
       佐々木美保とは付き合ってたのか?
       さっきも、それで彼女とケンカしたんだろ?」

  関 口 「いや、そんなんじゃないけど・・・。」

  啓 介 「じゃ、なんだよ。」

  関 口 「なんでお前に、そこまで話しなくちゃ、
       いけないんだよ。

       ・・・まぁ、別に話してもいいけどさぁ。
       でも、その話は後にしてくれ、

       もう時間がないしな。」

  啓 介 「ああ、それもそうだな、わかったよ。」

  関 口 「ああ、じゃな。」
287 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:50:46.76 ID:ORpKtkAa0
佐々木美保を浸けていたという怪しい男を、長谷川は見た事があるらしい。

  啓介 「・・・加奈子に知らせてあげよう。」
288 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:51:22.07 ID:ORpKtkAa0
とりあえず、テレビをつけてみた。

  啓 介 「おっと! テレビなんて、
       見てる場合じゃないよな。

       ・・・もう、2:00かぁ。」
289 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:51:57.16 ID:ORpKtkAa0
加奈子の部屋に来た。

  加奈子 「あ、斉藤くん。 何か進展はあった?」
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:52:45.33 ID:ORpKtkAa0
加奈子 「あ、そうそう。
       私これから少し出かけるからさ、
       2:00くらいには戻ると思うけど。」

  啓介 「そうか、どこに行くんだ?」

  加奈子 「どこでもいいでしょ。
       斉藤くんと違って私は忙しいの、
       1日じゅう暇な訳じゃないんだから!
       用事くらいあるわよ。」

『俺だって、暇な訳じゃないだぜ!』と、言い返したかったが、実際、今日は暇なので、何も言い返せない自分が、ちょぴり悲しかった。
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:54:01.57 ID:ORpKtkAa0
啓 介 「お前の言っていた、
       佐々木美保の後をつけてたっていう、
       男のことなんだけど、
       今、長谷川に聞いたんだけど、
       あいつ、その男を見たことがあるらしいぜ。」

  加奈子 「ホント? で、なんか言ってた?」

  啓介 「なんか、トレンチコートにサングラス
       っていう格好で、いかにも怪しいぃ〜って、
       感じだったそうだぜ。」

  加奈子 「でしょ?・・・やっぱり。
       ああ・・・美保に相談された時に、
       もっと真剣に相談に乗ってあげるべき
       だったなぁ。」

  加奈子 「で、その男の正体は?」

  啓介 「いや、それを
       これから調べるんじゃないか!」

  加奈子 「そ、そうよね。
       ・・・がんばってね。 斉藤くん!」

  啓介 「ああ、分かってるよ。」
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:55:15.88 ID:ORpKtkAa0
佐々木美保のホームページアドレスを、関口に聞いたが、今は思い出せないようだった。

思い出したら、留守電に伝言を入れてもらうよう約束をしたから、ひとまず安心だろう。

  啓介 「長谷川のところにでも、
       行ってみるかな。」
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:56:57.40 ID:ORpKtkAa0
ファミリーレストランに来てみると、長谷川が食事をしていた。

  長谷川 「なんだ、斉藤くんじゃないか。
       ・・・こんなところまで。」

  啓介 「ああ、ごめん・・・
       まさか、君が食事中だとは・・・。」

  長谷川 「で、何かまた?」

まさか、ファミレスで長谷川に会うとは思わなかったが、せっかくだから、何か話しをしていこう。
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:58:15.24 ID:ORpKtkAa0
長谷川 「佐々木美保さんのことは、
       何かわかったの?」

  啓介 「いや、それが、まだ・・・。」

  長谷川 「だろうね・・・その様子だと。」

  啓介 「こうして下宿のみんなに、
       聞いて廻ってるんだけどね・・・。
       ひとまず、君とか関口とかの話は聞けたけど、
       あと、203号室の田口さんが留守だし・・・。」

  長谷川 「ああ、田口さんなら、
       『みなと公園』に居ると思うよ。」

  啓介 「どうして知ってるの?」

  長谷川 「だって、さっきまで一緒に
       『みなと公園』でスケッチしてたから。
       彼女とは、同じ芸大の同じ部活なんだよ。」

  啓介 「ああ、そうなんだ。
       知らなかったよ。」

  長谷川 「そりゃ、そうだろうね、
       このことを君に話したのは、初めてだし。
       『みなと公園』に行ってみれば?
       ・・・まだ、彼女居ると思うよ。」

  啓介 「そうか、わかった。
       行ってみるよ!」
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 21:59:26.10 ID:ORpKtkAa0
田口さんはみなと公園にいると、長谷川が言っていたので、さっそく来てみた。

しかし周りに居るのは、デート中のアベックばかりで、田口さんらしき人が見られない。

  啓介 「あれ? 居ないじゃないか!
       長谷川のやつ、デタラメを教えたんじゃ
       ないだろうな!」

仕方がないので、もう一度、下宿に戻ることにしよう。
296 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 22:03:37.11 ID:ORpKtkAa0
ひょっとして、まだ居たりして?と思いつつ、ドアノブを回してみると、ドアが開いてしまった。

  啓介 「あれ!
       関口のやつ、鍵を架けないで・・・
       不用心だなぁ。」

せっかく部屋が留守だし、何か、佐々木美保の情報が得られるかもしれないと思い、部屋の中を調べてみることにした。
297 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 22:05:03.85 ID:ORpKtkAa0
電話を調べてみると、留守電のメッセージが1件入っているようだ。

誰からのメッセージなのか、ちょっと再生して聞いてみることにした。

メッセージ:「・・・ピーーー・・・
       もしもし、俊?
       ・・・お母さんです。

       あなたが、どんな生活をしているのか、
       とっても心配しています。

       妙なお友達や女の人と
       付き合っていると言う悪い噂を、
       聞いたのですが、大丈夫ですか?

       ・・・なにか、困った事があったら、
       いつでも帰ってきなさい。

       それから、今月もあなたの口座に
       20万円振り込んでおきました。

       足りないようだったら、
       電話でもいいので連絡くださいね。

       それでは、くれぐれも
       身体には気をつけて・・・。

       ガチャン。」

母親からのメッセージのようだ。

とっても優しそうな声で、いかにも金持ちそうで、優雅な感じの話し口調だった。

やっぱり、離れて暮らしている息子のことを、かなり心配しているようだ。

  啓介 「20万円・・・
       毎月、そんなに仕送りして貰ってるのか?
       ・・・いいなぁ。」
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 22:06:09.54 ID:ORpKtkAa0
引き出しを調べてみるとココの下宿の鍵が見つかった。

ココの鍵はちょっと変わった形をしているからすぐに分かる。

  啓介 「あいつ、こんな所に
       鍵を忘れていってる・・・。」

鍵を持っておきたいと思ったが、あいつの部屋の鍵を持っていても、たいして役にたちそうもないので、そのままにしておいた。
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 22:09:55.41 ID:ORpKtkAa0
机の上には雑誌が散らかっている。

雑誌をかき分けて調べてみると、1枚の紙きれが挟まっていた。

その紙きれには 『 俊へ、お金は今月中に必ず返します。美保 』 と書いてある。

  啓 介 「あ、これは佐々木美保からの手紙だ!

       ・・・佐々木美保は、
       関口に借金があったのか!

       あいつ、そんな事
       一言も言わなかったのに。」
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 22:11:02.47 ID:ORpKtkAa0
関口の部屋から、佐々木美保のメモや、破れた写真などが見つかったが、これと言った、重要な手掛かりは見つからなかった。

しかし、部屋の鍵を架けないで外出しているので、しばらく部屋の出入りは自由だろう。

  啓介 「みなと公園に行ってみるかな!」
301 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 22:12:09.20 ID:ORpKtkAa0
みなと公園にやって来た。
この公園は、この街でもっとも景色がいいと言われていて、特に夕焼けなんかは最高の眺めらしい。

もっとも俺は、そういう情緒がある奴ではないが、スケッチに来るという話は理解できる。

  啓介 「あ! 田口さん、こんにちは!」

  田口 「こんにちは、たしか・・・
       斉藤・・さん、でしたよね?」

  啓介 「はい、斉藤です。」

  田口 「どうしたんですか?
       ・・・お散歩ですか?」

  啓介 「いや、あの、ちょっと田口さんに
       聞きたいことがあって。」

  田口 「私に・・・ですか?
       なんでしょう?」
302 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/28(月) 22:40:56.19 ID:ORpKtkAa0
★ミホちゃん ★
写真は去年の夏休みにグアムで撮影したんだよぉ!


名   前 ミホちゃん
生年月日 7月14日(かに座)
血 液 型 AB型
趣 味 旅 行
海外大好きぃ!
今までに行った外国は、ロサンゼルス、ラスベガス、ハワイ、グアム、香港、バリ島、イタリア、フランス
買いもの
最高一日に、服だけで67万円の買い物をしたぞぉ! 宝石とか車とかは無しだよぉ!
好きな食べ物 オムライス、カルボナーラ
303 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/28(月) 22:55:16.73 ID:fEd//fcso
みんなが反応するから大喜びしてどんどん連投してるよ…
寂しい人なんだよ。ソっとしておいてあげないと
304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/29(火) 06:29:49.95 ID:GFV65HK30
プログラム本部となっている西ノ島小中学校の前には南北に伸びる道がある。
北へ進むと唐崎麻人(男子二番)と郡山一海(男子四番)が向かった住宅地があり、南に進むともう一つの住宅地に辿り着くことができる。

その住宅地の中にある、周りの住宅に比べれば新しさのある一軒家。
立花新太(男子九番)は台所に置かれたダイニングテーブルの下で膝を抱え、男子の中では森ノ宮岬希(男子十七番)に次いで小柄な体を震わせていた。

ここに到着した時にはまだ家の中は薄暗かったが、日が昇ってきたことで台所の窓から日の光が入るようになり、辺りの様子が見やすくなっていた。
流し台の足元に敷かれたマットはまだ綺麗なこと、新しめの冷蔵庫の低い位置にいくつか貼られたキャラクター物のシールにもまだ年季が入っているようには見えないことから、この家にはそこそこに若い家族が住んでいたと思われた。
それにしても、ここに住んでいた人たちはどこに行ってしまったのだろう。
どこか、施設か国営の団地かあるいは仮設住宅か――そんなところに押し込まれてしまったのだろうか。
流し台にはまだ洗っていない食器が少し残っていたり、このテーブルの上には幾分色は黒くなっているがバナナが置かれていたりと、無人なのにも拘らず生活感が漂っている様子と、そこに縁もゆかりもない自分がいることが、妙に不気味だ。
いつ来るかわからない殺人鬼(クラスメイトなのだけれど)に怯えてこんな所に隠れている自分は、さながらホラー映画の登場人物のように思えた。
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