【シャニマスSS】甜花「シンデレラと」夏葉「サンドリヨン」

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160 : ◆/rHuADhITI [saga]:2018/12/17(月) 04:34:55.21 ID:VbCE5XXv0

演出家「総意は決まった。後はお前さんの意見次第だ」

演出家「お前さんが、やりたいかどうかだ」

一段と、視線が強まった気がした。

そう問われて、縮んで俯くような仕草をする。

それは、最近気づいた自分の癖だ。

落ち込んだ時、辛くなった時、右腕を左腕で隠すような体勢を取ってしまう。

だけど今は違う。

この動作は、右腕が左腕の裏側に触れる。

少しだけ膨れた、左腕の腕橈骨筋に触れるのだ。

ほんのちょっぴりだけの筋トレの成果が、自分の努力を思い出させてくれる。

努力を始めた時の想いを、胸の内に蘇らせてくれる。

それが力をくれる。

失敗する事への恐れに対する力を。

自分の判断によって、不幸になってしまう事への怖さに対する力を。

そこに宿った想いが、恐怖と共にある勇気を与えてくれるのだ。

『問題は、甜花がやりたいかどうかだ』

最後に、プロデューサーさんの言葉が輝いた。

腕橈骨筋から右腕を離す。

そして、力強く頷いた。
161 : ◆/rHuADhITI [saga]:2018/12/17(月) 04:35:36.24 ID:VbCE5XXv0

P「あれ、まだ始まっていないのか?」

凛世「はい……休憩時間を20分の延長する……とのことです」

樹里「館内全体でかかってたみてーだぞ。聞いてないのか?」

P「いや、取引先と電話したり、さっきのディレクターの話し相手になってたりしたから……」

智代子「プロデューサーさん、一応オフなんですよね……?」

P「そうだが……いや、今は俺の事はどうでもいい」

P「それより延長の事だ。何が理由わ言ってなかったか?」

凛世「それは……ただ『劇団側の都合』とだけ……」

P(トラブルか。それも、かなり偶発的な)

P(……)

凛世「プロデューサー……さま……?」

智代子「プ、プロデューサーさんが……珍しく怖い顔してる……!」

P「……え、そうだったか? すまん、意識してやったわけじゃないんだ。ごめんな」

智代子「い、いえ……大丈夫です、はい」

P「とにかく事情を聞いてくるよ。あの二人のプロデューサーだから、関係者証はあるしな」

P「それじゃあ行ってくる。ああ、それと……」

P「多分時間までには戻れないから、俺の事は気にせず鑑賞していてくれ」
162 : ◆/rHuADhITI [saga]:2018/12/17(月) 04:36:35.85 ID:VbCE5XXv0

舞台が再開されている。

サンドリヨンは魔法をかけられて、舞踏会におもむいた。

夢の様な一時を過ごし、名前を問われるという責め苦を受けて、家に帰還した。

そして今はもう、サンドリヨンという意味でのラストシーン。

シンデレラに責められて、ガラスの靴を返して、彼女から離れていくシーン。

このシーンが終われば自分は、この劇の裏側での戦いに挑まなければならない。

その為に、このラストシーンの最後の最後を全力で演じるのだ。



甜花「『最後に……これ、返すわね』」

ガラスの靴を差し出す。

これは、シンデレラに置いていかれたくなかった彼女が、自分の為に持ち出したもの。

だから感情は悲痛に。

甜花「『それを……大事に持っておいて』」

それは、シンデレラの幸せのために、彼女の元に返そうとしているもの。

だから、悲痛さを必死に取り繕う様な表情で。

だけどそんな事は、まだシンデレラには分からない。

シンデレラは、声を上げるしかない。

夏葉「『貴女は……』」

夏葉「『貴女は……!』」

サンドリヨンに、悲しみをぶつけるしかないのだ。
163 : ◆/rHuADhITI [saga]:2018/12/17(月) 04:37:16.72 ID:VbCE5XXv0

シンデレラが叫ぶ。

夏葉「『貴女は、何がしたいの……!?』」

ガラスの靴を使って、シンデレラに王宮で幸せになって欲しいと思う。

これは、サンドリヨンの気持ち。

サンドリヨンは、シンデレラの言葉に黙っているしかない。

夏葉「『貴女は何がしたかったの……!?』」

大好きな家族とずっと一緒に居たい。

ずっと一緒に居たかった。

これは、自分とサンドリヨンの気持ち。

夏葉「『貴女は……! サンドリヨンは……!』」

夏葉「『私は……! 私は、ただ……私は……』」

シンデレラが泣き崩れる。

それをサンドリヨンが抱き止める。

そして、別れの言葉を告げる。

大好きな家族に、最後の言葉を告げる。

甜花「『……ごめんなさい、さようなら』」

これは、サンドリヨンの言葉。

甜花「『……ずっとずっと、ありがとう』」

これは、自分とサンドリヨンの言葉。

でも自分は、なーちゃんに別れの言葉なんて言えない。

だから自分は、サンドリヨンになりたいわけじゃない。

同じなのは、大好きな人達と一緒に居たい事。

その為に必要な願い事は、もう分かっている。

自分がなりたいものは、もう見つけてある。

そうして、自分のラストシーンが終わった。
164 : ◆/rHuADhITI [saga]:2018/12/17(月) 04:39:03.31 ID:VbCE5XXv0

私服に着替えて、控室を飛び出す。

舞台のラストシーンがもうすぐ始まる。

その前に裏口から入って、セットの裏側に隠れていなくてはならない。

エアガンはあらかじめ、セットの裏側に置いてある。

弾も既に装填済み。

後は自分がそこに行くだけで良い。

辿り着くだけで良い。

だと言うのに。

その道を塞ぐかの様にして、人が立っていた。

それは、プロデューサーさん。

プロデューサーさんが、まるで最後の敵の様に、その場所に仁王立ちしていたのだ。

P「事情は聞いた」

P「それで俺は、甜花を止めに来たんだよ」

P「俺は283のプロデューサーとして、甜花を止めなくちゃいけない」

P「このまま甜花を……この先に、進ませるわけには行かないんだ」

明確な意思を持つ壁が立ち塞がる。

プロデューサーさんのことだ。

それはきっと、自分の為なのだろう。

だけど、自分は撃つと決めた。

プロデューサーさんが何を言おうと、自分が撃たなくてはいけない。

だったら、この壁を超える以外にはないのだ。
165 : ◆/rHuADhITI [saga]:2018/12/17(月) 04:39:46.05 ID:VbCE5XXv0

P「単刀直入に言う」

P「エアガンは、俺が代わりに撃つ」

P「甜花が撃つ必然性はない。この劇団の人間の尻拭いを、甜花がする必要は無い」

おそらく、正論なのだろう。

最後の仕掛けの不備について、自分には責任はないはずだ。

甜花「甜花じゃ……当てられないと、思ってるの……?」

話題をわざと誤魔化す。

しかしそれは、無意味に終わった。

P「そういう話をしているんじゃない。個人としては、甜花を信じているよ」

P「だけど組織に属する人間としては、リスクを考慮しない訳にはいかない」

P「それを止めないという選択肢は無い」

甜花「で、でも……甜花がちゃんと当てれば……」

P「話が変わっていないが……リスクを度外視しても、許可はできない」

P「メリットがない。甜花が撃って当てたとして、得るものが無い。せいぜい劇団の人間に褒められるくらいだ」

P「はっきり言ってしまえば……甜花がやろうとしているのは、名誉なき戦いだよ」

甜花「あう……」

正論の、たったの二発でKOされてしまう。

つくづく自分の口下手さが恨めしい。

かと言って、プロデューサーさんの言葉には従えない。

だけど言い返す事が出来なくなって、プロデューサーを見つめている事しか出来ない。
166 : ◆/rHuADhITI [saga]:2018/12/17(月) 04:40:26.46 ID:VbCE5XXv0

視線をぶつけ合うこと数秒ほど、プロデューサーが先に目を逸らした。

P「やっぱり甜花は……意外と肝が据わってるんだよな」

甜花「そ、それじゃあ……」

P「それとこれは話が別だ。リスクとリターンが釣り合ってない以上は、許可できない」

甜花「そう……だよね……」

P「……だから、リターンを示してくれ」

甜花「え……?」

P「単純な話だよ。甜花か撃つ事で得られるものを、俺に教えて欲しい」

P「甜花の言葉で、俺を説得して欲しいんだ」

P「そうしたら……俺は、喜んでこの道を譲るさ」

プロデューサーさんがニコリと笑う。

その表情は、坂の上で子供が登り切るのを待つ親の様な、そんな柔らかさを持っていた。

不意に、涙が溢れてくる。

自分はきっと誰よりも、周囲の人にだけは恵まれていたのだろう。

こんな自分だけど。

周り人達が暖かかったからこそ、自分は今ここで、腐らずにいられるのだ。

甜花(ちゃんと……言葉に、しなきゃ……)

甜花(それで……これからは甜花の……自分だけの、力で……)

自分は口下手だ。

それでも、言葉が必要な時はある。

言葉はいつだって、誰かを変えてくれるものだから。

自分を変えてくれた言葉で、目の前の壁を越えてみせる。

その為に必要な言葉は、自分の心に火を灯してくれた、あの言葉だ。

自分の中に一杯あった言葉達に、意味を見出させてくれた、あの言葉だ。

今あの言葉に、想いをありったけ乗せて。
167 : ◆/rHuADhITI [saga]:2018/12/17(月) 04:41:08.81 ID:VbCE5XXv0

甜花「甜花ね……『似ているね』って、言われたんだ……」

甜花「夏葉さんが、甜花にね……『似ているね』って言ってくれたんだ……」

声が震える。

甜花「おかしい、よね……? 夏葉さんとは双子じゃないし……性格だって、全然違うし……」

甜花「好きな本も知らないし……趣味だって、きっと合っていないのに……それなのに……」

甜花「夏葉さんは『似ているね』って……こんな甜花に……そう、言ってくれたんだ……」

甜花「確信を持って……迷う事もなくて……『似ているね』って……!」

甜花「ちゃんと……『似ているね』って……甜花に、そう……言ってくれたよ……!」

重なった手の平を、心臓に当てる。

そうして心臓を握りしめる。
168 : ◆/rHuADhITI [saga]:2018/12/17(月) 04:42:21.27 ID:VbCE5XXv0

甜花「それが不思議で……甜花ね、たくさん考えたよ……」

甜花「そうしたら……思えたんだ……」

甜花「自分の中にあるものを……ちょっとぐらいは、信じて良いのかもって……」

声の震えは上ずりに変わった。

でも止まらない。

言葉が溢れてくる。

甜花「それで……ちょっとだけ信じてみたらね……」

甜花「すぐに……願い事が、できたよ……」

甜花「そして、甜花がなりたいもの……ちゃんと、見つけられた……」

甜花「やっと……やっと、見つけられたよ……!」

鼻をすすり、より強く心臓を握りしめる。

ここから先は決意表明だ。

それは、確かな声で言わなくてはならない。

甜花「だから……! 甜花は、もう逃げない……!」

甜花「きっと、甜花が撃たなくちゃダメ……!」

甜花「だって、甜花の願い事は……!」

甜花「甜花が、なりたい甜花は──!!」

俯きがちで言ってしまったけど、それでも言葉にした。

しっかりと宣言した。

プロデューサーさんの、息を飲む音が聞こえる。
169 : ◆/rHuADhITI [saga]:2018/12/17(月) 04:43:04.92 ID:VbCE5XXv0

P「それは、ささいで……ちっぽけな願い事だ」

甜花「うん……甜花も、そう思う……」

P「ありふれていて……だからこそ、誰もが心のどこかで願っていて……尊くて……」

P「それでいて……とても、難しい願いだ」

甜花「……強く、なるよ」

P「甜花……?」

甜花「なりたいもの、やっと分かったから……目指す場所が分かったから……それなら……」

甜花「甜花だって、強くなれるよ」

P「……甜花、お前は……」

甜花「……でも、甜花はまだ弱いから……」

甜花「これからもきっと、たくさん転んで……たくさん泣くと思う……」

甜花「だから見守ってて、プロデューサーさん」

甜花「見てくれてる人が居たら、甜花は何度だって、立ち上がるから……」

甜花「そして立ち上がったら……これからは、自分の足だけで歩いていけるから……」

なーちゃん、パパ、ママ、千雪さん、プロデューサーさん……

立ち上がる力はいつだって、周りの人が与えてくれていた。

そこから歩み出す勇気は、夏葉さんがくれた。

だからここから先は、自分の力で歩いていく番だ。
170 : ◆/rHuADhITI [saga]:2018/12/17(月) 04:43:40.00 ID:VbCE5XXv0

P「ああ。ああ……」

P「分かったよ。ちゃんと見てる。見守ってる」

P「甜花がトップアイドルになる日まで、ちゃんと側に居るさ」

甜花「トップ、アイドル……?」

P「ああ、トップアイドルだ」

甜花「そう、だよね……甜花だって、目指していいんだよね……」

甜花「トップアイドル」

P「ははは、当たり前だろ」

プロデューサーさんが拳を突き出す。

包み込む手の平からは、もう卒業だ。

P「その願い事じゃ、甜花が撃たないわけにはいかないよな」

P「よし。行って来い、甜花」

拳の先だけを軽くぶつけ合う。

そして笑う。

甜花「行ってくるね、プロデューサーさん」

一言だけ告げる。

それから振り向いて、駆け出した。
171 : ◆/rHuADhITI [saga]:2018/12/17(月) 04:44:10.93 ID:VbCE5XXv0

王子役「あれ、Pさん? こんな所で何してるんすか?」

P「……」

P「曰く、『この世は舞台なり──誰もがそこでは、一役演じなくてはならぬ』」

王子役「シェイクスピアっすね」

P「ああ。そして俺たち役者にとって、いつだって舞台は戦場だ」

王子役「……? 急に、どうしたんです?」

P「いや、な……」

P「あいつは、演じるべき舞台と役を、自分の意思で選べるようになったんだな、って……」

P「そう、思ったんだよ」

P「それだけさ」
172 : ◆/rHuADhITI [saga]:2018/12/17(月) 04:44:48.71 ID:VbCE5XXv0

セットの裏側は冷たくて暗かった。

同じステージの上、演劇のラストシーンは進んでいく。

そこではきっと、名誉と称賛に満ちているのだろう。

夏葉「『私は姉の心を見つけたのです。自分のすべき事を見つけたのです』」

置いてあったエアガンを拾う。

それは朝に撃った時より重く感じられた。

老婆「『だからガラスの靴を返すと? それがあれば、不自由のない世界に行けるというのに』」

老婆「『それが無ければ、灰にまみれるだけの生活に戻るだけだと言うのに』」

壁を隔てただけのステージが、とても遠く感じた。

それでいて、遠く離れたこの場所が、今の自分には丁度いいと感じる。

それも当然だ。

だって自分は誇りも自信も、まだ持ててはいないのだから。

夏葉『それは……違います』
173 : ◆/rHuADhITI [saga]:2018/12/17(月) 04:45:25.28 ID:VbCE5XXv0

サンドリヨンが演じられるようになった。

遠くのマトに当てられるようになった。

それは嬉しいことだ。

少しずつ先に進めてると、感じる事が出来たから。

だけどまだ、自信に満ちた自分など描けない。

誰かに追いつけているとは、到底思えない。

それでも

夏葉『ガラスの靴が無くなっても、私が得たものは失われません』

それでも、強くなりたかった。

栄光を掴めるような強さはいらない。

誰かに認められるような強さもいらない。

夏葉『父を、姉を、貴女を──家族を愛しています』

夏葉『この気持ちが消えることは、決してありません』

ただ、一緒に歩いて行きたい人達がいるだけ。

その人達と肩を並べて、歩いて行きたいだけ。

夏葉『だから……』

だから自分は、その為だけに強くなりたいのだ。
174 : ◆/rHuADhITI [saga]:2018/12/17(月) 04:46:58.22 ID:VbCE5XXv0

「甜花は誇れるものなんて、何一つ持ってない」

歯を食いしばる。

「弱くて、何もできなくて、いつも助けて貰ってばっかりで」

足を地に踏ん張って、射撃体勢に入る。

「きっとこのままじゃ、笑っていられなくなるんだって……分かってるよ」

落としていた視線を前に向けて、それから、目標物を見上げる。

そして、言葉にする。

「だから、変わりたい」

それは願い。

「こんな甜花でも、強くなりたい」

それは、今描ける精一杯の幸福の形。

「自分の為に、強くならなくちゃいけない」

それは、あの縁日の日から燻り続けてた想い。

「誇れる自分なんて分からないけど……! だけど……! だからこそ……!」

「だから、甜花は甜花を……! 自分自身の事を……!」

「蔑まずにいられるような、甜花になりたい──!」

その叫びのような呟きは、誰にも届くことはなくて

それでも、自分の中では確かに木霊して

全身に力が漲った。
175 : ◆/rHuADhITI [saga]:2018/12/17(月) 04:47:26.42 ID:VbCE5XXv0

『たとえ灰被りでも良いのです』

『まずは大切な人の隣で、曇りなく笑える自分でいたいのです』

『だから』

『ガラスの靴でなく、自分の足で歩いて行きたいのです』
176 : ◆/rHuADhITI [saga]:2018/12/17(月) 04:48:21.24 ID:VbCE5XXv0

煙が舞台に満ちている。

何とか成功したらしい。

白いカーテンがかかって、何も見えないけれど。

その事が何よりの成功の証だ。

ステージの袖の方に移動して、観客席の方を見た。

煙が掛かっていても、方向は分かる。

拍手の音が耳に響いているから。

煙が晴れて、魔法が解けているのを見れば、万雷の拍手になるのだろうか。

そうでなくてもいいと思った。

もう祭囃子が聞こえなくなるくらいには、この音は大きいのだから。

煙が中央の方から晴れてきて、拍手がさらに大きくなる。

もう一度、観客席の方向に目を向ける。

袖の方だって、じきに煙が晴れていくだろう。

その瞬間を心待ちにする。

もう目を離すまいと決めて、一点だけを見つめ続ける。

(……)

ついに、目の前の煙のカーテンが切れた。

視界が開けて、観客席がよく見えるようになる。

そして

大好きな家族の、笑顔が見えた。
177 : ◆/rHuADhITI [sage saga]:2018/12/17(月) 04:51:44.99 ID:VbCE5XXv0
終わりです。長々とお目汚し失礼しました。

夏葉さんの良さはtrueコミュの「期待に応えるのは得意なのよ」というセリフに詰まってると思います。
178 : ◆/rHuADhITI [sage saga]:2018/12/17(月) 04:53:33.45 ID:VbCE5XXv0
途中でコメントを頂いた皆様には、心から感謝を述べたいと思います。本当に大きな励みになりました。ありがとうございます。
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/17(月) 11:52:35.29 ID:XGDMHaMB0

楽しく読ませてもらった
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/17(月) 12:52:16.35 ID:ErK6iUEDO


最後だけちょっと物足りないかも……でもこういうのもアリなんだろうね


ちなみにエアガンだと、甜花も夏葉も発砲することは法律で禁止されてますからね
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/17(月) 15:23:21.06 ID:A04mfmrn0
乙 

泣いた
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/12/18(火) 04:54:14.30 ID:Y/4B0vSv0
素晴らしかった。とても素晴らしかった。乙
183 : ◆/rHuADhITI [sage saga]:2018/12/18(火) 09:28:22.49 ID:0IyVLnTw0
皆さん、コメントありがとうございます。

エアガンは18禁と10禁の物があり、法律には一応抵触していません。
まぁ、10禁のエアガンのパワーで割れるの?と言われると限りなく怪しいですが……
その辺りは話の都合と思って貰えると助かります。
184 : ◆/rHuADhITI [sage saga]:2018/12/18(火) 09:31:28.83 ID:0IyVLnTw0
おまけ(ギャグ)をふと思いついたので、近日中に投下します。HTML申請はその後で……
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/12/18(火) 14:18:48.34 ID:n8rRXNHo0


素敵なお話をありがとう
186 : ◆/rHuADhITI [sage saga]:2018/12/19(水) 02:37:12.67 ID:KYXmPgoJ0

以下おまけ(ギャグ)
本編の空気感などを完全にぶち壊しているので、その点を踏まえた上でお読み頂くか、ブラウザバックをお願いします。

シャニマス本編と4コマ時空くらいの差があると思って読んで頂けると幸いです。
187 : ◆/rHuADhITI [saga]:2018/12/19(水) 02:38:11.91 ID:KYXmPgoJ0

『うけつがれるちから』



甜花「じゅういち……じゅうに……じゅう……さん……」

甘奈「たっだいまー☆」

甜花「……あと、ちょっと……じゅう……よん……」

甘奈「うぇ……?」

甘奈(て、甜花ちゃんが……ダンベルを持ってる……!?)

甜花「……じゅう……ご……ふぅ……」

甜花「あ、なーちゃん……おかえり……」

甘奈「て、て、て、甜花ちゃん? そ、その……何してるの?」

甜花「……? 一応、筋トレのつもりなんだけど……」

甘奈(甜花ちゃんが、家で筋トレを……!?)

甜花「甜花、最近気がついた……」

甜花「筋肉って……凄いのよ……」

甘奈(これ絶対、誰かから変な影響受けてるー!)

甜花「なーちゃん……?」

甘奈(いや、いやいやいや……あわわわわわ……あわわ……)

甘奈(……で、でも……! 甜花ちゃんにしては変だけど、家で筋トレくらいは普通の範疇のはず……!)

甜花「筋肉がつくと……基礎代謝が増える……」

甜花「基礎代謝が増えれば……プリンもポテチも食べ放題……にへへ……」

甘奈(あ、やっぱり甜花ちゃんは甜花ちゃんかも……)

甜花「そういえば……プロテイン入りプリンってあるのかな……」

甘奈「やっぱりダメー!!」

甘奈(こ、このままじゃ甜花ちゃんがムキムキになっちゃう……!!)
188 : ◆/rHuADhITI [saga]:2018/12/19(水) 02:38:51.00 ID:KYXmPgoJ0

『みぎてにおもしを、ひだりてにほんを』



P「それでは、富山県出身のA・Oさんからのお便りです」

P「『突然ですが、私は甜花ちゃんの大ファンです! とにかく甜花ちゃんの事が大好きです』」

P「『いち早く甜花ちゃんの魅力に気が付いた事が私の自慢です! たぶん、世界で三番目です!』

甜花「これ……なーちゃん、だよね……?」

P「何を言う。富山県出身のA・Oさんだ」

P「えー……『最近甜花ちゃんが、筋肉トレーニングにハマっていると聞きました!』」

夏葉「そうなの?」

甜花「うん……まだ、家族しか知らないことだけど……」

P「『ですが私は心配です! 筋肉がつき過ぎると、甜花ちゃんの可愛さが損なわれ兼ねません!』」

P「『甜花ちゃんは今の時点でも、十分かわいくて、愛らしくて、良いお姉ちゃんで、それで』……」

P「……まぁ、この後はいいか」

P「とにかく! 事務所に届いたこの怪文書の事で甜花に話がある!」

夏葉「私が呼ばれたのは?」

P「夏葉も当事者だからだ。間違いなく」

P「……とは言え、別に説教する訳じゃないんだ。喫茶店で談笑するような気分でいい」

甜花「喫茶店で……」

夏葉「談笑を……」

甜花←カバンからダンベルを取り出す
夏葉←何処からともなく鉄アレイを取り出す

甜花←漫画本を出して左手に装備する
夏葉←君主論を開いて左手で持つ

甜花←丸まりながらも空いた手にダンベル
夏葉←足組みポーズで空いた手に鉄アレイ

P(アカン)
189 : ◆/rHuADhITI [saga]:2018/12/19(水) 02:39:36.01 ID:KYXmPgoJ0

『はんぱつかんせん』



P「言ったけど! 喫茶店で、って言ったけど!」

P「その何処でも努力する姿勢は見習いたいけど! 感心しているけどさ!」

P「甜花にまで感染ってるのは何でだー!?」

甜花「にへへ……」

P「可愛いけど誤魔化されないならな!」

夏葉「……そこまで言うのなら、よ。プロデューサー」

P「何だ?」

夏葉「アナタが普通の『喫茶店の過ごし方』を見せてくれるのよね?」

P「えっと、何故そうなるか分からないんだが……分かった」

P「注文を済ませたところから始めるぞ? まずは……そうだな、注文した物が来るまで空き時間になる」

P「ぼーっとしてるのも勿体無いので、手帳を取り出してスケジュールチェックやら何やらをするな」

P「しかし、本格的な仕事をするには半端な時間だ。だから過去の情報の再確認が中心になって……」

P「そうすると片手が淋しくなるから、カバンから水ダンベルを取り出して……」

P「周りに気をつけながら……いち、に、いち、に……と」

P「……はっ!!」

甜花「にへへ……プロデューサーさんも、一緒……」

夏葉「ええ、それでこそ私達のプロデューサーよ!」

P(俺にも感染ってるぅーッ!!)



夏葉「……真面目な話をすると、甜花がムキムキになるのはマズイわよね」

P「そうだな。アルストロメリアにもイメージがある」

夏葉「それなら、私に良い考えがあるわ」
190 : ◆/rHuADhITI [saga]:2018/12/19(水) 02:40:49.03 ID:KYXmPgoJ0

『みえるんだけど、みえないもの』



甜花「42……43……44……」

甘奈「たっだいまー☆」

甜花「……あと、15秒……46……47……」

甘奈「うぇ……?」

甘奈(て、甜花ちゃんが……変なポーズでプルプル震えてる……!?)

甜花「……50……51……おかえり、なーちゃん……54……55……」

甘奈「て、甜花ちゃん?」

甜花「58……59……60……終わり……」

甘奈「それ……何してるの?」

甜花「辛い姿勢を、長時間維持する……体幹トレーニングみたいな……」

甜花「インナーマッスルを鍛える、トレーニング……うん、もう一セット……」

甘奈「インナーマッスル……?」

甜花「体の内側の筋肉で……鍛えると、姿勢が良くなったりする……」

甜花「鍛えた成果は自分で分かるけど……見た目は、あんまり変わらない……」

甜花「つまり……見えるんだけど、見えないもの……!」

甘奈(わ……甜花ちゃん、凄いドヤ顔……これは……)

甜花「……? なーちゃん、今度はダメって言わないんだね……」

甘奈「う、うん……それは、だって……」

甘奈(ドヤ顔でプルプルしてる甜花ちゃん、メッチャ可愛いんだもん!!)



甘奈(……それに……)

甘奈(カッコいいよ、頑張ってる甜花ちゃんは)

甘奈(ムキムキ甜花ちゃんは、さすがに嫌だけどね☆)
191 : ◆/rHuADhITI [sage saga]:2018/12/19(水) 02:41:36.97 ID:KYXmPgoJ0
お目汚し失礼しました。HTML申請してきます
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/19(水) 06:16:36.01 ID:MmLorwpDO
ムキムキなーちゃん……



是非見たいです。全裸で

乙でしたー
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/22(土) 16:54:44.47 ID:QWqwVODUo
乙乙

いや凄かった
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