ミキはね、ホントにズルいコなの。

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1 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]：2018/11/23(金) 02:38:48.01 ID:SrtFjIYV0

こちらはアイドルマスターのSSです。

では始まります。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1542908327

2 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]：2018/11/23(金) 02:45:44.71 ID:SrtFjIYV0

　
──ミキはね、ズルいコなの。

3 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]：2018/11/23(金) 02:46:34.47 ID:SrtFjIYV0

「千早さん、んーー」

ミキからは何も言わないで、それでもわかってよって動いてる。イタズラっぽく逃げ道も作って、ホントにズルいコなんだ。

「…………」

　薄目でこっそり見ると、千早さんはやっぱり困って眉毛をハの字。

「んーー！」

「……よしよし、良い子ね美希は」

　少し迷って、さわさわって優しく頭を撫でてくれる。

4 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]：2018/11/23(金) 02:48:38.01 ID:SrtFjIYV0

　でもね、そっちじゃないの。

「むー、そっちじゃないのにー」

「ふふ、そっちはまた今度ね」

　ミキのいつもの言葉に千早さんのいつもの返事。

5 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]：2018/11/23(金) 02:49:34.64 ID:SrtFjIYV0

ね、また今度って、一体いつ来るの？──そんなのゼッタイ聞けないの。

「もー……千早さんのいくじなし」

　こうしてコッソリ、でもひょっとしたら聞こえるかもって声で、文句を言うのはできるのに──いくじなしは、ホントはミキの方。


　ホントに、ミキはズルいコなの。

6 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]：2018/11/23(金) 02:50:17.51 ID:SrtFjIYV0

　
──私はずるい女だ。

7 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]：2018/11/23(金) 02:52:35.64 ID:SrtFjIYV0

「千早さ〜ん、んーー」

　美希のこの仕草、そこにある想いはわかってる……わかっているつもりだけれど。

「…………」

　それでも私は確証が欲しい。確固たる証がなければ踏み出せやしない、臆病者なんだから。

「んーー！」

「はい、お菓子をどうぞ。私と半分こだけどね」

「むぅ〜……おいひいけど、ほうじゃにゃいの〜」

　だから、こうしてはぐらかすような真似しかできないの。

8 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]：2018/11/23(金) 02:53:37.53 ID:SrtFjIYV0

「ふふ、食べながら喋るのは行儀が悪いわよ？……また今度ね」

「ふぁ〜い……」

──ごめんね、美希。

　こうして絶対に聞こえないように、心の中で謝る事しか私にはできないの。

　
　本当に、私はずるい女。

9 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]：2018/11/23(金) 02:54:42.71 ID:SrtFjIYV0

──ミキはね、ホントのホントにズルいコなの。

10 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]：2018/11/23(金) 02:55:55.80 ID:SrtFjIYV0

「千早さん、んーー」

　やる事はいつもとおんなじ、でも特別な何かを期待してる。だって今日は──ミキの特別な日／誕生日だから。

「…………」

「んーー！」

　でもね、きっといつもとおんなじ。いつものように、千早さんの困った顔がミキの目の前にあるんだもん。

11 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]：2018/11/23(金) 02:58:40.74 ID:SrtFjIYV0

　けどね、そこから先はちょっと違ったの。

「そうね、今日は特別な日だものね」

「え？」

　いつもと違う言葉に戸惑うミキのおでこに、ちゅ……って淡い感触。え、これって──。

「え？え？千早さん、今──」

「ごめんね、美希。続きはまた今度ね」

「続き？ね、続きって──」

「今度は……もっと勇気をだすからね」

「……うん、うんっ！待ってるの！ミキ、待ってるからね！」

　千早さんも、もちろんミキも、すっごく良い顔してる。

　だってだって、こんなに嬉しいんだもん！良い笑顔してるに決まってるの☆

12 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]：2018/11/23(金) 03:00:14.58 ID:SrtFjIYV0

　でもね、ミキはやっぱりズルいコなの。

　今がとってもとっても嬉しくて、すっごくすごくふわふわしてるのに、もう次が待ち遠しいんだ。

──ね、千早さん。今度っていつ来てくれるのかな？


　やっぱりミキは、ホントにズルくて──ホントによくばりなコなの。

13 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]：2018/11/23(金) 03:00:51.78 ID:SrtFjIYV0

　
──美希は、本当にずるい娘だ。

14 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]：2018/11/23(金) 03:03:19.11 ID:SrtFjIYV0

「──あ。ねぇねぇ、千早さん」

「うん、何かしら？」

「んーー♪」

どれだけ経っても変わらずキラキラしていて、眩しくて。

15 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]：2018/11/23(金) 03:11:04.55 ID:SrtFjIYV0

「もぅ、またそれ？」

「んもー、いいから早く〜……んーー」

「はいはい、わかりました──ん」

「んぅ──ん、ふふ♪ミキね、今すっごく嬉しいの」

「えぇ、私も……すごく嬉しいわ」

「じゃあじゃあ千早さんも、ミキといっしょだね、あはっ☆」

「ふふ、えぇ一緒よ。私達は、いつまでもどこまでも一緒、ね」

「うんっ、もちろんなの！……ね、千早さん」

　私の心をこんなにも強く捉えて、離してくれないんだから。

「もう一回、んーー……」

「もぅ、しょうがないわね──ん」

　唇から伝わる貴女のあたたかさを、決して逃さないように強く、強く抱き締めた。


おわり

16 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]：2018/11/23(金) 03:13:39.53 ID:SrtFjIYV0

はい、以上となります。

少しでもお楽しみいただけたのなら幸いです。


それと最後になりましたが、星井美希ちゃんお誕生日おめでとうございます。

これからもよろしくね。

17 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2018/11/23(金) 11:01:15.07 ID:56IWPyBYO

特殊性癖物なら最初に注意書が欲しいな

18 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2019/03/20(水) 00:30:32.21 ID:SHApDVnso

おつおつ
シンプルイズベスト