神「異能力者七人のバトルロワイヤルが見たいな・・・」 2【安価】

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81 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/24(土) 15:44:57.99 ID:ZSTgsNhI0
そんなこんなでついに午後二時!『イベント』の時間に!『下1』が起こった!

1.全員の残りMPを−50する。(0未満にはならない)
2.宝石をもう一個誰かに配る。
3.全員の位置をシャッフルする。

何が起こった!?1〜3番から選んでね!下1だよ!
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/24(土) 15:53:02.33 ID:oyI1OP1DO
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/24(土) 16:02:17.10 ID:0GqpfhF6O
おもろいけど話が進まんな
84 :>>83 ごめんね [saga]:2018/11/24(土) 16:37:29.19 ID:ZSTgsNhI0
宝石がもう一つ配られることに!宝石を受け取ったのは『下1』だった!

1.くたびれ三十代『番井蝶』
2.中性金髪ロング『ディーヴァ・ラムダ』
4.男勝女子小学生『犬木心』
5.余命三年心臓病『田中星児』
6.ボーカル中二病『アッシュ』
7.くたびれ三十代『加賀七音』

誰だった!?1〜7番から選んでね!下1だよ!
85 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/24(土) 16:39:39.98 ID:ZSTgsNhI0
訂正



宝石がもう一つ配られることに!宝石を受け取ったのは『下1』だった!

1.くたびれ三十代『番井蝶』
2.中性金髪ロング『ディーヴァ・ラムダ』
3.臆病女子中学生『リカ』
4.男勝女子小学生『犬木心』
5.余命三年心臓病『田中星児』
6.ボーカル中二病『アッシュ』
7.くたびれ三十代『加賀七音』

誰だった!?1〜7番から選んでね!下1だよ!
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/24(土) 16:42:06.56 ID:4Ey5eZFu0
3
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/24(土) 20:48:37.95 ID:0GqpfhF6O
田中星児空気で草
88 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/24(土) 22:48:17.27 ID:ZSTgsNhI0
ビル街



天使「イベントターイム」フヨフヨ

リカ「あ、天使さん」

ラムダ「……イベント?……そうか、もう午後二時か……」

ラムダ(今まで最善を尽くしてきたつもりだが……この『イベント』は予測不能。このイベントの内容次第では、予定が大幅に変わることも……)

天使「ドゥルルルルル……ダンッ!『宝石一個追加』」

天使「ということで、はい。受け取れ」スッ

ラムダ「!」

リカ「え、あ、また私!?」

天使「運良いな、お前。宝石が追加されたことは他の参加者にも知らされるから、警戒しとけよ」

ラムダ「……リカさん。ビルの屋上に行きましょう。あのV系が居ない方です」グイッ

リカ「え?」

ラムダ「お互いに宝石が一つずつ……最良の状態です。『今日』はもうこれ以上の宝石は要らない」

ラムダ「よってあのV系の男から宝石を奪う必要はなくなりました。後はこの状態を維持することに専念しましょう防衛戦です」

ラムダ「ビルの屋上に行くことによって、敵襲の方向を限定させます。そして僕とリカさんで撃退するか、それが不可能な場合は他のビルの屋上へワープして時間を稼ぎます」

ラムダ「おそらく、これが一番良いはず……」

リカ「は、はい!了解しました!」タッタッ
89 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/24(土) 22:48:53.61 ID:ZSTgsNhI0
路地裏



天使「『宝石一個追加』」

星児「ほーん……で?」

天使「残念ながら、お前はまたハズレだ。どこの誰が当選したのかは、レーダーで確かめてくれ」

星児「……ちっ。運悪いな……」パカッ

星児「って、二つ同じ所にあるじゃねえか!」

星児(位置が少ししか変わってない。最初の宝石配りに当たって、この宝石配りにも当たったのか。運の良い奴も居たもんだなおい)

星児「……まぁ、いいや。誰かが二つ持ってるってことは、そいつ倒すだけで二つ手に入るってことだもんな」

星児「よし……じゃあ、行くか」
90 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/24(土) 22:49:28.65 ID:ZSTgsNhI0
ビル街・ビル屋上



リカ「着いた……屋上」ガチャッ

ラムダ「……ここへ来るには、移動系の能力を除けばそのドアを潜るしかない。そのドアに集中してください」

リカ「はい!」



星児(宝石の反応はこの扉の先……!)

星児「すぅーはぁーっ」

星児「うしっ……!『時間操作・加速』!」ドンッ
91 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/24(土) 22:50:19.94 ID:ZSTgsNhI0
リカ「! 早速来た!」

ラムダ「!」

星児(!? 二人……!?交戦中だったって感じじゃない!協力してるのか!?このバトルロワイヤルで!)

星児(いや!関係ない!二人共殺せば!)

星児「俺に宝石を寄越せぇっ!」ビュンッ

ラムダ(人体ではあり得ないスピード!異能力か!)

ラムダ「スタンボム!」ガッ


ゴォッ


星児「……眼眩ましかっ!」

星児(二人が協力してるなら、もう片方がこの隙に何かしてくるはず!)

星児(当たんないように、動き回るっ!)ビュビュンッ

リカ(……っすごいスピード!とてもじゃないけどナイフなんか当たんない!)

リカ(ごめんなさい!無理ですラムダさん!)ギュッ

ラムダ(リカさんの手!攻撃不能の合図!)

ラムダ(……おそらく、相手の能力は『高速移動』!闇雲に動き回られるだけでも、こちらから相手を捉えるのは難しいか!)

ラムダ(ならば、打ち合わせ通り、スタンボムの効果が切れる前に別のビルへ逃げる!)

ラムダ「『空間湾曲・10m』!」グニャアッ
92 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/24(土) 22:51:56.46 ID:ZSTgsNhI0
星児(……!光と音が止んだ!今だっ!)バッ

星児「って居ねぇ!」キョロキョロ

星児(あの女の時と同じだ!あいつらもワープが使えるのか!)

星児(いや、でもあの時とは違う!あいつらは宝石を持ってる!どこに居てもレーダーで追える!)パカッ

星児(隣のビルの屋上……!『時間操作・加速』が持続する限り、地の果てまで追いかける!)ダッ



リカ「ど、どうするんですかラムダさん!もしあの子がまだ追っかけて来たら、いずれラムダさんのMPが尽きちゃうんじゃ……」

ラムダ「いえ、相手もあの『高速移動』でMPを消費しているはず。その消費量によりますが……普通はMPを温存して深追いはして来ないと思われます」

ラムダ「それにもし、追いかけて来たとしても、『あそこ』で止まるはずです」
93 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/24(土) 22:52:38.69 ID:ZSTgsNhI0
ビル街・ビル五階



星児「うおおおおっ!」ダダダッ

アッシュ「あっ」バッタリ

星児「おっ?」バッタリ

アッシュ(宝石二つの反応が真上に来たと思ったら、何か別の奴が上ってきた!)

星児(そうだ!ここにも宝石の反応が一つ有った!こいつか!)

星児(どうする!上の奴らは逃げる!あいつらは仕留めきれないかも知れないし、あっちからは攻撃してこない!)

星児(それなら上の奴らは放っといてこいつを殺すか!?上の奴らは二人で宝石を分け合うつもりだろう!なら明日もバトルロワイヤルは続く!なら今日は一個で構わない!)

星児(いや、だが、そう上手く行く保証もない!上の奴らのどっちかが裏切って、今日で終わるかも!そもそもこいつの能力が不明!勝てないかも知れない!)

星児(どっちを狙う!?上の奴らか!ここに居るこいつか!)



星児が狙ったのは『下1』だった!

1.宝石を二つ取って、今日で勝負を決める!ラムダ・リカチームの所へ!
2.今日は一個でいいや!このままアッシュを殺す!

どっちだった!?1、2番のどっちか答えてね!下1だよ!
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/24(土) 22:55:34.37 ID:0GqpfhF6O
2
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/25(日) 00:51:51.64 ID:9N81QoueO
今日はコレで終わりですか?
96 :>>95 多分もう今日のお昼までやらない [saga]:2018/11/25(日) 01:47:50.13 ID:BgU0OAui0
星児(決めた!このままこいつを殺す!)キュッ

アッシュ(こ、こっち来たぁ!もっかいやるしかねぇ!)

アッシュ「くっ……『サウンドスケープ』!」ジャカジャンッ

星児(!?……なんだっ、こいつが歌い始めた瞬間、何か、頭が……!)

星児「うっ、うぅ……」ポロポロ

アッシュ「『Ah〜悲しい〜悲しいよ〜Oh〜♪』」ジャカジャカジャーンッ


〜♪


リカ「あ、さっきの曲……」

ラムダ「……よし、上手く行きました」

ラムダ(これが目的。彼に彼女を足止めさせる。そして『演奏を聞いている人間の自由を奪う能力』を使ってもらう!)

ラムダ「こうすることでこのビル一棟を、誰も動けない安全地帯にあっもうどうでもいいや死にたい」ズーン

リカ「悲じい〜」ポロポロ
97 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/25(日) 01:49:37.35 ID:BgU0OAui0
アッシュ「『Ah〜悲しい〜悲しいよ〜Oh〜♪』」ジャカジャカジャーンッ

アッシュ(どうする……!?一度休んだから、そこそこ体力は回復したが、それでもこのまま四時まで弾き続けるのは不可能だ!)

アッシュ(どうにかしてこの子をどうにかせねば……)ジャカジャンッ

アッシュ(そうだ!犬木から貰った『衝動のピストル』!まだ4発弾丸が残っている!あれでこの子を窓から外へ『吹き飛ばす』のはどうだ!?ここは五階!ここから落下すればただでは済まないはず!)

アッシュ(いや、けどこの子がこの階まで上ってきたスピード。尋常じゃなかった。おそらくこの子の能力は『高速移動』)

アッシュ(あのスピードを相手に弾丸を当てれるか……?)

アッシュ(とにかく、体力が続く限り演奏を続けて、ギリギリまで策を……)

星児「うっ、うぅ……!何でだよぉ……!」ポロポロ

アッシュ「……」

星児「何だよ、心臓病って、余命三年ってぇ……!何で、俺が、そんなの……!くそぉ……!何でだよぉ……!」ポロポロ

アッシュ「え……?」ジャン…

星児(! 演奏が止まった!)ガバッ

アッシュ(しまった!つい!)

星児「……っ殺すっ!」ダッ

アッシュ「まっ、待ってけろ!」バッ

星児「……けろ?」

アッシュ「あっ、いや、待ってくれ!その、俺と協力しないか!」

星児「協力ぅ?」
98 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/25(日) 01:50:15.22 ID:BgU0OAui0
アッシュ「上の奴は今宝石を二つ持っている!このままでは今日でバトルロワイヤルが終わってしまう!」

星児「いや、上の『奴ら』だ。多分チームで宝石を分け合うつもりなんだろう」

アッシュ「え?そうなの?」

アッシュ(じゃあ犬木を殺した女はあの二人にやられたのか?)

星児「……それで?」

アッシュ「ふ、二人だろうが関係ない!片方が裏切って宝石を独占するつもりかもしれないだろう!」

星児(……確かに。それは俺も危惧していたことだ)

アッシュ「このままではいけない!どうにかして奴らを倒さなくては!しかし、俺の能力は両手を使うから、一人じゃ勝てない!そこで君の力を借りたい!」

星児「借りるって、どうやるんだよ。お前の能力なら俺も巻き込んじまうだろ」

アッシュ「いや……俺の演奏テクなら音量を調整して、状況に応じて効果範囲を変えることができる」ジャン

星児「それがどうした。調整できるったって、精々m単位だろ?あいつらに近付けば、結局俺も巻き込まれる」

アッシュ「大丈夫だ。君があいつらに近付く必要はない。これを使ってくれれば、遠くからでも奴らを倒せる」チャッ

星児「ピストル……?」
99 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/25(日) 01:51:02.72 ID:BgU0OAui0
アッシュ「このピストル自体には威力はないが、着弾した物を好きな方向に吹き飛ばすことができるという異能力が備わっている」

星児「ふーん……?」

アッシュ「し、信じられないというなら一発見本を見せてやってもいい。残り4発あるからな」

星児「いや、疑ってるわけじゃねぇ。けど、それあんたの能力じゃないだろ?誰の能力だ?」

アッシュ「……犬木心という少女の能力だ。先の戦いで既に死んだ」

星児「最初はそいつとチームを組んでたんだな?」

アッシュ「……ああ。そうだ」

星児「……それじゃお前は、その子を裏切るわけだ」

アッシュ「う、裏切りではない!今日で勝負が終わってしまうのはあいつにとっても不本意であるはずだ!」
100 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/25(日) 01:51:30.63 ID:BgU0OAui0
星児「……どうしようかな。俺は別にあんたから宝石を分捕っちまってもいいんだが」

アッシュ「なっ!?そ、それならば試合終了までお前をひれ伏させるのみだぞ!いいのか!」

星児「どうだかね。演奏を辞めた理由も、どうせ体力が切れたからとかなんじゃないのか?それなら……」

アッシュ「違うぞ!俺はあのまま演奏し続けることができた!」

アッシュ(今度は本当だ)

アッシュ「聞こえたんだよ……君の願いは心臓病を治すこと。だろう?」

星児「……口走っちまってたか……」

アッシュ「そんな切実な願いを聞くと、その、どうにも……」

星児「……ちっ。同情かよ。飽き飽きだぜ、その目はよ」

アッシュ「いや、そんなつもりでは……」

星児「……まぁ、同情でも何でもいいや。なるべく危険因子は潰しておいた方がいいよな」パカッ

アッシュ「え?」

星児「ほら、レーダー登録だ。乗ってやるよ。あんたに」ピッ

アッシュ「……ふっ」ピッ
101 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/25(日) 01:52:08.07 ID:BgU0OAui0
ビル街・ビルの屋上



ラムダ「演奏が止んだ……?」ガバッ

リカ「下で、何かあったんでしょうか……?」

ラムダ(どうする……大事を取ってここから移動しましょうか?)

ラムダ(いや、何かあった時のために、MPは温存しておきたいですね)

ラムダ(それに移動したところで、僕らは宝石を持ってる。結局はレーダーで位置がバレてしまう。ここはこのまま様子を見るのがベター)

ラムダ(けど……なんだ、この胸騒ぎは……)


〜♪


リカ「あっ、また……」

ラムダ(……っ、思考が、感情が、体が……)ガクッ
102 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/25(日) 01:53:05.21 ID:BgU0OAui0
アッシュ「『Ah〜悲しい〜悲しいよ〜Oh〜♪』」ジャカジャカジャーンッ

アッシュ(さっきと同じだ!まずは音量MAX!そこから演奏しながら歩いて、敵との距離を縮める)スタスタ

アッシュ(演奏しながらだと扉開けづらいな)ジャカッ…ジャンッ

リカ「悲じい〜」ポロポロ

ラムダ「死にたい……」ズーン

アッシュ(そして敵の数m前まで来た所で、音量を下げる!効果範囲10m!)ジャン……

星児「……」ガチャッ

アッシュ(よし!今度は手はず通りだ!後は田中星児がこいつらを撃ち抜いて、屋上から空中へ吹き飛ばすだけ!)

星児(……さて、どっちから先に落とそうか)チャッ



星児が狙ったのは『下1』だった!

2.中性金髪ロング『ディーヴァ・ラムダ』
3.臆病女子中学生『リカ』

どっちだった!?2、3番のどっちか答えてね!下1だよ!
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/25(日) 01:58:42.81 ID:jlLX8hLt0
2
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/25(日) 08:54:00.18 ID:9N81QoueO
おつ
105 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/25(日) 18:41:38.08 ID:BgU0OAui0
星児(あいつらは『光と音の爆弾』と『ワープ』のコンビ!『ワープ』の方はここから落としても無意味だ。『サウンドスケープ』の範囲外に行った時点で、自分の能力で生存する)

星児(つまり、ここで先に狙うべきは『光と音の爆弾』の方!あの爆弾を投げてたのは……)

星児(あの金髪ロング!)ドンッ

ラムダ「……っ」ドフッ

アッシュ(よし!金髪が屋上から落ちた!これで……)



ラムダ(……!演奏が聞こえなくなった!『演奏を聞いている人間の自由を奪う能力』の範囲外!)ヒュオオオ

ラムダ(ならばいい!落下中でも構わない!さっきの位置に『戻れる』!)バッ

ラムダ「『空間湾曲・10m』!」グニャアッ

アッシュ「!?」

星児「!?」

星児(戻ってきた!?あっちが『ワープ』だったのか!)

アッシュ(だが、問題ない!俺の『サウンドスケープ』の範囲に戻ってくるなら、もう一度自由を奪ってやるのみ!)ジャカジャンッ

ラムダ(そうなる前に……っ!)

ラムダ「スタンボムっ!」ガッ
106 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/25(日) 18:42:23.63 ID:BgU0OAui0
ラムダ「スタンボムっ!」ガッ


ゴォッ


アッシュ(これは、さっきビルの窓から見えた光!?)

アッシュ(まずい!『爆音』で俺の『サウンドスケープ』がかき消される!)

ラムダ(隙ができた!ここでリカさんにお任せしたいのですが……)

リカ「あっ、あれ?今、何がどうなって……」

ラムダ(……多分混乱してる!なら僕がこいつを落とす!見えないけど大体の位置は覚えている!)

ラムダ「『空間湾曲・10m』!」グニャアッ

アッシュ「うわぁっ!?」グニャアッ

アッシュ(この浮遊感……あ、俺落とされた……?)ヒュオオオッ


ベシャアッ



アッシュ:死亡
107 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/25(日) 18:43:26.33 ID:BgU0OAui0
星児(……!光と音が止んだ!)バッ

星児(アッシュが居ない!『ワープ』で落とされたか!)

星児「くっ!」ギロッ

ラムダ「……リカさん!僕の後ろに下がってください!」バッ

リカ「は、はい!」バッ

ラムダ(敵は『高速移動』!しかもあの『ピストル』を持っている……さっきのようには行かない!)

ラムダ(二人が組んでいた以上、ああするしかなかったとはいえ、V系の男は死んだ!もうこいつを足止めしてくれる奴は居ない!)

ラムダ(そして、僕もリカさんもかなりMPを消費してしまった……このバトルロワイヤルは明日も続く!MP温存のためにももうこれ以上こいつとは戦いたくない!)

星児「……ちっ。『時間操作・加……」

ラムダ「待ってください!」

星児「……あぁ?」

ラムダ「もう今日の残り時間は30分を切りました!その時間であれば、僕らは君から逃げ切る自信があります!これ以上追いかけっこを続けるのは、お互い無駄にMPを消費するだけです!」

星児「……そんなの、やってみなくちゃ分かんねぇだろ」

ラムダ「……それに!君は今ならMPを消費せずとも宝石を獲得できます!下に落ちたV系の男から奪えばいい!」

ラムダ「さっき五階でV系の男の方を狙ったということは、君も一度は一個でいいと妥協したのでしょう!?」

星児「……お前らのどっちかが裏切って、今日でこのバトルロワイヤルを終わらせないっていう保証は?」

ラムダ「そ、それは……」

リカ「しょ、証拠はあります!」

星児「……あぁ?」

ラムダ「リカさん……?」
108 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/25(日) 18:43:56.63 ID:BgU0OAui0
リカ「私が、ここでこうやって生き延びてるのが証拠です!」

リカ「ラムダさんは強くて、頭が良い人で、とっても優しい人です!今まで私は、ラムダさんにいっぱい助けてもらいました!」

リカ「もしラムダさんがひどい人なら、私今頃死んでます!でも生きてます!これが証拠です!」

ラムダ「……」

星児(いや……こいつバカか?)

星児(それはただ利害が一致してただけじゃねぇのか?っていうかお前が裏切らない証拠は?)

星児(でも……なんていうか、バカの言葉だからこそ……)

星児「……ちっ。まぁいいや。今日は引いてやるよ」スゴスゴ

星児(俺もあいつと組んだ以上、今日で終わらせちまうつもりはねーんだ。宝石を二個取ったって余るし、MPは明日のために温存しておきたい)

星児(特に俺の場合は、能力を使う代償が他の奴らより重てぇからな……)スタスタ
109 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/25(日) 18:44:34.70 ID:BgU0OAui0
リカ「……っはぁ〜良かったぁ〜」ホッ

ラムダ「……リカさん。ありがとうございました」

リカ「いえいえ。これぐらい、ラムダさんがしてくれたことに比べれば……」

ラムダ「いや、その……」

ラムダ(今まで、全てから一歩引いた生き方をしてきたからでしょうか)

ラムダ(『優しい人だ』なんて言ってもらえたのは、随分と久しぶりの気がします……)

ラムダ「……とにかく。ありがとうございました。明日も頑張りましょう」

リカ「はい!頑張りましょう!」グッ



ラムダ「それにしても変な子でしたね。女の子なのに一人称が『俺』だなんて」

リカ「え?でもラムダさんも女の人なのに『僕』って言うじゃないですか」

ラムダ「え?」

リカ「え?」
110 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/25(日) 18:45:09.36 ID:BgU0OAui0
ビル街・地上



星児「うおっ、グロッ」

アッシュ(だった物)

星児「……明日もここで殺し合いするんだし、こういうのには慣れとかないとな……」ゴソゴソ

星児「悪く思うなよ、アッシュ。死んだお前が宝石持っててもしょうがねぇんだ」

星児「俺がここで1ポイントゲットしときゃあ、明日はお前一人が1ポイントゲットするだけでいい。そっちの方が楽でいいだろ?」

星児「……」ゴソゴソ

星児「……おい待て、ないぞ。宝石どこ行った」

星児(落下の衝撃で砕け散ったか?いや、その破片すら見当たらない。そもそも『・特殊レーダーと宝石は、どんな能力を用いても、破壊、消失させる事はできない。 』)

星児(じゃあ一体どこに……?)レーダーパカッ

星児「……宝石の反応が動いてる!?」



リカ「あれ?宝石が動いてる……!?」

ラムダ「……他の参加者が奪いましたか……!」

リカ「ど、どうしよう。私達あの子に嘘ついたことに……」

ラムダ「……いえ、仕方ありません。気にしないでください」

ラムダ(とはいえ、一体誰が?リカさんが見たという『どこでもドア』の女か……?)

ラムダ(いや、それとも僕らがまだ把握していない『七人目の参加者』……?)
111 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/25(日) 18:45:37.67 ID:BgU0OAui0
交差点



七音「……はぁっ、はぁっ」タッタッ

七音(やった!やったぞ!あそこでずっと気を窺ってた甲斐があった!労せず、能力すら使わず宝石をゲットできるとは!)

七音(後はこのまま、これを持って逃げていれば……)

星児「待てぇぇぇ!この薄汚いハイエナ野郎がァーッ!」ビュビュンッ

七音(やっぱり来たか……追手。しかもかなりのスピード。おそらく異能力に因るものだろう)

七音(しかし、問題はない。制限時間は残り十数分。防衛は可能!)

七音「『虹色インク』!」ズァッ

星児「!?」

星児(何だ!?おっさんの周りから虹色の腕が生えた!)

七音(さぁ、ここでこうしている限り、あの子にできることはないはずだ……)

星児(くっ……どうする!?まだ『加速』の効果は持続してるが……あの虹色の腕へ突っ込むのは危険すぎる!)

星児(ここでこうやってにらめっこしてるしかないのか……!?)
112 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/25(日) 18:46:18.51 ID:BgU0OAui0
交差点の物陰



蝶「……何かしら、あれ。虹色の……何?」

蝶(とにかく、宝石を持ってるのはあの虹色使い。その向かいに居るのは……最初に会った『高速移動』の女の子)

蝶「ここからなら『ピストル』でどっちも狙えるけど……」

蝶(どっちを狙おうかしら……?)



蝶が撃ったのは『下1』だった!

5.余命三年心臓病『田中星児』
7.くたびれ三十代『加賀七音』

どっちだった!?5、7番のどっちか答えてね!下1だよ!
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/25(日) 18:48:19.59 ID:XIimSE+90
5
114 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/25(日) 23:12:05.10 ID:BgU0OAui0
蝶(ここは……『高速移動』の子を狙いましょう)

蝶(あの子を倒すとしたら、警戒されてない今しかないものね……)

蝶(そして『虹色』の方向へ吹き飛ばして『虹色』の能力も確かめる……!)チャッ

蝶「えいっ」ドンッ



星児(……?今、何か銃声みたいな……)

星児「!?」ドフッ

星児(体が『吹き飛ぶ』!犬木心の銃!それを持ってるってことは、犬木心を殺した女!一体どこから!?)

七音(銃弾が当たった瞬間、こっちに吹き飛んで来た……?)

七音「まぁいい。『虹色インク』!」ズァッ

星児「ぐぁ……っ」ガシッ

星児(イ、インクでできた腕が、体を絞めてくる……っ)ギリギリ

星児(息がぁ……っ!)カクッ



田中星児:死亡
115 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/25(日) 23:12:42.71 ID:BgU0OAui0
七音(死んだか……しかし、ここから動くことはできない)

七音(この少女を襲った弾丸、あれを防ぐにはここのインクの沼の範囲に居なければ……)

七音(だが、裏を返せばここに居さえすれば安全。どこから撃ってきたか、大体の位置も分かっている)

七音(弾丸は対処できる。そして能力は一人につき一つ。他の参加者が絡んで来なければこのまま)


ボワンッ


七音「……え」スウゥッ

七音(真後ろで音!)バッ

七音(何だこれ、まさか『どこでもドア』?いや、それより)

蝶「あら?何かあなたの能力消えてない?」

七音(『次元空間が歪んでいる場所には発動不可 』……こいつの『ドア』のせいで、私の能力が……っ!)

蝶「消すつもりではなかったんだけど……まぁ、安全なのはいいことよね。それじゃあ、さよなら」チャッ

七音(女が二回引き金を引く、私の体は二回衝撃を受け、空中へと吹き飛んだ)

七音(その高さ、優に10mを越えていただろう)

七音(空中……床や地面がない所では能力は使えない……!)



ドチャッ



加賀七音:死亡
116 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/25(日) 23:13:23.56 ID:BgU0OAui0
蝶「うーん……やっぱり弾二発……20m弱じゃあ、結構原型が残るわね。あの女の子を100mから叩き落した時は、ほとんど血溜まりになってたし」ゴソゴソ

蝶「まぁ、どっちにしろ死んでるから問題ないわね。宝石、ありがとう」ヒョイッ

蝶「さて……あの子も何か持ってないか探ってみましょうか」ゴソゴソ

蝶「わっ、この子もあの銃持ってるじゃない。あのV系の男と組んだってことかしら……。弾は……残り3発。ちょうどさっき使った分が補充できたわね」ヒョイッ

蝶「やっぱり日頃の行いが良いと幸せになれるって本当ねー……」

蝶「ふふっ」
117 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/25(日) 23:13:56.00 ID:BgU0OAui0
ビル街・ビルの屋上



リカ「終了五分前……もう誰も来ないですかね?」

ラムダ「……そうですね。もう一つの宝石の反応も、ここから離れた所で止まりましたし」

リカ「良かったぁー……」

リカ「ラムダさん。本当にありがとうございます」

ラムダ「どうしたんですか、急にあらたまって……」

リカ「だって私が今日ポイントを獲得できるのは、ラムダさんのおかげだから……ラムダさんは、私のヒーローです」

ラムダ「リカさん……」


シュンッ


ラムダ「!?」ボフッ

ラムダ(急に見知らぬ部屋に瞬間移動した。レーダーを確認すると、ちょうど午後四時と表示されていた)

天使「とりあえず、一日目お疲れ様。明日の朝六時になれば、また同じ街の、別の場所に配置される。それまでゆっくり体を休めとくんだな」

天使「それじゃ、私は街の修復作業に行ってくる。といっても、破損した箇所なんかほとんどないけどな。お前らは街をあんまり壊さないから助かるよ」フヨフヨ

ラムダ「は、はぁ……」

ラムダ(とにかく、バトルロワイヤルの一日目は無事に終わったようだ)


『ラムダさんは、私のヒーローです』


ラムダ(……『ヒーロー』か。昔、僕を助けてくれたあの人が、まるでヒーローみたいに見えた)

ラムダ(そして憧れのまま、警官になった。そして今も……僕は、憧れのヒーローにどれくらい近づけたんでしょう)

ラムダ「……寝ますか」



『番井蝶』『ディーヴァ・ラムダ』『リカ』が1ポイントずつ獲得!

異能力者七人のバトルロワイヤル!一日目が終了した!
118 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/25(日) 23:14:26.90 ID:BgU0OAui0
一日目終了・現状



1.番井蝶

ポイント:1
M  P:20
登  録:なし
持 ち 物:衝動のピストル×2(弾丸5+3発)



2.ディーヴァ・ラムダ

ポイント:1
M  P:70
登  録:『リカ』
持 ち 物:スタンボム、ナイフ



3.リカ

ポイント:1
M  P:25
登  録:『ラムダ』
持 ち 物:スタンボム、ナイフ



4.犬木心

ポイント:0
M  P:0
登  録:『アッシュ』
持 ち 物:衝動のピストル(弾丸6発)



5.田中星児

ポイント:0
M  P:55
登  録:『アッシュ』
持 ち 物:なし



6.アッシュ

ポイント:0
M  P:20
登  録:『犬木心』 『田中星児』
持 ち 物:なし



7.加賀七音

ポイント:0
M  P:70
登  録:なし
持 ち 物:なし
119 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/25(日) 23:15:48.18 ID:BgU0OAui0
天界・振り返り



神様「『番井蝶』『ディーヴァ・ラムダ』『リカ』が一日目の獲得者か……番号にすれば丁度123だね」

天使「やっぱ最初の方に組んだ『ラムダ・リカチーム』が強かったですね。バトルロワイヤルでチームは強い」

神様「能力にかまけていたかと言うとそうでもない。ラムダはMPを70も残しているし、リカもMP25と、具現化したスタンボムを2つ残している。実質MP55だ」

神様「二人共MPを半分以上残している。これは単純に立ち回りが上手かったと見るべきだろう」

天使「……まぁ、作戦や指示は全てラムダの物でしたが」

神様「今日の一番のファインプレーは、リカがラムダとチームを組んだことかも知れないね」

天使「逆に、一番ダメだった行動は、犬木心の無駄な具現化ですかね」

神様「あれさえなければ蝶にピストルを奪われることもなかったわけだし、そうなると犬木心が死ぬことも、田中星児が死ぬことも……」

天使「他にも色々変わってたでしょうね」



神様「いやぁ、それにしても殺傷能力のない異能ばっかりだから中々人が死なないなと思ってたけれど……」

天使「蓋を開けてみれば、宝石獲得者以外は全員死ぬという中々バイオレンスな幕引き」

神様「けど、死因の3/4が落下死っていうのは、なんとも」

天使「殺傷能力がない上に、戦闘のほとんどがビル街で行われましたからね。全体的に、極端な一日でした」
120 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/25(日) 23:16:25.48 ID:BgU0OAui0
天使「明日は誰が勝つと思いますか?」

神様「うーん。明日も『ラムダ・リカチーム』が強いんじゃないかな」

神様「バトルロワイヤルでチームを組むっていうのは本当に強いし、強制的じゃない信頼関係がある」

神様「二人共応用が効く良い能力だし、それを使うMPを豊富に残している。順当に行けばこのまま二人で勝つんじゃない?」

神様「逆に厳しいのは『加賀七音』かな……っていうかこいつだけ他の奴らと相性悪すぎるよね?」

天使「彼の『虹色インク』は『近付いた状態で使わないといけないが、近付くまでの間は無防備』という特徴があります」

天使「『サウンドスケープ』『衝動のピストル』相手には近付けない。『時間操作』は近付くと時間止められて負け」

天使「『どこでもドア』『空間湾曲』が相手だと問答無用で次元空間を乱されて無効化されます」

天使「1対1で勝てるとしたら『スタンボム』と五分五分って所でしょうが……リカはラムダに保護されてますからね」

神様「今日の終盤が一番のチャンスだったんだなぁ……惜しい」

神様「でも、宝石配り次第では彼にも勝機はあるよ。終盤で見せた通り、防衛に強い能力だからね(『どこでもドア』『空間湾曲』には負けるけど)」

天使「いやぁ……MPの消費量に対して持続時間が短いので……終盤でもない限り制限時間まで発動させるのはちょっと……」

神様「今日の終盤が一番のチャンスだったんだなぁ……」

天使「まぁ、他の人間はわりとMPを消費してますし、複数人がMPを使い切るようなことがあればワンチャン……ありますかね」

神様「でも『ラムダ・リカチーム』はMP残してるしなぁ……」

神様「……明日の転送位置は、ラムダとリカを思いっ切り離しておこうかな」

天使「贔屓だなぁ……」

神様「ははは、冗談だよ。それじゃ、二日目開始!転送!」バッ

天使「・・・って神様。『下1』と『下2』の初期位置がもろ被りじゃないですか」

神様「転送はランダムなんだから、そういうこともある」



1.くたびれ三十代『番井蝶』
2.中性金髪ロング『ディーヴァ・ラムダ』
3.臆病女子中学生『リカ』
4.男勝女子小学生『犬木心』
5.余命三年心臓病『田中星児』
6.ボーカル中二病『アッシュ』
7.くたびれ三十代『加賀七音』

誰と誰の位置が被った!?1〜7番から選んでね!下1と下2の二人に安価を取るよ!
(安価が被った場合、誰も出会わなかった事にするよ!)
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/25(日) 23:17:58.86 ID:nGoxu9xDO
5
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/25(日) 23:18:03.27 ID:9/zh01av0
1
123 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/26(月) 20:41:30.07 ID:aAZpTK6p0
訂正

『番井蝶』が『どこでもドア』の能力を使ったのは計五回
(田中星児から逃げる、犬木心の真後ろに移動する、犬木心を上空へワープさせる、リカから逃げる、加賀七音の真後ろに移動する)
ですので、一日目終了時点での残存MPは100−(20×5)=0です。
しかし、>>80の時点で一回分数え忘れていて、そこから間違いに気付かないまま>>118でMP:20と表記してしまいました。
正しくはMP:0です。脳内変換お願いします。

誠に申し訳ございませんでした。
恐縮ですが、他にミスが見当たればご報告お願いします。可能であれば訂正します。

↓から本編を再開します。
124 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/26(月) 20:42:10.47 ID:aAZpTK6p0
住宅街



星児「……はっ!」シュンッ

星児(目の前が真っ暗になったと思ったら、急にここに!……レーダー確認!)パカッ

星児(『11:00:05』……始まったのか、バトルロワイヤル二日目が!)

星児(そんで俺はあのおっさんに殺された所を生き返った……と。なんつーか、雑だなぁ。もうちょいインターバルとか用意してくれりゃいいのによ)

星児(まぁ、とにかく、二日目が無事始まったなら……)

蝶「あっ」バッタリ

星児「んっ?」バッタリ

星児(こいつ!昨日の『どこでもドア』の女!)

蝶(『高速移動』の子!)バッ

星児(昨日の最後……金髪ロングと隣の女子はビルの上、犬木心とアッシュは死んでる。目の前に居たおっさんは除外、俺自身も除外)ポクポク

星児(残るのはこいつだけじゃねぇか!じゃあ昨日最後に俺撃ったのこいつか!許せん!)

星児(ってことはこいつ、そのままおっさん倒して今リーチしてる可能性がある!MP温存は考えない方がいい!こいつに今日得点させないのが最優先!)

星児「『時間操作・加速』!」ビュンッ

蝶(……っ、この子また突っ込んできた!どうしましょう、銃で撃つ?いや、この子のスピードじゃ躱される!)

蝶(昨日と同じように逃げるしかない!)ボワンッ

蝶「……後方!ビル屋上!」ガチャッ



星児(……やっぱ逃げたか!)ザザザッ

星児「……『加速終了』」シュウウ

星児(私から逃げたり、犬木心を殺したり、昨日だけでもあいつは何回か能力を使ってるはず)

星児(一回にどれくらいのMPを消費するのか知らねぇが、削れるだけ削っといておくぜ)



蝶(……折角回復したMPがもう30に……今日はもう後一回しか使えない)

蝶(いくら奪ったピストルがあるとはいえ、今日で終わらせるのは難しいかしら……?)

蝶「……とりあえずは、昨日と同じようにここで宝石配りを待ちましょうか」スッ
125 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/26(月) 20:42:43.25 ID:aAZpTK6p0
星児「さて……と、アッシュに連絡するか」プルルル

星児「……出やがらねぇ。あいつまさか……」



路地裏



心『アッシュ!大丈夫だったか!?』

アッシュ「お、おう……いや、すまん。あの後死んだ」

心『そ、そうか……じゃあ今日こそ!二人で宝石ゲットだ!頑張ろうな!それじゃ、俺がそっち行くから!そこで待ってろよ!』プツッ

アッシュ「……さっき死んだばっかりだってのに、全く元気な奴だ……」

アッシュ「ん?また通話か。何か言い忘れたのか?……はいもしもし」プルルル

星児『お前……さっき何で出なかった』

アッシュ「あっ」

星児『あれか。犬木心って奴と通話でもしてたか。俺より先に』

アッシュ「お、おう……そうだが?」

星児『……俺とのチームはどうなるんだ?』

アッシュ「え?あ、いや、その……」

アッシュ(宝石が配られるのが一日に二個である以上、同時に願いを叶えられるのは二人までで……じゃあチームを組めるのも必然的に二人までになる)

アッシュ(昨日みたいに宝石が三つ配られれば話は別だが、同じイベントが何回も起こるとは考えにくいし……)

星児『……ちっ。いいよもう。チームは解消だ。元々偶然あの時、利害が一致しただけの成り行きのチームだったし。相方が生き返ったんなら、俺はもう要らないだろ?』

星児『……でも、忘れんなよ。登録は消さない。お前がどこに居るかはレーダーですぐに分かる』

星児『こっからは敵同士だ。精々、今度は相方を死なせないようにな』プツッ

アッシュ「……」

アッシュ(なるようになれ!)
126 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/26(月) 20:43:10.08 ID:aAZpTK6p0
駅前



リカ「……始まった!二日目!」

リカ(まず、最初は言われた通りレーダーを確認して……)パカッ

リカ「ラムダさん遠っ!」ガビーンッ

リカ(あ、通話。ラムダさんからだ)プルルル

ラムダ『リカさん。レーダーは確認しましたか?』

リカ「はい……あの、私達ほとんど端と端で、とっても遠いです……」

ラムダ『……そうですね。しかし、そうなったものは仕方がありません。予定は変えず、二人で合流を目指しましょう』

リカ「はい!」タッ
127 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/26(月) 20:43:38.24 ID:aAZpTK6p0
ビル街



七音「……はっ!」

七音(ここは……さっきの交差点の近くじゃない。位置はちょっと違うが、おそらく他の参加者が戦っていたビル街)

七音(レーダーは……『11:00:05』。二日目が始まり、私は生き返ったということか……)パカッ

七音(……昨日、宝石は獲得できなかった。しかし、後もう一歩だった)

七音(私のやり方は間違っていなかった。今日も昨日と同じようにどこかに潜伏し、同じように宝石を手に入れ、今日こそはそれを守り切る)
128 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/26(月) 20:44:11.63 ID:aAZpTK6p0
二日目開始・現状



1.番井蝶

ポイント:1
M  P:30
登  録:なし
持 ち 物:衝動のピストル×2(弾丸5+3発)

ビル屋上で宝石配りを待っている。



2.ディーヴァ・ラムダ

ポイント:1
M  P:120
登  録:『リカ』
持 ち 物:スタンボム、ナイフ

リカと合流を目指す。



3.リカ

ポイント:1
M  P:75
登  録:『ラムダ』
持 ち 物:スタンボム、ナイフ

ラムダと合流を目指す。



4.犬木心

ポイント:0
M  P:50
登  録:『アッシュ』
持 ち 物:衝動のピストル(弾丸6発)

アッシュの居る路地裏へ移動中。



5.田中星児

ポイント:0
M  P:90
登  録:『アッシュ』
持 ち 物:なし

住宅街をうろうろ。



6.アッシュ

ポイント:0
M  P:70
登  録:『犬木心』 『田中星児』
持 ち 物:なし

路地裏で犬木心を待っている。



7.加賀七音

ポイント:0
M  P:120
登  録:なし
持 ち 物:なし

ビル街で宝石配りを待っている。
129 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/26(月) 20:44:42.49 ID:aAZpTK6p0
駅前付近



リカ「早くラムダさんと合流しないと……私一人じゃなんにもできないし……」タッタッ

リカ「あ、あの人影はラムダさ……んじゃない!?」

下1「……」



4.男勝女子小学生『犬木心』
5.余命三年心臓病『田中星児』
6.ボーカル中二病『アッシュ』
7.くたびれ三十代『加賀七音』

『リカ』が出会ったのは誰!?4〜7番の中から選んでね!下1だよ!
(ビル屋上に居る『番井蝶』と、別方向に居る『ラムダ』は除外)
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/26(月) 20:47:40.55 ID:ImCQolKO0
5
131 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/27(火) 01:51:46.20 ID:JSC4T8EC0
住宅街



リカ「あれは……『高速移動』の子!」

星児「……『光と音の爆弾』!」

星児(よくもまぁこの始まったばっかの短ぇ時間に何度も遭遇するぜまったく)

星児(……けど、あの金髪ロングの『ワープ』が見当たらねぇ。まだ合流できてねぇってことか?)

星児「『ワープ』が居ないなら……勝てる!『時間操作・加速』!」ビュンッ

リカ「うわぁっ!『スタンボム』!」ボンッ


ゴォッ


星児「くっ……!」

リカ(この隙に脇の家に隠れる!)ダッ

リカ(そしてどこかに行ってくれるのを待つ……)スンッ

星児(……っ、どこだ?居なくなった……)キョロキョロ

星児(いや『爆弾』の持続時間は2、3秒。『ワープ』が居なけりゃそんなに遠くまでは行けないはず!)

星児「『加速』が持続してる内にしらみつぶしに探す!」ビュンッ

リカ(どこかに行ってくれない!)ガクブル
132 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/27(火) 01:52:25.94 ID:JSC4T8EC0
星児「ここか!?ここか!?」ガサガサ

リカ(ど、どうしよう。このままじゃ見つかるのは時間の問題……)

リカ(それまでにラムダさんが来てくれれば……でもあんなに離れてたら多分、いや絶対無理だよね……)

リカ(……いや、何弱気なこと言ってるのリカ!昨日あれだけ助けてもらって、まだ助けてもらうつもりなの!?)

リカ(思い出すのよリカ!昨日のラムダさんの言葉を!)


『チームを組んだからには、僕もあなたを戦力として当てにするということです』


リカ(昨日はラムダさんにスタンボムを渡すくらいで、何も活躍できなかった……今こそ!ラムダさんの期待に応える時……!)

リカ(一人で、あの子を倒す……!そうと決まれば!)

リカ「『スタンボム』!」ガッ


ゴォッ


星児(……っ、また光!いや、落ち着け!陽動だ!俺が焦って動いて、自分から離れるのを待ってるんだ!)

星児(動かずに、光と音が止むのを待って……)

リカ(……やっぱりだ!私と距離が空くのを警戒してるのか、スタンボムの発動中は動かない!)

リカ(これなら、行ける!私の足音すら、あの子には今聞こえてない!このまま……刺す!)
133 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/27(火) 01:52:59.33 ID:JSC4T8EC0
リカ「やぁ……っ」ピタッ

星児(…………)

星児(……光と音で、見えないし聞こえない。そんな状況でも、敵がどこに居るか把握できる瞬間がある)

星児(それは『攻撃される瞬間』。その瞬間なら、痛覚で敵の存在を‌認識できる)

星児(攻撃を喰らってから敵の位置を知っても意味がない?いや、俺の『加速』のスピードなら、その攻撃が致命傷になる前に反応できる)

星児(そして俺が敵に指先でも触れた瞬間。俺のもう一つの能力の発動条件が達成される……『発動条件は相手に触れること』)

星児「『時間操作・停止』……!お前の時を止めた!」

星児「そんでもって……お前に返すぜ、このナイフ」ザスッ

星児「……『加速終了』『停止終了』」シュウウ

リカ「……ぁっ!……あっ……?」ブシュッ

リカ(刺そうとしたら、私が刺されてた……!?今……何が……?どうして……!?)クラッ

リカ(痛い……意識……が……)ドサッ



星児(……よし、勝った……けど)

星児「うぐっ、うぅっ……はぁっ、はぁー……」フラッ

星児(やっぱ『加速』と『停止』を同時に使うのは負担が大きいな……最初は五分くらい『加速』できるって話だったが、今はその半分も持たねぇかもな……)

星児(ナイフの傷も、致命傷ではないとはいえ、ダメージであることには間違いないしな)ズキッ

星児「あー……力入んねぇ。死体から離れるわけにはいかねぇし、宝石配りまでここで休むか……」スッ



リカ:死亡
134 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/27(火) 01:56:52.34 ID:JSC4T8EC0
商店街


ラムダ「……!?」

ラムダ(リカさんの反応が……レーダーから消えた……!?ということは……)

ラムダ(他の参加者に……そうか……なら)

ラムダ(今日は宝石を求めない。そしてなおかつ、今日でバトルロワイヤルを終わらせない。必ず明日に繋げる)

ラムダ(なるべくMPを温存し、他の参加者の獲得を妨害する!それが今日の私のなすべきこと……!)
135 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/27(火) 01:57:18.36 ID:JSC4T8EC0
路地裏



心「おーい!アッシュ!」ブンブン

アッシュ「……ふっ、来たか」

アッシュ(田中星児のレーダー反応は、離れたところで止まって動かない。今すぐ俺を狙ってくる気配はなさそうだ)

心「何見てんだよ」ニュッ

心「……レーダー反応?俺以外の誰かと登録したのかよ」

アッシュ「え?あ、あぁ……うん」

心「……裏切ったのか。俺を」ブスッ

アッシュ「ち、違うぞ!組んだ理由は昨日でバトルロワイヤルを終わらせないためだし……あの少女とはたまたま一時的に利害が一致しただけにすぎん、ただのインスタントチームよ!」

心「ふーん……それで、今日になったらオサラバか。そういうの、なーんかダセーなー」

アッシュ「し、仕方ないだろう!三人チームなんて無理なんだから!」

心「それもそうだけどさー」



そんなこんなでついに午前七時!『宝石配り』の時間に!宝石を受け取ったのは『下1』と『下2』だった!

1.くたびれ三十代『番井蝶』
2.中性金髪ロング『ディーヴァ・ラムダ』
3.臆病女子中学生『リカ』
4.男勝女子小学生『犬木心』
5.余命三年心臓病『田中星児』
6.ボーカル中二病『アッシュ』
7.くたびれ三十代『加賀七音』

誰と誰だった!?1〜7番から選んでね!下1と下2の二人に安価を取るよ!
(安価が被った場合、一人が二つの宝石を受け取った事にするよ!)
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/27(火) 02:42:54.80 ID:gfR1JZado
4
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/27(火) 06:15:01.55 ID:9qerWGVDO
6
138 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/28(水) 01:28:08.14 ID:3qEjZ9fN0
路地裏



天使「アッシュ、これを受け取れ」ポイッ

アッシュ「おっ……宝石」パシッ

心「おー!二日連続か!運良いな!」

天使「ほら、お前にも」ポイッ

心「おっ!俺にも!?ラッキー!」パシッ

アッシュ(これで誰かから奪う必要はないわけだ……助かるぜ)

心「よっし!じゃあ他の奴ら倒しに行くか!」

アッシュ「えぇ!?いや、宝石を持ってるのは俺達だぞ!?ここは場所を一つに待ち構えていた方がよいのでは!?」

心「何ダセーこと言ってんだよ!こういうのは先手必勝だぜ!センテヒッショー!」ダッ

アッシュ「あっちょ、離れるな!」ダッ

心「……!アッシュ!止まれ!」ザザッ

アッシュ「ああ!?なんだよ、走らせたり、止まれっつったり……!?」

ラムダ「……こんにちは」ザッ

アッシュ(こいつ!『ワープ』使い!)バッ
139 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/28(水) 01:28:34.86 ID:3qEjZ9fN0
アッシュ「気を付けろ!犬木心!そいつの能力は『ワープ』!あらゆる空間を繋げてあらゆる物を転移させる!奴の体はもちろん、俺達の体もだ!」

心「……っ!」チャッ

ラムダ「……!その銃、あの女が持っていた……」

心「そこから動くな!撃つぞ!」

ラムダ「待ってください。僕は今日、あなた達と敵対するつもりはない。むしろ協力したいと考えています」

心「……協力ぅ?」

アッシュ(俺は何人とチーム組めばいいんだ)

ラムダ「質問したいのですが……お嬢さん、あなたは昨日ある女に殺された。そして銃を奪われ、宝石も獲得できていない。そうですね?」

心「お嬢さんじゃねぇ!犬木だ!……その通りだけど、それがなんだよ!」

ラムダ「そして隣のあなたは私が殺した……あなた達は二人共、今0ポイント。そうですね?」

心「殺されたって……そうなのか?」

アッシュ「あ、ああ……」

心「じゃあこいつ仇じゃんか!殺す!」チャッ

アッシュ「ま、待て!もう少し話を聞くんだ!」ガバッ
140 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/28(水) 01:29:05.33 ID:3qEjZ9fN0
ラムダ「……これはバトルロワイヤルです。感情抜きで物事を考えてください……僕は結論から言えば、今日はあなた達が宝石を獲得しても構わないと思っています」

ラムダ「V系のあなたは知っているでしょうが、僕は『リカ』という女の子とこのバトルロワイヤルでチームを組んでいました」

心(もう仲間が居るのに他の奴とも協力しようなんて軽い奴だぜ!)

ラムダ「しかし……今日、既に彼女のレーダー反応は消滅しました。おそらく、他の参加者から攻撃を受け、脱落したものと思われます」

ラムダ「僕は……彼女を差し置いて一人で優勝するつもりはありません。今日の僕の目的は、宝石を獲得することではなく、今日でバトルロワイヤルを終わらせないこと」

心「おっしゃ!協力するぜ!」ビシッ

ラムダ「えっ」

アッシュ「ちょっ、おい!勝手に決めるな!」

心「なんだよー。聞けっつったり聞くなっつったり……それにさ!死んだ仲間のために頑張るってカッコイイじゃん!」

ラムダ(感情抜きで物事を考えてと言ったのに……いえ、協力を了承してくれるのであればあえて口にはすまい)

アッシュ(まぁ……いいか。宝石が目的じゃないってんならチームを組んでも)

アッシュ(それにこれで3人チーム!しかも『ワープ』が味方!これなら負ける気がしないぜ!)

アッシュ「……ふっ、分かった。お前の懇願を受けてやろう」

ラムダ「……ありがとうございます」
141 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/28(水) 01:29:35.49 ID:3qEjZ9fN0
住宅街



星児「……午後零時。天使が来なかったってことは、今日もハズレたってことか……当たったのはどこのどいつだ?」パカッ

星児(宝石の反応が『アッシュ』と重なってる……もう一つの宝石も、すぐ近くにあって、一緒に動いてる)

星児「よりにもよって、ペアで配られたのかよ、豪運だな……あーあー、カミサマは意地悪だねぇ、つくづく」

星児「それじゃあ……行きますか」ザッ
142 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/28(水) 01:30:05.07 ID:3qEjZ9fN0
ビル屋上



蝶「天使さん。私に宝石は?」

天使「ないよ。今日もお前はハズレだ」

蝶「あらあら……残念」

蝶(けど、それはそれで良し。ね。宝石を持つと居場所がバレるし、MPがない今は逃げるのも難しい)

蝶「理想は昨日みたいに、終了寸前で宝石を奪う事」

蝶(そうなると、今すぐ何かする必要はないわね。無暗に動くのもよくないし、引き続きここでお休みしてましょう)

蝶「うふふ……暇ぁ」
143 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/28(水) 01:30:36.47 ID:3qEjZ9fN0
路地裏・物陰



七音(宝石配りに外れたのはいい。私の狙いは昨日と同じ、誰かのお零れを掠めること。卑怯と言われても構わない)

七音(今宝石を持っている人間を尾行して、機を窺う……窺いたいのだが……)


心「誰も居ねーなー」テクテク

アッシュ「〜〜……いや、田中星児は違うな。登録しているから分かる。あいつも0ポイントだ」テクテク

ラムダ「〜〜……そうですか。ならばやはり、あの女か、僕らが把握していない参加者が、昨日のもう一人の獲得者……」スタスタ


七音(三人……!?)

七音(……バカな。理論上、チームを組めるのは二人までのはず。というかあの金髪ロングは昨日別の女の子と組んでなかったか?)

七音(とにかく……七人のバトルロワイヤルで三人のチーム。あれに勝てる参加者は存在するのか……!?)
144 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/28(水) 01:31:12.46 ID:3qEjZ9fN0
路地裏・物陰



星児(着いた……あいつらだ。けど……)

星児(何で金髪ロングも一緒に居んだよ……!)

星児(なんとなく想像つくぜ……あいつ、あの女子とチーム組んでもんな……しかも、純粋な信頼関係で)

星児(大方、相方が死んだから今日は戦況を膠着させるのに徹することにした……そんでそのために0ポイントコンビのあいつらと協力することにしたって所か?)

星児(くそっ、あの女子殺したのが裏目に出たか……)

星児(『吹き飛ばすピストル』『サウンドスケープ』『ワープ』……とてもじぇねぇが、勝てるビジョンが思い浮かばねぇぞ……)

星児(こいつらが合流する前に戦えてたら……いや、そんなたらればは意味ねぇか。こうなった以上、もう『アレ』に賭けるしかねぇ……!)
145 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/28(水) 01:31:44.95 ID:3qEjZ9fN0
路地裏



アッシュ「……本当に居ないな。敵」テクテク

心「みーんな、俺達にビビっちまってるのかもなー!」テクテク

アッシュ(まぁ、確かに……並大抵の能力じゃ、この三人態勢は崩せないだろう……)

ラムダ(路地裏では戦い辛い能力なのか……それとも、すぐ側に潜みながら『アレ』を待っているのか……)

ラムダ「……もうすぐ二時です。二人共、気を抜かないようにしましょう」

アッシュ「……ああ」

心「おう!」
146 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/28(水) 01:32:20.42 ID:3qEjZ9fN0
現状



1.番井蝶

ポイント:1
M  P:30
登  録:なし
持 ち 物:衝動のピストル×2(弾丸5+3発)

ビル屋上で暇している。



2.ディーヴァ・ラムダ

ポイント:1
M  P:120
登  録:『リカ』 『犬木心』『アッシュ』
持 ち 物:スタンボム、ナイフ

路地裏で『犬木心』『アッシュ』と共にうろうろ。



3.リカ

ポイント:1
M  P:60
登  録:『ラムダ』
持 ち 物:なし

住宅街で死亡。



4.犬木心

ポイント:0
M  P:50
登  録:『ラムダ』『アッシュ』
持 ち 物:衝動のピストル(弾丸6発)

路地裏で『ラムダ』『アッシュ』と共にうろうろ。



5.田中星児

ポイント:0
M  P:60
登  録:『アッシュ』
持 ち 物:ナイフ

路地裏で『ラムダ』『犬木心』『アッシュ』を尾行。



6.アッシュ

ポイント:0
M  P:70
登  録:『ラムダ』『犬木心』 『田中星児』
持 ち 物:なし

路地裏で『ラムダ』『犬木心』と共にうろうろ。



7.加賀七音

ポイント:0
M  P:120
登  録:なし
持 ち 物:なし

路地裏で『ラムダ』『犬木心』『アッシュ』を尾行。
147 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/28(水) 01:33:08.69 ID:3qEjZ9fN0
そんなこんなでついに午後二時!『イベント』の時間に!『下1〜3』のどれかが起こった!
(起こるイベントを自由に考えてね!出揃ったらその内のどれが起こるかあらためてコンマで決めるよ!)
(描写が困難な物、ゲームに関係がない物、ゲームバランスを著しく崩壊させる物であれば、>>1の判断で再安価とさせていただきます。ご了承ください)
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/28(水) 02:05:54.06 ID:X/YWBqcZ0
全員のポイント・MP・登録・持ち物が入れ替わる
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/28(水) 04:45:48.29 ID:AuLssDoGO
レーダーで位置が解る宝箱が出現
開けると周囲数bを巻き込み爆発するトラップ、大量の銃火器の入った武器庫(中の武器は次の試合には持ち越せない)、宝石が一つ入った宝石箱が一つずつ(箱の形は全て同じ)
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/28(水) 06:17:48.18 ID:p5G4bKnMO
宝石が空を飛び、どこかに飛んでいく
151 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/28(水) 14:42:18.11 ID:3qEjZ9fN0
>>148はゲームバランスが崩壊すると思うので、独断ですが除外させていただきます。ご了承ください。

もう一つイベントの安価を取ります。よろしければ安価ください

『下1』
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/28(水) 15:05:31.70 ID:7+Lk5zSWO
吹雪が吹き始めた
153 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/28(水) 16:14:45.77 ID:3qEjZ9fN0
>>152は描写が困難なので、独断ですが除外させていただきます。力量不足ですいません……ご了承ください。

もう一つイベントの安価を取ります。度々申し訳ございません。よろしければ安価ください

『下1』
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/28(水) 16:19:11.52 ID:9Ibow/Lx0
霧が立ち込めて視界不良になる
155 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/28(水) 16:53:00.44 ID:3qEjZ9fN0
天界・ルーレット



神様「もう二時か。天使くん。ルーレットとダーツを」

天使「はいはい」ガラガラガラ

天使「ほっ」ギュルンッ

神様「行くぞ〜」



次のレスのコンマが

01~33で『レーダーで位置が解る宝箱が出現 』
34~66で『宝石が空を飛び、どこかに飛んでいく 』
67~99で『霧が立ち込めて視界不良になる 』
00はもっかい
156 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/28(水) 16:53:41.46 ID:3qEjZ9fN0
神様「とぉっ!」トスッ
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/28(水) 16:53:51.06 ID:IvROTtux0
158 :>>157 レスありがとう [saga]:2018/11/28(水) 17:17:59.37 ID:3qEjZ9fN0
路地裏



天使「ぴんぽんぱんぽーん。ということで、イベントの時間だ」

ラムダ(来た……!)

天使「今日のイベントはこれに決まった。『宝石が空を飛び、どこかに飛んでいく 』」

ラムダ「……!?」

心「ん、おお?宝石が、勝手に空中に……っ」フワーッ

天使「ほっ」ピタッ

アッシュ「どこ行くねーん!」ドヒューンッ

天使「さぁね。レーダーで確認するといい。それじゃあ」スウゥッ

ラムダ「くっ……」

ラムダ(折角最高の状態だったのに……これで台無しになってしまった!)

ラムダ(宝石はどこに!?)パカッ



1.『路地裏』 (『ラムダ』『犬木心』『アッシュ』『加賀七音』が居る)
2.『ビル街』 (『番井蝶』が居る)
3.『住宅街』(『田中星児』が居る)
4.『駅前』 (誰も居ない)
5.『交差点』 (誰も居ない)
6.『商店街』(誰も居ない)
7.『公園』 (誰も居ない)

どことどこに行った!?1〜7番から選んでね!下1と下2の二人に安価を取るよ!
(安価が被った場合、同じ場所に宝石が飛んでった事にするよ!)
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/28(水) 17:36:36.11 ID:XDegLMYHO
3
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/28(水) 17:36:57.72 ID:fBIt12zV0
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/28(水) 21:04:28.87 ID:XDegLMYHO
これは田中星児は尾行してるんじゃないの?
住宅街にいるって事になってない?
162 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/28(水) 23:39:56.07 ID:3qEjZ9fN0
>>161

>>144の最後に


星児(昨日の『アレ』は『宝石をもう一個追加する』だったな……もし同じタイプの『アレ』が起こって俺に配られたりするなら……こいつらの近くに居るのは危ない)

星児(……俺に有利な『アレ』が起きる確証もねぇし……一応、距離取っとくか)スッ


という二文をくっつけていたのですが、コピー抜けしてそのまま貼り付けちゃったみたいです……。ご指摘ありがとうございます。

色々グダグダして申し訳ございません。

↓から本編を再開します。
163 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/28(水) 23:40:40.45 ID:3qEjZ9fN0
住宅街



星児(『宝石の再配置』……!なるべく近くに飛んできて欲しいが……いざとなったら『加速』で無理矢理拾いに行く!)パカッ

星児「うわあっ!?」ドヒューンッ

星児(何か飛んできた!敵襲!?いや、この反応は……)

星児「宝石か!」

星児(ドンピシャじゃねぇか……あいつらから距離取っといて良かった。俺にもようやくツキが回って来たかな)ヒョイッ

星児(さぁ……本当の戦いはこっからだ……守り切るぞ、この一個を)
164 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/28(水) 23:41:18.19 ID:3qEjZ9fN0
路地裏



アッシュ「おおお……おっ?」

アッシュ「うわあっ!?」ドヒューンッ

アッシュ(と、飛んでったは飛んでったけど、すぐ近くに落ちたぞ?)

ラムダ「これは……宝石が戻ってきた?」

ラムダ(『どこかに飛んでいく』……それがランダムなら、同じ場所に戻ってくることもあり得るのか)

心「……けど、一個だけかー。もう一個はどこ行った?取り返しに行こうぜ」

アッシュ「……あっ」レーダーパカッ

アッシュ(『田中星児』の反応と被ってる……!?)

ラムダ「……その反応は、先程言っていた『田中星児』ですか?」

アッシュ「あ、ああ……そうだが?」

ラムダ(この人間も0ポイント……ならば、別に田中星児が宝石をこのまま獲得するのは問題ない)

ラムダ(……だが、まぁ一人が持っているより、僕を含めたチームで持っている方が安全でしょう)

心「よし!じゃあそこ行って取り返そうぜ!」

ラムダ「ええ……そうですね。そこの宝石を拾い直してから」
165 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/28(水) 23:41:48.51 ID:3qEjZ9fN0
路地裏・物陰



七音(どうする!?宝石が一つ奴らの手から離れた今なら、出し抜いて私が先に拾うことができる……!)

七音(チャンスは今しかない!こっちから奪いに行くのではなく、あっちから奪いに来るのを撃退するなら!私の能力でも分がある!)

七音(大丈夫、策はあるんだ。『光と音の爆弾』は他の二人の能力を阻害する。自動防御の『インク腕』で撃退は容易だ)

七音(『演奏を聞いている人間の自由を奪う能力』も無効化する術がある)

七音(そして少女の『吹き飛ばす銃』……あれも、私の思い通りにことが進めば無効化できる……)

七音(だが……本当に、それでいいのか?そんなに上手くことが運ぶだろうか?)

七音(いや……ここで弱気になってどうする!私はいつもそうだ。過剰に心配する臆病者。そのせいで何の軌道にも乗れない、低空飛行の人生を続けて来た)

七音(私の願いは『人生をやり直すこと』……でも、それだけじゃ意味がない。今の私のままでは、もう一度同じ人生を繰り返すだけだ!)

七音(このバトルロワイヤルで変わるんだ!勝負に出れる人間にならなければ!)

七音(…………いや、でも…………)モンモン



加賀七音が取った行動は『下1』だった!

1.いけるはず!宝石を拾いに飛び出す!
2.いや無理無理無理!同じ場所でじっとしてる!

どっちだった!?1、2番のどっちか答えてね!下1だよ!
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/28(水) 23:44:24.96 ID:rqQssz5P0
2
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/28(水) 23:51:37.24 ID:nHNEOw/3O
メタ能力持ちが2人いる時点で詰んでるんだよなぁ…可哀想(小並感)
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/29(木) 22:39:29.01 ID:3dLFRkccO
169 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/30(金) 00:46:44.54 ID:SqpAJNmf0
路地裏



ラムダ「……」ジーッ

心「よっと。よし、じゃあ行こうぜ」ヒョイッ

アッシュ「おう」

ラムダ(……他の参加者は現れなかった……僕の考えすぎか、それとも余程用心深い性格の人間なのか……)

ラムダ(感知系の能力者でも居れば便利だったんですけどね)

ラムダ「……そうですね。行きましょう」
170 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/30(金) 00:47:24.98 ID:SqpAJNmf0
路地裏・物陰



七音(結局、チャンスを見逃してしまった……)

七音(いや、しかしこれでいい。今の私の作戦には不確定要素がありすぎた。これは臆病などではない。戦略的沈黙だ)

七音(昨日だってそうだった。待つ。待つんだ……今からあいつらはもう一つの宝石の移動先へ行く。そこで私以外の参加者との衝突があるはず)

七音(それに乗じて横から……それができなくても、あいつらが消耗するのを待つ!)

七音(差し当たってはバレないように尾行を続ける!)コソコソ
171 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/30(金) 00:47:53.50 ID:SqpAJNmf0
ビル街・ビル屋上



蝶「『宝石が空を飛び、どこかに飛んでいく 』……ねぇ……」パカッ

蝶(一つはほぼ同じ場所に、もう一つは住宅街の方に……両方とも私の居ない所に飛んでっちゃったわね……)

蝶(まぁ、近くに来られても困るしね……まだ二時過ぎ、勝負をかけるには早い)

蝶(バラバラになって、他の参加者同士の接触が促進されたのはちょっと得かしら……それにしても、私にはあんまり関係ないイベントだったわね)

蝶「さぁ、引き続き勝負所までここで待機してましょう」

蝶(MPが残ってればもっと殺しに動いたんだけど……もどかしいわねぇ……)
172 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/30(金) 00:49:22.75 ID:SqpAJNmf0
住宅街・付近



アッシュ「さぁ……『田中星児』の反応はこの先なんだが……」

アッシュ(さっきから位置がほとんど動いてない……あいつも俺達の接近が分かっているはずなのに、だ)

アッシュ(何か罠でも仕掛けてあるのか……?いや、そんなことができるタイプの能力じゃないはず……)

心「おいアッシュ。どうしたんだよ、早く行こうぜ」

アッシュ「いや、待て。あいつが動かずに待ってるということはあいつにも勝算があるってことで、それが分からないうちに行動するのは危険……」

心「あー?」ジロッ

ラムダ「……そういうことなら、私が先に行って様子を見てきましょうか」

アッシュ「……お、おう!そうしてくれたまえ!」

ラムダ「それでは、脇のマンションに入って、そこから様子を報告します。レーダーを通話状態にしておきますので、何か動きがあれば連絡を」

アッシュ(助かるぅ〜)

心「……」
173 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/30(金) 00:49:59.13 ID:SqpAJNmf0
ラムダ「はっ」パリンッ

ラムダ(バレないように扉を開けて……見えた。あれが『田中星児』……)チラッ

ラムダ(特に周りに罠らしき物は見えないが……腹部を怪我している?)

ラムダ(腹部の怪我……そしてこの住宅街という場所。リカさんの反応が消失した地点と一致する)

ラムダ(もしかして、こいつがリカさんを……?)

ラムダ(……いや、感情抜きで物事を考えろと言ったのは私だ。忘れよう)

アッシュ『おい、様子はどうだ?』

ラムダ「腹部に怪我を負っています。それ以外に変わったことは確認できません」

アッシュ『そうか、じゃあ……』

ラムダ「では、どうぞ」
174 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/30(金) 00:50:41.91 ID:SqpAJNmf0
アッシュ「え?」

ラムダ『……?最低限の安全は確認できました。お二人で攻撃をどうぞ』

アッシュ「いや……お前は手伝ってくれないの?」

ラムダ『……一度、僕の立場を再確認しましょうか』

ラムダ『確かに、あなた達の協力をするとは言いましたが、それはバトルロワイヤルを終わらせないという目的の下です』

ラムダ『田中星児も、現時点では0ポイント。あなた達と変わらず、一個までなら獲得されても僕は構わない。僕が積極的に攻撃する理由はありません』

ラムダ『更に言うなら、明日もバトルロワイヤルが続くのだから、僕はできるだけMPを温存したい』

ラムダ『ですので、僕はここで待機しています。もしあなた達がピンチになればその時は僕も加勢しますので、あなた達で解決できることはあなた達でどうぞ』

アッシュ「くっ、この〜!」

心「まぁ、仕方ないだろ。その代わりに俺らが宝石を独占するんだ。あんまり強いこと言えねぇよ」

心「ほら、行こうぜ」ザッ

アッシュ(……小学生に諭された……)
175 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/30(金) 00:51:08.02 ID:SqpAJNmf0
心「『衝動のピストル』!……ほい、渡しとく。今度はなくすなよ」ズギャンッ

アッシュ「おう……今日は予め具現化してないんだな」

心「昨日はそのせいであの女に盗られちまったからな……。今日は使う時に具現化する」

アッシュ「ふーん?でもお前、今日最初からピストル持ってなかったか?」

心「ああ、これは昨日出したやつだ」

アッシュ「それは奪われなかったのか?」

心「うん。空から落ちる前に飲み込んだからな」

アッシュ「えっ」

心「『持ち物』としてカウントされて、今日の初めには腰に戻ってた」

アッシュ「死ぬ直前によくそんな気持ち悪い事思いつくな……」

心「へへ。どうせ生き返るし、死ぬのなんて怖くねぇしな……まぁいいや。銃も渡したし、早く行こうぜ」

アッシュ「ん?お前も付いてくるのか?」

心「また昨日みたいに一人になった所狙われたらやだもん」

アッシュ(……やっぱ怖かったんじゃないのか?)
176 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/30(金) 00:51:56.71 ID:SqpAJNmf0
アッシュ「……」ザッ

心「……」ザッ

星児「……来たな」

アッシュ(……あいつの報告通りだ。腹の所に血が滲んでる)

アッシュ「……だ、大丈夫なのか?」

星児「ああ?」

アッシュ「あ、いや……」

アッシュ(あいつが心臓病だってこと知ってるからか……つい、心配するようなことを……)

星児「……ちっ。俺ぁ言ったよな?そういう目は飽き飽きだってよ」

心「ちょっと待った!」バッ

星児「ああ?」

アッシュ「え?」

心「今あんた……自分のこと『俺』って呼んだか?」

星児「……んだよ。オンナノコに『俺』は似合わねぇってか?」

心「一緒だ……」プルプル

星児「……?」

心「俺と一緒だ!」

星児「!?」

心「初めて見た!俺以外に自分のこと『俺』って呼ぶ女子!なぁ、このバトルロワイヤルが終わったらまたどっかで会おうぜ!友達になれるぜ俺達!」キラキラ

星児「……おい、これは何の作戦だ?」

アッシュ「俺が聞きたい」
177 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/30(金) 00:52:35.10 ID:SqpAJNmf0
心「しかもあんた名前『星児』なんだろ!?いいなー!名前も男みたいでカッコイイじゃん!」

星児「……ああ?」

心「俺は『心』でさー……いかにも女の子って感じでダセーじゃん!だからさ、このバトルロワイヤルで優勝して、名前を『ケルベロス』に変えてもらうんだ!」

星児(ダサッ)

心「そんで性別も変えてもらって、本物の男子になる!もう『女の子らしくしなさい』って言われない人生にするんだ!」

星児「……っはぁー……残念だけど、俺はお前と友達になれる気がしないぜ。心ちゃん」

心「……下の名前で呼ぶな。あとちゃん付けするな」ムッ

星児「お前『女の子らしく』って言われるのが嫌いなんだな。まぁ、俺も嫌いだけどよ……だからって、男になるって言っちまったらよぉ、それはもう認めてるようなもんじゃねぇか」

星児「女の子は、男の子らしくしちゃいけないって」

心「……いや、俺は……」

星児「それから、お前もう一つ思い違いしてるよ。名前の意味っていうのはな、字面で決まるんじゃねぇ。誰かに呼ばれる時に決まるんだ」

星児「お前がやるべき努力は名前を変えようと躍起になることじゃねぇ。お前の名前を呼ぶ時、誰もがカッコイイなって尊敬の念を込める。お前自身がそんな人間に成長することだ」

星児「お前が『心』って名前の意味を変えてやるんだ!そっちの方がカッコイイだろ!違うか!」

星児(あと『ケルベロス』って名前は普通にダセぇ)

心「……!」

アッシュ「おい、何か言い返せよ」
178 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/30(金) 00:53:12.14 ID:SqpAJNmf0
星児「……あと、お前もだアッシュ。昨日『けろ』とか言ってたよな。お前絶対純日本人だろ。アッシュってのは偽名か何かだな?」

アッシュ(灰島太郎)「ぎくっ」

心「……そうなのか?」

アッシュ「い、今は関係ないだろう!」

星児「……ついでだ。アッシュ、お前の願い事も聞いてやるよ」

アッシュ「……っはぁ!?お前、状況分かってるのか!?今、俺達は敵同士なんだぞ!?」

星児「先に無駄話始めたのはそっちのガキだろが……いいから言ってみろよ」

アッシュ「……俺の願い事は、有名になることだ。有名になって、俺達のバンドを世界一にする!」

星児「はぁーん。お前の願い事はもっとダセぇな。そんな裏技で集めた客で武道館か。それになんの意味があるんだよ」

アッシュ「……お前には分かんねぇだろうさ!夢を追い続ける苦しさも!報われない辛さも!」

星児「はっ、俺に不幸自慢するなら余命二年になってからにしやがれ!」
179 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/30(金) 00:53:45.44 ID:SqpAJNmf0
星児「……ったく、どいつもこいつもふざけた願い事しやがって……ムカつくぜ」

星児「お前らみたいな奴には、絶対負けてやらねぇ」ザッ

星児「『時間操作・加速』!」ビュンッ

アッシュ(……来た!ここは昨日と同じように……最初は音量MAXでかき鳴らす!)ギュイーンッ

アッシュ「『サウンドスケープ』!」ジャカジャンッ

星児(……耳を……っ!)グッ

アッシュ(耳を塞いだ所で効果などあるものか!この距離の音量MAXだぞ!いくら上手に塞いでも、必ず音は鼓膜まで伝わる!)ジャンジャカジャーンッ

星児「ぐっ……!」ドサッ

心「悲じい〜」ポロポロ

アッシュ(よし……ちゃんと作用した。後はこのままあいつに近付いて……)スタスタ

アッシュ(間近で音量を小さくして犬木心が動けるように……)

星児「……」

アッシュ(……いや、ちょっと待て。なんでこいつ、涙を流していないんだ?)

星児「……聞こえねぇなぁ。お前のダセぇギターなんてよぉ……!」タラァ

アッシュ(耳から血が!こいつ、さっき自分で鼓膜を……!?)

アッシュ(まずい、ここから離れ……っ)

星児「……遅ぇ」ザスッ

アッシュ「かはっ……!」ブシュッ
180 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/30(金) 00:54:27.71 ID:SqpAJNmf0
星児「さぁ……後は」

心「アッシュ……!?」ガバッ

星児「来いよ……犬木心」

心「っ、あああっ!」ドンッ


ラムダ(……!犬木さんが『衝動のピストル』を撃った!けど、おそらく『高速移動』相手には当たらないはず!)

ラムダ(僕は……どうする!?)



ディーヴァ・ラムダが取った行動は『下1』だった!

1.『スタンボム』で目眩ましだ!
2.『空間湾曲』で田中星児の所へワープだ!

どっちだった!?1、2番のどっちか答えてね!下1だよ!
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