神「異能力者七人のバトルロワイヤルが見たいな・・・」 2【安価】

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108 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/25(日) 18:43:56.63 ID:BgU0OAui0
リカ「私が、ここでこうやって生き延びてるのが証拠です!」

リカ「ラムダさんは強くて、頭が良い人で、とっても優しい人です!今まで私は、ラムダさんにいっぱい助けてもらいました!」

リカ「もしラムダさんがひどい人なら、私今頃死んでます!でも生きてます!これが証拠です!」

ラムダ「……」

星児(いや……こいつバカか?)

星児(それはただ利害が一致してただけじゃねぇのか?っていうかお前が裏切らない証拠は?)

星児(でも……なんていうか、バカの言葉だからこそ……)

星児「……ちっ。まぁいいや。今日は引いてやるよ」スゴスゴ

星児(俺もあいつと組んだ以上、今日で終わらせちまうつもりはねーんだ。宝石を二個取ったって余るし、MPは明日のために温存しておきたい)

星児(特に俺の場合は、能力を使う代償が他の奴らより重てぇからな……)スタスタ
109 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/25(日) 18:44:34.70 ID:BgU0OAui0
リカ「……っはぁ〜良かったぁ〜」ホッ

ラムダ「……リカさん。ありがとうございました」

リカ「いえいえ。これぐらい、ラムダさんがしてくれたことに比べれば……」

ラムダ「いや、その……」

ラムダ(今まで、全てから一歩引いた生き方をしてきたからでしょうか)

ラムダ(『優しい人だ』なんて言ってもらえたのは、随分と久しぶりの気がします……)

ラムダ「……とにかく。ありがとうございました。明日も頑張りましょう」

リカ「はい!頑張りましょう!」グッ



ラムダ「それにしても変な子でしたね。女の子なのに一人称が『俺』だなんて」

リカ「え?でもラムダさんも女の人なのに『僕』って言うじゃないですか」

ラムダ「え?」

リカ「え?」
110 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/25(日) 18:45:09.36 ID:BgU0OAui0
ビル街・地上



星児「うおっ、グロッ」

アッシュ(だった物)

星児「……明日もここで殺し合いするんだし、こういうのには慣れとかないとな……」ゴソゴソ

星児「悪く思うなよ、アッシュ。死んだお前が宝石持っててもしょうがねぇんだ」

星児「俺がここで1ポイントゲットしときゃあ、明日はお前一人が1ポイントゲットするだけでいい。そっちの方が楽でいいだろ?」

星児「……」ゴソゴソ

星児「……おい待て、ないぞ。宝石どこ行った」

星児(落下の衝撃で砕け散ったか?いや、その破片すら見当たらない。そもそも『・特殊レーダーと宝石は、どんな能力を用いても、破壊、消失させる事はできない。 』)

星児(じゃあ一体どこに……?)レーダーパカッ

星児「……宝石の反応が動いてる!?」



リカ「あれ?宝石が動いてる……!?」

ラムダ「……他の参加者が奪いましたか……!」

リカ「ど、どうしよう。私達あの子に嘘ついたことに……」

ラムダ「……いえ、仕方ありません。気にしないでください」

ラムダ(とはいえ、一体誰が?リカさんが見たという『どこでもドア』の女か……?)

ラムダ(いや、それとも僕らがまだ把握していない『七人目の参加者』……?)
111 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/25(日) 18:45:37.67 ID:BgU0OAui0
交差点



七音「……はぁっ、はぁっ」タッタッ

七音(やった!やったぞ!あそこでずっと気を窺ってた甲斐があった!労せず、能力すら使わず宝石をゲットできるとは!)

七音(後はこのまま、これを持って逃げていれば……)

星児「待てぇぇぇ!この薄汚いハイエナ野郎がァーッ!」ビュビュンッ

七音(やっぱり来たか……追手。しかもかなりのスピード。おそらく異能力に因るものだろう)

七音(しかし、問題はない。制限時間は残り十数分。防衛は可能!)

七音「『虹色インク』!」ズァッ

星児「!?」

星児(何だ!?おっさんの周りから虹色の腕が生えた!)

七音(さぁ、ここでこうしている限り、あの子にできることはないはずだ……)

星児(くっ……どうする!?まだ『加速』の効果は持続してるが……あの虹色の腕へ突っ込むのは危険すぎる!)

星児(ここでこうやってにらめっこしてるしかないのか……!?)
112 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/25(日) 18:46:18.51 ID:BgU0OAui0
交差点の物陰



蝶「……何かしら、あれ。虹色の……何?」

蝶(とにかく、宝石を持ってるのはあの虹色使い。その向かいに居るのは……最初に会った『高速移動』の女の子)

蝶「ここからなら『ピストル』でどっちも狙えるけど……」

蝶(どっちを狙おうかしら……?)



蝶が撃ったのは『下1』だった!

5.余命三年心臓病『田中星児』
7.くたびれ三十代『加賀七音』

どっちだった!?5、7番のどっちか答えてね!下1だよ!
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/25(日) 18:48:19.59 ID:XIimSE+90
5
114 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/25(日) 23:12:05.10 ID:BgU0OAui0
蝶(ここは……『高速移動』の子を狙いましょう)

蝶(あの子を倒すとしたら、警戒されてない今しかないものね……)

蝶(そして『虹色』の方向へ吹き飛ばして『虹色』の能力も確かめる……!)チャッ

蝶「えいっ」ドンッ



星児(……?今、何か銃声みたいな……)

星児「!?」ドフッ

星児(体が『吹き飛ぶ』!犬木心の銃!それを持ってるってことは、犬木心を殺した女!一体どこから!?)

七音(銃弾が当たった瞬間、こっちに吹き飛んで来た……?)

七音「まぁいい。『虹色インク』!」ズァッ

星児「ぐぁ……っ」ガシッ

星児(イ、インクでできた腕が、体を絞めてくる……っ)ギリギリ

星児(息がぁ……っ!)カクッ



田中星児:死亡
115 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/25(日) 23:12:42.71 ID:BgU0OAui0
七音(死んだか……しかし、ここから動くことはできない)

七音(この少女を襲った弾丸、あれを防ぐにはここのインクの沼の範囲に居なければ……)

七音(だが、裏を返せばここに居さえすれば安全。どこから撃ってきたか、大体の位置も分かっている)

七音(弾丸は対処できる。そして能力は一人につき一つ。他の参加者が絡んで来なければこのまま)


ボワンッ


七音「……え」スウゥッ

七音(真後ろで音!)バッ

七音(何だこれ、まさか『どこでもドア』?いや、それより)

蝶「あら?何かあなたの能力消えてない?」

七音(『次元空間が歪んでいる場所には発動不可 』……こいつの『ドア』のせいで、私の能力が……っ!)

蝶「消すつもりではなかったんだけど……まぁ、安全なのはいいことよね。それじゃあ、さよなら」チャッ

七音(女が二回引き金を引く、私の体は二回衝撃を受け、空中へと吹き飛んだ)

七音(その高さ、優に10mを越えていただろう)

七音(空中……床や地面がない所では能力は使えない……!)



ドチャッ



加賀七音:死亡
116 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/25(日) 23:13:23.56 ID:BgU0OAui0
蝶「うーん……やっぱり弾二発……20m弱じゃあ、結構原型が残るわね。あの女の子を100mから叩き落した時は、ほとんど血溜まりになってたし」ゴソゴソ

蝶「まぁ、どっちにしろ死んでるから問題ないわね。宝石、ありがとう」ヒョイッ

蝶「さて……あの子も何か持ってないか探ってみましょうか」ゴソゴソ

蝶「わっ、この子もあの銃持ってるじゃない。あのV系の男と組んだってことかしら……。弾は……残り3発。ちょうどさっき使った分が補充できたわね」ヒョイッ

蝶「やっぱり日頃の行いが良いと幸せになれるって本当ねー……」

蝶「ふふっ」
117 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/25(日) 23:13:56.00 ID:BgU0OAui0
ビル街・ビルの屋上



リカ「終了五分前……もう誰も来ないですかね?」

ラムダ「……そうですね。もう一つの宝石の反応も、ここから離れた所で止まりましたし」

リカ「良かったぁー……」

リカ「ラムダさん。本当にありがとうございます」

ラムダ「どうしたんですか、急にあらたまって……」

リカ「だって私が今日ポイントを獲得できるのは、ラムダさんのおかげだから……ラムダさんは、私のヒーローです」

ラムダ「リカさん……」


シュンッ


ラムダ「!?」ボフッ

ラムダ(急に見知らぬ部屋に瞬間移動した。レーダーを確認すると、ちょうど午後四時と表示されていた)

天使「とりあえず、一日目お疲れ様。明日の朝六時になれば、また同じ街の、別の場所に配置される。それまでゆっくり体を休めとくんだな」

天使「それじゃ、私は街の修復作業に行ってくる。といっても、破損した箇所なんかほとんどないけどな。お前らは街をあんまり壊さないから助かるよ」フヨフヨ

ラムダ「は、はぁ……」

ラムダ(とにかく、バトルロワイヤルの一日目は無事に終わったようだ)


『ラムダさんは、私のヒーローです』


ラムダ(……『ヒーロー』か。昔、僕を助けてくれたあの人が、まるでヒーローみたいに見えた)

ラムダ(そして憧れのまま、警官になった。そして今も……僕は、憧れのヒーローにどれくらい近づけたんでしょう)

ラムダ「……寝ますか」



『番井蝶』『ディーヴァ・ラムダ』『リカ』が1ポイントずつ獲得!

異能力者七人のバトルロワイヤル!一日目が終了した!
118 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/25(日) 23:14:26.90 ID:BgU0OAui0
一日目終了・現状



1.番井蝶

ポイント:1
M  P:20
登  録:なし
持 ち 物:衝動のピストル×2(弾丸5+3発)



2.ディーヴァ・ラムダ

ポイント:1
M  P:70
登  録:『リカ』
持 ち 物:スタンボム、ナイフ



3.リカ

ポイント:1
M  P:25
登  録:『ラムダ』
持 ち 物:スタンボム、ナイフ



4.犬木心

ポイント:0
M  P:0
登  録:『アッシュ』
持 ち 物:衝動のピストル(弾丸6発)



5.田中星児

ポイント:0
M  P:55
登  録:『アッシュ』
持 ち 物:なし



6.アッシュ

ポイント:0
M  P:20
登  録:『犬木心』 『田中星児』
持 ち 物:なし



7.加賀七音

ポイント:0
M  P:70
登  録:なし
持 ち 物:なし
119 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/25(日) 23:15:48.18 ID:BgU0OAui0
天界・振り返り



神様「『番井蝶』『ディーヴァ・ラムダ』『リカ』が一日目の獲得者か……番号にすれば丁度123だね」

天使「やっぱ最初の方に組んだ『ラムダ・リカチーム』が強かったですね。バトルロワイヤルでチームは強い」

神様「能力にかまけていたかと言うとそうでもない。ラムダはMPを70も残しているし、リカもMP25と、具現化したスタンボムを2つ残している。実質MP55だ」

神様「二人共MPを半分以上残している。これは単純に立ち回りが上手かったと見るべきだろう」

天使「……まぁ、作戦や指示は全てラムダの物でしたが」

神様「今日の一番のファインプレーは、リカがラムダとチームを組んだことかも知れないね」

天使「逆に、一番ダメだった行動は、犬木心の無駄な具現化ですかね」

神様「あれさえなければ蝶にピストルを奪われることもなかったわけだし、そうなると犬木心が死ぬことも、田中星児が死ぬことも……」

天使「他にも色々変わってたでしょうね」



神様「いやぁ、それにしても殺傷能力のない異能ばっかりだから中々人が死なないなと思ってたけれど……」

天使「蓋を開けてみれば、宝石獲得者以外は全員死ぬという中々バイオレンスな幕引き」

神様「けど、死因の3/4が落下死っていうのは、なんとも」

天使「殺傷能力がない上に、戦闘のほとんどがビル街で行われましたからね。全体的に、極端な一日でした」
120 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/25(日) 23:16:25.48 ID:BgU0OAui0
天使「明日は誰が勝つと思いますか?」

神様「うーん。明日も『ラムダ・リカチーム』が強いんじゃないかな」

神様「バトルロワイヤルでチームを組むっていうのは本当に強いし、強制的じゃない信頼関係がある」

神様「二人共応用が効く良い能力だし、それを使うMPを豊富に残している。順当に行けばこのまま二人で勝つんじゃない?」

神様「逆に厳しいのは『加賀七音』かな……っていうかこいつだけ他の奴らと相性悪すぎるよね?」

天使「彼の『虹色インク』は『近付いた状態で使わないといけないが、近付くまでの間は無防備』という特徴があります」

天使「『サウンドスケープ』『衝動のピストル』相手には近付けない。『時間操作』は近付くと時間止められて負け」

天使「『どこでもドア』『空間湾曲』が相手だと問答無用で次元空間を乱されて無効化されます」

天使「1対1で勝てるとしたら『スタンボム』と五分五分って所でしょうが……リカはラムダに保護されてますからね」

神様「今日の終盤が一番のチャンスだったんだなぁ……惜しい」

神様「でも、宝石配り次第では彼にも勝機はあるよ。終盤で見せた通り、防衛に強い能力だからね(『どこでもドア』『空間湾曲』には負けるけど)」

天使「いやぁ……MPの消費量に対して持続時間が短いので……終盤でもない限り制限時間まで発動させるのはちょっと……」

神様「今日の終盤が一番のチャンスだったんだなぁ……」

天使「まぁ、他の人間はわりとMPを消費してますし、複数人がMPを使い切るようなことがあればワンチャン……ありますかね」

神様「でも『ラムダ・リカチーム』はMP残してるしなぁ……」

神様「……明日の転送位置は、ラムダとリカを思いっ切り離しておこうかな」

天使「贔屓だなぁ……」

神様「ははは、冗談だよ。それじゃ、二日目開始!転送!」バッ

天使「・・・って神様。『下1』と『下2』の初期位置がもろ被りじゃないですか」

神様「転送はランダムなんだから、そういうこともある」



1.くたびれ三十代『番井蝶』
2.中性金髪ロング『ディーヴァ・ラムダ』
3.臆病女子中学生『リカ』
4.男勝女子小学生『犬木心』
5.余命三年心臓病『田中星児』
6.ボーカル中二病『アッシュ』
7.くたびれ三十代『加賀七音』

誰と誰の位置が被った!?1〜7番から選んでね!下1と下2の二人に安価を取るよ!
(安価が被った場合、誰も出会わなかった事にするよ!)
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/25(日) 23:17:58.86 ID:nGoxu9xDO
5
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/25(日) 23:18:03.27 ID:9/zh01av0
1
123 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/26(月) 20:41:30.07 ID:aAZpTK6p0
訂正

『番井蝶』が『どこでもドア』の能力を使ったのは計五回
(田中星児から逃げる、犬木心の真後ろに移動する、犬木心を上空へワープさせる、リカから逃げる、加賀七音の真後ろに移動する)
ですので、一日目終了時点での残存MPは100−(20×5)=0です。
しかし、>>80の時点で一回分数え忘れていて、そこから間違いに気付かないまま>>118でMP:20と表記してしまいました。
正しくはMP:0です。脳内変換お願いします。

誠に申し訳ございませんでした。
恐縮ですが、他にミスが見当たればご報告お願いします。可能であれば訂正します。

↓から本編を再開します。
124 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/26(月) 20:42:10.47 ID:aAZpTK6p0
住宅街



星児「……はっ!」シュンッ

星児(目の前が真っ暗になったと思ったら、急にここに!……レーダー確認!)パカッ

星児(『11:00:05』……始まったのか、バトルロワイヤル二日目が!)

星児(そんで俺はあのおっさんに殺された所を生き返った……と。なんつーか、雑だなぁ。もうちょいインターバルとか用意してくれりゃいいのによ)

星児(まぁ、とにかく、二日目が無事始まったなら……)

蝶「あっ」バッタリ

星児「んっ?」バッタリ

星児(こいつ!昨日の『どこでもドア』の女!)

蝶(『高速移動』の子!)バッ

星児(昨日の最後……金髪ロングと隣の女子はビルの上、犬木心とアッシュは死んでる。目の前に居たおっさんは除外、俺自身も除外)ポクポク

星児(残るのはこいつだけじゃねぇか!じゃあ昨日最後に俺撃ったのこいつか!許せん!)

星児(ってことはこいつ、そのままおっさん倒して今リーチしてる可能性がある!MP温存は考えない方がいい!こいつに今日得点させないのが最優先!)

星児「『時間操作・加速』!」ビュンッ

蝶(……っ、この子また突っ込んできた!どうしましょう、銃で撃つ?いや、この子のスピードじゃ躱される!)

蝶(昨日と同じように逃げるしかない!)ボワンッ

蝶「……後方!ビル屋上!」ガチャッ



星児(……やっぱ逃げたか!)ザザザッ

星児「……『加速終了』」シュウウ

星児(私から逃げたり、犬木心を殺したり、昨日だけでもあいつは何回か能力を使ってるはず)

星児(一回にどれくらいのMPを消費するのか知らねぇが、削れるだけ削っといておくぜ)



蝶(……折角回復したMPがもう30に……今日はもう後一回しか使えない)

蝶(いくら奪ったピストルがあるとはいえ、今日で終わらせるのは難しいかしら……?)

蝶「……とりあえずは、昨日と同じようにここで宝石配りを待ちましょうか」スッ
125 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/26(月) 20:42:43.25 ID:aAZpTK6p0
星児「さて……と、アッシュに連絡するか」プルルル

星児「……出やがらねぇ。あいつまさか……」



路地裏



心『アッシュ!大丈夫だったか!?』

アッシュ「お、おう……いや、すまん。あの後死んだ」

心『そ、そうか……じゃあ今日こそ!二人で宝石ゲットだ!頑張ろうな!それじゃ、俺がそっち行くから!そこで待ってろよ!』プツッ

アッシュ「……さっき死んだばっかりだってのに、全く元気な奴だ……」

アッシュ「ん?また通話か。何か言い忘れたのか?……はいもしもし」プルルル

星児『お前……さっき何で出なかった』

アッシュ「あっ」

星児『あれか。犬木心って奴と通話でもしてたか。俺より先に』

アッシュ「お、おう……そうだが?」

星児『……俺とのチームはどうなるんだ?』

アッシュ「え?あ、いや、その……」

アッシュ(宝石が配られるのが一日に二個である以上、同時に願いを叶えられるのは二人までで……じゃあチームを組めるのも必然的に二人までになる)

アッシュ(昨日みたいに宝石が三つ配られれば話は別だが、同じイベントが何回も起こるとは考えにくいし……)

星児『……ちっ。いいよもう。チームは解消だ。元々偶然あの時、利害が一致しただけの成り行きのチームだったし。相方が生き返ったんなら、俺はもう要らないだろ?』

星児『……でも、忘れんなよ。登録は消さない。お前がどこに居るかはレーダーですぐに分かる』

星児『こっからは敵同士だ。精々、今度は相方を死なせないようにな』プツッ

アッシュ「……」

アッシュ(なるようになれ!)
126 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/26(月) 20:43:10.08 ID:aAZpTK6p0
駅前



リカ「……始まった!二日目!」

リカ(まず、最初は言われた通りレーダーを確認して……)パカッ

リカ「ラムダさん遠っ!」ガビーンッ

リカ(あ、通話。ラムダさんからだ)プルルル

ラムダ『リカさん。レーダーは確認しましたか?』

リカ「はい……あの、私達ほとんど端と端で、とっても遠いです……」

ラムダ『……そうですね。しかし、そうなったものは仕方がありません。予定は変えず、二人で合流を目指しましょう』

リカ「はい!」タッ
127 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/26(月) 20:43:38.24 ID:aAZpTK6p0
ビル街



七音「……はっ!」

七音(ここは……さっきの交差点の近くじゃない。位置はちょっと違うが、おそらく他の参加者が戦っていたビル街)

七音(レーダーは……『11:00:05』。二日目が始まり、私は生き返ったということか……)パカッ

七音(……昨日、宝石は獲得できなかった。しかし、後もう一歩だった)

七音(私のやり方は間違っていなかった。今日も昨日と同じようにどこかに潜伏し、同じように宝石を手に入れ、今日こそはそれを守り切る)
128 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/26(月) 20:44:11.63 ID:aAZpTK6p0
二日目開始・現状



1.番井蝶

ポイント:1
M  P:30
登  録:なし
持 ち 物:衝動のピストル×2(弾丸5+3発)

ビル屋上で宝石配りを待っている。



2.ディーヴァ・ラムダ

ポイント:1
M  P:120
登  録:『リカ』
持 ち 物:スタンボム、ナイフ

リカと合流を目指す。



3.リカ

ポイント:1
M  P:75
登  録:『ラムダ』
持 ち 物:スタンボム、ナイフ

ラムダと合流を目指す。



4.犬木心

ポイント:0
M  P:50
登  録:『アッシュ』
持 ち 物:衝動のピストル(弾丸6発)

アッシュの居る路地裏へ移動中。



5.田中星児

ポイント:0
M  P:90
登  録:『アッシュ』
持 ち 物:なし

住宅街をうろうろ。



6.アッシュ

ポイント:0
M  P:70
登  録:『犬木心』 『田中星児』
持 ち 物:なし

路地裏で犬木心を待っている。



7.加賀七音

ポイント:0
M  P:120
登  録:なし
持 ち 物:なし

ビル街で宝石配りを待っている。
129 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/26(月) 20:44:42.49 ID:aAZpTK6p0
駅前付近



リカ「早くラムダさんと合流しないと……私一人じゃなんにもできないし……」タッタッ

リカ「あ、あの人影はラムダさ……んじゃない!?」

下1「……」



4.男勝女子小学生『犬木心』
5.余命三年心臓病『田中星児』
6.ボーカル中二病『アッシュ』
7.くたびれ三十代『加賀七音』

『リカ』が出会ったのは誰!?4〜7番の中から選んでね!下1だよ!
(ビル屋上に居る『番井蝶』と、別方向に居る『ラムダ』は除外)
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/26(月) 20:47:40.55 ID:ImCQolKO0
5
131 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/27(火) 01:51:46.20 ID:JSC4T8EC0
住宅街



リカ「あれは……『高速移動』の子!」

星児「……『光と音の爆弾』!」

星児(よくもまぁこの始まったばっかの短ぇ時間に何度も遭遇するぜまったく)

星児(……けど、あの金髪ロングの『ワープ』が見当たらねぇ。まだ合流できてねぇってことか?)

星児「『ワープ』が居ないなら……勝てる!『時間操作・加速』!」ビュンッ

リカ「うわぁっ!『スタンボム』!」ボンッ


ゴォッ


星児「くっ……!」

リカ(この隙に脇の家に隠れる!)ダッ

リカ(そしてどこかに行ってくれるのを待つ……)スンッ

星児(……っ、どこだ?居なくなった……)キョロキョロ

星児(いや『爆弾』の持続時間は2、3秒。『ワープ』が居なけりゃそんなに遠くまでは行けないはず!)

星児「『加速』が持続してる内にしらみつぶしに探す!」ビュンッ

リカ(どこかに行ってくれない!)ガクブル
132 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/27(火) 01:52:25.94 ID:JSC4T8EC0
星児「ここか!?ここか!?」ガサガサ

リカ(ど、どうしよう。このままじゃ見つかるのは時間の問題……)

リカ(それまでにラムダさんが来てくれれば……でもあんなに離れてたら多分、いや絶対無理だよね……)

リカ(……いや、何弱気なこと言ってるのリカ!昨日あれだけ助けてもらって、まだ助けてもらうつもりなの!?)

リカ(思い出すのよリカ!昨日のラムダさんの言葉を!)


『チームを組んだからには、僕もあなたを戦力として当てにするということです』


リカ(昨日はラムダさんにスタンボムを渡すくらいで、何も活躍できなかった……今こそ!ラムダさんの期待に応える時……!)

リカ(一人で、あの子を倒す……!そうと決まれば!)

リカ「『スタンボム』!」ガッ


ゴォッ


星児(……っ、また光!いや、落ち着け!陽動だ!俺が焦って動いて、自分から離れるのを待ってるんだ!)

星児(動かずに、光と音が止むのを待って……)

リカ(……やっぱりだ!私と距離が空くのを警戒してるのか、スタンボムの発動中は動かない!)

リカ(これなら、行ける!私の足音すら、あの子には今聞こえてない!このまま……刺す!)
133 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/27(火) 01:52:59.33 ID:JSC4T8EC0
リカ「やぁ……っ」ピタッ

星児(…………)

星児(……光と音で、見えないし聞こえない。そんな状況でも、敵がどこに居るか把握できる瞬間がある)

星児(それは『攻撃される瞬間』。その瞬間なら、痛覚で敵の存在を‌認識できる)

星児(攻撃を喰らってから敵の位置を知っても意味がない?いや、俺の『加速』のスピードなら、その攻撃が致命傷になる前に反応できる)

星児(そして俺が敵に指先でも触れた瞬間。俺のもう一つの能力の発動条件が達成される……『発動条件は相手に触れること』)

星児「『時間操作・停止』……!お前の時を止めた!」

星児「そんでもって……お前に返すぜ、このナイフ」ザスッ

星児「……『加速終了』『停止終了』」シュウウ

リカ「……ぁっ!……あっ……?」ブシュッ

リカ(刺そうとしたら、私が刺されてた……!?今……何が……?どうして……!?)クラッ

リカ(痛い……意識……が……)ドサッ



星児(……よし、勝った……けど)

星児「うぐっ、うぅっ……はぁっ、はぁー……」フラッ

星児(やっぱ『加速』と『停止』を同時に使うのは負担が大きいな……最初は五分くらい『加速』できるって話だったが、今はその半分も持たねぇかもな……)

星児(ナイフの傷も、致命傷ではないとはいえ、ダメージであることには間違いないしな)ズキッ

星児「あー……力入んねぇ。死体から離れるわけにはいかねぇし、宝石配りまでここで休むか……」スッ



リカ:死亡
134 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/27(火) 01:56:52.34 ID:JSC4T8EC0
商店街


ラムダ「……!?」

ラムダ(リカさんの反応が……レーダーから消えた……!?ということは……)

ラムダ(他の参加者に……そうか……なら)

ラムダ(今日は宝石を求めない。そしてなおかつ、今日でバトルロワイヤルを終わらせない。必ず明日に繋げる)

ラムダ(なるべくMPを温存し、他の参加者の獲得を妨害する!それが今日の私のなすべきこと……!)
135 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/27(火) 01:57:18.36 ID:JSC4T8EC0
路地裏



心「おーい!アッシュ!」ブンブン

アッシュ「……ふっ、来たか」

アッシュ(田中星児のレーダー反応は、離れたところで止まって動かない。今すぐ俺を狙ってくる気配はなさそうだ)

心「何見てんだよ」ニュッ

心「……レーダー反応?俺以外の誰かと登録したのかよ」

アッシュ「え?あ、あぁ……うん」

心「……裏切ったのか。俺を」ブスッ

アッシュ「ち、違うぞ!組んだ理由は昨日でバトルロワイヤルを終わらせないためだし……あの少女とはたまたま一時的に利害が一致しただけにすぎん、ただのインスタントチームよ!」

心「ふーん……それで、今日になったらオサラバか。そういうの、なーんかダセーなー」

アッシュ「し、仕方ないだろう!三人チームなんて無理なんだから!」

心「それもそうだけどさー」



そんなこんなでついに午前七時!『宝石配り』の時間に!宝石を受け取ったのは『下1』と『下2』だった!

1.くたびれ三十代『番井蝶』
2.中性金髪ロング『ディーヴァ・ラムダ』
3.臆病女子中学生『リカ』
4.男勝女子小学生『犬木心』
5.余命三年心臓病『田中星児』
6.ボーカル中二病『アッシュ』
7.くたびれ三十代『加賀七音』

誰と誰だった!?1〜7番から選んでね!下1と下2の二人に安価を取るよ!
(安価が被った場合、一人が二つの宝石を受け取った事にするよ!)
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/27(火) 02:42:54.80 ID:gfR1JZado
4
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/27(火) 06:15:01.55 ID:9qerWGVDO
6
138 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/28(水) 01:28:08.14 ID:3qEjZ9fN0
路地裏



天使「アッシュ、これを受け取れ」ポイッ

アッシュ「おっ……宝石」パシッ

心「おー!二日連続か!運良いな!」

天使「ほら、お前にも」ポイッ

心「おっ!俺にも!?ラッキー!」パシッ

アッシュ(これで誰かから奪う必要はないわけだ……助かるぜ)

心「よっし!じゃあ他の奴ら倒しに行くか!」

アッシュ「えぇ!?いや、宝石を持ってるのは俺達だぞ!?ここは場所を一つに待ち構えていた方がよいのでは!?」

心「何ダセーこと言ってんだよ!こういうのは先手必勝だぜ!センテヒッショー!」ダッ

アッシュ「あっちょ、離れるな!」ダッ

心「……!アッシュ!止まれ!」ザザッ

アッシュ「ああ!?なんだよ、走らせたり、止まれっつったり……!?」

ラムダ「……こんにちは」ザッ

アッシュ(こいつ!『ワープ』使い!)バッ
139 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/28(水) 01:28:34.86 ID:3qEjZ9fN0
アッシュ「気を付けろ!犬木心!そいつの能力は『ワープ』!あらゆる空間を繋げてあらゆる物を転移させる!奴の体はもちろん、俺達の体もだ!」

心「……っ!」チャッ

ラムダ「……!その銃、あの女が持っていた……」

心「そこから動くな!撃つぞ!」

ラムダ「待ってください。僕は今日、あなた達と敵対するつもりはない。むしろ協力したいと考えています」

心「……協力ぅ?」

アッシュ(俺は何人とチーム組めばいいんだ)

ラムダ「質問したいのですが……お嬢さん、あなたは昨日ある女に殺された。そして銃を奪われ、宝石も獲得できていない。そうですね?」

心「お嬢さんじゃねぇ!犬木だ!……その通りだけど、それがなんだよ!」

ラムダ「そして隣のあなたは私が殺した……あなた達は二人共、今0ポイント。そうですね?」

心「殺されたって……そうなのか?」

アッシュ「あ、ああ……」

心「じゃあこいつ仇じゃんか!殺す!」チャッ

アッシュ「ま、待て!もう少し話を聞くんだ!」ガバッ
140 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/28(水) 01:29:05.33 ID:3qEjZ9fN0
ラムダ「……これはバトルロワイヤルです。感情抜きで物事を考えてください……僕は結論から言えば、今日はあなた達が宝石を獲得しても構わないと思っています」

ラムダ「V系のあなたは知っているでしょうが、僕は『リカ』という女の子とこのバトルロワイヤルでチームを組んでいました」

心(もう仲間が居るのに他の奴とも協力しようなんて軽い奴だぜ!)

ラムダ「しかし……今日、既に彼女のレーダー反応は消滅しました。おそらく、他の参加者から攻撃を受け、脱落したものと思われます」

ラムダ「僕は……彼女を差し置いて一人で優勝するつもりはありません。今日の僕の目的は、宝石を獲得することではなく、今日でバトルロワイヤルを終わらせないこと」

心「おっしゃ!協力するぜ!」ビシッ

ラムダ「えっ」

アッシュ「ちょっ、おい!勝手に決めるな!」

心「なんだよー。聞けっつったり聞くなっつったり……それにさ!死んだ仲間のために頑張るってカッコイイじゃん!」

ラムダ(感情抜きで物事を考えてと言ったのに……いえ、協力を了承してくれるのであればあえて口にはすまい)

アッシュ(まぁ……いいか。宝石が目的じゃないってんならチームを組んでも)

アッシュ(それにこれで3人チーム!しかも『ワープ』が味方!これなら負ける気がしないぜ!)

アッシュ「……ふっ、分かった。お前の懇願を受けてやろう」

ラムダ「……ありがとうございます」
141 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/28(水) 01:29:35.49 ID:3qEjZ9fN0
住宅街



星児「……午後零時。天使が来なかったってことは、今日もハズレたってことか……当たったのはどこのどいつだ?」パカッ

星児(宝石の反応が『アッシュ』と重なってる……もう一つの宝石も、すぐ近くにあって、一緒に動いてる)

星児「よりにもよって、ペアで配られたのかよ、豪運だな……あーあー、カミサマは意地悪だねぇ、つくづく」

星児「それじゃあ……行きますか」ザッ
142 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/28(水) 01:30:05.07 ID:3qEjZ9fN0
ビル屋上



蝶「天使さん。私に宝石は?」

天使「ないよ。今日もお前はハズレだ」

蝶「あらあら……残念」

蝶(けど、それはそれで良し。ね。宝石を持つと居場所がバレるし、MPがない今は逃げるのも難しい)

蝶「理想は昨日みたいに、終了寸前で宝石を奪う事」

蝶(そうなると、今すぐ何かする必要はないわね。無暗に動くのもよくないし、引き続きここでお休みしてましょう)

蝶「うふふ……暇ぁ」
143 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/28(水) 01:30:36.47 ID:3qEjZ9fN0
路地裏・物陰



七音(宝石配りに外れたのはいい。私の狙いは昨日と同じ、誰かのお零れを掠めること。卑怯と言われても構わない)

七音(今宝石を持っている人間を尾行して、機を窺う……窺いたいのだが……)


心「誰も居ねーなー」テクテク

アッシュ「〜〜……いや、田中星児は違うな。登録しているから分かる。あいつも0ポイントだ」テクテク

ラムダ「〜〜……そうですか。ならばやはり、あの女か、僕らが把握していない参加者が、昨日のもう一人の獲得者……」スタスタ


七音(三人……!?)

七音(……バカな。理論上、チームを組めるのは二人までのはず。というかあの金髪ロングは昨日別の女の子と組んでなかったか?)

七音(とにかく……七人のバトルロワイヤルで三人のチーム。あれに勝てる参加者は存在するのか……!?)
144 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/28(水) 01:31:12.46 ID:3qEjZ9fN0
路地裏・物陰



星児(着いた……あいつらだ。けど……)

星児(何で金髪ロングも一緒に居んだよ……!)

星児(なんとなく想像つくぜ……あいつ、あの女子とチーム組んでもんな……しかも、純粋な信頼関係で)

星児(大方、相方が死んだから今日は戦況を膠着させるのに徹することにした……そんでそのために0ポイントコンビのあいつらと協力することにしたって所か?)

星児(くそっ、あの女子殺したのが裏目に出たか……)

星児(『吹き飛ばすピストル』『サウンドスケープ』『ワープ』……とてもじぇねぇが、勝てるビジョンが思い浮かばねぇぞ……)

星児(こいつらが合流する前に戦えてたら……いや、そんなたらればは意味ねぇか。こうなった以上、もう『アレ』に賭けるしかねぇ……!)
145 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/28(水) 01:31:44.95 ID:3qEjZ9fN0
路地裏



アッシュ「……本当に居ないな。敵」テクテク

心「みーんな、俺達にビビっちまってるのかもなー!」テクテク

アッシュ(まぁ、確かに……並大抵の能力じゃ、この三人態勢は崩せないだろう……)

ラムダ(路地裏では戦い辛い能力なのか……それとも、すぐ側に潜みながら『アレ』を待っているのか……)

ラムダ「……もうすぐ二時です。二人共、気を抜かないようにしましょう」

アッシュ「……ああ」

心「おう!」
146 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/28(水) 01:32:20.42 ID:3qEjZ9fN0
現状



1.番井蝶

ポイント:1
M  P:30
登  録:なし
持 ち 物:衝動のピストル×2(弾丸5+3発)

ビル屋上で暇している。



2.ディーヴァ・ラムダ

ポイント:1
M  P:120
登  録:『リカ』 『犬木心』『アッシュ』
持 ち 物:スタンボム、ナイフ

路地裏で『犬木心』『アッシュ』と共にうろうろ。



3.リカ

ポイント:1
M  P:60
登  録:『ラムダ』
持 ち 物:なし

住宅街で死亡。



4.犬木心

ポイント:0
M  P:50
登  録:『ラムダ』『アッシュ』
持 ち 物:衝動のピストル(弾丸6発)

路地裏で『ラムダ』『アッシュ』と共にうろうろ。



5.田中星児

ポイント:0
M  P:60
登  録:『アッシュ』
持 ち 物:ナイフ

路地裏で『ラムダ』『犬木心』『アッシュ』を尾行。



6.アッシュ

ポイント:0
M  P:70
登  録:『ラムダ』『犬木心』 『田中星児』
持 ち 物:なし

路地裏で『ラムダ』『犬木心』と共にうろうろ。



7.加賀七音

ポイント:0
M  P:120
登  録:なし
持 ち 物:なし

路地裏で『ラムダ』『犬木心』『アッシュ』を尾行。
147 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/28(水) 01:33:08.69 ID:3qEjZ9fN0
そんなこんなでついに午後二時!『イベント』の時間に!『下1〜3』のどれかが起こった!
(起こるイベントを自由に考えてね!出揃ったらその内のどれが起こるかあらためてコンマで決めるよ!)
(描写が困難な物、ゲームに関係がない物、ゲームバランスを著しく崩壊させる物であれば、>>1の判断で再安価とさせていただきます。ご了承ください)
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/28(水) 02:05:54.06 ID:X/YWBqcZ0
全員のポイント・MP・登録・持ち物が入れ替わる
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/28(水) 04:45:48.29 ID:AuLssDoGO
レーダーで位置が解る宝箱が出現
開けると周囲数bを巻き込み爆発するトラップ、大量の銃火器の入った武器庫(中の武器は次の試合には持ち越せない)、宝石が一つ入った宝石箱が一つずつ(箱の形は全て同じ)
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/28(水) 06:17:48.18 ID:p5G4bKnMO
宝石が空を飛び、どこかに飛んでいく
151 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/28(水) 14:42:18.11 ID:3qEjZ9fN0
>>148はゲームバランスが崩壊すると思うので、独断ですが除外させていただきます。ご了承ください。

もう一つイベントの安価を取ります。よろしければ安価ください

『下1』
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/28(水) 15:05:31.70 ID:7+Lk5zSWO
吹雪が吹き始めた
153 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/28(水) 16:14:45.77 ID:3qEjZ9fN0
>>152は描写が困難なので、独断ですが除外させていただきます。力量不足ですいません……ご了承ください。

もう一つイベントの安価を取ります。度々申し訳ございません。よろしければ安価ください

『下1』
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/28(水) 16:19:11.52 ID:9Ibow/Lx0
霧が立ち込めて視界不良になる
155 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/28(水) 16:53:00.44 ID:3qEjZ9fN0
天界・ルーレット



神様「もう二時か。天使くん。ルーレットとダーツを」

天使「はいはい」ガラガラガラ

天使「ほっ」ギュルンッ

神様「行くぞ〜」



次のレスのコンマが

01~33で『レーダーで位置が解る宝箱が出現 』
34~66で『宝石が空を飛び、どこかに飛んでいく 』
67~99で『霧が立ち込めて視界不良になる 』
00はもっかい
156 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/28(水) 16:53:41.46 ID:3qEjZ9fN0
神様「とぉっ!」トスッ
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/28(水) 16:53:51.06 ID:IvROTtux0
158 :>>157 レスありがとう [saga]:2018/11/28(水) 17:17:59.37 ID:3qEjZ9fN0
路地裏



天使「ぴんぽんぱんぽーん。ということで、イベントの時間だ」

ラムダ(来た……!)

天使「今日のイベントはこれに決まった。『宝石が空を飛び、どこかに飛んでいく 』」

ラムダ「……!?」

心「ん、おお?宝石が、勝手に空中に……っ」フワーッ

天使「ほっ」ピタッ

アッシュ「どこ行くねーん!」ドヒューンッ

天使「さぁね。レーダーで確認するといい。それじゃあ」スウゥッ

ラムダ「くっ……」

ラムダ(折角最高の状態だったのに……これで台無しになってしまった!)

ラムダ(宝石はどこに!?)パカッ



1.『路地裏』 (『ラムダ』『犬木心』『アッシュ』『加賀七音』が居る)
2.『ビル街』 (『番井蝶』が居る)
3.『住宅街』(『田中星児』が居る)
4.『駅前』 (誰も居ない)
5.『交差点』 (誰も居ない)
6.『商店街』(誰も居ない)
7.『公園』 (誰も居ない)

どことどこに行った!?1〜7番から選んでね!下1と下2の二人に安価を取るよ!
(安価が被った場合、同じ場所に宝石が飛んでった事にするよ!)
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/28(水) 17:36:36.11 ID:XDegLMYHO
3
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/28(水) 17:36:57.72 ID:fBIt12zV0
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/28(水) 21:04:28.87 ID:XDegLMYHO
これは田中星児は尾行してるんじゃないの?
住宅街にいるって事になってない?
162 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/28(水) 23:39:56.07 ID:3qEjZ9fN0
>>161

>>144の最後に


星児(昨日の『アレ』は『宝石をもう一個追加する』だったな……もし同じタイプの『アレ』が起こって俺に配られたりするなら……こいつらの近くに居るのは危ない)

星児(……俺に有利な『アレ』が起きる確証もねぇし……一応、距離取っとくか)スッ


という二文をくっつけていたのですが、コピー抜けしてそのまま貼り付けちゃったみたいです……。ご指摘ありがとうございます。

色々グダグダして申し訳ございません。

↓から本編を再開します。
163 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/28(水) 23:40:40.45 ID:3qEjZ9fN0
住宅街



星児(『宝石の再配置』……!なるべく近くに飛んできて欲しいが……いざとなったら『加速』で無理矢理拾いに行く!)パカッ

星児「うわあっ!?」ドヒューンッ

星児(何か飛んできた!敵襲!?いや、この反応は……)

星児「宝石か!」

星児(ドンピシャじゃねぇか……あいつらから距離取っといて良かった。俺にもようやくツキが回って来たかな)ヒョイッ

星児(さぁ……本当の戦いはこっからだ……守り切るぞ、この一個を)
164 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/28(水) 23:41:18.19 ID:3qEjZ9fN0
路地裏



アッシュ「おおお……おっ?」

アッシュ「うわあっ!?」ドヒューンッ

アッシュ(と、飛んでったは飛んでったけど、すぐ近くに落ちたぞ?)

ラムダ「これは……宝石が戻ってきた?」

ラムダ(『どこかに飛んでいく』……それがランダムなら、同じ場所に戻ってくることもあり得るのか)

心「……けど、一個だけかー。もう一個はどこ行った?取り返しに行こうぜ」

アッシュ「……あっ」レーダーパカッ

アッシュ(『田中星児』の反応と被ってる……!?)

ラムダ「……その反応は、先程言っていた『田中星児』ですか?」

アッシュ「あ、ああ……そうだが?」

ラムダ(この人間も0ポイント……ならば、別に田中星児が宝石をこのまま獲得するのは問題ない)

ラムダ(……だが、まぁ一人が持っているより、僕を含めたチームで持っている方が安全でしょう)

心「よし!じゃあそこ行って取り返そうぜ!」

ラムダ「ええ……そうですね。そこの宝石を拾い直してから」
165 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/28(水) 23:41:48.51 ID:3qEjZ9fN0
路地裏・物陰



七音(どうする!?宝石が一つ奴らの手から離れた今なら、出し抜いて私が先に拾うことができる……!)

七音(チャンスは今しかない!こっちから奪いに行くのではなく、あっちから奪いに来るのを撃退するなら!私の能力でも分がある!)

七音(大丈夫、策はあるんだ。『光と音の爆弾』は他の二人の能力を阻害する。自動防御の『インク腕』で撃退は容易だ)

七音(『演奏を聞いている人間の自由を奪う能力』も無効化する術がある)

七音(そして少女の『吹き飛ばす銃』……あれも、私の思い通りにことが進めば無効化できる……)

七音(だが……本当に、それでいいのか?そんなに上手くことが運ぶだろうか?)

七音(いや……ここで弱気になってどうする!私はいつもそうだ。過剰に心配する臆病者。そのせいで何の軌道にも乗れない、低空飛行の人生を続けて来た)

七音(私の願いは『人生をやり直すこと』……でも、それだけじゃ意味がない。今の私のままでは、もう一度同じ人生を繰り返すだけだ!)

七音(このバトルロワイヤルで変わるんだ!勝負に出れる人間にならなければ!)

七音(…………いや、でも…………)モンモン



加賀七音が取った行動は『下1』だった!

1.いけるはず!宝石を拾いに飛び出す!
2.いや無理無理無理!同じ場所でじっとしてる!

どっちだった!?1、2番のどっちか答えてね!下1だよ!
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/28(水) 23:44:24.96 ID:rqQssz5P0
2
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/28(水) 23:51:37.24 ID:nHNEOw/3O
メタ能力持ちが2人いる時点で詰んでるんだよなぁ…可哀想(小並感)
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/29(木) 22:39:29.01 ID:3dLFRkccO
169 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/30(金) 00:46:44.54 ID:SqpAJNmf0
路地裏



ラムダ「……」ジーッ

心「よっと。よし、じゃあ行こうぜ」ヒョイッ

アッシュ「おう」

ラムダ(……他の参加者は現れなかった……僕の考えすぎか、それとも余程用心深い性格の人間なのか……)

ラムダ(感知系の能力者でも居れば便利だったんですけどね)

ラムダ「……そうですね。行きましょう」
170 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/30(金) 00:47:24.98 ID:SqpAJNmf0
路地裏・物陰



七音(結局、チャンスを見逃してしまった……)

七音(いや、しかしこれでいい。今の私の作戦には不確定要素がありすぎた。これは臆病などではない。戦略的沈黙だ)

七音(昨日だってそうだった。待つ。待つんだ……今からあいつらはもう一つの宝石の移動先へ行く。そこで私以外の参加者との衝突があるはず)

七音(それに乗じて横から……それができなくても、あいつらが消耗するのを待つ!)

七音(差し当たってはバレないように尾行を続ける!)コソコソ
171 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/30(金) 00:47:53.50 ID:SqpAJNmf0
ビル街・ビル屋上



蝶「『宝石が空を飛び、どこかに飛んでいく 』……ねぇ……」パカッ

蝶(一つはほぼ同じ場所に、もう一つは住宅街の方に……両方とも私の居ない所に飛んでっちゃったわね……)

蝶(まぁ、近くに来られても困るしね……まだ二時過ぎ、勝負をかけるには早い)

蝶(バラバラになって、他の参加者同士の接触が促進されたのはちょっと得かしら……それにしても、私にはあんまり関係ないイベントだったわね)

蝶「さぁ、引き続き勝負所までここで待機してましょう」

蝶(MPが残ってればもっと殺しに動いたんだけど……もどかしいわねぇ……)
172 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/30(金) 00:49:22.75 ID:SqpAJNmf0
住宅街・付近



アッシュ「さぁ……『田中星児』の反応はこの先なんだが……」

アッシュ(さっきから位置がほとんど動いてない……あいつも俺達の接近が分かっているはずなのに、だ)

アッシュ(何か罠でも仕掛けてあるのか……?いや、そんなことができるタイプの能力じゃないはず……)

心「おいアッシュ。どうしたんだよ、早く行こうぜ」

アッシュ「いや、待て。あいつが動かずに待ってるということはあいつにも勝算があるってことで、それが分からないうちに行動するのは危険……」

心「あー?」ジロッ

ラムダ「……そういうことなら、私が先に行って様子を見てきましょうか」

アッシュ「……お、おう!そうしてくれたまえ!」

ラムダ「それでは、脇のマンションに入って、そこから様子を報告します。レーダーを通話状態にしておきますので、何か動きがあれば連絡を」

アッシュ(助かるぅ〜)

心「……」
173 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/30(金) 00:49:59.13 ID:SqpAJNmf0
ラムダ「はっ」パリンッ

ラムダ(バレないように扉を開けて……見えた。あれが『田中星児』……)チラッ

ラムダ(特に周りに罠らしき物は見えないが……腹部を怪我している?)

ラムダ(腹部の怪我……そしてこの住宅街という場所。リカさんの反応が消失した地点と一致する)

ラムダ(もしかして、こいつがリカさんを……?)

ラムダ(……いや、感情抜きで物事を考えろと言ったのは私だ。忘れよう)

アッシュ『おい、様子はどうだ?』

ラムダ「腹部に怪我を負っています。それ以外に変わったことは確認できません」

アッシュ『そうか、じゃあ……』

ラムダ「では、どうぞ」
174 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/30(金) 00:50:41.91 ID:SqpAJNmf0
アッシュ「え?」

ラムダ『……?最低限の安全は確認できました。お二人で攻撃をどうぞ』

アッシュ「いや……お前は手伝ってくれないの?」

ラムダ『……一度、僕の立場を再確認しましょうか』

ラムダ『確かに、あなた達の協力をするとは言いましたが、それはバトルロワイヤルを終わらせないという目的の下です』

ラムダ『田中星児も、現時点では0ポイント。あなた達と変わらず、一個までなら獲得されても僕は構わない。僕が積極的に攻撃する理由はありません』

ラムダ『更に言うなら、明日もバトルロワイヤルが続くのだから、僕はできるだけMPを温存したい』

ラムダ『ですので、僕はここで待機しています。もしあなた達がピンチになればその時は僕も加勢しますので、あなた達で解決できることはあなた達でどうぞ』

アッシュ「くっ、この〜!」

心「まぁ、仕方ないだろ。その代わりに俺らが宝石を独占するんだ。あんまり強いこと言えねぇよ」

心「ほら、行こうぜ」ザッ

アッシュ(……小学生に諭された……)
175 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/30(金) 00:51:08.02 ID:SqpAJNmf0
心「『衝動のピストル』!……ほい、渡しとく。今度はなくすなよ」ズギャンッ

アッシュ「おう……今日は予め具現化してないんだな」

心「昨日はそのせいであの女に盗られちまったからな……。今日は使う時に具現化する」

アッシュ「ふーん?でもお前、今日最初からピストル持ってなかったか?」

心「ああ、これは昨日出したやつだ」

アッシュ「それは奪われなかったのか?」

心「うん。空から落ちる前に飲み込んだからな」

アッシュ「えっ」

心「『持ち物』としてカウントされて、今日の初めには腰に戻ってた」

アッシュ「死ぬ直前によくそんな気持ち悪い事思いつくな……」

心「へへ。どうせ生き返るし、死ぬのなんて怖くねぇしな……まぁいいや。銃も渡したし、早く行こうぜ」

アッシュ「ん?お前も付いてくるのか?」

心「また昨日みたいに一人になった所狙われたらやだもん」

アッシュ(……やっぱ怖かったんじゃないのか?)
176 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/30(金) 00:51:56.71 ID:SqpAJNmf0
アッシュ「……」ザッ

心「……」ザッ

星児「……来たな」

アッシュ(……あいつの報告通りだ。腹の所に血が滲んでる)

アッシュ「……だ、大丈夫なのか?」

星児「ああ?」

アッシュ「あ、いや……」

アッシュ(あいつが心臓病だってこと知ってるからか……つい、心配するようなことを……)

星児「……ちっ。俺ぁ言ったよな?そういう目は飽き飽きだってよ」

心「ちょっと待った!」バッ

星児「ああ?」

アッシュ「え?」

心「今あんた……自分のこと『俺』って呼んだか?」

星児「……んだよ。オンナノコに『俺』は似合わねぇってか?」

心「一緒だ……」プルプル

星児「……?」

心「俺と一緒だ!」

星児「!?」

心「初めて見た!俺以外に自分のこと『俺』って呼ぶ女子!なぁ、このバトルロワイヤルが終わったらまたどっかで会おうぜ!友達になれるぜ俺達!」キラキラ

星児「……おい、これは何の作戦だ?」

アッシュ「俺が聞きたい」
177 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/30(金) 00:52:35.10 ID:SqpAJNmf0
心「しかもあんた名前『星児』なんだろ!?いいなー!名前も男みたいでカッコイイじゃん!」

星児「……ああ?」

心「俺は『心』でさー……いかにも女の子って感じでダセーじゃん!だからさ、このバトルロワイヤルで優勝して、名前を『ケルベロス』に変えてもらうんだ!」

星児(ダサッ)

心「そんで性別も変えてもらって、本物の男子になる!もう『女の子らしくしなさい』って言われない人生にするんだ!」

星児「……っはぁー……残念だけど、俺はお前と友達になれる気がしないぜ。心ちゃん」

心「……下の名前で呼ぶな。あとちゃん付けするな」ムッ

星児「お前『女の子らしく』って言われるのが嫌いなんだな。まぁ、俺も嫌いだけどよ……だからって、男になるって言っちまったらよぉ、それはもう認めてるようなもんじゃねぇか」

星児「女の子は、男の子らしくしちゃいけないって」

心「……いや、俺は……」

星児「それから、お前もう一つ思い違いしてるよ。名前の意味っていうのはな、字面で決まるんじゃねぇ。誰かに呼ばれる時に決まるんだ」

星児「お前がやるべき努力は名前を変えようと躍起になることじゃねぇ。お前の名前を呼ぶ時、誰もがカッコイイなって尊敬の念を込める。お前自身がそんな人間に成長することだ」

星児「お前が『心』って名前の意味を変えてやるんだ!そっちの方がカッコイイだろ!違うか!」

星児(あと『ケルベロス』って名前は普通にダセぇ)

心「……!」

アッシュ「おい、何か言い返せよ」
178 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/30(金) 00:53:12.14 ID:SqpAJNmf0
星児「……あと、お前もだアッシュ。昨日『けろ』とか言ってたよな。お前絶対純日本人だろ。アッシュってのは偽名か何かだな?」

アッシュ(灰島太郎)「ぎくっ」

心「……そうなのか?」

アッシュ「い、今は関係ないだろう!」

星児「……ついでだ。アッシュ、お前の願い事も聞いてやるよ」

アッシュ「……っはぁ!?お前、状況分かってるのか!?今、俺達は敵同士なんだぞ!?」

星児「先に無駄話始めたのはそっちのガキだろが……いいから言ってみろよ」

アッシュ「……俺の願い事は、有名になることだ。有名になって、俺達のバンドを世界一にする!」

星児「はぁーん。お前の願い事はもっとダセぇな。そんな裏技で集めた客で武道館か。それになんの意味があるんだよ」

アッシュ「……お前には分かんねぇだろうさ!夢を追い続ける苦しさも!報われない辛さも!」

星児「はっ、俺に不幸自慢するなら余命二年になってからにしやがれ!」
179 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/30(金) 00:53:45.44 ID:SqpAJNmf0
星児「……ったく、どいつもこいつもふざけた願い事しやがって……ムカつくぜ」

星児「お前らみたいな奴には、絶対負けてやらねぇ」ザッ

星児「『時間操作・加速』!」ビュンッ

アッシュ(……来た!ここは昨日と同じように……最初は音量MAXでかき鳴らす!)ギュイーンッ

アッシュ「『サウンドスケープ』!」ジャカジャンッ

星児(……耳を……っ!)グッ

アッシュ(耳を塞いだ所で効果などあるものか!この距離の音量MAXだぞ!いくら上手に塞いでも、必ず音は鼓膜まで伝わる!)ジャンジャカジャーンッ

星児「ぐっ……!」ドサッ

心「悲じい〜」ポロポロ

アッシュ(よし……ちゃんと作用した。後はこのままあいつに近付いて……)スタスタ

アッシュ(間近で音量を小さくして犬木心が動けるように……)

星児「……」

アッシュ(……いや、ちょっと待て。なんでこいつ、涙を流していないんだ?)

星児「……聞こえねぇなぁ。お前のダセぇギターなんてよぉ……!」タラァ

アッシュ(耳から血が!こいつ、さっき自分で鼓膜を……!?)

アッシュ(まずい、ここから離れ……っ)

星児「……遅ぇ」ザスッ

アッシュ「かはっ……!」ブシュッ
180 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/11/30(金) 00:54:27.71 ID:SqpAJNmf0
星児「さぁ……後は」

心「アッシュ……!?」ガバッ

星児「来いよ……犬木心」

心「っ、あああっ!」ドンッ


ラムダ(……!犬木さんが『衝動のピストル』を撃った!けど、おそらく『高速移動』相手には当たらないはず!)

ラムダ(僕は……どうする!?)



ディーヴァ・ラムダが取った行動は『下1』だった!

1.『スタンボム』で目眩ましだ!
2.『空間湾曲』で田中星児の所へワープだ!

どっちだった!?1、2番のどっちか答えてね!下1だよ!
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/30(金) 00:55:29.58 ID:CQrdykLDO
182 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/12/01(土) 02:07:53.30 ID:KBC/wvsi0
ラムダ(このままでは『田中星児』が宝石を二個獲得する!それは避けねば!)

ラムダ「……『空間湾曲・10m』!」グニャアッ


星児(来たな……『ワープ使い』!)

ラムダ(僕と銃弾の挟み撃ち!銃弾を避ける隙に、僕の『空間湾曲』で上空へワープさせて落下死させる!)

ラムダ(さぁ、避け……)


ドフッ


ラムダ「……避けない!?」ザッ

ラムダ(着弾し、彼女の体が8m真上に吹き飛んだ!)

星児(これでいい……これが俺の逃走経路……!)

ラムダ「……犬木さん!もう一発弾丸を!」

心「おう!」ドンッ

ラムダ(彼女の能力は『高速移動』!空中では身動きが取れないはず!この弾丸も当たる!二発合計で16m!即死の高さ!)

星児「……『時間操作・停止』!」ピタッ

心「!?」

ラムダ「何……っ」

ラムダ(空中で体が停止した!?落下しないで、銃弾が外れた!……何だあれは、何かの上に乗っている?)

星児(『光と音の爆弾』の女の手を切り取って、空中で停止させた!これを足場にして……!)

星児「だぁぁっ!」バッ

ラムダ(隣のマンションに飛び移った!)
183 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/12/01(土) 02:08:31.57 ID:KBC/wvsi0
星児「がっ、あぁっ……はぁっ、はぁっ……『加速終了』『停止終了』」シュウウ

星児(よし……無事マンションまで逃げ切れた……俺が『住宅街』で待ち受けていた理由がここにある)


ラムダ(……駄目だ!私が偵察していた階と田中星児が逃げた階は違う!地形を正確に把握しなければ『空間湾曲』は使えない!)

ラムダ(いや、だけどまだだ!敵が宝石を持っている以上、レーダーの反応を頼りに追跡が可能!『高速移動』も無限に使えるわけではないはず!)パカッ

ラムダ「なぁ……っ!?」

ラムダ(どういうことだ……!?アッシュの宝石が奪われていない!)


星児(俺が『住宅街』で待ち受けていた理由がもう一つある……)

星児(あの『どこでもドア』の女は、俺と会った二回ともビル屋上に逃げた)

星児(何故わざわざビル屋上なのか?行き先を宣言しなければいけないというデメリットがある以上、絞られやすい場所には行かないべきのはず……)

星児(俺は、一つの仮設を立てた。あのドアは『視界の範囲内』にしか出現させられないんじゃないか?)

星児(そしてここ『住宅街』から『ビル屋上』へ移動できたということは)

星児(また同じように『ビル屋上』から『住宅街』も……)

星児「見えてんだろ……!?おばさん……!」
184 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/12/01(土) 02:09:27.40 ID:KBC/wvsi0
ボワンッ


心「うおっ、おおおっ!?」ドフッ

ラムダ「っ犬木さん!?」バッ

心(体が真上に吹き飛んだ!この能力、俺の『衝動のピストル』!俺以外にピストルを持ってる奴!そしてこの不意打ち感!)

心「またあんたか!おばさん!」

心(くそっ……このままじゃ落ちる!自分で自分に撃って、別の場所に移動するしかねぇ!)ドンッドンッ

蝶「あら、流石チーム。逃げ方まで一緒なのね」

ラムダ(……リカさんが言っていた『どこでもドア』の人!リーチ候補の一人!)

蝶「ふふ。宝石と銃の追加ゲットぉー……」ヒョイッ

ラムダ(しまった!アッシュさんの持ち物を拾われた!)

蝶「いやー。果報は寝て待てって本当ね。待ってるだけでこんなチャンスが巡ってくるなんて」

ラムダ(彼女はリーチ候補!このまま宝石を獲得させるわけにはいかない!)ザッ

蝶「あら……向かってくるの?やめといた方がいいと思うわよ。私、あなたの弱点が分かっちゃったから」

ラムダ「弱点……?」ピクッ

蝶「あなたの能力は『ワープ』……でも、見たところ単純なテレポートじゃない。私みたいな区切られたゲートがあるわけでもない」

蝶「『空間を歪ませて移動してる』……曲がったガラスに映る虚像みたいにね」

蝶「そしてそれなら破るのは簡単なのよ。このピストルを使えばね。何故なら銃弾も一緒に歪んだ空間を動くから。あなたがどこに逃げようと、同じ動きで銃弾は追っていく」

蝶「あなたの弱点は『銃弾』などの『飛び道具』……でしょう!?」ドンッ

ラムダ「……残念。『飛び道具』こそ、僕が最も得意とする相手です……『空間湾曲・10m』!」グニャアッ
185 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/12/01(土) 02:10:01.14 ID:KBC/wvsi0
蝶「がっ……!?」ドフッ

蝶(この男……自分の体ではなく『銃弾』を私へワープさせた!?)

蝶(まずい!私の体が、自らあの男の方に吹き飛んでいく!)

ラムダ「『空間湾曲・上空50m』!」グニャアッ

蝶「……っ!」グニャアッ

ラムダ「20mや30mでは、犬木さんと同じようにマンションに逃げられてしまう……少し多めに50mにしてみましたが、どうでしょう」

蝶(私の持ってるピストルの残弾数は全部で12発!移動できる距離は96m!)ヒュオオオッ

蝶(駄目……っ!移動できる範囲内に、高度50m以上の建物が……ない!)


ベシャアッ
186 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/12/01(土) 02:10:38.94 ID:KBC/wvsi0
心「おーい!大丈夫だったか!?」タタッ

ラムダ「ええ……なんとか……」

心「俺のピストル!」バッ

ラムダ「……そっちですか」

心「ああ!良かった!やっと奪い返せた!……でも結構使われてるな……俺みたいに飲み込んで隠し持ってないかな」ゴソゴソ

ラムダ「……宝石も回収しておいてくださいね」

ラムダ(……ん?女の死体の横に何か……田中星児が空中で足場にしてた物か?)

ラムダ「これは……人間の手……!?」

ラムダ(しかもこの感触は覚えがある……これは、リカさんの……)

ラムダ「やはり、あいつがリカさんを……!」ガバッ

心「待てよ」クイッ

ラムダ「……犬木さん?」

心「感情抜きで物事を考えろっつったのはお前だろ……アッシュは死んだ。もう一つの宝石はここにあるし、俺もお前もこれ以上宝石は要らない」

心「あいつも一つしか獲得しないなら俺達が積極的に攻撃する理由はない……だろ?あいつも多分、こうなるのを見越してアッシュの宝石を奪わなかったんじゃねぇかな」

心「それに、空中で『停止』したあいつのもう一つの能力……それが何か分からん内は、あいつに無暗に近付くのは危険だろ」

ラムダ「……そう、ですね……」
187 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/12/01(土) 02:11:30.80 ID:KBC/wvsi0
住宅街・物陰



七音(……『ギター使い』と『どこでもドア』が死んだ……いや、それより)

七音(あの金髪ロング……あっちが『ワープ使い』だったのか!……爆弾はあいつが投げていただけで、隣の女の子の能力だったということか……)

七音(くっ……なら、私があいつらに勝てる方法はない……私の能力『虹色インク』は空間干渉に弱い……)

七音(ここまで待ったが……今日は宝石を手にすることすらできなさそうだな)

七音(しかし、この状況からでもできることはある。今尽くせる全てを!最後に私が勝つために!)ザッ


ラムダ「参加者はまだ残っているはず……もう一人のリーチ候補者。残り時間でそいつに……」ザッ

七音「それは……私のことかな」スッ

ラムダ「!」バッ

ラムダ(私が見たことのない能力者……!こいつが七人目!)

七音「……行くぞっ!」ダッ

ラムダ(突っ込んで来た!ならば、あの女と同じように上空へワープさせる!)

ラムダ「『空間湾曲・20m』!」グニャアッ

七音「……っ!」グニャアッ

七音(空中では能力が使えない……。私はこのまま落ちて死ぬだろう)

七音(だがそれでいい。奴に能力を、MPを使わせたことに価値がある!)

七音(私が勝つにはこいつとあの女のMPを切れさせるしかない!これはそのための布石!明日への楔!)


ベシャアッ



加賀七音:死亡
188 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/12/01(土) 02:11:56.86 ID:KBC/wvsi0
心「……あたしのピストルの出番はなかったな……なんだったんだ?こいつ」

ラムダ「……分かりません」

ラムダ(これで残りの参加者は僕と犬木さんと田中星児の三人。このまま二日目は終了。明日までバトルロワイヤルを終わらせないという当初の目的は、無事に達成できるでしょう)

ラムダ(だが、結局この男の能力は分からなかった。どの程度の情報を有しているかも……)

ラムダ(明日も、気を引き締めて行きましょう)

心「なぁ……ラムダさん」

ラムダ(……初めて名前で呼ばれましたね)

ラムダ「何ですか?」

心「あんたの願い事って……なんだ?」

ラムダ「『平和に過ごすこと』……です」

心「ふーん……まぁ、言いたくないならいいけどさ」

ラムダ「……え?」

心「だて、それ嘘だろ?」

ラムダ「いえ……そんなことは」

心「でも『平和に過ごしたい』なんて人が、誰かのために怒ったりするかなぁ」

ラムダ「……!……それは……」
189 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/12/01(土) 02:12:28.22 ID:KBC/wvsi0
心「……よく分かんないけどさ。もっと自分に正直に生きた方がいいと思うぜ。リカって奴のために戦うあんた、ヒーローみたいでちょっとカッコよかった」

ラムダ(……『ヒーロー』……昨日も聞いた言葉だ。僕は……)

心「田中星児の願い事は……何だったのかな」

ラムダ「……確か、あなた達と言い合っていた時に『俺に不幸自慢するなら余命二年になってからにしやがれ』……と言っていましたね」

心「……うん。俺も聞こえた」

ラムダ「おそらく、それに関係することだと思われます」

心(余命……)

心(…………)
190 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/12/01(土) 02:12:58.07 ID:KBC/wvsi0
天界・休憩室



シュンッ


星児「うおっ」ボフッ

星児(急に知らない部屋に……レーダーは午後四時。一日が終わっても生存してた奴はここに来るってことか?)

天使「二日目お疲れ様。今日は生き残れて良かったな。明日までここで休むといい」

星児「あ、ああ……ん?何で耳が聞こえるんだ?」

星児(アッシュの『サウンドスケープ』を無効化するために、鼓膜は破ったはず……)

天使「一日ごとに参加者の傷も修復される。じゃなきゃ殺さずダルマにするのが強すぎるからな。うちの神様はそんなつまらない展開は望んじゃいないんだ」

星児「ふーん……じゃあこの心臓病が治らねえのはなんでだ?これに参加する前より酷くなってるんだが」

星児(今日の終わりの方なんか、体力を消費し過ぎて一歩も動けなかった)

天使「その傷は能力の一部みたいなもんだからな……修復はできん。恨むならそんな能力を引いた自分を恨むんだな」

星児「……ちっ。そうかよ」



『犬木心』『田中星児』が1ポイントずつ獲得!

異能力者七人のバトルロワイヤル!二日目が終了した!
191 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/12/01(土) 02:13:31.90 ID:KBC/wvsi0
二日目終了・現状



1.番井蝶

ポイント:1
M  P:10
登  録:なし
持 ち 物:なし



2.ディーヴァ・ラムダ

ポイント:1
M  P:75
登  録:『リカ』『犬木心』『アッシュ』
持 ち 物:スタンボム、ナイフ



3.リカ

ポイント:1
M  P:60
登  録:『ラムダ』
持 ち 物:なし



4.犬木心

ポイント:1
M  P:25
登  録:『ラムダ』『アッシュ』
持 ち 物:衝動のピストル×3(弾丸2+3+3発)



5.田中星児

ポイント:0
M  P:30
登  録:『アッシュ』
持 ち 物:ナイフ



6.アッシュ

ポイント:0
M  P:50
登  録:『ラムダ』『犬木心』『田中星児』
持 ち 物:衝動のピストル(弾丸6発)



7.加賀七音

ポイント:0
M  P:120
登  録:なし
持 ち 物:なし
192 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/12/01(土) 02:14:01.63 ID:KBC/wvsi0
天界・振り返り



神様「『犬木心』『田中星児』が二日目の獲得者か……これでリーチが五人。番号にすれば丁度12345だね」

天使「神様の予想は外れましたね」

神様「やっぱり合流前に『リカ』と『田中星児』が当たったのがねー。痛かったね」

天使「『リカ』も健闘しましたが……『星児』の方が一枚上手でしたね」

神様「ああいう性格の子は殺し合いに向いてないよね」

天使「文句を言うならこれからは参加者を自分でお選びください」

神様「やだ。めんどくさいもん」

天使「はぁー」



天使「今日は全ての戦闘が住宅街で行われましたね」

神様「やっぱり殺傷能力のない異能ばっかりだから、チームプレイや膠着状態になりやすいのかな」

天使「文句を言うならこれからは異能力を自分でお考えください」

神様「やだ。めんどくさいもん」

天使「はぁー」
193 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/12/01(土) 02:14:34.36 ID:KBC/wvsi0
天使「明日は誰が勝つと思いますか?」

神様「うーん。やっぱ明日も『ラムダ・リカチーム』が強いんじゃない?今日の敗因は合流できなかったことだと思うしね」

神様「というかラムダくん強いよね。え強くない?」

天使「戦闘、逃走、サポート……なんでもござれって感じですよね」

天使「でもサポートなら他人にも渡せる『衝動のピストル』も強いですし、逃走ならより範囲の広い『どこでもドア』も強いですよ」

神様「なんで移動系の異能が三つもあるの?」

天使「さて、そろそろ転送の時間ですよ」

神様「三日目開始!転送!」

天使「・・・って神様。『下1』と『下2』の初期位置がもろ被りじゃないですか」

神様「我々はランダムな点描と言えば満遍なく広がった模様を思い浮かべるが『満遍なく』という状態こそ一種の偏りであり、真のランダムな点描ならばむしろ(以下略)」



1.くたびれ三十代『番井蝶』
2.中性金髪ロング『ディーヴァ・ラムダ』
3.臆病女子中学生『リカ』
4.男勝女子小学生『犬木心』
5.余命三年心臓病『田中星児』
6.ボーカル中二病『アッシュ』
7.くたびれ三十代『加賀七音』

誰と誰の位置が被った!?1〜7番から選んでね!下1と下2の二人に安価を取るよ!
(安価が被った場合、誰も出会わなかった事にするよ!)
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/12/01(土) 02:37:58.31 ID:iekWhmxVO
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/01(土) 03:06:34.78 ID:JpnUuQ0Go
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/01(土) 03:12:13.00 ID:31hY9P/zO
いくらなんでも7番さんが可哀想だろ!
197 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/12/01(土) 16:26:07.34 ID:KBC/wvsi0
路地裏



七音「……っ」シュンッ

七音(昨日の初めと同じ感覚……また『生き返った』のか。二回目ともなれば、慣れた物だな)

七音(さて……昨日と同じく、宝石配りの時間までどこかに隠れるとするか……)

ラムダ「あっ」バッタリ

七音「あっ」バッタリ

ラムダ(この男……昨日の最後に突っ込んで来た奴!)ザッ

七音(この男……『ワープ使い』!私の能力が通用しない相手!)

七音(今日はリーチの参加者が五人も居る!おそらくバトルロワイヤルは今日で終了する!昨日のような明日のために特攻という作戦は取れない!)

七音(応戦は不可!ならばどうする!?ここから逃げるか!)

七音(いや、だがここで私が逃げたら相手はどう思うだろうか。昨日の特攻を含めて『自分には勝てない能力である』という確信を持つんじゃないか!?)

七音(そうなれば終わり!『ワープ使い』が相手では逃げ切れない!)

七音(応戦も逃走も不可!……ならば!)

七音「……っ『七色の魔法(セブンス・ギフト)』!」

ラムダ(! 相手の足元に虹色の水溜りが!そこから無数の腕が生えている……これがあの男の能力!)

ラムダ(おそらくあの腕で敵を攻撃する能力……それだけなら、昨日と同じように上空へワープさせれば……)

ラムダ「『空間湾……」

七音「何っ!?くっ、6番目の能力が発動してしまったか!」

ラムダ「……?」

ラムダ(何だ?『6番目の能力』?)
198 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/12/01(土) 16:27:08.41 ID:KBC/wvsi0
七音「あっ、ああ!今私を攻撃しては駄目だ!これは君のための忠告でもある!今君が攻撃すると、お互いにとって良くないことが起こる!」

ラムダ「……?」

七音(よし!動きが止まった!やっぱりこいつは私の能力を知らないんだ!この調子で、こいつを騙す!応戦も逃走もできないなら、ハッタリで押し通す!)

七音「私の能力は『七色の魔法』と言ってね。七つある能力の内、一つがランダムに発動するという能力なんだ」

七音「今発動したのは6番目の『道連れ』。誰かが攻撃して来たらそれに反応して、沼に沈めて殺す。ここに居る私ごとね」

七音「終盤に発動すれば牽制として使える能力だが……お願いだ。攻撃するのはやめてくれ。君もこんな序盤に脱落するのは嫌だろう?」

ラムダ「……何故そこから動かないんです?」

七音「6番目の能力は発動中、そこから動けなくなるという縛りがあるからだ」

ラムダ「……解除すればいいでしょう」

七音「三時間経たなきゃ解除できないんだ」

ラムダ(……三時間……今から三時間後にはもうイベントの時間。そこまでここに留まることは悪手だ。リカさんとの合流を優先させた方が良い)

ラムダ(だがそれは、この男が真実を語っていたらの話……!)

七音(怪しんでいる……それはそうだ。少し都合が良すぎる。でも……)

ラムダ「証……」

七音「証拠が欲しいなら、私の能力の紙を一部見せよう」

ラムダ「!」

七音(先に証拠を見せる意思を見せる……!実際はそんな証拠などないのだが、この姿勢が大事!『そこまで言うなら確認する必要はないだろう』と思わせるのだ!)

七音(とはいえ、あくまでこれはハッタリ!相手が『ならば言う通り見せてもらおう』と言えばその時点で瓦解!メッキが剥がれる!)

七音(お願いだ!騙されてくれ……っ!)

ラムダ(……ここは……)



『ディーヴァ・ラムダ』が取った行動は『下1』だった!

1.『加賀七音』を信じる!ここは退いてリカさんと合流だ!
2.『加賀七音』を信じない!ここは念のため証拠を見せてもらおう!

どっちだった!?1、2番のどっちか答えてね!下1だよ!
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/01(土) 16:32:25.91 ID:mJ1t/ZTZ0
1
200 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/12/01(土) 18:17:47.80 ID:KBC/wvsi0
ラムダ(ここは一度退いて、リカさんとの合流を優先しましょう)

ラムダ「……分かりました。それでは」タッ

七音(離れて行った……)

七音「っはぁー……」ホッ

七音(MPを30消費してしまったのは痛いが、何とか切り抜けられた……)

七音(よし、このまま宝石配りまで待機だ。今日こそ、私が勝利してみせる……!)
201 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/12/01(土) 18:18:22.08 ID:KBC/wvsi0
路地裏・付近



ラムダ「……僕です。リカさん」プルルル

リカ『す、すいません!昨日私、すぐ死んじゃって……本当にすいません!』ペコペコ

ラムダ「いえ、気になさらなくて大丈夫です。今日頑張りましょう……それから、僕の下に向かうのはやめて、そこから右斜めに移動してくれますか」

リカ『え?どうしてですか?』

ラムダ「その方向には別の参加者の反応があります。合流する前にぶつかる可能性があるので、そこから離れた場所を合流地点にしましょう」

リカ『は、はい!了解しました!』

ラムダ(今度こそ……彼女を死なせたりしない……!)
202 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/12/01(土) 18:18:53.29 ID:KBC/wvsi0
商店街



心『そこ動くなよ!』

アッシュ「はいっ!」

アッシュ(犬木心の位置は……ちょっと遠いな。合流まで少し時間がかかるか……?)

アッシュ(ラムダさんの位置は、俺達を避けるように動いてる。偶然か、それともわざとか……とにかく、合流前にぶつかることはなさそうだ)

アッシュ(田中星児も……動く気配はない。このまま無事に合流できそうだな)
203 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/12/01(土) 18:19:26.98 ID:KBC/wvsi0
公園



星児「三日目が始まったか……」シュンッ

星児(さて、どうするかな)

星児(レーダーで位置の分かるアッシュを狙いに行くか?……いや、結構遠いな。俺が着く前に犬木心と合流するな)パカッ

星児(あの弾丸を避けるのは容易いが……あれを逃げの手段とされるとちょっときつい。俺の短くなった『加速』とあいつの『弾丸』。どっちが先に切れるか……)

星児(まぁ、アッシュの方は耳潰すだけでいつでも勝てるんだ。精々他の奴らと潰し合ってもらうか)

星児(でもそうなると、他の奴らの居場所は分かんねぇし、下手に動くのは危険だ。もし『ワープ』『爆弾』が揃ってる所に出くわしたら……)

星児(……今日は宝石配りまで、ここでおとなしくしてるか)
204 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/12/01(土) 18:20:01.03 ID:KBC/wvsi0
ビル街



リカ「あれは……ラムダさん!良かったぁ……今日はちゃんと合流できた」

ラムダ「はい。良かったです……」

ラムダ(アッシュさんと心さんは……あっちも合流できたみたいですね)パカッ

ラムダ(そして動かない……宝石配りまで待機するつもりでしょうか。ならばこちらから襲う必要性も、有効性もなさそうですね)

ラムダ「リカさん。宝石配りまでここで待機していましょう」

リカ「はい。了解です!」
205 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/12/01(土) 18:20:27.55 ID:KBC/wvsi0
商店街



心「おーい!」ブンブン

アッシュ「……ふっ、来たか……」

心「田中星児は今どこだ?」

アッシュ「ん?結構離れた所で……動いてないな。おそらく宝石配りまで待機しているつもりだろう」

心「ラムダさんは……俺らとは関係ない所に向かってってるな。その方向に相方が居るのか」

心(俺らが合流する暇があったってことは、向こうももうすぐに合流するはず。あのチームが揃った状態で戦ったら……勝てるかどうか分かんねぇな)

アッシュ「ふむ。ここは宝石配りまで待機するのが無難だろう」

心「……まぁ、たまにはお前の言う通りでもいっか」
206 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/12/01(土) 18:21:01.70 ID:KBC/wvsi0
駅前



蝶「MPは……60」

蝶(『どこでもドア』を使えるのは後3回。しかもピストルも奪われて手元にない)

蝶(こんなことならあそこで横槍入れるんじゃなかったわね……もしかしてあの女の子、こうなることまで予想してたのかしら?)

蝶(とりあえず、他の誰かと戦える余力はない。かといって私以外にリーチが四人。明日に期待ってのは無理よね)

蝶(宝石配りで私が当たるのを祈って、そこから逃げに徹するのが一番かしら)

蝶(そうと決まれば、宝石配りまでここで待機するとしましょう)
207 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2018/12/01(土) 18:21:38.86 ID:KBC/wvsi0
三日目開始・現状



1.番井蝶

ポイント:1
M  P:60
登  録:なし
持 ち 物:なし



2.ディーヴァ・ラムダ

ポイント:1
M  P:125
登  録:『リカ』『犬木心』『アッシュ』
持 ち 物:スタンボム、ナイフ



3.リカ

ポイント:1
M  P:110
登  録:『ラムダ』
持 ち 物:なし



4.犬木心

ポイント:1
M  P:75
登  録:『ラムダ』『アッシュ』
持 ち 物:衝動のピストル×3(弾丸2+3+3発)



5.田中星児

ポイント:0
M  P:80
登  録:『アッシュ』
持 ち 物:ナイフ



6.アッシュ

ポイント:0
M  P:100
登  録:『ラムダ』『犬木心』『田中星児』
持 ち 物:衝動のピストル(弾丸6発)



7.加賀七音

ポイント:0
M  P:140
登  録:なし
持 ち 物:なし



そんなこんなでついに午後零時!『宝石配り』の時間に!宝石を受け取ったのは『下1』と『下2』だった!

1.くたびれ三十代『番井蝶』
2.中性金髪ロング『ディーヴァ・ラムダ』
3.臆病女子中学生『リカ』
4.男勝女子小学生『犬木心』
5.余命三年心臓病『田中星児』
6.ボーカル中二病『アッシュ』
7.くたびれ三十代『加賀七音』

誰と誰だった!?1〜7番から選んでね!下1と下2の二人に安価を取るよ!
(安価が被った場合、一人が二つの宝石を受け取った事にするよ!)
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