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バットマン「グランド……オーダー?」レオナルド「その3だね」
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802 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2022/03/12(土) 16:14:10.83 ID:LW5FqCKG0
ガウェイン(いかん、目をやられ……)ヨロッ
ヒュンッ
ガウェイン「ッ」ババッ、ガガァン!!
ヒュヒュヒュンッ
ガウェイン「チッ……」ガッギッギギギギィ、ギギィン!!!
レオナルド「……いや、目をつむった状態で弾きすぎじゃないかなキミ」
ガウェイン「五感を駆使して戦う。風切り音でどこへの攻撃かは分かります……」スッ
レオナルド「成程ね、やっぱり武人タイプってどうも苦手だ。ところでそろそろ目は治ったかな?」
ガウェイン「ご心配どうも。おかげさまでよく見えますよ」
レオナルド「ならキミ、自分の剣を見てみる事をオススメするよ。……まあ、もう遅いけど」
ガウェイン「……?」
吸着型爆弾「」ピッ、ピッ、ピッ……ピピピピピピピピピ
ガウェイン「……!!」バッ
ドッガガガガガガガァ……!!
803 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2022/03/12(土) 16:14:53.57 ID:LW5FqCKG0
レオナルド「今しかない! 撤退だ、マシュ、歩けるかい!?」
レッドフード「あの爆弾はクールだな、いいアイデアしてるぜ」
レオナルド「これでも生前は兵器の開発案とかも出してたんだ、多少はやれなくちゃね。さあ走ろう!!」
マシュ「くっ、ぐぅっ……!!」フラフラ
レオナルド「……さあ、掴まって! 走るよ!!」ガシッ
レッドフード「ああ、OK」
804 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2022/03/12(土) 16:15:21.39 ID:LW5FqCKG0
百貌「……先に行け!!」
レオナルド「へっ?」
百貌「山に行けば『ハサン達』が出迎えてくれる! さっさと行け!!」
レオナルド「き、キミは!? キミはどうするのさ!?」
百貌「……ッ……」チラッ
難民たち「「「……! ……!!」」」ザワザワ、ゾロゾロ
百貌「……まだ、避難が済んでいない……! まだここから退くわけにはいかん!」
805 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2022/03/12(土) 16:16:01.26 ID:LW5FqCKG0
レオナルド「……くっ、すぐに逃げないと……すまないが、こちらは離脱させてもらうよ!」
百貌「元よりそう言っているだろうが! さっさと行け!!」
マシュ「……っ、……」プルプル
レオナルド「……悪いけど、マシュ、ここは我慢してもらう。世界を救うには、私たちが生き残らないとダメなんだ。行くよ」ダッ
マシュ「…………」ズルズル……
爆煙「」モクモク……
部下A「ひゃ、百貌様……」
百貌「……行け。後は任せたぞ」
部下B「……はっ。お任せ下さい」ダダッ
部下C「おさらば……」ダッ
806 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2022/03/12(土) 16:16:41.16 ID:LW5FqCKG0
レッドフード「……チッ」ピタリ
レオナルド「っ、レッドフードくん!?」
レッドフード「悪いな、先に行っててくれ。俺は残る」クルリ
レオナルド「……それは……」
レッドフード「ブルースには俺の事は伝えないでおいてくれよ? 露骨に落ち込みやがるからな」
レオナルド「……分かった」
レッドフード「くくッ、ちなみに今のはジョークだ。じゃあな」ザッ
807 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2022/03/12(土) 16:17:08.85 ID:LW5FqCKG0
部下E「こっちだ! 全員行くぞ!!」
難民たち「「「……」」」ゾロゾロ……
部下F「その盾の少女は!? 負傷したのか!?」
レオナルド「いや、発作だ。復帰すれば戦力になるんだが、今は無理そう」
部下F「……こちらで抱える、お前は民衆を守る位置についてくれ!」
レオナルド「成程、それは助かるね……」
マシュ「……っ」ギリィ……
マシュ(……盾に、なるって、誓ったのに……! 今度こそ、守るべきものを……)
レオナルド「……行こう。託されたものを無駄には出来ない」
808 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2022/03/12(土) 16:18:11.74 ID:LW5FqCKG0
百貌「……」
レッドフード「よう。雨に降られた犬みたいな顔してるぜ」
百貌「黙れ。腹の立つヤツだ」キッ
レッドフード「そっちの方がいい顔だ。どうだ、勝算があって残ったのか?」
百貌「あると思うのか。さっさと逃げれば良かったものを、貴様まで何故残った?」
レッドフード「1人より2人の方が、時間稼ぎも捗ると思ってね……」
百貌「……」
809 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2022/03/12(土) 16:19:00.03 ID:LW5FqCKG0
百貌「……貴様が『初代様』の名を出した時」
レッドフード「……」
百貌「正直言って、安堵してしまった。ようやくこの戦も終わる、そう思ってしまった」
レッドフード「……」
百貌「だが、やはり、恥だな。私は自分の力不足を暗に認めてしまっていたのだ。『初代様』の力を借りねば倒せない相手だと、情けなくもそう思っていた」
レッドフード「……そうか」
百貌「今回、初代様が来られなかったのも……きっと私達を試しての事だろう。我ながら愚かな事だが、それでも」
百貌「それでも、あの盾の少女の真っすぐな瞳を見ていて、思い出したよ。私も、負けるわけにはいかない」
810 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2022/03/12(土) 16:20:14.61 ID:LW5FqCKG0
爆煙「」モクモク……ザアアアッ
スタ、スタ、スタ
ガウェイン「……どうやら、まんまと逃げられたようですね。正直に言って、侮りがあった事を認めざるをえません」
レッドフード「あっちは元気が余ってそうだぜ」
百貌「まだまだ。ここから時間稼ぎに付き合ってもらうとしよう」
ガウェイン「……彼らにはすぐに追手が出るでしょう。無駄な事は、おやめになるよう」ガシャリ
811 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2022/03/12(土) 16:20:43.14 ID:LW5FqCKG0
………………
バットマン「……」バサササササ……スタ
三蔵「ほわぁ……すごいのね。ていうか、ここ何処?」スタ
バットマン「アトラス院と呼ばれる施設の入り口だ。落とし穴から入ってきたが」スクッ
三蔵「なんていうか、妙な感じ……なんだかムズムズして……」
バットマン「……乱暴な入場になった。何かトラップが発動してもおかしくない、注意しろ……」
812 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2022/03/12(土) 16:21:10.60 ID:LW5FqCKG0
砂「」サラサラ……パラパラパラ……
洞穴「」シィ……ン
三蔵「……静かね」
バットマン「……静かだな」
三蔵「ねえ。気付いてる?」
バットマン「まあ、気付いていないと言ったら嘘になる」
三蔵「どうする?」
バットマン「つまり……そうだな。右を頼む」スッ
三蔵「じゃ、左は任せるわね」バッ
813 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2022/03/12(土) 16:22:21.40 ID:LW5FqCKG0
ブルースは……つまり、推測を重ねていた。アトラス院とは魔術のるつぼ。このように乱暴な入場を果たした存在に対し、罠が発動しないというのは通常、考えられない事だ。
ということは、罠が解除されている可能性が高い。解除されているという事はつまり、先客が居る。
そして、暗闇の中から息遣いが聞こえていた。複数。三蔵は躊躇の無い動きで闇へ向かっていく。複数の気配が身じろぎする。
バットマンはマントを翻し、手元を隠しながらバットラングを投擲した。目にも止まらぬ飛来物は、しかし、闇の中から伸びる刃によってすべて千々に切り裂かれ、地に落ちた。
三蔵の向かいの闇から、影が飛び出した。口元をマスクで覆ったその人物は、空中で回転すると、法師の首めがけて刀を振るう。
「ほっ」
三蔵は錫杖でこの斬撃をいなし、相手のみぞおち目がけて反撃の一撃を突き込む。空中で衝撃を食らったその人影は、柔軟に体を曲げると、素晴らしい身体制御能力で着地し、後転で距離を取った。
バットマンの向かいの闇からも一体、同じような人影が現れ、バク転で跳びすさる。そして法師と向かい合う影に並び立ち、刀を構えた。
その立ち振る舞いを見たバットマンは、眉をひそめる。彼にとって覚えのある集団の構えだ。
「……リーグ・オブ・アサシン?」
ピクリ。その名を聞き、2名の暗殺者たちはかすかに震える。三蔵は油断なく錫杖を構え、敵の実力を見極めようとしている。
「ここで何をしている。ラーズ・アル・グールの指示か」
「……民草ごときが、あのお方の名を口にするな」
ミシリ。刀の柄が握り締められ、軋む。
「奴は何を企んでいる」
「お前が知る事はない。死ね」
次の瞬間、2人の暗殺者は一斉に膂力を解放し、完璧な対の角度で刀を打ち込んだ。
814 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2022/03/12(土) 16:23:01.19 ID:LW5FqCKG0
破裂するような甲高い音の直後、二刀を受け止めた錫杖から火花が散った。三蔵法師だ。バットマンを庇うように割り込み、瞬時に二刀と拮抗状態を作る。
そして既にバットマンは斬撃の軌道上には居ない。彼は三蔵を跳び越え、2人の頭へとバットラングを投げつける。
暗殺者たちは同時に頭を傾けて躱し、似通った体捌きでするりと適切な距離へ逃れる。三蔵が一方を追い、黒い騎士は万全の構えでもう一方と向かい合う。
「……」
「……」
ジリリ。暗殺者が重心を落とし、バットマンは僅かに構えを変化させる。暗殺者のこめかみを脂汗が伝う。
「……私達を待ち伏せていた訳ではないな? 目的は何だ」
「……ッ」
一瞬の後、暗殺者が打ち込んだ。だが蝙蝠はこの一撃を完全に見切っており、手甲で刀を叩き下げると、逆の手で掌打を繰り出す。
暗殺者はこれを躱す……否。バットマンの手のひらから何かしらのスプレーが散布され、暗殺者の腹部へ付着した。
「ちっ……」
バックステップで距離を取ろうとしたその瞬間、暗殺者の腹部に付着したジェル状の『何か』は爆発。空気が歪むほどの衝撃でもって片割れを吹き飛ばし、壁に叩きつけた。
(やはり)
一方、バットマン。彼は超スピードの思考の中で、相手に打ち込んだ際の微かな違和感を反芻していた。
それはすなわち、『敵は魔力を帯びた存在ではない』という事だ。暗殺者たちの身のこなしは驚異的だが、しかしそれは人間にも可能な動きばかり。
証拠に、三蔵と戦っている1人は既に追い詰められ、壁を背に戦っている。もう5秒もあれば決着がつくだろう。
「……お前達は、この時代の人間だな」
「……」
「ラーズ・アル・グールは召喚された存在ではない。お前達も、元々ここに居たんだな?」
「……答える必要はない!」
語気も激しく言い返したアサシンはしかし、冷静だった。彼女らは同時に足元に煙玉を叩きつけると、一瞬の視界混濁に乗じて撤退を開始する。
「ブルース、見えてるけど追う?」
「……いいや、追うな」
煙が晴れる中で、バットマンと三蔵法師はアサシンが逃げて行った方を見つめ、しばらく構えて立っていた。が、彼女らが逃げ、戻らない事を悟ると、やがてその構えを解いた。
815 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2022/03/12(土) 16:23:53.03 ID:LW5FqCKG0
三蔵「なんだったのかしら、ホント! あれがもしかして忍者ってやつ?」
バットマン「あれは……まぁ、説明すると長くなるが……ともかく、殺人集団だ。今回は何のために動いているか知らんが、警戒するに越したことはない」
三蔵「因縁浅からぬ仲ってやつ? 大変ね〜」
バットマン「私にとっては見慣れた集団だ……連中にとっては、どうやら私は新顔のようだが」
三蔵「……んん〜? まあいっか。貴方がもっとあたしを信頼してくれた時にでも、分かりやすく話して!」
バットマン「……分かった」
816 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2022/03/12(土) 16:24:31.69 ID:LW5FqCKG0
三蔵「にしても、真っ暗ね〜。人間のあなたは結構進みづらいんじゃない?」
バットマン「平気だ」スタスタ
三蔵「そう?」スタスタ
バットマン「……」スタスタ
三蔵「……」スタスタ
バットマン「…………」スタスタ
三蔵「…………」スタスタ
バットマン「……音と足裏の……いや……夜目が利くんだ、私は」
三蔵「そうなんだ! 凄い事じゃない、闇も見通せるって便利ね」
バットマン「ああ。……お気遣いありがとう」
三蔵「どういたしまして。フフ」
817 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2022/03/12(土) 16:25:08.03 ID:LW5FqCKG0
三蔵「んん〜? ……なんか、水の音が聞こえるような……川でも流れてるのかしら?」
バットマン「水? ……地下湖でもあるのか……」
三蔵「ううん、違うの。なんか、そうじゃなくて…………ええっと、なんて言えばいいんだろ。もっと、ドロッとしてる何かって言うか……粘液? みたいなのが、流れてる音が聞こえる」
バットマン「粘液?」
三蔵「……ドロドロで、ブクブク泡が立ってて……なんだか、嫌な感じの音」
バットマン「……」
バットマン(通信機が健在なら、間違いなくドクターに解析を頼んだだろうが……一体、この地下には何がある?)
818 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2022/03/12(土) 16:25:36.45 ID:LW5FqCKG0
三蔵「変な遺跡ね。振り返れば、それまでに見えなかった大量の通路が見える」
バットマン「フェイクのチューブが、本筋に次々に合流する仕組みなのだろう。行きは楽で、帰りが難しい仕組みになっている」
三蔵「これ、大丈夫? 帰れるかしら?」
バットマン「安心しろ。スーツのコンピューターが常にマッピングを行っている」
ブルース(それに、私も記憶している……滞りなく地下へ数十メートル進めているはずだが、まだ底が見えないな)
三蔵「もしその鎧が壊れちゃったら、この錫杖を立てて、倒れた方向に進みましょ!」
バットマン「……まぁ、考えておこう」
三蔵「あ! その顔、あたしの運の良さを信じてないわね? ふふん、貴方もその時になったら御仏の導きを信じるようになっちゃうんだから!」
バットマン「……」
ブルース(まったく宗教的に込み入った特異点だ……)
819 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2022/03/12(土) 16:26:08.14 ID:LW5FqCKG0
バットマン「ひとつ訊いておくことがある、三蔵」
三蔵「ん? なぁに? 答えられる事ならなんでも答えちゃうわよー!」
バットマン「城に居る時だが……『ラーズ・アル・グール』という名前を聞いたことはなかったか?」
三蔵「ラーズ……レイシュの事かしら?」
バットマン「レイシュ? ……居るのか、その男が」
三蔵「ええ。城の中でも、かなりの上位に位置してて……見てた感じ、城主である『獅子王』、その補佐官である『アグラヴェイン』と同等くらいの力を持っていたと思うわ」
820 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2022/03/12(土) 16:26:42.40 ID:LW5FqCKG0
三蔵「普通に話している時でも、ちょっと怖いくらい目つきが鋭かったのを覚えてる。あ、そういう所は貴方に似てるかも」
バットマン「……私に似ている者が多いな……」
三蔵「ホントにそうね! でも、なんだか、ちょっと違ったと思う。……なんて言うのかしら。ぱっと感じるフィーリング?」
バットマン「……そうか。レイシュは、何か言っていたか」
三蔵「うぅん、城の騎士たちと同じよ。『人類を守る』って」
バットマン「……」
821 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2022/03/12(土) 16:27:19.08 ID:LW5FqCKG0
バットマン「……人類を守るのが目的なら、お前も残れたんじゃないか?」
三蔵「うーん……なんていうか、自分の居場所じゃないって感じがしたの」
バットマン「居場所じゃない?」
三蔵「うん。皆笑顔で、のびのびしてて、悪い人なんてひとりも居なかったんだけど……騎士さんに何か尋ねても『知らなくていい』『くつろいでいるだけでいい』って言われるばっかりだったから」
バットマン「……」
三蔵「くつろいでるの、嫌いじゃないけど……でもあたし、何かムズムズしちゃうのよ。だって、荒野が外に広がってるなら、その荒野にもくつろぎを届けたーい! って思っちゃうじゃない?」
バットマン「……まあ、分からない事もない」
三蔵「そういうコト! だってあたしはいずれ仏様まで成り上がる玄奘三蔵ですもの! ドーンと掌で人を救っちゃわなきゃね!」
バットマン「……フ」
ブルース(別のお人好しを思い出すものだな)
822 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2022/03/12(土) 16:28:27.05 ID:LW5FqCKG0
バットマン(それにしても、ラーズ・アル・グールがこの時代に居るとは……いや、不思議はないか。ヤツは不老不死だ。この時代も、ヤツにとっては通過した過去だろう)
バットマン(きっと我々と接触した事は報告が行く。その時、連中がどう動くか……。現代と変わっていないのなら、『デーモン』は未だ危険なテロ集団のハズだ)
バットマン(気を引き締めていかねばなるまい。そして、そんな組織と動きを同じくしている『城』の騎士たちも……やはり、危険と考えて相違ないだろう)
バットマン(……敵は多い。マシュも居ない今、どう動くのが最善だ……)
823 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2022/03/12(土) 16:28:54.42 ID:LW5FqCKG0
…………
「……、……」
「…………!! ……!! ……」
「………………!!!」
「……」
マシュ「……うぅっ……」ぴくり
824 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2022/03/12(土) 16:29:26.59 ID:LW5FqCKG0
レオナルド「!! マシュ、起きたかい!?」ダダダダ
マシュ「……ダヴィンチちゃん、ここは……」
レオナルド「起きたばかりで悪いが、撤退戦だ! 聖都から追手が来てる、しつこいったら……!」
マシュ「!! 追手……くっ、お、起きます!!」ヨロッ、グラァ……
825 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2022/03/12(土) 16:29:54.99 ID:LW5FqCKG0
騎士A「逃がすな!! 追え!!」ダカダッ、ダカダッ
騎士B「囲い込め!! 1人残らず殺すのだ!」ダダッダダッダダッ
難民A「ひ、ヒィィィッ」
難民B「お助けください!! 聖都にはもう関わりません!! どうか!!」
レオナルド「馬と人じゃ流石に機動力が違いすぎる……このままじゃ共倒れだ」ガシャリ
マシュ「ですが難民の方を見捨てるわけにはいきません! 私が出ま……!?」ヨロヨロ、ズシャァッ
マシュ(ど、どうして……意識があるのに、体が、動かない……?)
826 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2022/03/12(土) 16:30:25.60 ID:LW5FqCKG0
レオナルド「マシュ!? ……くっ、ガウェインとの戦いが負担だったのか……下がって! 全員下がるんだ!! 私がやる!!」
百貌の部下A「いや、我々もやれる!!」ジャキリ
百貌の部下B「百貌様がおられずとも、私達が……!!」カチャ
レオナルド「いいから下がるんだ!!! 騎士たちの中に強烈な反応がある、これは……ガウェインに、似て……」ポーン……ポーン……
ズバァッ
百貌の部下A「ぐっ……」ドシャリ
827 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2022/03/12(土) 16:31:13.87 ID:LW5FqCKG0
レオナルド「!? 何処から……」
ポロン♪ ポロンポロン♪
ズバァッ!
難民A「……え……」グシャリ
難民B「う、うわあああああああぐッ」ドシャ
レオナルド「……!!!」
「……トリスタン卿、貴公は右を。私は左を担当しよう」
「実に悲しい……彼らにとって、この死の音満ちる荒野が最後に見る光景とは。せめて、痛みは与えぬよう殺しましょう」
828 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2022/03/12(土) 16:31:56.47 ID:LW5FqCKG0
レオナルド(ここに、2人……サーヴァント! よほど我々の事を逃がしたくないらしいな、聖都の連中……!)
トリスタン「ランスロット。今回は、手を抜かないでいただきたい」
ランスロット「……何の話か分からないな、トリスタン。それよりも集中すべきだ。あのご婦人は、やるぞ」
レオナルド「くっ」ジャキリ
トリスタン「ふむ……呼吸の音、心拍、そして何よりもその怒り……危険な存在ですね、貴女は」
ランスロット「……」ガシャリ
レオナルド「……見逃してくれたりしないかな……って言っても無駄だよね、勿論」
829 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2022/03/12(土) 16:32:41.91 ID:LW5FqCKG0
レオナルド(トリスタン、ランスロット、ガウェイン……ここまでの敵は、どれも知っている。アーサー王率いる『円卓の騎士』のメンバーたちだ)
レオナルド(そして今、立ち塞がっているのは『ランスロット』『トリスタン』……ランスロットは円卓の中でも最も武勇に優れた者とうたわれる騎士。第1特異点でブルースが遭遇したものとは違い、理性があるようだ……厄介だな)
レオナルド(もう一方、トリスタンは……ハッキリとは分からないが、あの竪琴から危険な気配がする。先ほども、竪琴の音色と共に斬撃が発生していた……ように見えた。つまり、アレは……)
通信機「」ピピピピピ!!
ドクター『レオナルド、解析結果を伝える。ランスロット、トリスタン、どちらも霊基に異常が見受けられる』
レオナルド「異常?」
ドクター『どう形容していいのか……ランスロットも、トリスタンも、通常のサーヴァント以上の性能を持っている事は間違いない。そのうえで、ランスロットは霊基が拡張されている……セイバーというよりは、まるでルーラーだ』
レオナルド「成程……」
ドクター『トリスタンは……アーチャーだったのは分かるんだが、これも奇妙だ。霊基が……反転している、と言えばいいのか……ともかく、そこに居る騎士たちが、「通常の思考」を持っていると考えない方がいい。歪まされた存在だ』
レオナルド「了解。……まぁ、難民を襲う時点で普通の交渉は期待していなかったさ」
830 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2022/03/12(土) 16:33:34.35 ID:LW5FqCKG0
マシュ「……ぐ……うぅ……!!」プルプル
レオナルド「マシュ、今キミが復帰してもフラフラだろう。足手まといになりたくなかったら、そこでじっとしていること」
マシュ「……!!」
レオナルド「どーんと任せとくんだ! なんたって、私は天才なんだからね!!」ニッ
トリスタン「話は終わりましたか」
レオナルド「待っててくれてありがとう。……そうだね、そろそろやろうか」
ランスロット「……」ザシ、ジリジリ
百貌の部下B「……」ジリ
百貌の部下C「……」ジリィッ
831 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2022/03/12(土) 16:34:05.70 ID:LW5FqCKG0
レオナルド(カッコいいことは言ったけど、これじゃ勝負にもならないのが正直なところだな……霊基が拡張、反転してるだって? 敵の正体が分からないんじゃ、どうしようもない)
レオナルド(囲まれてる。……詰みか? ……ブルース、キミならどうした?)
トリスタン「……」ス……
レオナルド「!!」ガシャリ
レオナルド(竪琴を構えた! 来る!!)
832 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2022/03/12(土) 16:34:54.57 ID:LW5FqCKG0
ドガッシャァァァァァァァァ!!!! ゴシャシャシャシャシャシャァ!!!
レオナルド「!!!?」ビクゥッ
トリスタン「!!!」バッ
ランスロット「!?」ザザァッ
巨大な拳の痕が付いた鎧騎士「ぐ……」ゴシャシャシャシャ……ズシャ……
ランスロット「何者だ!?」
レオナルド「な……」
探知機「」ピピーッ!!ピピーッ!!ピピピピピピビビビビビビbbbbb
833 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2022/03/12(土) 16:35:39.55 ID:LW5FqCKG0
ドシリ、ドシリ。ドシリ、ドシリ。
834 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2022/03/12(土) 16:36:14.06 ID:LW5FqCKG0
ドシリ、ドシリ。ドシリ、ドシリ……
「フフフ……臆病者の匂いがするぞ、ここは……いずれ来る『破滅』に、抗いもせず引きこもる腰抜け共の匂いだ」
レオナルド「き……キミは……!」
マシュ「……!!!」
「それが自然の摂理とはいえ、悲しいものだな。騎士も、恐怖には抗えないらしい……」ドシリ、ドシリ。ドシリ、ドシリ……
ランスロット「……」ガシャリ
トリスタン「……」スッ
「安心しろ。俺は『やつ』のように残酷ではない……貴様らには、優しくしてやろう」
ドシリ!!!
ベイン「……さぁ、どちらから殺してほしいんだ?」
835 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2022/03/12(土) 16:37:16.74 ID:LW5FqCKG0
………………
ガウェイン「……貴方は、一体」ガシャ
百貌「き、さま……違う……違う……!! レッドフードでは、ない……!?」ドロォ
レッドフード?「……クックッ、ようやく隙を見せたなァ。ほんの少し弱らせたトコに、ほんのチョッピリ優しい言葉をかけられたくらいで、お前らは……」
泥「」グジュ……グジュル、グジュジュ
百貌「あが……ぐ……、こ、この、おぞましい……気配……貴様……違う、サーヴァントですらない……!?」ドロ、ドロォ
レッドフード?「へへ、苦しいかい? 分かるよ、キツイよなァ。最初だけさ、すぐに良くなる……俺から目を逸らすな……ウフフ、ここからがイイところだ……」
百貌「……!!」
百貌(ここまでか……この泥が、体を溶かす感覚……徐々に、心地よく感じ始めてしまった。浸食されている……)
百貌(……申し訳ありません、初代様。すまない、呪腕、静謐の……レッドフード、気付けなかった……これが、『お前ではない』という事に……)
百貌(……百の貌を持つ、私ですら……)ドロォ
ベチャッ
836 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2022/03/12(土) 16:38:32.52 ID:LW5FqCKG0
レッドフード?「……フゥ! コイツを片せたら後は怖いモノ無しだぜ」
ガウェイン「……」ガシャリ
レッドフード?「あン? ……へっへ、厄介な敵を倒してやったんだ、コイツの首を手土産に聖都に入れてもらえねえモンかね?」
ガウェイン「戯れを。王の選定なくとも、気配だけで伝わってきます。貴方は『純粋なる悪』そのもの……ここで滅すべき『敵』です」
レッドフード?「ひ、ヒヒヒヒハハハハハハ! そうだよなァ、バレるよなぁ。……しっかし酷えと思わねえか? 『レッドフード』は俺が先に名乗ってたんだ。パクり疑惑なんてのは、コメディアンにとっちゃ致命傷だぜ」
ガウェイン「……」
レッドフード?「……けどま、許してやるさ。他にもウケるネタは沢山抱えてる……そうだ、一つとっておきのジョークを教えてやろうか?」ガシィ、ズルリ
赤いヘルメット「」ドシャァッ
ガウェイン「結構です。貴方とは笑いのセンスが違いそうだ……!」ダッ
ジョーカー「ハッハハハハハハハハハ!!! 騎士サマってのはどいつもこいつもおカタいねェ!」ジャキリ
837 :
◆GmHi5G5d.E
[saga sage]:2022/03/12(土) 16:40:03.40 ID:LW5FqCKG0
今回の更新はここまでです。お付き合い有難うございました。
あけましておめでとうございます(震え声)
838 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/12(土) 18:46:18.68 ID:yNEfTzxCo
夜空に浮かぶシグナルは合図じゃない
>>1
乙だ
839 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/16(水) 22:02:10.37 ID:SZLjXS/U0
提督「嫌われスイッチ?」明石「はいっ」
http://hayabusa3.open2ch.net/test/read.cgi/news4viptasu/1427368381/
提督「嫌われスイッチだと?」夕張「そうです!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1428849410/
魔剣転生というスレの作者ですが、断筆する事に致しました。
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1602503948/
外野の反応に負けてエタった先人たち
彼らの冥福を祈りつつ我々は二の舞を演じない様に注意しよう
840 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/04/06(水) 11:16:03.28 ID:548vUPYH0
乙、やっと追いついたわ
エタった作品かと思ってたが、(3年ぶりとはいえ)最終更新は最近で良かった
面白いから最後まで書ききってくれることを祈る
841 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/06/26(日) 21:33:30.55 ID:AskqzvRg0
おー久しぶりに来てみたら!!
帰ってきてくれて嬉しいよ、のんびりでいいからまた書いてほしいな! 乙でした!!
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