バットマン「グランド……オーダー?」レオナルド「その3だね」

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690 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/05/10(金) 22:58:00.63 ID:RF0g7SSA0



ガガガガ……ピラッ

所長「……今回のレイシフト先を観測、シバのレンズも角度調整が完了しました。この観測結果によると、予想される脅威度はEXクラス。前回のアメリカ大陸は、AA+でした」

ブルース「……」

所長「非常に高濃度かつ多彩な性質の魔力が入り乱れており、今回もレイシフト後の環境については予断を許さないでしょう」

レオナルド「ブルースくんのスーツなら、調整すれば極限環境にも対応できるようになる。だが、問題は」

ドクター「……マシュ」

ブルース「……」


691 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/05/10(金) 22:58:37.30 ID:RF0g7SSA0



ブルース「……私個人の見解を述べるとするなら」

ドクター「……」

レオナルド「……」

所長「……」

ブルース「彼女は、やはり連れて行かない方が良いだろう。今回のレイシフト先で彼女が昏倒すれば、今度こそマシュは死ぬ。実力もまだ十分とは言えない。未熟な部分がある」

職員A「……」

職員B「……」

職員C「……」


692 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/05/10(金) 22:59:04.60 ID:RF0g7SSA0



ブルース「だが、戦力的な観点から言うなら、彼女を連れて行くべきだと私は思う」

所長「その理由は?」

ブルース「天秤にかけ続けてきた。彼女を連れて行くリスクと、連れて行かないリスクを。彼女はこれまで何度も死ぬような目に遭いながら、切り抜けてきている」

ブルース「……私も、戦えないワケではない。彼女が数瞬戦線を離脱したところで、それをカバーする程度の働きは出来る」

ドクター「……しかし、それは……」


レオナルド「んっん〜〜、ゴホン! ちょっとイイかな、私すっごく良い案思いついちゃったんだけど!!」


所長「あの、レオナルド……いますごく真面目な話をしてるから、そういうのは」

レオナルド「いやいやいや! なにさ、皆して辛気臭い顔してるけど、一人レイシフトできそうな人の事を忘れてませんか!?」

ドクター「?? どういう事だい?」

レオナルド「いやまあ、かくいう私もさっきまで忘れてたんだけどね!? どうよブルース、ちょっと聞いてみないか?」

ブルース「……話してみてくれ」



693 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/05/10(金) 22:59:44.19 ID:RF0g7SSA0



………………



マシュ「……」パチリ


マシュ(ここ、は……)キョロキョロ

マシュ(ああ、私、マスターと戦って……負けたんでした……)


扉「」コン、コン

マシュ「あっ……は、はい」


「マシュ、私だ。入るぞ」

マシュ「はい、どうぞ」

ガチャ


ブルース「……おはよう。体は大丈夫か」

マシュ「はい……身体は、大丈夫です」

ブルース「……」


694 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/05/10(金) 23:00:12.50 ID:RF0g7SSA0



ブルース「……見事な一撃だった」

マシュ「ですが、負けました」

ブルース「そう結論を急ぐことはない……少なくとも、今回はサポートが付いてくれる事になった」

マシュ「サポ……え? でも、召喚に必要な電力が足りないって……」

ブルース「その件は、解決した。……マシュ、恐らく私は、とても困難な道をお前に歩ませることになる」

マシュ「……」

ブルース「……私と共に来てくれるか。特異点を、ともに解決してくれるか」

マシュ「っ、はい!!!」


695 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/05/10(金) 23:00:39.67 ID:RF0g7SSA0



ブルース「なら、今日はもう休んでくれ。急ぐようだが、明日にはレイシフトだ。協議も済んでいる」

マシュ「分かりました!」

ブルース「ああ。……おやすみ」スタスタ

マシュ「……あの!」

ブルース「……どうした?」クル

マシュ「……絶対に、失望させません。信頼に応えてみせます」

ブルース「……疑っていないさ、マシュ」フッ


696 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/05/10(金) 23:01:23.28 ID:RF0g7SSA0



………………


ブルース「……」シュドッ、シュドドッ

サンドバッグ「」グラァ、グラグラ……

木人「」ガラララララ……


ブルース「……」シュタタタ、ドシュシュ、バシ、ドゴォッ


ブルース(マシュだけには頼れない。私が強くならねばならない)

ブルース(彼女に負担を強いて来たのは確かだ。強くあらねば)


ブルース「……」シュバッ、ゴギィ、バッシィ


ブルース(……少し前の俺なら、絶対にマシュを連れて行くことは無かっただろう。認めねばならない。俺は、揺らいでいる)

ブルース(問題は、何処までその揺らぎを認める事が出来るのか。信じるという意味と、依存するという意味は違う)


(((まともなフリをするなよ、バッツ! 俺達は化け物だ! ウフフフフッ、ゲームに他人を巻き込んで殺すのは良くない事だって習わなかったのか?)))


ブルース(……何故やつを思い出す)ドゴォッ


サンドバッグ「」バッギャァァァァ、ドシャシャシャァ……


ブルース「……」


カラン……カラン……


697 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/05/10(金) 23:01:53.42 ID:RF0g7SSA0




………………


所長「今回のレイシフト先は、13世紀後半のエルサレムです」

レオナルド「うわぁ、また宗教的に面倒な時期だし、場所だし……」


ブルース(エルサレム……また、ゲーティアと縁深い場所だな)


所長「ええ、とても厄介な時期よ。恐らく、第八、第九十字軍が遠征をおこなっていた年代の周辺です。戦火には十分に注意し、できるだけ介入を避ける事」

ブルース「了解した」

マシュ「はい!」

698 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/05/10(金) 23:02:21.84 ID:RF0g7SSA0



所長「レイシフト要員、分かったわね? では……」

職員C「待ってください。少し、知らせておきたい情報が」

所長「何?」

職員C「えっと、先程シバのレンズの焦点がかなり精確に絞られた時があって、少しだけ地表を見る事ができたのですが……観測結果によると、本来村や町があった場所には、大きなクレーターじみたものが出来ているようです」

ブルース「クレーター?」

職員C「はい、直径は……えっと、観測した限りでは、どれも5キロ四方ほどの」

マシュ「5キロ……」

ブルース「とてつもなく巨大な破壊エネルギーだな……」

職員C「何が待ち受けているかはまだ分かりませんが、この情報は耳に入れておくべきかと思いました。以上です」

所長「……分かりました。ブルース、マシュ、良いわね? いつでも防御に回れるよう、今回も気を付けておく事」

マシュ「はい!」

ブルース「了解した」


699 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/05/10(金) 23:02:55.87 ID:RF0g7SSA0



所長「では、レイシフト班への説明を終わります。9時までにコフィンへのスタンバイを終える事、良いわね! 次、サポート班!! ……」



ブルース「……初のレイシフトか?」

レオナルド「ああ、ワクワクしちゃうね! 未知を体験するのって快感だよ!」

マシュ「今回はよろしくお願いします、ダ・ヴィンチちゃん!」

レオナルド「こちらこそ! 色々と世話になるし、世話をする事にもなるだろうね!」

ブルース「頼りにしているぞ、メカニック」

レオナルド「私にお任せさ!」ドンッ


700 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/05/10(金) 23:03:23.09 ID:RF0g7SSA0



ブルース「……」ガチャガチャ、カチャリ

ブルース「……」カチャリ、ガシッ、スルッ


マスク「」


ブルース「……」スッ


バットマン「……では、あちらで会おう」

マシュ「はい。失礼しますね、マスター」ペコリ

レオナルド「うん、じゃああっちでね!」スタスタ



701 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/05/10(金) 23:04:11.05 ID:RF0g7SSA0



………………


ドクター「時刻、08:55。ブルース・ウェイン、マシュ・キリエライト、レオナルド・ダ・ヴィンチの三名がコフィンにスタンバイ完了」

職員A「存在証明式、スタートしました! 肉体の証明は順調です!」

職員B「電子機器類には異常なし! 電力量もクリア、ハッキングも無し!」

職員C「シバ、時代特定良好! レンズの角度固定!」


所長「では、エルサレムへのレイシフト、カウントダウンを開始しなさい!」

職員達「「「了解、カウントダウン開始!!」」」


ドクター(……よしよしよし。マシュのバイタルは正常、ブルースもレオナルドもオッケーだ……)

ドクター(隣にレオナルドが居ないの、なんだか違和感あるなぁ……不安だ……)

ドクター(……エルサレム、かぁ……)


ドクター「……」ソワソワソワ

所長「そわそわしない!!」

ドクター「はいぃっ!!」ビクゥッ

702 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/05/10(金) 23:04:43.29 ID:RF0g7SSA0



………………


バットマン「……」


ドクター『レイシフト10秒前! 9! 8! 7! 6! ……』


バットマン(……マシュは、私が守らねば)

ドクター『3! 2! 1!』

バットマン「……」グッ


『0』




703 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/05/10(金) 23:05:10.54 ID:RF0g7SSA0



………………


ギュォォォォォォオオォッ

ドサササァッ!!!


マシュ「くっ……」ムクリ

レオナルド「いたたた、あんなに乱暴に落とされるとはね。これは改良の余地ありかも……落ちた先が砂漠で助かったよ」ムクッ

マシュ「段々慣れてきました……マスター? 何処ですか?」キョロキョロ

???「俺の上から退きな……おい、お嬢ちゃん」

マシュ「え? は、はわ!? ごめんなさい!?」バッ

???「ったく、いきなり上から降ってくるとはな。洒落た登場だ、ブルースを思い出すぜ」

マシュ「ごめんなさい、人が居るとは……って、え? マスターを、ご存知なんですか?」

???「あ? お前、奴を知ってんのか?」


704 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/05/10(金) 23:05:38.21 ID:RF0g7SSA0



レオナルド「おや、早速味方を発見かい? こんな時にブルースは何処へ行ったんだか」

マシュ「えっと、ブルースさんは私の……相棒というか、何と言うか」

???「……ハン、アイツはまた相棒を変えやがったのか。節操のない男だぜ」

マシュ「そ、そういうアナタは一体」

???「俺? 俺は、そうだな……」


レッドフード「ひとまずは、レッドフードとでも呼びな」




705 : ◆GmHi5G5d.E [saga sage]:2019/05/10(金) 23:10:30.53 ID:RF0g7SSA0
今回の更新はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました。

今回のアンチヒーローの参考資料です

レッドフード

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%95%E3%83%BC%E3%83%89
706 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/11(土) 07:44:32.17 ID:yRVfvDI9o
バット次郎くんではないか!
707 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/11(土) 09:06:05.07 ID:4XK+QwuPO
ディックに恥ずかしい手紙送ったジェイソンじゃないか
708 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/11(土) 17:07:36.39 ID:aIjI05SA0
レッドフードいつ和解したんだっけ
709 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/11(土) 18:03:21.22 ID:36sP4kC+O
レッドフード&アウトローズの未邦訳話で和解したはず
710 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/14(火) 15:43:42.85 ID:Gk2GWiJA0
おっつ!!!
バットマンはいったいどこに……
711 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/24(月) 23:42:18.38 ID:VAzsXjno0
不穏だなぁ
712 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/26(水) 01:54:06.85 ID:mDkARzjl0
えたった?
713 :sage :2019/07/04(木) 23:17:21.91 ID:Ag8sWtj70
えたりましたお疲れ様でした
714 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/16(火) 02:51:28.56 ID:tq2R/duL0
おつかれっした
715 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/05(月) 10:55:07.33 ID:pqYaz+eQo
1スレ目から振り替えると、メタルが出たりホワイトナイトが出たり、いろんな事があったんだなぁ
いつかダークナイツが出てきそう
716 : ◆GmHi5G5d.E [sage saga]:2019/08/08(木) 16:06:18.85 ID:yywmM9fPO
更新が遅れて申し訳ありません。決して忘れているというわけではなく、今更ながら「キャラクターを私物化している」という悩みにぶち当たり、どうにかして解釈の補正を行おうと四苦八苦しています。双方のファンから不快に思っているという意見が出ているのを見ましたので、どうにか直したいです。もしお待ちくださっている方が居るなら申し訳ないです。
717 : ◆GmHi5G5d.E [sage saga]:2019/08/08(木) 16:29:38.36 ID:yywmM9fPO
すみません、気が変わりました。気にしないでいきます
718 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/08(木) 17:05:57.41 ID:mPKWwLQk0
そこは2次創作なんで好きにやってよろしいかと
719 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/08(木) 22:55:52.53 ID:XLwZRfXbo
真面目な話、既存のストーリーを元にしたオリジナル展開をやってる時点で、読者からの解釈違いを受けるのは避けようがないからね……
そこは好き勝手していいとまではいかなくとも、自分の納得出来る範囲でやればそれでいいと思う
720 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/08(木) 23:44:40.41 ID:VKDXRkAmo
あくまで二次創作な上に5chのSS板は自分の好きなものを好きなだけ書ける場所だからね
金とってるわけでも無いし嫌なら見るなで良いんですよ
721 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/08(木) 23:56:34.16 ID:tyAX0xPAo
バットマンしか知らんからfgoの元の話とどれぐらい差異があるかわかんねぇべ
722 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/09(金) 01:31:04.27 ID:9c3xRElD0
不快に思ってる人間もいるかもしれんけど
楽しみに待っている人間もいることを忘れんでくれ
723 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/11(日) 14:38:39.77 ID:Qipw4GTm0
待ってるやつはここにもいるゾ〜
俺はこのシリーズ好きだから続けてくれたら嬉しいなって
無論イッチの負担にならない範囲でね
724 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/08/12(月) 01:47:33.19 ID:5un44TpH0


………………

バットマン「……っぐ、む……」ムクリ


バットマン(……ここは。マシュは? レオナルドは……?)キョロ

バットマン(……まさか、はぐれてしまったのか。マシュを必ず守ると誓っておきながら、なんとも間の悪い)


バットマン「ともかく、ドクターに連絡を……」スッ

潰れた通信端末「」バチチチィッ、キュゥーン……

バットマン「……不幸は重なるとは言うが、全く」


725 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/08/12(月) 01:48:24.64 ID:5un44TpH0


バットマン(さて、困ったことになった。ここには私ひとり、他に頼れるサーヴァントはおらず、カルデア頼りだった探知器の類も使えない)

バットマン(……だが、諦めるには少し早い。周囲を観察し、状況を把握して最善の動きを取るとしよう)


バットマン「……」グルリ


荒野「」ヒュオォォォォォォオォォ……


バットマン(なんとも味気ない灰色の荒野だ。詩人がこれを見れば、『地獄』と形容するのだろう。……しかし、ここまでの荒れ地は……)

バットマン(雲の動きや温度から判断して、今は夏頃か。太陽は……南中する少し前。この風の吹き方は、近くに山でもあるな)


バットマン(……そして何より異常なのが、『アレ』だ)


726 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/08/12(月) 01:49:09.32 ID:5un44TpH0



巨大な城「」ズォォォォォォォォォ……


バットマン(……距離感が狂いそうだ。あんなに巨大な城は、少し普通ではないな)

バットマン(明らかに、エルサレム史上に存在しないものだ。まさか私だけ、おかしな場所にレイシフトしたというワケでもないだろう)


バットマン「……さて、どうしたものかな」


バットマン(ここからの行動候補、その1。城へ向かう。……いや、これは却下だな。危険が大きすぎる)

バットマン(行動候補、その2。集落を探す。事情聴取が可能で、さらにはマシュたちと合流できる可能性もある。ふむ、これは考えておいて良いな)

バットマン(行動候補、その3。……ここはエルサレムに近い。なら、『例の場所』も近いということだ。少し寄ってみる、ということも可能だが……)

バットマン(……いいや、どちらにせよ『あの場所』には戦力が不十分なまま行きたくはない。ここは行動候補その2に従おう)


727 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/08/12(月) 01:49:37.06 ID:5un44TpH0


バットマン「……」スタスタ

道「」

バットマン「……」スタスタ


バットマン(いかに荒野とはいえ、このように人の使っていた道の痕跡はある。辿っていれば、いつかは集落にたどり着くだろう)スタスタ


荒野「」ヒュオォォォォォォオォォォ……


バットマン「……」スタスタ……ピタッ


巨大なクレーター「」グオォォォォォォ……


バットマン「……」


728 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/08/12(月) 01:50:12.01 ID:5un44TpH0



バットマン(……これはまた、巨大なクレーターだ。ちょうど集落がありそうだ、と思った箇所をえぐるようにできている)

バットマン(こうして見てみれば、この荒野にはクレーターだらけか。……どうにも、このクレーターは『集落があったであろう』場所への攻撃痕にしか見えないな)

バットマン(つまり、誰かがこの特異点の集落を破壊しているということか? 何故だ?)

バットマン(まさか、前回の特異点のような戦争狂が居るのか? ……いや、まさかな)


バットマン「……」フム


バットマン(しかし、参ったな。このままでは事情聴取もままならない)

ザシ、ザシ。ザシ、ザシ

バットマン「……誰だ」スッ

???「お待ちを。敵意はありません。ただ、話をしたいだけなのです」

バットマン「……」ジリッ


バットマン(目深にかぶったフード。ブロンドの髪。片腕は……義手か?)


バットマン「……何者だ」

???「我が名はルキウス。放浪の旅人」

バットマン(偽名だ。……だが、この男から殺気が感じられないのは事実)


729 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/08/12(月) 01:50:39.17 ID:5un44TpH0


バットマン「……そうか、ルキウス。私はブルース・ウェインという」

ルキウス(?)「ブルース。質問をお許しいただけますか」

バットマン「質問はするといい。答えるとは限らないが」

ルキウス「……確かに、それもそうだ。いえ、その……この惨劇について、何かご存知ではないかと思ったのですが」チラ


クレーター「」グオォォォォォ……


バットマン「……残念だが、私も今ここに来たばかりだ。知っていることはあまりない」

ルキウス「そう、なのですね。時間を取らせてしまい、申し訳ありませんでした。これで失礼を……」


ガシャリ、ガシャリ、ガシャリ


鎧の騎士「」ガシャリ、ガシャリ、ガシャリ


バットマン「……!!」ピリピリピリッ


バットマン(肌に感じるほどの殺気。……これは)


ルキウス「っ、ブルース、下がってください。危険です」バッ

バットマン「馬鹿を言うな、ルキウス。お前こそ下がっていろ」ババッ


730 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/08/12(月) 01:51:06.05 ID:5un44TpH0



鎧の騎士A「」ガシャリ、ガシャリ……

鎧の騎士B「」ガシャ……

鎧の騎士C「」ガシャリ……

鎧の騎士D「」ガシャン、ギシィ……



バットマン「……囲まれたか」ジリッ

ルキウス「申し訳ありません、ブルース。悠長に会話していなければ、気付けたものを……」

バットマン「過去は過去だ。……ルキウス、腕に覚えはあるか」

ルキウス「多少は」

バットマン「なら、そちらの二人は頼めるな」

ルキウス「勿論。お任せを」

バットマン「では私はこちらの二人だ。いくぞ」バッ


731 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/08/12(月) 01:51:35.91 ID:5un44TpH0



ルキウス「ハッ!!」シュバッ

鎧の騎士A「!」ガッギャァァァ!!

鎧の騎士B「!!」ブオンッ

ルキウス「セイッ!!」ガギャギャッ、ヒュヒュンッ

鎧の騎士B「!?」ギャリリィ、ヨロッ

ルキウス「そこ!!」バババババババッ

鎧の騎士B「」ゴシャアアアアアドシャシャシャシャ……



バットマン(見事な剣さばきだ。あれほどの使い手となると、何処かの騎士か)


鎧の騎士C「っ!!」ブウン!!

バットマン「フッ、」トトッ

鎧の騎士C「……!?」ヨロッ

バットマン「……フンッ!!」ギュゴォッ

鎧の騎士C「っ」ドゴシャァァァァ!!

鎧の騎士D「!!」ズオォッ

バットマン「遅い!!」バッ

マント「」グワアッ

鎧の騎士D「!?」グラッ

バットマン「シィッ……」シュド、ド、ド、ドドドドドドドドドドドドッ

鎧の騎士D「っ、……」ヨロ、ヨロ……

バットマン「……リアッ!」ドッゴォッ

鎧の騎士D「」ドシャァッ


732 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/08/12(月) 01:52:06.29 ID:5un44TpH0



ルキウス「ふうっ」カチャリ

バットマン「……フゥー……」

ルキウス「驚きましたよ、ブルース。いえ、おこがましいと思われるかもしれませんが、まさかここまでお強いとは」

バットマン「お互い様だな。お前もすさまじい腕前じゃないか、一体どこの騎士なんだ?」

ルキウス「……それは、申し訳ありませんが、言えません」

バットマン「そうか。……なんにせよ、助かった。あの数相手に私ひとりは少しきつかっただろうからな」

ルキウス「ふふ、それは私もです。……私はもう行きますが、貴方の旅路が良いものでありますよう……」スタスタ

バットマン「……ああ。さらばだ」


バットマン(……謎多き騎士か。正体は一目瞭然のような気もするが、彼が露呈を望まないなら余計な口出しも不要だろう……)

バットマン(しかし、彼なら良い戦力になってくれると踏んだのだが。……彼には彼の目的がある以上、止めるわけにもいかないか)


733 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/08/12(月) 01:52:34.24 ID:5un44TpH0



バットマン(しかし参った。集落が無いなら、私もどこか適当な場所を見繕って……)


……ぃ〜〜〜〜や〜〜〜〜……


バットマン「……」


???「いやぁぁーっ、何なのよこの化け物! だからこの国って好きじゃないのよ〜〜っ!!」タッタッタッ

目玉の化け物「」スイスイスイスイ

目玉の化け物2「」スイスイスイスイ

???「ぎもぢわるいいぃぃ……!!」タッタッタッタッ


バットマン「……」


バットマン(誰かは知らないが、助けないわけにもいかん)グッ、ダダッ



734 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/08/12(月) 01:53:02.78 ID:5un44TpH0


………………

砂嵐「」ビュオォォォォォオォォォ……オォォォォ……


マシュ「な、なるほど……つまりマスターの相棒だった人なのですね?」スタスタ

レッドフード「ああ、そうさ。あっちの世界じゃ、そりゃあ仲の良い相棒だった」

レオナルド「うーん、なんだろうか。『仲の良い相棒だった』のところ、すっごい皮肉を感じたんだけど」

レッドフード「……へッ、どうだかな。アンタ、名前は?」

レオナルド「私かい? 私はレオナルド・ダ・ヴィンチ! あの天才さ、聞いたことない?」

レッドフード「まさか。聞いたことくらいあるさ、死刑囚をデッサンして有名になった趣味のいい画家崩れだろ?」

マシュ「あ、あはは……」

レオナルド「うーん、これはブルースに似た厄介コミュニケーション者と見た!」

レッドフード「悪いな、場を和ませようとした冗談ってヤツさ……」ククッ


735 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/08/12(月) 01:53:30.04 ID:5un44TpH0


レッドフード「にしても、急に虚空から出てきたのには驚いたよ。あれがレイシフトってやつか?」

レオナルド「おや、詳しいね。そうとも、あれこそ我らがカルデアの誇る技術、レイシフト! 調整とかはかなり大変だけど、自分で体験してみると案外楽しいもんだね!」

マシュ「……マスターと連絡が取れないのが心配ですが、大丈夫なんでしょうか」

レッドフード「あいつは殺しても死ぬようなヤツじゃない。心配なんてするだけ無駄な男だ」

レオナルド「ふふ、その意見には同意しそうになっちゃうなあ。まあ、この砂嵐の中に出てこなかったのは逆に幸運とも言えるかも……」


砂嵐「」ビュオオォォォォォォォォォォォ……ォォォォォォオオオオオ……


レッドフード「……なあ、頼みがあるんだが。万が一連絡が取れても、俺のことはあいつに言わないでくれるか?」

マシュ「え? な、なぜでしょうか?」

レッドフード「……なあ、人には人の事情ってモンがあるんだ。あいつの相棒だったとはいえ、決して仲の良い時期ばっかりじゃなかった。……頼むよ、話すのは直接会ってからだ」

マシュ「え……えっと……」

レオナルド「まあまあマシュ、いいじゃないか。そもそも現状じゃ、ブルースと合流しなきゃ連絡の取りようもないんだし」

マシュ「……それもそうですね」コクリ


736 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/08/12(月) 01:53:57.10 ID:5un44TpH0


砂嵐「」ビュオォォォォォォオオォォォ……


レオナルド「さて、しかしこの砂嵐にはまいったね。どうにかして抜けたいものだが」

レッドフード「参ってるのはこっちもさ。天才さんよ、秘密の道具でも発明してくれて構わないぜ?」

レオナルド「あはは、信頼してもらえるのは嬉しいけど、そもそも材料がないことにはね……っ、マシュ、レーダーに感あり。動体だ」

マシュ「え!? ……! き、聞こえます! 三時の方向から何か来ます!」ガシャリ

レッドフード「息をひそめろ。……おっと、こいつはさっそく狙ってたヤツが来たかもな……」カチャリ



737 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/08/12(月) 01:54:26.53 ID:5un44TpH0



???「むー! むーーー!!」モゴモゴ

???2「ええい、暴れるな! 全くこの砂嵐、息が詰まるような敵意を持っている……!」タタタッ

???3「……百貌様、前方に何か!」タタッ

マシュ「ストップ! 待ってください、少し話を……」バッ

???2「!!」ババッ、シュババババッ


ナイフ「「「「」」」」ヒュオォォォォォッ

マシュ「なっ」

レッドフード「退きな」バッ、タタタタタタァン!!


ナイフ「「「「」」」」ギャリリリィ、カララララァン……


レオナルド「ワオ、銃使いだったのかキミ。いい腕してる」

レッドフード「大したモンだろ? まあバットマンは喜ばねえけどな」

マシュ「あ、ありがとうございます」

レッドフード「ひとつ貸しだ、嬢ちゃん。しゃきっと立て、殺気くらいは感じ取れるだろ」

マシュ「は、はい!」

部下「百貌様、ご無事ですか!?」

部下2「おのれ何奴!?」

百貌「……? 貴様……レッドフード?」

レッドフード「……」


738 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/08/12(月) 01:55:01.61 ID:5un44TpH0


百貌「どういう事だ。ここで何をしている、レッドフード」

部下「……? れ、レッドフード様?」

部下2「なにゆえレッドフード様がここに?」

???「むー!! むーーー!!!」モゴモゴ

マシュ「え、え、えっ……ど、どういう事ですか? お知り合いですか?」

レッドフード「……あぁそう、そうだった、知り合いだ知り合い! 久しぶりだな、えぇっと……どの『ハサン』だったかな、お前は」

百貌「……いつもの冗談なのか、本気なのか、それとも……」チャキリ

レッドフード「おいおい、つれねえヤツだぜ。嬢ちゃんからも一言いってやってくれ……ああ、初対面だったか、お前ら」

マシュ「え、ええっと、……ど、どういったご関係です?」

レッドフード「仲間さ、分かるだろ。はは、城相手にレジスタンスやってたんだったか?」

レオナルド「ほう、城? というと、……なるほどね、砂嵐で視認しにくいが、向こうのアレか」


砂漠の向こうの城「」ズオォォォォォォ……


百貌「……貴様、本当にレッドフードか。だとすれば、牢の解放任務はどうした」ジリイ……

レッドフード「なんだ、知らないのか? 作戦の変更があったんだ。俺たちは今から聖都へ向かう」

百貌「何を馬鹿な……貴様、気でも狂ったのか?」

レッドフード「……ククククク、疑うのか?」カチャリ

マシュ「……?」ゾワリ

739 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/08/12(月) 01:55:30.49 ID:5un44TpH0


マシュ「ま、待ってください、とにかく仲間だという事で良いのですね?」

レッドフード「そう言ってるだろ、なあ?」

百貌「……仲間ではない。単に利害の一致から行動を共にしていただけだ」

レッドフード「へッ、つれねえやつだ」

レオナルド「うーん、まあ即座に殺しあう関係ではないってだけで十分かな。色黒アサシンくん、少し質問良い?」

百貌「……待て。貴様、そこの娘」

マシュ「……え? あ、わ、私ですか!?」

百貌「その盾の紋様……貴様、さては『聖都』の」


???「ムグ……プハッ! スフィンクスよ、此処へ!」ジタバタ


部下「なっ、こ、コイツ……申し訳ありません百貌様! すぐに黙らせます!」

百貌「な、何をやっている! 愚か者、召喚を許してしまったのか!?」

???「さらにホルスの名において……むぐぅっ!?」

部下2「黙れ!」ガシッ


百貌「ちいっ、なんと面倒な……!! 全員散開! 各々目の届く距離から離れず、異変を感じたら即座に知らせろ!」

部下1〜20「「「はっ!!」」」ザザザザザァ

レッドフード「おいおい、間抜けな部下をずいぶんたくさん抱えてるな?」

百貌「黙れ貴様!」

マシュ「ど、どうしたら……」

レオナルド「マシュ、レッドフード、私のそばから離れないように。ミニレーダーを持ってきた、今はこっちのほうが視界より有能だ」スッ



740 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/08/12(月) 01:55:57.49 ID:5un44TpH0



砂嵐「」ビュオォォォォォオオォォォォォオオオオオ!!!ビュゴゴゴオオオオオオオオオオオ!!!

部下4「くっ、こ、これでは視界も、聴覚も……!」ジリッ

部下5「い、いま何か動いたように……き、気のせいか」

百貌「くそっ、砂嵐がひどくなってゆく……貴様ら、これが終わったらゆっくりと話を聞かせてもらうぞ!」

レオナルド「それはどうも! 全く、こんな状況でもたくましいアサシンだね!」


レオナルド(全く状況は好ましくない。いや、最悪と言っていい。スフィンクスを、魔獣を相手にする、だって? それは幻獣の上位存在、竜種すら凌ぐ怪物だ。この人数でどうにかできるとは思えない……! 本来ならもっと装備を整えてから挑むべきなんだ)

レオナルド(……いいや、今は考えすぎるのは良くない。しっかりレーダーを確認して……)


マシュ「……!!」ピリピリピリッ


マシュ(殺気。来る)


マシュ「ダヴィンチちゃん!!!」

レオナルド「!? っ」

レーダー「」ポーン……ポーン……

レオナルド「ほんとに来た!? 二時の方向、そこのキミ気を付けて!!」

部下6「!?」バッ


741 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/08/12(月) 01:56:29.02 ID:5un44TpH0


砂塵「」ドバッサァァァァァァァァァアアアア!!

スフィンクス「ゴグガアアアアアアアアアア!!!」ルドッ、ドゴォッ

部下6「うわああ!?」ドシャッ

マシュ「ッ退いて!!!」バッ、ガギャアアアアアア!!!

スフィンクス「グググググググ……!!」ギャリギャリギャリギャリ……

マシュ「うぐぐぐうううううう!!!!!」グググググググ……

部下6「な、な、貴様……」ワタワタ


レッドフード「ほお! 助けるのか!!」

レオナルド「感心してる場合じゃないよ、加勢加勢!!」

レッドフード「あ? ああ、もちろんだ。人助けはイイことだしな」カチャ、ダタタタタタタタタ……


スフィンクス「ゴグッ、ガァァァアアアアア!」ドシュシュシュシュシュッ、ヨロォ

マシュ「ったああああああ!!」グイッ、シュドッ

スフィンクス「ッギ……!!」ヨロッ、ジリィ……

マシュ「お、重い……!?」ビリビリ

スフィンクス「グガアアアッ!!!」ガオオッ

マシュ「きゃっ!?」バッ

レオナルド「おっとぉ!」ガギイィィィィィ!!!


742 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/08/12(月) 01:56:57.78 ID:5un44TpH0


マシュ「あ、ありがとうございます、ダヴィンチちゃん!」

レオナルド「キミのサポートに入ったんだ、私だって戦えるさ! この万能の籠手でねっ!!」カチャッ、ブシューッ!!

籠手「」ガチャガチャァッ、ブシューゥゥゥゥ……!!!

スフィンクス「!? ッギアアァ!?」ジリィッ

マシュ「おお、かっこいい……!!」キラキラ

レッドフード「ほらよ!」タァン!!

スフィンクス「ギッ、ギアオオオオオオオ!!!」ダンッ!!

レッドフード「おっと、こりゃまずい」タタンッ、スルッ

マシュ「っ」


マシュ(レッドフードさん、かなり強い……! 通常時のジョーク多めの言動からは想像もできなかったけど、あの身のこなしは尋常じゃない!)


743 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/08/12(月) 01:57:26.99 ID:5un44TpH0


百貌「そらっ!!」ヒュオンッ

ナイフ「「「「」」」」ヒュオオオオオッ

スフィンクス「っ……」グササササッ

百貌「何をぼさっとしている! 動け貴様ら!!」

部下3「あ、は、はい!!」チャキリ

部下2「無論!」チャキッ

スフィンクス「グギギ、ギ、ギギギィ……」グググググ……ダンッ


部下4「っぐっ」ドサッ

部下2「えっ?」



744 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/08/12(月) 01:57:55.62 ID:5un44TpH0


マシュ「っ」


影「」ヒュンッ


部下7「ぐげっ」ドシャッ

部下8「あが……」ドッシャァ

百貌「! 全員下がれ、固まれ!! くそ、ここまで……っぐ!?」バッシィィィ、ズシャシャシャシャァ

部下9「百貌さm……うが!?」ドゴシャァ


マシュ「……!!」


マシュ(敵の動きがわかる。気が他に逸れたり、次にとびかかりやすかったりする対象を選別して、一番狩りやすい人から倒してるんだ)


レッドフード「おっと、コイツは面倒だな」チャキッ

レオナルド「いよいよスフィンクスも本気ってところか! 油断しないようにね!」ジリッ

???「……」モゴモゴ……ドヤァ

百貌「貴様、拘束されているくせにその得意満面の顔はなんだ!!」

レオナルド「ちょっと、漫才はあと!!」

マシュ「……」ジッ


マシュ(次はどう来る? 敵の考え。筋肉の動き。アレは疾風じゃない、スフィンクスだ。では次に来る場所は? ……違う、考えるべきなのはスフィンクスじゃない。視点を変えなきゃ)キョロッ

マシュ(味方を見なきゃ。あの人は注意散漫。だけどスフィンクスからは遠い)キョロッ

マシュ(あの人は警戒できてる。けど、砂嵐で視界が塞がれがち)キョロッ

マシュ(あの人は視野が狭まってる。肩に力が入りすぎなんだ)キョロッ


マシュ(考えて、マシュ。いま、一番狙われるのは誰?)キョロッ。キョロッ。キョロッ。キョロッ

マシュ(いま、一番、殺しやすいのは誰?)


レオナルド「まsy……!?」ゾワリ

百貌「……っ」ゾワアッ

レッドフード「……!!」ゾクゾク




745 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/08/12(月) 01:58:25.03 ID:5un44TpH0



影「」ヒュンッ

部下18「えっ……」

マシュ「ったああああああああああああああああ!!!!」ババッ、ガッギャァアアアアァァァアアア!!!

スフィンクス「ゴアアアアアアアアオオオオオオオオ!!!」ギャリリリリリリリィ!!!

マシュ「捉、えた……」グググググッ



レオナルド「うっそ、はや……」

レッドフード「……イイじゃねえか」

百貌「なんたる……」



マシュ「ぐぅぅぅぅうう!!!!」

マシュ(一撃を。この重い魔獣にも通用するような、強い一撃を!!)ググゥッ!!


ドクンッ!!

マシュ「っそこ!!!」ギュドドドォッ!!!

スフィンクス「……、……、……」ヨロ、ヨロロッ


マシュ「ッハアーッ、ッハアーッ……」ジリ、ジリィ


マシュ(……だめ、また一瞬だけ命を使ってブーストしてしまった。こんなのじゃ、だめなのに……)ヨロ



スフィンクス「グル、ロアァ……」ヨロ、ドシャアッ

百貌「……修羅か……」ジリッ

???「……!」モゴモゴ……ピタァッ


746 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/08/12(月) 01:58:53.63 ID:5un44TpH0



マシュ「はあっ……」スッ

レオナルド「す、すごいじゃないか、マシュ……」

レーダー「」ピピー!! ピピー!!

レオナルド「!? おっと、えっと、この反応は何だったかな……!?」

ドクター『もしもしレオナルド、聞こえるかい!? 聖杯反応がゆっくりとだが接近中だ、気を付けてくれ!』

レオナルド「おおっとマジ!? マシュ、レッドフードくん、百貌くん! ちょっと今いいかな……っていうか、この魔力反応ヤバいな……!! ちょちょ、その、説明の時間がないんだけど!」

マシュ「どうしたんですか、ダヴィンチちゃん!?」

レオナルド「聖杯持ちのサーヴァントだ! それも、素の魔力が規格外の怪物だよ!!」

レーダー「」ピピピピピピピ!! ピピピピピピピ!!



747 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/08/12(月) 01:59:27.14 ID:5un44TpH0



レッドフード「へえ、そいつは……ああー、不味いか?」

レオナルド「不味いね! 正直言って魔獣なんてメじゃないよ!」

マシュ「どどど、どどっ、どうしましょうか」フラ

レオナルド「……! 百貌くん、部下を下がらせて! 撤退の準備を!」

百貌「ちっ……! 全員、この場から退くぞ!」

部下1「し、しかし、負傷者たちが……!」

百貌「速度は下がっても構わん、互いにカバーして退却するのだ!」


マシュ「どうしましょうか!?」

レオナルド「彼らが仲間なら致し方ない。砂嵐がひどいが、我々がしんがりを努めつつ、極力聖杯持ちとの接触を避けて……」


ザシ、ザシ。ザシ、ザシ。


砂嵐「」ビュオオオォォォォォォオオオォォォ……ピタッ


レッドフード「……おっ、砂嵐がやんでくれたぜ。ジャストタイミングだな」

レオナルド「……あ、あー、……」

マシュ「……う……」ゴクリ

レッドフード「……ああ、まあ、そんな都合の良い話はないだろうよ……」



夕陽「」ジリジリジリィ……

ザシ、ザシィ。ザシ、ザシィ。

「まさかファラオを出向かせるとはな。暗殺者風情が、誇ると良い」ザシ、ザシ。ザシ、ザシ

百貌「……オジマンディアス……!!」

オジマンディアス「身構えるな。余は戦いに来たのではない。ただ、我がピラミッドの内にあるべきものを、取り戻しに来ただけのこと」ザシィ……


748 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/08/12(月) 01:59:59.01 ID:5un44TpH0



???「……」モゴモゴ……

オジマンディアス「そこに居たか、ニトクリスよ。いまその戒めを解いてやろう」スッ

百貌「させるな! 全員警戒を……」

???「ぷはあっ!!」ハラリ

百貌「な……」

オジマンディアス「『させるな』? 余になにをさせぬというのだ、影に生きる者よ。余は太陽だ。太陽の行いは当然、民を照らすかの如く絶対である」

百貌「くっ、て、撤退だ……!! ニトクリスは捨て置け! 全員撤退しろ!!」

部下1〜20「「「「はっ!!」」」」ザザザァッ


ニトクリス「も、申し訳ありません、ファラオ・オジマンディアス……」

オジマンディアス「頭を下げるな、ニトクリス。そも、このような事態は未然に防ぐのが余の役目。起きてしまったこと自体が不足なのだ」

マシュ「……」

レッドフード「ははは、こいつはまともじゃねえな。さっさと逃げるか?」

レオナルド「あ、ああ、何にせよ敵意はないようだ! 今の内!!」

マシュ「……はい!」ダッ



749 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/08/12(月) 02:00:28.01 ID:5un44TpH0



百貌「くっ、貴様らが現れてから歯車が狂ったのだぞ! きちんと説明しろ!! なぜここに居る、レッドフード!?」ダダダダダ

レッドフード「おいおい、俺は知らねえよ。けど、『山の』から直接命令が下ったらしいぜ?」タタタタッ

百貌「な、しょ、初代様からの……!?」

マシュ「え、えっと、全然話が把握できないのですが!」タタタタタ

レオナルド「うーん、察するに……キミたちはあのファラオたちと敵対してるのかな?」

百貌「……ファラオだけではないがな。とにかく、レッドフード、詳しく聞かせろ。作戦は?」



750 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/08/12(月) 02:00:56.29 ID:5un44TpH0


………………

オジマンディアス「……ふむ、しかし手ひどくやられたな。まさか我がスフィンクスがこうも痛めつけられるとは」

スフィンクス「……」ピクピク

ニトクリス「はい……恐ろしいほどの腕前でした。確かあの娘は、マシュと呼ばれていたようです」

オジマンディアス「ほう、マシュか! その名は知っている。ふむ、しかし……この弾丸は、なんだ?」

弾丸「「「」」」ポロポロ……ドロォ……

ニトクリス「……なんでしょうか。泥のように見えますが」

オジマンディアス「……まあ良い。玉座の間に戻るぞ、ニトクリス。そろそろ『首』も限界だ」ザッ、ザッ

ニトクリス「は、はっ! 重ね重ね、申し訳なく……」テテテッ

オジマンディアス「やめよ。ファラオは太陽の如く堂々としておればよいのだ。……無論、本当の太陽は余であるが」


オジマンディアス(……マシュか。その身にとりつく虫、厄介なものだ)

オジマンディアス(しかし、奴らがカルデアからの勢力なら……それなら、もう一人の黒猫の男はどこに居る?)


751 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/08/12(月) 02:01:24.15 ID:5un44TpH0


………………

バットマン「……さて」

目玉の化け物「」チーン

目玉の化け物2「」ピクピク

袈裟の女性「はあ〜、助かっちゃった……こう、目はイイんだけど、このにょろにょろがダメなのよね。あ、助けてくれてありがと! 命の恩人だわっ!」

バットマン「いや、大したことではない。……それよりも、こんな場所でひとり、何をしている」

袈裟の女性「あ、そ、それはその……えっと、ほんとは一人じゃなくて、弟子が居たんだけど。話すと長くなるんだけど、いい?」

バットマン「……聞こう」


752 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/08/12(月) 02:02:06.72 ID:5un44TpH0


………………

バットマン「……つまり、今の話を要約すると……お前は、あの『城』で賓客としてもてなされていた。それも約二か月」

女性「はい」

バットマン「だが、拘束された生活が嫌になったのと、この特異点の実態を探るために半ば無理やり抜け出してきた。これが一週間ほど前」

女性「その通りです」

バットマン「……その一週間の間に、放浪していたと。道中で弟子を取っていたものの、砂漠の砂嵐の中で怪物たちに襲われ、すぐに弟子ともはぐれた。そういう事か?」

女性「ぎゃてえ……だって、あんなにすごい砂嵐見たことなかったんだもの! 黄風大王だってあんなにひどい砂嵐を巻き起こさなかったし!」

バットマン「責めているわけではない……名前は?」

女性「あ、私? 私はね、玄奘三蔵っていうの! 今は仏典のオリジナルを持ち帰ろうと……」

バットマン「……玄奘三蔵? 『西遊記』の、三蔵法師か?」

三蔵「? ええ、そうよ? まあ、自分で『法師』なんて名乗っちゃうのはちょっとむずがゆいけど」

バットマン「……サーヴァントなのか?」

三蔵「……あぁ、そのこと。ええ、はい、確かに私は『召喚』されました。この地獄のような世界で目覚めたのは、半年ほど前よ」

バットマン「半年だと」


バットマン(半年も前だと……この特異点は、一体どこまで『進んで』しまっているんだ……)


753 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/08/12(月) 02:02:38.24 ID:5un44TpH0


三蔵「アナタは? なんだか、その、個性的な恰好だけど」

バットマン「私はブルース。ブルース・ウェインだ」

三蔵「へえ、ブルース・ウェイン! 変な名前……あ、ごめんなさい! 別に馬鹿にするつもりじゃなくて……」

バットマン「分かっている。この辺りではなじみのない名前だろう」

三蔵「うんうん、そうそう、それだけだから! うんうん、アナタっていい人ね!」

バットマン「……それは分からないな」

三蔵「分かります。これでもそこそこ長く御仏に仕えてきた身なんだから、言葉を交わした人間の人となりなんて見えてきちゃうものなの」

バットマン「それは……厄介だな。生きにくい」

三蔵「だから宣言します! アナタを私の一番弟子に……あれ? 二番弟子? まあいいわ、弟子にしてあげる!」

バットマン「……」


バットマン(正直に言って、このパターンは全く予測していなかった)


754 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/08/12(月) 02:03:06.09 ID:5un44TpH0


バットマン「そうか、法師の弟子にしてもらえるのは光栄だ」

三蔵「あ、はぐれた弟子も同じことを言ってたわ! そういえば、恰好もアナタとちょっと似てたかも……えっと、なんて名前だったかしら……」

バットマン「……私に似ていた?」

三蔵「そうそう、すっごく似てた。えっと、顔っていうか、雰囲気っていうか……なんだか物悲しげで、赤い兜みたいなのをかぶってて……そう、銃っていうのかしら! そうよ、銃を使ってたわ! 御仏的にすっごくNGだから叱ったんだけど、ぜんぜん聞いてくれなくて……」

バットマン「……」


バットマン(……いや、まさかな。まさか……)


755 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/08/12(月) 02:03:37.74 ID:5un44TpH0



三蔵「……〜〜だったんだけど、もう雰囲気がそっくり! まるで親子みたいね、アナタたち」

バットマン「そうか……他人の空似というヤツだろうが、そこまで似ているというのは面白い。ところで、先ほど助けた貸しを返してもらっても良いか」

三蔵「え? えぇ、構わないけど……何かしてほしいの?」

バットマン「ここからそう遠くない場所に、とある施設がある。そこへ共に来てほしい」

三蔵「しせつ? どんな?」

バットマン「『アトラス院』と呼ばれる……っ!?」ピリピリピリッ


バットマン(殺気……!?)バッ


スタ、スタ、スタ……


「……こんなところにいたのか。探したぜ、法師サマよお」スタ、スタ


三蔵「え? ……あ、あなた……」

バットマン「……三蔵、下がれ。危険だ」

三蔵「えぇっと、多分いまはサーヴァントじゃないキミの方が下がるべきだよね?」

「ああ? なんだてめぇ、余計なヤツまでついてやがるな……まあいいか、揃って首を取りゃいい話だ」スタ、シュリィィィィ……

バットマン「……変わらんな。なぜここに居る、モードレッド」

モードレッド「……なんだと?」チャキッ


756 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/08/12(月) 02:04:16.49 ID:5un44TpH0


………………

月「」シィィィ……ン

ザシ、ザシ。ザシ、ザシ

百貌「つまり、我々が門の前で騒ぎを起こしている間に、初代様が来て聖都に侵入してくださると?」ザシ、ザシ。ザシ

レッドフード「そういう事だ。要約が上手いな、さすがアサシン……いや、それは関係ないか」ザシザシ

百貌「無駄口が多いヤツだ。ともかく、そういう話なら最初から言え。……フン、私も前々からあそこのやり方は気に食わなかったんだ。民を避難させるついでになって良い」

マシュ「え、ええっと……つまり、どういう事です?」

レッドフード「あそこの城が見えるだろ、嬢ちゃん」


巨大な城「」ズオォォォォォォオオォォォ……


マシュ「は、はい。砂漠に居たときから大きかったですが、荒野に入ってからは見え方が大きすぎて距離感が狂いそうになります……」

レッドフード「あそこの城主様がそれはもう悪いヤツなんだ。人を殺してなんとも思わないサイコパスの集団がいる……おっと、悪いな。お前らのことじゃないぜ」

百貌「……分かっている」

レオナルド「うーん、対象物との距離……は、およそ5キロくらいかな? それでももうすぐ到着するよ、門があるならそろそろだ」

レッドフード「……まあ、実態は自分の目で確かめてくれ。かなり酷いからな……」プルプル

マシュ「……」



757 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/08/12(月) 02:04:43.49 ID:5un44TpH0


百貌「しかし、今日は『聖抜』の日なのか?」

レッドフード「おいおい、俺を誰だと思ってやがる。情報収集は抜かりなく、ブルースから学んだことさ」

マシュ「あの、すみません。その『聖抜』とは?」

百貌「……ああ。まず説明せねばならないのは、あの『城』の周囲には都が広がってるという事だな。それは『聖都』と呼ばれる街なのだが」

レオナルド「ほうほう、城下町ってところか。あれだけ立派なお城の周りの街なんだ、立派な都なんだろうね」

レッドフード「噂じゃ『理想郷』って言われるほどらしい。無いものが無いとか……へッ、誰が流した噂だろうな」

百貌「当然だが……いや、少し待て。到着したぞ」


758 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/08/12(月) 02:05:10.57 ID:5un44TpH0


人々「「「」」」ワイワイ……ガヤガヤ……

レオナルド「……ワオ。予想はしてたけど、やっぱり多いね。すごいな、まるでこの辺りに住んでた人々が皆ここに集まったみたいだ」

マシュ「うわわ、夜なのにすごい活気ですね……テントを張ってキャンプしてる人もいます」

レッドフード「ここも完全に安全ってわけじゃねえ。うろつく怪物に襲われることだってあるだろうに、もうここしかねえのさ。酷い話だろ」

百貌「全員、そのままでは目立つ。この外套をまとえ」スッ

マシュ「あ、ありがとうございます!」

レオナルド「おお、これはまたそれらしい服装だ」


759 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/08/12(月) 02:05:45.82 ID:5un44TpH0



マシュ「……そ、それにしても、こんなに人が居るなんて……」

レッドフード「大した話じゃない。生きる希望がここしかないのさ。砂漠の砂嵐はきついし、かといって荒野にとどまっていればいつかは干からびて死んじまう。狂ってるぜ、この世界も」

マシュ「……ひどい」

レオナルド「うーん、荒野にいくつかクレーターが開いているのを見たけど、アレは一体?」

レッドフード「……ああ、アレは『流れ星』さ」

レオナルド「流れ……?」


門「」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……


レッドフード「おっと」


難民A「おお……おお、聖抜が始まる……!!」

難民B「ありがたや、どうか『獅子王』のめぐみを、どうか……!!」

難民C「どけ! 俺が一番前に出るんだ!!」


百貌「……当然だが、その都に入れる者はそう多くない。あそこに入れる機会といえば、騎士共が『聖抜』と呼ぶ見定めを行う、このタイミングに限られる」スッ

レッドフード「飛び出すタイミングは?」

百貌「……どうかな。誰が出てくるかによる」

マシュ「え……?」

レオナルド「おっと、レーダーに反応あり。魔力を持った存在が出てくるぞ」


レーダー「」ポーン……ポーン……


760 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/08/12(月) 02:06:13.33 ID:5un44TpH0



太陽「」パアァァァ……


マシュ「っ、ダヴィンチちゃん、私の記憶では先ほどまで夜だったと思いますが」

レオナルド「うーんちょっとタンマ。……ああ、これは厄介な反応だな。『場』に影響を及ぼす魔力を帯びてる。強力だ」

レッドフード「ふーむ……ってことは」

百貌「ああ、ヤツだ。全員、待機しろ」

部下1〜20「「「はっ」」」ゾロゾロ



難民D「ど、どうなってるんだ? さっきまで夜だったのに……」

人々「「「」」」ザワザワ……


騎士A「」ガシャリ、ガシャン

騎士B「」ガシャン、ガシャン、ガシャン


「落ち着きなさい。これは、獅子王がもたらす奇蹟」スタ、スタ

「常に太陽の祝福あれ、と。我が王が、私に与えたもうた祝福(ギフト)なのです」



レッドフード「やっぱりアイツだ」

百貌「ガウェイン……!!!」

レオナルド「ガウェイン? それってあの『円卓の騎士』のガウェインで合ってるかな?」

百貌「ああ、そうだ。太陽が出ている間はまさに無敵じみて強い男……それを『獅子王』め、ギフトでヤツの周囲に常に陽の光を呼び出すようにしたのか……!」


マシュ「……??」ドクン


マシュ(なに、この、感覚……)ドクン、ドクン



761 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/08/12(月) 02:06:43.56 ID:5un44TpH0


難民E「よ、よかった、円卓の騎士、ガウェイン卿!」

難民F「やった! 聖抜が始まるんだ! 聖都に入れるんだ、俺たち!!」



マシュ「……っ」ピリピリピリッ

マシュ(殺気!? なんで!? どうして、何か、おかしい、私)ドクン、ドクン


レッドフード「いつ出る」

百貌「待て、もう少し……! 隙をさらした直後でなければ」

レオナルド「……っ、ああ、そうか。聖抜というのは、そういう事か……!!」



ガウェイン「皆さん。自ら聖都に集まっていただいた事、感謝します」

ガウェイン「人間の時代は滅び、また、この小さな世界も滅びようとしています。
主の審判は下りました。もはや地上のいかなる土地にも、人の住まう余地はありません」

ガウェイン「……そう。この聖都キャメロットを除いて、どこにも」


マシュ「……」ドクン、ドクン、ドクン

マシュ(ああ、だめ。そんな、それではダメだ。ガウェイン卿、そんなやり方をしては)ググッ


762 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/08/12(月) 02:07:12.93 ID:5un44TpH0


レッドフード「おい、まだか」

百貌「まだだ! 我慢しろ、もう少し隙を伺うんだ!」

レオナルド「……! マシュ?」

マシュ「……」ブツブツ……

レオナルド「……マシュ、どうしたんだ」



ガウェイン「我らが聖都は完全、完璧なる純白の千年王国。この正門を抜けた先には理想の世界が待っています」

難民G「噂は本当だったんだ……!!」

難民H「円卓の騎士……なんと神々しい……異郷の騎士だとしても、あの輝きは本物だ……」

ガウェイン「……ありがとうございます。ですが、あなた方を受け入れる前に……」

難民I「……なんだ? 門の上に、誰か立っているぞ……?」

ガウェイン「……我が王からの、見定めを受けてください」



門「」ズゥゥゥゥゥゥゥゥ……ン……


???「……」ジッ


763 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/08/12(月) 02:07:52.46 ID:5un44TpH0


???「……最果てに導かれる者は、限られている。
人の根は、腐り落ちるもの。
ゆえに、私は選び取る。決して穢れない魂。あらゆる悪にも乱れぬ魂。
……生まれながらにして不変の、永劫無垢なる人間を」


ガウェイン「……」

人々「「「……」」」


マシュ「……」ゾワァ

レオナルド「あ、アレ、は、ヤバい、レーダーが振り切れちゃってる」

百貌「馬鹿、黙っていろ……!」ダラダラ

レッドフード「……いつ見ても壮観だな、王サマってのは……」


???「……」ブゥン……

???「……残念だ、今回は一人たりとも居ない。ガウェイン卿」クルリ


ガウェイン「……は」


難民A「……え? あ、あの王様、何処行ったんだ……?」


騎士D「」ガシャリガシャリ、カチャ……


難民A「……え?」

騎士D「」ズバァッ

難民A「うぎっ」ドシャァ


764 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/08/12(月) 02:08:48.95 ID:5un44TpH0


難民B「う、嘘だろ!? 嘘、嘘だ!?」

難民C「う、うわああああああああ!! こ、殺しやがった、殺したんだ! ちくしょう、なんで!?」

難民D「理想郷じゃないの!? なんで、どうして……うッ」ドシャッ


騎士E「」ズバァッ、ズバン

騎士F「」ガシャリ、ガシャリ、ズバァ

人々「「「」」」キャアアアア!! タスケテクレ!! ダレカァ!!



レオナルド「やっぱりか! 奴らめ、『聖抜』で選ばれなかった人々をあんな風に……!!」

レッドフード「まだか」

百貌「まだだ! まだだ、ガウェインが隙を見せない……!」

レオナルド「……っ、マシュ!? マシュ、何処だい!?」

百貌「なに、あの小娘はこんな時に何処へ……!?」


765 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/08/12(月) 02:09:35.88 ID:5un44TpH0


ガウェイン「……」ピクリ、バッ


ガッギャァァアアアアァァァァァァアア!!


マシュ「……!!!」ギリギリギリギリギリ……!!

ガウェイン「……おや、貴女は」グググググ……

マシュ「サー・ガウェイン。今すぐにこれを止めてください」グググググッ

ガウェイン「……ほう」


タァン!!


ガウェイン「っ」ババッ、ガギャギャギャァ!!

弾丸「「」」ポロポロッ

レッドフード「お前なら飛び出すって思ってたぜ、嬢ちゃん」カチャリ

百貌「全く、なんという事をしてくれたのだ貴様……! 目先の犠牲を止める事だけにとらわれたか!? コイツがどれだけの強敵か分かって……」

レオナルド「はいはい、責任探しはあとだ! 今はどうにかこの虐殺を止める!」

百貌「言われなくともわかっている! お前たち!」


部下1〜20「「「はっ!!」」」ゾロゾロッ

百貌「民たちを山へ誘導しろ! 一人でも多く逃がすのだ!」


766 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/08/12(月) 02:10:05.34 ID:5un44TpH0



ガウェイン「……なるほど、では貴方たちが噂に聞いていた『レジスタンス』の者ですか」

百貌「残念だがここまでだ、騎士よ。初代様が来る」

レッドフード「フン、まあ年貢の納め時って事だ」

ガウェイン「……? 失礼、貴方はどこかで?」

レッドフード「……ククッ、どうかな?」

ガウェイン「……」


マシュ「サー・ガウェイン。なぜこのような事をしているのです」

ガウェイン「それが我が王の望みなれば。そこに疑問をさしはさむ余地はない」

マシュ「民を守ってこその騎士だったはずです!」

ガウェイン「もはや死んだ人理の中、人を守る方法はこれしかない」

マシュ「……どういう事ですか」


ガウェイン「さて、貴女が知る事ができるでしょうか……」ガチャ、チャキリ

767 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/08/12(月) 02:10:33.18 ID:5un44TpH0



レオナルド「マシュ。何があったのかは分からないが、アレは敵だ。警戒するんだ」

マシュ「……はい」ガシャリ

ガウェイン「私の前に出たからには、相応の覚悟を示していただきましょう。どうか剣の一振りで倒れる事のなきよう」ジリッ

レッドフード「賭けるか? 俺は5回耐えられると思うぜ、30ドルだ」

百貌「黙って警戒しろ! アイツの実力は本物だ!」

ガウェイン「では、行きましょうか」ダッ



768 : ◆GmHi5G5d.E [saga sage]:2019/08/12(月) 02:11:54.15 ID:5un44TpH0
今回の更新はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました。

また、読んでくださっている方にこのような情けない愚痴を吐いて申し訳ありませんでした。今後は無いように努めます。
769 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/12(月) 12:30:36.85 ID:KN0p6jFpo

これからも楽しみに読ませてもらうわ
770 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/13(火) 15:10:32.59 ID:PyyDZ7fUo

アメコミ勢から誰が出てくるのかとてもとても楽しみにしながら読んでおります
771 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/13(火) 19:59:11.14 ID:pox4kIwZ0
おつおつ!
レッドフードさんが何だか不穏な感じ?
レイシフト開始から別行動って何が起こるかわかんなくてわくわくするな〜これからも楽しみに待ってます!
772 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/15(木) 10:39:17.78 ID:JyMV3ApO0
このジェイソンのりのりだな
773 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/15(火) 23:36:57.81 ID:TCef99+ro
やっぱFateのマスターは少しぐらい頭おかしい方が面白いな
774 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/30(水) 21:36:17.89 ID:xM/yOAD00
待ってる
775 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/17(月) 18:45:44.90 ID:tOfrfu1uo
CIA職員「んほぉ〜〜この娘を持って心が和らぎ始めたバッツたまんねぇ〜」
776 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/05/23(土) 22:01:42.27 ID:m+I2YS33O
待ってます
777 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2022/03/12(土) 15:59:48.33 ID:LW5FqCKG0

………………

ピッピッピッ……クオォォォォォォオン……


所長「……」

ドクター「……」ソワソワ……

職員A「……」ハァ

職員B「……」キョロキョロ、ソワソワ

職員C「……」イライライライラ

所長「それで、ブルースの位置は。特定できたの」


778 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2022/03/12(土) 16:00:19.56 ID:LW5FqCKG0


職員C「いえ、その……いまシバのレンズを最大限に活用していますが、しかしそもそも特異点をそのまま映すというのは非常に負担が大きく……」カチャカチャカチャ、タン

所長「そう」

職員C「……えと、その……できうる限りの努力はしていますが、この特異点は大気中の魔力の濃度が高く、これ以上焦点を合わせてしまうとレンズが耐え切れず割れる危険性があり……その、今のところ、全く成果が無いというのが現状です」

所長「ふむ……」

ドクター「……ブルースくんのスーツから送られてくるバイタルサインに問題はない。生きているようだ。……だが、先ほどから何度か交戦を示すシグナルが送られてきている。マシュとはぐれて、一人で戦っているのかもしれない」

所長「……」

所長(ムードメーカーであるレオナルドが居ない今、私がシャキッとするしかないのよね。……いえ、そもそもこれは所長である私の役目だわ)


779 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2022/03/12(土) 16:00:48.01 ID:LW5FqCKG0



所長「……全員、聞いて」

職員A「……?」

職員B「は、はい」ソワソワ、クルリ

職員C「……」イライライラ

ドクター「……」

所長「ブルースが心配なのは分かります。けど、お通夜みたいな雰囲気になるのは良くないわ。気を引き締め直して。我々のサポート如何で、彼らの生死が決まるのよ」

職員A「……」

職員B「……すみません」

職員C「で、でも……」

所長「自分のチームを信頼しなさい。ブルースやマシュ、レオナルドはこんな事では絶対に負けないわ」

職員C「……」


780 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2022/03/12(土) 16:01:17.22 ID:LW5FqCKG0



職員A「……なあ、大丈夫か」

職員B「え、ブルースさん? 大丈夫でしょ、あの人が参ってるところなんて想像できないし……」ソワソワ

職員A「違う、お前だよ。さっきから、何度も爪を噛んでる。冷静じゃないんだろ」

職員B「……だって、心配だし……」

職員C「……」

職員A「……なあ、お前も。大丈夫か?」

職員C「え? ああ、大丈夫。俺は平気だから……」

職員A「……」


781 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2022/03/12(土) 16:01:43.78 ID:LW5FqCKG0


職員C(……最初はイカれ野郎だと思ってた。猫の仮装して世界を救う? よっぽどの狂人か、あるいは誇大妄想にとらわれた馬鹿野郎だ)

職員C(……でも、だんだんと、あの人の事がわかっていった。わかってしまったんだ。ブルースさんはいつだって本気で、俺たちの事をずっと見てて、冗談が下手で、心配性の男なんだ)

職員C(くそ、なんでこうなった。諦めて、死にゆく世界で、気楽に最期を迎えられたらってずっと思ってたのに。焼かれた世界で、人の心配をするなんて)


職員C「……無事で居てください、ブルースさん……」カタカタ、カタカタ、タンッ


782 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2022/03/12(土) 16:02:14.25 ID:LW5FqCKG0



………………


バットマン「……私の事を覚えていないのか、モードレッド」

モードレッド「はあ? 何言ってやがる、初対面だろうが。覚えてるもクソもあるか」

三蔵「ブルース、下がって。あの子、すっごい魔力を秘めてる」

モードレッド「へッ、城に居る時は気に食わなかったが、なかなかどうして……こうして殺す気で向かい合ってそのツラ見ると、悪くねえ顔してるじゃねえか。覚悟ができてやがる」

バットマン「なぜだ。なぜ殺す。誰に命令された」

モードレッド「てめぇは正反対だな! 何かを殺す覚悟もねえツラしてやがる! ムカつくぜ、前に会った時も……ぐうっ!?」ズキン

バットマン「……『前に会った時』?」

モードレッド「う、うぐ、頭、が……畜生てめえ、何しやがった……!?」ヨロッ

バットマン「……???」

783 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2022/03/12(土) 16:02:41.28 ID:LW5FqCKG0



(((行け。世界を救ってこい)))

(((……私も、お前達と共に戦えるのは光栄だ)))

(((恐怖に飲まれるな)))


モードレッド「……くうっ、誰だ……てめえ……誰だ、てめえは!!?」ヨロヨロッ

バットマン「……」


バットマン(何が起きているかは全くの不明。だが、チャンスに違いない)


バットマン「三蔵、こっちだ」

三蔵「えっ?」

バットマン「逃げるぞ」ダッ

三蔵「え、え、ちょっちょっと!?」ダダッ

モードレッド「……! てめ、待て!!!」ダンッ


784 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2022/03/12(土) 16:03:08.08 ID:LW5FqCKG0



バットマン(ルート取り。山の方角、星座の位置から判断して、西南西へ向かうこのルートが最も『近い』)


三蔵「どこに向かってるの〜!?」タッタッタッタッ

バットマン「アトラス院。迷宮だ、ヤツを撒くにはちょうど良い」タタタタタ


バットマン(しかし、砂で足が取られる……)


モードレッド「この野郎、逃げるなんてそれでも男かてめえ!! 真っ向から向かってきやがれ!!」ダダダダダッ


バットマン(無茶を言うところも全く変わっていない。アレは間違いなくモードレッドだ)


785 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2022/03/12(土) 16:03:44.62 ID:LW5FqCKG0



バットマン「フッ!」シュパパパッ


バットラング「「「」」」ヒュオオオォォォオッ!!!


モードレッド「こんなもんっ……!?」ガギギギィッ、プシューーウゥゥゥゥゥ……

煙幕「」モクモク……

モードレッド「な、なんだ!? 煙!? げほっ、くそっ、なんだコレ!?」


三蔵「ええ、何あれ何あれ! 面白い事になってるじゃない!?」

バットマン「バットラングにスモークペレットを混ぜて投げた。剣に貼り付いて、しばらくは視界を曇らせる……それより走れ」ダッ

三蔵「あ、ちょっと待ってって!」タタッ


786 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2022/03/12(土) 16:04:12.25 ID:LW5FqCKG0


モードレッド「げほっ、くそっ、きたねえ搦め手使いやがって……!」ズキン


モードレッド(クソっ、なんなんだ! 頭がいてえ……!! 何か、思い出しそうな、気がする……)


(((お前の行動が士気を乱すものになると言っている)))

(((私が気に食わないだけか?)))

(((何か異論があるなら聞くが)))


モードレッド(……なんだか無性に腹が立ってきやがった。あいつ、さては相当なクソ野郎だな……??)


モードレッド「……ぶっ殺してやる!!」ダダンッ、ダダダダダダ


787 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2022/03/12(土) 16:04:48.30 ID:LW5FqCKG0



三蔵「ねえねえ、他には!? なんだか神器みたいで貴方の道具がすっごく気になるんだけど!」タタタタッ

バットマン「神器ではない。これはユーティリティベルトと言って、私の活動を補助してくれる道具が多く納められており、」ダダダダダ……

三蔵「うーん? 難しいのね? あ、この玉は!?」スッ、カチャ

バットマン「!! 何を、今すぐ投げろ! 危険だ!」

三蔵「えっえっ、ええぇ!? えいっ!」ポイッ


球体「」ヒュゥゥゥゥウ……ドッガァァァァァァアアアアアァァァァン……


モードレッド「ぐわああっ!?」ゴオオッ


三蔵「えええ!? なにあれ、すっごい爆発!?」

バットマン「……アレはスーツ越しでも自決できるようにしていた爆弾だ……!!」


バットマン(なんという事だ、もしもの事態に備えてカルデアに秘密で少しずつ作成していたというのに……!)


三蔵「自決!? いけません、自殺なんて御仏的にNGもいいところよ!!」

バットマン「ああ、そうかもしれんな……」


バットマン(……これで情報を引き出されそうになった場合の最終防衛手段は無くなったか。自分を信じるしかないのは、少し心細いものだ。いや、心細すぎる)


三蔵「……なんだか貴方って、結構捻じれてる?」

バットマン「法師のカウンセリングか? またあとにしてくれ」ダダダダダッ


モードレッド「野ッ郎、爆弾やら煙幕やら卑怯くせえ!!!」ブチィッ


三蔵「うわあああああん、ごめんなさーい!? わざとじゃなかったのよ!!」タタタタタタ


788 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2022/03/12(土) 16:05:25.40 ID:LW5FqCKG0



モードレッド「逃がすか、この野郎……!! 『是こそは、我が父を滅ぼせし邪剣』……」シュゴォォォォォォォォォオォォォ……


バットマン(いかん!!)


バットマン「三蔵、掴んで引けっ!!」バッ、シュポッガシッ

三蔵「え!? え、は、はいっ!!」ガシッ



モードレッド「ッ『我が麗しき父への叛逆』(クラレント・ブラッドアーサー)!!!」ゴゴゴゴオオオオオォォォォォォォォォッ!!!


バットマン(ここだ!)グィィィッ


ゴオオォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!


789 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2022/03/12(土) 16:05:54.78 ID:LW5FqCKG0



パラパラパラパラ……


モードレッド「……いってえ……!!」ギチギチギチギチ


ロープ「」ビイィィィィィィィィィ……ン


バットマン「……!!!」ギチギチギチギチギチ


モードレッド(くそったれが、放出の寸前に肩に何か撃ってきやがった……!?)ギチギチギチギチ

バットマン(どんな大砲も、発射前に砲の向きを変えれば無力。グラップネルガンは改良してある、ロープもそうそう千切れはしない……!)ギチギチギチギチ


バットマン「三蔵、タイミングを合わせるんだ。激突から5秒後で良い、地面を叩け!!」ギチギチギチ、グイィィィッ

三蔵「なんだか分からないけど、了解ッ!!」グイィィィンッ


モードレッド「っちくしょ……!?」ヨロォッ


バットマン「フッ」ダンッ、フワアッ


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