【ミリマス】甘々妹琴葉ちゃん

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110 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/19(月) 22:57:24.11 ID:KfBCWo740
―――――

P「はぁ……」ドヨーン

所恵美(以下、恵美)「どったの?今日ため息ばっかついてない?」

P「あぁ……ちょっと妹とケンカしてな」

恵美「珍しいね?いっつも仲良さそうなのにさ」

P「はは……なんか変な事聞いてくるとは思ったんだけど」

P「まさか、あそこまで怒るとは思ってなかった……」
111 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/19(月) 22:57:58.14 ID:KfBCWo740

恵美「何聞かれたの?」

P「……『キスした事はあるか?』だと」

恵美「へぇー……」

P「……なんだよ」

恵美「また、シちゃう?」ニヤッ

P「あのな、アレは偶然で——」

恵美「もー、照れなくたって良いのに♪」ニコニコ

P「からかうなよ、慣れてないんだって……」

恵美「アタシはいつでも準備オッケーだからね、プロデューサー♪」
112 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/19(月) 22:58:27.61 ID:KfBCWo740
―――――

琴葉「兄さんが……あの兄さんが……」アワアワ

学生女「イインチョ、どったの?なんか悩んでるみたいじゃん」

琴葉「貴女は、昨日の……」

学生女「あんま悩むとシワ増えるよ?」

学生女「せーっかく美人なのが台無しだって」

琴葉「そ、そうかな……」
113 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/19(月) 22:59:18.78 ID:KfBCWo740

学生女「で、何悩んでたん?」

琴葉「……一つ、聞いても良い?」

学生女「良いよー、なに?」

琴葉「その……き、キスってどうするのかなって」

学生女「……へっ?そんなのチューってすれば良いだけじゃん」

琴葉「そ、それはそうなんだけど!」

学生女「なになに?イインチョ、好きな人とかいんの?!」ニヤニヤ

琴葉「違うわよ!きょ、興味があっただけ!」

学生女「なーんだ……つまんないの」
114 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/19(月) 22:59:46.79 ID:KfBCWo740

学生女「って事はアレ?きっかけとか?」

琴葉「そ、そう!」

学生女「うーん……そういう事意識した事ないしなー」

学生女「イインチョに出来そうなのというと……あっ!」

琴葉「……あるの?」

学生女「あるよー!ちょっとズレちゃったけど」

琴葉「……?」
115 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/19(月) 23:00:49.24 ID:KfBCWo740
―――――

P「……琴葉にどうやって謝ろうかな」

P「つっても、いつまでも気まずいのは困るし……」

P「……よし!」

ガチャリ

P「ただいま!」

琴葉「おかえりなさい、兄さん!」ニコニコ

P「……あ、あれっ?」
116 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/19(月) 23:01:15.65 ID:KfBCWo740

琴葉「どうかしたんですか?」

P「い、いや……」

P「お、怒ってないのか……?」

琴葉「……ちょっとは怒ってますけど」プクー

琴葉「後で試したい事あるので付き合ってもらっても良いですか?」

P「い、良いよ……?」

琴葉「……よしっ」グッ
117 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/19(月) 23:01:52.19 ID:KfBCWo740
―――――

P「それで、何をしようっていうんだ?」

琴葉「はい、これです!」スッ

P「……ポッキー?」

琴葉「はい!ポッキーです!」

P「……食べたかったなら、言ってくれれば買ってきたぞ?」

琴葉「違いますよ、私そんな食い意地張ってません!」ムゥ

P「そんな必死に否定しなくても……」
118 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/19(月) 23:02:27.50 ID:KfBCWo740

琴葉「……その、ポッキーゲームっていうのをしてみたくて」

琴葉「兄さん、一緒にやってくれませんか?」ジッ

P「良いけど……なんでポッキーゲームなんだ?」

P「ポッキーの日も過ぎた後だろ?」

琴葉「それは……その」モジモジ

P「?」
119 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/19(月) 23:03:30.50 ID:KfBCWo740

琴葉「……よ、予習です!!」

P「予習……」

琴葉「はい!」

P「…………」

P (予習……誰か、したい相手がいるって事か)

P(俺の妹にそこまで思わせる奴はどこのどいつだ……?)ビキビキ

琴葉「兄さん、顔が強張ってますよ……?」

P「……いや、なんでもない」
120 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/19(月) 23:04:10.03 ID:KfBCWo740

琴葉「それじゃ……始めますね」ハムッ

琴葉「ひ、ひいはん……」

P「……よし、やるか」パクリ

琴葉「…………!?」ビクッ

琴葉 (こ、こんな近いの……!?)カァアア

P「……おとは?」キョトン

琴葉「!!」プルプル
121 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/19(月) 23:04:41.55 ID:KfBCWo740

琴葉 (す、進めなきゃ……!)サクサク

ポリ……ポリ……

琴葉「…………」ドキドキ

P「…………」サクサク

琴葉 (兄さん、どんどん進んできてるっ!?)グルグル
122 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/19(月) 23:05:11.82 ID:KfBCWo740

P「ん」ジッ

琴葉「!」

琴葉 (に、兄さんと目があった!)ポキッ

琴葉「……あっ」

P「もぐ……うん、折れちゃったな」

琴葉「…………」ワナワナ

琴葉 (に、兄さんと……もう少し近かったら)プシュウウウ

琴葉「…………あぅっ」コテン

P「琴葉!?どうしたんだ、琴葉ぁ!」
123 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/19(月) 23:05:41.13 ID:KfBCWo740
―――――

ペタリ

恵美「……プロデューサー、なにこれ?」

P「琴葉が、劇場に貼っておけってさ……」

琴葉 『劇場でキスをしてはいけません!』

第五話 完
124 : ◆SESAXlhwuI [sage]:2018/11/19(月) 23:06:59.30 ID:KfBCWo740
背伸びしてキスしたかった琴葉、ハードルの高さに撃沈の巻

琴葉が妹なので恵美さんは遠慮なしにイチャついております
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/20(火) 01:14:54.56 ID:k3ianUxCo
おう、琴葉も最高だけどめぐみぃとのイチャつきも詳しく書いて良いんだぞ
126 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/20(火) 23:20:25.65 ID:zIgAl5cs0

第六話 【悪夢】
127 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/20(火) 23:21:01.23 ID:zIgAl5cs0

P「じゃ、俺は行くから……」

琴葉「兄さん、待って!」

P「俺はもう、お前の兄貴じゃないんだよ」

P「だから、これからは一人で……」

琴葉「いやっ!」ブンブン
128 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/20(火) 23:22:24.35 ID:zIgAl5cs0

??「もう、何やってるんですか」

P「悪いな、——」

??「早く行かないと……兄さんも、夕飯の支度手伝ってくださいね」

P「あぁ、分かってる」

P「元気でやるんだぞ、琴葉……」

琴葉「待って……待って、兄さん!兄さん!!」ポロポロ
129 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/20(火) 23:23:30.99 ID:zIgAl5cs0
―――――

琴葉「兄さん!」バッ

P「んむ……」ムニャムニャ

琴葉「……あれ?ゆ、夢?」

P「ん……どうした?」

琴葉「ご、ごめんなさい!なんでもないんです!」
130 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/20(火) 23:24:32.57 ID:zIgAl5cs0

P「そうか……あれ、今何時だっけ」

琴葉「し、7時です」

P「うーん……休みだしもうちょい寝るか」

P「おやすみ……」

琴葉「お、おやすみなさい……」

琴葉「そう、だよね……兄さんはどこにも行かないよね」

P「んん……」スヤスヤ

琴葉「…………っ」ギュッ
131 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/20(火) 23:25:10.96 ID:zIgAl5cs0
―――――

P「……琴葉?」

琴葉「ん……あ、兄さん」

P「琴葉も二度寝したのか、珍しいな」

琴葉「わ、私だってたまには二度寝くらいします……」プクー

P「そうかそうか、悪かった」
132 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/20(火) 23:25:41.94 ID:zIgAl5cs0

P「さて、そろそろ動き始めるか……」スッ

P「……っと?」グイッ

琴葉「…………」ギュッ

P「……琴葉、離してくれないと動けないんだが」

琴葉「じゃあ、今日は動かなくていいです……」ダキッ

P「お、おい……そういう訳にもいかないだろ?」
133 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/20(火) 23:26:13.84 ID:zIgAl5cs0

P「今日は一応、CDとかの様子見に行っておきたいし……な?」

琴葉「……それじゃ、私もついていきますから」

P「そ、そうか……」

P (琴葉、今日はどうしたんだ……?)

琴葉 (兄さんと離れたら、そのまま何処かに行っちゃう気がする……)

琴葉「……離さないようにしないと」グッ
134 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/20(火) 23:26:52.45 ID:zIgAl5cs0
―――――

P「確か……この辺りか」

琴葉「わぁ……ポスターも沢山貼られてますね」

P「街中にもあったけど、やっぱ売り場は賑やかで良いな」

P「……っと、とりあえず一枚買っておくか」

琴葉「あれ?兄さん、わざわざ買うんですか?」

P「ん、変か?」
135 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/20(火) 23:27:44.01 ID:zIgAl5cs0

琴葉「私、この前そのCD机で見た気がするんですけど……」

P「まぁ、俺はプロデューサーである以前にファンでもある訳だからさ」

P「やっぱり、自分が好きなアイドルのは自分で買いたいというかなんというか」

琴葉「そう、ですか……」

P「なんか、納得してなさそうな顔だな?」

琴葉「いえ、そういう訳じゃなかったんですけれど……」
136 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/20(火) 23:28:46.62 ID:zIgAl5cs0

琴葉「……やっぱり、ちょっと妬けちゃいます」ムッ

P「なんなら、琴葉もアイドルになってみるか?」ニヤッ

琴葉「そんな!私なんて、可愛くないし……」

P「俺の自慢の妹だ、可愛くない訳ないだろ?」

琴葉「もう、兄さん!からかわないでください!」

P「プロデューサーの勘から言ってもイケる気がしたんだけどなぁ……」
137 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/20(火) 23:29:43.79 ID:zIgAl5cs0

琴葉「……それで、買うのはこれで全てなんですか?」

P「……あぁ、後は俺一人で買ってくるから」

琴葉「ダメです、離しませんから」

P「そ、そこをなんとか……!」

P (後買うのってアレしかないんだよ……!)
138 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/20(火) 23:30:43.20 ID:zIgAl5cs0
―――――

琴葉「…………」

P「こ、琴葉さん……?」

琴葉「兄さん、そういうのが趣味だったんですね」グググ

P「いたっ!つねるなって……いててっ!」

琴葉「現役女子高生の写真集を買い漁る兄さんなんて、見たくありませんでした……!」

P「恵美のだから!恵美のだから!!」

琴葉「そんな言い訳通用しませんよ!」
139 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/20(火) 23:32:02.68 ID:zIgAl5cs0

P「た、担当の写真集買うのはおかしな事じゃないだろ?」

琴葉「……それにしては、随分露出が多いんですね?」ニッコリ

琴葉「表紙から水着なんて……」

P「写真集だからな、インパクトのある一枚が必要なんだよ」ウンウン

琴葉「ふーん………そうなんですか」ジトー

P (琴葉の視線がかつてない冷たさに……!)
140 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/20(火) 23:32:47.12 ID:zIgAl5cs0

??「あっれー?プロデューサーじゃん!」

P「ん?」チラッ

恵美「やっほー!偶然だね!」

P「恵美か……おはよう」

琴葉「…………」スッ

恵美「あれ?その後ろにいるのって……」

P「ああ、妹だ」

恵美「あー!仲良さそうな例の妹ちゃんかー!」

琴葉「仲が……良さそう……」ボソリ
141 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/20(火) 23:33:38.06 ID:zIgAl5cs0

恵美「うん!プロデューサーったら、いーっつも自慢話してるんだよ?」

恵美「『ウチの琴葉は世界一可愛いー!』って」

琴葉「……そうなんですか、兄さん?」

P「……さぁな」プイッ

恵美「もー、またまた照れちゃってー!」ニャハハ

琴葉 (そうなんだ、可愛いって……)

琴葉「えっへへ……」ニヤニヤ

恵美「おっ、笑うとますます可愛いじゃん!」

琴葉「……っ!」サッ
142 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/20(火) 23:34:07.19 ID:zIgAl5cs0

P「こーら、隠れてないで挨拶しなさい」

琴葉「は、はい……田中琴葉です、よろしく」

恵美「アタシは所恵美!よろしくね、琴葉!」

琴葉「よ、よろしく……所さん」

恵美「やだなー、恵美で良いって!」

琴葉「そ、そう……?ありがとう、恵美」

恵美「うん、素直でよろしい!」
143 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/20(火) 23:34:41.54 ID:zIgAl5cs0

恵美「……ところでさ、なんでこんなとこに来てたの?」

P「……そ、それはだな」スッ

恵美「?なにそれ」グイッ

P「あっ」

恵美「……あっ、これアタシの奴じゃん!」

P「……俺だってファンだからな、自分でアイドルのは買うさ」

恵美「そっか……にへ、ありがとね!」
144 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/20(火) 23:35:37.25 ID:zIgAl5cs0

恵美「あっ、そーだ!プロデューサー、ちょっと貸して?」

P「?ああ……」

恵美「よっし……」キュッキュッキュ

恵美「でーきたっ!直筆サイン入り!」

P「悪いな、ありがとう」

恵美「大事に見てよ、ね……」ジーッ

P「……どうかしたか?」

恵美「……それってさ、結構キワどいのとかも撮った奴じゃなかったっけ」

琴葉「!?」ワナワナ

P「落ち着け、プロデューサーとして校閲はかけてるから!」
145 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/20(火) 23:36:37.11 ID:zIgAl5cs0

恵美「そう?なら良かったー!」

P「当然だ、恵美の変な写真載せる訳にはいかないからな」

恵美「もー、まーたそういう事言っちゃってー!」バシバシ

P「いてっ!痛いって!」

恵美「〜♪」

琴葉(兄さんと恵美……とても仲が良さそう)

琴葉「良いな……」
146 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/20(火) 23:37:21.94 ID:zIgAl5cs0

P「……そ、そういや恵美は用があってきたんじゃないのか?」

恵美「そうだった、可憐と待ち合わせしてたんだった!」

P「可憐と?」

恵美「ちょっと買い物をねー、アタシもアロマに興味あるし」

恵美「良かったらプロデューサーも来る?」

P「どうするかな……確かに興味はあるけど」
147 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/20(火) 23:38:03.24 ID:zIgAl5cs0

琴葉(だ、ダメっ……!)

琴葉「……っ」グイッ

P「?」チラッ

琴葉「…………」プルプル

P (服摘んだままか……そういや、今日は様子が)

P「……悪いな恵美、この後ちょっと予定があってさ」

恵美「そなの?ざーんねん!」

恵美「それじゃ、また今度行こうね!」

P「ああ、分かった」
148 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/20(火) 23:38:39.09 ID:zIgAl5cs0
―――――

琴葉「あの、兄さん……良かったんですか?」

P「なにが?」

琴葉「だって、とこ……恵美、来て欲しそうだったじゃないですか」

P「まぁ、興味はあったけど……」

P「……可愛い妹が行って欲しくないって服摘んでたしな」ニヤッ

琴葉「そ、それは……その」

P「今日なんで様子がおかしいんだ?教えてくれよ」

琴葉 「に、兄さんに話す程の事じゃないです!」
149 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/20(火) 23:39:08.35 ID:zIgAl5cs0

琴葉(こんな、子供っぽい事――)カァアア

P「おい、そこ段差あるぞ——」

琴葉「えっ?……あっ!」グキッ

P「琴葉!?大丈夫か?」

琴葉「だ、大丈夫です……少し捻っただけですから」サスサス

P「バカ言え、変に動かしたら痛みが長引くかもしれないだろ!」

琴葉「大丈夫ですよ、兄さんの妹ですから」
150 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/20(火) 23:40:06.45 ID:zIgAl5cs0

琴葉「……さ、早く帰りましょう?」ニッコリ

P (ここから家まではそう遠くないな……よし)

P「……琴葉、乗れ」スッ

琴葉「!だ、ダメです……兄さんに迷惑かける訳には」

P「兄さんの言う事はしっかり聞くもんだ」ピシャリ

琴葉「あ、ぅ……」

琴葉「…………」ピトッ

P「よし、とっとと帰ろう」グッ

琴葉「すみません、兄さん……」

P「気にしなくて良い、このくらいお安い御用だ」
151 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/20(火) 23:41:22.59 ID:zIgAl5cs0

P「……それより、今日こんなにくっついてくる理由が聴きたいかな」

琴葉「そ、それは……」

琴葉「……笑いませんか?」

P「ああ……なんだ?」

琴葉「……怖い夢を、見て」ウルウル

P「怖い夢?何かに追いかけられたりしたのか」
152 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/20(火) 23:42:02.39 ID:zIgAl5cs0

琴葉「……兄さんが、居なくなる夢です」ポツリ

P「俺が?そりゃ、またどうして」

琴葉「わ、分かりませんけど……」

琴葉「今日放っておいたら、兄さんどこか行っちゃうかもって……」ウルウル

P「成る程ねぇ……ふふっ、そうか」

P「大丈夫、俺はどこにも行かないよ」

琴葉「本当ですか?約束してくれますか?」

P「ああ、約束だ」

琴葉「……良かった」スッ
153 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/20(火) 23:42:46.61 ID:zIgAl5cs0
琴葉「兄さんの背中、大きいですね……」

琴葉「この背中に、ずっとおぶさってられたら良いのに……」

P「……琴葉?」

琴葉「すぅ……」スヤスヤ

P「……寝ちゃったか、妙に気を張ってたから疲れたのかな」

P「……大丈夫だよ琴葉、俺はずっと一緒にいてやるから」

琴葉「……うん♪」

第六話 完
154 : ◆SESAXlhwuI [sage]:2018/11/20(火) 23:47:52.92 ID:zIgAl5cs0
不安に思うと悩み続ける琴葉、ライバルと初遭遇の巻

次回で最終になります、どうか楽しんで読んでいただければ
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/21(水) 01:01:45.34 ID:59CFz9Mmo
おつ、もう最後か…
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/21(水) 14:08:31.36 ID:sAWZ6+eUO
おつおつ
157 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/22(木) 00:30:59.66 ID:jLXoir2i0

第七話 【すれ違い】
158 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/22(木) 00:32:00.91 ID:jLXoir2i0

恵美「おーっ!アレ富士山じゃない?綺麗だねー」キラキラ

P「あんまりはしゃぐなよ恵美……」

恵美「いーじゃん!折角二人で旅行なんだし!」

恵美「二人で思い出、作っちゃおーね☆」

P「……一応、向こうでお仕事あるんだけど」

恵美「むぅ……仕事の話ばかりで息詰まっちゃうじゃーん」プクー
159 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/22(木) 00:32:40.08 ID:jLXoir2i0

P「悪かった悪かった……それじゃ、帰りに道頓堀でも歩くか」

恵美「おっ、気が利くねプロデューサー!」

恵美「その後二人で現地のたこ焼きとか食べたりするのも楽しそうだし……」

恵美「あー!迷っちゃうなー!」ニコニコ

P「……日帰りだからな?」
160 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/22(木) 00:33:16.79 ID:jLXoir2i0
—————

琴葉「……兄さんがいない」ゴロゴロ

琴葉「休みなのに出張なんて……兄さんのバカ」

琴葉「出発して2時間くらい経つけど……兄さん、もう向こうに着いたかな」

琴葉「それとも、まだ新幹線の中だったり……?」

琴葉「……!」ティン!
161 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/22(木) 00:33:56.33 ID:jLXoir2i0
―――――

恵美「えー!一緒にお泊まりするくらいいいじゃーん!」

P「明日レッスンあるだろ……」

恵美「折角の大阪なのにもったいないじゃーん……」

P「また今度、ちゃんと時間は取るからさ」

P「今回は日帰りだ、な?」

恵美「むぅ……」
162 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/22(木) 00:34:38.42 ID:jLXoir2i0

P「な、今度来る時に——」ピロピロ

P「悪い、電話だ……?」

恵美「誰から?仕事先の人?」

P「いや、妹からだ……なんだ?」ピッ
163 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/22(木) 00:35:11.68 ID:jLXoir2i0
―――――

琴葉「もしもし、兄さん?琴葉です」

P「琴葉、どうかしたのか?もしかして、忘れ物とか……」

琴葉「いえ、忘れ物とかはなかったですよ?」

P「良かった、何か忘れたのかと焦ったよ」

琴葉「今、お時間良いですか?」
164 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/22(木) 00:35:53.48 ID:jLXoir2i0

P「あぁ、恵美と話してただけだからな」

琴葉「恵美と……?」

P「恵美ったら、旅行気分で賑やかでなぁ……」ハハハ

琴葉「……二人で新幹線乗ってるんですか?」

P「ああ、隣に座ってるぞ」

琴葉「…………」
165 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/22(木) 00:36:57.27 ID:jLXoir2i0

P「琴葉?」

琴葉「……忘れ物、一つだけありました」

P「え?」

琴葉「私も……兄さんと一緒に旅行したかったです」プクー

P「仕事だから仕方ないだろう……」

琴葉「……それは、そうですけど」ムスッ
166 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/22(木) 00:37:37.95 ID:jLXoir2i0

P「さっき、恵美が大阪の美味しいスイーツの話してくれたんだ」

P「それ買って帰るからさ、な?」

琴葉「…………」

P「あ、あれ?ダメだったか?」

琴葉「……女心の分からない兄さんなんて」

P「ん?ごめん、聞こえな——」

琴葉「……兄さんなんて嫌い!」ピッ

琴葉「兄さんのバカぁ……!」グスグス
167 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/22(木) 00:39:13.42 ID:jLXoir2i0
―――――

P「えっ、琴葉!琴葉!?」

P「…………」ポカーン

恵美「どったの、プロデューサー?なんか顔青いけど……」

P「……妹に、嫌いって言われた」

恵美「え、琴葉に?仲良いんじゃなかったの?」

P「良かったつもりだけど……」
168 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/22(木) 00:39:45.54 ID:jLXoir2i0

P「……なぁ恵美、俺って女心分かってないかなぁ?」

恵美「分かってないとは思うけど」バッサリ

P「そっか……そうだよなぁ……」ズーン

P「ごめん琴葉、俺が悪かった……」

恵美「お、落ち込んでちゃダメだって!今からお仕事でしょ!?」

P「恵美に任せた……俺は寝る」

恵美「それじゃ意味ないじゃん!?」
169 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/22(木) 00:40:33.90 ID:jLXoir2i0

恵美「だーっ!ほら、アタシはそんなプロデューサーも大好きだからさ!ね?」

P「……本当か?」

恵美「う、うん!モチロン!」

恵美 (……あ、あれ!?よく考えたら、これって告白じゃ)カァアアア

P「……そうか、ありがとな」

恵美「ど、どういたしまして!?」
170 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/22(木) 00:42:56.81 ID:jLXoir2i0
―――――

琴葉「……やっちゃった」ポカーン

琴葉「も、文句言いたかったわけじゃないのに……!」

琴葉「こんな事言ったら、兄さんに嫌われちゃう……!」フルフル

琴葉「……ぅ」ポロポロ

琴葉「あ、謝らないと……」

琴葉「……でも、向こうは二人で楽しそうにしてるし」
171 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/22(木) 00:46:11.47 ID:jLXoir2i0

琴葉「うぅ……」モヤモヤ

琴葉「だ、ダメ!やっぱりすぐに謝らないと!」ピッピッピッ

≪ただいま電話を繋ぐことができません≫

琴葉「……え?」

琴葉「ま、まさか兄さん私の電話受けたくなくなって……!」
172 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/22(木) 00:46:50.77 ID:jLXoir2i0
―――――

P「このトンネル……かなり長いな」

恵美「そだねぇ……外の景色見えないからつまんないね」コテン

P「そこ、肩をもたせかけない」

恵美「いーじゃん、だーれも気付かないって!」

恵美「それに、アイドルのワガママ聞くのがプロデューサーの仕事でしょ?」

P「拡大解釈だと思うんだけどな……」ナデナデ

恵美「えっへへー……♪」ニマニマ
173 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/22(木) 00:47:56.19 ID:jLXoir2i0
―――――

琴葉「嘘……そんな、兄さんが」

琴葉「ううん、大丈夫……兄さんなら謝ったら許してくれる」

琴葉「……よね?」ウルウル

琴葉「と、とりあえず何しよう……」キョロキョロ

(散らかされた部屋)

琴葉「……よし!」
174 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/22(木) 00:49:26.87 ID:jLXoir2i0
―――――

恵美「よし、無事買えたね!」

P「悪いな……付き合わせちゃって」

恵美「ヘーキヘーキ!ここの奴一回食べてみたかったし!」

P「そう言ってもらえると助かるよ」
175 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/22(木) 00:50:18.46 ID:jLXoir2i0

恵美「美味しいものもいっぱい食べたし!うーん、アタシ的には80点かな!」

P「後の20点は?」

恵美「もーちょっとプロデューサーとデートしたかったかなーって……」

恵美「にゃはは、変な事言うと恥ずかしいね?」テレテレ

P「……まぁ、デートかどうかは置いておいてもな」

P「今度来た時はもう少しゆっくりしようか」

恵美「……そだね!」
176 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/22(木) 00:51:05.99 ID:jLXoir2i0
―――――

琴葉「ふぅ……これだけやれば、兄さんも褒めてくれるかな」キラキラ

琴葉「兄さんが許してくれるか分からないけど……」

琴葉「……でも、私にはこれくらいしか」

ピロピロ

琴葉「電話?」ピッ

琴葉「はい、田中です」

P「ああ、俺だ」

琴葉「に、兄さん!どうしたんですか!?」

P「いやぁ、仕事終わったからそろそろ帰るって連絡をな」

琴葉「そ、そうだったんですか……」
177 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/22(木) 00:52:08.59 ID:jLXoir2i0

琴葉「……あの、兄さん」

P「悪かったな、琴葉」

琴葉「……え?」

P「琴葉だって、そりゃ旅行したかったよな……」

P「それをお土産だけで済まそうと思ったら……そりゃ、怒るよな」

琴葉「…………」

P「今度、長い休みに二人で旅行に行くって事で……手を打ってもらえないか?」

琴葉「……もう、本当に分かってないんですから」

琴葉「分かりました、約束ですよ?」

P「……悪いな」
178 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/22(木) 00:53:40.54 ID:jLXoir2i0

琴葉「……でも、結局私がなんで怒ったかは分からないんですね?」フフッ

P「……え、違うのか?」

琴葉「違いますよ、全然違います」

琴葉「もう兄さんったら……それじゃ、女の子に愛想つかされちゃいますよ?」

P「ぐぅ……否定したいけど、出来そうにないな」

P「アイドルの気持ちが分からないようじゃ……プロデューサー失格かな」ハハハ

琴葉「そ、そこまで言ってないですよ!?」

P「良いよ、前から莉緒にも言われてた事だし」

P「こんなんじゃ、結婚も出来そうにないなぁ……」
179 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/22(木) 00:54:15.65 ID:jLXoir2i0

琴葉「結婚……」

琴葉 (そうか……兄さんも、いつかは……)

P「まぁ、先の話だろうけどなー」

琴葉「……私は、兄さんが結婚できなくても良いって思ってます」

P「……え?それはどういう」ブツッ

琴葉「だって、それなら兄さんとずっと一緒にいられますから……」

琴葉「それに、血が繋がってないならお嫁さんにだって……」

琴葉「えへへ、こういうの照れちゃいますね……?」

琴葉「……あれ?」
180 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/22(木) 00:55:09.83 ID:jLXoir2i0
―――――

P「………あ、電池切れた」

恵美「……琴葉、なんて言ってたの?」

P「いやー……俺は結婚できなくても良いって」

P「まぁ、アテもないし当然といえば当然だけどな」

恵美「……そんな事ないと思うけど」

P「そうか?恵美に言われると自信が湧いてくるな」

P「ま、独り身にならない事を祈ってるよ」
181 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/22(木) 00:55:48.93 ID:jLXoir2i0

恵美「……もし、そんな事になったらさ」

P「ん?」

恵美「そうなったら、アタシが貰ったげるからね♪」ニコッ

P「……それは、恵美に貧乏くじ掴ませる訳にはいかないな?」

恵美「……貧乏くじなんかじゃないのに」ボソッ

P「?」

恵美「な、何でもない!ほら、早く帰ろ?」

恵美「……妹さんだって待ってるんでしょ?」

P「……ああ、そうだな!」
182 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/22(木) 00:58:19.34 ID:jLXoir2i0
―――――

琴葉「に、兄さん!兄さん!!」

琴葉「繋がらない……今度こそ、嫌われちゃった……?」

琴葉「……ふぇ」ウルウル

琴葉「ごめんなさい、ごめんなさい……!」ポロポロ
183 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/22(木) 00:59:18.96 ID:jLXoir2i0
―――――

P「……とは、琴葉ってば」

琴葉「あれ……に、いさん?」

P「ああ、ただいま」

P「……目が赤いぞ、泣き腫らしたのか?」

琴葉「っ!」ダキッ

P「琴葉?」

琴葉「ごめんなさい、兄さんに酷い事言うつもりじゃなかったんです……」

P「分かってるよ、琴葉がそんな事言わない子なのは分かってるから」

琴葉「本当、ですか……?」ジッ

P「あぁ、俺の自慢の妹だからな」

琴葉「……もう、兄さんったら」グスン
184 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/22(木) 01:00:19.69 ID:jLXoir2i0

琴葉「そんなに優しくされたら、甘えちゃうじゃないですか……」

P「もっと甘えてくれても良いんだぞ?」

P「俺は、琴葉の兄貴なんだしな」

琴葉「……それじゃあ、一つお願いです」

P「おぅ、なんだ?」

琴葉「これから、どんな事があっても……私の側に居てくれますか?」

P「勿論だ、兄さんを舐めるんじゃないぞ?」

P「琴葉が呼んでくれたら、すぐに駆けつけるともさ」
185 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/22(木) 01:01:40.78 ID:jLXoir2i0

琴葉「……もう、まーた分かってないんですから」プイッ

P「えっ、俺またなんか意味を取り違えたのか!?」

琴葉「……もう良いです、兄さんはそういう人ですから」

P「……なーんか、しっくり来ないなぁ」

琴葉「もう、乙女心を弄んだ罰ですよ?」

琴葉「ちゃーんと考えてくださいね♪」

P「わ、分かった……」
186 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/22(木) 01:02:55.45 ID:jLXoir2i0

P「……それでさ、お土産にこれ買ってきたんだけど……」

琴葉「わぁ……果物、ですか?」

P「良いや、これ実はお餅なんだってさ!」

P「こういうの、琴葉好きだろ?」

琴葉「確かに好きですけど……」

P「良かった、それなら遠慮なく食べてくれ!」
187 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/11/22(木) 01:03:52.68 ID:jLXoir2i0

琴葉「…………」

P「……どうした、口を大きく開けて?」

琴葉「もう、兄さんのいけず……」

琴葉「……食べさせてください♪」ニコニコ

P「俺、やらなきゃダメか?」

琴葉「ダメですよ、仲直りの証なんですから!」

P「分かった分かった……」

P「まったく……なーんで、こんな甘えん坊になっちゃったんだろうなぁ」

琴葉「さぁ、どうでしょう?でも……」



琴葉「私が甘えるのは、兄さんにだけなんですからね♪」


第七話 完
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/22(木) 01:09:44.68 ID:TKVmDdgIo
おつ、8話も書いていいんだよ
189 : ◆SESAXlhwuI [sage]:2018/11/22(木) 01:10:05.41 ID:jLXoir2i0
一週間続けてきた妹琴葉もこれにておしまいです
最後までお付き合いいただいた方には盛大な感謝をば

単純なイチャイチャでも続けるの結構大変なのね、という教訓を得た
190 : ◆NdBxVzEDf6 [sage]:2018/11/22(木) 02:25:42.46 ID:06sqM0uS0
何気に2人から告白されてたんだな…
乙です

>>110
所恵美(16)Vi/Fa
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