星空みゆき「とうおるるるる……るんるん♪」

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519 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/01/27(日) 12:12:56.29 ID:sqxeY/bJO


--


ウルフルン「アイツは『池』ッ! 池に俺を沈めるのが最終目的!!
だったら池から離れちまえば捕まったとしても時間が稼げる!」ダダダ

ウルフルン「まあもっとも『森林』ならよォオ〜? オオカミの独壇場だぜッ! このまま逃げきってやらぁああ〜!」ダダダ

ズグン……

ウルフルン「おォうフッ!?」ドォアッッ

ズグン……ズグン

ウルフルン「いッッッ……『イテェ』!! 鈍い痛みが腹の底から捻切るように襲ってきやがるううううううおああああああああ!!?」

520 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/01/27(日) 12:13:42.89 ID:sqxeY/bJO


ウルフルン「ま……まさかっ!?」さっ


ママァア〜ウウゥウー
ママァア〜


ウルフルン「腹の中のッ! ガキどもが……ッ!? 『暴れて』やがるのかァアア────ッ!?」ズグズグ


521 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/01/27(日) 12:14:44.26 ID:sqxeY/bJO


ボゴォッッ!!


ウルフルン「おぐぅあああああッッッお、おお〜……!?」ボゴォオ

ウルフルン「フゥウッ、フーッや、やめ、暴れるんじゃねえッグアアアアアオオオオ!?」ボッグォン

ウルフルン「ああああぎぃいいいおおおおおおおお!?!?」ジタバタァ



ウルフルン「ウギャアアアアアアアァアア────ッ!!」ゴロゴロ



522 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/01/27(日) 12:16:09.79 ID:sqxeY/bJO


「ああ、かわいそうに……みんな、はやく外に出たがってるんだね?」


ウルフルン「ハァ、ハァ。……あ、あ?」


┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

ハッピー「でも安心して? おかあさんが……今……出してあげるからッ!!」シャキィイイン


ウルフルン「……や、やめ、やめ」


グサァアアア────ッ!!


ウルフルン「グオワァアアアアアア──────ッ!!?」ブシャァアア


523 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/01/27(日) 12:18:01.89 ID:sqxeY/bJO


ウルフルン「グオワァアアアアアア──────ッ!!?」ブシャァアア


ハッピー「動かないでッ!? 手元が狂っちゃったら……お腹のこどもたちまで死んじゃうから……ァアアッ!!」クワッ

ヂョギン!
ヂョギンッ!!
ヂョギリ

ウルフルン「アイィイイイイギャアアアアアアアアアッ!!!」ゲホォオオ





ウルフルン「ウグァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア───────ッッッ!!!」





524 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/01/27(日) 12:19:44.87 ID:sqxeY/bJO
ちょっと休憩
ウルフルンさんアナスィより酷い目に会ってるけど大好きだよ
525 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/27(日) 13:39:19.55 ID:/7OB2igF0
完全にボヘミアン・ラプソディ戦
526 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/01/27(日) 18:47:47.54 ID:x67c+fQDO
続きを投下します
527 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/01/27(日) 18:48:56.26 ID:x67c+fQDO

ブチブチブチ!!


ウルフルン「ガァアアアアアア……!?」ビクビク


ウルフルン「(イテェ……! 体が焼けるみてーだ……! バラバラに引き裂かれるゥゥゥゥゥ……!!)」

ウルフルン「(また……ダメなのかよォオ……結局、頑張ったって、努力したって『筋書き』は変えられねえ……!)」

ウルフルン「(腹ァア引き裂かれて、石を突っ込まれて、池にドボンされておしまい……。
ハッピーエンドだ。
……ハハハ、ほんと、よくできてんじゃあねーか? 筋書きってのは……)」

528 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/01/27(日) 18:49:52.83 ID:x67c+fQDO

ウルフルン「(物語は『絶対』だった。俺はまたダメだった。
何回やってもこうだ。仕方ねえ、腹ァくくるしかねーよ、『覚悟』ってやつさ……)」



ウルフルン「(……覚悟?)」ハッ



俺は何を『覚悟』するんだ?
物語の結末を? 変えられねえ筋書きってヤツをか?

あれ? じゃあ、俺は今まで『覚悟』したのか?
ただ決まっている結末に怯えて、筋書きから尻尾向いて逃げてただけなんじゃあねーのか?

さっきもそうだ、まだ終わってねーとか言っときながら、『アイツ』から……母親ヤギっつー死神からただ逃げ出しただけで……
俺は『戦っていねー』

ケツまくって逃げただけ

……イヤ、ちげーだろ、そこはよォオ

俺は結末が怖くって、ただ何もせずに受け入れんのがイヤで!
バッドエンド王国に入ったんじゃあねーのか!?

529 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/01/27(日) 18:54:11.99 ID:x67c+fQDO

幸福なんて、ハッピーエンドなんて大層なもんはいらねえ。ただ、『どうしよーもねえマイナスをなんとかしたかっただけだ』!!

なのによ、俺はまだ、始まってすらいねーのに!
スタートラインにすら立ってねーのに!
何が覚悟だ!? 腹ァアくくるしかねーだァア!?


ウルフルン「(そうだ……今さら腹ァ裂かれた程度の事、俺は何回も、何回も何回も何回も!!繰り返してきてんだろォーがよ……!? なにを今さら……ビビッちまってんだ!?)」

ウルフルン「(恐れるのは退くことだ……この痛みから逃げるな! 『立ち向かう』んだよォオッ!!)」


ウルフルン「腹ァアくくるってのは……」カッッ


ガシィイッッ


ハッピー「えっ?」


ウルフルン「こういう事だァア──────ッッ!!」グバァアアッ


ブチッシャァアア─────ッッ!!


ハッピー「じ、自分でッ! 自分のおなかを引き裂いた!?」

530 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/01/27(日) 18:57:46.72 ID:x67c+fQDO

ウルフルン「ぐぅううォオお……。やっぱ、い、イテェ〜なあァア〜……? 
自分でかっさばくてのはよォオ〜?」ブシャァアア

ウルフルン「け、けどよ……俺ァ『覚悟』したぜ……? 筋書きが変えられねーのは仕方ねー。だが、痛みが来るってのをわかってるなら……」ドクドク

ウルフルン「耐えられんだよォオオオオッ!! そうよ、『逆に』考えたんだよッ! 『腹がかっさばかれてもいいじゃあねーか』ってなァァアアアア!?」ブシャッッ

ハッピー「─────!!」

531 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/01/27(日) 18:58:35.95 ID:x67c+fQDO

ウルフルン「ゲボッお、お陰でよ……? 腹ン中に溜まってるモン」

ウルフルン「全部引き出せるぜェエエエエエエ良かったじゃねえかぁ手間が省けてよォオ────ッ!?」ブチブチブチ


ズルズルッ!
ドシャァア────ッ!!


あかね「」
やよい「」
なお「」
れいか「」
アカオーニ「」
マジョリーナ「」


ハッピー「みんな……」

ウルフルン「へ、へぇぇへへッ!? 腹ン中がスッキリ……したぜェエエ!? 何より……」

532 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/01/27(日) 18:59:41.22 ID:x67c+fQDO

ウルフルン「俺はッ! ようやく『ゼロ』に戻れたんだ! やっと『スタートライン』にッ! 筋書きを覚悟することでェエエッ!!」グバッ

ハッピー「オオカミさん……自分で自分のお腹を引き裂くなんて、今までと違う……」

ハッピー「物語に怯えていた。あのオオカミさんとは違うッ!!」

ウルフルン「言ったろ……!? 『真の覚悟』はとっくに出来たんだよォォ……。
筋書きは変えられなくったってな、俺自身が……『俺が変われば』済むって話……ッ!?」ウプ

ウルフルン「グボッゲホゥオッッ!? は、は……。あんましチンタラしてらんねーな……
次に行かしてもらうぜ……」ズチャ

533 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/01/27(日) 19:00:40.31 ID:x67c+fQDO

ハッピー「それは……!?」

ウルフルン「解ってんだよ俺は……!! 何百年も、おんなじ結末を迎えてたんだぜ……!!
テメーよりも遥かに……『覚悟』決める下地は出来てたはずなんだよォォォォォォ!!」

グチャグチャグチャ

ウルフルン「ハッ……ハァ、ハ、石を突っ込んだオオカミは……池にドボンするんだ……。
わかるか? 違いはテメーによってじゃあねぇ。そうだ、俺が……」


ウルフルン「俺が池に突っ込むっ!! ただしこの『青っぱな』と一緒にだッ!!」グチャァアア


ハッピー「オオカミさん!? 自分から飛び込んだッ!?」


ドボォォオオオン!!



534 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/01/27(日) 19:03:06.31 ID:x67c+fQDO



……………
………




────水……そうだ水だ……

オオカミは『水』によって終わるんだ。いつだってそうなんだ
赤ずきんのオオカミは『井戸に落とされて溺れ死に』
三匹の子ぶたのオオカミは『煮えた大鍋に落ちて死ぬ』

水は俺にとっちゃ運命なんだ。避けられねー終わりだ!!


だが俺はあえてそこに飛び込むッ!!


自棄なんかじゃあねえッ!!
俺がスタートラインに立つ切っ掛けにするためだ!!


恐怖とは!! 乗り越えるために存在するッ!!
俺は水という恐怖を、結末を乗り越える!!



ウルフルン「出でよアカンベェェエエ────!!」カッッ



535 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/01/27(日) 19:03:57.91 ID:x67c+fQDO


アカンベェ「アカンベェェエエ!!」


ハッピー「青い鼻のアカンベェ!?」

ウルフルン「池の水……そのものをアカンベェにしてやったぜ……!! 俺は池に落ちた……『筋書き通り』だ!! だが、そこで終わっちゃいねェエエエエエエ!!」



ウルフルン「今度はテメーを倒すんだッ!! キュアハッピー!! 物語の続きは母親ヤギの死で完結する! それが俺の筋書きだ!! そして本当の始まりだァアアアア!!」


アカンベェ「アカンベェェエエ────ッ!!」グワッ


ハッピー「くぅうっっ!?」サッ


ガギィイイイイイン!!


ウルフルン「オオオオ……!! き、気合い入れろよなァァアアアア!? ここがテメーと俺の」

ウルフルン「正念場なんだからよオオオオおおああああああああああッッッ!!」ゴァアア

アカンベェ「ベェエエエエエエエエ!!!!」ズドドドド

536 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/01/27(日) 19:04:45.12 ID:x67c+fQDO

ハッピー「二体による同時攻撃ッ!? ……だけど」

ハッピー「(オオカミさんは既に『満身創痍』。ハラワタぶちまけながら戦ってる。
おそらく長くは戦えない……。それにこのアカンベェ)」

ハッピー「パワーもスピードも、明らかに劣るッ! 『問題はない』ッ!!」ドゴォアッ

ウルフルン「ぶげっっ!!」ベゴォ

アカンベェ「ベボォオオッッ!?」ドゴォアッ

ズギュゥゥゥン!!

537 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/01/27(日) 19:06:06.15 ID:x67c+fQDO

ウルフルン「─────ガ、ハッッ!!……さすがに『効いた』ぜ……ェエエ〜!!
キュアハッピー……オメーがやっぱり一番つえー。他と違って……敵を『ブッ殺せる』殴りかたを知ってる……!」ゲホォオ

アカンベェ「ベ、ェエ〜」ググ

ウルフルン「おう……オメーも初陣がこんなんでワリーなぁ?
でもよ……オメーは『プリキュアをブッ殺す』ために産み出された……特注なんだぜ……
しっかり……働いてもらうぜッ!!」

アカンベェ「アカンベェ!!」コクリ

ハッピー「あまり効いてない……!?」

ウルフルン「水から作ったアカンベェだぜッ! パンチやキックじゃあダメージが通りにくいってのは理解できっかァアアアア!?」

アカンベェ「ウォオオオオオオオオオオ!!!」

ハッピー「水のボディ!! 物理じゃあ通らない! だったら……」

ハッピー「浄化の力を! プリキュアの浄化の力によって、アカンベェを倒すまでだよッ!」ガッ

538 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/01/27(日) 19:06:54.19 ID:x67c+fQDO



ハッピー「ウゥルトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラ
トラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラ!!!」ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴ



ハッピー「HAPPYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY
YYYYYEAHHHHHHHHHHHHHHHH─────ァアアアアアッッッ!!!」ドッッグァオォォーーーーン



ウルフルン「『使ったな』……? ハッピーシャワー」



ハッピー「ハッ……!?」


┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨


ウルフルン「俺は『待ってた』……オメーが切り札を切る瞬間をな……。いや、待つだけじゃあなかったな。
オメーが攻撃の意思を持つための努力はしたつもりだぜ」


アカンベェ「アカンベェ〜」ニヤリ


ハッピー「そんなッ……!! ハッピーシャワーが効かない!?」

539 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/01/27(日) 19:07:48.13 ID:x67c+fQDO

ウルフルン「『青っぱなに浄化の力は効かない』。ジョーカーの野郎にはすこーしだけ感謝……しなくっちゃあな。
おっと、こんなこと言ったら余計に付け上がらせるだけか?」



ウルフルン「だが、依然、問題ねえ。『筋書き通り』だ」ニヤリ



540 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/01/27(日) 19:09:06.18 ID:x67c+fQDO



ウルフルン「ウルァアアアアアアアアアアアア
アアアアアアアアアアアアアアア───────ッッッ!!!」ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴ

アカンベェ「アッッッカンンンンンンベエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ────────ッッッ!!!」ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴ

ハッピー「きゃああああああああああ!?」ズギューン



541 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/01/27(日) 19:12:17.88 ID:x67c+fQDO



ウルフルン「勝てるッ! 俺は勝てるぞッ!? 運命にッ! 筋書きを越えることができるッ!
俺だってやりゃあ出来るんだッ!」ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴ

ウルフルン「こいつでとどめだッ! これで俺たちの筋書きが完成する!!」グアッ



「違うな。台本は『こちら』が握っている」



───ドォォォォン!!!


ウルフルン「」

アカンベェ「」



542 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/01/27(日) 19:13:12.14 ID:x67c+fQDO



┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨


「正直な感想を言おう。『お前はよくやった』
一瞬とはいえ……私を本気にさせたのだからな」

「だが、悲しいかな、しょせんお前は『兵士』だ。あくせくがんばった所で、筋書きに抗うことくらいしかできん」

「全てを支配し、思うがままに操れるのは『帝王』たる私だけだ。
……私は『兵士』ではない。」


┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨



ウルフルン「────ハッ!?」

アカンベェ「!?」

ハッピー「あれ……?」パチクリ



543 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/01/27(日) 19:15:34.29 ID:x67c+fQDO


ウルフルン「────なんだ……? オッ……俺はッ!? 今何をした!? キュアハッピーに……そうだ!
確かにッとどめをさしたはずだッ!」

アカンベェ「アカンベェ……?」

ウルフルン「とどめの一撃を! 叩き込んだ……それは解る!
だが『やっていない』!俺たちは『やっていない』! 『やったのにやってない』!
何かがおかしい……何かがッ!?」

ハッピー「あれ? わたし……オオカミさんに倒された……はずだった? あれ?」



ハッピー「……………………あれ? わたし?」



ウルフルン「……!!」

544 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/01/27(日) 19:17:37.89 ID:x67c+fQDO

ウルフルン「そうかっやっぱりオメーなんだな!? この奇妙な感覚の正体は!
『オメーが引き起こした』」



ドグォオオアッッッ!!



アカンベェ「ベ、ェエ……」ポッシュゥウン

ウルフルン「バカな……何が……」ドグォオ

ハッピー「わたしは……何もやってない……?」コォオオオオオ

ウルフルン「……オメーは……」

ウルフルン「後ろ……オメーの……『側に立っている奴』は……誰だ?」

ハッピー「え?」

545 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/01/27(日) 19:18:33.87 ID:x67c+fQDO

ウルフルン「……そう……か。そんなのがいるんじゃ『勝てねえ』よなァア〜……。
それじゃあ……最初から勝てねえって」ゴホッ

ウルフルン「訳だったのに……何故か…『スゲーいい気分』だ……。
生きていて良かったってのは……」


ウルフルン「こういう気分だったのか」フラッ


ドバァアア───ン!!
ゴポポポポポ……


ハッピー「オオカミさん!?」


546 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/01/27(日) 19:20:42.88 ID:x67c+fQDO


ウルフルン「結局筋書き通り……オオカミは池の底に沈んで終わりってか」

ウルフルン「(変わらねー結末……ワルモノの死で完成する物語。
何百年も変わらねー決まりきった定めってヤツには、俺なんかが逆立ちしたって敵わねーのかもなあ)」

ウルフルン「でもよ、キュアハッピー」

ハッピー「あ……」

ウルフルン「そんな腐るだけだった俺が、はじめて本気で『運命』ってヤツに立ち向かおうと思ったのは……ある意味オメーのおかげなのかもな」

ハッピー「!!」

ウルフルン「オメーと戦って俺は気づけた……荒療治だったが……こういうのも悪くねーと思う。
……そうだな、俺ァ……」


547 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/01/27(日) 19:23:49.28 ID:x67c+fQDO




ウルフルン「オメーと出逢うために、何百年も童話の中をさ迷ってたのかもしれねえ」フッ




ハッピー「─────オオカミさんッッ!!」ダッ




ザブゥウンッッッ!!


………………
…………
………
……


548 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/01/27(日) 19:25:16.32 ID:x67c+fQDO


ハッピー「げほっ!ごほッ……!!」ハァハァ

ウルフルン「……」グッタリ

ハッピー「ハァ、ハァ……」

ウルフルン「……なんで、助けた……」

ウルフルン「俺は敵だぜ……しかもオメーの命を狙った……『殺し合った』仲だ。
それをオメー……どうかしてるんじゃねーのか」

ハッピー「……」

ウルフルン「オメーは何がしてーんだ。俺を殺せばハッピーエンドだ、オメーの望んでいたな……。
俺を助けるってことは筋書きには書いてねぇ。
『ハッピーエンドじゃなくなる』んだ。あのままほっときゃあ良かったのによォ?」

ハッピー「ほっとけるわけ、ない……」

ウルフルン「ああ?」


549 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/01/27(日) 19:26:46.41 ID:x67c+fQDO


ハッピー「あなたも、わたしと同じ。
『心の底でハッピーエンドを望んでいる』から。
……そんな人を、……殺せるわけないッ!!」


ウルフルン「俺が、ハッピーエンドになりたい……?」

ハッピー「そうだよ。辛いことも、苦しいことも、全部ひっくるめて」

ハッピー「それでも何とかしたいってがんばってる。……あなたは、ただ『幸せ』になりたかったんだって、わたし、気づけた……」

550 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/01/27(日) 19:27:43.57 ID:x67c+fQDO

ハッピー「気づいたから、こう思ったの。筋書き通りに死ぬ運命のオオカミさんだって、幸せを望むことは間違ってないって」

ハッピー「なにも、なにも変わらない。幸福を求めるわたしとなにも変わらないんだって!」

ウルフルン「……」

ハッピー「バッドエンドなんて望んでない。あなたは幸せになりたいオオカミさん。
わたしと同じ、『マイナスをゼロに』したいだけの人」

パァアアア……



みゆき「だから、あなたはもう怖くない」ス……



ウルフルン「おれが、オメーと同じ……?」

みゆき「うん、だからいっぱい、お話しよ? 戦いは終わりにして、どうすればいいか……ハッピーエンドになれるか、一緒に考えよ? オオカミさん!」

551 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/01/27(日) 19:28:48.11 ID:x67c+fQDO

ウルフルン「……」

『マイナスをゼロにしたいだけ』

ウルフルン「(……そうかい、こいつも……)」

バッドエンドを怖れていた。
だから俺を殺そうとした。
なんてこたねーんだ。こいつも恐怖を乗り越えようと、必死こいて足掻いてただけだったってわけか
なにも変わらねー……
『俺たちはなにも変わらねぇ』



ウルフルン「ウルフルンだ」



みゆき「え……?」

ウルフルン「『オオカミさん』なんてかわいい名前じゃあねぇ……。俺は『ウルフルン』。
オオカミのウルフルン」

ウルフルン「そしてオメーはなんだ? キュアハッピー?」

552 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/01/27(日) 19:30:25.66 ID:x67c+fQDO

みゆき「……わたしは」


みゆき「わたしは星空みゆき! プリキュアの星空みゆきだよ!」パアッ


ウルフルン「みゆき」

みゆき「ウルフルン!」


ウルフルン「(人間の名前なんてはじめて覚えた気がする……)」


ウルフルン「……オメーは」

マジョリーナ「こんなところで油売ってたのかい!? ほら、とっとと帰るだわさ!」

ウルフルン「へ!? ばーさん!?」

みゆき「魔女さん!?」

アカオーニ「作戦は失敗オニ! もうこの世界はハッピーエンドオニ! おら、掴まれオニ!」

553 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/01/27(日) 19:31:22.00 ID:x67c+fQDO

ウルフルン「ま、待て! 俺はまだこいつに用があって」

マジョリーナ「何があったかしらないけど長居は無用だわさ! プリキュア! 次こそ覚悟するだわさッ!」

みゆき「待って! わたしもまだウルフルンとお話したいの! だから」

あかね「みゆきッ! 無事かぁ!? ってバッドエンド王国の連中が集まっとるやん!?」

なお「やっぱり、物語をハッピーエンドにしたみゆきちゃんを狙ってるんだよ!」

れいか「そうはさせません。さあみゆきさん、こちらに来てください!」

やよい「なんか途中から記憶がフッ飛んでるんだけど……お、思い出さなくてもいいよね? せっかくハッピーエンドなんだし!」

キャンディ「クル〜……キャンディなんにも覚えてないクル〜……?」

みゆき「みんなッ!? なにもこんなタイミングで来なくても……」

あかね「もう、危ないからはよこっち来んかい!」グイ

みゆき「あっ……!」クル

554 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/01/27(日) 19:32:43.52 ID:x67c+fQDO



みゆき「オオカミさ……『ウルフルン』ッ!!」



ウルフルン「!!」


みゆき「……また、会おうねッ!」


ウルフルン「……ケッ」


シュンッ


れいか「どうやら帰ったようですね……」

あかね「全く、みゆき一人で突っ走ったらあかんねんで?」

やよい「でも、無事で良かったよ……」

なお「みゆきちゃん、どこか怪我とかしてない?」

みゆき「う、うん。だいじょぶだよなおちゃん? だいじょうぶだから……」


みゆき「(ウルフルン……)」


555 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/01/27(日) 19:34:31.01 ID:x67c+fQDO


バッドエンド王国




ジョーカー「散々な目に会ったようですねえ?」

ウルフルン「……」

ジョーカー「ですが、キュアハッピーの抹殺に失敗したのは事実。これをどうピエーロ様に伝えれば良いのやら」

ウルフルン「勝手にしやがれ。……だが、これだけは言っとくぜ」

ジョーカー「……なんでしょうかあ?」

ウルフルン「キュアハッピーを倒すのは『俺だけだ』。俺だけがアイツを倒せる。
他じゃあ絶対無理だオメーも含めてな」

ジョーカー「ほう……それは面白いですねえ」

556 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/01/27(日) 19:36:20.28 ID:x67c+fQDO

ウルフルン「ジョーカー、オメー人間のことはどう思ってんだ?」

ジョーカー「はいぃ? なんですか急に?」

ウルフルン「別に……ただ、たまには俺からも忠告しようってな、ありがたく受け取っておきな……。
『あんまし舐めてっと痛い目に遭うぞ』
……これだけだ。じゃーな!!」スタスタ

ジョーカー「……何を愚かなことを」



ウルフルン「(俺は『納得』はしていねー……。
『理解』はできても俺はアイツに! みゆきに勝てちゃあいねーんだッ! それは俺のプライドが許さねーッ!)」



ウルフルン「俺が納得するまで付き合ってもらうぜ。 なあ? みゆきよぉ……」



557 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/01/27(日) 19:38:09.28 ID:x67c+fQDO


ポップ「一時はどうなるかと思ったでござるが、なんとかなったでござるな!」

みゆき「うん」

キャンディ「クル〜? みゆきどうしたクル? なんか上の空クル」

みゆき「なんでもないよ? キャンディ」

ポップ「しかし……物語はハッピーエンドで終わったでござるが、『結末』はずいぶん変わったでござる……」

キャンディ「クル〜♪ みんなハッピーエンドクル〜♪」

みゆき「……そうだね」ニコ


558 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/01/27(日) 19:39:01.12 ID:x67c+fQDO


池に落ちたオオカミは、おかあさんヤギに助けられます

『もう悪いことはしないで、いっしょにお話しましょう?』
おかあさんヤギはやさしくオオカミに語りかけました

それを聞いたオオカミは黙って背を向けて、どこかへ行ってしまいました

おかあさんヤギはその背中を、見えなくなるまでずっと見ていました

おしまい





←TO BE CONTINUED……////
559 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/01/27(日) 19:40:14.31 ID:x67c+fQDO

以上で今日の投下は終わりです



闘い=理解!


560 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/27(日) 19:58:58.30 ID:/7OB2igF0

これは人間賛歌
561 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/27(日) 21:40:21.82 ID:654dWeBVo
乙乙!
562 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/27(日) 23:14:45.57 ID:hvnFlrNgO

池の中に飛び込むのはジョナサンを思い出すなぁ
563 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/24(日) 06:59:48.88 ID:iC3hjBNr0
待機という過程は吹き飛び、投稿されたという結果だけが残るッ!!
564 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/04/10(水) 22:01:16.79 ID:Ra9zvTzNO
みなさん、お久しぶりです

今から投下します

もうすぐアニメでドッピオが出てくるので……書き溜めを解放する時が……来た……
565 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/04/10(水) 22:02:45.08 ID:Ra9zvTzNO

黄瀬やよいは幼い頃から漫画やイラストを描くことが大好きな少女であった。

彼女の家は母親との二人暮し、母子家庭である。

母親はキッズファッションの会社に勤める美しく
優しい女性で、やよいのことを大事に考えてくれる人だった。
父親はいない、やよいがまだ五歳の頃に他界している。
そのことについては殆ど思い出せないが、気持ちの整理は着いているし、たぶん自分はたくさん悲しんだのだろうなと何となく今ではそう思っている。
566 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/04/10(水) 22:03:32.27 ID:Ra9zvTzNO

そんな一見普通の中学生に見える彼女にも悩みがあった。中学二年生になるまで『親友』という言葉とは無縁の生を送っているということだ

『友だち』はいると自分では思う
しかし心の内面を共有できる仲間だとか、そういったワイワイするものはなかなか作る機会が無かった。
引っ込み思案で人見知りというのも理由ではあるが、何より同年代の子と比べて明らかに『オタク』だからだ。

いつの時代でもオタクはなかなか理解されない。そして自分の趣味が理解されないことほど悲しい事はない。
『理解されないことを恐れるから近付かない』
それはある種の諦めにも似た考えであった。

567 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/04/10(水) 22:04:11.80 ID:Ra9zvTzNO

だからこそありのままの自分を受け入れてくれたみゆきを含めるプリキュアメンバーに対する信頼は篤く、『自分も親友のために頑張れる』という気持ちが湧いてくるのだ。

それがやよいのプリキュアとして戦う意志の源である

568 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/04/10(水) 22:05:17.57 ID:Ra9zvTzNO



【Casa dei cartoni animati】……イタリア語で漫画家を意味する



569 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/04/10(水) 22:12:20.40 ID:Ra9zvTzNO

七色ヶ丘公園ッ!!



やよい「うーん、やっぱりキテないかなあ?」キョロキョロ

みゆき「毎日来るとは限らないからねえ〜?」キョロキョロ

なお「なあ、ほんとにここにいたのか? その……マンガ家の岸辺先生って人がさ」

やよい「うんッ! あの、超人気少年漫画『ピンクダークの少年』の作者ッ天才漫画家の『岸辺露伴』先生がッ!」クワ

やよい「昨日スケッチブック片手にここら辺を歩いてたって! ほんとならあなた、これはスゴいことなんだよ!!」ペラペラ

なお「そ、そうなんだ」ドンビキ

みゆき「やよいちゃん、ほんとーにその岸辺先生の大ファンなんだねえ」

570 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/04/10(水) 22:19:01.38 ID:Ra9zvTzNO

キャンディ「キャンディ、その人知らないクル。そんなにスゴい人クル?」

やよい「うん! 露伴先生の描く絵の線はとっても力強くて、それでいて緻密で繊細さも秘めているって言うか……とにかく『スゴい』の!」ペラペラ

やよい「ストーリーやキャラクターも独創的かつ大胆な構成と、読み手の予想を上回る熱い展開! 一度読み出したら止まらない面白さなんだよ!!」ペラペラ

なお「そ、そう(やよいちゃん、今日はよくしゃべるなあ)」

みゆき「うんうん、わたしもそんなスゴい人に会えるなんて感動だよ! 早く会いたいな〜」ハッピー

571 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/04/10(水) 22:20:03.99 ID:Ra9zvTzNO

なお「問題はいつ会えるかだけどね……。ねえみゆきちゃん、漫画家先生がいたって情報はみゆきちゃんのソースだったよね? どっから持ってきたの?」

みゆき「うん? ちょっと前に男子がお誘いしてきたの! 星空さんはピンクダークの少年読んでますか〜だって。その時にね」

やよい「……」

なお「……」

みゆき「わたし、絵本はよく読むけど漫画はあんまり知らないんだけどなァ〜?」ハッピー

なお「ねえやよいちゃん、みゆきちゃんてモテるの? なんか慣れてる感じが……」コソ

やよい「うん……道を歩いてていっぱい声かけられてるの見たことあるよぉ……まるで漫画の主人公並に」コソソ

572 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/04/10(水) 22:21:23.23 ID:Ra9zvTzNO

なお「へ、へえ〜? 意外だな……本人に自覚は……」

やよい「あるよ、でも顔色ひとつ変えないんだもん。堂々としてるというかなんというか」

なお「普段のあの様子からは想像できないな……」

みゆき「二人ともどしたの? はやくいこォーよッ!!」スタタタ

キャンディ「クル〜♪」ピューン

なお「あ、待ってみゆきちゃん!」スタタタ

やよい「……」

573 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/04/10(水) 22:22:11.98 ID:Ra9zvTzNO


みゆき『とうおるるるるるるんッ! あ、ボスから電話だぁ〜!? ごめんねやよいちゃん、ちょっと電話探してくるから〜!』タタタ


やよい「(みゆきちゃんの言うボスさんって誰なんだろう……プリキュアのこととか色々あったから、みんな聞いてなかったけど)」

やよい「(どこから電話?をかけてるんだろ……ううん、それより……『本当にいる人』なのかなあ? こんなことみゆきちゃんに聞いたら怒られちゃうかもしれないけど)」

なお「やよいちゃん! 置いてっちゃうよ〜!」

やよい「あ、ま、待ってェ〜!?」


574 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/04/10(水) 22:30:23.29 ID:Ra9zvTzNO

1時間経過ッ!



みゆき「いないね……」

なお「やっぱりそう都合よくいるわけないか。サイン欲しかったんだけどな」

みゆき「あれ、なおちゃんもサインほしいの?」

なお「弟がファンなんだ、会えたらもらってくれってせがまれた」

みゆき「ふうん、そういえばあかねちゃんの弟もファンだって言ってたかな?」

なお「そうなんだ? じゃああかねの分ももらっとくかな。あとはれいか……は、もらって嬉しいかな?」

みゆき「嬉しいよ〜!二人とも今日は家の都合で来られなかったからねえ」

575 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/04/10(水) 22:31:29.21 ID:Ra9zvTzNO

なお「そうだね。ま、それも漫画家先生が来なきゃ意味ないけどね……」

やよい「うう〜」

みゆき「あ、やよいちゃんが泣きそう」

キャンディ「やよい、泣いちゃダメクル!」

なお「ま、まだ会えないって訳じゃあないからさ」

やよい「う、そ、そうだよね! まだ会えないって決まった訳じゃないッ! もうちょっと粘ってみるよッ! ね、みゆきちゃん!」

みゆき「……」

やよい「みゆきちゃん?」

みゆき「あれ」スッ

やよなおキャン「「「??」」」クルゥリィ


576 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/04/10(水) 22:32:24.83 ID:Ra9zvTzNO


┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨


???「……」


┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨


なお「なんか変な人がッ!?」

キャンディ「クル〜、スッゴい変な髪型クル〜! ついでに服装も奇妙クル〜!」

みゆき「どう見てもタダ者じゃあ無いよね……。それに、なんだろ……なんだか、わたしの……」

みゆき「勘が告げている気がする……『あの人に近づくのは吉じゃあない』って」ゴゴゴゴ

やよい「ろろろろろろろろろろッッッ!!?」

みゆき「どしたのやよいちゃん、肥溜めで溺れているドブネズミみたいな顔しちゃってるよ?」

なお「みゆきちゃん、辛辣」

やよい「『露伴先生』ッ!! ……まさかッ! ここでッ……!!」

577 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/04/10(水) 22:35:11.40 ID:Ra9zvTzNO

キャンディ「クル? あの人がロハン先生クル?」

なお「ほんと……!? な、なんていうか……スッゴク近寄りがたいんだけど……なんか漫画家っぽいイメージと違う」

露伴「バカ言っちゃいけない。まさか漫画家がみんな『見た目がネクラっぽくてベレー帽被ってる』……なんて思ってるんじゃあないよな? ま……」

露伴「僕に限ってそれは当てはまらないけどね」ドン

なお「へッ!!?」

キャンディ「あれ、いつのまに後ろにクル?」

みゆき「キャンディ、しゃべるの禁止」ドッグォオ

キャンディ「クルゥオオッ!!?」ムギュ

578 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/04/10(水) 23:09:15.49 ID:Ra9zvTzNO

露伴「で、君たちさっきから僕のことジロジロ見てキャイキャイしゃべってたけど、なんか用でもあるのかい? こっちとしてはけっこう不愉快……なんだけど」

やよい「あああああああのあのあのッ!? 露伴せん、先生ですよねッ!? わわわたわたわたしッ!」

露伴「落ち着いて話しなよ、吃りかなにかってわけじゃないだろ?」

みゆき「やよいちゃん、ほら、深呼吸」

やよい「すぅぅ────ッッハァア────ッッ!!」

なお「よちよち」

みゆき「……漫画家の岸辺露伴先生……ですよね?」

露伴「うん?」

579 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/04/10(水) 23:09:56.98 ID:Ra9zvTzNO

ニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブ

みゆき「わたしたち、『先生のファン』なんです。……お会いできて嬉しいです」スッ

みゆき「君は礼儀を解ってる人間のようだね。……よろしく」スッ

ガッシィイ

ニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブ

なお「」ゴクリ

やよい「」アワワワ

キャンディ「(クル〜。みゆきがまたギャングのようなスゴ味を出してるクル)」ニンギョウノフリィッ

露伴「とりあえず……あそこの四阿(あずまや)で話しでもしようか?」

みゆき「はい! よろしくお願いしますっ♪」ハッピー


580 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/04/10(水) 23:11:15.16 ID:Ra9zvTzNO



バッドエンド王国ッ!



アカオーニ「ジョーカー! いきなり呼び出して何の用だオニ!?」

マジョリーナ「あたしゃ忙しいんだよ、さっさと用件を言うだわさ」

ウルフルン「……」

ジョーカー「いえいえ、大した用ではないのですがァ〜?」

アカオーニ「だからなんだオニ」

ジョーカー「みなさんのおかげでバッドエナジーは順調に集まっています。しかぁしッ!」

ジョーカー「いまだにプリキュアを倒せていないッ! 一人もです……これは少し見逃せませんねェエ〜?」

アカオーニ「うぐッ!?」

マジョリーナ「う、うるさいだわさ!!」

ウルフルン「……チッ」

581 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/04/10(水) 23:12:03.85 ID:Ra9zvTzNO

ジョーカー「ピエーロ様が復活なされた時に、プリキュアなどという者たちが残っているとなると……ああ、なんと言われるでしょう! 考えただけで恐ろしいッ!」

ジョーカー「あなた方に失望されて……見放してしまうかも……しれませんねえ? おお、怖いですねえ?」

アカオーニ「……」

マジョリーナ「……」

ジョーカー「そうなりたくなければ、せめて一人位はプリキュアを倒してほしいものですねえ?みなさん?」

ウルフルン「テメーに言われなくてもよォオ〜……」

ジョーカー「!!」

582 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/04/10(水) 23:12:55.72 ID:Ra9zvTzNO

ウルフルン「オレはやるぜ……。プリキュアをぶっ倒してついでにミラクルジュエルとかも見つけてよォオ〜……」

マジョリーナ「あんた……」

ウルフルン「言われるまでもねーぜ。……しかしだ」

ウルフルン「キュアハッピーは『別』だ。オメーらじゃ逆立ちしても勝てねー、諦めな」

アカオーニ「なっ!? てめえッ!」

マジョリーナ「あたしらじゃ相手にならないってのかい!?」

ウルフルン「忠告しただけだぜ……心当たりはあるんじゃあねーのか? アイツの恐ろしさをよ……」

アカオーニ「……」

マジョリーナ「それは……」

583 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/04/10(水) 23:13:46.47 ID:Ra9zvTzNO

ウルフルン「ま、オレは勝手にやらせてもらうぜ……ピエーロ様もメルヘンランドも関係ねえッ! アイツをぶっ倒すことだけが、何よりも大事ってのは確かだからな」

ジョーカー「おや、聞き捨てなりませんねえ? ピエーロ様をないがしろにするような台詞を言うとは」

ウルフルン「勘違いすんじゃねーよ。仕事はキッチリやるぜ……じゃ、行ってくらあ」スタスタ

ジョーカー「……やれやれ、ずいぶん強気ですね。頼もしいと言うべきかどうか」

アカオーニ「お、オレも行くオニ! 嘗められっぱなしはガマンならねーオニ!」



584 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/04/10(水) 23:14:56.46 ID:Ra9zvTzNO



再び公園ッ!



やよい「そ、それで露伴先生ッ! 今日はどのような目的でこの公園に来たのですかッ!?」

露伴「見ての通り、取材さ……。僕は漫画家だからね、良い漫画を描くためにはネタが必要だ。そのための取材も兼ねてこうやって歩き回ってるのさ」

やよい「ふんふんッ! お仕事熱心ですね! 流石ですッ!」

露伴「オイオイ褒めても何もでないぞ? ま、確かに水も空気も綺麗な町だけど、ありきたりな感じは否めないかな。これと言って大したモノは描けなかったけど……見るかい?」

やよい「みみ、見ても良いんですかッ!? 先生のなななな生デッサンッ!!」

露伴「いいよ、別に減るもんじゃあないし」

なお「(さっきからめちゃくちゃ偉そうだなこの人……やよいちゃんは気にしてないみたいだけど)」

やよい「あ、あれ? これって……」

585 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/04/10(水) 23:15:56.62 ID:Ra9zvTzNO

みゆき「これは、デッサン……なの?」

なお「なんかデッサンにしてはスゴく簡単に描いてるような」

露伴「こういうのははじめてかい? 55年没『ド・スタール』を意識して描いたものさ……彼の絵は抽象画でありながら同時に風景画でもありそのギリギリのせめぎ合いをテーマに描いている」

露伴「絵画で心の究極に挑戦しているんだ、彼の絵は泣ける。僕もそういう心を射つ漫画家でありたいと思っている」

やよい「」ポカン

なお「(ま、漫画家……というか)」

みゆき「芸術家ですねッ」

露伴「ま、彼の画集が僕に残された唯一の財産だからね。見てるうちに描く気になっただけなんだけど」

586 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/04/10(水) 23:17:40.20 ID:Ra9zvTzNO

やよい「せ、先生は漫画以外の知識も豊富なんですね」

露伴「知識? 当然さ、漫画家が漫画ばっかり読んでたって良い作品は作れない。そーいうのはよくてファンアートが関の山だ、第一引き出しが足りない」

露伴「いいか? 面白い漫画ってのは『経験』や『知識』から成るリアリティがモノを言うんだ。漫画の神様って知ってるだろ? 手塚治虫。彼の漫画が偉大なのは人生の中で出来た膨大な『引き出し』から形成されているからさ」

露伴「彼は戦争も体験してるし医師免許も持ってる。映画に関する造詣も深い。これだけでも濃い人生経験だ……。戦争を体験してるのはデカイかもな、正直羨ましい」

なお「ええ……」

露伴「まあ命がけになるけどね、要はそれくらい本気でやってはじめて面白い漫画が描けるってことだ(もちろん一番面白い漫画を描けるのは自分だと言う確固たる自信があるけどね)」

やよい「……先生ッ!!」ガタッ

露伴「なんだい、急にマジになって」

587 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/04/10(水) 23:19:54.94 ID:Ra9zvTzNO

やよい「わっわたしッ! 先生の漫画に対する姿勢に感激しましたッ! はじめてです。こんな衝撃は……!」

露伴「そうかい? そんなに感動されるとなんか調子狂うな」

やよい「そ、そんな先生にはぜひ……わたしの『漫画』を読んでくれませんかッ!?」

なお「やよいちゃん!?」

みゆき「おお、ついに言っちゃった!!」

露伴「……君の漫画を? 何? 僕に読んでもらって……なんだ、つまり……」

露伴「『感想』を言ってほしい……ってことか?」

やよい「はいッ! ほんとは怖くて『とても見せる気が起きない』って思ってましたッ!」

やよい「けど、先生の話を聞いてこう思ったんです。『わたしも本気で面白い漫画を描きたい』って……! そして、露伴先生にもわたしの漫画を読んでもらいたいって、心から思ったんですッ!!」

なお「いつになくやよいちゃんが熱い」

みゆき「よっぽど感動したんだね〜♪」ハッピー

588 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/04/10(水) 23:21:04.13 ID:Ra9zvTzNO

露伴「……正直この手の話は無いわけじゃあないんだ……『僕に弟子入りしたい』って言うヤツなんて、それこそ腐るほどいる……まあそんなのは僕には要らないんだけどさ」

やよい「うう」

露伴「でも、君は『弟子入りしたい』のではなく『漫画を読んでもらいたい』って言ったね? そういう熱くてまっすぐな心意気は……いいね、嫌いじゃあない」ニヤ

やよい「そ、それじゃッ!?」

露伴「いいよ、君の漫画を読もうじゃないか……『一読者としてね』。光栄に思えよ? 滅多にこんなことしないんだから」

やよい「ありがどうございばずぅぅぅぅぅ!!」ビエエ

なお「な、泣いちゃったよ……よしよしやよいちゃん」ヨシヨシ

みゆき「ちょっと偉そうだけど話のわかる人で良かったね」ヨシヨシ

露伴「ふむ……『ミラクルピース』……意外だな、君のような女の子が少年漫画を持ってくるとは」パラ

なお「もう読んでる……」

589 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/04/10(水) 23:22:38.45 ID:Ra9zvTzNO



バッドエンド王国ッ!!



アカオーニ「オイコラ! 待つオニ! ……待てっつってるオニ!」

ウルフルン「んだようっせーなー……。つーかなんでテメーまで付いてきてんだよ? オレだけでいいっつっただろーがよォオ〜?」

アカオーニ「フン! 抜け駆けは許さんオニ。オレも手柄を立ててピエーロ様に認めてもらうぜ!!」

ウルフルン「ピエーロ様ねえ……ま、テメーの好きにやりゃあいい。ただし、オレの邪魔はすんじゃあねーぞコラ」

アカオーニ「あん? ……オメーなんだか最近変オニ。変なモノでも食ったか?」

ウルフルン「テメーじゃあるめーし一緒にすんじゃねーよ。じゃー先に行ってんぞ」

アカオーニ「……(いつもならここでもう少し喰ってかかるオニ。こいつも大概気が短けーはずだったんだが)」

ウルフルン「(待ってろよォオ〜みゆきよ〜? 目にもの見せてやんぜコラァア〜……!!)」ケケケ


590 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/04/10(水) 23:23:25.16 ID:Ra9zvTzNO


再び公園ッ!!



パラ……

   パラ……


露伴「……」ジィィ…

やよい「ドキドキ」

なお「……ッ」ドキドキ

みゆき「さすが『プロ』だね……目が『マジ』だよ……一切の妥協を許さない光を放っているッ!」

露伴「……なるほど、ね」トントン

やよい「ど、どーでしたか?」ドキドキ

露伴「『どう』だって? 話にならないよ」

やよい「はうッ!?」グサァ

591 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/04/10(水) 23:24:58.78 ID:Ra9zvTzNO

なお「ちょ、ちょっと先生!?」ガタッ

みゆき「なおちゃん、抑えて」グイッ

露伴「絵はそこそこ観れる……けど、コマの構図や繋がり、ストーリーの粗はそれだけじゃあごまかせないな……」

やよい「ッッ!!」グサグサッ

露伴「残念だけど、漫画の技術は凡百の同人誌レベルと大差は無いね。ま、やる気があるならそれこそ何千枚描きまくってようやく半人前ってとこかな」

やよい「ううう……」

露伴「悪く思うなよ? 僕は漫画に対しては嘘はつけない。『素直な感想』を言わせてもらったまでさ。僕なんかまだ優しい方だと思うぜ? 読者はそれこそメッタクソに叩くなんてことは珍しくもないんだからな」

やよい「は、はい……ありがとうございます……」

みゆき「辛辣だねえ」

なお「や、やよいちゃん、元気だしなよ?」

やよい「うん……」

露伴「おっと、勘違いするなよ? 別に僕は君の漫画を『つまらない』と言った訳じゃあないんだ」

592 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/04/10(水) 23:25:48.58 ID:Ra9zvTzNO

やよい「えっ!? そ、それって」

露伴「さっきも言ったが、面白い漫画ってのはリアリティが大事なんだ。読者を物語に引き込むパワーはリアリティから産まれる。それが一番重要なのさ!」

露伴「そして君の漫画は技術だけを観れば確かに未熟だ、僕はもちろんプロには遠く及ばない。だが!!」

露伴「君の漫画からは『奇妙なリアリティ』を感じるッ!!」クワッ

やよい「ひゃあっっ!?」ビクッ

露伴「ミラクルピースと言ったね? 正義のヒロインが悪者をやっつける……『王道中の王道』だ……手垢が着きまくってるという感は否めないがしかし!!」

露伴「この物語は『生きている』!!主人公も悪役も舞台も、『現実味を帯びた説得力がある』……そう、『まるで実際に見てきたかのような』……ね」


みゆやよなお「「「!!??」」」


593 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/04/10(水) 23:27:12.50 ID:Ra9zvTzNO


ニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブ


露伴「……ああ、そういえば君たちに話して無かったことがあったな。僕はね、ただの休暇や取材のために……この町に来たわけじゃあないんだ」

やよい「み、みゆきちゃんッ!」

みゆき「うん……前話してたことが本当なら……ッ!」

なお「え? なに? 二人とも何か知ってるの?」オドオド

露伴「突然空が暗くなって、ピエロの怪物が暴れまわる……そして、それに立ち向かう5人の女の子達の噂……君たち聞いたことがあるかい?」

やよい「え、え〜っと……」

なお「(まさか、プリキュアのことを調べに来たっていうの?)」

594 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/04/10(水) 23:28:55.99 ID:Ra9zvTzNO

露伴「そんなメルヘンチックな噂なんて聞き流す所だが、どうやら何人もの人々が目撃してるらしいじゃあないか? え? ちょっとした都市伝説くらいには有名らしいぜ、とても興味深い」

みゆき「……露伴先生、なにが言いたいんですか〜?」ニコ


ニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブ


露伴「オイオイオイオイそんな凄むなよ、取材ってのは間違っちゃあいないさ。ただね、聞いた所によるとその女の子達の『特徴』なんだけど……さ、ずいぶん明るいらしいじゃあないか? そう、『髪』の色とか」


みゆやよなお「「「!!!」」」サッ


露伴「おおっと、『髪に触れた』なッ!? そうさ、そんな鮮やかな髪の毛の女の子が何人もいてたまるかッ!? 知ってることは全部教えてもらうぞッ!!『ヘブンズ・ドアー』ッッ!!」ズキュゥゥン

やよい「いや、先生ッ! これは地毛ですッてきゃあああああ─────ッッ!?」ズキュゥゥン

なお「確かに緑の髪なんて滅多にいないけどッ!? それにその髪型でどうこう言われたくないよッ!」

みゆき「このヘアースタイルがコロネみてーだとッ!?」クワッ

キャンディ「言ってないクル」

595 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/04/10(水) 23:31:04.64 ID:Ra9zvTzNO

やよい「ふええ……」バタッ

なお「やよいちゃんッ!! ……アンタ、やよいちゃんに何をしたんだッ!?」キッ

みゆき「(やよいちゃんの顔が、まるで本のページのようにッ!!)」スック

露伴「ああー……待て、落ち着けよ。別に危害を加えるって訳じゃないさ。あくまで取材だよ取材」

露伴「ただし詳細にッ!!だ!! ヘブンズ・ドアー!!」ドシュドシュ

なお「えっ!? ……うぁ」ドサ

みゆき「なおちゃんッ!(まただよ、もしかしてこれが、この人の)」バッッ

露伴「ふむ、どうやらこの二人は『見えない』らしいな……それとも、まだ実力を隠している……可能性も否めないか」

みゆき「……」ゴゴゴ

キャンディ「……ッ」ドキドキ

596 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/04/10(水) 23:32:54.39 ID:Ra9zvTzNO

露伴「そしてさっきから君から放たれている得たいの知れない『スゴみ』……いいね! その覚悟を決めた表情ッ! とてもグッとくるッ!」

みゆき「……あなた、一体何者なんです?」

露伴「漫画家さ、ただし、人とは少し違った特別な能力を持ってはいるけどね。そう、君たちのように」

キャンディ「クル? もしかしてロハンもプリキュアクル〜?」ひょこ

みゆき「キャンディ!!」

露伴「……おい、ちょっと待て、なんだその……何? 『毛玉』? の……ヌイグルミみたいなのは」

キャンディ「あ、しゃべっちゃったクル!!」テヘペロ

みゆき「キャンディ、もーうっかりし過ぎだよぅ!」プンスカ

キャンディ「ごめんなさいクル」

露伴「まさかスタンドか? いや、精神的な感じはしない。……実際に触れるし体温もある、もふもふしてて気持ちいいな。味もみておこう」モフペロ

キャンディ「ひゃあっ!!!?」ビクッ

みゆき「キャンディになにするのッ!?」

597 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/04/10(水) 23:35:12.84 ID:Ra9zvTzNO

露伴「……スゴいぞ……まさか、こんな生き物がこの世にいるなんてな! 妖精ってやつかい? 魔法少女には御約束の存在ってわけか。これはいいっ! 今度妖精を描くときの参考になりそうだッ!」クワッ

キャンディ「こ、こわいクル〜……」

露伴「君たち3人から取材するつもりだったが気が変わったぞッ! まずは君からだ妖精くん!! 『ヘブンズ・ドアー』!!」ズキュゥゥン

キャンディ「クル〜!?」ズキュゥゥン

みゆき「(キャンディも本のようになっちゃった。どーなってるの?)」

露伴「君は慎重だね? 僕が本当にこの子達に危害を加えるかどうかぎりぎりまで見極めて、少しでも『その気』があれば即座にぶちかましてやるっていう気概を感じるよ」

露伴「すぐにそうしなかったのは僕の能力の全体が見えなかったからってとこか? それとも……」

露伴「力をできるだけ見せたくない理由があるからか?」

みゆき「……さあ、どうでしょうか。ただ……先生からは、相手を害そうとする殺意がなかったからね。それで動きが少し遅れたってのが事実だよ……」

みゆき「はじめてだよ、殺意のない攻撃っていうのは」

露伴「殺意? 当然さ、大切な取材相手を殺しちゃあダメだろ。僕は青少年に健全な漫画を描いてる漫画家なんだぜ?」

598 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/04/10(水) 23:37:25.88 ID:Ra9zvTzNO

露伴「安心していい。ヘブンズ・ドアーは相手のこれまでの記憶や情報などの『人生の体験』を読むことができる……もちろんそれだけじゃあないが、君の友達二人とこの妖精に使うのはその能力だけさ。それ以上は何もしない」

露伴「ただし、君が僕を攻撃しようとした時は、話が変わってくるけどね」

みゆき「……」

みゆき「先生が『本物の誇りあるプロフェッショナル』なら、その言葉に嘘偽りは無いのだろうけど」

みゆき「もしそうでないとしたら……『攻撃しないという保証はできません』。私は私の友達を守るために、先生を攻撃しますッ!」

みゆき「……できたらそうさせないでくれるとうれしいなッ!」ニコ


ニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブ


露伴「……言うじゃあないか。その自信は君が持つ『力』とやらから来るのかい? おもしろい、ますます興味が沸いたよ」

みゆき「……」

599 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/04/10(水) 23:38:49.78 ID:Ra9zvTzNO

露伴「そうだ、そのまま静かにしてりゃあいいのさ。さて、まずは妖精くんの体験を覗こうじゃあないかッ!!」バッ

露伴「なになに……名前はキャンディ、メルヘンランドで生まれる……『メルヘンランド』? 妖精の国か何かか? 年齢は今年で5才。兄が一人いて名前はポップ」パラパラ

みゆき「(ほんとにキャンディの体験を読んでるんだ……)」

露伴「ふむ……メルヘンランドは想像の国か、童話やお伽噺の元になる国。それじゃあもしかしたら僕の漫画も想像としてそこにあるかもしれないってことか? なんだか夢があっていいじゃないか」パラ……

露伴「なに……バッドエンド王国? 世界をバッドエンドにする……そうか、これが『悪役』ってわけか? そして皇帝ピエーロの復活……それを阻止する5人の戦士、プリキュア……『プリキュア』だって!?」パラ

露伴「そうかッこれだよこれ! このプリキュアが君たちなんだな!? いやまて、数が少ないな?後二人……まあそれはまた今度でもいいか」

600 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/04/10(水) 23:39:37.72 ID:Ra9zvTzNO

露伴「それよりもこれはスゴいぞッ!! 今年の2月から現在までは特にスゴいッ! プリキュアとバッドエンド王国との戦い! 間近で見てみたいものだッ!」

露伴「次はプリキュアについてだッ! この子の体験を見ようじゃないか!!」グイッ

みゆき「(やよいちゃん……!!)」


601 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/04/10(水) 23:41:53.07 ID:Ra9zvTzNO

露伴「なるほど、この子は3番目のプリキュア、キュアピースかッ! 能力は雷!! 見かけや正確に依らず過激な能力だな、そういう設定もギャップがあっておもしろいぞ」メモメモ

露伴「だがこの『ぴかぴかぴかりん じゃんけんぽん』とかいう決め台詞は無いな。とても中学生が発していい言葉じゃあない。頭脳が退化してるんじゃないか?」

みゆき「わたしもそー思う」

露伴「君、外見に似合わず辛辣だね。友達少ないほうだろ」

みゆき「(テメーに言われたかねーよ)」ニコニコ

露伴「(さて、できればこの子のページを破いてじっくり見たいところだが)」チラ

みゆき「……」ニコニコ

露伴「(やめておくか……? 正直、この二人と一匹に比べてこいつは『得たいが知れない』)」

露伴「(あらゆる人間を観察してきた僕だからこそ分かる。こいつの『目』は『やるときはやる』目だ……危険な光を孕んだ覚悟の眼差し)」

露伴「(下手に刺激すれば思わぬ反撃を食らう……かもしれないな。最悪、命を取られかねない……)」

602 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/04/10(水) 23:44:05.87 ID:Ra9zvTzNO




露伴「(だから気に入った)」




603 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/04/10(水) 23:45:14.70 ID:Ra9zvTzNO

露伴「(考えてもみろ、フツーこんなちっぽけな小娘がここまでの威圧感、スゴ味を発することができるかッ!? 答えは否だねッ!)」

露伴「(何かがあるッ! この少女にはプリキュアの力の他にも、何かとてつもない秘密があるッ! 僕はそれを何としても知りたくなってきたぞ!!)」

露伴「……さてと、次はこの緑の髪の子の記録を読もうかな(少しでも隙を見せたら一気にヘブンズ・ドアーを食らわせるッ! 当たれば僕の勝ちだっ)」

「おっと……妙な考えを起こすんじゃあないぜ……?」

みゆ露伴「「!?」」


ガッシィイッ!!



ウルフルン「この『手』はよォオ〜〜〜……何かよからぬことを仕出かそうって企んでる手だぜ……。なんで分かるかって? 俺もよからぬことを仕出かす側だからだよッ!!」ドンッ

みゆき「ウルフルンッ!?」

露伴「な、なんだ!? オオカミが喋っているだとっ!?」

604 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/04/10(水) 23:47:17.19 ID:Ra9zvTzNO

ウルフルン「いい歳したオトナが不意討ちなんて情けねえ真似はよくねぇよなァア〜? え? 漫画家サマよォオ〜!!」グイッ

露伴「ぐっ、ヘブンズ……」

ウルフルン「遅ェエエエッッ!!」

ドグシャァアアッッ!!

露伴「ゴバッッ!?」ズキュゥゥン

ウルフルン「みょーな能力を持ってるようだが、体の動きはプリキュアに比べりゃあ屁でもねーぜ!!」

みゆき「ウ、ウルフルン、あなた、わたしを助けるなんてッ!? どうかしちゃったのッ!?」

ウルフルン「ケェーッ勘違いするんじゃあねーぜッ!! おめーをブッ倒すのは俺の役目なんだッ! こんなワケのわからねー人間なんかに横取りされたらたまらねーってだけよぉ!!」

みゆき「ウ、ウルフルン……」

露伴「……やれやれ……清々しいまでに少年マンガしてくれるキャラじゃないか……ゴフッ」

みゆき「ま、まだ倒れてないッ!?」
605 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/04/10(水) 23:51:46.39 ID:Ra9zvTzNO

ウルフルン「ああ〜? テメーまだくたばってなかったのかッ!? しぶてー野郎だぜ」

露伴「ふん……漫画家は体力がモノを言う職業なんだぜ? この程度じゃあくたばってやれないね」

みゆき「わたしの知ってる漫画家とちがう」

ウルフルン「だったら今度こそトドメ刺してやろーじゃねーかコラァ!?」

露伴「まあ待てよ、僕は別に君と戦おうって考えてる訳じゃないんだ。用があるのはそっちのプリキュア、つまり『君の敵』だ」

露伴「バッドエンド王国ってのは君のことなんだろ?『オオカミ』くん。プリキュアの敵なら戦う相手が間違ってるぜ」

ウルフルン「だからさっきも言っただろーがよ、そいつをブッ倒すのは俺の役目だってよ」

露伴「それにしちゃ随分と御執心じゃないか? え? そこに転がってる二人と一匹に比べると、君のそのピンク髪の子に対する態度は『特別』に見えるけどね?」

606 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/04/10(水) 23:53:11.97 ID:Ra9zvTzNO

みゆき「えっ、わ、わたし?」

ウルフルン「はああッ!? な、何言って」

露伴「なんだ、まさか『気でもある』のか?
 オイオイオイオイオイオイ、いくらなんでもそいつは不味いんじゃないか? 鏡を持ってるなら見ることを進めるぜ。自分を知れよまったく」

ウルフルン「だッッ! 誰がこんなちんちくりんのことをッッ! すすすすすすす……『好き』だなんてよッ!? バ、バカ言ってんじゃねェエエエ─────ぞッッ!!?」

露伴「おや、僕は一言も『好き』だなんて言ってないぞ」

ウルフルン「……」

ウルフルン「……」クルゥリィ

みゆき「ドキドキ」

ウルフルン「い、今のはよォオ〜……そんなつもりで言ったワケじゃ……」

みゆき「やだ……ウルフルン、わたしのことそんな風に思ってたの? キュアドリームみたいに種族の壁を越えた……なんて。な、なんかはずかしーなー///」テレレェ

ウルフルン「あう、お、おめーな……」

みゆき「でもゴメンね、わたしピーターパンが好きなの」

ウルフルン「」


607 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/04/10(水) 23:55:28.12 ID:Ra9zvTzNO

あかね「ポップ、ほんとーにここら辺でバッドエナジーの気配がしたんか? 見たとこなーんもあらへんけど」

ポップ「間違いないでござる。バッドエンド王国が現れた時に溢れるバッドエナジーッ!! 今、限界を超えたエナジーを集中させた者が、この公園の何処かにいるでござる!」

れいか「だとしたら放ってはおけません。ここは町の人たちの憩いの場、それをバッドエンドするなどとは断じて許せません!」

あかね「こんな時にみゆきたちと連絡とれへんのはイタイけど、無い物ねだりしてもしゃーないか」

れいか「わたしたちだけで何とかするしありませんね。ポップさん、バッドエナジーの発生場所はまだでしょうか?」

ポップ「あの四阿からエナジーが溢れてるござるッ!」

れいか「わかりました。……あら、あれは……!」

あかね「れいか、どないしたん? ってみゆきたちやん!! あのオオカミもいっしょや!! 今行くでみゆきッ!」


れいか「あかねさん待ってください、様子が変ですッ! オ、オオカミさんがッ!」

あかね「なにィ〜〜〜〜ッ」


608 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/04/10(水) 23:56:58.75 ID:Ra9zvTzNO



ウルフルン「」ブツブツ



れいか「み……見てください! オオカミさんの表情を! 眼がうつろですッ!」

れいか「あの姿勢のまま動こうとしませんッ! なにやらブツブツつぶやいていますッ!」

ウルフルン「ま……まさか、こんなことが……なぜ……そんなバカな」ブツブツ

みゆき「どしたのウルフルンってば? 冬のナマズみたいにおとなしくなっちゃった」キョトン

露伴「君がトドメを刺したんだよ」

ポップ「キャンディ! やよい殿、なお殿! しっかりするでござる!」ユサユサ

キャンディ「」シィーン

609 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/04/10(水) 23:59:02.74 ID:Ra9zvTzNO

ポップ「おのれ……バッドエンド王国ッ! よくもキャンディたちを傷つけたでござるなッ!?」

露伴「ああ、そーいう流れになるって訳かい? こっちとしてはその方が都合がいいな」

ポップ「おぬしは……?」

露伴「通りすがりの一般人さ、そこのオオカミが悪さをするもんだから困っててね。早くプリキュアってのが助けに来てくれればありがたいんだけどな?」

ポップ「そうでござったか。ここは危ないから安全な所に……」

アカオーニ「コラァおめーオオカミッ! バッドエナジー集めんのにどれだけ時間かかってるオニ!?」バァアーン

ポップ「二人目でござるかッ!?」

露伴「そら、お出でなすったぞ? 早く呼んだ方がいいんじゃあないか? プリキュアをさ」

ポップ「くっ……」

アカオーニ「おめーが先陣斬ってプリキュアをぶったおすっつーから待ってやったが、もういいオニ! もう俺一人で十分……って」

ウルフルン「」ブツブツ ドヨォオン

アカオーニ「なんだコイツ……バッドエナジーが勝手に溢れてるオニ。それもヤバイほどの量ッ! コイツは使えるオニ! ありがたく吸収させてもらうオニ」ズズズズ

露伴「なるほど、ああやってバッドエナジーを吸収して、ピエーロってヤツを復活させるって訳か」

610 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/04/11(木) 00:00:20.48 ID:gbY5bbXQO

あかね「なんやこの変な髪型の人……バッドエンド王国の連中見ても全然びっくりせえへんで」

れいか「あかねさん、来ますよッ!」

あかね「!!」

アカオーニ「出でよアカンベェ!!」ポーイ


アカンベェ「アカンベェ〜〜〜〜ッ!!」


みゆき「やよいちゃんの漫画がアカンベェになったッ!?」

あかね「ん? あのアカンベェ、鼻が青いで」

れいか「いつもの赤い鼻ではありませんね」

みゆき「あ、そっか……前の戦いだと青っぱなと戦ったのはわたしだけだったッ」

露伴「おおッ!? コイツはスゴいぞッ!? これが噂のピエロの怪物ってのか! いいぞ、いい『迫力』だッッ!!」

あかね「さっきからなんなんこの人……めっちゃ喜んどるやん」

みゆき「こ、こんな状況でも観察をやめないなんて……! これがプロフェッショナルッ!」

れいか「みなさん、驚いてる場合ではありません。行きますよッ!」

みゆあか「「YESッッ!!」」ビシィー


611 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/04/11(木) 00:01:34.88 ID:gbY5bbXQO



みゆあかれい「「「プリキュアッ! スマイルチャージッッ!!」」」レディー!!



省略ッッ!!



ハッピー「キラキラ輝く未来の光ッ! キュアハッピー!!」ドバァアーンッ


サニー「太陽サンサン熱血パワー! キュアサニー!!」ドギャアァンッ


ビューティ「しんしんと降り積もる清き心……キュアビューティ!!」シャァアンッ



露伴「おお、本当に変身したぞッ!? これがプリキュアかッ!! なるほど、迫力があるなっ」

アカオーニ「プリキュア! 今度こそ倒してやるオニ!」


ハッピー「ううー、5人いないと決め台詞が言えないよ〜……」ハップップ

サニー「そんなこと言うとる場合ちゃうやろッ!!」

ビューティ「ピースとマーチを欠いた状態ですが、やるしかないようですねッ!」

612 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/04/11(木) 00:03:07.84 ID:gbY5bbXQO
今日はここまでです

みゆきちゃんはジョジョの主人公らしくモテる設定です

それではまた
613 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/11(木) 14:55:26.69 ID:doJ/daDu0
乙です!!
614 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/11(木) 16:17:24.11 ID:Q7fQpR6d0
乙ッ!露伴先生が楽しそうでなによりです
615 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/04/12(金) 09:30:52.51 ID:4rMjRaZ9O
おはようございます

今から投下します
616 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/04/12(金) 09:32:30.94 ID:4rMjRaZ9O


アカンベェ「アカンベェ〜〜〜〜ッ!!」グワッ

サニー「なんやこの青っぱな、スッとろい攻撃やで」ハテ

ビューティ「確かに攻撃にキレがありませんね」サッ

ドゴンッ!!

サニー「ほんまや、大した攻撃やあらへんわ」ヤレヤレ

ハッピー「二人とも、コイツはパワーとスピードはカスみたいなモノだけど特別な能力があるんだよッ!」

ハッピー「このアカンベェにはプリキュアの技が通用しないの。技の使用は敗北を意味するッ!」

サニー「へ!? アホな、そんなんどうやって倒せばええねん!」

ハッピー「答えは簡単だよ。シンプルに『パワーで押し通す』……無駄な消耗はあってはならないッ! 確実にブチのめすッ!」

ビューティ「なるほど、シンプルが一番という訳ですね」

サニー「なんや、そんなんならウチは大歓迎やで! 分かりやすくてええからな!」



617 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/04/12(金) 09:33:30.77 ID:4rMjRaZ9O

ポップ「ま、待つでござる! アカンベェは浄化の力で無くては倒せないので」

ハッピー「オラァアッ!!」ブォンッ

サニー「ドラァアッ!!」ビュオッ

ビューティ「無駄ァアッ!!」ズバァッ



ドゴベギグシャァアッッッ!!!



アカンベェ「ギェエエエエエエエッ!!?」メシャンッッ



ポップ「ござ……る」

露伴「……なかなか凶暴だね……彼女たち」


618 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2019/04/12(金) 09:35:33.64 ID:4rMjRaZ9O

アカンベェ「オ、オァァー……」ピグッピグッ

アカオーニ「コラァァア────ッッ! おめーあの程度でもうギブアップしてんじゃあねーオニ!? なめてんのかコラッ!」

アカンベェ「ベ、ベッ! ベェ〜ッ!!」イヤイヤ

アカオーニ「ちぃいッ! これじゃフツーの赤っぱなの方がまだ戦えるオニ!!」バッ

ハッピー「赤鬼さん! 戦えるのはどうやらあなただけみたいだね!」

サニー「ようやくボスのお出ましかいな!」

ビューティ「いいでしょう、私たちがお相手します!!」

アカオーニ「さっきから黙って聞いてりゃ嘗めおってからに! おい、アカンベェ! いつまで腐ってるオニ!!」

アカンベェ「ベェ……」

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