【二次創作】ダンガンロンパ Re:MIX【オリロンパ】

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1 : ◆upV/60xbhSrj [!orz]:2018/11/04(日) 21:39:01.07 ID:ajbDX1DiO
【諸注意】
・何番煎じかもわからないオリロンパスレです
・以下の作品のリメイクとなっております。一部に軽い設定の変更が有ります
『元スレ』
【二次創作】安価で進めるオリロンパ リミックス
 https://ex14.vip2ch.com/i/read/news4ssnip/1532086400/

・エタらない事を重視するため、展開等が速いかもしれません
・キャラクターは以下のスレから拝借しましたが、一部に才能や氏名の変更があります
※エタロンパのキャラを書き留めるスレ
 https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/17143/1499596380/l30

・前作を見なくても大丈夫な様に作るつもりですが、若干のネタバレを含みます
『終了作品』
【二次創作】安価で進めるオリロンパ
 https://ex14.vip2ch.com/i/read/news4ssnip/1480764539/

【二次創作】安価で進めるオリロンパ ニューステージ
 https://ex14.vip2ch.com/i/read/news4ssnip/1501335812/



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1541335141
2 : ◆upV/60xbhSrj [saga]:2018/11/04(日) 21:42:57.30 ID:ajbDX1DiO


―――――遠い、尊い夢を見ていた



……いや、ちょっと違う。夢を見ていた、だと過去形になる
今、私は夢を見ている。甘くて、優しくて、そしてとっても儚い一瞬
その刹那を、私はゆっくり俯瞰する。まるで、遥か彼方の空の上から、愚民を見下ろす神様の様に



「ゆーびきーりげんまん、うそついたら……」
「はーりせーんぼーんのーます! ゆびきった!」



見下ろす先には二人の女の子。二人は指を絡ませ、えへへと笑いあっている
指切りげんまん。小指を引っ掛けて、約束を誓い合う。よくある、何て事の無いおまじないだ
因みに、元々は男女の愛情が変わらない事を示すというロマンチックな……

……閑話休題。話が逸れました


そんな微笑ましい光景を、私は眺めていた
二人の少女の笑顔には、見覚えがある。だって、片方は小さな頃の私だから
今よりもずうっと小さくて、今とは違う無垢な私。何も知らないから、何も穢れていない私
尊い懐かしい思い出。ノスタルジイに浸りながら、私は微かに思考を巡らせた

3 : ◆upV/60xbhSrj [saga]:2018/11/04(日) 21:44:16.31 ID:ajbDX1DiO







―――どうして、いつから、私はこんなにも



嘘を平気でつける様になってしまったんだろう。と







4 : ◆upV/60xbhSrj [saga]:2018/11/04(日) 21:45:23.61 ID:ajbDX1DiO

『人生とは嘘と都合のいい話の重ね合わせである』



これが、ほんの十年と少ししか生きていない私なりの人生哲学だ
別に、どこかの偉い人の格言でも無ければ、何だか凄そうな自己啓発本のキャッチコピーでもない
ただ何となく、そんな感じがするというだけ。ただそれっぽいだけのテキトーな哲学もどきだ
そうやって人生を全て悟った様な気になっている。ただのさとり世代の空想なんです

……悟らないと人生やっていけないから。そうして私は、私を納得させるんだ
特に、今みたいな……極めて不愉快な時間には


「すみませーん、もっと笑顔出来ますかー」
「こっちに視線お願いしまーす」
「ポーズもう少し上げてくださーい」


……青く澄み渡る空の下、私は酷く不機嫌だった
その元凶は、無茶な注文に、無理な姿勢。そして、無遠慮な視線で私を射抜く
最高のロケーション日和は、最低最悪の集団のせいで見るも無惨に台無しだ

私に群がるカメラの目。ゾロゾロと蠢くハエやトンボが、ギョロギョロと首を動かしているみたい
正直な事を言うと、私はカメラが嫌いだ。無機質な鉄屑の癖に、やけにくっきりと真実を捉えるから
そんなものが数えきれない程、それも濃密な欲望を伴ってまとわりついてくるのだからイヤになる
だから私は、大きな声で精一杯こういうのだ―――


「はーい! 皆、大好きだよーっ!!」


5 : ◆upV/60xbhSrj [saga]:2018/11/04(日) 21:46:20.90 ID:ajbDX1DiO

「はぁ、疲れた……」

あれから数時間、空の下で私は晒し者にされていた
流石に普段あれだけの人数から視線を向けられる事は滅多に無い。あったらあったで問題だけど
それに、今日の衣装はかなり際どかった。きっと、そういう目的で来た人の方がずっと多いはずで……


「……………………この話は止めよ。はい、止め止め」

一瞬。ほんの一瞬気持ち悪い事を考えてしまった

頭に浮かんだおぞましい妄想を振り払い、机の上のパソコンに指を走らせる
映っていたのは私の写真、今日のイベントで、知り合いのカメラマンに頼んで撮らせておいたもの
その中で、映りの良いものを厳選していく。選別を進めていくと、数十枚もあった写真は、ほんの三枚まで数を減らしていた

選んだ写真を貼り付けて、準備は完了
パソコンの画面を切り替えて、新たなページを映し出す
鈍く光る液晶の中には、キラキラと輝く私がいた
そう。何を隠そう、これは私のブログなのだ

「……よしっ、と」

ブログに写真を貼り付けて、可愛らしい媚びた文章で感想をつらつらと書いていく
投稿を終わらせると、直ぐ様無機質なハートマークとゴチャゴチャとした感想で埋め尽くされた

「おお……ついてる、ついてる……!」

画面に満たされていく一文字の称賛
赤いハートの隣では、今も数値を増やしていた
それに呼応するかの様に、空っぽの身体はゾクゾクとした快感に包まれていく
それなりに長くやっているつもりだけど、この感覚だけはいつも慣れない
世界が私を受け入れ、認めてくれると確信出来る、この最高の瞬間だけは

6 : ◆upV/60xbhSrj [saga]:2018/11/04(日) 21:47:20.74 ID:ajbDX1DiO

「うへへへぇ……」

思わず、女の子が出しちゃいけない様な声を出してしまう
でも、それ位気持ちがいいんだ。世界中から認められるって事は、世界中から祝福される事だから
産まれてきて良かったんだって、心の底から感じられるから……
身体の奥底から沸き上がる快感に酔いしれる。ふと時計を見てみたら、短い針はとうに1を指していた

「……げっ!? もうこんな時間!?」

深夜のアニメは見逃したくないけど、私は夜更かしはしたくない
だって、夜更かしはお肌の天敵だ。シミやソバカスは絶対にNGだし……
何より、少しでも傷がつけば……きっと、私は誰にも見ては貰えないだろうから

そうと決まればやる事は一つ
寝仕度を整えて、ベッドに横になる
ふかふかしたお気に入りの枕に頭を預けて目を閉じると、世界から光が消えた様に暗くなった
最後に、一つだけ。毎日の様に唱える魔法の呪文、夢へと導いてくれる定型句を口にする



「おやすみなさい」



変わらない言葉。普段通りの挨拶
明日も、明日も、明日も……私はこの言葉を口にするんだろう
変わらない明日へ。永遠に続くであろう、退屈な日常に向かうために
私をもっと受け入れてくれる。優しい夢の世界へと沈んでいった



――――――――――

――――――

――――
7 : ◆upV/60xbhSrj [saga]:2018/11/04(日) 21:48:10.41 ID:ajbDX1DiO






―――いきなりだけど、夢って都合のいい真実だと思わない?



だって、夢の中なら、現実だとあり得ない事だってやれちゃうんだよ?




私はね……大好き!ずっと夢の中にいたいくらい!



……君は、どうかな?夢って……好き?







――――――――――

――――――

―――

8 : ◆upV/60xbhSrj [saga]:2018/11/04(日) 21:48:55.39 ID:ajbDX1DiO









【PROLOGUE】
  Re:Re:Re








9 : ◆upV/60xbhSrj [saga]:2018/11/04(日) 21:49:38.26 ID:ajbDX1DiO


……ベルが鳴っている

聞き覚えのある。と言うより、毎日聞いている起床を促す催促音
早く起きろ、愚図め。と言わんばかりにせわしないアラームに呆れる、もう少し寝ててもいいかな……
別に、明日は急ぎの用事も無い。二度寝しよう。そう決心して寝返りをうとうとしたその時



『テーテレテッテテーン♪』



聞き馴染みの無い、不可思議な音が聞こえてきた
なんだ、今の音は。私の目覚まし時計に、あんな音は入っていないはず
それに、今のは目覚ましのアラームと言うよりも、まるでゲームのコンティニュー音みたいで……
軽快で、愉快で、爽快で……それが逆に、私に言い知れない不安を与えていた

それに、何だかベッドもおかしい
私のベッドはこんなに固くない。ここはまるで棺の中にいる様に堅くて、狭い
意識がどんどん覚醒に向かうにつれて、ようやく私の置かれている状況の異常さに気づく

ここは既に、私の部屋の中じゃない―――!

(どうしようどうしようどうしよう……!?)

パニックになりそうな頭を整理する。まずは周りの状況を把握しよう
音は特に聞こえない。床の冷たい、ひんやりとした感触だけが、確かなものだと断言出来る
それと周りの壁……少し腕が動かせる程度の狭さしかないから、身動きが取れない
と、とにかく早くここから出ないと……!

「……あの、大丈夫かしら?」

「うきゃあああっ!?!?」

唐突にかけられた誰かの声
無音からの声と、自分だけの空間に割り入る浸入者への二重の驚愕が頭を混乱させる
思わず身体を思いっきり起こす。ゴチン!と重い音が響き渡り鈍く痛む額を抑えながら瞼を開くと……

「……だ、大丈夫? 今、凄い音がしたけれど」

「……何とかね」

私と同い年位の女の子が、きょとんとした顔で此方を覗いていた

10 : ◆upV/60xbhSrj [saga]:2018/11/04(日) 21:50:46.99 ID:ajbDX1DiO

「大丈夫か!?」
「あはっ、起きたみたいだねぇ」
「にひひっ、やーっとおっきしたみたいっすね!」

「えっ!?何々、なんなの貴方達!?」

目の前の女の子以外にも、人はたくさん居た
あんな狭そうな所に何人もいるなんて……と思ったけれど、よく見たらここは結構広い場所だ
黒板に机に椅子。どれもこれも、毎日飽きるほどに見たことのある物ばかり
どこかの教室……なのかな。それにしては、窓には有刺鉄線が張られ、床には雑草が大繁殖している
今から目を瞑って確認しても、ここをさっきの場所だと判断する事はないだろう



「えっと……私の入っていた箱は?」
「……箱?何の事か、私には要領を得ない」
「恐らク、夢の中の存在だろウ。うなされていた様だしナ」


確認をとってみても、誰も答えてはくれない
夢……だったのかな?でも、やけに冷たい感触がハッキリしていた気もするけど……

「……って!そんな事は重要じゃないよ!貴方達は誰!?ここは何処!?」
「ヒッ!?そそ、そんなにキレんなよな……!」
「いやー、それがな、ウチらにもわからんのや」
「わからない……?何それ、拐ってきた癖に……!」
「なら、貴様はアレの中から出てきましたと言えば素直に信じるのか」
「アレ……?」

一人の女の子が、竹刀で後ろを指し示す
身体を捻って振り向くと、そこには教室らしき場所には相応しくない、異形のモノが鎮座していた
11 : ◆upV/60xbhSrj [saga]:2018/11/04(日) 21:51:34.16 ID:ajbDX1DiO

「な……何?あれ……ゲーム?」
「驚くわよね……あんなモノがこんな場所にあるなんて……」
「ここ、一応学校っぽいけどな。なんであんなけったいなモンがあんねん!」
「な、なな、何で学校にアーケードがあるんだって話だよな……」

チカチカと明滅する電光パネル。それとは対称的に頑なに沈黙を貫いている液晶画面
付けられているのは、古臭いレバーとチープなボタン。錆び付いていて、まともに動くかも疑問だ
それは、捨てられたアーケードゲームをそのまま教室に持ってきた。と言わんばかりのガラクタだった
機体は完全に壊れてる。なのに、光続けるパネルはまだ生きている事を強調するみたいに脈打っていた



「あのオンボロゲームの中から嬢ちゃんは出てきたんだ。信じられるか?」
「え?どうやって?画面から?」
「どこのホラー映画なの!?」

いきなり宣告された奇妙な出来事に、私は理解が追い付かなかった
まさか私は死んだの?なら、もしかして私は今絶賛大流行中の異世界転生を?
だとしたら、女神様なりチートスキルなり…せめてスマートフォンくらいは欲しいんだけどな

「それでは語弊を招くでござろう。その筐体の側面に人一人が入れそうな隙間が見えるでござるな?」
「キミはその中より出でたのだよ。レディ……まさに!ミステリアス!」

「そうなんだ……かがくのちからってすげー!」

……もうなんだかよくわからなくなってきた。ここは適当に話を切り上げちゃおう
皆もこの話はあまり気乗りしなかった様で、納得したと見るや安堵の雰囲気が流れていた

12 : ◆upV/60xbhSrj [saga]:2018/11/04(日) 21:52:30.74 ID:ajbDX1DiO

……それでも、本当に私があのゲームから出てきたという確証は無い
そもそも、この人達が誰なのかもわからないし……

「……ねえ、もし良かったら……自己紹介しない?」
「え?……自己紹介?」
「ええ。どうやら私達は同じ境遇みたいだし……」
「ナルホド。我々は一蓮托生。最低限の相互理解は不可欠という事だナ」
「そんなに大袈裟な事でござろうか……?」
「どうせその内なんとかなるって!」
「でもでもぉ、私は他の皆の事も知りたいなぁ♪」
「……くたばれ。変質者が」

そんな事を考えていたら、女の子の一人がそう提案してきた
女の子の一言で、周りがぱっと明るくなる。……一部怪しい所もあるけれど
でも、確かにこの人達の事を知っておくのは悪い事じゃないと思うのも確かだよね
ここが何処なのかも解らない上、この人達が誰かも解らないなんて詰んでるも同然だもん

「あー……で、誰からやんだよ?」
「言い出しっぺの法則っす!とゆーワケでどぞ!」
「わかったわ。私は……」
「……あ!ちょっと待って!私からやる!」
「えっ?君から?さっき起きたばっかでしょ?」
「無理せんでええねんで?今は休みぃ、ウチらの後にゆっくり聞くわ」

自己紹介される前に、咄嗟に声を挙げていた
別に始めは私じゃなくてもいいのはわかっていたけれど、それでもこれだけは譲りたくなかった

「だって……一番始めって主役っぽくない?」
「何だそりゃ?」
「な、中々に変わった御仁でござるな……」

一番変わった格好の子にそんな事を言われてしまう
でも、いちいち挫けていられない。アンチの批判は今更なんだ
大きく息を吸い込んで、私は、私を口にだした




「私の名前は瀬川千早希!超高校級のコスプレイヤーなんだ!皆、よろしくね!」


【超高校級のコスプレイヤー】
  瀬川 千早希(セガワ チサキ)



13 : ◆upV/60xbhSrj [saga]:2018/11/04(日) 21:53:24.61 ID:ajbDX1DiO

「瀬川さんって言うのね。此方こそよろしく!」
「うん!まだ会ったばっかりだけど、これからも仲良くしてね!」

にこやかな笑みを浮かべる女の子の手を握る
少し力を入れて握ると、向こうも私の手を優しく包み込んでくれた
……妙にこなれている様に感じたのは何故だろう

「コスプレイヤー……って、何?」
「コスプレとは、ズバリ時代劇の事でござる!」
「それは原語の意味だナ」
「時代劇?瀬川の嬢ちゃんがか?」
「ん、んなワケねーだろ……コスプレイヤーって言うのはな……」
「あ、コスプレイヤーって言うのはね……」

トンチンカンな事を言い続ける一同に向かって話しかける
確かにあまりメジャーな才能じゃないから、皆にもしっかり教えてあげないと
コスプレイヤーのなんたるか。それを説明出来ずして、いったい何が超高校級か!


「コスプレイヤーって言うのは、簡単に言えばアニメや漫画のキャラクターになりきる人の事を言うんだけど最近では現実でバズった出来事や人物とかの物真似みたいに扱われているんだけどね」

「は?」

「それって正確にはコスプレじゃないよね?コスプレって言うのは非実在の存在を自分を使って実現させる行為の総称であって自分の自己顕示欲や承認欲求を満たすためのものじゃないのにさ!」

「な、何言ってるんすか?」
「何かの呪いでござろうか……?」

「あ、私は知名度を上げるの為に有名なキャラのコスプレとかもするんだけど、でも調べてからしているから決して同人175とかじゃないよ?それに知名度を上げる事も活動には必要で……」
「「「………………………………」」」

〜〜〜〜〜


「って、こんな感じなんだけどわかった?」
「いや、何言ってるかさっぱり……」
「あー充分だ。ありがとうな」
「……個性的な人」

一通りの私の持つコスプレイヤーへの話を吐き出す
急激な情報を受け取ったからなのか、それとも単に興味がないのか、皆の表情は良くは無かった
でも、今は私の事なんかよりも知りたい事がある。それを聞き出すために、喋りすぎて渇いた喉を動かした

「それで……今ってどうなっているの?」

14 : ◆upV/60xbhSrj [saga]:2018/11/04(日) 21:54:39.13 ID:ajbDX1DiO
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15 : ◆upV/60xbhSrj [saga]:2018/11/04(日) 21:55:23.37 ID:ajbDX1DiO

「……えっ皆ここで起きたの?駆村君、月神さん」
「おまけに、全員が超高校級と呼ばれているんだ。なんだか妙だと思わないか?」
「全員にここに来るまでの記憶も無いし……なんらかの事件に巻き込まれた可能性もあるわ」

【超高校級の地域振興委員】
  駆村 沖人(カケムラ オキト)

【超高校級のアイドル】
  月神 梓(ツキガミ アズサ)

一通りの事情を、場を仕切っていた男の子と女の子から聞いておいた
長靴や軍手。手拭いを首から下げた駆村君は農家みたいな……というより実際に農業もするらしい
寂れた故郷の時雄島(トキオジマ)を、一躍、人気観光名所まで押し上げた事から地域振興委員に任命されたみたい
噛み砕いて言うなら……親善大使かな、多分。俺は悪くねぇっ!

で、もう一方の女の子。さっき私と握手した子が、この月神さん
藍色のボブカットをヘアピンで整えた月神さんは、今人気急上昇中のアイドルグループのセンターに抜擢された時の人
歌、ダンス、トークセンス。そして一番大事なルックスも上位に君臨する、一般人から羨望の眼差しを一身に受ける恵まれた天才だ
……正直、私も少しだけ羨ましく思ったりもする

16 : ◆upV/60xbhSrj [saga]:2018/11/04(日) 21:56:14.19 ID:ajbDX1DiO

「そうかあ?俺の邸宅の警備は厳重だぜ。そう易々と賊が入れねえ位にはな」
「それは竹田殿の家は、でござろう。拙者は元より、他の生徒では比較にならぬでござるよ」
「…竹田さんと臓腑屋さんはどう考えているの?」
「そりゃあ、何かのイベントだろ。アポが無いのがちっと不思議だけれどな」
「拙者も概ね同意でござる。これだけの人数を拉致監禁する事は現実的ではないでござるものな」
「一番現実的じゃないのは臓腑屋の格好だけどな」
「にゃあぅ!拙者は忍者では無いのでござる!」

【超高校級の玩具屋】
  竹田 紅重(タケダ ベニシゲ)

【超高校級の家事代行】
  臓腑屋 凛々(ゾウフヤ リリ)

月神さんの話に割って入る、和服を着崩した男性と忍者装束の女の子の二人組

変な格好だけど無下には出来ない。二人はこの中でもとんでもない経歴の持ち主だったりもするからだ

竹田さんは老舗玩具店の代表取締……社長で、現在は海外進出も果たしている凄腕の経営者
中でも、『BEIGOMA』や『MENKO』は最近若い子の間でも流行中で、私も販促アニメのコスプレをしたような……してないような……
因みに、とっくに二十歳を過ぎてて今は三十間近のアラサーなんだけど、本人は切実に超高校級と呼んで欲しいそう

臓腑屋さんは口調からも分かる様にニンジャ……ではないらしい。服はバッチリ忍者装束の癖にね
家事代行という職業は聞き馴染みがないけれど、様は派遣で動く家政婦やメイドみたいなものらしい
彼女は世界各国から依頼が飛び交う程人気があるらしく、過去にはホワイトハウスの家事もしたとか
理由は、『ジャパニーズニンジャは珍しいから』。不服そうにぷくっと膨らませた頬が結構可愛かった

17 : ◆upV/60xbhSrj [saga]:2018/11/04(日) 21:57:49.94 ID:ajbDX1DiO
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18 : ◆upV/60xbhSrj [saga]:2018/11/04(日) 21:58:39.95 ID:ajbDX1DiO

「ク、ク、ク!JAPANのイベントは実にcrazy、ワタシも気分が高揚するナ」
「密室された空間に、年頃の飢えた男女……これで何も起きない訳ないっすね!にひひっ!」
「おうおう。若いモンは気楽でいいねえ」
「ですが、デイビットと照星は腕っぷしや頭脳ならばこの中でも随一。多少は安心出来ますね」
「恐悦至極。ワタシも協力は惜しまぬつもりダ」


【超高校級のプロファイラー】
  デイビット・クルーガー

【超高校級の柔道家】
  照星 夕(テルホシ ユウ)


竹田さんと駆村君が、新たにやってきた二人と話している
眼鏡をかけた、如何にもインテリそうな外国人は、高校生ながらも警察と一緒に前線で働くプロファイラーのデイビット君
なんでもお父さんがFBIの捜査官で、そのツテでプロファイラーになったそうだ
現に、この中では一番冷静な視点を持っているからか月神さんや竹田さんと一緒に場を纏めていた

で、もう一人のは短いヘソ出し制服に、これまた短めのスカートにスパッツを履いた活発そうな女の子
全国女子柔道大会を、一度も投げられずに無敗で勝ち抜いた柔道界きっての天才少女らしいけど……


「せーんぱいっ!何をぼーっとしてるんすかっ!」
「わわっ!?ちょ、抱きつかないで、重……っ!」
「いひひー、どこが重いんすかー?」


なんというか、照星さんは対人距離……所謂パーソナルスペースが凄く狭い
さっきから男女問わずに抱きついているし、今も私の首筋をくんくんと嗅いでいる
その様子は子犬みたいだけど……色々と大きいからヘンな誤解をされないといいんだけれどね

「ま、またやってやがるよ。あのビッチ……」

19 : ◆upV/60xbhSrj [saga]:2018/11/04(日) 21:59:33.82 ID:ajbDX1DiO
「むっ、女の子を軽々しくビッチ認定するのは童貞の証拠っすよ!吊井座先輩!」
「う、うるせえ!どどど、童貞じゃねえ!お、お、俺だって超高校級だからな……っ!」
「……なんの関係が?」


【超高校級のイラストレーター】
  吊井座 小牧(ツルイザ コマキ)


照星さんにからかわれているのは、超高校級の神絵師ことイラストレーターの吊井座君だ
本人曰く、ラノベやアニメのキャラデザにゲームのイラストも寄稿している売れっ子のレーター
仕事の予約も六ヶ月待ちで、今も幾つかの仕事を掛け持ちしているって言っていたけれど……
私、吊井座君の名前を聞いたことが無いんだよね。ペンネームでも使っているのかな……?

20 : ◆upV/60xbhSrj [saga]:2018/11/04(日) 22:01:39.51 ID:ajbDX1DiO

「にひひっ!イケナイ先輩にはオシオキっすよ!」
「やっ、止めろ!骨が折れぁああああああ!?」
「照星さん!?吊井座君を離してあげて!」
私に構うのに飽きたのか、悪態をついた吊井座君の方へ去っていく照星さん

照星さんに絡まれている吊井座君を遠巻きに眺めていたら、急に声をかけられていた

「えへへぇ。皆楽しそうだねぇ」
「え?あ、うん。そうだね」
「最初は私も不安だったけどぉ、瀬川さんもきっと皆と仲良くなれるよぉ」
「そうだね」

甘ったるい声色に、とろりと蕩けた様な視線。そして目の前で動く度に漂う、甘くて濃密なココアの香りがくすぐったい
要素の一つ一つが蠱惑的で、扇情的……それこそ、誘っていると思われても仕方無い程に
それでも、女子はおろか男子も特に興味が無さそうにスルーしていた。何故なら……

「……お前が皆と仲良くなれる訳が無い。味覚的にも性的にも破綻した変態女装倒錯趣味の癖に」
「うぇえん……酷いよぅ、月乃ちゃあん」
「……泣きたいのはこっち。毎度毎度朝日のせいで私まで偏見の目で見られるハメになっているのに」


【超高校級のショコラティエ】
  御伽 朝日(オトギ アサヒ)

【超高校級の童話作家】
  御伽 月乃(オトギ ツキノ)

21 : ◆upV/60xbhSrj [saga]:2018/11/04(日) 22:02:46.81 ID:ajbDX1DiO

そう、この子は男の子。いや、男の娘なのである
そして、その朝日君を無言で威圧しているのは、彼の双子の妹さんである月乃さんだ
二人の顔つきは双子という事を差し引いてもとても良く似ている。……一部の主張の違いで判るけど

お兄さんの朝日君はショコラティエで、全国で最も栄誉ある大会で最年少で優勝した経歴もあるらしい
彼のチョコレートは見た目がとても可愛くて、特に女性に大人気。バレンタインシーズンには血で血を洗う抗争状態になるくらいだ
因みにこれはどうでもいいけど、血のバレンタインという話は実際にあったりする

妹の月乃さんは童話作家。古典に寓話、民話……特に創作童話をメインに活動しているんだって
メルヘンなファンタジーをベースに、現代的な要素を含ませたそのお話は、一見奇抜に見えて、実際は王道と評価されている
本人は誰かに評価される事を嫌っているみたいだけれどね……主にお兄さん関係で

「頭ぐりぐりするの痛いよぉ〜月乃ちゃあん」
「黙れ」

……色々と複雑な関係なのか、月乃さんは朝日君にあまりいい感情を抱いていない
兄妹仲良く……って、一人っ子の私が言えた事じゃないけれど、身内に男の娘がいるって事は相当苦労しているんだね……

22 : ◆upV/60xbhSrj [saga]:2018/11/04(日) 22:03:41.36 ID:ajbDX1DiO
undefined
23 : ◆upV/60xbhSrj [saga]:2018/11/04(日) 22:04:25.44 ID:ajbDX1DiO

「……くだらないな」

弛緩した空間に、刃の様な声が刻まれる。声の主は目を瞑り、視界に入れたくないと言わんばかりのオーラを隠すことなく放っている
日本人形の様な楚々とした顔つきとは裏腹に、その眼からは冷たい軽蔑の感情……作り物の方が遥かに暖いと感じる視線を向けていた

「超高校級。その称号はただの飾りか?所詮は才能ありきの人間という事か」
「な……なんだよっ!才能ありきって、キミだってそうじゃないか!」
「僕が何もせずにここにいると思っているのか。貴様の様な能無しには判らないだろうな」
「能無し!?そんな言い方は無いだろ!?」
「はいストーップ!それ以上はダメーっ!」

言い言葉に買い言葉。ヒートアップしそうな口喧嘩を仲裁したのは、この中でも一際小柄な女の子
その小さな身体を存分に動かし、その影響で頭につけた大きなリボンがぴょこぴょこと跳ねていた

「口喧嘩なんて見過ごせません!りぼんちゃんの目の黒い内はらーぶらーぶして貰います!きりっ!」


【超高校級の家庭教師】
  天地 りぼん(アマチ −−)

24 : ◆upV/60xbhSrj [saga]:2018/11/04(日) 22:05:18.11 ID:ajbDX1DiO

その体躯と幼げな雰囲気からは想像出来ないが、彼女は家庭教師として世間から評価されている
子どもと同じ目線で立つ事が出来るので、教え子も大人に抱く抵抗が無く彼女と勉強出来るという
そう考えてみると、彼女の小さな身体と大きなリボンという特徴は、覚えやすいので家庭教師として理に敵っているのかもしれない

「はいっ!二人とも、仲直りのーあ、く、しゅ!」
「断る」
「即答!?」

……とはいえ、相手は先生も形無しの問題児。喧嘩を吹っ掛けられた男の子は相手にされてすらいない
ニット帽にベストを着た男の子は、天地さんや他の皆と比べても、これと言った特徴が見当たら無い。それもそうだ。彼の才能は……

「ボクは超高校級の幸運なんだぞっ!さっさとボクに謝れよ!」
「謝罪の強要は良くないよ!御影くん!」


【超高校級の幸運】
  御影 直斗(ミカゲ ナオト)


超高校級の幸運。その実態は、単なるくじ引きで選ばれただけの抽選枠だ
御影君は正真正銘の一般人と言っても過言じゃないだろう。それ位彼には超然的なオーラを感じない
なのに、彼は女の子に向かって強気な態度を崩さない。度胸があるのか、身の程を知らないだけか……

25 : ◆upV/60xbhSrj [saga]:2018/11/04(日) 22:06:43.78 ID:ajbDX1DiO

「あーハイハイ!御影はもう黙っとき!」
「何でさ!?悪いのは陰陽寺さんの方だろ!?」
「何故か?それは彼女が麗しい乙女。穢す事すらも赦されぬ聖域……レディーファーストだからさ!」
「飛田もや!お前が話に入るとめんどいねん!」
「オゥ、ゆめみ……そんな怒りに歪んだ顔では持ち前の美貌が台無しに……」
「誰のせいやと思っとんねん!このボケナス!」
「フゥ……美しい声だ……グロリアス……」


【超高校級のヒーロー】
  陰陽寺 魔矢(オンミョウジ マヤ)


【超高校級のダンサー】
  飛田 弾(トビタ ハズム)


【超高校級のスタイリスト】
  古河 ゆめみ(コガ −−)


先程の少女……陰陽寺さんが生んだ緊迫した雰囲気を壊したのは、派手な見た目の男女
飛田君はダンサー。極度の目立ちたがりで、自分がメインでないバックダンサーは決してやらない程にプライドが高い
それに比例しているのか美意識も高く、今も海草の様な艶の髪を、手鏡と櫛で直している

対する古河さんは、呆れたようにこめかみを押さえて難しそうな顔をしている
ギャルの様な華麗な衣装に、流れるような滑らかな金髪をサイドに纏めたその姿は、モデルと言っても疑う人はいないはず
スタイリストとしての押しの強さか、はたまた目の前の難敵のせいか……今はその美貌を、酷く苦悶に歪めていた


「……………………もういい。僕に近づくな」
「ゴメンな、陰陽寺。御影もしっかり謝っとき!」
「はーい……ごめんなさーい……」

26 : ◆upV/60xbhSrj [saga]:2018/11/04(日) 22:07:48.47 ID:ajbDX1DiO

どうやら、騒動は御影君の敗北で決着がついたらしい。当の本人は、つまらなそうに竹刀を弄っていた
陰陽寺さんはあの竹刀で、今までに何人もの悪人を叩き伏せたと言われている程の剣豪だ。抜き身の刀の様な印象は、潜り抜けてきた修羅場で磨き上げられたものなのかもしれない
彼女自身にも謎が多い。幾ら立ち振る舞いが冷たくても、一目で女の子と分かるのに自分を僕と呼んだり、才能も女性系であるヒロインで無かったり……

ぼんやりと隅っこで皆を観察していると、既に打ち解けている人や積極的に関わりにいく人のお陰か、少しずつ信頼してきている
謎の多い陰陽寺さんだけど、いつかは仲良くなれる日が来るのか。でも、彼女が笑顔になる姿はどうしても想像出来なかった
そんな事を妄想していると、見過ごしてしまうのが不思議な違和感に気がついた



「……あれ、スグル君はどこ?」

27 : ◆upV/60xbhSrj [saga]:2018/11/04(日) 22:09:08.32 ID:ajbDX1DiO

「……あっ!?本当だ!」
「スグル君……?どこにいったの?」
「少し目を離した隙に……どこに消えた?」

先程までそこにいたのに、まるで蜃気楼の様に何処かへ消えてしまった男の子

「フム、先程まで朝日氏の近くにいたはずではないのかネ?」
「えへへぇ、もうスグル君とは仲良しだもんねぇ」
「……見ていない。知らない」
「そのゲーム機の裏にいないか?ロッカーの中はどうだ?」
「…いないで、ござるな。神隠しでござるか……?」
「んなバカな訳ある訳ないやろ!」

世界から抹消されてしまったかの様に、消しゴムで擦ったかの様に跡形も無く消された存在

「扉は……開いていない、だとぉッ!?」
「あ、アイツが出た後、鍵かなんかで閉じ込めたんじゃねえのか……!?」
「誰にも気づかれずにか?そんな事は不可能だ」
「おいおい……俺がボケている訳じゃあねえよな」
「スーグールーん!出ーておーいでー!!!」

……違う。もしかして、世界から消されたのは―――





「……私達の、方?」

言い様のない不安感。彼方に放り棄てられたかの様な、世界から取り残された様な疎外感が狭い空間に満ちていく
小さな焦りは大きな恐怖へ、恐慌はどんどん空間に伝播していく。そうして絶望が溢れてくると―――


28 : ◆upV/60xbhSrj [saga]:2018/11/04(日) 22:10:11.67 ID:ajbDX1DiO






『テッテレーン♪』







「…………え?」

世界が孤独感で満ちてきた頃に、そんな間の抜けたファンファーレが反響した








29 : ◆upV/60xbhSrj [saga]:2018/11/04(日) 22:30:06.89 ID:ajbDX1DiO

「「!?」」

突然の変化。周囲の動きに一瞬の空白が生まれる
唐突な音で発生した空白は、冷静さを取り戻すのには十分な猶予を与えてくれた
全員の思考が切り替わる。失せ物探しから、原因の追求へと転換していく
その成果なのか、それとも狭い教室だからかは不明だけれど……原因は驚くほどあっさりと見つかった

「あっ!?……このゲーム、動いてるよ!?」
「んなバカな!電源は死んどったはずやろうが!」
「だが、確かに、確かにッ!モニターが動いているではないかッ!」
「えっとえっとぉ、これってどう動かすのぉ?」
「……勝手に触るな」

死んでいたと思われていた筐体が、今、沈黙を破りここに動き出した
だけど、画面は依然として砂嵐。何かが映りそうで映らないのがもどかしい
ゾクリ。と身体が射抜かれる。砂嵐の奥の底から、何かが除いている様な……


「えーい、ここはりぼんちゃんにお任せあれー!」
「ダメよ!迂闊に触ったら……!」
「ならぁ、どうしよっかぁ?放っておくぅ?」
「詳しい奴が操作すればいいだろう」
「しゃーねえ、ここは俺が……」
「あ、待って!私にやらせて!」
「……瀬川さんが?」
「こう見えてレトロゲーはやり込んでいるからね。筐体の操作なんて慣れっこだよ」
「で、でもよ、なんだか危なくねえか……?」
「大丈夫だって!私を信じてくれないの?」
「そういう訳じゃ……」


私はただゲームがやりたい訳じゃない。私が皆の役に立てるのなら、やりたいだけだ
全員が私に注目する。その目には、私への懐疑や不安が宿って不安定に揺れて光っていた
でも、それでも引くわけにはいかない。ここで皆に私という存在を示していかないと……!


「……じゃ、動かすよ」
視線を振り切って、試しに強引にレバーを下げる
がちゃり、と音を立てて筐体が震える。途端に画面に色が灯っていく
……瞬間、大きな音が流れ出す。それはさっきの音と間違いなくおんなじものだった
映し出された画面と流れ続ける軽いBGM。そして、意味不明な映像が流されていた

「……『ココロオドルTV』?」


30 : ◆upV/60xbhSrj [saga]:2018/11/04(日) 22:31:11.00 ID:ajbDX1DiO



〜〜〜♪


『あーあーあー……赤巻き紙青巻き紙黄巻き紙……』
『隣の客はよく柿食う客だ……隣の客は習だと思って!』
『馬鹿野郎。前を見ろ。何がある?』
『やだなあヨウくん、そんなの見ればわかるよ。カメラでしょ?』
『そうだ。そしてカメラの電源は点いているな?』
『うん。点いてるよ?』
『そう。つまり今はあのカメラは動いているんだ。それがどういう事か分かるか?』
『……今、オンエアしてる?』
『正解だ。そら、練習の成果とやらを見せてみろ』


『うん!わたしの名前は赤巻き紙!好きな食べ物は隣の客をよく食う柿です!』
『混ざってるじゃないか。なんだ隣の客を食う柿って。ただのホラーじゃないか』
『てへへ……失敗失敗!それじゃあリテイク2!』



『わたしの名前はアシタバ・ハルカ!よろしく!』
『ミトドケ・ヨウだ。別に覚えなくても構わんぞ』



『わーい!ココロオドルTV、初放送開始だよー!』
『初っぱなから放送事故だがな。それで今回のミッションの内容はなんだ?』
『それは……じゃじゃーん!”体育館に行く”!!』
『一番始めだからな。これくらいで充分だろう』
『体育館は、この教室を出て道なりに進んでいけばちゃんと到着するよ!』
『報酬と言うのはなんだが、粗品を用意してある。ついでにオマエラの探し物もだ』

『それじゃあ本日はここまで、この番組の合い言葉で締め括るよー!』

『『鮮やかな!!』』
『遥かな明日を!』『見届けよう!』

『バイバーイ!』

31 : ◆upV/60xbhSrj [saga]:2018/11/04(日) 22:33:27.53 ID:ajbDX1DiO

「「…………………………………………」」
「……何、今の」


開いた口が塞がらないとはこういう事を言うのだろうか。既に砂嵐に戻った画面をみて虚しく思う
MCらしき女の子は制服を着ていた。けれど私にはわかる。あれは適当な似非制服だという事を
アシスタントの男の子は白のTシャツ……に、何故か漢字で『不毛』と書かれていた。正直センスを疑う

内容、画質、キャラクター……どれをとっても低品質過ぎる。ハッキリ言ってクソアニメだ
今のアニメ擬きのくだらな過ぎるノリで全員の士気も大幅に下がった様で、誰も彼もが唖然としていた


「え、えっと、ハルカさんとヨウ君の言う事は信じてもいいのかしら?」
「ナチュラルに受け入れてるの!?ボクあんなのに従いたくないよ!?」
「だガ……今のテレビでは体育館には粗品と探し物もあると言っていたナ」
「それにぃ、その探し物がスグル君の可能性もあるよねぇ♪」

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