高峯のあ「牛丼とか……言ってる場合じゃない」【番外編A】

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89 :☆G ◆AL0FHjcNlc [saga]:2019/12/05(木) 00:43:11.25 ID:JLsu4+2l0

男H「ゴホッ! ゲホッ!!」

のあ「アッ」

男S「だいじょーぶ?」

男T「オイ」

のあ「ヒッ!?」

男T「あんた、ぶつかっておいて謝罪も無しか?」

男H「ぶつかったというか、モロに肘打ちだったけどね」

のあ「ァ………ゴ、ゴメ…」

男S「いやいやー、まあ貸切と言っても、これだけ人がいたらぶつかるのもしょーがないと思うよ?」

男T「甘えって。だってよ、コイツ悪びれても無さそうな無表情だし」

のあ「」

男H「ヴッ゙、げほっ! うぐっ……!!」

男T「お………、おい。ほ、本当に大丈夫か?」

のあ「」






のあ「(…………………………)」

のあ「(……………………エッ)」

のあ「(こ、これ………………)」

のあ「(わ、私………チンピラに絡まれてる………????)」

男T「オイ、無視かよ」

男S「もう! 突っかかりすぎだって!」

のあ「」













美嘉「あれっ?」

美嘉「えっ、高峯さん? なんで?」

のあ「 !? 」
90 : ◆AL0FHjcNlc [saga]:2019/12/05(木) 00:45:02.33 ID:JLsu4+2l0
※訂正>>89

●誤
男H「ぶつかったというか、モロに肘打ちだったけどね」

○正
男S「ぶつかったというか、モロに肘打ちだったけどね」
91 :☆H ◆AL0FHjcNlc [saga]:2019/12/05(木) 00:46:11.03 ID:JLsu4+2l0

のあ「ァッ、………そ、ソノ……」

男H「ぐっ………」

のあ「ス、すみません……」

男H「い、いいえ、こちらこそ申し訳ない……」

男H「俺も前方不注意でした。むしろ貴女に怪我が無くて良かった」

美嘉「どゆこと? お互い謝って、何かあった?」

男S「美嘉さん聞いてー! 冬馬くんったら、チンピラみたいに絡んじゃってさー?」

男T「だっ! 誰がチンピラだよ!!」

美嘉「あははっ、冬馬くんは眼光鋭いからよく小さい子からも怖がられるしねえ」

のあ「(!? ……!!?)」

男T「だってよ、北斗がすげーリアクションするからヤバイと思ったんだよ」

男S「いーけないんだ冬馬くん、人のせいにしたらー?」

男T「うるせェ翔太! それより、そっちも絡まれてなかったか、美嘉?」

美嘉「え? アー、さっきの?」

美嘉「ぜーんぜん? 酔っ払った芸人さんがフザケてただけだし」

のあ「(ッ!? っ……!???)」

美嘉「相方さんが回収してくれたから、今頃はホテル戻ったんじゃないかなー?」

男H「雰囲気にのまれて女性に茶々を入れるのは感心しないね。慰労会とは言え、羽目を外しすぎるのも如何なものかと……」

男S「あっ、そう言えばさっきお疲れパーティで志希さんとフレデリカさんを見かけたけど?」

男T「出演者じゃねえだろ。なんでいるんだよ」

男H「冬馬、どんなに小さな仕事でも共にした女性を覚えておくのは好かれる男の基本スキルだよ」

美嘉「エキストラでちょい役だったけど、ね? アタシに免じて★」

美嘉「あっ、そうだ!」

美嘉「た、高峯さん? ………ってアレ」

男S「さっきまで後ろにいたのにね? どっかいっちゃった」

男H「いつの間に……」

男T「美嘉、さっきの奴、知り合いか?」

美嘉「え? う、うん………知り合いって言うか、その……」

男H「同じ事務所の『高峯のあ』さん、だよね?」

美嘉「え! し、知ってるの北斗さん?」
92 :☆I ◆AL0FHjcNlc [saga]:2019/12/05(木) 00:47:08.74 ID:JLsu4+2l0

男H「美嘉ちゃんの事務所はこの業界でも最大手の規模だからね。身内でも知らないのも無理はないのかな」

男H「Gランクだけど、ごくごく一部では有名だよ。容姿も歌声も、ライブパフォーマンスも」

男S「あっ! あの首吊りの!」

男T「あぁ……。いたな、そんなの」

美嘉「へ、へえー……(知らない)」

男H「近くで見たときは、息をのむほどに綺麗な方だった」

男T「本当に息が止まりそうだったけどな、北斗」

男H「いやぁ、ハハハ。結構いい肘打ちだったよ、みぞおちに深く沈んで」

男S「けど、なんでここに居たのかなぁ?」

男T「察しろよ。Gランクならバイトだろ?」

男H「そこの監視台から降りて来たしね」

美嘉「ううん、多分……」

男S「なに?」

美嘉「コーデのマネといい、あのDMといい、ジムでもこのプールでも先回りして………きっと……」

美嘉「アタシのファン……」

男T「は?」

美嘉「そうだったんだ……」

男H「み、美嘉ちゃん?」

美嘉「あんな綺麗な人が……」

男S「(うわー………ニヤニヤを隠しきれてない)」




















━━━━━━一方その頃━━━━━━


─────はい♪ このお仕事はなかなか人気で、毎年すぐ他の事務所からも定員集まっちゃうんですよー♪ 今回は慰労会でもありますし♪─────


のあ「…」

楓「のあさん………私達には無理だったんですよ、このバイトは」

のあ「…」

フレデリカ「なんだろなんだろ、高峯さんと楓さんは何でうずくまってるんだろ??」

志希「あれだよ、仁奈ちゃんで言うところの『道端の石ころの気持ちになるですよ』ってやつですな」

志希「まあ無機物だけどね」

フレデリカ「有機物に例えますと??」

志希「『狂犬病予防注射に連れていかれる事を悟って絶望するポメラニアン』かな?」

フレデリカ「大丈夫だよ、二人とも! 今年のインフルエンザは対象年齢割引だから!!」
93 :☆J ◆AL0FHjcNlc [saga]:2019/12/05(木) 00:47:59.37 ID:JLsu4+2l0

━━━━━━後日━━━━━━
【事務所】


奏「………」プルプル

周子「………?」

奏「こ、これは………一体何事なの………」プルプル

奏「何故………あの二人が……っ」プルプル

周子「どしたん?」

奏「し、周子………これ………」

周子「フレちゃんのインスタ? この前、美嘉ちゃんにおよばれしたナイトプールのやつだね」

奏「ふ、フレちゃんと志希が………何故………」

周子「あたしも行きたかったなー。わあ、二人とも盛れてるねー」

周子「……………お、おっ?」

周子「……………………………」

周子「ふ、二人とも、たのしそーだね?」

奏「違うっ! 何故あの二人が、その………ッ!!」

奏「たっ、高峯さんと!!」

奏「一緒に写真を撮っているのよ!?」

周子「(……アカン、これは良くない)」

周子「落ち着いて奏ちゃん。きっと偶然だよ」

周子「のあさんの隣。楓さんもいるし、きっと───」



───ガチャ


フレデリカ「おっすおっすばっちし☆☆」

志希「おっつにゃーん♪」

美嘉「おっつー★」

奏「」ピキッ

周子「(伊吹ちゃん助けて)」
94 :☆K ◆AL0FHjcNlc [saga]:2019/12/05(木) 00:49:02.97 ID:JLsu4+2l0

奏「ふ、二人とも。な………なんなのこの写真」

志希「ウン? 昨日の?」

フレデリカ「んふふ、けっこう盛れてるでしょ〜♪」

周子「ねー」

美嘉「(………!!)」

志希「けれどやっぱり大人の色香には敵いませんなぁ」

フレデリカ「ねー? 楓さん? は、本当にキレイで脚まですらーっとしてるし、高峯さん? は本当にお肌白くてスタイル抜群で」

フレデリカ「あのパーカー脱いでもらうのには苦労したよ?」

志希「ま、志希さんのケミカル話術で即効だけどね♪」

奏「グ、グギ……ッ」ギギギ

周子「(奏ちゃんから奇怪な軋む音が)」

フレデリカ「奏ちゃんもシューコちゃんもこれば良かったのに、用事があるなんでバッドタイミング〜」

志希「たまたま居合わせたバイト中の高峯さんと楓さん、そしてあたしとフレちゃんのナイトプール無料エンジョイ勢とのフォアショット」

美嘉「へ、へえぇ〜。高峯さんと楓さん、来てたんだ?」

志希「わぁお! バズってるバズってる、コメントもスゴイ!」

奏「消して!! 気高い彼女をこんな蠅が群がる衆目に晒さないでっ!!」

志希「にゃ、にゃはは! く、くすぐったいくすぐったい!!」

志希「ひひっ……、いやーでも、その高峯さんって人、なかなか興味深いね♪」

周子「ん? なんかあったの?」

志希「前にあたしの調査に付き合って貰った時、興味本位で抱き着いてハスハスした───」

志希「───んでい痛い痛い!!!! 奏ちゃんそれはダメそこの脇腹は抓ったらちょっと呼吸器官半壊胃袋全摘しちゃうからダメダメ痛痛痛いいだだだだだだっっ!!!!!!!!」

フレデリカ「ブレイク!! ブレイクブレイク!!!」

周子「でも美嘉ちゃんはその時いなかったの?」

美嘉「うん? え、えっと」

美嘉「まあ、アタシは挨拶回りとか忙しかったし?」

周子「もともとはドラマ撮影の打ち上げだしねえ」

美嘉「それに……」

美嘉「前も言ったけど、その高峯さん? って人にあんま興味ないしね」

奏「……」ピクッ

周子「」
95 :☆L ◆AL0FHjcNlc [saga]:2019/12/05(木) 00:49:56.97 ID:JLsu4+2l0

美嘉「あの『寡黙の女王』でしょ?」

周子「ま、まあ、ね? き、興味が無いなら仕方ないよね? ね、奏ちゃん?」

奏「……」

美嘉「銀髪で無表情で不思議なオーラがあって……」

美嘉「24歳、独身。住まいは都内のアパート、隣部屋には高垣楓さん、岡崎泰葉さんが偶然にも入居中」

美嘉「入社したのは約9ヶ月前。街中で事務所のプロデューサーにスカウトされ現在に至る。もともと歌唱・運動能力などの基本的な技能はかなり高水準であり上達も早く、あの『マスタートレーナー』青木麗さんも太鼓判を押すほど」

美嘉「最初の仕事は秋コーデの特集誌。そこで初めて寡黙の女王という呼称が使用される。事務所では美波ちゃんや美優さんや真奈美さんが接触し、彼女らも少しずつ親睦を図ろうとするが打ち解けるまでには至らず、孤高の女王は、いつしか事務所で孤独の存在に」

美嘉「しかし、みくちゃんやアーニャちゃんとの共演を皮切りに、少しずつ仕事も増えCDデビューにまで至り、LIVEバトルでもあのロック・ザ・ビートと肉薄する演技を披露する。類は友を呼ぶ如く、『神秘の女神』高垣楓さんと邂逅し昵懇の間柄かの様子が確認される」

美嘉「感情の読み取りにくい美貌と、鮮やかな銀の髪をなびかせる、類まれなる容姿の持ち主。その端麗な容姿を活かして広告媒体・雑誌モデルでの仕事を中心に、いわゆるモデルアイドル方面での活動を行う人物」

美嘉「悠然として、その刺すように冷たい視線はやはり寡黙の女王の通り名に恥じぬ気品と凄味があって、でも時折覗かせる悲しい表情はどこか慈愛を漂わせ私達の心を擽りつつ優しく包むような印象を思わせる」

周子「(───!?)」

美嘉「……そんな寡黙の女王が、ね? まあSランクであるアタシに心惹かれちゃうのも仕方ないよね〜★」

美嘉「いやさ、アタシは興味ないよ? けっこういい腹筋してたし脚も締まってたし胸も柔らかかったし、めちゃ美人だけどね?」

美嘉「ホント興味ないんだけど、でも、その、ね? 向こうが友達になりたいって言ってるし? コーデもお弁当もパクってるし、きっとツイッターもインスタもガン見に違いないんだと思うし?」

美嘉「この間、りり、莉嘉も確かサイン欲しいって言ってたっぽい気がしないでもないでもないし、確かに美人で後光も差してるカンジでこりゃ女が惚れても仕方ないなって思けど、まあアタシの方がランク高いし?」

美嘉「カリスマギャルからしたら寡黙の女王なんて吹けば飛ぶようなアレだけど、ね、その………、向こうが友達になりたいっていうんだから仕方ないからなってあげても………てかアタシまだ本人と碌に会話してないケド」

美嘉「いや、それは向こうがSランクのアタシにきっと緊張してるからしょうがないよね。断じてアタシが緊張してるわけじゃなくて、そもそも向こうが友達になりたいってDM送ってきたんだし、『まずは』お友達からって………致し方ないよね?」

美嘉「要するに、アタシは全く興味ないんだけどね!」

美嘉「───って!?」

周子「うわっ! 奏ちゃん!?」

フレデリカ「さあ始まりました! 第一回キャットファイトinプロダクション、解説は志希先生をお呼びしております」

志希「速水選手、猫というよりも野獣のように組みつきましたねー。城ヶ崎選手、早くも防戦一方の様相を呈して来ました」

志希「キレている、キレている速水選手。その怒りの矛先は明らかに城ヶ崎選手に向けられていますが、その原因は全く分かりません」

フレデリカ「きっと女の子の日なのでしょう」
96 :☆M ◆AL0FHjcNlc [saga]:2019/12/05(木) 00:53:44.94 ID:JLsu4+2l0

───ガチャ


伊吹「お疲れさまー。奏いるー?」

周子「あっ」

伊吹「………エッ!?」ビクッ!

奏「うわあぁぁぁん!!」

奏「ママ!! ママぁ!!!」ガシッ!

フレデリカ「おおっーと! ここで速水奏、飛び入りの小松選手に十八番ベアハッグーーーー!!」

志希「これは強烈ゥ〜!」

伊吹「痛だだだだだッッ!! なにコレ!!?」ギュウウウゥゥ!!

周子「また例の奇病だよ、伊吹ちゃん」

美嘉「ぜぇっ、ぜえっ……!」

奏「いじめたっ、美嘉ねぇが! かなでのこといじめたの……!」

美嘉「み、美嘉ねぇ? ママ?」

伊吹「ごめんね美嘉? 最近の奏、忙しいのか分からないけど、たまにこうやって幼児退行するんだ」

奏「たすけてママぁ……! ひっぐ……!」

美嘉「た、大変だね………伊吹ちゃん」

志希「ちなみに退行とは、精神が危機的状況に陥った際、そのストレスを軽減しようとする防衛機制の一種であるのだ!」

フレデリカ「かなでちゃん、かなでちゃん! 美嘉ちゃんが美嘉ねぇならあたしはあたしは???」

周子「もうみんな、テキトーに好きな事言えばいいと思ってるよね」

奏「うぅっ……、ふ、フレデリカ屋さん……」

フレデリカ「オッケー☆ じゃあ今日はかなでちゃんにフレデリカ屋さんがお菓子をあげよう♪」ナデナデ

周子「フレちゃん適応早いな」

志希「ねーねーかなでちゃん? あたしは何?? 志希先生かな?」

奏「ぐすっ……、わ……」

志希「わ?」

奏「わんわん……」

志希「これは予想外! 人間ですらないっ!!個人的には猫の方が良かったけど、まあいっかー♪」

周子「ちなみに奏………いや、かなでちゃん? シューコちゃんは??」

奏「………」















奏「………………てき」

周子「なんでやねん」
97 :☆N ◆AL0FHjcNlc [saga]:2019/12/05(木) 00:54:26.80 ID:JLsu4+2l0

━━━━━━夜━━━━━━
【ファミレス】



のあ「………」モグモグ

泰葉「バイトかぁ……」

泰葉「……へえ」

楓「なっ!?」

楓「なんですかその淡白な反応!! 本当に激動の毎日だったんですよ!?」

楓「吐きそうになるまでラーメン食べ続けさせられたり! 椅子に座って8時間延々とカウンターをカチカチしたり! リア充パリピの巣窟に放り込まれたり!!」

時子「………」モグモグ

泰葉「い、いえ、だって私バイト経験無いですし」

楓「ふーんだ。泰葉ちゃんはまだお子ちゃまですからね、これから私達の苦労が分りますよーだ」

泰葉「まあ………私は、そういう家柄でしたし」

楓「(あっ)」

時子「ねえ。ドリンクバー」

楓「はっ?」

時子「取りに行きたいの。案内しなさい、ホラそこの」スッ

楓「あっ、は、ハイハイ。ドリンクバーですね」ガタッ

のあ「………」モグモグ

泰葉「……相当お疲れだったみたいですね?」

のあ「………」ゴクン

のあ「………貴女もね」

泰葉「いえいえ」

泰葉「撮影地の振興組合の肝いりで、ちょっと高い旅館を用意して貰いまして」

泰葉「景色が最高の部屋でした。あとでライン、送りますね」

泰葉「映画撮影も前乗り含めて10日で終わりましたし。学園ものですけど、こういうのって本当にスケジュールが早くて助かりますよ」

のあ「憧れるわ、泰葉。貴女に」

のあ「色々な経験が出来て……」

泰葉「いえいえ、私なんて子役のネームバリューでやってるものですから」

のあ「旅館……」

泰葉「あ、あぁ。ソッチですか」

泰葉「もう少し頑張ったら、色々な土地に行けますよ。高峯さんも、北海道、前に行ったんですよね?」

のあ「ビジネスホテルだったわ」

泰葉「(高いトコに泊まりたいのかな……」
98 :☆O ◆AL0FHjcNlc [saga]:2019/12/05(木) 00:55:48.40 ID:JLsu4+2l0

のあ「ふぅ」

のあ「久々に、人らしい食事をした」

泰葉「本当に大変だったんですね」

泰葉「で」

泰葉「どうなったんですか? アレは」

のあ「アレ?」

泰葉「家賃滞納の件ですよ。資金繰りのバイトだったんでしょう?」

のあ「言うも更なり。この通り、家賃1か月」

のあ「余剰分は荒野行動に課金したわ」

泰葉「も、もっとマトモな使い道しましょうよ。将来に備えたり、美味しい物を食べに行ったり……」

泰葉「あっ、それこそ旅行とか!」

のあ「宵越しの銭は持たないわ」

のあ「渇望する力とは、何かに打ちひしがれ絶望したり、極限の窮地に追いやられた時にひときわ眩く光る物」

のあ「闇が強ければ光もまた。人間の向上力とその衝動は、消える間際に轟々と煌めく炎の如く」

泰葉「……高峯さん、多分、学校の宿題は最終日に慌ててまとめてやるタイプでしょう?」

のあ「チ、違うわ……」

泰葉「(計画的な性格とは思えないなぁ)」

のあ「……さて、私は失礼するわ」

泰葉「あれ? 用事でもあるんですか?」

のあ「家賃の支払い期日、それが今日。会計は私が済ませておくわ、お釣りは取っておきなさい」

泰葉「い、いいですよそういう見栄は。お金の事はキッチリしましょうよ」

のあ「……じゃあ、また」

泰葉「はい。お疲れさまでした」

時子「なに、アレ。食い逃げ?」

泰葉「おかえりなさい。高峯さんは用事があるらしいです」
99 :☆P ◆AL0FHjcNlc [saga]:2019/12/05(木) 00:57:04.26 ID:JLsu4+2l0

楓「あ、あの………泰葉ちゃん。さっきはごめんなさい、無神経な発言をしてしまって」

泰葉「や、やめてくださいよ! 謝られると、なんか私が不憫だと思われるじゃないですか!」

泰葉「それより、今度いつか旅行とか行きたくありませんか?」

時子「何よ藪から棒に。海外かしら」

泰葉「い、いえもちろん国内ですけど。なんか、この4人で骨休めに行くのも悪くは無いなってちょっと思っただけです」

時子「まあ、ないでしょうけど。気が向いたら考えてやらなくもないわ」

楓「良いですね♪ 沖縄と、北海道に行ってみたいです!」

泰葉「あぁ、良いですね! 沖縄なら美ら海水族館、北海道なら小樽とか……!」










━━━━━2時間後━━━━━
【岡崎宅】


泰葉「………旅行かぁ」

泰葉「いつも撮影ばかりだったし、ゆっくり観光とか今までしたことなかったかも」

泰葉「でも時子さんはさておき、あの二人は迷子になりそう………いや、絶対なる。それで前みたいに私の事をアナウンスで……」

泰葉「あはは……」


ppppppp……!!

泰葉「!」

泰葉「高峯さんから電話? なんだろ」

泰葉「もしもし?」

 『モ、もしもし………、ヤやや、泰葉ちゃんっ……』

泰葉「(うわっ。すごい狼狽して声震えてる)」

泰葉「ど、どうしました? 支払は終わったんですか?」

 『ソ、その、あの………お、お金が……』

泰葉「えっ?」

 『いい、1か月分じゃ、じゃなくて、その、チ、違ったの……!』

 『ど、どうしよ……、その、た、足りなくて………っ!』

泰葉「………………」

泰葉「(旅行は………無理だなぁ)」




おわり
──────
────
──
100 : ◆AL0FHjcNlc [sage saga]:2019/12/05(木) 01:01:19.54 ID:JLsu4+2l0
これにて第6作・番外編A、終了です。

本当にお待たせしてました。帰ってきました。
近々、某所では既にあげている、この続きの第7作を追記修正込みで投下予定です。

また目にする機会があればどうぞよろしくお願いします
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/05(木) 01:33:37.86 ID:6nrrOIXa0
生きとったんかワレ!(乙です
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/12/05(木) 12:16:56.42 ID:SSOh4RGhO
待っていたぞ乙!
カリスマも高峯面に堕ちてしまったか
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/12/06(金) 18:17:54.90 ID:hV0hjs+a0
来とるやんけ!
今回も面白かった
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/12/07(土) 12:00:53.46 ID:91PTSwid0
この続きってのはpixivにある貴音会合編かな?
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/11(水) 02:43:56.16 ID:Ua/pJyJYO

美嘉が吉良の同僚みたいになっててワロタ
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